JP3589880B2 - 全自動混載積付方法及びそのシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンベア搬送システムに於いて届け先毎振り分け装置(シュータ)の終点へと無秩序に流れて来る多品種少量箱物商品をパレット若しくはカゴ車へ積み付ける混載積み付け作業を自動化する方法及び装置に関し、特に、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどへの納入商品を扱う物流センター等において好適に適用され、シュータの終点へと搬送されて来る積み荷の形状等をリアルタイムに認識し当該パレット上にロボットを制御して自動的に混載積み付けをすることができる全自動混載積付方法及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
商品がコンベア搬送システムで運ばれて来てその終端(シュータエンド)にて人手で積み付けが行われる作業形態は、出荷物流の世界に於いては今や常識的方法として一般化している。しかし、シュータエンドでの混載積み付け作業は、次から次に無秩序に流れて来る寸法の異なる品物を待った無しの状況の中で効率良く積んで行くと言う、敏速で高度な熟練技能と体力が要求される。
【0003】
現在的にはこのシュータエンドに無秩序に流れて来る商品の混載積み付け作業は余りにも高度な熟練と知能が要求される為に自動化が全くされていない。勿論、自動化の例はあるが、それは前もって積み荷姿を決めておき荷姿積み付け順序に合わせた商品の流れを作り出し、流れて来た順番に前もって決めていた荷姿の通りに積んで行くと言う方式である。
【0004】
例えば、本願発明者の提案による特開平7−323925号公報に記載のランダムパレタイズ装置では、操作者が積載の様子を画面上で見ながらマウス等により積み荷の積載位置を指示し、指示された位置に基づいて求めた実際のパレット上での最適積載位置をマニピュレータに送出することで、配送ルート順に沿った積み付け(棒積み)を簡単な操作で指示できるようにしたランダムパレタイズを実現している。そして、シミュレーションモードにおいて、上記指示された該当の積荷の積載順序と積載位置の情報を含む荷姿定義データを作成して記憶しておき、実行モードにおいて、該当の荷姿定義データを参照して上記指示された順序に従って実際の積載を行う機能を設けることで、混載積み付け作業を自動的に行い得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、シュータエンドに無秩序に流れて来る商品の混載積み付け作業は、流れて来た順番に前もって決めていた荷姿の通りに積んで行くと言う方式を採用することによって自動化が実現されている。しかしながら、この方式は、コンベア搬送システムの上流からトラッキングと言う面倒で不確かな追跡処理を行って成り立っており、何らかの理由で1個でも順番が異なる事象が発生するとシステム停止となってしまうという問題があり、シュータエンドでの自動混載システムとしては不完全である。
【0006】
従って、コンベア搬送システムのシュータエンドでは殆どと言って良い程、自動化がなされておらず、相変わらず人手による混載積み付け作業が昼夜、低温・高温を問わず行われているのが現状である。
【0007】
本発明は上述のような事情より成されたものであり、本発明の目的は、リアルタイムスケジュール方式且つ棒積み方式による自動積み付けが可能であり、コンベア搬送システムのシュータエンドで行なわれている人手混載積み付け作業を汎用産業用ロボットを用いて自動化することができる全自動混載積付方法及びそのシステムを提供することにある。さらに、全自動混載積付システムにおける効果的な置き場所の抽出方法と積み付け対象の抽出方法、予測できない現象の問題解決を可能とする積み付け処理形態の変遷方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付方法及びシステム、並びに、全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法,積み付け対象の抽出方法、及び積み付け処理形態の変遷方法に関するものであり、本発明の上記目的は、全自動混載積付方法の発明においては、前記シュータエンドへと搬送されて来る積み荷の少なくとも寸法を含む情報をリアルタイムに認識する積み荷認識ステップと;前記パレット上に積み付けられた現在の荷姿認識データに基づき、前記パレット上の積載空間において今回積み付け対象の積み荷の積み付けが可能な置き場所候補を抽出する置き場所候補抽出ステップと;前記認識された積み荷の情報,前記抽出された置き場所候補の情報,及び前記現在の荷姿認識データに基づき、前記置き場所候補及び前記今回積み付け対象の積み荷の中から、積み付けの安定性を有すると共に、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”,高さ方向の積み付け経路を“山”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,前記川の上流側は幅が広く且つ前記山の高さが高くなるようにすること,前記川の中流はその川の経路にて前記山の高さが直前の山の高さを越えないようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも有利性の判断要素として前記ロボットによる先積み後下ろし操作の前記有利性を有する置き場所と積み荷とを求めて前記ロボットに積み付けを指令する積み付け制御ステップと;前記指令により積み付けた後の荷姿に対する荷姿認識データを作成して前記現在の荷姿認識データとする荷姿データ作成ステップとを有することよって達成される。
【0009】
また、置き場所の抽出方法に係る発明に関しては、前記認識された積み荷を当該パレット上に積み付ける毎に該積み荷の寸法及び積み付けた位置を含む積み荷データを検索要素毎に索引可能にリスト構造として記述して成る荷姿認識データを作成する荷姿データ作成ステップと;今回対象とする積み荷の置き場所を決定する際に、前記荷姿認識データに基づいて現在形成進行中の積み荷姿を認識し該積み荷姿において前記積み荷の積重ねにより形成されている各山の最上段に位置する積み荷に対する前記積み荷データを検索して該積み荷の上面を“山の上の置き場所”の候補として抽出する第1の置き場所抽出ステップと;当該パレットの寸法情報及び前記荷姿認識データに含まれる各山の平面方向の最大寸法情報に基づき、前記積み荷が置かれていないパレット面の空領域を求めると共に、前記各山を構成する最大寸法の積み荷を対象として各積み荷の辺の延長線同士及び前記延長線と前記パレットの辺との交点を求め、該交点を基に確定した位置を基準とする矩形の空領域部分を前記パレット面の空領域の中から“じか置き場所”の候補として抽出する第2の置き場所抽出ステップとを有し、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも判断要素として、前記山の上の置き場所及び前記じか置き場所の各候補の中から最終的な置き場所を決定することによって達成される。
【0010】
さらに、上記置き場所の抽出方法に係る発明に関しては、前記第2の置き場所抽出ステップは、前記じか置き場所の候補を、次のS11〜S14の手順により算出して抽出することによって、より効果的に達成される。
S11. 前記パレットのX軸及びY軸方向の寸法をPL,PWとしたとき、前記山を構成する最大寸法の積み荷を対象として各積み荷の右辺、下辺に沿って鎖線を引くと共に、X=0及びY=PWの鎖線を引く。
S12. 前記S11のステップで引いた各鎖線のうち下辺の延長が右側の積み荷で遮られる積み荷の右辺、下辺の鎖線を消去する。
S13. 残りの鎖線のうち積み荷の左辺、右辺の延長が下側の積み荷で遮られる積み荷の右辺、下辺の鎖線を消去する。
S14. 残りの鎖線の交点を未確定交点とし、下記のa1及びa2の処理を繰返すことで設定された確定点を基準として矩形の空領域部分を前記じか置き場所の候補とする。
a1.各未確定交点のうちX座標最小、Y座標最小の交点を選び確定点とする。
a2.前記確定点を通る縦、横鎖線を消去する。
【0011】
さらに、上記置き場所の抽出方法に係る発明に関しては、前記抽出された山の上の置き場所及び前記じか置き場所の各候補のデータが、前記山の上の置き場所と前記じか置き場所とを識別するための“置き場所識別”,当該置き場所の基準位置を示す置き場所座標,及び前記基準位置を基準として当該置き場所での積載可能な平面方向での最大矩形空領域を示す“置き場所最大広がり”の各情報を少なくとも含むと共に、前記山の上の置き場所と前記じか置き場所の各置き場所毎、且つ高さ方向に積み付け可能な前記積み荷の組合せを認識するための分類タイプ毎に参照可能に構成されていることによって、より効果的に達成される。
【0012】
さらに、上記置き場所の抽出方法に係る発明に関しては、前記第1の置き場所抽出ステップは、前記積み荷の積重ねにより形成されている山において、隣接する積み荷での下の積み荷の上面の矩形空領域の寸法が所定の寸法以上であるか否かを求め、所定の寸法以上であれば前記上面の矩形空領域部分を別の山の上面として分割し、2つの山として前記山の上の置き場所の候補の抽出処理をすることによって、より効果的に達成される。
【0013】
また、積み付け対象の抽出方法に係る発明に関しては、前記認識された搬送過程の積み荷及び該積み荷の順番を変更するために搬送路から一時的に払出された積み荷を対象として、前記積み荷の少なくとも寸法を含む認識情報を基に各積み荷を基本形状での分類タイプを第1の分類タイプとして各分類タイプ別に分類する第1の分類ステップと;前記積み荷を組合せて平面方向に矩形状に合成して成る積み荷の集合体を一つの積み荷と見なし、該積み荷を前記第1の分類タイプ別に分類する第2の分類ステップと;前記第1の分類タイプの異なる分類同士を組合せた組合せタイプのうち、当該組合せタイプに属する積み荷を高さ方向に積み付けた場合の制約条件として、大きな物に小さい物を乗せる場合の制約条件を規定したピラミッド条件、小さい物に大きい物を乗せる場合の制約条件を規定した逆ピラミッド条件、及び上面に開口部を有する上面解放物に物を乗せる場合の制約条件を規定した上面解放物条件を含み、これらの制約条件を満たす高さ方向の積み荷の組合せとして、前記第1の分類タイプ別に分類された同じ分類同志の積み荷の組合せと、大物四角と前記上面解放物との組合せ,及び前記上面解放物と大物横長との組合せを含む前記第1の分類タイプ別に分類された異なる分類同士の有効な積み荷の組合せとを積み付け可能な置き場所毎に求め、求めた前記高さ方向の積み荷の組合せタイプを第2の分類タイプとして追加する第3の分類ステップと;前記第1及び第2の分類タイプ別に分類された前記積み荷の集合のうち、前記搬送路上の積み荷若しくは前記搬送路から払出された積み荷に対する前記ロボットのアクセス条件を満たすものを積み付け対象として抽出する積み付け対象抽出ステップとを有することによって達成される。
【0014】
さらに、上記積み付け対象の抽出方法に係る発明に関しては、前記第2の分類ステップは、前記矩形状に合成する際、当該置き場所での積載可能な平面方向での最大矩形空領域を基準として同等の大きさの矩形となるように合成すること;前記第1の分類ステップは、前記基本形状のタイプ別に分類する際、上面解放物と非上面解放物とに分類すると共に、前記非上面解放物の積み荷を対象として基準となる積み荷の寸法を含む設定基準情報に基づいて大物四角,大物横長,小物に分類し、前記第1の分類タイプとして少なくとも前記上面解放物,大物四角,大物横長及び小物の4つの分類タイプに分類することによって、より効果的に達成される。
【0015】
