JP3587075B2 - バランス訓練装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、身体の賦活、運動機能の訓練や回復などの目的でバランス機能を訓練するために用いられるバランス訓練装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、馬に乗った状態で落ちないようにバランスをとることはバランス保持の訓練になり、しかも腰背筋群の活性化を促して腰痛予防の訓練にもなることが知られている。
一方、馬に乗ることができる場所は限られているものであるから、場所や天候の制約を受けることなくバランス訓練を手軽に行うことができるように、馬に乗った状態と同様の動作を実現できる機械装置を用いることが考えられている。
【0003】
この種の機械装置(バランス訓練装置)には、たとえば特公平6−65350号公報に記載されているように、6個の駆動源を備え、馬形の乗り物を6自由度で駆動するものが提案されている。この構成では、乗り物を前後方向、左右方向、上下方向の直進往復移動と、前後軸、左右軸、上下軸の各軸回りの回転往復移動との6動作を組み合わせて揺動させることが可能であって、しかも6動作を個別に制御することができるようになっている。したがって、馬に乗った状態に近い揺動が可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されたものは、6個の駆動源を備えるとともに、各駆動源を個別に制御するものであるから、各駆動源の動作のタイミング、速度、動作範囲などを個別に制御することになり、非常に複雑な制御を行う必要がある。また、6個の駆動源が設けられているものであるから、大型化しやすく、またコスト高になるという問題がある。この問題は上記公報に用いられている、いわゆる6自由度型シリアルロボットに限らず、構造が簡単な6自由度型パラレルロボットを用いる場合も同様であって、6自由度型パラレルロボットでは構造が簡単ではあるものの構成部品が高コストであるから一層のコスト高を招くことになる。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的簡単な構成を用いて馬に乗った状態に近い状態で揺動させることを可能とし、馬に乗った状態と同程度のバランス訓練を可能としたバランス訓練装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、人が着座する座席と、座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限して駆動する駆動装置とを備え、駆動装置は、2つのモータと、一方のモータの出力を座席の前後軸回りの回転往復移動に変換するとともに、他方のモータの出力を座席の前後方向の直進往復移動および座席の左右軸の回りの回転往復移動に変換する運動変換装置とを備え、各モータは駆動制御部により出力が各別に制御されるものである。この構成によれば、座席を揺動させる駆動装置の動作を3種類に制限しているから、従来のような6種類の動作を可能とする場合に比較すると駆動装置の構成が簡単になる。しかも、動作が3種類に制限されてはいるものの、動作の種類を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせとしているので、バランス訓練(バランス保持の訓練、腰痛予防の訓練)に用いるに際しては6種類の動作が可能な装置と同様の効果が得られる。この点については後述する。さらに、3種類の動作を2つのモータを用いて実現することができ、しかも2つのモータを駆動制御部によって各別に制御するから、揺動パターンを複雑化することが可能になり、使用者の予期しない動きや使用者を飽きさせない動きを与えることが可能になる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記駆動装置が、前後軸の回りの回転往復移動が1往復する期間に前後方向の直進往復移動および左右軸の回りの回転往復移動が2往復するようにモータの出力を座席の移動に変換する運動変換装置を備えるものである。この構成によれば、各動作の比率を固定的に設定して制御に制約を与えているから制御が容易であり、たとえばモータを1つだけ用いるとともに動力を伝達する機構によって上記条件を満たすことが可能になる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、座席に着座した人の動きによる加速度を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えるものである。