JP3586683B2 - パワーウインドウ駆動モータ - Google Patents

パワーウインドウ駆動モータ Download PDF

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のパワーウインドウ駆動モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のパワーウインドウでは、窓ガラスは駆動モータで昇降駆動され、駆動モータはECU(制御部)で制御される。
【0003】
この制御にあたって、窓ガラスの昇降位置を知る必要がある場合には、駆動モータに、ホールICが装着される。ホールICは、アーマチャシャフトの外周面に固着されたマグネットに対応してモータハウジング側に設けられ、交番型とされ、アーマチャシャフトの回転に伴う磁気変動を検出してパルスを発する。パルスはECUに出力され、ECUでは、パルスをカウントして窓ガラスの昇降位置を検出し、窓ガラスの昇降位置に基づき、駆動モータを駆動制御する。
【0004】
ここで、従来は、駆動モータがドア内に設けられ、一方、ECUがドアのアームレスト内やハンドル下に設けられ、駆動モータとECUとは、別個に配置されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、図6に示すように、ECU100では、基板102が蓋104付き保護ケース106に収容されてケース106がブラケット108で車体側へ取り付けられ、ECU専用のケース106やブラケット108が別途に必要となる。
【0006】
また、図7に示すように、ECU100と窓ガラス昇降スイッチ110との間が第1コネクタ112を介して配線接続されるので加え、ECU100と、モータ本体114、ホールIC116を備えた駆動モータ118との間が第2コネクタ120を介して配線接続される。ここで、配線の複雑化、長距離化は好ましくない。
【0007】
配線が長距離化された場合には、次のような問題が生ずる。
【0008】
すなわち、ECU100内に、モータ作動用のパワーリレー(図示を省略)が設置される場合、駆動モータ118とECU100との間が遠く離れると、モータ動力線が長くなり、配線抵抗(配線が長くなると配線抵抗が増す)に基づく電圧ドロップの問題が招来される。窓ガラスの締め切りの際には窓ガラスが拘束されてロック電流が発生ずる。ロック電流が発生すると、大きな電圧ドロップが生じてモータトルク効率が大きく低下する。従って、窓ガラスの拘束力に抗して窓ガラスを締め切るには、駆動モータを大型化する必要がある。
【0009】
本発明は上記事実を考慮し、制御部での構成部品点数の削減を図り、また、制御部との間の配線の簡素化、短距離化を図るパワーウインドウ駆動モータを得ることが目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係るパワーウインドウ駆動モータは、アーマチャシャフトを備え、前記アーマチャシャフトを介して伝達した駆動力によりウインドウを開閉駆動するモータ本体と、前記アーマチャシャフトに設けられたウオームギヤに噛み合うウオームホイールと、前記モータ本体に連結されると共に、内側に前記ウオームホイールを収容するギヤボックスと、前記ギヤボックスを閉止するカバーと、前記ウオームホイールを介して前記ギヤボックスの外部に前記駆動力を出力する出力部とは反対側で前記ギヤボックス内における前記カバーと前記ウオームホイールとの間に設けられた基板と、前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、前記モータ本体の回転に伴いパルスを発する磁気センサと、前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、前記磁気センサの信号に基づき前記モータ本体を制御する制御部と、を備えている。
【0011】
請求項1に記載の本発明に係るパワーウインドウ駆動モータでは、モータ本体がギヤボックスに連結されており、モータ本体が駆動を開始してアーマチャシャフトが回転すると、アーマチャシャフトに設けられたウオームギヤが回転し、更に、ギヤボックスに収容されたウオームギヤに噛み合うウオームホイールが回転する。ウオームホイールの回転は、出力部から外部に出力され、この回転力がウインドウに伝えられることでウインドウが開閉される。
【0012】
一方、ギヤボックスはカバーによって閉止されているが、カバーとギヤボックス内のウオームホイールとの間には基板が設けられる。モータ本体が回転(駆動)すると、このモータ本体の回転に伴って基板に設けられた磁気センサからパルスが発せられる。また、基板には制御部が設けられており、制御部では磁気センサでのパルス(すなわち、磁気センサからの信号)に基づきモータ本体の駆動が制御される。
【0013】
ところで、上記のように、本発明に係るパワーウインドウ駆動モータでは、ギヤボックス内に制御部や磁気センサが組み込まれた基板が収容される。しかも、駆動モータはギヤボックスに連結されて一体となることで、結果的に基板、ひいては制御部とモータ本体とが一体化される。このため、制御部を別途に設ける場合に必要となる制御部専用のケースやブラケットが不要となり、制御部での構成部品点数が減る。
