JP3587800B2 - 感光性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイス等の製造において電気、電子絶縁材料として用いられるポリイミド系の感光性重合体組成物に関するものであり、詳しくは、この感光性樹脂組成物は、ICやLSI等の半導体素子上に成膜され、微細パターンの加工が必要とされる絶縁保護膜の形成などに適用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリイミド樹脂は、その高い耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、低誘電率等によって、半導体を含む電気、電子分野への展開がなされており、半導体デバイスの分野では、IC、LSI、超LSIのチップの層間絶縁膜や表面保護膜として利用されている。しかし、従来のパターン形成方法では、ポリイミド前駆体をウェーハ上に塗布・乾燥してポリイミド樹脂化皮膜を形成した後、フォトレジストを用いてパターン蝕刻加工を行わなくてはならず、また、その際に有害物質であるヒドラジン溶液をポリイミドエッチング液として使用しなくてはならなかった。
【0003】
このため、ポリイミド前駆体に感光基を導入し、ポリイミド自体でパターン形成を可能にする試みが材料メーカー各社で行われており、幾つかの製品分野において実用段階にきている。しかし、現在実用化されている感光性ポリイミドは、感光基をイオン結合でポリイミド前駆体に導入しているものと、エステル結合を介して導入しているものに大別できるが、両者ともにパターン形成する際の現像液として専用有機溶剤を使用しなければならない。これらの有機溶剤は、産業廃棄物として処理されることが殆どで、環境保全に対する配慮がなされていない。ところが、上記半導体分野で使用されているフォトレジストは、全てアルカリ水溶液での現像がなされており、廃液の処理を行い、安全な状態で排出することが可能となっている。
【0004】
同様に、パターン形成が可能な感光性ポリイミドにもアルカリ水溶液での現像の要望が強く、また環境保全に対する材料メーカーの使命となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前述した従来の欠点を解消し、アルカリ水溶液にて現像が可能で、かつパターン形成能に優れるネガ型パターン形成能を有するポリイミド前駆体を含むネガ型感光性樹脂組成物とその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を進めた結果、後述する組成の新規なネガ型感光性樹脂組成物と、その合成方法が、上記目的を達成できることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0007】
即ち、本発明は、
(A)次式の繰返し単位(1)と(2)または(3)とで構成されるポリイミド前駆体、
【化3】
(但し、式中、R1 は、4価の芳香族基、複数の芳香族環が単結合された4価の有機基、又は複数の芳香族環が−O−、−CO−、−SO2 −若しくは−CH2−で結合された4価の有機基であり、R2 は、2価の芳香族基、複数の芳香族環が単結合された2価の有機基、又は複数の芳香族環が−O−、−CO−、−SO2 −若しくは−CH2 −で結合された2価の有機基であり、R3 、R4 は、エチレン性不飽和結合を有する有機基を、それぞれ表す)
(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤並びに
(C)感光剤を含む溶剤
からなり、(A)ポリイミド前駆体のうち(A)(1)の繰返し単位部分が0.15モル%以上であるとともにアルカリ水溶液による現像に適用することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物とこの組成物を安定して製造する方法である。
【0008】
また別の本発明は、(A)次式の繰返し単位(1)と(2)とで構成されるポリイミド前駆体、
【化4】
(但し、式中、R1 は、4価の芳香族基、複数の芳香族環が単結合された4価の有機基、又は複数の芳香族環が−O−、−CO−、−SO2 −若しくは−CH2−で結合された4価の有機基であり、R2 は、2価の芳香族基、複数の芳香族環が単結合された2価の有機基、又は複数の芳香族環が−O−、−CO−、−SO2 −若しくは−CH2 −で結合された2価の有機基であり、R3 、R4 は、エチレン性不飽和結合を有する有機基を、それぞれ表す)
(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤並びに
(C)感光剤を含む溶剤
からなり、(A)ポリイミド前駆体のうち(A)(1)の繰返し単位部分が0.15モル%以上であるとともにアルカリ水溶液による現像に適用するネガ型感光性樹脂組成物の製造方法であって、
R1 骨格テトラカルボン酸又はその無水物のうち(A)(2)の繰返し単位部分となるものと、R3 およびR4 をもつアルコールをエステル化反応させる工程と、上記エステル化反応後の液に(A)(1)および(2)の繰返し単位となるR2 骨格ジアミン全量を添加し、ジフェニル(2,3-ジヒドロ−2-チオキソ−3-ベンゾオキサゾール)ホスホナート又はジフェニル(2,3-ジヒドロ−2-チオキソ−3-ベンゾチアゾール)ホスホナートを脱水縮合剤として、上記エステル化反応後のR1 骨格テトラカルボン酸における残存カルボキシル基とR2 骨格ジアミンのアミノ基とを重縮合させて(A)(2)繰返し単位で構成されるポリイミド前駆体生成物を得る工程と、上記(A)(2)繰返し単位部分を反応させたポリイミド前駆体生成物に(A)(1)の繰返し単位部分となるR1 骨格テトラカルボン酸を添加し、残存R2 骨格ジアミンのアミノ基とを重縮合させて(A)(1)繰返し単位で構成されるポリイミド前駆体生成物を得る工程と、(A)(1)繰返し単位部分を反応させたポリイミド前駆体生成物から上記脱水縮合剤を除去するとともにポリイミド前駆体を析出させる工程と、上記析出させた(A)をポリイミド前駆体と(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤とを(C)感光剤を含む溶剤に溶解させる工程含む感光性重合体組成物の製造方法である。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明に用いる(A)ポリイミド前駆体のR1 骨格となる酸成分としては、例えば、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4′−オキシジフタル酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−コハク酸等とその無水物が挙げられ、これらは単独又は混合して使用することができる。