また、積み付け処理形態の変遷方法に係る発明に関しては、前記パレット上の平面方向での積み付け基準経路を“川”と定義すると共に高さ方向の積み付け経路を“山”と定義し、少なくとも前記川及び前記山の各経路上での位置及び前記積み荷の寸法の違いを要因とする前記積み荷の積み付け方の違いに応じて異なる積み付け処理形態であって、当該積み付け処理形態から他の積み付け処理形態へ変遷する際の優先順位が前記積み荷の配送逆順を含む前記積み荷の積み付けに係る条件に応じて設定された積み付け処理形態を目的意識として設定しておくと共に、前記各目的意識に対する目的達成条件及び制約条件を設定しておき;今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に応じて前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をすると共に、前記積み付け処理形態で積み付け処理が実行できない場合は、前記積み荷の配送逆順の条件を排除して、積み付け可能な任意の山の上に積み荷を置く第1の形態及び川の途中から川を支流として発生させてその支流に積み荷を置く第2の形態を含む積み付け処理形態にて積み付け処理をすることによって達成される。
【0016】
さらに、上記積み付け処理形態の変遷方法に係る発明に関しては、前記目的意識に対する目的達成条件若しくは前記目的意識に対する制約条件を満たすことができないと判断した場合、前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をするステップを有すること;前記目的意識の変遷の履歴を記録した履歴情報に基いて同一遷移パターンの繰り返しを認識した場合は、前記目的達成条件及び/又は前記制約条件を緩和して現在の目的意識で積み付け処理を続行するステップを有すること;前記目的意識での積み付け処理形態では前記目的意識に対する目的達成条件若しくは前記目的意識に対する制約条件を満たすことができないと判断した場合は、前記目的意識の基本変遷形態とは異なる特殊変遷形態に切替え、前記第1及び第2の形態を含む当該特殊変遷形態で設定されている変遷順位で前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をするステップを有すること;前記目的達成条件及び/又は前記制約条件を規定のレベルまで緩和した状態において前記切替え後の同一遷移パターンの繰り返しを認識した場合は、処理続行不能と判断して当該パレットの積み付け処理を終了するステップを有すること;前記目標達成条件の要素として、前記山の目標の高さに対する現在の高さの達成率が設定されていること;前記目的意識として、前記山及び前記川の各経路での積み付け処理形態として、川の最上流での山基礎作り,川の中流での山基礎作り,現在の山の成長促進,作成逆順山戻りによる山成長,作成逆順川戻りによる山成長,ランダムな山戻りによる山成長,横長商品の川戻りによるじか置き処分,支流川の作成,及び小物処分の各積み付け処理形態が設定されていること;によって夫々より効果的に達成される。
【0017】
また、全自動混載積付システムに係る発明に関しては、前記シュータエンドへと搬送されて来る積み荷の少なくとも寸法を含む情報をリアルタイムに認識する積み荷認識手段と;前記パレット上に積み付けられた現在の荷姿認識データに基づき、前記パレット上の積載空間において今回積み付け対象の積み荷の積み付けが可能な置き場所候補を抽出する置き場所候補抽出手段と;前記認識された積み荷の認識情報,前記抽出された置き場所候補の情報,及び前記現在の荷姿認識データに基づき、前記置き場所候補及び前記今回積み付け対象の積み荷の中から、積み付けの安定性を有すると共に、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”,高さ方向の積み付け経路を“山”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,前記川の上流側は幅が広く且つ前記山の高さが高くなるようにすること,前記川の中流はその川の経路にて前記山の高さが直前の山の高さを越えないようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも有利性の判断要素として前記ロボットによる先積み後下ろし操作の前記有利性を有する置き場所と積み荷とを求めて前記ロボットに積み付けを指令する積み付け制御手段と;前記指令により積み付けた後の荷姿に対する荷姿認識データを作成して前記現在の荷姿認識データとする荷姿データ作成手段とを備えることによって達成される。
【0018】
さらに、上記全自動混載積付システムに係る発明に関しては、前記川及び前記山の各経路上での位置及び前記積み荷の寸法の違いを要因とする前記積み荷の積み付け方の違いに応じて前記積み荷の積み付け処理形態が目的意識として設定されている共に、各目的意識に対する目的達成条件及び制約条件が設定されており、前記積み付け制御手段は、今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に対して前記目的達成条件及び制約条件応じて前記目的意識を変遷して該当の積み付け処理形態で処理することによって、より効果的に達成される。
【0019】
さらに、上記全自動混載積付システムに係る発明に関しては、前記積み付け制御手段は、前記安定性及び前記有利性を有する置き場所及び/又は積み荷が現時点では存在しないと判断した場合は、前記安定性若しくは有利性の条件のレベルを下げて処理すること;前記シュータエンドに搬送されて来る積み荷の順序を変更できる装置あるいは場所を具備し、前記荷認識手段によって認識された搬送過程の積み荷と前記順番を変更するために搬送路から一時的に払出された積み荷とを前記今回積み付け対象の積み荷として処理すること;によって夫々より効果的に達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明はどの様な順番で商品が積み付け場所に届くかが解っていない状況で人間が素直に『見て、考えて、積む』と言う行為を行っている事を、寸法/重量の自動計測装置(又は商品識別コードとコード読取り装置と寸法定義マスター)とリアルタイム積み付け計算ソフトウェアと産業用汎用ロボットとを用いて実現するものである。
【0021】
流れて来る順番や大きさがばらばらな商品を同一パレットに積み付ける「混載積み付け」の方法には、一般に『面積み』と称される方法と『棒積み』と称される方法がある。また、荷姿の計算方法としては、前もって全体荷姿を計算しておく『プレスケジュール』と称される方法と、品物が目前に現れた時に現在形成進行中の荷姿を認識してより合理的な場所を選び瞬時々に問題を解決してゆく『リアルタイムスケジュール』と称される方法がある。
【0022】
『面積み』と称される方法は,できる限り高さの同じ物を合成矩形の面で展開し積み付けの安定度を高める方法であり、届け先が1つで、且つ前もって積み付けるべき品物と順番が全て解っている場合に限定して有効な方法である。
【0023】
一方、『棒積み』と称される方法は、積み付ける本人は前もって何を積めば良いかの情報を持っておらず、且つ先積み後下ろしを有利に行う為の積み付け方法であり、高さ方向に積み付けの優先度のあるコンベア終端に於いて一般的に人間が行っている積み付け方法である。
【0024】
流れて来る品物が無秩序であり、且つ少量多品種の場合の『棒積み』は機械化が難しい為にエンジニアが避けているのが現実であり、本発明はこの『リアルタイムスケジュール方式(以下「リアルタイム方式」と言う)かつ棒積み混載方式』を解決するものである。
【0025】
プレスケジュール方式では品物の到着順番と積み付ける場所及び搬送順番が決まっているので、『品物を見て、考えて、積む』と言う事は必要が無い。バーコード等で商品を識別しているのは単なる搬送順番の誤り防止の為だけである。
【0026】
本発明で適用するリアルタイム方式では『見る行為』が非常に重要な問題であり、『見る』と言う行為に2つの対象が出て来る。即ち、1つは『到着した荷物を見る』と言う事と、2つは『その時点で、今まで積み付けて来た結果としての全体の積み荷姿を見る』と言う事である。
【0027】
『考える』と言う事は上記『見る』と言う行為で認識された投入品物と現状積み荷姿の相関関係に於いて『積める』と言う場所を探し当てる事である。『積む』と言う事は、上記『考える行為』で発見した積める場所のうち、未来の積み付けを有利に展開できるのは何か?を判断し、積む行為を実行する事である。本発明はシュータエンドで繰り広げられるこれらの『見る』,『考える』,『積む』と言う人間の行為を、寸法・重量自動計測機(又は商品識別コードとコード読取装置と寸法定義マスター)と計算機ソフトウェアとロボットとその周辺機器とを図1の様な組合せで実現するものである。
【0028】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明において積載対象となる多品種の商品は、段ボール箱や折りたたみコンテナ等の直方体であるため、以下、包括的に「箱」又は「積み荷」と称して説明する。
【0029】
図1は、本発明を実現する全自動混載積付システムの構成の一例を示しておりシステム全体を制御する荷姿計算用計算機(本例では、パーソナルコンピュータ)50は、Ether−Net等の通信回線34及びロボット制御装置32を介して1台若しくは複数台のロボット30と接続されている。
【0030】
本例での全自動混載積付システムは、主要な構成として積載対象の積み荷(商品)1を搬送するためのコンベア10と、シュータエンドへと搬送されて来る積み荷1少なくとも寸法を含む情報(本例では寸法及び重量)を計測する自動寸法測定装置12と、この自動寸法測定装置からの測定情報により認識した積み荷の認識情報及び現在の荷姿認識データに基づき、積み付けの安定性や先積み後下ろしの有利性を有する置き場所をリアルタイムに求めて順序変更払出し装置25又は順序変更払出し場所26に払出すか、ロボット30に積み付けを指令すると共に、この指令により積み付けた後の荷姿に対する荷姿認識データを作成して上記現在の荷姿認識データとする荷姿計算用計算機50と、ロボット制御装置32を介して受けた荷姿計算用計算機50からの積み付け指令に従い、該当の積み荷1をパレット上20又カゴ車22内(以下、カゴ車22等の積載空間を有する物品の移送/保管手段を含めてパレットと言う)の指令位置に順次積み付けてゆくロボット(汎用産業用ロボット)30とを備えている。シュータエンドに搬送されて来る積み荷1の順序を変更する形態としては、順序変更払出し装置25に指令して該当の積み荷を搬送路から所定の場所(装置25が具備する払出し場所、若しくは順序変更払出し場所26)に払出して順序を変更する形態と、ロボット30に指令して順序変更払出し場所26に払出して順序を変更する形態とがある。以下の説明では、後者の形態を適用した場合を例として説明する。
【0031】
荷姿計算用計算機50は、環境情報(パレットの寸法と位置、シューターエンドの位置、ピッキングスタイル(H型,養鶏型,ダブルH型)等の情報)、及び積載条件(後述するピラミッド条件,逆ピラミッド条件,ハンド干渉条件など)の情報を知識として管理しており、ロボットによる積み付けを制御するための指令は、主にこれらの情報と自動寸法測定装置12からの測定情報及び自分自身が順序組替えの為に払出した品物情報を基に作成される。なお、自動寸法測定装置12は積み荷1の寸法,重量を計測する手段として使用されるが、計測装置の代わりに若しくは併用して、商品識別コードを読取るコード読取り装置を設け、商品識別コードから寸法定義マスター等のデータベースを参照して積み荷1の商品情報を認識するような構成としても良い。
【0032】
このような構成において、前述の『到着した荷物を見る』という行為は、自動寸法測定装置12からの測定情報を基に、搬送されて来る積み荷1の形状や重量を荷姿計算用計算機50がリアルタイムに認識することによって実現している。なお、本例では自動寸法測定装置12をコンベア10の終端から所定の距離を隔てた場所に配置することで、複数の積み荷1をリアルタイムに認識し得るようにしている。
【0033】
