JP3589060B2 - 路車間通信車載装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路に沿って設置された路上局から送信される電波ビーコン信号あるいは光ビーコン信号を受信して、これらビーコン信号に含まれる情報を取得する路車間通信車載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路を走行する車両の運転者に対して位置情報や渋滞などの道路交通情報等をリアルタイムに提供する目的で、これらの情報を含んだ電波や光を出力する路上局(以下、ビーコンと称す)を道路に沿って設置し、これらビーコンと車両に搭載された通信装置との間で路車間通信を行う路車間通信システムが提案されている。そして、既にVICS(Vehicle Information and Communication System)と称される道路交通情報システムが運用を開始している。
【0003】
上記VICSにおいては、マイクロ波帯の電波を送信する電波ビーコンまたは赤外線を送出する光ビーコンが道路に沿って所定の間隔をもって設置されている。電波ビーコンは主に高速道路に設置され、その通信エリアは70〜100m程度と比較的広く、当該電波ビーコンから車両に搭載された路車間通信装置への一方向の通信が可能となっている。一方、光ビーコンは主に一般道路に設置され、その通信エリアは5m程度と比較的狭く、当該光ビーコンと車両に搭載された路車間通信装置との間の双方向の通信が可能となっている。また、VICSではこれらビーコンに加えFM多重放送も利用可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような路車間通信システムにおいて、車両に搭載された路車間通信装置は、車両が電波ビーコンの通信エリア内に位置するか否かの判断に際し、電波ビーコンから送信される電波ビーコン信号の受信レベルを利用するように構成されている。図8(a)には、この構成における車両の位置と路車間通信装置が受信した電波ビーコン信号の受信レベル(例えば受信入力電力)との関係が示されている。すなわち、路車間通信装置は、電波ビーコン信号の受信レベルが予め設定された基準値以上の場合には電波ビーコンの通信エリア内にあると判断し、電波ビーコン信号の受信レベルが前記基準値未満の場合には電波ビーコンの通信エリア外にあると判断するようになっている。この構成によれば、レベル比較という簡単な処理によって通信エリアの検出が可能となり、処理の高速化や電波ビーコン信号の安定受信が図られる。
【0005】
しかし、上記した従来構成の路車間通信装置は、1つの通信エリア、つまり電波ビーコン信号の受信レベルが前記基準値以上となる一続きのエリアに、1つの電波ビーコンのみが存在するという前提条件の基で設計がなされていた。すなわち、路車間通信装置は、通信エリアに侵入したと判断しその電波ビーコン信号を一度取得した後は、その後その通信エリアを出るまでの間に受信した電波ビーコン信号は同一の電波ビーコンからのものと見なして読み捨てていた。
【0006】
従って、例えば図8(b)に示すように、近接して配置された2つの電波ビーコン1a、1bから送信される電波ビーコン信号に重複するエリア(図中のB点付近)が存在し、且つその重複するエリアにおける電波ビーコン信号の受信レベルが前記基準値以上のレベルを有する場合にあっては、路車間通信装置は電波ビーコン1aまたは1bのうち何れか早く受信した電波ビーコン信号のみを有効に取り込んでいた。そのため、他方の電波ビーコン信号については無効化され、当該無効化された電波ビーコンからの情報が運転者に伝達されないという状況が発生していた。
【0007】
さらに、VICSが開始された当初は、電波ビーコン、光ビーコンともに設置数が少なく、また、それぞれのビーコンの設置対象が、原則的に電波ビーコンについては高速道路、光ビーコンについては一般道路とされ、両ビーコンは分離された状態で設置されていた。従って、両ビーコンの通信エリアが近接し、または重複するようなことはほとんどなかった。そこで、従来の路車間通信装置は、電波ビーコンの通信エリアと光ビーコンの通信エリアのうち何れか早く侵入したエリアのビーコン信号を優先的に受信し処理するように構成されていた。
【0008】
しかし、近年のVICSの拡充にともない、電波ビーコン、光ビーコンともに設置数が飛躍的に増加してきた状況においては、例えば高架道路に設置した電波ビーコンからの漏れ電波が到来するエリア近傍に、他の道路の光ビーコンが設置されているといった場合も多くなってきている。電波ビーコンの漏れ電波については規定およびガイドラインが定められているものの、電波の漏洩を完全になくすことは難しい。特に、道路が立体交差している場所や並走している場所では電波の漏洩が不可避である。
【0009】