この構成によれば、使用者の動きによる加速度をセンサで検出することによって、使用者のバランス機能の程度を知ることができ、使用者のバランス機能の程度に応じて座席の揺動の大きさを調節することが可能になる。つまり、使用者のバランス機能が優れているときには、座席を大きく揺動させてもセンサの出力を目標値に保つことが可能になり、逆にバランス機能の劣る使用者であれば、センサの出力が目標値になるように座席の揺動を小さくするように制御することになる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、座席に着座した人の動きによる変位を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えるものである。この構成によれば、使用者の動きによる変位をセンサで検出することによって、使用者のバランス機能の程度を知ることができ、使用者のバランス機能の程度に応じて座席の揺動の大きさを調節することが可能になる。つまり、使用者のバランス機能が優れているときには、座席を大きく揺動させてもセンサの出力を目標値に保つことが可能になり、逆にバランス機能の劣る使用者であれば、センサの出力が目標値になるように座席の揺動を小さくするように制御することになる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明において、駆動装置の制御データと前記センサの出力から求めた検出データと座席に着座した人の個人データとを複数人について登録可能なデータベースを備え、使用時における各データとをデータベースに格納された各データと比較することにより使用中の人のバランスの程度を判定する判定手段を備えるものである。この構成によれば、複数人のデータを集めることによって統計的な処理が可能になり、バランス機能の程度について年齢などに応じた標準値を決めることが可能になり、標準値に対する使用者のバランス機能のレベルを評価することが可能になる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、視覚情報と聴覚情報との少なくとも一方を出力する情報提示器を設け、駆動装置の動作に合わせて情報提示器の出力内容を変化させるものである。この構成によれば、情報提示器を用いて駆動装置の動作に合わせた出力内容を提示するから、単調さをある程度緩和することができ、使用者が飽きるのを抑制することができる。また、情報提示器に目標値や使用者の能力を示すことによって使用者に動機付けを行うことも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は以下の知見に基づくものであり、基本的には、人が着座する座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限した点に特徴がある。
【0014】
本発明者らは、従来構成のような6自由度の動作に代えて自由度を減少させてもバランス訓練が可能か否かを評価するために、6種類(6自由度)の往復移動の動作が可能な馬の鞍形の座席に人を着座させ、動作の組み合わせの種類を変化させて5点満点で主観評価する実験を行った。また、実験は乗馬部員7人、非乗馬部員(非経験者)11人で行った。6種類の動作を組み合わせた場合での非経験者による主観評価の平均値を5点とし、63通りの動作の組み合わせに対して主観評価を行った。つまり、動作の種類を1〜5種類の間で変化させ、それぞれ組み合わせを変化させて評価した。その結果を図11に示す。図では前後方向をx方向、左右方向をy方向、上下方向をz方向とし、前後軸(x軸)の回りの回転をロール(Roll)、左右軸(y軸)の回りの回転をピッチ(Pitch)、上下軸(z軸)の回りの回転をヨー(Yaw)として示してある。たとえば、図の横軸において「xYawPitchRoll」は、前後方向(x軸方向)の直進往復移動、前後軸の回りの往復回転移動(ロール)、左右軸の回りの往復回転移動(ピッチ)、上下軸の回りの往復回転移動(ヨー)の組み合わせを示す。また、図11において1軸、2軸、……、5軸とあるのは、組み合わせた動作の種類の数である。また、上の折れ線が非経験者、下の折れ線が乗馬部員、中の折れ線が平均を示す。
【0015】