一方、前述の『その時点で、今まで積み付けて来た結果としての全体の積み荷姿を見る』という行為は、荷姿計算用計算機50が、置き場所を決定して該当の積み荷1を積み付けた後の全体の積み荷姿に対する荷姿認識データを作成して現在の荷姿認識データとし、この荷姿認識データに基づいて現在進行している荷姿の構成を認識することによって実現している。更に前述の『考える』という行為及び『積む』という行為は、荷姿計算用計算機50が現在進行している上記荷姿の認識データに基づいて置き場所の候補を抽出すると共に、上記『到着した荷物』若しくは、上記『到着した荷物』と『順序変更払出し場所に払出した荷物(又は順序変更払出し装置により払出した荷物)』を対象として置き場所毎に積み付け可能な箱の組合せを抽出し、今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に応じて目的意識を変遷するなどの処理によって、可能な限り積み付けの安定性,ロボットによる先積み後下ろし操作の有利性を有する“置き場所”と“積み荷”を求めるようにする事によって実現している。
【0034】
すなわち、荷姿計算用計算機50では、自動寸法測定装置12で測定した積み荷1の情報を基に『流れて来る積み荷1及び自分が順序変更の為に払出した荷2を見て』、その『見る』と言う行為で今回対象の積み荷1及び荷2と今まで積み付けて来た結果としての全体の積み荷姿を基に、どの積み荷1あるいは荷2をどこに置けば最適か、最適な場所が無ければどこに置くか等を『考え』、考えた結果を積み付け指令としてロボット30に指令することで『積む』という行為を実行するようにしている。
【0035】
以下、具体例を示して本発明のシュータエンドにおけるパレットへの全自動混載積付方法を詳細に説明する。
【0036】
本発明の『リアルタイム方式かつ棒積み混載方式』を実現する全自動混載積付方法は、図2に示す概略処理の流れで実現される。ここで、同図2に示される概略処理の流れを説明するに先立って、本発明の記述において特徴的である「言葉」の意味と概念について述べる。
【0037】A.言葉の意味と概念
A−1 「じか置き場所」
カゴ車/パレットの面に直接的に接する面に置く事を「じか置き」と表現し、その置き場所を「じか置き場所」と言う。じか置き場所の候補を決定する際には、「じか置き場所」の『広がり』の定義が重要になる。積載面のX軸方向に限定して例えると、X軸方向の物理的空間余裕は十分にあるが、隣接する置き場所とのX軸の差分が十分な広がりで無い場合などである。この為に隣接条件としての置き場所の広がりと、現場での最大商品寸法の広がりと、物理的余裕広がりの区別が重要になる。
【0038】
A−2 「箱の上置き場所」
言葉の意味は自明であるが、『物を物の上に乗せる』と言う意味に於いては場所の広がりをどの様に定義するかが問題となる。箱の上置き場所の候補を決定する際には、次に示すピラミッド条件、逆ピラミッド条件、ハンド干渉条件が問題解決を行う為に重要となる。
【0039】
A−3 「ピラミッド条件」
箱の上置きでは、『物を物の上に乗せる』と言うのであるから、大きい物の上にそれより小さい物を乗せる事が理想で有る事は自明である。大きい物の上に小さい物を乗せる場合の条件を「ピラミッド条件」と定義し、その条件を次の様に定める。
ピラミッド条件:乗られる側と乗る側の箱のX軸、Y軸方向のそれぞれの寸法比をM1%(本例では、M1=75:これを75%条件と言う)とする。
【0040】
A−4 「逆ピラミッド条件」
『物を物の上に乗せる』と言う場合に何が何でも大きい物の上に小さい物を乗せなければならないと言うのが、理屈が通る訳で無いのは自明である。ピラミッド条件は大きな物に小さい物を乗せる場合の制限を述べているのに対し、逆ピラミッド条件は小さい物に大きい物を乗せる場合の条件を規定するものである。
逆ピラミッド条件:乗る側の寸法はX軸、Y軸に対しその山を形成している箱最小寸法のM2%(本例では、M2=133:これを133%条件と言う)までとする。
【0041】
A−5 「ハンド干渉」
対象の山形成において、今回置こうとする箱が既に作成されている荷姿に対してどの様な干渉を行うかは非常に重要な問題である。
ロボットのハンドと既に置かれている箱との干渉には『高さ』と『出っ張り』の2つがあり、『高さの干渉』は手前の山高さが奥の山高さより高い時に奥の山に置く場合に起こり、『出っ張りの干渉』は川の上流の幅が下流より狭い時に上流の川に隣接させて置こうとした場合に起こる。
この種の干渉がなるべく起こらない様な積方が効率の良い積方である。
【0042】
A−6 「眼前の物」
本発明が解決しようとする問題は『コンベアを流れて来る順番を前もって知らない』、と言う条件で積付けを行う事であるが、眼前に物が現れた場合には当然その流れは知り得る。本発明を実用化する場合には『眼前の物』と言う事をどう定義するかは重要な問題である。この事により実用装置の大きさが決定するからである。図1に示した全自動混載積付システムの例では、荷姿計算用計算機50は自動寸法測定装置12からの寸法情報(又は商品コード)をリアルタイムに入力することで、コンベア10のシュータエンドから数えてK個の商品を「眼前の物」として前もって認識し得るようにしている。本発明では「眼前の物」の数を例として8個と定義する。これは積み付け現場での平均高さのほぼ8倍が積み付け制限高さにほぼ一致していると言う経験則による。
【0043】
A−7 「順序変更払出し」
すべての流れが小さいもの順であった場合には、コンベアの終端の一個のみしかロボットがアクセス出来無い条件では元々積み付けは不能となる為、流れの順番を変える方法として「順序変更払出し場所」を設ける。この場合、最低限何個の順序変更払出し場所を設ければ良いかは本発明の実用化に於いて装置の大きさを規定する大変重要な問題である。本発明では例として、コンベア10の終端近傍に順序変更払出し場所26を設け、その順序変更払出し場所26に置ける箱の個数、すなわち「払出し」の個数を例として4個と定義する。あるいは、前述のように積み荷の順序を変更できる順序変更払出し装置25を設け、搬送路から積み荷を払出して最大n個(本例では4個)の積み荷の順番を変更し得るようにしても良い。
【0044】
A−8 「川」
本発明は基本的に一つのカゴ車/パレットに複数箇所に届ける品物を積み付ける事を前提とする。一つの届け先はなるべく一塊になっている事が荷降ろしする際に便利である事は自明である。その為に本発明では、1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を「川」と言う言い方で現し、荷姿の作成順に一定程度の制限を設ける。具体的な例として「川」とは、図3の矢印の流れの事である。
【0045】
A−9 「川の最上流」
図3に於いて一つの川(矢印)の始点Snを「川の最上流」と定義する。
A−10 「川の成長」
図3に於いて矢印の方向にそって物が置かれて行く模様を川の成長と言う。
A−11 「川の中流」
図3に於いて川の最上流Sn以外の場所を「川の中流」と言う。
A−12 「川の支流」
非常に理想的な場合には、川は図3の様に整然とした流れを作り出すが、往々にして最上流Snから川が発生するのでは無く中流から始まる場合が出て来る。この場合を川に「支流」が出来たと表現する。
A−13 「川戻り」
複数の川が既に生成されている場合、過去に作成した川に注目する事を「川戻り」と言う。
【0046】
A−14 「山」
箱を複数段積み重ねる模様(高さ方向の積み付け経路)を「山」と称する。山の高さは物理的な積み付け制限高さ、今回積み付け容量から計算される目標高さ、既に形成されている荷姿に対するハンド干渉回避の為の実効高さの三種類の区別がある。
作り:
A−15 「山の基礎作り」
川の最上流、中流に於いて眼前の物を対象にしてじか置きを考える事を「山の基礎作り」と言う。
A−16 「未完成山」
目標高さに達していない山の高さの山を「未完成山」と言う。
A−17 「山の成長」
未完成山に箱を追加積み付けして目標高さまでもって行く事を「山の成長」と言う。
A−18 「山の途中」
未完成山の最上段を「山途中」と言う。
【0047】
A−19 「山の分割」
ピラミッド条件が成立しない面積比の品物を乗せた場合、即ち、乗る側の箱の寸法l,wのどちらか一方が乗られる側の箱の寸法L,Wの75%以下であった場合には、今までは一つの山として管理していたものを2つの山として管理する様にする。この事を「山分割」と言う。例えば、図4に示すa,bから成る1つの山が,その上にcが乗る事により図5に示す様に、aがd,fに、bがe,gにそれぞれ分割されてd,e,cとf,gの2つの山として管理される。
【0048】
A−20 「山の作成順」
荷積みが複数届け先、配送逆順をテーマにしているので、「山の作成順」は川に沿って最上流から下流に向かって行われ、川替えが発生すると又、その最上流から下流に向かって……と言った具合になる。
A−21 「山の戻り」
山の作成順を逆順に辿る事を「山戻り」と言う。
A−22 「無秩序な川・山戻り」
山、川の作成順に拘らずに置ける場所ならどの箱の上でも構わないと言う立場に立った時、無秩序な山・川戻りと言う。
【0049】
A−23 「目的意識」
積み付ける場所により『積み方』に大きな違いが出て来る。即ち、川の上流は幅が広くて、高さが高い方が良いとか、川の中流は直前の山の幅を越えない幅程度でほぼ同じ幅を持ち、山の高さも直前の山高さを越えないほぼ同じ高さが良いなど、局面に応じて『どの様な積み方を目標にすれば良いか』が問題になって来る。本発明では基本的に図2中のid1〜id12の局面を設定し、これを「目的意識」として定義する。
id1:山途中 id7 :漠然じか置き(川支流)
id2:川中流 id8 :諦め
id3:山戻り id9 :勝手山置き
id4:川戻り id10:順序変更払出し
id5:戻りじか置き id11:小物処分
id6:川最上流 id12:踏ん切り
【0050】
A−24 「目的達成」
上記の『目的意識』毎に目的は異なる。例えば川最上流では目標高さに対して80%の達成率、山途中・中流では実効高さに対して80%の達成率、山戻りでは実効高さを越えない面積比差分の少ないものなどである。この目的意識毎に定義されている目的が達成された場合に「目的達成」と言う。
A−25 「目的意識の変遷」
ある目的意識を持って積み付けを行おうとしたが、その目的を達成しきれなかった場合には、他の目的意識に変えて見て達成するかどうかのチェックを行う事を「目的意識の変遷」と言う。
A−26 「どうどう巡り」
目的意識の変遷を繰り返しているとその変遷の仕方が同一パターンで繰り返される事がしばしば発生する。同一パターンで目的意識の変遷が行われている状況を「どうどう巡り」と言う。
【0051】
A−27 「緩やかな意思による目的意識の変更」
例として川最上流の山途中と言う目的意識で積み付けを考えている場合に、ピラミッド条件、逆ピラミッド条件、ハンド干渉条件などの為に目的が達成されなかった場合には、中流の山基礎作りに目的意識を変える事は自然である。この様な目的意識の変え方を「緩やかな意思による目的意識の変更」の変更と言う。 id1――>id2,id2――>id6等はこの類いの変更である。
【0052】
A−28 「強い意思による目的意識の変更」
川は最上流から発して下流に流れるのが通常であるが、この規則を破って川が中流から始まる様な場合には『支流を作る』と言う強い意思が働かねば目的意識は変更されない。穏やかな目的意識群(id6,id2,id1,id3,id4)から特別な目的意識群(id5,id7,id9)へ移る場合を「強い意思による目的意識の変更」と言う。
【0053】
A−29 「諦め」
本発明では目的意識の変更を何度も繰り返し“どうどう巡り”を行っている事が判明すると、制約条件を緩めて再度目的意識の変遷を行う様な仕組を取り入れ、それでもどうどう巡りになってしまう場合には何らかの歯止めを定めておき、その歯止め以上のどうどう巡りとなった場合の行動として『考え放棄(=諦め)』を選択する様にする。
【0054】
A−30 「今回決定分の荷姿」
本発明では『眼前の物』を処理する、即ち、その時々の問題解決を行う事をテーマとする為に、荷姿は常に部分荷姿として決定されて行く。従って、『荷姿が決定した』と言う表現は、今回眼前の物を処理した結果としての部分荷姿の事である。