このような場合、上記した従来構成の路車間通信装置を用いると、電波ビーコンからの漏れ電波により光ビーコン信号の受信処理が妨げられる虞がある。例えば、図9に示すように、電波ビーコン1が設置された高架道路2の下に光ビーコン3が設置された一般道路4が敷設され、電波ビーコン1の漏れ電波による通信エリアと光ビーコン3の通信エリアとが近接または重複している場合において、一般道路4を走行する車両5に搭載された路車間通信装置が光ビーコン信号の通信エリアよりも先に電波ビーコン信号の通信エリアを検出すると、電波ビーコンデータの処理が終了するまでの間、光ビーコン信号の受信処理ができなくなる。その結果、光ビーコン3からの情報が運転者に伝達されなかったり、伝達が遅れるといった状況が生じていた。
【0010】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電波ビーコンあるいは光ビーコンが近接して配置されることにより、互いの通信エリアが近接しまたは重複している場合であっても、受信対象であるビーコン信号を正しく受信し必要な情報を確実に得ることができる路車間通信車載装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の路車間通信車載装置によれば、路上局から電波ビーコン信号が送信されると、受信手段はその電波ビーコン信号を受信し、電波ビーコンデータ検出手段はその受信した電波ビーコン信号に対して復調などの処理を行って電波ビーコンデータを検出する。また、電波受信レベル検出手段は受信した電波ビーコン信号の受信レベルを検出する。そして、データ処理手段は、その受信レベルが予め設定された基準レベル以上である場合に、車両が何れかの電波ビーコンの通信エリアに入っている(通信エリアを検出している)と判断し、検出した電波ビーコンデータに基づいてその電波ビーコン信号を送信する路上局を識別するとともに、識別されたそれぞれの路上局から送信される情報を取得し、受信レベルが予め設定された基準レベル以上となる状態を保ったまま、異なる路上局からの電波を受信可能な通信エリアに入った場合には、異なる路上局を識別する毎に電波ビーコンデータに基づいて識別されたそれぞれの路上局から送信される情報を取得するようになっている。
【0012】
従って、複数の電波ビーコンが近接して設置されている結果、電波ビーコン信号の受信レベルとしてみたときに各電波ビーコンから送信される電波ビーコン信号が重複し、それら電波ビーコン信号が全体として1つの通信エリアを形成しているような場合であっても、データ処理手段は、通信エリア内においてそれら電波ビーコン信号を送信する路上局を常に識別し、異なる路上局を識別する毎にそれぞれの路上局から送信される情報を取得する。これにより、到来した電波ビーコン信号が基準レベル以上の受信レベルを有していることを条件として、当該電波ビーコンから送られてくる情報を逃すことなく取得し、運転者に伝達することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の路車間通信車載装置をVICS(道路交通情報システム)に適用した第1の実施形態について図1ないし図5を参照しながら説明する。
VICSは、従来の技術の項で説明したように、道路に沿って所定の間隔をもって設置された電波ビーコンおよび光ビーコン(ともに本発明でいう路上局に相当)から、IDやビーコン番号とともに位置情報や道路交通情報が送信されるシステムであり、車両側にあっては路車間通信車載装置を用いてこれらの情報をリアルタイムに受信できるように構成されるものである。この場合、電波ビーコンから路車間通信車載装置に対しては一方向の通信が行われ、光ビーコンと路車間通信車載装置との間では双方向の通信が行われる。
【0020】
図1には、本発明でいうところの路車間通信車載装置の電気的構成が機能ブロックにより概略的に示されている。この図1において、路車間通信車載装置11は、アンテナユニット12と送受信ユニット13とから構成されている。アンテナユニット12は、電波ビーコンから電波ビーコン信号を受信するとともに、光ビーコンとの間で光ビーコン信号の送受信を行うものである。また、送受信ユニット13は、電波ビーコン信号および光ビーコン信号に含まれる情報を取得してカーナビゲーションシステムなどの外部装置に転送するとともに、車両識別情報などを含む光ビーコン信号を生成してアンテナユニット12に転送するものである。
【0021】
アンテナユニット12は、車両室内のインパネ上部、フロントガラスの上部、バックミラーの背面部など車両室内の前部であって且つ道路に設置された電波ビーコンの送信アンテナ、光ビーコンの投受光装置に対して見通し可能となる位置に設置される。また、送受信ユニット13は、トランク内、座席の下部など搭乗者の邪魔にならない場所に設置される。
【0022】
上記アンテナユニット12は、アンテナ13、高周波受信部14、投受光部15、光電変換部16、および多重・分離部17から構成されている。このうち受信手段としてのアンテナ13および高周波受信部14は、電波ビーコンから送信されるマイクロ波帯の電波を受信して、その受信した電波ビーコン信号を多重・分離部17に出力する。また、同じく受信手段としての投受光部15および光電変換部16は、光ビーコンから送出される光(赤外線)信号を受信して光電変換を行い、その変換された光ビーコン信号を多重・分離部17に出力する。さらに、この投受光部15および光電変換部16は、多重・分離部17から入力した光ビーコン信号を光電変換し、その変換された光(赤外線)信号を光ビーコンに対して送信するように構成されている。