しかして、図11の結果によれば、3種類(3軸)以下の動作の組み合わせでは、「PithcRoll」、「xPitchRoll」、「zPitchRoll」などの組み合わせで高い点が得られることがわかる。そこで、これらの組み合わせについて客観的に評価するために、上述の各組み合わせの動作と、1種類ずつの動作と、6種類の組み合わせ動作とについて、腰背筋群の表面筋電位計測を行った。表面筋電位計測における座席は馬の常足に対応するデータにより動かし、6種類の組み合わせ動作を行った結果を100%として百分率で表した。また、計測は3人について行い、3人の計測結果はそれぞれ図12ないし図14に示した。図から明らかなように、腰背筋群の表面筋電位については、「xPitchRoll」、「zPitchRoll」の組み合わせであれば、6種類の動作の組み合わせの場合と大きな差がないという結果が得られた。
【0016】
両者の動作を比較すると、「zPitchRoll」の組み合わせでは、上下方向の直進往復移動が含まれており、人の体重を支持しながらも上下方向に直進往復移動させようとすると、機構部の強度を大きくするためにコスト高につながるから、「xPitchRoll」の組み合わせのほうが望ましいと言える。また、前後方向(x方向)の直進往復移動の1往復の期間と、左右軸(y軸)の回りでの回転往復移動(ピッチ)の1往復の期間と、前後軸(x軸)の回りでの回転往復移動(ロール)の1往復の期間との比率は、ほぼ2:2:1になっていた。これらの知見に基づいて本発明では、以下の構成を採用している。
【0017】
(第1の実施の形態)
本実施形態は、図1(a)に示すように、人が着席する座席1をベース2に収納された駆動装置3(図1(b)参照)により揺動させるように構成される。座席は馬の鞍形に形成されており、人は座席1に跨る形で着座することになる。また、図6に示すように、駆動装置3は駆動制御部4a,4bを介して演算制御部5により制御される。
【0018】
駆動装置3は、図2ないし図4に示すように、直方体状のベース2を有し、ベース2に対して移動可能となるように保持された可動架台31を備える。ベース2は上面が開放されており、ベース2の上部には前後方向に走る左右一対のレール部21が形成されている。各レール部21は断面コ字状であって開口側を互いに対向させる形に形成されている。
【0019】
可動架台31には左右方向の2本のシャフト32,33が設けられ、前側のシャフト32の両端部にはシャフト32の軸心から偏心した位置でアーム34の一端部が取り付けられる。両アーム34はシャフト32に対して回動自在に軸着されており、両アーム34の回動中心は一直線上に位置する。両アーム34の他端部は座席1を保持する台座11の後端部に軸着されている。また、台座11の前端部は可動架台31の前方に配置された支持板35aに回動自在に軸着される。支持板35aは取付バー35に固定されており、取付バー35の両端部には取付板35bを介して各一対のランナ36が回動自在に軸着される。ランナ36は左右のレール部21に挿入され、レール部21の中で転動する。したがって、シャフト32が回転するとアーム34の上記他端部に結合された台座11の後端部が上下に移動するのであって、台座11の前端部の高さ位置は一定に保たれているから、台座11は左右軸の回りで前後に揺動(ピッチ)することになる。
【0020】
後側のシャフト33の両端部にはシャフト33の軸心から偏心した一対のランナ37がシャフト33に対して回動自在に取り付けられる。両ランナ37は左右のレール部21にそれぞれ挿入されるが、中心軸が互いに異なるように設けられている。したがって、シャフト33が回転すると可動架台31は前後軸の回りで左右に揺動(ロール)することになる。
【0021】
可動架台31の下面には回転軸38が突設され、回動軸38の軸心に対して偏心した位置でリンク39の一端部が軸着される。リンク39の他端部はベース2の前端部に軸着されており、回動軸38が回転すると可動架台31は前後に移動することになる。ベース2と可動架台31との関係を模式的に示すと図1(b)のようになる。
【0022】
上述のように、シャフト32,33と回動軸38とをそれぞれ回転させることによって、前後軸の回りでの回転往復移動と左右軸の回りでの回転往復移動と前後方向の直進往復移動とが可能になり、3種類の動作を実現することができる。シャフト32,33および回動軸38を回転させるための駆動源は2個のモータ30a,30b(図5、図6参照)であって、本実施形態では、一方のモータ30aをシャフト32と回転軸38との回転用に用い、他方のモータ30bをシャフト33の回転用に用いている。したがって、前後方向の直進往復移動と前後方向(つまり左右軸の回り)の回転往復移動(ピッチ)とはモータ30aによる動作になり、左右方向(つまり前後軸の回り)の回転往復移動(ロール)はモータ30bによる動作になる。ここに、各モータ30a,30bからシャフト32,33および回転軸38への回転力の伝達はかさ歯車30c(図3参照)を用いている。このように、前後と左右との往復移動が各別のモータ30a、30bでの動作になるから、一方の動きに変化を与えることによって、台座11に複雑な動きを与えることが可能になる。