【0055】
以上が本発明の記述において特徴的である「言葉」の意味と概念であり、上記の「言葉」を用いて本発明の全自動混載積付方法の概略を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
[ステップS1]:『目的意識の初期設定』
本発明では、シュータエンドへと流れて来る品物が無秩序であり、かつ多品種の品物を対象としており、両者の相関関係においてリアルタイムに変化する事象(局面)、即ち前もって予測できないその時点での事象に対処するために、各事象毎にどのような積み方をすれば良いかの処理形態をパターン化して目的意識として設定しておき、その目的意識をもって積み付けるようにしている。
【0057】
荷姿計算用計算機50では、先ず、初期設定処理として目的意識を示すidの初期値を設定する。本例ではパレット3上に何も置かれていない場合は、先積み後下ろしの有利性を考慮して川最上流から箱を置くことを最優先としており、ここでは、初めの目的意識を川最上流(id6)とする。
【0058】
[ステップS2]:『置き場所候補の抽出』
荷姿計算用計算機50では、現在の荷姿認識データ(初期データは“積み荷無し”を示すデータ)を基に現在の荷姿を認識し、次に積み付ける箱の置き場所の候補を抽出する。本発明では、「じか置き場所」と「箱の上の置き場所」について、それぞれ置き場所の候補を抽出する。なお、本例では置き場所候補の抽出処理をする時点では、次に積み付ける箱がどのような箱かは関知せず、現在の荷姿から置き場所候補を抽出するようにしている。
【0059】
[ステップS3]:『今回対象とする箱の抽出』
続いて、自動寸法測定装置12からの測定情報(寸法/重量又はコード認識情報等)により認識した箱1(眼前の物)と、積み付け処理において順序変更払出し場所に一時的に置いた箱2とを対象として、現在の状況下で積み付け可能な箱及び箱の組み合わせを抽出する。本例ではコンベア上の終端から数えて8商品(箱)と、順序変更払出し場所に置かれている最大4個の商品とを対象として、後述する『箱組合せの抽出方法』を採用して、箱寸法等による分類や箱の組合せによる合成矩形による分類/組合せを行い、更に、置き場所等に起因する制約条件を満たすものを積み付け対象として置き場所別,分類タイプ別に抽出することによって、合理的な積み付けを行い得るようにしている。
【0060】
[ステップS4]:『目的意識による処理』
続いて、目的意識毎に定義されている条件(ピラミッド条件,逆ピラミッド条件,上面解放物条件,ロボットハンドと箱との干渉条件,山の高さの目的達成率など)により、現在の『目的意識』に応じて最適な箱と置き場所とを決定して該当の積み荷1をパレット20又は順序変更払出し場所26に置く指令を生成し、ロボット制御装置32を介してロボット30に指令する。この『目的意識』による主な処理(通常の処理形態)としては次の種類があり、目的意識を変遷する際の基本的な優先順位は、複数届け先,配送逆順,ロボットのハンド干渉等の条件を考慮して次の順番で設定されている。この優先順位は固定のものではなく、この優先順位の流れで目的意識を変遷しても処理できない場合は、例えば配送逆順の条件を除外した条件での優先順位に変更するなど、目的意識を状況に応じて自動的に変更するようにしている。
【0061】
『目的意識』による処理の概要
・川最上流(id6) :川の最上流の山基礎作り
・川中流(id2) :川の中流の山基礎作り
・山途中(id1) :前回未完成山途中での山形成継続
・山・川戻り(id3,id4):作成逆順山戻りによる未完成山の成長促進
・勝手山置き(id9) :無秩序な作成順山戻りによる山の上箱置き
・戻りじか置き(id5) :横長商品の川戻りじか置き
・漠然じか置き(id7) :川の支流作り
・小物処分(id11) :小物処分
【0062】
[ステップS5]:『目的達成かどうかの判断』
上記の目的意識による処理が終了したのであれば、その目的意識に対する目的が達成されたかどうかを判断する。この判断は、前述のように例えば「川最上流では目標高さに対して80%の達成率を超えたのであれば目的達成とする」というように、目的意識毎に定義されている判断基準を基に行なわれる。荷姿計算用計算機50では、上記目的意識による処理により該当の箱の積み付け処理が完了し、目的達成と判断したのであればステップS7に移行する。一方、上記ステップS2で求めた置き場所候補の中に、コンベア最終端にある箱の積み付けるべき場所が存在しない場合は、目的意識を「順序変更払出し(id10)」に変更して積み付け処理をせずに順序変更払出し場所に払出し、条件成立待ちとしてステップS7に移行する。他方、該当の箱の積み付け処理は完了したが、目的を達成していないと判断したのであれば、ステップS6に移行する。
【0063】
[ステップS6]:『目的未達成の場合のどうどう巡りの判断』
上記ステップS5において、目的未達成と判断したのであれば、同一パターンで目的意識の変遷が繰り返し行なわれている状況(どうどう巡り)であるか否かを判断する。この判断は、目的意識の変遷履歴を示す履歴情報を基に行う。姿計算用計算機50では、どうどう巡りをしていて諦めるべきタイミングと判断、例えば制約条件を緩和し、下記の特殊変遷形態による処理でもどうどう巡りが解消できないと判断したならば、目的意識を「諦め(id8)」に変更し、ステップS7に移行する。
【0064】
一方、どうどう巡りをしていて諦めるべきタイミングでなければ、強い意志による目的意識の変更(「踏ん切り(id12)」への変更)を行い、基本変遷形態とは異なる特殊変遷形態に切替え、当該特殊変遷形態で設定されている該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をする。この特殊変遷形態では、例えば、制約条件の緩和及び/又は制約条件を一部除外した条件での目的意識の変遷順位による処理形態が設定されており、目的が達成される間はその変遷順位で処理形態を変遷させるようになっている。
【0065】
他方、どうどう巡りはしていないが、所定の積載条件(ピラミッド条件,逆ピラミッド条件,ハンド干渉条件など)を満たさないなどにより目的が達成できないのであれば、緩やかな意志による目的意識の変更を行う。この場合の目的意識の変遷パターンは、例えば目的未達成の原因となる条件に応じて定義されている。そして目的意識を変更した後、上記ステップS4に戻り、変更後の目的意識による処理を行う。
【0066】
[ステップS7]:『今回決定内容の処理』
ステップS7では、今回決定内容の処理として次の処理を行う。上記ステップS4の処理にてパレット20への積み付けを実施したのであれば、今回決定分の荷姿認識データを作成し、順序変更払出し場所に箱を置いたのであれば、その順序変更払出し場所と該当の箱を示す払出し場所情報を作成して上記ステップS2に戻り、次の箱に対する積み付け処理を実施する。一方、目的意識が「諦め:処理続行不能(積み付け処理が正常に完了した場合を含む)」となっている場合は、パレット払出しが実行され、当該パレット20への積み付け処理を終了する。
【0067】
図6は、本発明を採用してシュータエンドでロボットを用いて積み付けを行った場合の1パレットの積み付け結果を示すモニタリング画面の例である。図6のモニタリング画面40において、最上段に6個の箱(最大8箱が表示される)が表示されているのはコンベア上を流れている商品の模様を示している。左下の荷姿はコンピュータが計算した荷姿であり、中央下はその平面図、右下の荷姿はロボットの積み付け進行モニターである。この例は1パレットの荷姿作成の最終局面のモニター画面であるので『目的意識』(画面では思考パターン)が”8”、即ち、『諦め:id8』により自動払い出しが決定された瞬間を示している。
【0068】
次に、本発明のリアルタイム方式かつ棒積み方式による『置き場所の抽出方法』(前述のステップS2の処理)について詳細に説明する。
【0069】
『置き場所(候補)の抽出方法』
[現在進行している積み荷姿の認識方法]
シューターエンドにおける全自動混載積付を実現するためには、「リアルタイム」と言う要因から現在進行している積み荷姿の認識が必要である。本発明では、図7のデータ記述群で荷姿を定義する。図7に示すように、現在の荷姿を認識するための荷姿認識データ60は、荷姿を形成している個々の箱の情報(以下、「積み荷データ」と言う)61と、各積み荷データを荷姿作成順,山最上段の箱,山最下段の箱などの検索要素毎に索引するための索引情報(以下、「管理データ」と言う)62とから構成される。
【0070】
荷姿計算用計算機50では、パレットに積み付けられた各積み荷データ61を荷姿作成順にリンクするポインター(荷姿作成順管理データ62a内の「先頭ポインター」及び「最終ポインター」、積み荷データ61内の「荷姿作成順リンク(Foward Link及びBack Link)」によってリスト構造を形成して今回決定分の荷姿のデータとして作成すると共に、山最上段,山最下段に位置する各積み荷データ61を山の高さ順にリンクするポインター(最上段リンク,最下段リンク)によってリスト構造を形成し、それぞれ山最上段リンクリスト,山最下段リンクリストとして作成するようにしている。
【0071】
個々の積み荷データ61には、図7に示されるように上記の「荷姿作成順リンク」,「最上段リンク」及び「最下段リンク」の各リンク情報の他に、自分の上に乗った箱を管理するための「箱管理情報」(先頭ポインター,最終ポインター及び個数)、積み付けのやり直しを可能とする為のコンベア,順序変更払出し場所及びパレット間の移動経緯を示す「荷取り点トレース」、上面解放物,大物四角,大物横長,小物など、箱のタイプを示す「箱タイプ」、自分の箱の平面方向の寸法を示す「箱L方向/W方向寸法」、他の箱が乗ることにより占有された上面領域を示す「占有されたL方向/W方向寸法」、自分の箱の存在位置(X,Y座標、上面/下面Z座標)を示す「存在位置」、自分の箱の直下に位置する箱の積み荷データへのリンクである「自分の直親ポインター」、積載空間の制限高さを示す「物理制限高さ」,山の「目標高さ」、自分の箱が属する山の現在の「到達高さ」、当該山を構成する箱の平面(投影面)の最小寸法,最大寸法を示す「当該山の最小L/W寸法,最大L/W寸法」、自分の箱が山分割されているか否かを示す「山分割情報」を含んでいる。
【0072】
[置き場所候補の抽出方法]
荷姿計算用計算機50では、上記荷姿認識データ60を参照することによって、現在の全体荷姿,山最上段に位置する箱,山最下段に位置する箱,山を形成している各箱の情報等をリンクリストを辿ることによりリアルタイムに認識し、以下に示す抽出方法によって今回積み付け対象となる箱の置き場所の候補を抽出するようにしている。
【0073】
置き場所は自明であるが、大きくは形成されている『山の上』に置くか、まだ何も置かれていない場所に置く(今後、これを『じか置き』と言う)かの2通りに別れる。『山の上の置き場所』は、図7のデータ記述から山最上段リンクリストを辿る事により全ての候補を選び出す事ができる。すなわち、荷姿認識データに基づいて現在形成進行中の積み荷姿を認識し、該積み荷姿において積み荷の積重ねにより形成されている各山の最上段に位置する積み荷に対する積み荷データを山最上段リンクリストを辿る事により検索し、該積み荷の上面を“山の上の置き場所”の候補として抽出する。この山最上段リンクリストは最上段の商品の上面が目標高さを越えていない物に対して張られている。
【0074】
なお、積み荷の積重ねにより形成されている山において、隣接する積み荷での下の積み荷の上面の矩形空領域の寸法が所定の寸法以上であるか否かを求め、所定の寸法以上であれば前記上面の矩形空領域部分を別の山の上面として分割し、2つの山として前記山の上の置き場所の候補の抽出処理をする。すなわち、「言葉の意味と概念」で説明したように、ピラミッド条件が成立しない面積比の品物を乗せた場合には「山分割」により当該山が2つの山に分割され、そのフリー面積(「自分の箱のL,W方向寸法」−「自分の上により占有されたL,W方向寸法」)の部分も上記の候補として抽出されるようになっている。例えば図5の例では、山分割されたgの上面が候補として抽出される。なお、抽出した候補の中から最終的な山の上の置き場所を決定する際には、例えば、積み荷データ61に含まれる当該山の積載面の寸法、物理制限高さ,目標高さ、到達高さ、山分割情報などの情報に基づき、目的意識に応じて最適候補を選択して積載場所を決定する。