【0023】
多重・分離部17は、受信した電波ビーコン信号および光ビーコン信号を例えば周波数分割方式で多重化して送受信ユニット13に転送する。また、送受信ユニット13から転送された信号を受けて光ビーコン信号を分離する。なお、アンテナユニット12を駆動するための直流電圧もこれら信号とともに多重化されて送受信ユニット13から供給されている。
【0024】
一方、送受信ユニット13は、多重・分離部18、高周波変換部19、中間周波増幅部20、直下・方向検出部21、データ再生・生成部22、振幅検出部23、マイクロコンピュータ(以下、CPUと称す)24、メモリ例えばRAM25、通信制御部26、直流電源27などから構成されている。
【0025】
多重・分離部18は、アンテナユニット12の多重・分離部17から多重化して転送された電波ビーコン信号と光ビーコン信号とを分離するとともに、データ再生・生成部22にて生成された光ビーコン信号をアンテナユニット12に転送する。
【0026】
高周波変換部19は、多重・分離部18で分離された電波ビーコン信号を中間周波数に変換して中間周波増幅部20に出力する。その中間周波増幅部20は、中間周波数の電波ビーコン信号を復調して電波ビーコン復調データを生成し、その電波ビーコン復調データを直下・方向検出部21に出力する。また、電波受信レベル検出手段としての中間周波増幅部20は、電波ビーコン信号の強度を検出し、それを受信レベルとしてCPU24に出力する。直下検出手段としての直下・方向検出部21は、電波ビーコン復調データに重畳されている直下検出用信号に基づいて電波ビーコンの直下位置を検出し直下信号を生成する。さらに、直下・方向検出部21は、電波ビーコン復調データから電波ビーコンデータを生成し、その生成した電波ビーコンデータと前記直下信号とをCPU24に出力する。なお、上記中間周波増幅部20および直下・方向検出部21が、本発明でいう電波ビーコンデータ検出手段に相当する。
【0027】
光ビーコンデータ検出手段としてのデータ再生・生成部22は、多重・分離部18で分離された光ビーコン信号に基づいて光ビーコンデータの再生を行いCPU24に出力する。また、データ再生・生成部22は、CPU24から出力された光ビーコンデータから光ビーコン信号を生成し多重・分離部18に出力する。光受信レベル検出手段としての振幅検出部23は、多重・分離部18から入力された光ビーコン信号の強度を検出し、それを受信レベルとしてCPU24に出力する。
【0028】
CPU24は、上記中間周波増幅部20、直下・方向検出部21、データ再生・生成部22、およびRAM25とともにデータ処理手段を構成している。このCPU24は、不揮発性メモリ(図示せず)に予め格納されたプログラムに従って後述する電波ビーコンデータ処理および光ビーコンデータ処理を行い、電波ビーコン信号および光ビーコン信号に含まれる位置情報や道路交通情報などの情報を得てRAM25に格納する。そして、CPU24はその情報を通信制御部26を介して図示しないカーナビゲーションシステムなどの外部装置に転送するようになっている。
【0029】
なお、送受信ユニット13は、FM多重放送を受信するために、図示しないFMチューナ、FM検波部、およびFM多重再生部を備えている。また、直流電源27は、イグニッションキーシリンダのAccスイッチを介して車載バッテリーから供給される電圧を入力し、アンテナユニット12および送受信ユニット13の各部に供給する直流電圧を生成する。
【0030】
次に、CPU24が実行する電波ビーコンデータ処理と光ビーコンデータ処理とを、メイン処理と受信割込み処理とに分けて、図2ないし図5も併せて参照しながら説明する。
【0031】
(1)メイン処理
図2は、電波ビーコンデータおよび光ビーコンデータのメイン処理に関するフローチャートを示している。また、図5は、例えば電波ビーコンが設置された高架道路と光ビーコンが設置された一般道路とが交差している場所における一般道路上の電波ビーコン信号および光ビーコン信号の強度分布を示しており、図2に示す処理において特に本発明に特徴的な処理を説明するために用いるものである。この図5の縦軸は光ビーコン信号および電波ビーコン信号の受信レベルを表し、横軸は車両の位置を表している。また、一点鎖線は、車両が通信エリア内に位置するか通信エリア外に位置するかを判断するために用いられる基準レベルを示している。
【0032】
CPU24は、中間周波増幅部20から入力した電波ビーコン信号の受信レベルと予め設定されている前記基準レベルとを比較し、電波ビーコン信号の受信レベルが基準レベル以上である場合に、車両が電波ビーコンの通信エリア内に位置する(通信エリアを検出している)と判断する。また、CPU24は、光ビーコンについても振幅検出部23から入力した光ビーコン信号の受信レベルと前記基準レベルとに基づいて同様の処理を行って通信エリアを検出する。この場合、電波ビーコン信号および光ビーコン信号に対して用いる前記基準レベルは、互いに異なっていても良い。
【0033】