【0023】
たとえば、正常な人のバランス機能では、周期的な揺れに対しては2〜3秒程度で動きを予測するようになり、バランス機能を強化するためには周期的な揺れのみでは効果が少ないものであるが、2種類のモータ30a、30bを用いることにより揺れの動作に変化を与えることができ、人が予期していない動きや人を飽きさせない動きを与えることが可能になる。
【0024】
両モータ30a,30bは、図6のように、駆動制御部4a,4bを介して演算制御部5により制御される。演算制御部5はコンピュータ装置を用いて構成されたものであり、データ入力部6により与えられる制御情報に基づいてモータ30a,30bを制御する。データ入力部6の制御情報は馬の歩様に類似した揺動を座席1に与えることができるように設定されている。また、座席1の揺動が単調にならないように、各モータ30a,30bの回転速度や位相を変化させるように設定される。なお、モータ30a,30bの回転とは一定方向に回転させることのみを意味するのではなく正逆に交互に回転させる場合も含んでいる。
【0025】
ところで、本実施形態では2個のモータ30a,30bを用いているが、上述したように、前後方向(x方向)の直進往復移動の1往復の期間と、左右軸(y軸)の回りでの回転往復移動(ピッチ)の1往復の期間と、前後軸(x軸)の回りでの回転往復移動(ロール)の1往復の期間との比率は、ほぼ2:2:1になであるから、シャフト32,33と回転軸38とを1つのモータを駆動源として回転させ、ギアなどの動力変換装置によって上記比率が得られるように回転させるようにしてもよい。この場合、座席1の動きはやや単調になるが、1つの駆動源で馬の歩様に近い揺れを実現することができることになる。この場合、駆動源の制御要素は回転速度と回転方向だけであるから、基本的にはモータに印加する電圧のみを制御することになる。
【0026】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では駆動装置3をオープン制御していたが、本実施形態は図7(a)に示すように、使用者に取り付けたセンサ7によって、センサ7を取り付けた部位の加速度を検出するとともに、得られた加速度をデータ入力部6に設定されている目標値に近付けるようにモータ30a,30b(図5参照)をフィードバック制御するものである。センサ7は帽子やベルトの形で使用者に取り付けられる。つまり、頭部と腰部との少なくとも一方の加速度が検出される。これらの位置は使用者の揺れの程度を示すことになるから、使用者のバランス機能が低い場合には加速度が大きくなり、バランス機能が高い場合には加速度が小さくなると考えられる。したがって、検出された加速度が目標値よりも大きい場合にはモータ30a,30bの振幅や回転速度を低下させることによって、使用者がバランスをとりやすくなるようにし、逆に検出された加速度が目標値よりも小さい場合にはモータ30a,30bの振幅や回転速度を上昇させる。ここに、加速度を検出するセンサ7の出力は増幅器7aにより増幅された後にデータ入力部6に与えられ、データ入力部6では駆動装置3を制御する制御情報をセンサ7の出力(増幅器7aの出力)に基づいて補正し、補正した制御情報を演算制御部5に与えるようになっている。
【0027】
図7(a)には2個のモータ30a,30bを用いる例を示してあり、2個の駆動制御部4a,4bを設けているが、第1の実施の形態でも説明したように1個のモータのみで座席1を揺動させる構成を採用する場合には、図7(b)に示すように、駆動制御部としてモータに印加する電圧のみを制御する電圧制御部4を設ける。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0028】
(第3の実施の形態)
本実施形態は、第2の実施の形態と同様に、使用者の動きを検出するセンサ8(図8(a)参照)を用いて駆動装置3をフィードバック制御するものである。ただし、第2の実施の形態のように加速度のみを検出するのではなく、使用者の特定部位の動きによる変位を検出することができるセンサ8を用いている。このようなセンサ8を用いると、使用者の揺れ程度を直接的に検出することができ、使用者のバランス機能を容易に知ることができる。また、本実施形態ではデータ入力部6を用いずに、センサ8の出力を演算制御部5に入力しており、演算制御部5ではセンサ8の出力に基づいて変位および加速度を検出し、駆動装置3の回転速度および位相をフィードバック制御する。つまり、変位や加速度が小さいときには座席1の振幅を大きくしたり揺動速度を速くし、変位や加速度が大きいときには座席1の振幅を小さくしたり揺動速度を遅くするのである。
