JP3586967B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はCCD等の画像読み取り用の複数のイメージセンサを使用してカラー画像の読み取りを行ったり、比較的長いラインの画像を複数のイメージセンサで読み取ってこれを表示またはプリントアウトのために処理する画像処理装置に係わり、特にイメージセンサが読取ラインの方向と直交する方向に所定の間隔だけずれて配置されているような場合で読取時の画像の倍率を変更できるようにした画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー画像を表示する表示装置と比較的安価なカラープリンタの普及に伴ってコンピュータにカラー画像を入力する画像処理装置が急速に普及している。また、複写の対象となる文書のカラー化も同様に大きく進行しており、複写機にもカラー画像を読み取って処理する画像処理装置が多く使用されるようになってきている。このようなカラー画像処理用の画像処理装置の多くは、高解像度の読み取りを行うために、複数のイメージセンサを使用して色ごとに分解して画像の読み取りを行っている。そして、これらの画像データを用いて原稿のそれぞれの位置の色情報を得るようになっている。
【0003】
図20は、このような画像処理装置のイメージセンサの配置を示したものである。原稿501は相対的に矢印で示す副走査方向502に移動するようになっており、この移動に伴って第1〜第3のイメージセンサ503〜505がR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色の色成分の画像情報の読み取りを行うようになっている。これら第1〜第3のイメージセンサ503〜505は、副走査方向502に所定の読取間隔Dを置いて矢印で示す主走査方向506に互いに平行に配置されている。この結果、各イメージセンサ503〜505はそれぞれ同一の時刻で原稿501の異なった位置の画像情報の読み取りを行うことになる。したがって、この例で先行する第1および第2のイメージセンサ503、504の読み取った画像情報はメモリに一度蓄えておき、一番最後に同一副走査位置の画像情報を読み取る第3のイメージセンサ505がその画像情報を出力する時点で、これら3種類の画像情報を用いてカラーの画像情報の判別を行うようになっている。
【0004】
図21は、比較的幅の広い原稿の読み取りを行う読取装置におけるイメージセンサの配置の例を示したものである。この例で原稿511は、副走査方向502に相対的に移動する。原稿511の主走査方向506の長さ(幅)が比較的長いので、第1〜第3のイメージセンサ512〜514がこれを3分割する形で配置されている。このうち第1および第3のイメージセンサ512、514は同一ライン上に配置されており、第2のイメージセンサ513はこれらと副走査方向に読取間隔Dを置いて配置されている。
【0005】
この画像処理装置では、原稿511の同一副走査位置の画像情報を第1および第3のイメージセンサ512、514がまず読み取り、続いて第2のイメージセンサ513が読み取る。したがって、同一ラインの画像情報を出力する際には、第1および第3のイメージセンサ512、514で読み取った画像情報を一時的にメモリに格納しておく必要がある。もちろん、画像処理装置によっては第2のイメージセンサ513が画像を先に読み取る構成となっているものもあり、この場合には第2のイメージセンサ513の読み取った画像情報を一時的にメモリに格納することになる。
【0006】
このように複数のイメージセンサを使用して画像情報を一時的にメモリに格納しながら処理する形式の画像処理装置は図20に示したタイプのものと図21に示したタイプのものが存在し、また図20と図21の双方を組み合わせたタイプ(主走査方向にイメージセンサを分割して使用し、かつカラーの読み取りを行うもの)も存在する。以下、本明細書では説明を簡略化するために図20に示すタイプの画像処理装置について説明し、必要に応じて他のタイプについて言及することにする。
【0007】
さて、図20に示した画像処理装置では、等倍で画像情報の読み取りを行う場合と倍率を変更して画像情報の読み取りを行う場合とで、第1および第2のイメージセンサ503、504で読み取った画像情報の信号遅延時間が異なってくる。例えば等倍時の原稿501の副走査方向502の速度をVとすると、第3のイメージセンサ505が画像情報を読み取るまでに第1のイメージセンサ503の画像情報を遅延させるのに必要な時間は2D/Vであり、第2のイメージセンサ504の画像情報を同様に遅延させる時間はD/Vである。ところが、例えば副走査方向502に画像を倍の大きさで読み取るとすると、副走査方向502の速度は等倍時の半分のV/2になる。したがって、第3のイメージセンサ505が画像情報を読み取るまでに第1のイメージセンサ503の画像情報を遅延させるのに必要な時間は4D/Vとなり、第2のイメージセンサ504の画像情報を同様に遅延させる時間も2D/Vとなって、それぞれ必要なメモリ容量は2倍に増大することになる。
【0008】
このように、従来の画像処理装置では副走査方向に画像の拡大を行うとそれに応じて画像情報を遅延させるためのメモリの容量が増大する。主走査方向についても、画像の拡大を行う場合には原稿の同一主走査範囲をより細かいピッチで読み取ることになるので、メモリの容量の増加を招くことになる。このため、画像処理装置に画像の拡大機能を備えると、メモリ容量の大幅な増加を行っておく必要があり、装置のコストアップを招くという問題があった。
【0009】
そこで特開平1−141460号公報では、主走査方向について等倍時に必要とするメモリ容量だけでどのような倍率の画像情報でも読み取ることができる画像処理装置を提案している。この提案では、原稿の主走査方向の読み取りについて、倍率が大きくなればなるほど原稿の主走査方向の一部しか読み取らなくてよいことに着目し、この方向の画像情報の量を倍率に係わらず一定にしている。記録用紙の主走査方向の長さが一定だとすると、原稿の倍率が大きくなればなるほど記録用紙の全幅に対応する原稿の主走査方向の長さが短くなるからである。この公報に記載された技術では、副走査方向について、前記したイメージセンサの間隔Dおよび2Dについて倍率を掛けた分だけデータを遅延させるようにしている。
【0010】
また、特開平4−257556号公報では、ある程度余裕をもった容量のメモリを用意しておき、このメモリに蓄えられないような倍率の場合には画像情報を間引き回路に入力してライン単位で間引くようにしている。間引いた画像情報については、ライン同士で補間することで必要なライン数が得られるようにして、イメージセンサ間のギャップあるいは間隔の補正を行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この2つの提案のうち前者の縦横独立して倍率を変更する画像処理装置では、主走査方向の倍率より副走査方向の倍率の方が大きい場合に、メモリ容量が不足するという欠点があった。
【0012】
また、後者の技術では所定の条件下で画像情報をライン単位で間引くことにしている。したがって、例えば斜めに描かれた線分を読み取った場合には、これがライン単位で間引かれることによって不連続な階段状の線として記憶されることになる。このような画像情報はたとえ補間処理を行うとしても、元々階段状に変化した画像情報との間で区別できないので、結果として良好な画像の再現が困難になるという問題があった。更に、この後者の技術では常にある程度良好な画質を確保しようとすると、隣接する2本の読取ラインだけでなく追加的に他のラインの画像情報も参照する必要がでてくる。このようなラインに対応して前記したイメージセンサ間のギャップ補正のためのメモリが必要であり、しかも倍率の拡大に備えてこれらのメモリの容量をある程度大きくする必要があるので、参照ラインの数が増えるほど画像データを一時的に格納するためのメモリの容量を大きくする必要があり、画像読取装置のコストダウンを図る上で大きなデメリットになるという問題があった。
【0013】
また、倍率によっては読み取られたラインが複数ライン連続した後に1ライン分の画像情報が間引かれる。このように間引きが副走査方向に間欠的に行われると、間引きの行われていない複数ラインの間の画質と間引きを補間して得られたラインの画質が異なってくる。しかも、このような画質の揺れが周期的に発生するので、全体的な画質が劣化してしまうというといった問題もあった。
【0014】
そこで本発明の目的は、等倍時に必要とされるメモリ量のように一定のメモリ量だけで副走査方向の倍率が増大したような場合にも、複数のイメージセンサ間のギャップを補正することができる画像処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、(イ)副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサと、(ロ)これらのイメージセンサによって読み取りが行われる主走査方向の倍率と原稿のサイズとの関係で原稿の主走査方向の読み取りの行われる領域の長さを設定する主走査方向領域設定手段と、(ハ)主走査方向の倍率と副走査方向の倍率および原稿のサイズから主走査方向に対して画像の間引きを行うか否かを判定する主走査方向間引き有無判定手段と、(ニ)この主走査方向間引き有無判定手段が主走査方向の間引きを行う場合の間引き率を算出する主走査方向間引き率算出手段と、(ホ)主走査方向間引き有無判定手段が主走査方向の間引きを行うと判定した場合に読み取られた主走査方向の画像データを主走査方向間引き率算出手段によって算出した間引き率で画素単位で間引く主走査方向間引き手段と、(ヘ)副走査方向の倍率に応じて各ラインの画像データを必要に応じて間引きながらイメージセンサ同士の間隔に相当する量だけ格納する遅延メモリと、(ト)副走査方向の倍率および主走査方向間引き率算出手段によって求められた主走査方向の間引き率に応じて遅延メモリから1ライン単位で画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、(チ)この画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを用いて副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生する副走査方向画像データ再生手段と、(リ)この副走査方向画像データ再生手段によって再生された画像データを主走査方向の間引き率に応じてそれぞれ主走査方向に画素単位で補間する主走査方向画像データ補間手段とを画像処理装置に具備させる。
【0016】
すなわち請求項1記載の発明では、副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサを備えた画像処理装置において、遅延メモリでそれぞれのイメージセンサ間の読み取りのタイミングの相違に起因する時間差を調整する一方、主走査方向領域設定手段によって主走査方向の倍率が拡大のときには原稿を主走査方向にどの長さにわたって読み取るかを設定して、主走査方向に読み取られる画像データの量が増加しないようにしている。また、主走査方向間引き有無判定手段を設けて、所定の場合には主走査方向について画素単位で画像データの間引きを行うことにして、各ラインの画像データの減少を図っている。更に前記した遅延メモリは、副走査方向におけるライン単位での間引きの際に画像データの読み込みを行わないようにして、副走査方向の間引きの処理の効率化が図られている。この遅延メモリからライン単位で画像データを読み出す際には、副走査方向画像データ再生手段によって副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生することにしている。すなわち、間引かれたラインだけを単純に再現するのではなく、遅延メモリに格納された各ラインの画像データでそれぞれの副走査位置の画像データを補間しながら再現することにして、副走査方向に対して品位の高い画像データの再現を可能にしている。また、主走査方向画像データ補間手段は主走査方向に画像データが間引かれた際に、同様に間引かれた画素のみを追加的に再現するのではなく、各主走査位置に対応させて画素ごとに補間処理を行って1ラインごとの画像データの復元を行うようにしている。