このような処理によって通信エリアの検出がなされると、図5において左から右に向かって一般道路を走行している車両の路車間通信車載装置11は、最初にA点において高架道路の電波ビーコンから到来する漏れ電波による通信エリアを検出し、続いてB点において一般道路に設置された光ビーコンの通信エリアを検出する。その後、車両は、C点において光ビーコンの通信エリアから外れ、E点において電波ビーコンの通信エリアから外れる。この間、路車間通信車載装置11は、D点において電波ビーコンの漏れ電波による直下信号を検出する。このような場合、従来の路車間通信装置では通信エリアを早く検出した電波ビーコンについての処理が優先して行われるので光ビーコンデータの処理が行われなかったが、本発明に係る路車間通信車載装置11は、以下に説明する処理に従って光ビーコンデータの処理が可能となる。
【0034】
すなわち、図2において、CPU24は最初に処理状態が「アイドル状態」にあるかどうかを判断する(ステップS1)。処理状態としては、直下・方向検出部21から割込み処理によって電波ビーコンデータを入力しそのデータ処理を実行している「電波データ処理状態」、データ再生・生成部22から割込み処理によって光ビーコンデータを入力しそのデータ処理を実行している「光データ処理状態」、および両ビーコンデータについてデータ処理を実行していない「アイドル状態」の3状態がある。ここでは、まだいずれのデータ処理も実行していない状態なので、ステップS1で「アイドル状態」と判断してステップS2に移行する。
【0035】
ステップS2では、前述したように電波ビーコン信号および光ビーコン信号の受信レベルと基準レベルとを比較し、電波ビーコンの通信エリアまたは光ビーコンの通信エリアに入ったか(検出したか)どうかを判断する。何れのエリアにも入っていない場合には当該メイン処理を終える。また、何れかの通信エリアを検出したときには、さらにステップS3において、電波ビーコンまたは光ビーコンの何れの通信エリアを検出したかを判断する。そして、光ビーコンの通信エリアを検出した場合には処理状態を「光データ処理状態」に変更し(ステップS4)、電波ビーコンの通信エリアを検出した場合には処理状態を「電波データ処理状態」に変更する(ステップS5)。図5に示した例では、車両がA点で示す位置を通過した時に電波ビーコンの通信エリアを検出し、処理状態が「電波データ処理状態」に変更される。処理状態を変更した後、当該メイン処理を終了する。
【0036】
なお、この図2に示すメイン処理は、例えば処理終了後一定時間毎に繰り返して実行されるようになっている。また、CPU24はその処理能力による制限から、直下・方向検出部21から電波ビーコンデータを入力するための割込み処理(以下、受信割込み処理と称す)と、データ再生・生成部22から光ビーコンデータを入力する受信割込み処理とを同時に実行できない構成になっている。
【0037】
さて、ステップS1において「アイドル状態」でないと判断した場合には、さらにステップS6において、「電波データ処理状態」または「光データ処理状態」の何れの処理状態であるかを判断する。「光データ処理状態」の場合には、光ビーコンデータの受信割込みを許可する。そして、その受信割込み処理によってデータ再生・生成部22から1バイトずつ入力した光ビーコンデータに基づいて、RAM25上にデータフレーム(以下、フレームと称す)を生成する(ステップS7)。このフレームは、位置情報や道路交通情報など光ビーコンから送信された情報を表している。なお、上記受信割込み処理は、後述する電波ビーコンデータについての受信割込み処理(図3参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0038】
続いてステップS8において、光ビーコンの通信エリア外となったどうかを判断する。そして、通信エリア内にあるときはステップS7の処理に戻り、通信エリア外となったときはステップS9において光ビーコンデータの受信割込みを禁止し、光ビーコンデータの入力を停止する。
【0039】
その後、ステップS10において、RAM25上に生成された光ビーコンのフレームをID毎にまとめ、ナビゲーションシステムなどの外部装置に転送可能な形式に変換する。そして、ステップS11において、処理状態を「光データ処理状態」から「アイドル状態」に変更して当該メイン処理を終了する。外部装置への転送は、図示しない転送処理ルーチンに従って行われる。
【0040】
これに対し、ステップS6において「電波データ処理状態」と判断すると、電波ビーコンデータの受信割込みを許可する。そして、その受信割込み処理によって直下・方向検出部21から1バイトずつ入力した電波ビーコンデータに基づいて、RAM25上にフレームを生成する(ステップS12)。このフレームは、位置情報や道路交通情報など電波ビーコンから送信された情報を表している。
【0041】
その後、ステップS13において、直下・方向検出部21から入力した直下信号のレベルを検査し、電波ビーコンの直下を検出したかどうかを判断する。直下信号は、直下地点を通過するまでのレベル(例えばLレベル)と直下地点を通過した後のレベル(例えばHレベル)とが異なったレベルとなっているので、そのレベル変化が生じた地点が電波ビーコンの直下となる。なお、一度直下を検出した後はフラグがセットされるので、ステップS15において当該フラグがクリアされまでの間、ステップS13の判断は「YES」となり続ける。