【0029】
センサ8は、具体的には、帽子や人の肩部に取り付けた反射球(球状の反射物)のようなマーカと、マーカを撮像してマーカの変位を検出する複数台のTVカメラからなるモーションキャプチャなどの画像監視装置とを用いることによって実現されている。他の構成および動作は第2の実施の形態と同様である。
【0030】
また、図8(a)には2個のモータ30a,30bを用いる例を示してあり、2個の駆動制御部4a,4bを設けているが、第2の実施の形態と同様に、1個のモータのみで座席1を揺動させる構成を採用する場合には、図8(b)に示すように、駆動制御部としてモータに印加する電圧のみを制御する電圧制御部4を設けるようにする。
【0031】
(第4の実施の形態)
本実施形態は、第1ないし第3の実施の形態から選択した構成に、視覚情報と聴覚情報との少なくとも一方を出力する情報提示器10(図9参照)を付加したものである。図9(a)には2個のモータ30a,30bを用いるために2個の駆動制御部4a,4bを設けた例を示し、図9(b)には1個のモータを用いるために電圧制御部4を設けた例を示している。両構成は制御対象となるモータの個数が異なるのみであって、他の構成は共通している。また、図9ではデータ入力部6のように演算制御部5に制御情報を与えるための構成は省略してある。
【0032】
情報提示器10は、視覚情報を提示するものであれば、映像を表示可能な表示器や数値を表示可能な表示器であって、聴覚情報を提示するものであれば立体音響の得られるスピーカを用いる。これらの組み合わせは自由であり適宜に採用する。しかして、情報提示器10は、基本的には情報記憶部10aに格納された情報を提示する。また、必要に応じてセンサ7,8の検出値などに基づく情報や、訓練の開始からの時間、座席1の揺動の強さなどの情報を情報提示器10に提示してもよい。情報記憶部10aに格納される情報は、自動車の進行方向の風景をTVカメラにより実写したものや、何らかのキャラクタ、効果音などである。実写映像であれば座席1の揺動速度に応じて、情報表示器10に表示される実写映像の進行速度を変化させるようにすれば仮想現実感が得られて単調さが緩和される。また、座席1の揺動の強さ(振幅と速度)に応じて情報提示器10に表示されるキャラクタの動きの激しさを変化させたり、揺動の強さに応じて成長するキャラクタを情報提示器10に表示したりしてもよい。あるいはまた、座席1の揺動の速度が大きくなると、音像を前方から後方に移動させたり周波数を変化させることによって、他のものを追い越すときのような音を発生させたり、揺動状態が変化することを示す効果音を発生させたりすることもできる。
【0033】
このように情報提示器10によって、座席1の揺動の状態などの情報を使用者に提示することによって、使用者は単調さが緩和され、また情報の提示によって運動の動機付けも可能になる。他の構成および動作は他の実施の形態と同様である。
【0034】
(第5の実施の形態)
本実施形態は、図10に示すように、図8に示した第3の実施の形態にデータべース5aを付加したものである。データベース5aは、座席1を揺動させる際の制御情報(速度、位相)と、センサ8により検出した使用者の動きによる変位および加速度と、使用者の個人データである年齢とを対応付けて格納するものである。データベース5aには使用者の個人データとして性別などの他のデータも対応付けて格納してもよく、また変位や加速度ではなく使用者の揺れの程度を示す他の情報を格納してもよい。図10(a)には2個のモータ30a,30bを用いるために2個の駆動制御部4a,4bを設けた例を示し、図10(b)には1個のモータを用いるために電圧制御部4を設けた例を示している。両構成は制御対象となるモータの個数が異なるのみであって、他の構成は共通している。
【0035】
データベース5aには、上述の情報が複数人分格納されるとともに、複数人分のデータから統計的に求めた年齢層別の揺れの程度(変位、加速度)の平均値および偏差が格納される。したがって、データベース5aによって、年齢層別に揺れの程度の標準値を得ることができ、座席1に着座している使用者の年齢を与えるとともに、センサ8での検出結果を演算制御部5に与えると、演算制御部5では使用者の年齢層の標準値に対する使用者のバランス機能のレベルを求める。つまり、使用者の年代で他の人よりもバランス機能が優れているか劣っているかの目安を与えることができ、バランス訓練の動機付けが可能になる。ここに、バランス機能のレベルは偏差値の形で示せばよい。このように演算制御部5は判定手段としても機能する。他の構成および動作は第3の実施の形態と同様である。