【0017】
このように請求項1記載の発明では、副走査方向の倍率が増大したような場合にも副走査方向および所定の条件で主走査方向に対しても間引き処理を行うことで、等倍時に必要とされるメモリ容量あるいはこれ以外の所定のメモリ容量の遅延メモリに画像データを一時的に格納するだけでイメージセンサ間のギャップを補正することが可能になる。
【0018】
請求項2記載の発明では、(イ)副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサと、(ロ)これらのイメージセンサによって読み取りが行われる主走査方向の倍率と原稿のサイズとの関係で原稿の主走査方向の読み取りの行われる領域の長さを設定する主走査方向領域設定手段と、(ハ)副走査方向の倍率が所定倍率以上のときで画像情報の読み取られる領域の重複する程度に従ってこの重複部分の画像情報をライン単位で間引く副走査方向間引き手段と、(ニ)副走査方向の倍率が前記所定倍率以上のときに副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合と主走査方向のデータ量の増加の割合とを比較するデータ量比較手段と、(ホ)このデータ量比較手段によって副走査方向の倍率が前記した所定倍率未満のときあるいは副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合の方が主走査方向のデータ量の増加の割合よりも大きくないとき主走査方向の間引きが行われないように設定し、これら以外の場合には副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合から主走査方向のデータ量の増加の割合で除した値に設定する主走査方向間引き率設定手段と、(ヘ)この主走査方向間引き率設定手段によって設定した間引き率で主走査方向の画像情報をラインごとに画素単位で間引く主走査方向間引き手段と、(ト)副走査方向間引き手段によって間引かれた後の画像データをイメージセンサ同士の間隔に相当する量だけ格納する遅延メモリと、(チ)副走査方向の倍率および主走査方向の間引き率に応じて遅延メモリから1ライン単位で画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、(リ)この画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを用いて副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生する副走査方向画像データ再生手段と、(ヌ)この副走査方向画像データ再生手段によって再生された画像データを主走査方向の間引き率に応じてそれぞれ主走査方向に画素単位で補間する主走査方向画像データ補間手段とを画像処理装置に具備させる。
【0019】
すなわち請求項2記載の発明では、副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサを備えた画像処理装置において、遅延メモリでそれぞれのイメージセンサ間の読み取りのタイミングの相違に起因する時間差を調整する一方、主走査方向領域設定手段によって主走査方向の倍率が拡大のときには原稿を主走査方向にどの長さにわたって読み取るかを設定して、主走査方向に読み取られる画像データの量が増加しないようにしている。また、副走査方向間引き手段を設けて、副走査方向の倍率が所定倍率以上のときは画像情報の読み取られる領域の重複する程度に従ってこの重複部分の画像情報をライン単位で間引くことにしているので、画像情報を基本的に欠落させることなく、副走査方向の画像情報を減少させることができる。また、主走査方向については所定の場合に間引きを行うことにしている。このために主走査方向間引き率設定手段が設けられている。主走査方向間引き率設定手段は、データ量比較手段によって副走査方向の倍率が前記した所定倍率未満のときには間引きを行わない。また、これ以外の場合でも、副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合の方が主走査方向のデータ量の増加の割合よりも大きくないとき主走査方向の間引きが行われないように設定する。そして、これら以外の場合には副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合から主走査方向のデータ量の増加の割合で除した値に主走査方向間引き率を設定する。これにより、主走査方向と副走査方向の間引き率のバランスがとれて視覚的に良好な画像の再現が可能になる。主走査方向の間引きを行うときには主走査方向間引き手段がこれを行う。ギャップ補正を行うための遅延メモリは、副走査方向の間引き処理が行われた画像データを格納するが、遅延メモリ自体がこの間引き処理を行ってもよいし、行わなくてもよい。遅延メモリから読み出された画像データは請求項1記載の発明と同様に主走査方向あるいは副走査方向に補間される。
【0020】
このように請求項2記載の発明では、副走査方向の倍率が増大したような場合には画像の読み取りの重複する範囲でライン単位の画素の間引きを行い、補間処理でこれを再現することにしたので、画像の拡大時においても画像情報の欠落や劣化を最小限に止めて、等倍時に必要とされるメモリ容量あるいはこれ以外の所定のメモリ容量の遅延メモリに画像データを一時的に格納するだけでイメージセンサ間のギャップを補正することが可能になる。
【0021】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の画像処理装置において複数のイメージセンサは、カラー画像を色の成分に分けて読み取る3本のセンサであることを特徴としている。
【0022】
すなわち、カラーの読み取りを行う際に読み取る各色に応じてイメージセンサを配置すると、これらのイメージセンサ間で読み取りの際の位置のギャップを発生させるが、これに基づく画像データ遅延用のメモリの容量を最小限にすることができ、画像の拡大率の範囲を特に制限することなく、高品位な画像の表示またはプリントアウトを可能にしている。また、各色を1本のイメージセンサで読み取らず、色別にイメージセンサを使用することができるので、高画質の画像を得ることが可能になる。
【0023】
請求項4記載の発明では、請求項1または請求項2記載の画像処理装置において複数のイメージセンサは、主走査方向の読み取りを分割して行う複数のセンサであることを特徴としている。
【0024】
すなわち、カラーまたは単色画像の読み取りを行う際に、原稿の主走査方向の長さが長いとイメージセンサをこの主走査方向に複数つなぎ合わせるように配置して、これらのイメージセンサ間で副走査方向にギャップを発生させる場合があるが、これに基づく画像データ遅延用のメモリの容量を最小限にすることができ、画像の拡大率の範囲を特に制限することなく、高品位な画像の表示またはプリントアウトを可能にしている。また、主走査方向に比較的短い長さのイメージセンサを使用することができることで、イメージセンサのコストダウンと歩留りの向上を図ることも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
【実施例】
以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0027】
図1は本実施例の画像処理装置の全体的な構成を表わしたものである。この画像処理装置101は、画像読取部102を有している。画像読取部102は、図示しない原稿を読み取り、色分解された3色(R、G、B色)の画像データを出力するようになっている。
【0028】
図2は、本実施例の画像読取部におけるイメージセンサの配置状態を表わしたものである。レッド(赤)色の読み取りを行うRセンサ103と、グリーン(緑)色の読み取りを行うGセンサ104およびブルー(青)色の読み取りを行うBセンサ105はそれぞれ原稿の読取ラインの方向としての主走査方向106に配置されており、それぞれの副走査方向107の間隔Dは等倍時で9ライン分となっている。すなわち、副走査方向107に等倍で画像の読み取りが行われる場合で、かつ原稿の同一副走査方向の位置をRセンサ103、Gセンサ104およびBセンサ105の順で読み取っていくものとすると、Bセンサ105の画像データが出力される時点でGセンサ104からは9ライン先の画像データが出力され、Rセンサ103からは更に9ライン先の画像データが出力される。
【0029】
図1に戻って説明を続ける。画像読取部102から出力されるこれら3種類の画像データ108はA/D変換器109に入力される。A/D変換器109はこれらのアナログレベルの画像データ108を例えば256階調のディジタル信号に変換する。変換後の3種類の画像データ111は、ギャップ補正回路112に入力される。ギャップ補正回路112では、後に詳細に説明するようにこれらR、G、B3色の画像データにおけるイメージセンサ103〜105間のギャップを補正する。ギャップの補正された画像データ113はシェーディング補正回路114に入力され、R、G、B3色の画像データのそれぞれについてイメージセンサ103〜105の出力レベルの補正が行われる。シェーディングの補正が行われた画像データ115は入力階調補正回路116に入力され、色変換の処理を行う前に階調に対する補正が行われる。入力階調補正回路116から出力される画像データ117は色変換回路118に入力され、これら3色の画像データ117を基にして各画素位置でY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色に変換する色変換処理が行われる。
【0030】
色変換によって得られた3色の画像データ119は、墨生成UCR(下色除去)回路121に入力される。墨生成UCR回路121では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色の記録色に墨(黒)色の色成分を加えた4色の画像データを発生させる。これは、印刷する記録色との関係で暗部や黒色の再現を良好にするためにY、M、Cの3色の色成分の一部を適宜黒色の成分に置き換えるための処理である。黒色の成分に置き換えた量に応じて、対応するY、M、Cの3色の色成分のレベルを補正するのが下色除去を行う回路部分である。4色の画像データ122は、拡大縮小回路123に入力され、画像の拡大あるいは縮小が指定されたときの画像データのこれに伴う電気的な処理を行う。
【0031】
処理後の画像データ124はMTF補正回路125に入力される。MTF(Modulation Transfer Function)補正回路125では、文字と写真の部分のそれぞれで表現特性を良好にするための補正を行うようになっている。MTF補正回路125から出力された画像データ126は出力階調補正回路127によって階調の補正が行われる。このようにして得られた4種類の画像データ128はパルス幅変調回路129に入力されて、各色のドットサイズに対応したパルス幅が設定される。パルス幅変調回路129の出力131は、例えばレーザプリンタの機構部から構成される記録部132に供給され、Y、M、Cおよび墨色からなる4色の記録色を用いて図示しない用紙にカラー画像が記録されることになる。
【0032】
ギャップ補正回路の概要について
【0033】
図3は、本実施例の画像処理装置のギャップ補正回路を原理的に表わしたものである。このギャップ補正回路の概要をまず説明する。図1に示したA/D変換器109から出力される3種類の画像データ111のうちのレッドの画像データ111Rは第1の間引き回路141Rに入力され、この画像データについて主走査方向の倍率に応じた間引きが行われる。同様にグリーンの画像データ111Gは第2の間引き回路141Gに入力され、この画像データについて主走査方向の倍率に応じた間引きが行われる。ブルーの画像データ111Bはこのまま処理されることなく、後段の回路に送出される。