【0042】
また、直下が検出されると、ステップS14において電波ビーコンの通信エリアから外れたかどうかを判断する。そして、通信エリア内に位置する場合にはステップS12の処理に戻り、通信エリアから外れた場合には電波ビーコンデータの受信割込みを禁止し、電波ビーコンデータの入力を停止する(ステップS15)。その後は、光ビーコンデータのフレーム処理と同様に、ステップS10において電波ビーコンのフレーム形式を変換し、ステップS11において処理状態を「電波データ処理状態」から「アイドル状態」に変更して当該メイン処理を終了する。
【0043】
以上の処理に対して、本発明の路車間通信車載装置11では以下の特徴的な処理が追加されている。すなわち、ステップS13において電波ビーコンの直下が検出されていない場合(図5に示す例では車両がA点とD点との間に位置する場合)、ステップS16において、電波ビーコンの受信割込みを禁止するとともに光ビーコンデータの受信割込みを許可し、光ビーコンデータを入力する試行受信処理を実行する。なお、この試行受信処理は、ステップS7の処理と同様の処理である。
【0044】
続いて、ステップS17において光ビーコンのフレームを検出したかどうかを判断する。そして、検出した場合には電波ビーコンデータの受信処理を中断し(ステップS18)、処理状態を「光データ処理状態」に変更して(ステップS19)当該メイン処理を終了する。図5においては、車両がB点を通過して光ビーコンの通信エリアに入った時点で、処理状態が「光データ処理状態」に変更される。そして、それ以降、車両が光ビーコンの通信エリアを出るC点を通過するまでの間、CPU24は電波ビーコンからの漏れ電波による電波ビーコン信号ではなく、車両が走行している一般道路に設置された光ビーコンからの光ビーコン信号についてデータ処理を実行可能となる。
【0045】
以上述べたように、路車間通信車載装置11は、電波ビーコン信号の受信レベルが基準レベル以上である場合に電波ビーコンの通信エリアを検出したと判断し、電波ビーコンデータを入力してフレームを生成する。光ビーコンについても同様の処理がなされる。さらに、路車間通信車載装置11は、電波ビーコンデータの処理中(「電波データ処理状態」)であっても、例えば定期的に光ビーコンデータを入力可能とされ、光ビーコンのフレームが検出された場合には、光ビーコンデータについての処理(「光データ処理状態」)に切り替えるように構成されている。
【0046】
従って、図5に示したように、車両が走行中の道路に設置された光ビーコンと他の道路に設置された電波ビーコンとが近接している場合において、光ビーコン信号の通信エリアと電波ビーコンからの漏れ電波による通信エリアとが重複する場合であっても、光ビーコンから送信される情報を優先的に得ることが可能となり、運転者に対する情報の欠落を防止することができる。
【0047】
さらに、本実施形態では、電波ビーコンデータの処理中に電波ビーコンの直下を検出したときは、光ビーコンデータの試行受信処理を中止し、電波ビーコンデータの処理のみを実行するように構成した。従って、CPU24は直下検出後から電波ビーコンの通信エリアを外れるまでの間、電波ビーコンデータの処理のみを実行すれば良く、処理能力の低いCPUを用いた場合であっても、電波ビーコンデータの処理を行うための十分な処理時間を確保することができる。また、CPU24は、電波ビーコンからの漏れ電波など直下信号を正常に検出できない場合に、生成した電波ビーコンデータのフレームを採用しないようになっているので、漏れ電波などによる誤情報を排除し易いという効果を奏する。
【0048】
(2)受信割込み処理
図3は、電波ビーコンデータの受信割込み処理に関するフローチャートを示している。このフローチャートは、光ビーコンデータの受信割込み処理についてもそのまま適用可能である。この受信割込み処理は、図1に示すメイン処理において、電波ビーコンデータについて受信割込みが許可されているステップS12からステップS14の実行中であって、且つ直下・方向検出部21が電波ビーコン復調データから電波ビーコンデータを新たに検出した時に発生する。
【0049】
CPU24は、ステップT1において1バイトの電波ビーコンデータを入力する。そして、ステップT2において、現在受信中の電波ビーコンからのフレームについて、当該フレームを構成する全データを入力完了したかどうかを判断する。電波ビーコンのフレームは、それぞれ所定バイト数からなる同期部、ヘッダ部、データ部、およびCRC(Cyclic Redundancy Check )から構成されている。全データの入力が完了していない場合には、当該受信割込み処理を終了する。一方、入力が完了した場合にはフレームのCRCを検査する(ステップT3)。そして、検査結果が正しければステップT4において、当該生成されたフレームが処理対象としている電波ビーコンのフレームであるかどうかを検査するフレーム検査処理を実行する。このフレーム検査処理については後述する。また、検査結果に誤りがある場合には、当該受信割込み処理を終了する。