【0075】
一方『じか置き場所』は、図7のデータ記述から次の様にして候補を抽出する。ここでは、例として図8の荷姿平面図(各山を構成する最大寸法の積み荷をそれぞれ示す投影図)に示される平面荷姿を用いて説明する。なお、次のステップS11からステップS15示す『じか置き場所』の候補の抽出方法は、図8の平面荷姿に限定されるものではなく、全ての荷姿に対して適用し得る方法である。
【0076】
[ステップS11]
図8の平面荷姿図において、パレット20のX軸及びY軸方向の寸法をPL,PWとしたとき、パレット20に置かれている各箱1a〜1d(太い実線:複数の箱から構成される山の場合は最大寸法の箱)の右辺、下辺に沿って線(鎖線)を引き、X=0及びY=PWの線(鎖線)を引く。図8の例では、図9中の1ax,1ay,1bx,1by,1cx,1cy,1dx,1dy,X=0及びY=Wの各鎖線が引かれる。
[ステップS12]
上記ステップS11で引いた各鎖線のうち下辺の延長が右側の箱で遮られる箱の右辺、下辺の鎖線を消去する。図8の例では、図9中の箱1aの下辺が右側の箱1dで遮られるため、箱1aの右辺、下辺の鎖線1ax,1ayが消去され、その結果、図10の様になる。
【0077】
[ステップS13]
続いて、残りの鎖線のうち箱の左辺、右辺の延長が下側の箱で遮られる箱の右辺、下辺の鎖線を消去する。図8の例では、図10中の箱1bの右辺の延長が下側の箱1cで遮られるため、箱1bの右辺、下辺の鎖線1bx,1byが消去され、その結果、図11の様になる。
[ステップS14]
この様にして出来た鎖線の交点が取り敢えず候補(未確定交点)であるが、次の処理を繰り返して確定する。
・未確定交点のうちX座標最小、Y座標最小の交点を選び確定点とする。
・確定点を通る縦、横鎖線を消去する。
【0078】
図8の例では、図11中の鎖線1cx,1cy,1dx,1dy,X=0及びY=PWの各線の交点P1〜P9が候補(未確定交点)として抽出された後、X座標最小、Y座標最小の交点P7を選び確定点とし、この確定点P7を通る縦、横鎖線X=0,1cyを消去する。この結果、確定点P7を通る縦、横鎖線X=0,1cy上の未確定点P1,P4,P8,P9が消去される。続いて、残りの未確定点P2,P3,P5,P6のうちX座標最小、Y座標最小の交点をP5選び確定点とし、この確定点P5を通る縦、横鎖線1cx,1dyを消去する。この結果、確定点P5を通る縦、横鎖線1cx,1dy上の未確定点P2,P6が消去される。残りの未確定点P3は一つなので、X座標最小、Y座標最小の交点となり、確定点として抽出する。
【0079】
[ステップS15]
この様にして図12中の☆印で示す点P7,P5,P3が『じか置き』の候補と抽出される。
【0080】
抽出された置き場所は、図13のデータ形式で表現する。この置き場所を表すデータ(置き場所認識用データ)63は置き場所候補毎に作成される。図13において、「置き場所識別」は置き場所(本例では山の上の置き場所=箱の上面と、じか置き場所=パレット面)を識別するための識別子あり、「置き場所座標」は当該置き場所の基準位置を示すX,Y,Z座標である。そして、「置き場所の最小広がり」と「置き場所の最大広がり」は、じか置き場所の場合は隣接条件(隣接する置き場所と重ならないと言う条件)と置き場所の物理的空間余裕(空き領域サイズ)とから決定される最小矩形空領域の寸法と最大矩形空領域の寸法であり、山の上置き場所の場合はピラミッド条件,逆ピラミッド条件,ハンド干渉条件から決定される最小寸法と最大寸法、「箱の上置きの場合の荷姿データポインター」は、上置きされる箱の積み荷データ61(図7参照)へのリンクをそれぞれ示している。
【0081】
次に、本発明のリアルタイム方式かつ棒積み方式による『箱組合せの抽出方法』(前述のステップS3の処理)について詳細に説明する。
【0082】
『箱組合せの抽出方法』
本方法は、今回処理対象とする箱の全件組合せで得られる結果に対し最適条件を適用して組合せを絞る方法では無く、元々合理的(意味のある)組合せパターンのみを抽出する方法である。この事により組合せ検索時間が極端に少なくなり、組合せの複雑さを解消すると共にリアルタイム性を実現することができる。
【0083】
本発明では、眼前の物(自動寸法測定装置12からの測定情報により認識した箱)と順序変更払出し場所の箱とを対象として、積み荷の少なくとも寸法を含む認識情報を基に各積み荷を基本形状での分類タイプを第1の分類タイプとして各分類タイプ別に分類する第1の分類ステップと、積み荷を組合せて平面方向に矩形状に合成して成る積み荷の集合体を一つの積み荷と見なし、該積み荷を上記第1の分類タイプ別に分類する第2の分類ステップと、上記第1の分類タイプの異なる分類同士を組合せた組合せタイプのうち、当該組合せタイプに属する積み荷を高さ方向に積み付けた場合の制約条件を満たす組合せタイプを第2の分類タイプとして追加する第3の分類ステップとを有している。そして、更に、上記第1及び第2の分類タイプ別に分類された積み荷の集合のうち、搬送路(コンベア)上の積み荷若しくは搬送路から払出された積み荷に対するロボットのアクセス条件を満たすものを積み付け対象として抽出する積み付け対象抽出ステップを有する事で、現在の状況下で実現可能な箱組合せのみを抽出するようにしている。
【0084】
以下に、本発明での箱組合せの抽出方法を次のステップS21からステップS24に示す手順に分けて、具体例を示して詳細に説明する。
【0085】
[ステップS21]:箱の寸法分類
箱の置き場所を決定する際には、箱の大きさと形状の違い(縦横比、高さの違い)が大きな決定要素となる。また、箱の上に物を置く場合、上面が解放されている物の上にはその開口部の寸法より小さな物は乗せられないため、積み付け対象となる箱が上面解放物かどうかが大きな決定要素となる。本実施の形態では、コンベア終端から上流に向かって最大N個(本実施例としては8個)の商品と、順序変更払出し場所に存在する最大M個(本実施例としては4個)の商品を対象に、箱のタイプを次の4つに分類する。
・箱タイプ(第1の分類タイプ)
:上面解放物(プラスチックコンテナー等)
:大物四角
:大物横長
:小物
【0086】
箱が上面解放物かどうかは、自動寸法測定装置12からの測定情報に含まれる識別情報(解放/非解放の認識情報又は商品識別コードの認識情報)を基に判断する。一方、上面非解放物に対する分類の基準は、箱の長手方向の寸法をL,短手方向の寸法をW(L≧Wとする)とし、取扱い品の最小寸法をLS,WS(本例では、LS=90mm,WS=90mm)、最大寸法をLL,WLとした時に、図14の様に、小物,大物四角,大物横長に分類する。即ち、上記の条件下で「L+W<K1」又は「L≦K2」の条件を満たす箱を“小物”とする。但し、K1は上面解放物の長手方向寸法、K2は小物の対象とする長手方向寸法の最大値であり、本例では、K1=570mm(折りたたみコンテナの長手方向の寸法)、K2=295mmとしている。
【0087】
そして、小物を除く箱について、「W≧K3」又は「W≧K4*L」の条件を満たす箱を“大物四角”とする。但し、K3は大物四角の対象とする短手方向寸法の最小値、K4は大物横長とする箱の縦横寸法比(W/L)の基準値であり、本例では、K3=270mm、K4=0.58としている。そして、上記以外の箱を“大物横長”とする。
【0088】
[ステップS22]:合成矩形を考慮した分類
上記ステップS21で分類した4つのタイプの箱を対象とし、次の方法により合成矩形を考慮した分類を行う。先ず、置き場所データ表現の最大広がりのX軸方向をML,Y軸方向をMWとした時、ML,MWを広がりとして同一箱高さ及び似通った箱寸法L,W(例えばL,Wの寸法違いが10mm)を持つ大物四角,大物横長,小物を対象に、合成矩形を作り出す。その後、合成矩形も一つの箱と見なして上面解放物,大物四角,大物横長,小物に分類し、長手L寸法の大きい順,短手W寸法の大きい順に並べて分類と組合せを考える。
【0089】
この際、合成矩形としては図15に示すパターンを採用する。ここで、「正置」とはパレットの長手方向に対して箱の長手方向を合わせて置く載置形態であり、「回転置」とはパレットの長手方向に対して箱の短手方向を合わせて置く載置形態である。図15(A)に示される合成矩形1aは、箱の長手方向を合わせて正置により2個の箱を置く「正置2個置き」のパターン(矩形合成パターン)であり、図15(B)に示されるパターン1bは、同様に3個の箱を置く「正置3個置き」のパターンである。また、図15(C)に示される合成矩形1cは、箱の長手方向を合わせて回転置により2個の箱を置く「回転2個置き」のパターンであり、図15(D)に示される合成矩形1dは、同様に3個の箱を置く「回転3個置き」のパターン)である。また、図15(E)に示される合成矩形1eは、3個の箱をコの字形に配置する「コの字3個置き」のパターンであり、図15(F)に示される合成矩形1fは、4個の箱を田の字形に配置する「田の字4個置き」のパターンであり、図15(G)に示される合成矩形1gは、4つの積み荷を順次90度づつ回転させて風車型に配置する「風車型4個置き」のパターンである。
【0090】
[ステップS23]:異なる分類同士の置き場所毎の有効な組合せタイプ
上記ステップS22の分類組合せに対し、ピラミッド条件と逆ピラミッド条件及び、上面解放物条件を考慮して異なる分類同士の次の様な高さ方向での箱の組合せを追加する。
・組合せタイプ(第2の分類タイプ)
:大物四角+上面解放物の組合せ
:上面解放物+大物横長
:大物四角+大物横長
この事により前述のステップS21の分類組合せと合わせると次に示すT1からT7の7つの分類組合せタイプができる。
T1:大物四角(矩形合成での大物四角含む)だけの組合せ
T2:大物横長(矩形合成での大物横長含む)だけの組合せ
T3:上面解放物だけの組合せ
T4:大物四角(矩形合成での大物四角含む)と上面解放物の組合せ
T5:上面解放物と大物横長の組合せ
T6:大物四角(矩形合成での大物四角含む)と大物横長(矩形合成での大物
横長含む)の組合せ
T7:小物だけの組合せ
【0091】
[ステップS24]積み付け可能な並びを考慮した実現可能な組合せの決定
上記ステップS23で得られた組合せT1からT7を、さらに次の条件U1からU3を付加して実現可能な組合せを決定する。
U1:図1に示す様にコンベア10上の品物1は手前から順番にしかアクセスする事が出来ない。
U2:コンベア10上の品物1は順次アクセスしか出来ないが、順序変更払出し場所が空いていれば、そこへ移す事で疑似的に空き数分のランダムアクセスが可能である。
U3:順序変更払出し場所のものは全ての場所がランダムアクセスできる。
【0092】
以上のステップS21からステップS24の箱組合せの抽出方法によって決定された置き場所毎の積み付け可能な箱の組合せは、図16に示すデータ形式で管理する。図16において、積み付け可能な箱の組合せを認識するためのデータ(積み付け対象認識用データ)は、箱表現データ64bの情報を分類タイプ毎(本例では前記T1〜T7の各タイプ毎)に索引するための索引データ64aと、積み付け可能な箱の情報を記述した箱表現データ64bと、合成矩形された箱を構成する各箱の配置情報を記述した合成矩形表現データ64cとから構成される。索引データ64aは、積み付け可能な箱の組合せタイプ毎に1レコード作成され、例えば大物四角(矩形合成での大物四角含む)と上面解放物の組合せのタイプT4であれば、索引データ64aには、大物四角の箱表現データ64bへのポインター(箱表現ポインター)と上面解放物の箱表現データ64bへのポインターの情報が記憶されている。
【0093】