【0036】
本実施形態では第3の実施の形態にデータベース5aを付加した構成を例示したが、第2の実施の形態にデータベース5aを付加した構成でも本実施形態の技術を適用可能であり、また第4の実施の形態のように情報提示器10を用いる場合に、バランス機能のレベルに対応した表示を行うようにすれば、バランス訓練の一層の動機付けが可能になる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1の発明は、人が着座する座席と、座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限して駆動する駆動装置とを備え、駆動装置は、2つのモータと、一方のモータの出力を座席の前後軸回りの回転往復移動に変換するとともに、他方のモータの出力を座席の前後方向の直進往復移動および座席の左右軸の回りの回転往復移動に変換する運動変換装置とを備え、各モータは駆動制御部により出力が各別に制御されるものであり、座席を揺動させる駆動装置の動作を3種類に制限しているから、従来のような6種類の動作を可能とする場合に比較すると駆動装置の構成が簡単になるという利点がある。しかも、動作が3種類に制限されてはいるものの、動作の種類を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせとしているので、バランス訓練に用いるに際しては6種類の動作が可能な装置と同様の効果が得られる。さらに、3種類の動作を2つのモータを用いて実現することができ、しかも2つのモータを駆動制御部によって各別に制御するから、揺動パターンを複雑化することが可能になり、使用者の予期しない動きや使用者を飽きさせない動きを与えることが可能になる。
【0038】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、駆動装置が、前後軸の回りの回転往復移動が1往復する期間に前後方向の直進往復移動および左右軸の回りの回転往復移動が2往復するようにモータの出力を座席の移動に変換する運動変換装置を備えるものであり、各動作の比率を固定的に設定して制御に制約を与えているから制御が容易であり、たとえばモータを1つだけ用いるとともに動力を伝達する機構によって上記条件を満たすことが可能になるという効果がある。
【0040】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、座席に着座した人の動きによる加速度を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えるものであり、使用者の動きによる加速度をセンサで検出することによって、使用者のバランス機能の程度を知ることができ、使用者のバランス機能の程度に応じて座席の揺動の大きさを調節することが可能になるという利点がある。つまり、使用者のバランス機能が優れているときには、座席を大きく揺動させてもセンサの出力を目標値に保つことが可能になり、逆にバランス機能の劣る使用者であれば、センサの出力が目標値になるように座席の揺動を小さくするように制御することになる。
【0041】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、座席に着座した人の動きによる変位を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えるものであり、使用者の動きによる変位をセンサで検出することによって、使用者のバランス機能の程度を知ることができ、使用者のバランス機能の程度に応じて座席の揺動の大きさを調節することが可能になるという利点がある。つまり、使用者のバランス機能が優れているときには、座席を大きく揺動させてもセンサの出力を目標値に保つことが可能になり、逆にバランス機能の劣る使用者であれば、センサの出力が目標値になるように座席の揺動を小さくするように制御することになる。
【0042】
請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明において、駆動装置の制御データとセンサの出力から求めた検出データと座席に着座した人の個人データとを複数人について登録可能なデータベースを備え、使用時における各データとをデータベースに格納された各データと比較することにより使用中の人のバランスの程度を判定する判定手段を備えるものであり、複数人のデータを集めることによって統計的な処理が可能になり、バランス機能の程度について年齢などに応じた標準値を決めることが可能になり、標準値に対する使用者のバランス機能のレベルを評価することが可能になるという利点がある。