【0011】
上記酸成分には、前述の式化1の繰返し単位部分がカルボン酸、すなわち(A)(1)であるものである比率をポリマー重量当り0.15モル%以上とする範囲で、エチレン性不飽和結合を有する化合物をエステル結合又はアミド結合で反応させることができる。
【0012】
エステル結合で導入するR3 、R4 骨格をもつ化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールアクリレートジメタクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、1,3−ジアクリロイルエチル−5−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタトリエリスリトールトリアクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、等が挙げられ、これらは単独又は混合して使用することができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に用いる(A)ポリイミド前駆体のR2 骨格となるジアミン成分としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジアミノトルエン、1−メトキシ−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノ−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジメチルベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、1,2−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,5−ジアミノ−2−メチルナフタレン、1,3−ジアミノ−2−フェニルナフタレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)エタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−5,5′−ジエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4′−メチレンビス(3,3−ジメチル−シクロヘキシルアミン)、2,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノベンズアニリド、3,3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4−アミノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4−アミノフェニル)ジフェニルシラン、ビス(4−アミノフェニル)−N−メチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)−N−フェニルアミン、3,3′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,6−ジアミノピリジン、3,5−ジアミノピリジン、4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルフォン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)−1−フェニル−2,2,2−トリフルオロエタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。また、これらの化合物は、上記エステル化合物に対して等モルで使用するのが好ましいが、使用目的や最終粘度、分子量に合わせて0.5〜1.5倍モルの範囲で使用することができる。
【0014】
次に本発明において、上記エステル化合物とジアミン成分の重縮合反応に使用する脱水縮合剤について説明する。
【0015】
上記エステル化反応物とジアミン成分とを重縮合法によって反応させる場合、通常は、酸クロライドを用いて行われるが、半導体デバイスを含む電気、電子分野においては、遊離したクロルイオンが製品信頼性不良の原因となるため、酸クロライド法による重合は好ましくない。また、脱水縮合剤として用いられるDCC等のカルボジイミド誘導体は、▲1▼副反応の併発、▲2▼ポリイミド前駆体のゲル化、▲3▼毒性等の問題があり、さらには副生成物として発生するウレアの完全な除去が困難である。そのため、反応系を冷却したり、脱水縮合剤を数回に分けて添加したり、酸成分とジアミン成分のモルバランスを崩すなどして使用されている。その結果、製造における厳しい工程管理が必要とされるばかりでなく、合成されたポリイミド前駆体の分子量が低くなり、解像度が低くなる、膜特性が悪くなる等の問題が起こる。
【0016】
しかし、本発明に使用する脱水縮合剤は、上記欠点を完全に解決するものであり、穏和な条件で安定した製造が可能であるため、高い解像度をもち、かつ高い膜特性を有するポリイミド前駆体を得ることができる。即ち、本発明において使用する脱水縮合剤は上記エステル化合物とジアミン成分の重縮合反応において、選択的にアミド結合を生成するため、▲1▼副反応の併発が起こりにくい、▲2▼ポリイミド前駆体のゲル化が起こらない、▲3▼高分子量化が可能であるという特徴を有している。また、重合反応終了後に存在する脱水縮合剤の未反応分、もしくはその分解物はメタノール、エタノール等の低級アルコールに溶解するため、ポリイミド前駆体から容易に除去することが可能である。
【0017】