そして、箱表現データ64bには、矩形合成された箱を含む箱のタイプを示す「箱タイプ」,正置き/回転置きを示す「回転識別」,箱の長手方向/短手方向/高さ方向の寸法を示す「L/W/H寸法」,箱の存在場所(本例では、パレット又は順序変更払出し場所)を示す「在り場所」,及び合成された箱の場合の合成矩形表現データ64cへのリンクである「合成矩形表現ポインター」の各情報が記憶されている。また、合成矩形表現データ64cには、合成矩形の基準位置に対する相対位置(X,Y座標),回転識別,単一箱の寸法(l,w,h寸法),在り場所,合成矩形を構成する他の箱の合成矩形表現データ64cへのリンクである矩形組合せ兄弟ポインターの各情報が記憶されている。本例では、このように矩形合成された箱の集合体も一つの箱表現データ64bとして記述し、合成矩形表現データ64cを参照することによって合成された箱の配置構成を認識して各箱を矩形状に積み付け得るようにしている。
【0094】
次に、本発明のリアルタイム方式かつ棒積み方式による『思考変遷、粗暴さ、諦めによる問題解決方法(積み付け処理形態の変遷方法)』(前述のステップS4からステップS7の処理)について詳細に説明する。
【0095】
本発明が対象とする事象は前もって起こるべき事象を予測して何らかの整理をつけておく事が出来ないという特徴を持つ。この様な場合には、従来のプログラミング手法の様な厳格な場合分けによる処理記述が不可能である。
【0096】
この事を解決するために、本発明では荷積み作業に於ける特徴的な積む行為(積み付け処理の形態)を前述の『目的意識(局面)』と言う概念で整理し、この複数の『目的意識(局面)』を変遷する事により問題解決を図る方法を導入している。すなわち、1つの『目的意識(局面)』に閉じた世界に限定すれば従来の処理記述(プログラミング)方法が可能であり、眼前の事象に対し問題解決ができる『目的意識』を探し回る機能を付加することにより、予測出来ない現象の問題解決が可能となる。
【0097】
本発明で採用した『目的意識』は次のA1〜A9に示す9つの形態である。これらの目的意識は、少なくとも川及び山の各経路上での位置及び積み荷の寸法の違いを要因とする積み荷の積み付け方の違いに応じて設定されており、当該目的意識(積み付け処理形態)に対する目的達成条件及び制約条件の初期条件が予め設定されている。なお、前述の「言葉の意味と概念」の説明などでは、下記のid1〜id12を『目的意識』として述べたが、以下、『目的意識』と『目的意識を探し回る機能』とを区別し、次のように再定義して説明する。
【0098】
『目的意識』
A1:川の最上流での山基礎作り (川替え id6)
A2:川の中流での山基礎作り (川中流 id2)
A3:現在の山の成長促進 (山途中 id1)
A4:作成逆順山、川戻りによる山成長 (山・川戻り id3,4)
A5:ランダムな山戻りによる山成長 (勝手山置き id9)
A6:横長商品の川戻りじか置き処分 (戻りじか置き id5)
A7:支流川の作成 (漠然じか置き id7)
A8:小物処分 (小物処分 id11)
A9:条件成立待ち (順序変更払出し id10)
【0099】
目的意識を探し回る機能、すなわち上記A1〜A9の積み付け処理形態を変遷させる機能としては次のA10〜A13に示す4つの形態である。
『目的意識を探し回る機能』
A10:穏やかな意思での遷移 (各々の目的意識の中で決定)
A11:強い意思での遷移 (踏ん切り id12)
A12:どうどう巡りによる粗暴さの具現 (粗暴 id13)
A13:遷移の諦め (諦め id8)
これらA1〜A13の処理形態の特徴を述べると次の様になる。
【0100】
A1:『川の最上流での山基礎作り(川替え id6)』
川最上流とは、その川にロボットが荷物を置く際には一番遠い場所となる所を言う。ロボットで荷を積む場合にはロボットのハンド侵入角の都合で手前に高い山が無い事が望ましい。何故なら荷物を持って侵入する際自分のハンドで既に積み付けている品物をはじき飛ばす危険性があるからである。即ち、川最上流の山は高い程後々の荷姿が形成し易い事になる。また、同様な意味で幅に関しても川最上流の幅が大きい程ハンド干渉によるデットスペースが少なくなる。つまり川最上流はできるだけ幅が広く、かつ山高さが目標高さに近い程良い組合せとする特徴を持つ。実現例としては以下の様になる。
【0101】
前述のステップS21からステップS24に示す手順で抽出した「箱組合せ」に対し、目標山高さの達成率及び組合せタイプの優先度(下記の記述の順)を考慮して山形成を目指す。
・上面解放物(オリコン)だけの組合せで達成率がA%以上
・大物四角と上面解放物(オリコン)の組合せで達成率がA%以上
・大物解放物と大物横長の組合せで達成率がB%以上
・大物横長だけの組合せで達成率がB%以上
・大物四角と大物横長の組合せで達成率がB%以上
・大物四角だけの組合せで達成率がC%以上か、今回部分荷姿に使用された箱数が眼前の箱数(コンベア上最高8個、順序変更払出し最高4個)のD%以上
ここでA,B,C,Dの値は、「粗暴さレベル」により変化する値であり、表1の様に定義する。
【0102】
【表1】
Figure 0003589880
【0103】
本発明では、上記表1に示すように複数段階の粗暴さレベル(本例では、レベル0〜レベル4の5段階)を設けており、どうどう巡りが認識されると目標達成条件(達成率)のレベルを下げて処理することによって問題解決を図るようにしている。粗暴さレベルの変化は、上記のように目標達成率を変える事に止まらず、下記の表2の様に制約条件を緩める働きもする。
【0104】
【表2】
Figure 0003589880
【0105】
粗暴さレベルの変化に係る制約条件とは以下のa〜fの条件を言う。
a.ピラミッド条件1
乗られる側の幅、奥行きをL,W、乗る側の幅、奥行きをl,wとした時、L>lの時は0.75*L<lが成り立っている事。かつW>wの時は0.75*W<wが成り立っている事。
b.ピラミッド条件2
乗られる側の幅、奥行きをL,W、乗る側の幅、奥行きをl,wとした時、L>lかつW>wが成り立っている事。
c.逆ピラミッド条件
乗られる側の幅、奥行きをL,W、乗る側の幅、奥行きをl,wとした時、L<lの時はその山を形成している箱のうち、一番小さなL寸法をSLとした場合に1.33*SL>lが成り立っている事。またWに関しても同様に1.33*SW>wが成り立っている事。
【0106】
d.回りの山干渉条件
今回、置こうとしている山と侵入手前の山との最上面の段差がδhあった場合、手前の山のX,Y稜線に対し次の数1と数2の示す条件が共に満たされている場合に干渉無しとする。
【数1】
δx>√3*δh
【数2】
δy>√3*δh
【0107】
e.川幅条件
川幅は上流から下流に向かって小さくなる事。
f.最上段フラット条件
山が目標高さに到達しない場合には山の最上段はフラットである事。即ち、単一箱か同じ高さの品物の矩形合成である事この条件を無視すると最上段で高さの異なる小物が矩形合成されて置かれる様なケースが発生する。
【0108】
A2:『川の中流での山基礎作り(川中流 id2)』
直前の山の高さをなるべく越えない様に、直前の山幅よりなるべく小さくなる様に組合せを考える事を特徴とする。
実現の具体例は1)の山高さを実効山高さにした場合に準ずる。
【0109】
A3:『現在の山の成長促進(山途中 id1)』
なるべく直前の山頂上の品物と箱の格好及び面積が同じ様なものを選び出しかつ山の高さが自分の奥のものより低くなる様に考える事を特徴とする。
実現の具体例は1)の山高さを実効山高さにした場合に準ずる。
【0110】
A4:『作成逆順山、川戻りによる山成長(山・川戻り id3,4)』
配送逆順を考慮しなるべく山・川の戻りの少ない場所での山の上の積み付けを特徴とする。
【0111】
A5:『ランダムな山戻りによる山成長(勝手山置き id9)』
どこでも良いので置ける山の上に物を置く特徴を持つ。
A6:『横長商品の川戻りじか置き処分(戻りじか置き id5)』
特に横長の商品は以前の川の最下流に処分すると旨く行く場合が多い。従って、横長のものは川を戻ってじか置き処分を行う特徴を持つ。
【0112】
A7:『支流川の作成(漠然じか置き id7)』
川の幅の不釣合でどの様に考えても川が最上流から発生する様にはならない場合には途中から川を発生させると旨くゆく場合がある為に川の支流を作り出す特徴を持つ。
【0113】
A8:『小物処分(小物処分 id11)』
小物はなるべく高い山の未完成の山に置くか、通常ではデットスペースとなる様なじか置き場所を選んで処分する様な特徴を持つ。
A9:『条件成立待ち(順序変更払出し id10)』
コンベアの最終端にある品物が今回の積む行為に寄与出来ない場合にはちょっと横に置いておく事が基本となる。すなわち、積み付け可能な条件が成立するまでその場所に一時的に置いておく。
【0114】
A10:『穏やかな意思での遷移(各々の目的意識の中で決定)』
『山途中』での問題解決が出来なければ『川中流』に移るとか、『川中流』なのに最下流まで辿り着いた為に山を形成する場所的余裕が無かった場合の『川替え』への移行等は穏やかな意思での『目的意識』の変更となる。
A11:『強い意思での遷移(踏ん切り id12)』
通常は上記の『川最上流』、『川中流』、『山途中』、『山・川戻り』、『小物処分』、『順序変更払出し』が基本であるが、どうしてもこれでは処理が出来ない場合には先積み後下ろし(配送逆順)のルールを破って『戻りじか置き』、『漠然じか置き』、『勝手山置き』を許し踏ん切りをつける。
【0115】
A12:『どうどう巡りによる粗暴さの具現(粗暴id13)』
どうどう巡りとは『目的意識』の遷移が同一パターンの繰り返しになり抜け出し切れない状態に陥っている事を言い、『目的意識id』の履歴を辿りながら遷移パターンの繰り返しを認識する事により実現される。目的意識の変遷の履歴情報に基いてどうどう巡りが認識されると、図17に示す様に粗暴さレベルが上がり、それぞれの『目的意識』が山達成率目標の低め設定、制約条件の緩和を行い、さらに問題解決を進める事となる。
【0116】
A13:『遷移の諦め(諦め id8)』
粗暴さレベルが4まで高揚しても問題が解決出来ない場合には今回のパレット/カゴ車への積み付けを諦めて払い出しを行い、新しいパレット/カゴ車への積み付けを開始する。
【0117】
以上記述した事を図2の処理フローに適用すれば、商品の流れを予測し得ない状態でのリアルタイム、かつ棒積み方式による積み付けが可能となる。
【0118】
図18に『目的意識』の変遷例を示す。このように、本発明では今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に応じて目的意識を変遷し、可能な限り積み付けの安定性,ロボットによる先積み後下ろし操作の有利性を有する“置き場所”と“積み荷”を求め、どうしてもこれでは処理が出来ない場合には「踏ん切り」により例えば先積み後下ろしのルールを破って『戻りじか置き』、『漠然じか置き』、『勝手山置き』を許し、その積み付け処理形態にて積み付け処理を実行するようにしている。
【0119】
なお、各目的意識を処理する処理ステップでは、例えば現在の積み付け対象と荷姿を条件として目的を達成できるか否か、達成できる場合の粗暴さレベルはどのレベルかなどの判断情報を各処理ステップがそれぞれ求め、監視ステップが判断情報を基にどの処理形態で行うか目的意識を探し回り該当の処理形態での処理を実行させるようにしている。これらのソフトウェアは記録媒体に格納されて提供され、利用者は環境情報を設定することで本発明方法を適用し得るようになっている。
【0120】
以下に、本発明を適用して実際に実行した際のモニタリング画面の表示例を示して例証する。
【0121】実証例
全ての目的意識の変遷とその際の制約条件の例を示す事は紙面上無理があるので、図6に示した最終荷姿の形成過程を最初の2山について実際に実行した際のモニタリング画面の表示例を示して例証する。
【0122】
次の表3は、以降に示す例証に採用した商品の投入順序例である。
【表3】
Figure 0003589880
【0123】