【0014】
また、上記のように、結果的に制御部とモータ本体とが一体化されることで、制御部を別途に設ける場合に比べると、モータ本体と制御部との間における配線が短くなり簡素化される。これにより、制御部内にモータ駆動用のパワーリレーを配置しても、モータ電力線を短くできるため、配線抵抗が小さくでき、その結果、配線抵抗に基づく電圧ドロップが抑制される。これにより、駆動モータの小型化が可能となる。
【0015】
また、上記のように制御部は磁気センサからの信号(パルス)に基づいてモータ本体を制御するが、磁気センサもまた基板に設けられるため、磁気センサと制御部とを結ぶ信号線を短く且つ簡素化できる。
【0016】
さらに、本発明に係るパワーウインドウ駆動モータでは、上記の制御部や磁気センサが基板のウオームホイール側に設けられる。制御部や磁気センサ等は比較的厚みや高さを有するが、このように、制御部や磁気センサを基板のウオームホイール側に設けることで、基板とウオームホイールとの間の空き空間が有効に活用され、基板のウオームホイールとは反対側に制御部や磁気センサを設けた構成に比べると、ギヤボックスの薄型化が可能となる。
【0017】
請求項2に記載の本発明に係るパワーウインドウ駆動モータは、請求項1に記載の本発明において、前記ギヤボックスの内側及び前記基板の外周縁の何れか一方に形成された係合凹部と、前記係合凹部に係合可能に前記ギヤボックスの内側及び前記基板の外周縁の何れか他方に形成されて、前記係合凹部に係合することで前記何れか一方に対して前記何れか他方を位置決めする係合凸部と、を備えることを特徴としている。
【0018】
請求項2に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、係合凹部及びこの係合凹部に係合可能な係合凸部の何れか一方がギヤボックスの内側に形成され、何れか他方が基板の外周縁に形成される。ギヤボックスに基板を組み付けるにあたっては、係合凹部に係合凸部を係合させることでギヤボックスに対する基板の位置決めが成される。
【0019】
このように基板の位置決めが行なわれることで、磁気センサの位置決めを容易に行なうことができる。
【0020】
請求項3に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータは、請求項1又は請求項2に記載の本発明において、前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、外部の電源に接続される端子を備える、ことを特徴としている。
【0021】
請求項3に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板のウオームホイール側には、外部の電源に接続される端子が設けられる。コネクタ等の端子もまた、制御部や磁気センサ等のように比較的厚みや高さを有するが、制御部や磁気センサと同様に端子を基板のウオームホイール側に設けることで、基板とウオームホイールとの間の空き空間が有効に活用され、基板のウオームホイールとは反対側に制御部や磁気センサを設けた構成に比べると、ギヤボックスの薄型化が可能となる。
【0022】
請求項4に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記ウオームホイールのウオームホイール軸方向に沿って前記基板よりも前記カバー側で前記ウオームホイール軸の一端が軸支されると共に、前記基板よりも前記カバーへの前記ウオームホイール軸の到達を許容する部分を前記基板に形成した、ことを特徴としている。
【0023】
請求項4に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板がギヤボックス内のカバーとウオームホイールとの間に設けられるが、ウオームホイールのウオームホイール軸は基板よりもカバー側で回転自在に軸支される。
【0024】
ここで、本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板よりもカバー側にウオームホイール軸が到達することを許容する部分が基板に形成されるため、ウオームホイール軸が基板に邪魔されることなく基板よりもカバー側で軸支される。
【0025】
なお、本発明において、ウオームホイール軸はカバーに軸支されていてもよく、この場合には、回転時等に応力がかかるウオームホイール軸を確実に支持できる。
【0026】
請求項5に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータは、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記ウオームホイールのウオームホイール軸方向に沿って前記基板よりも前記カバー側で前記ウオームホイール軸の一端が軸支されると共に、前記基板よりも前記カバー側に到達する前記ウオームホイール軸に対する干渉を回避する部分を前記基板に形成した、ことを特徴としている。