上述のような本発明に用いられる脱水縮合剤としては、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートおよびその誘導体、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾチアゾール)ホスホナートおよびその誘導体が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。これらの配合割合は、上記エステル化合物に対して1〜3倍モルの範囲で、好ましくは2〜2.5倍モルの範囲で使用することができる。
【0018】
本発明に用いる樹脂組成物の重合溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤や、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0019】
次に、光重合開始剤、増感剤、保存安定剤、感光剤を含むポリイミド前躯体溶液の調整について説明する。
【0020】
本発明に用いる(B)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、2,6′−ジ(4′−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6′−ジ(4′−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6′−ジ(4′−ジアジドベンザル)−4−エチルシクロヘキサノン、2,6′−ジ(4′−ジアジドベンザル)−4−ブチルシクロヘキサノン、2,6′−ジ(4′−ジアジドベンザル)−4−(t−ブチル)シクロヘキサノン等のアジド化合物、1−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシン、N−(P−エチル)フェニルグリシン、N−(P−メチル)フェニルグリシン等のグリシン誘導体などが挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。配合割合は、上記組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0021】
また、本発明における光重合開始剤は、紫外線中の365nm、436nmにおいて効率よく反応性ラジカルを発生させるものであれば上記化合物に限定されるものではない。
【0022】
本発明用いる増感剤としては、例えば、ミヒラーズケトン、4,4′−ビス(ジエチルアミノベンゾフェノン)、2,5−ビス(4′−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4′−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−ベンゾチアゾール、1,3−ビス(4′−ジメチルアミノベンザル)アセトン、3,3′−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N′−エタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−P−トリルジエタノールアミン、N−フェニルメタノールアミン、4−モルホニノベンゾフェノンジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。その添加量は、上記樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。また、これらの増感剤は、使用する波長に合わせて更には要求感度に合わせて利用することで各波長における解像度を向上させることができる。
【0023】
本発明に用いる重合禁止剤は、樹脂の保存安定性を向上させるためのものであり、その具体的なものは例えば、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、ブチルキノン等のヒドロキノン誘導体を使用することができ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。その添加量は、上記樹脂組成物100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。
【0024】
また、本発明において溶解に使用される溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド、N,N′−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤や、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
【0025】
次に、本発明における重合体組成物の製造方法について説明する。
【0026】
本発明の重合体組成物は、前述のポリイミド前駆体で示される中の繰返し単位部分(1)、すなわちカルボン酸であるものの比率が、ポリマー当り0.15モル%以上であることを必須とするため、その合成方法にも重要な発明が必要であった。その比率が0.15モル%未満であると、パターン形成時に用いるアルカリ水溶液に対して十分な溶解性を示さず、解像度の高いポリイミドパターンが得られない。
【0027】
本発明に使用されるポリマーは、一般的にはポリイミド前駆体と称されるもので、芳香族もしくは脂肪族ジカルボン酸と芳香族もしくは脂肪族ジアミンとの脱水重縮合法により合成される。しかし、前記式化2中のR1 骨格を有する化合物としてテトラカルボン酸、二酸無水物もしくは二酸無水物と活性エチレン化合物のエステル化物を同時に用いてジアミン化合物と反応させた場合、その反応選択性の低さから三次元架橋によるゲル化が進行することが明らかであった。
【0028】
そこで本発明者は、以下の方法で反応選択性を向上させ、三次元架橋をしないポリマーの合成に成功した。
【0029】
予め、(A)ポリイミド前駆体を構成するR1 骨格テトラカルボン酸又はその無水物のうち、ポリマー当り0.15モル%以上となる繰返し単位部分(1)を構成するものと、繰返し単位部分(2)を構成する活性エチレン基を有する化合物と反応させるものとをモル数にて分割しておく必要がある。
【0030】