図19は、新しいパレットを荷積み場所にセットし、まさに荷積みを開始しようとしている状況である。積み付けの進行状況を表示するモニタリング画面40は、同図に示されるように、自動寸法測定装置からの測定情報を基に認識した眼前の物(本例では、コンベアのシュータエンドから数えて8個の商品)の情報を表示する積み荷認識状況表示部41と、順序変更払出し場所に置かれた積み荷の情報を表示する払出し状況表示部42と、目的意識による処理により求めた荷姿(思考中の荷姿)を表示する処理状況表示部43と、ロボットの積み付け進行状況(決定分の荷姿)を表示する荷姿表示部44とから構成される。
【0124】
図19の例では、積み荷認識状況表示部41に示されるように、コンベア上の商品としてマルハ.シロミサカナフライ、モリタン.ニクジャガコロッケ、カトキチ.シロミテンプラタレ、モリタン.カレールーコロッケ、ニッスイ.ワカサギ カラアゲ、マルハ.ヤマシチエビテン、ニチレイ.ローストンカツ、ニチレイ.ローストンカツの8商品が認識されている。これらの商品名は、自動計測装置(コード読取り装置)で読取った商品識別コードと商品定義マスターを基に認識されて表示される。
【0125】
図20は、目的意識として川最上流の山基礎作り=id6が選ばれ、最初の8商品の中で大物横長であるマルハ.シロミサカナフライが他の商品とは箱タイプが異なる為に順序変更払出し場所に置き去りにされ、大物横長をベースにして山の基礎が形成される過程を現している。図中の払出し2、3にニッスイ.ワカサギ カラアゲ、マルハ.ヤマシチエビテンが表示されているのは、ピラミッド条件が作用してコンベア上の流れ順番と積み付け順番が異なった為に順序変更払出し場所に一時的に払出されている状況であり、結果的には左下の荷姿になる際に消化される。
【0126】
図21は、最初の8商品では目標山高さが達成されなかった為に強い意志による状態遷移が実行されて目的意識がA5(勝手山置き=id9)となり、最上段に第9番目の商品であるところのニチレイ.ローストンカツが山の上に置かれた模様を示している。
【0127】
図22は、目的意識がA2(川中流=id2)に設定され、川中流山の基礎作りが行われた模様を現している。
【0128】
図23は、目的意識がA3(山途中=id1)に設定され、未完成山の成長促進が行われた模様を現している。
【0129】
図24は、目的意識がA5(勝手山置き=id9)に設定され、さらに未完成山の成長促進が行われた模様が現されている。
【0130】
図25は、第二番目の山が未完成であるが目的意識がA2(川中流=id2)に設定され、第三の山の基礎作りが行われた模様を現している。
【0131】
図26は、第三の山の山成長を促す為に目的意識としてA3(山途中=id1)が設定され、第三の山が成長した模様を現している。
【0132】
図27は、以前に作成した山が未完成であった為に目的意識として勝手山置き=id9が設定され第二の山が成長した模様を現している。
【0133】
図28は、第三山が未完成の為に目的意識がA5(勝手山置き=id9)に設定され、第三の山がさらに成長した過程を現している。
【0134】
図29は、川の最下流まで来た為に川替えが発生し再度、目的意識がA1(川の最上流の山基礎作り=id6)に設定され、第四の山が生成された模様を現している。
【0135】
この様にして最終的に図6に示した最終荷姿が作られ、どうにもならなくなって諦め(A13:遷移の諦め=id8)が具現してパレット払出しが実行され、1つのパレット積み付けが終了する事となる。
【0136】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、従来、コンベア搬送システムのシュータエンドで人手により行われていた混載積み付け作業を汎用産業用ロボットを用いて自動化することができる。また、リアルタイムスケジュール方式且つ棒積み方式による自動積み付けが可能となり、従来の自動化方式と比較して、搬送する順番や積載位置を含む荷姿を予め定義しておく必要が無く、順番が異なる事象が発生してもシステム停止となってしまうことも無いという顕著な効果をもたらすことができる。また、本発明の置き場所の抽出方法と積み付け対象の抽出方法を採用することにより、合理的な場所と最適な積み荷と瞬時々自動的に選び出して積み付けて行くことが可能となる。さらに、本発明の積み付け処理形態の変遷方法を採用することにより、予測できない現象の問題解決が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実現する全自動混載積付システムの構成の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の概略処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明で言う「川」の定義を説明するための図である。
【図4】本発明で言う「山分割」の定義を説明するための第1の図である。
【図5】本発明で言う「山分割」の定義を説明するための第2の図である。
【図6】本発明による1パレットの積み付け結果を示すモニタリング画面の例である。
【図7】本発明に用いる荷姿認識データののデータ記述構造の一例を示す図である。
【図8】本発明の置き場所の抽出方法を説明するための第1の荷姿平面図である。
【図9】本発明の置き場所の抽出方法を説明するための第2の荷姿平面図である。
【図10】本発明の置き場所の抽出方法を説明するための第3の荷姿平面図である。
【図11】本発明の置き場所の抽出方法を説明するための第4の荷姿平面図である。
【図12】本発明の置き場所の抽出方法を説明するための第5の荷姿平面図である。
【図13】本発明に用いる置き場所を表現するデータのデータ記述構造の一例を示す図である。
【図14】本発明の積み付け対象の抽出方法を説明するための第1の図である。
【図15】本発明の積み付け対象の抽出方法を説明するための第2の図である。
【図16】本発明に用いる積み付け対象を表現するデータのデータ記述構造の一例を示す図である。
【図17】本発明の積み付け処理形態の遷移方法を説明するための第1の図である。
【図18】本発明の積み付け処理形態の遷移方法を説明するための第2の図である。
【図19】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第1の例である。
【図20】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第2の例である。
【図21】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第3の例である。
【図22】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第4の例である。
【図23】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第5の例である。
【図24】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第6の例である。
【図25】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第7の例である。
【図26】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第8の例である。
【図27】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第9の例である。
【図28】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第10の例である。
【図29】本発明の実証例を示すモニタリング画面の第11の例である。
【符号の説明】
1 積み荷(箱)
10 コンベア
12 自動寸法測定装置
20 パレット
22 カゴ車
25 順序変更払出し装置
26 順序変更払出し場所
30 ロボット
32 ロボット制御装置
34 通信回線
40 モニタリング画面
50 荷姿計算用計算機
60 荷姿認識データ
61 積み荷データ
62 管理データ
63 置き場所認識用データ
64 積み付け対象認識用データ

Claims (19)

  1. シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付方法であって;
    前記シュータエンドへと搬送されて来る積み荷の少なくとも寸法を含む情報をリアルタイムに認識する積み荷認識ステップと;前記パレット上に積み付けられた現在の荷姿認識データに基づき、前記パレット上の積載空間において今回積み付け対象の積み荷の積み付けが可能な置き場所候補を抽出する置き場所候補抽出ステップと;前記認識された積み荷の情報,前記抽出された置き場所候補の情報,及び前記現在の荷姿認識データに基づき、前記置き場所候補及び前記今回積み付け対象の積み荷の中から、積み付けの安定性を有すると共に、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”,高さ方向の積み付け経路を“山”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,前記川の上流側は幅が広く且つ前記山の高さが高くなるようにすること,前記川の中流はその川の経路にて前記山の高さが直前の山の高さを越えないようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも有利性の判断要素として前記ロボットによる先積み後下ろし操作の前記有利性を有する置き場所と積み荷とを求めて前記ロボットに積み付けを指令する積み付け制御ステップと;前記指令により積み付けた後の荷姿に対する荷姿認識データを作成して前記現在の荷姿認識データとする荷姿データ作成ステップとを有することを特徴とする全自動混載積付方法。
  2. シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法であって;
    前記認識された積み荷を当該パレット上に積み付ける毎に該積み荷の寸法及び積み付けた位置を含む積み荷データを検索要素毎に索引可能にリスト構造として記述して成る荷姿認識データを作成する荷姿データ作成ステップと;今回対象とする積み荷の置き場所を決定する際に、前記荷姿認識データに基づいて現在形成進行中の積み荷姿を認識し該積み荷姿において前記積み荷の積重ねにより形成されている各山の最上段に位置する積み荷に対する前記積み荷データを検索して該積み荷の上面を“山の上の置き場所”の候補として抽出する第1の置き場所抽出ステップと;当該パレットの寸法情報及び前記荷姿認識データに含まれる各山の平面方向の最大寸法情報に基づき、前記積み荷が置かれていないパレット面の空領域を求めると共に、前記各山を構成する最大寸法の積み荷を対象として各積み荷の辺の延長線同士及び前記延長線と前記パレットの辺との交点を求め、該交点を基に確定した位置を基準とする矩形の空領域部分を前記パレット面の空領域の中から“じか置き場所”の候補として抽出する第2の置き場所抽出ステップとを有し、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも判断要素として、前記山の上の置き場所及び前記じか置き場所の各候補の中から最終的な置き場所を決定することを特徴とする全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法。
  3. 前記第2の置き場所抽出ステップは、前記じか置き場所の候補を、次のS11〜S14の手順により算出して抽出することを特徴とする請求項2に記載の全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法。
    S11. 前記パレットのX軸及びY軸方向の寸法をPL,PWとしたとき、前記山を構成する最大寸法の積み荷を対象として各積み荷の右辺、下辺に沿って鎖線を引くと共に、X=0及びY=PWの鎖線を引く。