【0050】
フレーム検査処理が実行されると、生成されたフレームが処理対象の電波ビーコンのものである場合には「OK」が返され、処理対象の電波ビーコンのものでない場合には「NG」が返される。ステップT5においてこのリターン値を検査し、「OK」の場合には当該フレームをRAM25に格納し(ステップT6)、「NG」の場合には当該受信割込み処理を終了する。
【0051】
図4は、上記フレーム検査処理に関するフローチャートを示している。以下、このフレーム検査処理について、図4を参照しながら説明する。
まず、ステップT41において、フレームから抽出したビーコン番号を検査する。このビーコン番号は、全国に設置されるビーコンに対して与えられる互いに異なった識別番号である。具体的には、ビーコン番号の上1桁が1〜9であれば適正なビーコン番号として次のステップT42に進み、それ以外であればビーコン番号に誤りがあるとしてステップT48に進む。ステップT48において、CPU24は、直下・方向検出部21から新たな電波ビーコンデータを入力するための準備として、入力済みのフレームなどの初期化(以下、受信初期化と称す)を行う。
【0052】
ステップT42において、ビーコン番号が、光ビーコンデータ処理の発生によりステップS18において中断された電波ビーコンの番号、あるいは後述するステップT47で中断された電波ビーコンの番号と同じかどうかを判断する。同じ場合には、これら中断前に既に当該電波ビーコンのフレームがRAM25に格納済みであるので、ステップT48に移行して受信初期化を行う。
【0053】
ステップT43では、ビーコン番号に基づいて当該フレームが処理対象ビーコンのものであるかどうかを判断する。処理対象ビーコンとは、受信する電波ビーコンが替わる毎に後述するステップT45において設定されるものであり、フレームの処理が進行している電波ビーコンを表している。また、ステップT48で受信初期化された時には、処理対象ビーコンの番号は電波ビーコンとしては存在しない適当な番号(例えば上1桁が0)に初期化される。処理中のフレームが処理対象ビーコンのものである場合、すなわち前回処理対象であるとして処理したフレームと当該フレームとが同一の電波ビーコンから送信されたものである場合には、ステップT46に移行して「OK」というリターン値を設定した後当該フレーム検査処理を終了する。
【0054】
一方、フレームが処理対象ビーコンのものでない場合、すなわち前回処理したフレームと今回処理するフレームとが異なる電波ビーコンから送信されたものである場合、あるいは受信初期化した後最初に生成したフレームである場合には、さらにステップT44に移行する。
【0055】
ステップT44は、処理対象ビーコンが設定されているかどうかの判断処理であり、ステップT48で受信初期化された後最初に当該ステップを処理する場合のみ「NO」と判断される。「NO」と判断した場合には、当該フレームの電波ビーコンを新たに処理対象ビーコンとして設定し(ステップT45)、ステップT46に移行してリターン値として「OK」を返す。
【0056】
また、ステップT44で「YES」と判断した場合、すなわち受信している電波ビーコンが替わった場合には、今まで処理対象としてきた電波ビーコンの受信を中断し(ステップT47)、新たな電波ビーコンを入力するための受信初期化を行う(ステップT48)。その後、ステップT49に移行してリターン値として「NG」を返す。
【0057】
さて、上述した処理を図8(b)に示した場合に当てはめて説明する。ここで、図8(b)に示す電波ビーコン1aからはフレームa1、a2から構成される情報が繰り返し送信されており、電波ビーコン1bからはフレームb1、b2、b3から構成される情報が繰り返し送信されているものとする。また、車両は、図中左から右に向かって走行しているものとする。
【0058】
A点において車両が通信エリアに入り、路車間通信車載装置11が電波ビーコン1aからフレームa1を受信すると、ステップT41〜T46までを順に処理する。この場合、ステップT45において、電波ビーコン1aが処理対象ビーコンとして設定される。続いてフレームa2を受信すると、当該フレームは処理対象ビーコン(電波ビーコン1a)から送信されたフレームなので、ステップT43において「YES」と判断し、処理対象ビーコンであるとして「OK」のリターン値を返す。これにより、路車間通信車載装置11は、フレームa1、a2から構成される電波ビーコン1aからの情報をRAM25上に取得することができる。
【0059】
その後、電波ビーコンの受信レベルが基準レベル以上となる状態を保ったまま、B点において車両が電波ビーコン1bからの電波を受信可能な通信エリアに入ると、処理状態が「アイドル状態」に移行することなく、電波ビーコン1bから送信されるフレームの受信を行う。
【0060】
いま、前記フレームa2に続いてフレームb1を受信すると、ステップT43において、当該フレームは処理対象ビーコン(電波ビーコン1a)のフレームでないと判断しステップT44に進む。ステップT44においては、既にステップT45で電波ビーコン1aを処理対象ビーコンとして設定済みなので「YES」と判断し、受信処理の中断および受信初期化を実行する。この時、処理対象ビーコンは、例えば電波ビーコン0(上1桁が0となる番号を有する実存しない電波ビーコン)に初期化される。