まず、活性エチレン基を有する化合物と繰返し単位部分(2)を構成するR1 骨格を有する二酸無水物を塩基触媒の存在下、N−メチルピロリドン、N,N′−ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶剤で反応させる。塩基触媒としては、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリフェニルアミン等の有機アミン類が望ましい。
【0031】
次に、繰返し単位部分(1)および(2)を構成するR2 骨格を有するジアミン化合物全量を反応系に溶解させ、脱水縮合剤ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートおよびその誘導体、ジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾチアゾール)ホスホナートおよびその誘導体で完全に反応を進行させる。この際の重合中間体は、明らかにカルボン酸基に対してアミノ基が過多であるため、重合中間体の反応末端はアミノ基で存在していることが予想される。完全に反応が進行したことを確認後、繰返し単位部分(1)を構成する残りの二酸無水物を上記反応末端のアミノ基と反応させることでポリマー中の酸モル濃度が0.15モル%以上で、かつ反応選択性の高いポリマーを合成することが可能となる。
【0032】
上記方法によって合成したポリマーは、一般的な再沈殿方法によって精製することが可能である。大量のメタノールもしくは水/メタノール混合溶剤に反応液を投入し、ポリマーのみを固化させる。次いで、同様に大量のメタノールもしくは水/メタノール混合溶剤で洗浄した後、通気乾燥もしくは減圧乾燥してポリマーのみを得ることができる。得られたポリマーは、GPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)によって分子量、分子量分布、ゲル化の様子等を測定した結果、数平均分子量で10000〜50000、分子量分布は2.2〜3.5、ゲル化率は0%であった。
【0033】
次に、本発明によって得られた樹脂組成物の使用方法について説明する。
【0034】
半導体デバイスへの適用を考えた場合、まず、この樹脂組成物を対象とするウェーハ上にスピンコーターを用いてコーティングし、次に90〜130℃で塗膜を乾燥させる。得られた塗膜上にパターンが描画されているマスクを透過させて365nm、436nmといった活性紫外線を照射する。次に、この塗膜をアルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の無機アルカリ水溶液やエチルアミン、n−プロピルアミン等の一級アミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の二級アミン、トリエチルアミン、メチルジメチルアミン等の三級アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アミンの水溶液を使用して活性光線未照射部のみを溶解現像し、純水によってリンス洗浄する。現像方式としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が考えられる。これによって、対象とするウェーハ上には所望するポジ型パターンを得ることができる。さらに、この塗膜を熱処理させることによってこの樹脂組成物をイミド化し、膜特性に優れるポリイミド膜を形成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0036】
実施例1
まず、乾燥空気導入管を備えた反応フラスコにピロメリット酸二無水物51.9gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート65.0g、N−メチルピロリドン530.0g、およびヒドロキノン0.5gを加えた後、50.6gのトリエチルアミンを30分かけて滴下した。この反応系を室温で3時間反応させた。反応終了後、パラフェニレンジアミン63.3gと1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン11.8gを加え、更に1時間攪拌した後、191.6gのジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを3回に分けて加えて重合反応を行った。反応終了後に更に51.9gのピロメリット酸二無水物を加えて室温で12時間反応させた。
【0037】
得られたスラリー状の樹脂を高速に攪拌した10Lのメタノール中で攪拌洗浄した後、減圧乾燥によって乾燥した。このポリイミド前駆体をGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で分子量測定したところ、スチレン換算の数平均分子量で20000であり、十分な高分子量であることがわかった。また、GPCのチャートからも明らかに高分子側の異常ピークは観察されず、ポリマーはゲル化していないことがわかった。また、得られたポリマーの酸モル%は2.1である。
【0038】
このポリイミド前駆体100重量部とベンゾフェノン2重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、およびヒドロキノン1重量部とをN−メチルピロリドン300重量部に溶解させ感光性樹脂組成物とした。
【0039】
この得られた組成物をスピンコーターを用いて6インチシリコンウェーハ上に塗布した後、90℃のベーク板上にて乾燥することによって20μmの膜厚に調整した。次に、この塗膜表面上にミラープロジェクションを用いてライン/スペースパターンを300mj/cm2 の露光量で露光した。更に、この塗膜表面を2.38%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液にて10秒間のパドル現像を行い、続けて純水にてリンス洗浄した。得られたパターンを光学顕微鏡によって観察したところ、10μmのライン/スペース迄の解像度があることがわかった。更にこのパターンを150℃で1時間、250℃で1時間、350℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜のイミド化を完結させた。得られたポリイミドパターンは、280℃で30秒のヒートショック後にPCT(121℃,2気圧)で300時間の処理をしてもウェーハと強固に密着しており、通常のテープ剥離試験においても剥がれることはなかった。