【0034】
第1および第2の間引き回路141R、141Gから出力される画像データ142R、142Gは、副走査方向の間隔2DまたはDを走査する時間だけ第1または第2の遅延メモリ143R、143Gで遅延される。そして、第1の遅延メモリ143Rから出力される画像データ145Rは第1の副走査補間回路146Rによって副走査方向の補間処理が行われ、更に必要な場合にはこれから出力される画像データ147Rが第1の主走査方向拡大回路148Rによって主走査方向に拡大されて、画像データ149Rとして後段の回路に供給されるようになっている。第2の遅延メモリ143Gから出力される画像データ145Gについても、第2の副走査補間回路146Gによって副走査方向の補間処理が行われ、更に必要な場合にはこれから出力される画像データ147Gが第2の主走査方向拡大回路148Gによって主走査方向に拡大されて、画像データ149Gとして後段の回路に供給されるようになっている。
【0035】
図3に示したこのギャップ補正回路112には、この他に領域設定回路151と間引き率算出回路152およびメモリ制御回路153が設けられている。このうち、領域設定回路151は主走査方向の倍率に応じて主走査方向における読み取られる原稿の領域を設定する回路である。この領域設定回路151には、ライン同期信号154と、主走査方向の倍率を示す主走査方向倍率情報155および原稿のサイズ情報156が入力されるようになっている。そして、ライン同期信号154に同期して原稿の主走査方向の読取領域を設定し、それ以外の領域に対しては画像データをマスクするための画像マスク信号157を出力するようになっている。また、領域設定回路151は主走査方向の画素数を示す主走査画素数情報159も出力する。
【0036】
これら画像マスク信号157と主走査画素数情報159と、間引き率算出回路152から出力される間引き率161および間引き率の逆数162は、メモリ制御回路153に入力される。メモリ制御回路153にはこの他に、副走査方向の倍率を示す副走査方向倍率情報163とページ同期信号164も入力される。メモリ制御回路153はこれらの信号あるいは情報を基にしてレッドおよびグリーンの読取色について副走査方向の補間処理を行う際にそれぞれ使用する補間係数166R、166Gを出力し、このうち前者の係数166Rを第1の副走査補間回路146Rに、また後者の係数166Gを第2の副走査補間回路146Gにそれぞれ供給する。メモリ制御回路153は、この他、第1および第2の遅延メモリ143R、143Gに対する画像データ142R、142Gの読み書きを制御するためのリード・ライト制御信号168R、168Gを出力する。
【0037】
なお、間引き率算出回路152から出力される間引き率161は、メモリ制御回路153に供給される他、第1および第2の主走査方向拡大回路148R、148Gに供給され、主走査方向の画像データの拡大処理に使用される。また、間引き率算出回路152から出力される間引き率の逆数162は、メモリ制御回路153に供給されると共に、第1および第2の間引き回路141R、141Gに供給される。
【0038】
次に以上のような構成のギャップ補正回路112の各部を詳細に説明する。
【0039】
マスク処理について
【0040】
図4は、領域設定回路によるマスク処理を説明するためのものである。図3で示した領域設定回路151には、図4(a)で示すようなライン同期信号154が入力される。ライン同期信号154は、図2で示した各イメージセンサ103〜105が1ラインずつ画像データの読み取りを行うタイミングで立ち上がる信号である。同図(b)に示す画像マスク信号157は、この立ち上がりに同期して立ち上がり、この立ち上がっている状態で画像データを通過させる。画像マスク信号157の立ち下がる時点は、拡大する画像の主走査方向における終了時点であり、ライン同期信号154が1ライン分の画像データの読み取りを終了させる時点とは異なっている。一般に拡大コピーをとるような場合には、原稿の全幅を読み取っても、記録する用紙側にこれに対応した幅のプリント領域が存在しなければプリント領域の存在しない部分は無駄な読み取りとなる。すなわち、各イメージセンサ103〜105は、出力する用紙に対応した領域だけ主走査方向に読み取りを行えば足りる。
【0041】
例えばA3判のサイズの原稿を主走査方向に200パーセント(%)に拡大してA3判の用紙に出力するものとする。この場合には、原稿の左隅から読み取りを開始するものとすると、この原稿のちょうど右半分はプリントされないことになる。そこで、この場合には原稿の左半分の領域のみ読み取れば良い。この場合、図4に示すようにH(ハイ)レベルで画像データを通過させる画像マスク信号157の幅Tは、ライン同期信号154の画像読み取り幅Tのちょうど半分となる。したがって、図3に示した領域設定回路151は、ライン同期信号154と、主走査方向倍率情報155および原稿のサイズ情報156を入力して、画像として有効でない領域がL(ロー)レベルとなるような画像マスク信号157を出力する。
【0042】
間引き率の算出について
【0043】
次に図3に示した間引き率算出回路152について説明する。間引き率算出回路152は、主走査方向倍率情報155と原稿のサイズ情報156および副走査方向倍率情報163から主走査方向の間引き率を算出する。領域設定回路151の箇所で説明したように、主走査方向について考えると、どのような倍率であっても所定サイズのメモリ(通常は100%のサイズの画像に対して用意されたメモリ)で画像の読み取りと記録のための処理が可能になる。拡大率が大きいほど有効に読み取る主走査方向の幅が狭くなるからである。
【0044】
しかしながら、現実の画像処理装置では、このように一定サイズのメモリを用意するだけでは画像の格納に対応できなくなる場合がある。例えば次のような場合である。
▲1▼原稿の最大読み取りサイズよりも大きなサイズの用紙を扱うことのできる画像処理装置で、このようなより大きなサイズの用紙を使用して拡大コピーをとるような場合。
▲2▼縦横両方向に独立して倍率を変更することのできる画像処理装置で、主走査方向よりも副走査方向の倍率を大きく設定するような場合。
【0045】
後者の場合の説明を補足する。画像を拡大したコピーをとるような場合、拡大率を縦方向と横方向(副走査方向と主走査方向)で異なって設定すると、これを原因として両方向の解像度が極端に異なってしまう場合がある。このように両方向の解像度が極端に異なると、人間の目ではこれを不自然な画像として把握する傾向がある。例えば斜め線を読み取ってこれを記録するような場合に、一方向のみに偏った拡大を行うと、斜線を構成する縦方向と横方向の階段状の折れ線の幅が異なってくる。そして、その差あるいは比がある程度大きくなると、画像の表現に不自然さが生じる。このような不自然さを与えないために、副走査方向の倍率が主走査方向の倍率よりもある程度大きくなるような場合には、主走査方向についても画情報を補足する必要があり、これに伴って画像情報を蓄積するメモリの容量が足りなくなる場合があるからである。
【0046】
本実施例の画像処理装置では、このような事情でメモリの容量が足りなくなる事態を解消するために、所定の条件下で主走査方向の画像データを間引くことにして有限のメモリ容量でギャップ補正が行えるようにしている。また、このように主走査方向の画像データを間引くことで副走査方向に間引かれる画像データとのバランスをとっている。
【0047】
副走査方向の倍率について
【0048】
図5は、副走査方向の倍率が100%の場合の読み取られる画素の位置の関係を表わしたものである。図で矢印106が主走査方向を示しており、矢印107が副走査方向を示している。イメージセンサの特定の画素に着目してみると、あるラインでは実線で示すような位置の画素173となり、次のラインでは破線で示すような位置の画素173となる。ただし、この図ではそれぞれの画素173、173を区別して表示できるように主走査方向106に多少ずらして図示している。
【0049】
この図5に示すように副走査方向の倍率が100%の場合には、あるラインの画素173と、その次のラインの画素173とは副走査方向107に重複することなく隣接して配置される。
【0050】
図6は、副走査方向の倍率が200%に増加した場合の読み取られる画素の位置の関係を表わしたものである。図5と同一部分には同一の符号を付している。この図ではあるラインで実線で示すような位置の画素173となり、次のラインでは破線で示すような位置の画素173となり、更に次のラインでは一点鎖線で示すような位置の画素173となる。ただし、この図6でも各画素173〜173の位置を、主走査方向106にそれぞれ多少ずらして表示している。
【0051】
図6を図5と比較すると分かるように、倍率が200%と2倍に増加すると、副走査方向107の画素173の移動量は半分になる。この結果、図6では2ライン分だけ移動後の画素173が図5の画素173と同一位置の画像データとなる。一般に副走査方向107の倍率が200%以上になると、読み取ったラインの画像データはその直前のラインの画像データと50%以上重なった領域を読み取っている。したがって、図6であるラインの画素173と2ライン後の画素173の画像データを読み込めば、その中間のラインの画素173の画像データはこれらの2ライン分の画像データとしてすでに読み取られていることになる。このことから、副走査方向107の倍率が200%以上となったときには、その倍率に応じてラインを副走査方向に適宜間引き、前後のラインのデータの補間によってそれらのラインを再生成しても、画質があまり劣化しないという結論を導き出すことができる。
【0052】
そこで本実施例の画像処理装置では、副走査方向107の読み取りについて次のような原則を採用する。
(a)副走査方向107の倍率が200%未満では、画像データを副走査方向107に対して間引かない。
(b)副走査方向107の倍率が200%以上300%未満では2ライン中、1ラインを間引く。300%以上で400%未満の場合には3ライン中の2ラインを間引く。以下同様である。
【0053】
間引き率算出回路の動作について
【0054】
図3に示した間引き率算出回路152は、以上の原則に従って行われる副走査方向107の間引きとの関係で主走査方向106の間引き率の算出を行う。この算出に際しては、まず副走査方向107に間引きが行われるとの前提にたって、▲1▼主走査方向106の読み取るべき画像データが100%の場合に比べて何分の1になったかと、▲2▼副走査方向107の画像データの量が100%に比べて何倍になったかを算出する。そして、▲2▼で求めた▲3▼副走査方向107の画像データ量の増大の方が▲1▼で求めた主走査方向106の画像データの減少の割合よりも大きい場合に、主走査方向の間引きを実行する。このとき、先に説明した副走査方向107の倍率に対応した間引き処理が行われる。
【0055】
図7は、主走査方向についての間引き率の算出のための流れを表わしたものである。まず、副走査方向107の倍率が200%以上であるかどうかの判断が行われる(ステップS101)。200%未満であれば(N)、副走査方向107の間引きが行われないので、主走査方向106の間引き率Rは100%のままとなって(ステップS102)、間引きが行われることなく処理が終了する(エンド)。
【0056】