【0043】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、視覚情報と聴覚情報との少なくとも一方を出力する情報提示器を設け、駆動装置の動作に合わせて情報提示器の出力内容を変化させるものであり、情報提示器を用いて駆動装置の動作に合わせた出力内容を提示するから、単調さをある程度緩和することができ、使用者が飽きるのを抑制することができるという利点があり、また、情報提示器に目標値や使用者の能力を示すことによって使用者に動機付けを行うことも可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は外観斜視図、(b)は駆動装置の概略構成図である。
【図2】同上に用いる駆動装置の要部側面図である。
【図3】同上に用いる駆動装置の平面図である。
【図4】同上に用いる駆動装置の正面図である。
【図5】同上に用いる駆動装置の概略構成図である。
【図6】同上の要部ブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、(a)(b)はそれぞれモータ数の異なる場合のブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態を示し、(a)(b)はそれぞれモータ数の異なる場合のブロック図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態を示し、(a)(b)はそれぞれモータ数の異なる場合の要部のブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示し、(a)(b)はそれぞれモータ数の異なる場合の要部のブロック図である。
【図11】本発明の原理を説明する図である。
【図12】本発明の原理を説明する図である。
【図13】本発明の原理を説明する図である。
【図14】本発明の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1 座席
2 ベース
3 駆動装置
4 電圧制御部
4a,4b 駆動制御部
5 演算制御部
5a データベース
7,8 センサ
10 情報提示器
30a,30b モータ

Claims (6)

  1. 人が着座する座席と、座席の移動を前後方向の直進往復移動と前後軸の回りの回転往復移動と左右軸の回りの回転往復移動との組み合わせに制限して駆動する駆動装置とを備え、駆動装置は、2つのモータと、一方のモータの出力を座席の前後軸回りの回転往復移動に変換するとともに、他方のモータの出力を座席の前後方向の直進往復移動および座席の左右軸の回りの回転往復移動に変換する運動変換装置とを備え、各モータは駆動制御部により出力が各別に制御されることを特徴とするバランス訓練装置。
  2. 前記駆動装置は、前後軸の回りの回転往復移動が1往復する期間に前後方向の直進往復移動および左右軸の回りの回転往復移動が2往復するようにモータの出力を座席の移動に変換する運動変換装置を備えることを特徴とする請求項1記載のバランス訓練装置。
  3. 座席に着座した人の動きによる加速度を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバランス訓練装置。
  4. 座席に着座した人の動きによる変位を検出するセンサと、センサの出力を目標値に近付けるように駆動装置をフィードバック制御する演算制御部とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のバランス訓練装置。
  5. 駆動装置の制御データと前記センサの出力から求めた検出データと座席に着座した人の個人データとを複数人について登録可能なデータベースを備え、使用時における各データとをデータベースに格納された各データと比較することにより使用中の人のバランスの程度を判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4記載のバランス訓練装置。
  6. 視覚情報と聴覚情報との少なくとも一方を出力する情報提示器を設け、駆動装置の動作に合わせて情報提示器の出力内容を変化させることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のバランス訓練装置。
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