【0040】
実施例2
まず、乾燥空気導入管を備えた反応フラスコに3,3′,4,4′−ベナンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物62.9gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート53.4g、N−メチルピロリドン574.2g、およびヒドロキノン0.5gを加えた後、41.5gのトリエチルアミンを30分かけて滴下した。この反応系を室温で3時間反応させた。反応終了後、パラフェニレンジアミン38.0gと1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン9.7gを加え、更に1時間攪拌した後、157.3gのジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを3回に分けて加えて重合反応を行った。反応終了後に更に62.9gの3,3′,4,4′−ベナンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を加えて室温で12時間反応させた。
【0041】
得られたスラリー状の樹脂を高速に攪拌した10Lのメタノール中で攪拌洗浄した後、減圧乾燥によって乾燥した。このポリイミド前駆体をGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で分子量測定したところ、スチレン換算の数平均分子量で18000であり、十分な高分子量であることがわかった。また、GPCのチャートからも明らかに高分子側の異常ピークは観察されず、ポリマーはゲル化していないことがわかった。また、得られたポリマーの酸モル%は0.17である。
【0042】
このポリイミド前駆体100重量部とベンゾフェノン2重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、およびヒドロキノン1重量部をN−メチルピロリドン300重量部に溶解させ感光性樹脂組成物とした。
【0043】
この得られた組成物をスピンコーターを用いて6インチシリコンウェーハ上に塗布した後、90℃のベーク板上にて乾燥することによって20μmの膜厚に調整した。次に、この塗膜表面上にミラープロジェクションを用いてライン/スペースパターンを300mj/cm2 の露光量で露光した。更に、この塗膜表面を2.38%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液にて15秒間の現像を行い、続けて純水にてリンス洗浄した。得られたパターンを光学顕微鏡によって観察したところ、10μmのライン/スペース迄の解像度があることがわかった。更にこのパターンを150℃で1時間、250℃で1時間、350℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜のイミド化を完結させた。得られたポリイミドパターンは、280℃で30秒のヒートショック後にPCT(121℃,2気圧)で300時間の処理をしてもウェーハと強固に密着しており、通常のテープ剥離試験においても剥がれることはなかった。
【0044】
比較例1
まず、乾燥空気導入管を備えた反応フラスコに2,2′−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二酸無水物71.7gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート44.1g、N−メチルピロリドン608.7g、およびヒドロキノン0.5gを加えた後、34.3gのトリエチルアミンを30分かけて滴下した。この反応系を室温で3時間反応させた。反応終了後、パラフェニレンジアミン31.4gと1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン8.0gを加え、更に1時間攪拌した後、130.0gのジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを3回に分けて加えて重合反応を行った。反応終了後に更に71.7gの2,2′ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二酸無水物を加えて室温で12時間反応させた。
【0045】
得られたスラリー状の樹脂を高速に攪拌した10Lのメタノール中で攪拌洗浄した後、減圧乾燥によって乾燥した。このポリイミド前駆体をGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で分子量測定したところ、スチレン換算の数平均分子量で15000であり、十分な高分子量であることがわかった。また、GPCのチャートからも明らかに高分子側の異常ピークは観察されず、ポリマーはゲル化していないことがわかった。また、得られたポリマーの酸モル%は0.14である。
【0046】
このポリイミド前駆体100重量部とベンゾフェノン2重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、およびヒドロキノン1重量部をN−メチルピロリドン300重量部に溶解させ感光性樹脂組成物とした。
【0047】
この得られた組成物をスピンコーターを用いて6インチシリコンウェーハ上に塗布した後、90℃のベーク板上にて乾燥することによって20μmの膜厚に調整した。次に、この塗膜表面上にミラープロジェクションを用いてライン/スペースパターンを300mj/cm2 の露光量で露光した。更に、この塗膜表面を2.38%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液にて60秒間の現像したが、膜が剥がれて溶解させることができなかった。続けて純水にてリンス洗浄した。得られたパターンを光学顕微鏡によって観察したところ、パターンの溶解部に溶け残りがあり、解像度は不十分であった。更にこのパターンを150℃で1時間、250℃で1時間、350℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜のイミド化を完結させた。得られたポリイミドパターンは、280℃で30秒のヒートショック後にPCT(121℃,2気圧)で300時間の処理をしてもウェーハと強固に密着しており、通常のテープ剥離試験においても剥がれることはなかった。