副走査方向107の倍率が200%以上であれば、この方向に間引きが行われる。そこで副走査方向107の倍率に応じて副走査方向のデータ量の減少の割合sが算出される(ステップS103)。この算出には、前記した(b)の原則が適用される。例えば画像処理装置の最大原稿読取サイズがA3判で、収容できる最大用紙サイズもA3判であるとする。読み取る原稿がA3判で、主走査方向106の倍率が120%、副走査方向107の倍率が250%とする。この場合の副走査方向のデータ量の減少の割合sは、副走査方向107の倍率が200%以上300%未満なので、0.5となる。副走査方向のデータ量の減少の割合sは、副走査方向107の倍率に対応するテーブルを作成しておくことで容易に求めることができる。例えば200%以上300%未満についてはデータ量の減少の割合sを0.5に設定し、300%以上400%未満では0.33に、それ以上は同様に設定したテーブルがそれである。
【0057】
データ量の減少の割合sが求められたら、これによる副走査方向107のデータ量の割合SSを算出する(ステップS104)。この例では、副走査方向107の倍率の分だけ画像データの量が増加して、データ量の減少の割合sだけ減少するので、データ量の割合SSは次の式(1)で演算されることになる。
【0058】
Figure 0003586967
【0059】
次に、主走査方向106の画像データの減少割合FSの演算を行う(ステップS105)。前記した例では、画像データの減少割合FSは次の式(2)で演算される。
【0060】
Figure 0003586967
【0061】
このようにして副走査方向107のデータ量の増加の割合SSと主走査方向106の画像データの減少の割合FSが求まったら、前者が後者よりも大きい値であるかどうかの判断が行われる(ステップS106)。割合SSの方が小さいか両者が等しい値であった場合には(N)、主走査方向106について間引きが行われない(ステップS102)。これに対して割合SSの方が大きい場合には(Y)、主走査方向106の間引きが行われることになる。前記した例では間引き率Rが次の(3)式により演算される(ステップS107)。
【0062】
Figure 0003586967
【0063】
以上のようにして主走査方向106についての画像データの間引き率Rが算出されたら、間引き率の逆数162(図3参照)が求められ、この値が図3に示した第1および第2の間引き回路141R、141Gに入力される。これらの間引き回路141R、141Gでは、図3に示す領域設定回路151によって生成された画像マスク信号157がイネーブルになっている間、その指定された間引き率Rで画像データを主走査方向106に間引くことになる。
【0064】
図8は、画像データを主走査方向に間引く様子を説明するためのものである。このうち同図(a)は図3の各間引き回路141R、141Gに入力される画像データ111R、111G(この図では総括して画像データD、D、D、……と表示する。)を示している。ここでは便宜上、画像データが主走査方向106に80%となるように間引かれる(間引き率80%)ものとして説明を行う。図(a)で1番上の“0”から“6”までの数字は順に画素単位で入力される画像データD、D、D、……の画素番号を示している。同図(a)の各目盛は、これら画像データD、D、D、……の入力されるタイミングを表わしている。同図の右方向に時間が経過している。このように図2に示した各イメージセンサ103〜105から出力されるアナログレベルの画像データ108がA/D変換された後の画像データ111における各画素の位置と画素番号は対応することになる。
【0065】
同図(b)は主走査方向に間引かれて出力される画像データの様子を表わしている。間引き率Rが80%のときは、その逆数1/Rは、1.25となる。図(b)の一番上は画素番号を表わしており、真中の目盛は、各画素の位置を表わしている。同図(b)の一番下は間引き後に出力されるデータである。主走査方向106に80%となるような間引きが行われる結果として、間引き率Rの逆数の1.25に対応する各位置で画像データが出力されることになる。このとき、同図(a)と対比して画素位置が正確に一致する画素番号が“0”と“4”の出力側の画像データD、Dについては、同図(a)の画像データD、Dをそのまま使用することができる。
【0066】
これに対して、この図で示した出力側の残りの画素番号“1”、“2”、“3”および“5”の画素については、これらの画素位置で画像の読み取りが行われていない。そこで、同図(a)における実際に読み取られた画像データD、D、D、……のうちのこれらの前後に位置するものを使用し、補間処理を行ってこれらの画像データを作成する。
【0067】
まず、出力される画素番号“1”の画像データについては、その位置が同図(a)の画素番号“1”と画素番号“2”の間に存在する。このため、これらの位置の画像データD、Dを使用して、これらの位置までの距離に重み付けを行って出力画像データとする。間引き後の画素番号“1”の画像データの画素位置は“1.25”なので、その出力画像データの値は次の(4)式により求められる。
【0068】
画素番号“1”の出力画像データ:
(1−0.25)D+0.25D ……(4)
【0069】
同様に画素番号“2”の出力画像データは、その画素位置が“2.5”であり、同図(a)の画素番号“1”と画素“2”のちょうど中間に存在する。したがって、これは(1−0.5)D+0.5Dとなる。以下同様にして間引き後の各出力画像データを得ることができる。これらの出力画像データの値については、同図(b)のそれぞれの画素位置に示しておいた。
【0070】
図3における各間引き回路141R、141Gで間引かれ、かつ記録濃度について補間処理の行われた画像データ142Rおよび142Gは対応する第1または第2の遅延メモリ143R、143Gに供給され、遅延処理が行われる。
【0071】
図9は、間引き率Rが80%の場合の間引き回路の入力画像データと出力画像データの関係を表わしたものである。同図(a)は図2に示した各イメージセンサ103〜105の画素出力に同期した画素クロック181である。同図(b)は、図3に示した画像データ111R、111G、111Bであり、図9(c)は間引き回路141R、141Gから出力される画像データ142R、142Gのタイミングを示している。画像データ142R、142Gは間引き率Rに応じて歯抜けとなる。したがって、図3に示した第1または第2の遅延メモリ143R、143Gでは、歯抜けが生じたタイミングで画像データ142R、142Gが書き込まれないようにタイミングの制御が行われる。この機能を果たすのがメモリ制御回路153である。
【0072】
メモリ制御回路について
【0073】
メモリ制御回路153は、各間引き回路141R、141Gの出力する画像データ142R、142Gを、対応する第1または第2の遅延メモリ143R、143Gに書き込むタイミングと読み出すタイミングについての制御を行う。書き込みについては、前記したように歯抜けの生じた箇所では行わない。また各間引き回路141R、141Gから各走査ラインごとの画像データ142R、142Gが出力されるが、これらは副走査方向107に間引きが行われるラインのものについて対応する第1または第2の遅延メモリ143R、143Gに対する書き込みが禁止される。すなわち、これにより副走査方向107におけるライン単位の間引きが行われる。
【0074】
更に、主走査方向に拡大を行う場合にはイメージセンサ103、104それぞれについて1ライン分の画像データ142R、142Gの全長について書き込みが行われるのではなく、画像マスク信号157(図4)がHレベルとなっている区間のみで書き込みが行われる。そこで、後の2つについてのメモリ制御回路153の制御について次に説明を行う。
【0075】
図10は、副走査方向の倍率が250%のときの遅延メモリへの書込制御の様子を表わしたものである。同図(a)は画像マスク信号157(図3参照)を示している。画像マスク信号157がイネーブルになると、これによって画像データ111R、111Gの取り込みを制限する間引き回路141R、141Gから図10(b)に示すように主走査方向に間引かれた画像データ142R、142Gが出力される。画像マスク信号157がそれぞれイネーブルとなった区間が記録時における1ライン分の区間Lである。
【0076】
副走査方向の倍率が200%以上で300%未満のときには、すでに説明したように2ラインに1ラインの割合でラインの間引きが行われる。したがって、図3に示す第1および第2の遅延メモリ143R、143Gに対する画像データ142R、142Gの書き込みは、図10(c)に示すように2ラインに1ラインの割合で禁止される。メモリ制御回路153によるこのような書込制御は、第1および第2の遅延メモリ143R、143Gに対する書込時のアドレスのカウントアップを、書き込みの禁止される状態で停止するようにすればよい。
【0077】
図11は、一例として副走査方向の倍率が250%のときの第2の遅延メモリに対する画像データの書き込み時のアドレス制御の様子を表わしたものである。第2の遅延メモリ副走査方向の倍率が250%のときには、第2の遅延メモリ143Gに2ラインに1ラインの割合で画像データが書き込まれていく。図2に示したように本実施例ではRセンサ103、Gセンサ104およびBセンサ105の副走査方向107の間隔Dが等倍時で9ライン分となっている。そこで副走査方向107に250%の拡大を行う場合には、Rセンサ103に対応する第1の遅延メモリ143Rについて2.5×9×2ライン分の遅延、すなわち22.5×2ライン分の遅延が必要になる。また、Gセンサ104に対応する第2の遅延メモリ143Gについては、間隔Dが“9”なので22.5ライン分の遅延が必要になる。
【0078】
そこで、現在のラインを含めて24ライン前までの画像データが1ライン置きに第2の遅延メモリ143Gに格納される。この際の書き込みアドレスは、間引かれる1ラインごとに書込時のアドレス(ADD)のカウントアップを停止させるようにしながら実線191で示す方向で順にカウントアップし、13ライン分の画像データを書き込んだら、破線192で示すように再び先頭のアドレスに戻して、同様の制御を繰り返せばよい。
【0079】
次に、このようにして第1および第2の遅延メモリ143R、143Gに書き込まれた画像データを遅延させて読み出すためのメモリ制御回路153の制御の様子を説明する。ここでは、後者の第2の遅延メモリ143Gを例にとって説明する。第2の遅延メモリ143Gについては、遅延量が22.5ラインであり、半端な値である。そこで、この遅延されたラインの画像データを既存のラインの画像データの補間処理によって生成する。ここで副走査方向107に補間処理を行わないライン同士の場合には、22ライン前と23ライン前の画像データ145Gを用いて、主走査方向106の補間処理と同様の原理で副走査方向107についての22.5ライン前の画像データ145Gを生成し、これをラインごとに繰り返せばよい。
【0080】
ところが、副走査方向107の倍率が250%のときには、倍率が200%以上300%未満なので、2ラインに1ラインの間引きが行われている。したがって、22.5ライン目の画像データ145Gは、第2の遅延メモリ143Gから22ライン目および24ライン目の画像データ145Gを読み出して第2の副走査補間回路146Gに入力することで作成する。ここで、奇数番目のラインが存在しないのは、図10で説明したように第2の遅延メモリ143Gへの書き込みの段階ですでに間引かれてしまっているため、このような画像データはメモリ制御回路153から読み出すことができないからである。
【0081】
そこで、第2の副走査補間回路146Gでは、22ライン前の画像データと24ライン前の画像データを用いて、両者の補間演算により22.5ライン前のデータを生成する。その次のラインの画像データについては、もともと間引いてしまっているため、存在しない。そこで、前のラインを20ライン分遅らせたデータと22ライン分遅らせたデータの双方を使用して前のラインを21.5ライン遅らせた画像データを生成し、これをそのラインを22.5ライン遅らせた画像データ147Gとして得るようにしている。すなわち、1ラインごとに22.5ライン前と21.5ライン前の画像データ147Gを繰り返し生成すればよい。このようにして、補間演算した値を使用することなく、それぞれの遅延量の画像データを補間処理によって生成し、副走査方向107に間引かれたラインを復元する。