【0061】
続いてフレームb2を受信すると、ステップT41〜T44まで処理した後、ステップT45において電波ビーコン1bが処理対象ビーコンとして設定され、フレームb2がRAM25に格納される。以降、電波ビーコン1bのフレームb3、b1、b2、…を受信する限り、ステップT43において「YES」と判断し続け、各フレームがRAM25に格納される。これにより、路車間通信車載装置11は、フレームb1、b2、b3から構成される電波ビーコン1bからの情報を取得することができる。
【0062】
以上述べたように、路車間通信車載装置11は、電波ビーコンデータの受信割込み処理において、生成したフレームに基づいて当該フレームを送信した電波ビーコンを識別可能に構成されている。そして、識別された電波ビーコンが受信対象ビーコンでない場合、つまり車両の移動によって受信する電波ビーコンが替わった場合には、新たに電波を受信することとなった電波ビーコンから送信されるフレームを取得するようになっている。
【0063】
従って、図8(b)に示すように、複数の電波ビーコン信号が重複して、1つの通信エリアを形成している場合であっても、それぞれの電波ビーコンから送信される情報を確実に取得することができる。なお、以上述べた受信割込み処理は、光ビーコンデータに対しても同様に適用されるものである。
【0064】
(第2の実施形態)
次に、第1の実施形態における送受信ユニット13に変形を加えた第2の実施形態について、図6および図7を参照しながら説明する。なお、図6において図1と同一構成部分には同一符号を付し、ここでは異なる構成部分についてのみ説明する。
【0065】
図6には、路車間通信車載装置の電気的構成が機能ブロックにより概略的に示されている。この図6において、路車間通信車載装置28は、アンテナユニット12と送受信ユニット29とから構成されている。
送受信ユニット29は、多重・分離部18、高周波変換部30、振幅検出部23、デコーダ31、マイクロコンピュータ(以下、CPUと称す)32、RAM25、通信制御部26、直流電源27などから構成されている。
【0066】
高周波変換部30は、多重・分離部18で分離された電波ビーコン信号を中間周波数に変換し、その電波ビーコン信号を復調して電波ビーコン復調データを生成する。さらに、電波受信レベル検出手段としての高周波変換部30は、電波ビーコン信号の強度(受信レベル)を検出する。電波ビーコン復調データはデコーダ31に出力され、受信レベルはCPU32に出力される。
【0067】
ビーコン情報生成手段としてのデコーダ31は、電波ビーコン復調データと、多重・分離部18で分離された光ビーコン信号とを入力し、電波ビーコンのフレームと光ビーコンのフレームとを同時に生成することができるように構成されている。また、直下検出手段としてのデコーダ31は、電波ビーコン復調データに重畳されている直下検出用信号に基づいて、電波ビーコンの直下位置を示す直下信号を検出する。そして、デコーダ31は、電波ビーコンまたは光ビーコンの何れかのフレームを生成した時に、CPU32に対して受信通知割込み信号を出力し、そのフレームをCPU32に出力するようになっている。
【0068】
上記高周波変換部30、デコーダ31、およびRAM25とともにデータ処理手段を構成するCPU32は、不揮発性メモリ(図示せず)に予め格納されたプログラムに従って後述するフレーム(情報)の入力を行い、そのフレームをRAM25に格納する。また、CPU32は、デコーダ31に対して電波ビーコンの通信エリア内外を示すエリア信号を出力する。デコーダ31は、このエリア信号が通信エリア内を示している時のみCPU32に対して直下信号を出力するようになっている。
【0069】
次に、本実施形態における作用および効果について、電波および光ビーコンデータのメイン処理に関するフローチャートを示す図7も参照して説明する。なお、この図7において、図2に示すフローチャートと同一の処理には同一のステップ番号を付し、以下異なる処理について説明する。
【0070】
ステップS2において、電波ビーコンまたは光ビーコンの通信エリアを検出したときには、ステップS20において処理状態を「アイドル状態」から「ビーコン受信状態」に変更する。本実施形態では、処理状態として「アイドル状態」と、デコーダ31から電波ビーコンまたは光ビーコンの何れかのフレームを入力している「ビーコン受信状態」の2状態がある。このフレームには、電波または光ビーコンから送信される情報が含まれている。
【0071】
ステップS1において「アイドル状態」でないと判断した場合には、CPU32はデコーダ31からの受信通知割込み信号を受け、デコーダ31から入力するフレームが電波ビーコンのフレームか光ビーコンのフレームかを判断する(ステップS21)。光ビーコンのフレームである場合には、電波ビーコンのフレーム転送を中断し(ステップS22)、光ビーコンのフレームを入力してRAM25に格納することによりフレーム転送を行う(ステップS23)。
【0072】