    S12. 前記S11のステップで引いた各鎖線のうち下辺の延長が右側の積み荷で遮られる積み荷の右辺、下辺の鎖線を消去する。
    S13. 残りの鎖線のうち積み荷の左辺、右辺の延長が下側の積み荷で遮られる積み荷の右辺、下辺の鎖線を消去する。
    S14. 残りの鎖線の交点を未確定交点とし、下記のa1及びa2の処理を繰返すことで設定された確定点を基準として矩形の空領域部分を前記じか置き場所の候補とする。
    a1.各未確定交点のうちX座標最小、Y座標最小の交点を選び確定点とする。
    a2.前記確定点を通る縦、横鎖線を消去する。
  4. 前記抽出された山の上の置き場所及び前記じか置き場所の各候補のデータが、前記山の上の置き場所と前記じか置き場所とを識別するための“置き場所識別”,当該置き場所の基準位置を示す置き場所座標,及び前記基準位置を基準として当該置き場所での積載可能な平面方向での最大矩形空領域を示す“置き場所最大広がり”の各情報を少なくとも含むと共に、前記山の上の置き場所と前記じか置き場所の各置き場所毎、且つ高さ方向に積み付け可能な前記積み荷の組合せを認識するための分類タイプ毎に参照可能に構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法。
  5. 前記第1の置き場所抽出ステップは、前記積み荷の積重ねにより形成されている山において、隣接する積み荷での下の積み荷の上面の矩形空領域の寸法が所定の寸法以上であるか否かを求め、所定の寸法以上であれば前記上面の矩形空領域部分を別の山の上面として分割し、2つの山として前記山の上の置き場所の候補の抽出処理をすることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の全自動混載積付システムにおける置き場所の抽出方法。
  6. シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付システムにおける積み付け対象の抽出方法であって;
    前記認識された搬送過程の積み荷及び該積み荷の順番を変更するために搬送路から一時的に払出された積み荷を対象として、前記積み荷の少なくとも寸法を含む認識情報を基に各積み荷を基本形状での分類タイプを第1の分類タイプとして各分類タイプ別に分類する第1の分類ステップと;前記積み荷を組合せて平面方向に矩形状に合成して成る積み荷の集合体を一つの積み荷と見なし、該積み荷を前記第1の分類タイプ別に分類する第2の分類ステップと;前記第1の分類タイプの異なる分類同士を組合せた組合せタイプのうち、当該組合せタイプに属する積み荷を高さ方向に積み付けた場合の制約条件として、大きな物に小さい物を乗せる場合の制約条件を規定したピラミッド条件、小さい物に大きい物を乗せる場合の制約条件を規定した逆ピラミッド条件、及び上面に開口部を有する上面解放物に物を乗せる場合の制約条件を規定した上面解放物条件を含み、これらの制約条件を満たす高さ方向の積み荷の組合せとして、前記第1の分類タイプ別に分類された同じ分類同志の積み荷の組合せと、大物四角と前記上面解放物との組合せ,及び前記上面解放物と大物横長との組合せを含む前記第1の分類タイプ別に分類された異なる分類同士の有効な積み荷の組合せとを積み付け可能な置き場所毎に求め、求めた前記高さ方向の積み荷の組合せタイプを第2の分類タイプとして追加する第3の分類ステップと;前記第1及び第2の分類タイプ別に分類された前記積み荷の集合のうち、前記搬送路上の積み荷若しくは前記搬送路から払出された積み荷に対する前記ロボットのアクセス条件を満たすものを積み付け対象として抽出する積み付け対象抽出ステップとを有することを特徴とする全自動混載積付システムにおける積み付け対象の抽出方法。
  7. 前記第2の分類ステップは、前記矩形状に合成する際、当該置き場所での積載可能な平面方向での最大矩形空領域を基準として同等の大きさの矩形となるように合成することを特徴とする請求項6に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け対象の抽出方法。
  8. 前記第1の分類ステップは、前記基本形状のタイプ別に分類する際、前記上面解放物と非上面解放物とに分類すると共に、前記非上面解放物の積み荷を対象として基準となる積み荷の寸法を含む設定基準情報に基づいて大物四角,大物横長,小物に分類し、前記第1の分類タイプとして少なくとも前記上面解放物,大物四角,大物横長及び小物の4つの分類タイプに分類することを特徴とする請求項6乃至7のいずれかに記載の全自動混載積付システムにおける積み付け対象の抽出方法。
  9. シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法であって;
    前記パレット上の平面方向での積み付け基準経路を“川”と定義すると共に高さ方向の積み付け経路を“山”と定義し、少なくとも前記川及び前記山の各経路上での位置及び前記積み荷の寸法の違いを要因とする前記積み荷の積み付け方の違いに応じて異なる積み付け処理形態であって、当該積み付け処理形態から他の積み付け処理形態へ変遷する際の優先順位が前記積み荷の配送逆順を含む前記積み荷の積み付けに係る条件に応じて設定された積み付け処理形態を目的意識として設定しておくと共に、前記各目的意識に対する目的達成条件及び制約条件を設定しておき;今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に応じて前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をすると共に、前記積み付け処理形態で積み付け処理が実行できない場合は、前記積み荷の配送逆順の条件を排除して、積み付け可能な任意の山の上に積み荷を置く第1の形態及び川の途中から川を支流として発生させてその支流に積み荷を置く第2の形態を含む積み付け処理形態にて積み付け処理をするようにしたことを特徴とする全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  10. 前記目的意識に対する目的達成条件若しくは前記目的意識に対する制約条件を満たすことができないと判断した場合、前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をするステップを有することを特徴とする請求項9に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  11. 前記目的意識の変遷の履歴を記録した履歴情報に基いて同一遷移パターンの繰り返しを認識した場合は、前記目的達成条件及び/又は前記制約条件を緩和して現在の目的意識で積み付け処理を続行するステップを有することを特徴とする請求項9に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  12. 前記目的意識での積み付け処理形態では前記目的意識に対する目的達成条件若しくは前記目的意識に対する制約条件を満たすことができないと判断した場合は、前記目的意識の基本変遷形態とは異なる特殊変遷形態に切替え、前記第1及び第2の形態を含む当該特殊変遷形態で設定されている変遷順位で前記目的意識を変遷し該当の積み付け処理形態にて積み付け処理をするステップを有することを特徴とする請求項9に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  13. 前記目的達成条件及び/又は前記制約条件を規定のレベルまで緩和した状態において前記切替え後の同一遷移パターンの繰り返しを認識した場合は、処理続行不能と判断して当該パレットの積み付け処理を終了するステップを有することを特徴とする請求項12に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  14. 前記目標達成条件の要素として、前記山の目標の高さに対する現在の高さの達成率が設定されている請求項9に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  15. 前記目的意識として、前記山及び前記川の各経路での積み付け処理形態として、川の最上流での山基礎作り,川の中流での山基礎作り,現在の山の成長促進,作成逆順山戻りによる山成長,作成逆順川戻りによる山成長,ランダムな山戻りによる山成長,横長商品の川戻りによるじか置き処分,支流川の作成,及び小物処分の各積み付け処理形態が設定されていることを特徴とする請求項9に記載の全自動混載積付システムにおける積み付け処理形態の変遷方法。
  16. シュータエンドへと搬送されて来る大きさの異なる異種商品を含む積み荷をリアルタイムに認識し、前記認識された積み荷を当該パレット上にロボットを制御して自動的に積み付けるようにした全自動混載積付システムであって;
    前記シュータエンドへと搬送されて来る積み荷の少なくとも寸法を含む情報をリアルタイムに認識する積み荷認識手段と;前記パレット上に積み付けられた現在の荷姿認識データに基づき、前記パレット上の積載空間において今回積み付け対象の積み荷の積み付けが可能な置き場所候補を抽出する置き場所候補抽出手段と;前記認識された積み荷の認識情報,前記抽出された置き場所候補の情報,及び前記現在の荷姿認識データに基づき、前記置き場所候補及び前記今回積み付け対象の積み荷の中から、積み付けの安定性を有すると共に、前記積み荷の1つの届け先を一塊の経路で積み付けることを基準とした平面方向での積み付け基準経路を“川”,高さ方向の積み付け経路を“山”と定義した場合に、前記積み荷の各届け先の配送逆順となるように前記山の作成順は前記川の最上流を最優先として前記川に沿って最上流から下流に向かうようにすること,前記川の上流側は幅が広く且つ前記山の高さが高くなるようにすること,前記川の中流はその川の経路にて前記山の高さが直前の山の高さを越えないようにすること,及び,前記リアルタイムに認識した積み荷の情報に基づいて、異なる形状の積み荷の組合せを含む前記山の高さ方向に積み付け可能な積み荷の組合せの類型を求め、前記積み荷の組合せの類型毎の積み付け優先度及び前記積み荷の組合せの類型毎の山の成長の達成率に応じた該当の積み荷の組合せによって高さ方向に追加積み付けして前記山を成長させること,を少なくとも有利性の判断要素として前記ロボットによる先積み後下ろし操作の前記有利性を有する置き場所と積み荷とを求めて前記ロボットに積み付けを指令する積み付け制御手段と;前記指令により積み付けた後の荷姿に対する荷姿認識データを作成して前記現在の荷姿認識データとする荷姿データ作成手段とを備えたことを特徴とする全自動混載積付システム。
  17. 前記川及び前記山の各経路上での位置及び前記積み荷の寸法の違いを要因とする前記積み荷の積み付け方の違いに応じて前記積み荷の積み付け処理形態が目的意識として設定されている共に、各目的意識に対する目的達成条件及び制約条件が設定されており、前記積み付け制御手段は、今回処理対象の積み荷と現在の荷姿との相関関係によって変化する事象に対して前記目的達成条件及び制約条件応じて前記目的意識を変遷して該当の積み付け処理形態で処理することを特徴とする請求項16に記載の全自動混載積付システム。
  18. 前記積み付け制御手段は、前記安定性及び前記有利性を有する置き場所及び/又は積み荷が現時点では存在しないと判断した場合は、前記安定性若しくは有利性の条件のレベルを下げて処理することを特徴とする請求項16又は17に記載の全自動混載積付システム。
  19. 前記シュータエンドに搬送されて来る積み荷の順序を変更できる装置あるいは場所を具備し、前記荷認識手段によって認識された搬送過程の積み荷と前記順番を変更するために搬送路から一時的に払出された積み荷とを前記今回積み付け対象の積み荷として処理することを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の全自動混載積付システム。
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