【0082】
このようにして副走査方向107についての間引かれたラインの復元処理が行われたら、今度は第1および第2の主走査方向拡大回路148R、148Gで主走査方向の画像データの拡大処理が行われる。すなわち、第1および第2の主走査方向拡大回路148R、148Gで間引き率の逆数を拡大率とする拡大処理を行う。ブルーの画像データ111Bについては主走査方向106の間引き処理が行われていないので、主走査方向拡大回路が設けられていない。
【0083】
図12は、遅延メモリから読み出した画像データを元のデータに復元する様子を示したものである。同図(a)はライン同期信号154を示している。このライン同期信号154の立ち上がりに同期して例えば第2の遅延メモリ143Gから補間を行うための2種類の画像データ145G(同図(b))、145G(同図(c))が読み出される。この例の場合、第2の副走査補間回路146Gはこれら2種類の画像データ145G、145Gを基にして、間引かれていたラインの画像データ147Gを作成する(同図(d))。この画像データ147Gは、第2の主走査方向拡大回路148Gに入力されて、主走査方向の補間処理が行われて元のデータ量となり、画像データ149G(同図(e))として後段の回路に供給され記録に使用されることになる。
【0084】
次に、この実施例における画像処理装置の具体的な回路構成を示すことにする。
【0085】
領域設定回路の具体例
【0086】
図13は、領域設定回路の具体的な構成を表わしたものである。図3に示した領域設定回路151は、主走査方向倍率情報155を入力してその逆数を求める逆数テーブル201と、原稿のサイズ情報156を入力してこれを主走査方向106における画素数に変換する主走査方向画素数変換テーブル202の2つのテーブルを備えている。これらのテーブル201、202は例えばROM(リード・オンリ・メモリ)によって構成されている。乗算器203は、逆数テーブル201から出力される逆数情報204と主走査方向画素数変換テーブル202から出力される画素数情報205を用いて主走査方向の読み取りの対象となる画素数を表わした主走査画素数情報159を出力する。この主走査画素数情報159は後段のメモリ制御回路153に供給される他、比較器206の一方に比較対象のディジタル値として入力される。
【0087】
一方、図4に示したように読み取りラインの開始時にHレベルとなり終了時にLレベルとなるライン同期信号154は、カウンタ207のクリア端子に負論理で入力される。このカウンタ207のクロック入力端子にはこの画像処理装置の図示しないクロック発生器から出力される画素クロック181(図9参照)が入力されるようになっている。この画素クロック181は、図2に示したRセンサ103、Gセンサ104およびBセンサ105が1画素ずつ画像データを出力するタイミングに同期したクロックである。したがって、カウンタ207は、ライン同期信号154が立ち上がった時点から画素クロック181の入力数をカウントし、1ラインの読み取りが終了するたびにその内容がクリアされることになる。カウンタ207の出力するカウント値209は、比較器206の他方の入力端子に入力される。
【0088】
比較器206は、主走査画素数情報159の示す数値がカウント値209よりも大きいかこれと等しい間、Hレベルの画像マスク信号157を出力する。図4(b)はこの画像マスク信号157を示している。原稿の主走査方向106の幅が長い程、画像マスク信号157のHレベルの時間幅Tが長くなり、また主走査方向倍率が大きくなるほど画像マスク信号157のHレベルの時間幅Tが短くなることになる。
【0089】
第2の間引き回路の具体例
【0090】
図14は、第2の間引き回路の具体的な回路構成を表わしたものである。第1の間引き回路141Rは第2の間引き回路141Gと回路構成が同一なので、その図示は省略する。第2の間引き回路141Gは、前記したように主走査方向の間引きを行うためのもので、マスク信号157と画素クロック181がカウンタ211に入力されるようになっている。マスク信号157がLレベルのときにこのカウンタ211のカウント値がクリアされる一方、マスク信号157がイネーブルとなっているときの画素数が有効画素数情報212として比較器213のB入力端子に入力するようになっている。
【0091】
また、マスク信号157は同様に第1の加算器214のクリア端子に負論理で入力するようになっており、画像データが有効な区間で間引き率の逆数162(図3参照)と第1のアンド回路215の出力信号216とを加算するようになっている。ここで第1のアンド回路215は、第1の加算器214の出力する加算値217を第1のラッチ回路218でラッチした値219を比較器213の出力がHレベルの状態で通過させるようにしている。比較器213はこのラッチした値219における整数部219AをA入力端子側に入力して、これがB入力端子側に入力した有効画素数情報212と等しいときに比較出力221をHレベルとし、これ以外の場合にはLレベルとする回路である。この比較出力221は第2のアンド回路222にも入力され、そのゲート制御用の信号として用いられている。
【0092】
第1のラッチ回路218でラッチした加算値217の少数部219Bは、第1の乗算器224の一方の入力となると共に、減算器225のB入力端子に入力される。第1の乗算器224には画像データ111Gが入力されて乗算が行われ、その乗算結果226が第2の加算器227の一方の入力となるようになっている。また、減算器225のA入力端子には数値“1”が入力され、B入力端子に入力された少数部219Bの少数を減算するようになっている。この減算結果228は第2の乗算器229に入力され、第2のラッチ回路231のラッチ出力232と乗算される。ここで第2のラッチ回路231は、画素クロック181の入力されるタイミングで画像データ111Gをラッチするようになっている。第2の乗算器229の乗算結果233は第1の乗算器224の乗算結果226と第2の加算器227で加算され、その加算出力234が第2のアンド回路222に入力される。第2のアンド回路222からは画像データ142Gが出力されることになる。
【0093】
このような構成の第2の間引き回路141Gの動作を、主走査方向106の間引き率が80%の場合を例に挙げて説明する。マスク信号157が立ち上がる直前の状態ではカウンタ211および第1の加算器214の値がマスク信号157によってクリアされている。
【0094】
この後、画素クロック181が入力するとこのタイミングでカウンタ211のカウント値212が“1”になる。第1の加算器214の値は間引き率の逆数162の値が間引き率が80%の場合に“1.25”であり出力信号216の値が“0”であるので、これらの加算値として“1.25”となる。第1のラッチ回路218は、画素クロック181の出力されたタイミングでこの加算値をラッチする。この結果、第1のラッチ回路218から比較器213に出力される整数部219Aは“1”となる。このため、この状態で比較器213は両入力端子A、Bに共に数値“1”を入力することになり、比較出力221をHレベルにする。第1のアンド回路215はこの状態でラッチした値219である“1.25”を出力信号216として第1の加算器214にフィードバックする。この結果、第1の加算器214から出力される加算値217は、数値“1.25”に“1.25”を加算した“2.50”となる。
【0095】
この加算値217が第1のラッチ回路218にラッチされたタイミングで、カウンタ211は画素クロック181によってカウントアップされ、そのカウント値212が“2”になる。第1のラッチ回路218からこの時点で出力される整数部219Aは“2”である。したがって、第1のアンド回路215はラッチした値219である“2.50”を第1の加算器214にフィードバックする。このようにして、マスク信号157が立ち上がってから3つ目の画素クロック181が出力された時点で第1のラッチ回路218は、更に数値“1.25”を加算した数値“3.75”をラッチすることになる。同様にして、マスク信号157が立ち上がってから4つ目の画素クロック181が出力された時点で第1のラッチ回路218は、更に数値“1.25”を加算した数値“5.00”をラッチする。
【0096】
ところが、加算値217が数値“5.00”になったとき、カウンタ211は4つ目の画素クロック181を計数しているので、そのカウント値212が“4”になっている。したがって、比較器213はこの状態でA入力端子とB入力端子の入力値の一致を検出しなくなる。そこで、第1のアンド回路215はラッチした値219である“5.00”を通過させることができない。この状態で第1の加算器214はこの数値“5.00”を出力し続けている。このため、第1のラッチ回路218は4つ目の画素クロック181が出力された時点で同様に数値“5.00”をラッチすることになる。この時点で、カウンタ211のカウント値212が“5”にカウントアップされる。そこで、比較器213はこの時点で第1のアンド回路215にHレベルの比較出力221を出力し、ラッチした値219である“5.00”が第1の加算器214にフィードバックされることになる。
【0097】
次の表1は、第1の加算器214の出力する加算値217とカウンタ211の出力するカウント値212の変化の様子を表わしたものである。
【0098】
【表1】
Figure 0003586967
【0099】
すなわち、画素クロック181が5クロック分発生するたびに1クロックのタイミングで比較出力221がLレベルに変化することになり、この割合は画像データ111Gを主走査方向106に間引く割合と一致することになる。
【0100】
ところで、第2の間引き回路141Gでは間引かれた後の各画像データを補間処理によって求めている。この処理は図8で説明したように出力される画像データの画素位置に隣接する入力された画像データの2つの画素位置の画像データを距離によって重み付けて加算して求めることにしている。図8(b)の画素番号“1”の画像データについて、この値は(1−0.25)D+0.25Dであり、同図の画素番号“2”の画像データについて、この値は(1−0.5)D+0.5Dである。
【0101】
図14に示した第2の間引き回路141Gにおける第1の乗算器224はこれらのそれぞれ2項目に相当するものであり、少数部219Bの少数(0、0.25、0.5、0.75、0、……)に画像データ111Gを掛け合わせている。また、第2の乗算器229はこれらのそれぞれ1項目に相当するものであり、数値“1”から少数部219Bの少数(0、0.25、0.5、0.75、0、……)を引いたものに画像データ111Gを掛け合わせている。ここで、第2の乗算器229で画像データ111Gに掛け合わせる数値“1”から少数部219Bの少数を引いたものは、減算器225から出力される減算結果228が相当する。すなわち、減算器225ではA入力端子に数値発生器235から数値データ236として数値“1”を入力し、B入力端子に入力された少数部219Bの少数を減算している。
【0102】
第1および第2の乗算器224、229から出力される乗算結果226、233は第2の加算器227で加算され、その加算出力234が第2のアンド回路222のHレベルの区間で画像データ142Gとして出力されることになる。
【0103】
メモリ制御回路の具体例
【0104】
図15〜図17はメモリ制御回路の具体例を表わしたものである。これらは同一の回路を図示の都合で上下に3分割したものである。図15に示したメモリ制御回路の部分には、マスク信号157をクリア端子に負論理で入力すると共にクロック端子に画素クロック181を入力する第1のカウンタ241が配置されている。第1のカウンタ241の出力するカウント値242は第1の比較器243のB入力端子に供給され、そのA入力端子に供給されるラッチ回路240からのラッチ出力の整数部244Aと比較されるようになっている。この比較結果が等しいときには、比較出力245がHレベルとなり、これ以外の場合にはLレベルとなる。この比較出力245はアドレスカウンタ246と2入力のアンド回路247に供給される。アンド回路247の出力信号248は第1の加算器249に入力されるようになっている。