その後、ステップS8において、光ビーコンの通信エリア外となったどうかを判断する。そして、通信エリア内にあるときはステップS21の処理に戻り、通信エリア外となったときはステップS10に移行する。
【0073】
これに対し、ステップS21において入力フレームが電波ビーコンのフレームであると判断すると、CPU32を介してデコーダ31からRAM25に電波ビーコンのフレーム転送を行う(ステップS24)。続いて、ステップS14において電波ビーコンの通信エリアを出たかどうかを判断する。そして、通信エリア内に位置する場合には電波ビーコンの直下を検出したかどうかを判断し(ステップS13)、通信エリアを出た場合にはフレーム転送を終了して処理状態を「ビーコン受信状態」から「アイドル状態」に戻す(ステップS11)。
【0074】
ステップS13の判断の結果直下を検出した場合には、電波ビーコン信号を正常に受信したと判断し、RAM25に格納したフレームを有効なものと見なす。そして、ステップS10においてそのフレームを外部装置に転送可能な形式に変換する。また、直下を検出しない場合には、ステップS21に戻る。
【0075】
以上述べたように、路車間通信車載装置28において、デコーダ31は電波ビーコンのフレームと光ビーコンのフレームとを同時に生成できるように構成され、CPU32はデコーダ31で生成されたフレームを選択して入力しRAM25に格納するフレーム転送処理を実行する。そして、光ビーコンのフレームと電波ビーコンのフレームとの両フレームが生成された場合には、光ビーコンのフレームを優先的に選択するようになっているので、第1の実施形態と同様に光ビーコン信号の通信エリアと電波ビーコンからの漏れ電波による通信エリアとが重複する場合であっても、光ビーコンから送信される情報を得ることが可能となり、運転者に対する情報の欠落を防止することができる。
【0076】
さらに、デコーダ31は、電波ビーコンおよび光ビーコンそれぞれについて独立してフレームを生成でき、CPU32はデコーダ31で生成されたフレームを選択してRAM25に転送すれば良いので、データ処理手段全体として制御を簡単化することができるとともに処理の高速化を図ることができる。
【0077】
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
第2の実施形態において、デコーダ31で生成したフレームをCPU32を介してRAM25に転送したが、デコーダ31から直接RAM25にDMA(Direct Memory Access)転送する構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における路車間通信車載装置の電気的構成を示す機能ブロック図
【図2】メイン処理を示すフローチャート
【図3】受信割込み処理を示すフローチャート
【図4】フレーム検査処理を示すフローチャート
【図5】光ビーコン信号および電波ビーコン信号の受信レベルを示す図
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図7】図2相当図
【図8】電波ビーコンからの電波の受信レベルを示す図
【図9】電波ビーコンと光ビーコンとが近接して設置された状態を示す図
【符号の説明】
図面中、11、28は路車間通信車載装置、13はアンテナ(受信手段)、14は高周波受信部(受信手段)、15は投受光部(受信手段)、16は光電変換部(受信手段)、20は中間周波増幅部(データ処理手段、電波ビーコンデータ検出手段、電波受信レベル検出手段)、21は直下・方向検出部(データ処理手段、電波ビーコンデータ検出手段、直下検出手段)、22はデータ再生・生成部(データ処理手段、光ビーコンデータ検出手段)、23は振幅検出部(光受信レベル検出手段)、24、32はマイクロコンピュータ(データ処理手段)、25はRAM(データ処理手段)、30は高周波変換部(データ処理手段、電波受信レベル検出手段)、31はデコーダ(データ処理手段、ビーコン情報生成手段、直下検出手段)である。
Claims (1)
- 道路に沿って設置された路上局から送信される電波ビーコン信号を受信する受信手段と、
この受信手段により受信した電波ビーコン信号から電波ビーコンデータを検出する電波ビーコンデータ検出手段と、
前記受信手段により受信した電波ビーコン信号の受信レベルを検出する電波受信レベル検出手段と、
この電波受信レベル検出手段からの受信レベルが予め設定された基準レベル以上である場合に、前記電波ビーコンデータ検出手段からの電波ビーコンデータに基づいて当該電波ビーコン信号を送信する路上局を識別するとともに、当該電波ビーコンデータに基づいて前記識別された路上局から送信される情報を取得するデータ処理手段とを備え、
前記データ処理手段は、前記電波受信レベル検出手段からの受信レベルが予め設定された基準レベル以上となる状態を保ったまま、異なる路上局からの電波を受信可能な通信エリアに入った場合には、異なる路上局を識別する毎に前記電波ビーコンデータに基づいて前記識別されたそれぞれの路上局から送信される情報を取得することを特徴とする路車間通信車載装置。
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