【0048】
比較例2
まず、乾燥空気導入管を備えた反応フラスコにピロメリット酸二無水物80.7gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート101.1g、N−メチルピロリドン396.4g、ヒドロキノン0.5gを加えた後、78.6gのトリエチルアミンを30分かけて滴下した。この反応系を室温で3時間反応させた。反応終了後、パラフェニレンジアミン36.0gと1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン9.2gを加え、更に1時間攪拌した後、297.9gのジフェニル(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾール)ホスホナートを3回に分けて加えて重合反応を行った。
【0049】
得られたスラリー状の樹脂を高速に攪拌した10Lのメタノール中で攪拌洗浄した後、減圧乾燥によって乾燥した。このポリイミド前駆体をGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で分子量測定したところ、スチレン換算の数平均分子量で23000であり、十分な高分子量であることがわかった。また、GPCのチャートからも明らかに高分子側の異常ピークは観察されず、ポリマーはゲル化していないことがわかった。また、得られたポリマーの酸モル%は0.0である。
【0050】
このポリイミド前駆体100重量部とベンゾフェノン2重量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート20重量部、ヒドロキノン1重量部をN−メチルピロリドン300重量部に溶解させ感光性樹脂組成物とした。
【0051】
この得られた組成物をスピンコーターを用いて6インチシリコンウェーハ上に塗布した後、90℃のベーク板上にて乾燥することによって20μmの膜厚に調整した。次に、この塗膜表面上にミラープロジェクションを用いてライン/スペースパターンを300mj/cm2 の露光量で露光した。更に、この塗膜表面を2.38%のTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)水溶液にて60秒間の現像をしたが、溶解させることができなかった。続けて純水にてリンス洗浄した。得られたパターンの溶解部膜厚を測定してみると20μmの膜厚が残っており溶けていないことがわかった。更にこのパターンを150℃で1時間、250℃で1時間、350℃で1時間の加熱処理を行い、塗膜のイミド化を完結させた。得られたポリイミドパターンは、280℃で30秒のヒートショック後にPCT(121℃,2気圧)で300時間の処理をしてもウェーハと強固に密着しており、通常のテープ剥離試験においても剥がれることはなかった。
【0052】
【発明の効果】
従来、ネガ型のパターン形成時に専用の有機溶剤を用いて未露光部を溶解させていたが、本発明はにおいては、パターン形成に関してはアルカリ性水溶液を使用して従来と同等の解像度を有するパターンを形成することが可能である。このことは大量の有機溶剤廃棄物の全廃に対して極めて効果がある。さらに本発明では、かかる樹脂組成物を合成する方法においても全く新規な発想に基づずくものであり、他に類のない非常に優れた発明であることが容易に理解できる。
Claims (2)
- (A)次式の繰返し単位(1)と(2)または(3)とで構成されるポリイミド前駆体、
(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤並びに
(C)感光剤を含む溶剤
からなり、(A)ポリイミド前駆体のうち(A)(1)の繰返し単位部分が0.15モル%以上であるとともにアルカリ水溶液による現像に適用することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。 - (A)次式の繰返し単位(1)と(2)とで構成されるポリイミド前駆体、
(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤並びに
(C)感光剤を含む溶剤
からなり、(A)ポリイミド前駆体のうち(A)(1)の繰返し単位部分が0.15モル%以上であるとともにアルカリ水溶液による現像に適用するネガ型感光性樹脂組成物の製造方法であって、R1 骨格テトラカルボン酸又はその無水物のうち(A)(2)の繰返し単位部分となるものと、R3 およびR4 をもつアルコールをエステル化反応させる工程と、上記エステル化反応後の液に(A)(1)および(2)の繰返し単位となるR2 骨格ジアミン全量を添加し、ジフェニル(2,3-ジヒドロ−2-チオキソ−3-ベンゾオキサゾール)ホスホナート又はジフェニル(2,3-ジヒドロ−2-チオキソ−3-ベンゾチアゾール)ホスホナートを脱水縮合剤として、上記エステル化反応後のR1 骨格テトラカルボン酸における残存カルボキシル基とR2 骨格ジアミンのアミノ基とを重縮合させて(A)(2)繰返し単位で構成されるポリイミド前駆体生成物を得る工程と、上記(A)(2)繰返し単位部分を反応させたポリイミド前駆体生成物に(A)(1)の繰返し単位部分となるR1 骨格テトラカルボン酸又はその無水物を添加し、残存R2 骨格ジアミンのアミノ基とを重縮合させて(A)(1)繰返し単位で構成されるポリイミド前駆体生成物を得る工程と、(A)(1)繰返し単位部分を反応させたポリイミド前駆体生成物から上記脱水縮合剤を除去するとともにポリイミド前駆体を析出させる工程と、上記析出させた(A)ポリイミド前駆体と(B)光重合開始剤、増感剤および保存安定性を目的とした禁止剤とを(C)感光剤を含む溶剤に溶解させる工程を含む感光性重合体組成物の製造方法。
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