【0105】
第1の加算器249には、加算の対象となる間引き率の逆数162と負論理でこの加算内容をクリアするためのマスク信号157が入力するようになっている。第1の加算器249の出力する加算値251はラッチ回路240に供給され、画素クロック181の入力されるタイミングでラッチされる。このうちの整数部244Aは前記したように第1の比較器243のB入力端子に供給され、小数部も含めた全体244はアンド回路247の他方の入力端子に供給される。
【0106】
アドレスカウンタ246は、画素クロック181を入力すると共に、マスク信号157をイネーブル信号として入力し、またページ同期信号164をクリア信号として入力するようになっている。そして、第1の比較器243の比較出力245と第2の比較器261の比較出力262をもイネーブル信号として入力してアドレスのカウントの制御を行い、レッドの読取色についてのライトアドレス制御信号168RWとグリーンの読取色についてのライトアドレス制御信号168GW(図3のリード・ライト制御信号168R、168G参照)を出力するようになっている。
【0107】
これらは図16に示した第1〜第4の減算器264〜267に供給され、対応する第1〜第4の乗算器268〜271からそれぞれ出力される乗算結果273〜276とによってレッドまたはグリーンの読取色についてのリードアドレス制御信号168RR、168RR、168GR、168GRが出力されることになる。
【0108】
一方、副走査方向倍率情報163は図15に示す第5の乗算器281に入力され、1/100に演算される。この乗算結果としての副走査方向倍率の100の位を表わす整数部282Aは第3の比較器283のA入力端子に入力され、第2のカウンタ284の出力するカウント値285と比較される。ここで第2のカウンタ284は、マスク信号157をクロック端子に入力すると共に、第3の比較器283が両入力端子の入力の一致を検出したとき出力される非同期クリア信号286によってクリアされるようになっている。第2のカウンタ284の出力するカウント値285は第2の比較器261のA入力端子にも供給されるようになっており、そのB入力端子に数値発生器288から供給される数値“0”を示す数値データ289と比較され、その結果が前記した比較出力262としてアドレスカウンタ246に供給されるようになっている。
【0109】
図16に示す回路部分には、第1〜第4の乗算器268〜271の他に第6および第7の乗算器291、292が配置されている。レッドに関する第6の乗算器291には副走査方向倍率情報163とR基準遅延数設定回路293からR基準遅延数情報294が供給される。グリーンに関する第7の乗算器292には副走査方向倍率情報163とG基準遅延数設定回路295からG基準遅延数情報296が供給される。これら第6および第7の乗算器291、292から出力される乗算結果298、299は、対応する第5または第6の減算器301、302のB入力端子に入力される。これら第5または第6の減算器301、302のA入力端子には第2のカウンタ284から出力されるカウント値285が入力されるようになっており、それぞれB入力端子側の数値からA入力端子側の数値の減算処理が行われる。
【0110】
第5および第6の減算器301、302の減算結果303、304は、対応する第1または第2の除算器305、306のB入力端子に供給される。これら第1および第2の除算器305、306のA入力端子には、第5の乗算器281から副走査方向倍率を1/100にした乗算結果の整数部282Aが入力されており、B入力端子側の数値をA入力端子側の数値で除算する演算が行われる。この除算結果の少数部を用いることで、レッドおよびグリーンの読取色について副走査方向の補間処理を行う際にそれぞれ使用する補間係数166R、166Gが得られる。例えば、除算結果が“10.75”とか“11.25”のような値になったとき、これらの少数の部分である“0.75”や“0.25”という値が補間係数166R、166Gとして採用される。
【0111】
また、これらの除算結果の整数部307A、308A(上記した例の場合には“10”あるいは“11”という値)は前記した第1または第3の乗算器268、270の一方の入力端子に入力されると共に、第2または第3の加算器311、312で“1”ずつ加算した後、加算結果313、314として前記した第2または第4の乗算器269、271の一方の入力端子に入力されるようになっている。これら第1〜第4の乗算器268〜271の他方の入力端子には、第8の乗算器316から出力される乗算結果317が供給されるようになっており、それぞれの乗算が行われて乗算結果273〜276が得られるようになっている。ここで、第8の乗算器316は、図3に示す領域設定回路151から出力される主走査画素数情報159と間引き率算出回路152から出力される間引き率161とを乗算したものである。
【0112】
最後に、図17に示した回路部分の構成を説明する。リード・ライト信号生成回路321は、画素クロック181を入力して、リード信号322とライト信号323を生成する。このとき、4進カウンタ325から出力されるカウント情報326が使用される。4進カウンタ325は、画素クロック181の4倍の周波数の4倍クロック327をそのクロック入力端子に入力するようになっている。カウント情報326は、第1および第2のマルチプレクサ328、329にも供給される。第1のマルチプレクサ328はレッドの読取色に使用されるもので、Rライトアドレス168RW、第1および第2のRリードアドレス168RR、168RRも入力しており、これらのいずれかをRアドレス情報334として出力する。また、第2のマルチプレクサ329はグリーンの読取色に使用されるもので、Gライトアドレス168GW、第1および第2のGリードアドレス168GR、168GRも入力しており、これらのいずれかをGアドレス情報339として出力するようになっている。
【0113】
以上のようなメモリ制御回路153の動作を次に説明する。メモリ制御回路153は、図3に示した第1または第2の間引き回路141R、141Gから出力される画像データ142R、142Gを第1または第2の遅延メモリ143R、143Gに対していつ書き込むかのタイミング制御と、そのときどのアドレスに書き込みを行うかのアドレス制御を行う回路部分を有している。図15の上側に示したラッチ回路240、第1のカウンタ241、第1の比較器243、アドレスカウンタ246、アンド回路247および第1の加算器249がこれに該当する。
【0114】
これらの回路部分は、図14の下側に示した回路部分と類似した構成となっている。したがって、例えば主走査方向106の間引き率が80%の場合には、第1の比較器243から5画素に4画素の割合でイネーブル状態を示す比較出力245がアドレスカウンタ246に供給されることになる。
【0115】
アドレスカウンタ246は、ページ同期信号164でその内容がクリアされ、図10(a)に示すマスク信号157によってイネーブルとなり、この状態で更に比較出力245がHレベルとなっている条件で画素クロック181を通過させ、レッドの読取色についてのライトアドレス制御信号168RWとグリーンの読取色についてのライトアドレス制御信号168GWを出力するようにしている。したがって、例えば主走査方向106の倍率が80%のときには、画素クロック181が5個に1個の割合でライトアドレス制御信号168RWとライトアドレス制御信号168GWが出力されなくなり、図9(c)に示したように主走査方向106の間引きが行われることになる。
【0116】
このアドレスカウンタ246には、更に他のイネーブル信号として第2の比較器261の比較出力262が供給されている。これは、図10に示したように画像データを副走査方向107の倍率との関係でライン単位で間引くことにしているので、この処理を行うためである。
【0117】
このような処理を行う回路部分は、図15における第2の比較器261、第5の乗算器281、第3の比較器283、第2のカウンタ284および数値発生器288が対応する。今、副走査方向倍率情報163が副走査方向に250%の拡大すなわち200%以上で300%未満の拡大を指示しているものとする。第5の乗算器281はこれに1/100を乗算して“2.50”を算出する。このうちの整数部282Aの“2”が第3の比較器283のA入力端子に入力される。第2のカウンタ284はマスク信号157をクロック入力端子に入力してラインの数を計数しており、そのカウント値285を第3の比較器283のB入力端子に入力している。したがって、2ライン目を計数した時点で第3の比較器283がA、B両入力の一致を検出する。第3の比較器283はこの状態でHレベルの非同期クリア信号286を出力する。
【0118】
非同期クリア信号286は第2のカウンタ284に入力されてこのカウント値285を“0”にクリアする。第2の比較器261は“0”のカウント値を入力したこのラインが存在する区間で、B入力端子に供給された数値“0”を示す数値データ289との一致を検出する。したがって、この2ライン目の読み取りが行われているとき第2の比較器261からイネーブル状態を示す比較出力262がアドレスカウンタ246に供給されることになる。これにより、このラインでライトアドレス制御信号168RWとライトアドレス制御信号168GWが出力されることになる。
【0119】
次の第3ライン目のマスク信号157が第2のカウンタ284に供給されると、この時点でそのカウント値285は“0”にリセットされているので、再び第1ライン目のマスク信号157が第2のカウンタ284に供給された状態と同一となる。この結果、第2の比較器261からは2ラインに1ラインずつ画像データを間引く形でアドレスカウンタ246にイネーブル状態を示す比較出力262が供給されることになり、副走査方向107の間引きが実行されることになる。
【0120】
なお、副走査方向倍率情報163が例えば副走査方向に300%以上で400%未満の拡大を指示しているときには、第3の比較器283に整数部282Aとして数値“3”がセットされる。この場合には、3ラインに1ラインの間隔でイネーブル状態を示す比較出力262がアドレスカウンタ246に供給されることになる。したがって、3ラインのうちの2ラインが間引かれることになる。
【0121】
また、副走査方向倍率情報163が例えば副走査方向に150%であったときには、第3の比較器283に整数部282Aとして数値“1”がセットされる。したがって、第2のカウンタ284は“1”を計数するたびに“0”にクリアされることになり、第2の比較器261は毎回“0”を表わしたカウント値285を受け取ることになる。したがって、イネーブル状態を示す比較出力262が毎回アドレスカウンタ246に供給されることになり、副走査方向107の間引きが行われない。このように、副走査方向107がいずれの倍率であっても、この副走査方向107の間引きが適正に実行されるように書き込みのためのアドレス制御が行われることがわかる。
【0122】
次に、図16に示す回路部分を説明する。R基準遅延数設定回路293には、倍率が100%のときの第1の遅延メモリ143Rの遅延に必要な時間がR基準遅延数情報294として設定されている。また、G基準遅延数設定回路295には、倍率が同じく100%のときの第2の遅延メモリ143Gの遅延に必要な時間がG基準遅延数情報296として設定されている。これらの基準遅延数情報294、296はそれぞれ対応する第6または第7の乗算器291、292の一方の入力となっている。これら第6および第7の乗算器291、292の他方には、副走査方向倍率情報163が供給されるようになっている。R基準遅延数設定回路293とG基準遅延数設定回路295を別々に設けているのは、図2に示したように、Bセンサ105に対するRセンサ103とGセンサ104の距離(間隔)が異なっているので、これらの遅延時間が相違するためである。
【0123】
第6および第7の乗算器291、292は、それぞれ100%のときの遅延ライン数に副走査方向107の倍率を掛け合わせる。例えば前記したように副走査方向の倍率が250%のときには、Gセンサ104およびBセンサ105の副走査方向107の間隔Dが等倍時で9ライン分となっているので、これを掛け合わせた値としての22.5(ライン)が第7の乗算器292の乗算結果299となる。このグリーンの読取色について説明を続ける。
【0124】
第7の乗算器292の乗算結果299は第6の減算器302のB入力端子に供給され、そのA入力端子には第2のカウンタ284からカウント値285が供給されるようになっている。副走査方向107の倍率が250%のときこのカウント値285は1ライン置きに“0”と“1”を繰り返すことは前述した。したがって、第6の減算器302は、ライン単位で数値22.5から“1”または“0”を減算して、これを減算結果304として出力することになる。この22.5ラインと21.5ラインを交互に求める処理は、図11で説明したように第2の副走査補間回路146Gで行う補間処理に用いられる補間係数166Gを求める前作業である。
【0125】
すなわち、減算結果304は第2の除算器306に入力され、これが副走査方向倍率情報163の示す副走査方向倍率を“100”で割った際の整数部282Aで除算され、補間係数166Gが算出される。前記した副走査方向107の倍率が250%の例の場合、この値は“11.25”と“10.75”となる。第2の除算器306は除算結果の整数部分を出力するので、出力される整数部308Aは“11”と“10”になる。
【0126】
ところで、第8の乗算器316は主走査画素数情報159と間引き率161を入力して乗算しているので、乗算結果317は主走査方向106の画素数を表わす。例えば主走査方向106の倍率が80%であれば、全体の画素数の80%となる。整数部308Aの値が“10”の場合、乗算結果317が第3の乗算器270および第4の乗算器271でそれぞれ10倍と11倍にされる。これにより、現ラインから見て10ライン前または11ライン前の画素数が求められる。この例では2ラインに1ラインが副走査方向に間引かれているとの前提にたっているので、実際のラインとしてはこの倍の20ラインまたは22ライン前の画素数ということになる。そして、それぞれが第3または第4の減算器266、267によってライトアドレス制御信号168GWから減算されることによって、すなわちライト(書き込み)側のアドレスから引くことによって、この例では10ライン前と11ライン前のアドレスを算出している。これがリード(読み出し)側の2つのアドレス168GR、168GRである。
【0127】
以上、グリーンの読取色における説明を行ったが、第5の減算器301、第1の除算器305、第1および第2の乗算器268、269、第2の加算器311、第1および第2の減算器264、265からなるレッドの読取色についての回路部分も同様に動作する。
【0128】
次に、図17に示した回路部分を説明する。本実施例の画像処理装置では画素クロック181の1クロック分の間に画像データを1回書き込んで、補間処理を行うために2回読み取る動作を行っている。このため、1クロックの間に3回のアクセスが必要となる。そこで、画素クロック181の4倍の周波数の4倍クロック327を4進カウンタ325に入力して画素クロック181の1クロック分を4分割したそれぞれのタイミングを表わしたカウント情報326を作成するようにしている。
【0129】
カウント情報326は画素クロック181と共にリード・ライト信号生成回路321に入力されて、それぞれのタイミングでリード信号322とライト信号323が生成されることになる。また、カウント情報326は第1のマルチプレクサ328に入力され、レッドの読取色についての3種類のアドレス168RW、168RR、168RRを所定のタイミングでそれぞれ選択し、Rアドレス情報334として出力する。グリーンの読取色についての第2のマルチプレクサ329についても同様である。
【0130】
副走査補間回路の具体例
【0131】
図18は、第2の副走査補間回路の回路構成を具体的に表わしたものである。第1の副走査補間回路146Rも第2の副走査補間回路146Gと回路構成が同一であるので、その説明は省略する。第2の副走査補間回路146Gは、第2の遅延メモリ143Gから出力される画像データ145Gを入力する第1および第2のラッチ回路341、342を備えている。これらのラッチ回路341、342のクロック入力端子には、それぞれタイミング発生回路343から対応するクロック信号344、345が入力されてラッチタイミングが定められるようになっている。タイミング発生回路343は、画素クロック181と4倍クロック327を入力して、4倍クロック327で判別されるタイミングでクロック信号344、345を生成する回路である。第1および第2のラッチ回路341、342のラッチ出力347、348は、それぞれ対応して設けられた第1または第2の乗算器349、350の一方の入力となる。
【0132】
第1の乗算器349の他方の入力端子には、図3または図16で示したメモリ制御回路153から補間係数166Gが入力されるようになっている。第2の乗算器349の他方の入力端子には減算器352から出力される減算結果353が入力されるようになっている。この減算器352は、数値発生器354から出力される数値“1”を表わした数値データ355と補間係数166Gの差を減算結果353として出力するものである。第1および第2の乗算器349、350はそれぞれの入力を乗算して、これらを乗算結果357、358として加算器359に入力する。加算器359は、これらを加算して副走査方向107に補間されるラインの画像データ147Gを出力する。画像データ147Gは後に説明する第2の主走査方向拡大回路148Gに入力されて主走査方向106に拡大されることになる。
【0133】
このような構成の第2の副走査補間回路146Gで、例えば21.5ライン目の画像データ147Gを作成するものとする。この場合、22ライン前の画像データ145Gと20ライン前の画像データ145Gが時間を異にして入力される。タイミング発生回路343は、それぞれ異なったタイミングで発生するクロック信号344、345を別々のラッチ回路341、342に供給することで、例えば22ライン前の画像データ145Gを第1のラッチ回路341にラッチし、20ライン前の画像データ145Gを第2のラッチ回路342にラッチする。
【0134】
一方、補間係数166Gは前記したように例えば“0.25”とか“0.75”という値をとる。この補間係数166G自体は、一方のラインに対する重み付けの値なので、補間の対象となる隣接した他方のラインに対する重み付けの値は数値“1”から補間係数166Gを引いた値となる。例えば22ライン前の画像データ145Gの補間係数166Gが“0.75”であれば、20ライン前の画像データ145Gの補間係数166Gはこれを“1”から差し引いた“0.25”という値である。このような2つのラインについての補間係数を作成するのが減算器352である。
【0135】
したがって、この例では、22ライン前の画像データ145Gがラッチ出力347として第1の乗算器349に入力され、これに補間係数166Gとしての“0.75”が掛け合わされて乗算結果357となる。また、20ライン前の画像データ145Gが減算結果353として第2の乗算器350に入力され、これに補間係数166Gを“1”から減算した値としての“0.25”が掛け合わされて乗算結果358となる。この結果、加算器359から出力される画像データ147Gは、21.5ライン目の画像データの濃度を表わしていることになる。
【0136】
主走査拡大回路の具体例
【0137】
図19は、第2の主走査拡大回路の回路構成を具体的に表わしたものである。第1の主走査拡大回路148Rも第2の主走査拡大回路148Gと回路構成が同一であるので、その説明は省略する。第2の主走査拡大回路148Gは、図3あるいは図18に示した第2の副走査補間回路146Gから出力される画像データ147Gの供給を受ける第1のラッチ回路361および第1の乗算器362を備えている。第1のラッチ回路361は画素クロック181をそのクロック入力端子に入力してそのタイミングで画像データ147Gをラッチするようになっている。画素クロック181は第2のラッチ回路363のクロック入力端子にも供給される。第2のラッチ回路363は第1の加算器364から、このタイミングで加算結果366を保持する。この保持した値はラッチ出力367として第1の加算器364にフィードバックされる。第1の加算器364は、このラッチ出力367と間引き率161を加算すると共に、マスク信号157の負論理をとって加算結果366をクリアするようになっている。
【0138】
第2のラッチ回路363のラッチ出力367のうちの少数部367Bは、第1の乗算器362に供給され、画像データ147Gと乗算される。この乗算結果371は第2の加算器372の一方の入力となる。第2のラッチ回路363から出力される少数部367Bは、減算器373にも供給され、数値発生器375から出力される数値“1”を表わした数値データ376を減算する。この減算結果377は第2の乗算器378に入力される。第2の乗算器378には、第1のラッチ回路361のラッチ出力379も入力されており、これらの乗算が行われる。乗算結果381は他の乗算結果371と共に第2の加算器372で加算され、この加算結果が画像データ149Gとなる。
【0139】
このような第2の主走査拡大回路148Gで、例えば間引き率が主走査方向に80%であった場合を説明する。第2の主走査拡大回路148Gは主走査方向106に画素を適宜補間するが、これについての補間係数を求めるのが第2のラッチ回路363および第1の加算器364である。すなわち、第1の加算器364がマスク信号157の立ち上がりによって加算結果366が“0”から加算可能状態になると、間引き率161としての“0.8”が画素クロック181によって順に加算されて加算結果366として出力される。この加算結果366は画素クロック181によって順にラッチされる。この結果、少数部367Bは、“0.8”、“0.6”、“0.4”、“0.2”、“0.0”、“0.8”……という一方の補間係数として、第1の乗算器362に供給される。
【0140】
また、この一方の補間係数としての少数部367Bは、減算器373に入力されて数値“1”を減算する値として使用され、他方の補間係数としての減算結果377が得られる。これが第2の乗算器378に供給される。この結果、第2の加算器372は2つの補間係数によって補間された画像データ149を、各画素クロック181のタイミングで出力することになる。すなわち、単位時間当たりの画素クロック181の発生個数に対して画像データ147Gは80%の個数しか存在しないが、第1のラッチ回路361が画素クロック181の1クロック分ずつこれを保持するので、第2の加算器372からはそれぞれの主走査位置に対応した画像濃度の画像データ149が画素クロック181の各クロックに対応して出力することになる。
【0141】
以上説明した実施例ではレッド、グリーン、ブルーの3色の読み取りを行って画像の記録を行う画像処理装置を例にとって説明を行ったが、図21で示したようにラインタイプのイメージセンサを主走査方向に2つまたは3つ以上配置して画像の読み取りを行う画像処理装置に対しても本発明を同様に適用できることはもちろんである。
【0142】
また、実施例では画像処理装置の構成部品の多くをハードウェアによって構成したが、これらのハードウェアの一部または全部をソフトウェアで置き換えて同様の画像処理を行ったり、反対にソフトウェアで処理している部分を同様の働きを実現するハードウェアで構成することは可能であり、これに対しても本発明が適用されることは当然である。更に実施例では加算器、減算器、乗算器等の回路部品を使用して各回路を構成したが、これらを同等の機能を有する回路部品や復号回路部品を使用して構成することは自由であり、これらに対しても本発明を適用することができる。
【0143】
更に以上説明した実施例では倍率が100%である場合の容量で遅延メモリを使用することを前提として説明したが、遅延メモリの容量はこれよりも多くても少なくてもよい。これに応じて副走査方向および主走査方向の間引き率が異なってくることはもちろんである。
【0144】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明によれば、主走査方向間引き有無判定手段を設けて、所定の場合には主走査方向について画素単位で画像データの間引きを行うことにしたので、各ラインの画像データの減少を図ることができる。また遅延メモリは、副走査方向におけるライン単位での間引きの際に画像データの読み込みを行わないようにして、副走査方向の間引きの処理の効率化を図っている。更に本発明では副走査方向画像データ再生手段によって副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生することにしているので、遅延メモリに格納された各ラインの画像データでそれぞれの副走査位置の画像データを補間しながら再現することになり、副走査方向に対して品位の高い画像データの再現が可能になる。また、主走査方向画像データ補間手段によって各主走査位置に対応させて画素ごとに補間処理を行って1ラインごとの画像データの復元を行うようにしているので、この方向における画像の再現も良好に行うことができる。
【0145】
また請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができる他、副走査方向の倍率が増大したような場合に画像の読み取りの重複する範囲でライン単位の画素の間引きを行い、補間処理でこれを再現することにしたので、画像の拡大時においても画像情報の欠落や劣化を最小限に止めて、等倍時に必要とされるメモリ容量あるいはこれ以外の所定のメモリ容量の遅延メモリに画像データを一時的に格納するだけでイメージセンサ間のギャップを補正することが可能になる。
【0146】
更に請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の画像処理装置において複数のイメージセンサは、カラー画像を色の成分に別けて読み取る3本のセンサであることを特徴としているので、各色を1本のイメージセンサで読み取る場合と比べて高画質の画像を得ることが可能になる。
【0147】
また、請求項4記載の発明によれば、複数のイメージセンサは、主走査方向の読み取りを分割して行う複数のセンサであるので、主走査方向に比較的短い長さのイメージセンサを使用することができ、イメージセンサのコストダウンと歩留りの向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の画像処理装置の全体的な構成を表わしたブロック図である。
【図2】本実施例の画像読取部におけるイメージセンサの配置状態を表わした説明図である。
【図3】本実施例の画像処理装置のギャップ補正回路を原理的に表わしたブロック図である。
【図4】ライン同期信号と画像マスク信号の関係の一例を示した波形図である。
【図5】副走査方向の倍率が100パーセントの場合の読み取られる画素の位置の関係を示した説明図である。
【図6】副走査方向の倍率が200パーセントの場合の読み取られる画素の位置の関係を示した説明図である。
【図7】間引き率算出回路による間引き率の算出の処理の流れを表わした流れ図である。
【図8】間引き率Rが80%の場合の画像データを主走査方向に間引く様子を示した説明図である。
【図9】間引き率Rが80%の場合の間引き回路の入力画像データと出力画像データの関係を表わしたタイミング図である。
【図10】副走査方向の倍率が250%のときのラインの間引き制御の様子を表わした各種タイミング図である。
【図11】遅延メモリの書込アドレスの制御の様子を示した説明図である。
【図12】遅延メモリから読み出した画像データを元のデータに復元する様子を示した各種タイミング図である。
【図13】領域設定回路の具体的な回路構成を示すブロック図である。
【図14】第2の間引き回路の具体的な回路構成を表わしたブロック図である。
【図15】メモリ制御回路の第1の具体的な回路部分を表わしたブロック図である。
【図16】メモリ制御回路の第2の具体的な回路部分を表わしたブロック図である。
【図17】メモリ制御回路の第3の具体的な回路部分を表わしたブロック図である。
【図18】第2の副走査補間回路の具体的な回路部分を表わしたブロック図である。
【図19】第2の主走査拡大回路の回路構成を具体的に表わしたブロック図である。
【図20】画像処理装置のイメージセンサと原稿の配置関係を示した平面図である。
【図21】比較的大きな原稿の読み取りを行う読取装置におけるイメージセンサと原稿の配置関係を示した説明図である。
【符号の説明】
102…画像読取部、103…Rセンサ、104…Gセンサ、105…Bセンサ、112…ギャップ補正回路、132…記録部、141G…第2の間引き回路、141R…第1の間引き回路、143G…第2の遅延メモリ、143R…第1の遅延メモリ、146G…第2の副走査補間回路、146R…第1の副走査補間回路、148G…第2の主走査拡大回路、148R…第1の主走査拡大回路、151…領域設定回路、152…間引き率算出回路、153…メモリ制御回路、201…逆数テーブル、202…主走査方向画素数変換テーブル、211…カウンタ、213…比較器、214、249、364…第1の加算器、215…第1のアンド回路、218、341、361…第1のラッチ回路、222…第2のアンド回路、224、268、349、362…第1の乗算器、225、352、373…減算器、227、311、372…第2の加算器、229、269、350、378…第2の乗算器、231、342、363…第2のラッチ回路、235、288、354、375…数値発生器、240…ラッチ回路、241…第1のカウンタ、243…第1の比較器、246…アドレスカウンタ、247…アンド回路、261…第2の比較器、264…第1の減算器、265…第2の減算器、266…第3の減算器、267…第4の減算器、270…第3の乗算器、271…第4の乗算器、281…第5の乗算器、283…第3の比較器、284…第2のカウンタ、291…第6の乗算器、292…第7の乗算器、293…R基準遅延数設定回路、295…G基準遅延数設定回路、301…第5の減算器、302…第6の減算器、305…第1の除算器、306…第2の除算器、312…第3の加算器、316…第8の乗算器、321…リード・ライト信号生成回路、325…4進カウンタ、328…第1のマルチプレクサ、329…第2のマルチプレクサ、343…タイミング発生回路、359…加算器

Claims (4)

  1. 副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサと、
    これらのイメージセンサによって読み取りが行われる主走査方向の倍率と原稿のサイズとの関係で原稿の主走査方向の読み取りの行われる領域の長さを設定する主走査方向領域設定手段と、
    主走査方向の倍率と副走査方向の倍率および原稿のサイズから主走査方向に対して画像の間引きを行うか否かを判定する主走査方向間引き有無判定手段と、
    この主走査方向間引き有無判定手段が主走査方向の間引きを行う場合の間引き率を算出する主走査方向間引き率算出手段と、
    前記主走査方向間引き有無判定手段が主走査方向の間引きを行うと判定した場合に読み取られた主走査方向の画像データを主走査方向間引き率算出手段によって算出した間引き率で画素単位で間引く主走査方向間引き手段と、
    副走査方向の倍率に応じて各ラインの画像データを必要に応じて間引きながら前記イメージセンサ同士の間隔に相当する量だけ格納する遅延メモリと、
    副走査方向の倍率および前記主走査方向間引き率算出手段によって求められた主走査方向の間引き率に応じて遅延メモリから1ライン単位で画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、
    この画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを用いて副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生する副走査方向画像データ再生手段と、
    この副走査方向画像データ再生手段によって再生された画像データを前記主走査方向の間引き率に応じてそれぞれ主走査方向に画素単位で補間する主走査方向画像データ補間手段
    とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  2. 副走査方向に所定の間隔を置いて配置された複数のイメージセンサと、
    これらのイメージセンサによって読み取りが行われる主走査方向の倍率と原稿のサイズとの関係で原稿の主走査方向の読み取りの行われる領域の長さを設定する主走査方向領域設定手段と、
    副走査方向の倍率が所定倍率以上のときで画像情報の読み取られる領域の重複する程度に従ってこの重複部分の画像情報をライン単位で間引く副走査方向間引き手段と、
    副走査方向の倍率が前記所定倍率以上のときに副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合と主走査方向のデータ量の増加の割合とを比較するデータ量比較手段と、
    このデータ量比較手段によって副走査方向の倍率が前記した所定倍率未満のときあるいは副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合の方が主走査方向のデータ量の増加の割合よりも大きくないとき主走査方向の間引きが行われないように設定し、これら以外の場合には副走査方向の倍率に副走査方向間引き手段の副走査方向の間引きによる副走査方向の画像データの減少の割合を掛けて得られる副走査方向のデータ量の増加の割合から主走査方向のデータ量の増加の割合で除した値に設定する主走査方向間引き率設定手段と、
    この主走査方向間引き率設定手段によって設定した間引き率で主走査方向の画像情報をラインごとに画素単位で間引く主走査方向間引き手段と、
    前記副走査方向間引き手段によって間引かれた後の画像データを前記イメージセンサ同士の間隔に相当する量だけ格納する遅延メモリと、
    副走査方向の倍率および主走査方向の間引き率に応じて遅延メモリから1ライン単位で画像データを読み出す画像データ読み出し手段と、
    この画像データ読み出し手段によって読み出された画像データを用いて副走査方向の倍率に応じて補間されるラインの画像データを再生する副走査方向画像データ再生手段と、
    この副走査方向画像データ再生手段によって再生された画像データを前記主走査方向の間引き率に応じてそれぞれ主走査方向に画素単位で補間する主走査方向画像データ補間手段
    とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記複数のイメージセンサは、カラー画像を色の成分に分けて読み取る3本のセンサであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
  4. 前記複数のイメージセンサは、主走査方向の読み取りを分割して行う複数のセンサであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の画像処理装置。
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