【0027】
請求項5に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板がギヤボックス内のカバーとウオームホイールとの間に設けられるが、ウオームホイールのウオームホイール軸は基板よりもカバー側で回転自在に軸支される。
【0028】
ここで、本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板よりもカバー側に到達するウオームホイール軸に対し、これに干渉することを回避する部分が基板に形成される。これにより、基板に邪魔されることなくウオームホイールのウオームホイール軸が基板よりもカバー側で軸支される。
【0029】
なお、本発明において、ウオームホイール軸はカバーに軸支されていてもよく、この場合には、回転時等に応力がかかるウオームホイール軸を確実に支持できる。
【0030】
請求項6に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータは、請求項4又は請求項5に記載の本発明において、前記ウオームホイール軸の回転周方向に沿って周方向の環状に形成されると共に、内周部が前記ウオームホイール軸の回転半径方向に前記ウオームホイール軸から離間した状態でウオームホイール軸が貫通する環状部を、前記許容する部分又は前記干渉を回避する部分とした、ことを特徴としている。
【0031】
請求項6に記載の本発明に係るパワーウインドウ用駆動モータでは、基板に環状部が形成されており、ウオームホイール軸はこの環状部の内側を通過する。このため、基板がウオームホイール軸に干渉することなく(すなわち、ウオームホイール軸が基板に邪魔されることなく)、確実にカバーにウオームホイール軸が軸支される。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施の形態に係るパワーウインドウ駆動モータを図1乃至図5に基づき説明する。
【0033】
図2に示すように、自動車のパワーウインドウでは、ドア12内に、パワーウインドウ駆動モータ(以下、単に駆動モータ)14が設けられる。駆動モータ14にはドラム16が連結されており、駆動モータ14の正転、逆転に応じて、ドラム16が正転、逆転する構造となっている。
【0034】
ドラム16にはワイヤ18の両端部が互いに異なる方向に巻き掛けられており、ワイヤ18の中間部にはキャリヤプレート20が固定されている。駆動モータ14の回転でドラム16が正転すると、ワイヤ18の一端部がドラム16に巻き取られると共に、ワイヤ18の他端部がドラム16から引き出される。
【0035】
これに対して、駆動モータ14の回転でドラム16が逆転すると、ワイヤ18の一端部がドラム16から引き出されると共に、ワイヤ18の他端部がドラム16に巻き取られる。これにより、駆動モータ14の正転、逆転に応じて、キャリヤプレート20がガイドレール22に沿って昇降(上下動)し、キャリヤプレート20に取り付けられた窓ガラス24が上昇(窓ガラス閉方向移動)、下降(窓ガラス開方向移動)する。
【0036】
図3に示されるように、駆動モータ14はモータ本体26を備えている。モータ本体26は固定子28と回転子(アーマチャ)30とを備えており、更に、ギヤボックス32が連結されている。モータ本体26のアーマチャシャフト34はギヤボックス32内に入り込んでおり、アーマチャシャフト34に、ウオーム36が設けられ、ウオーム36には、出力ギヤを構成するウオームホイール38(乃至、ヘリカルギヤ)が噛合する。ウオームホイール軸40は、アーマチャシャフト34と直交する。
【0037】
図1に示されるように、ギヤボックス32は、ウオームホイール軸40の軸方向一端が開放されており、その開放端にはウオームホイール軸40方向一端側からカバーとしてのモータカバー42が取り付けられている。これにより、ギヤボックス32の開放端が閉成されている。
【0038】
ギヤボックス32内におけるウオームホイール38とモータカバー42との間には基板としての素子基板44が設けられている。素子基板44は、ウオームホイール軸40の軸方向一端側、すなわち、ギヤボックス32の開口端側からギヤボックス32内に収容される。
【0039】
素子基板44は、ウオームホイール軸40と同心で、ウオームホイール38の周部に対向する環状部46を備えていると共に、アーマチャシャフト34の先端部に対向する矩形部48を備えている。ウオームホイール38の周部は肉薄とされてこの周部には、環状のマグネット50が固着されている。マグネット50は、環状方向(ウオームホイール38の回転方向)に沿って、異極が交互に並び、複数極とされている。
【0040】
マグネット50の外周側で且つ素子基板44とウオームホイール38との間に、トランジスタ等の素子配置空隙が形成される(図4を参照)。その空隙において素子基板44には、マグネット50と対応して磁気センサを構成する一対のホールIC52、54(ホールIC,A、ホールIC,B)が装着されている。上述したように、素子基板44はウオームホイール軸40方向一端側からギヤボックス32に収容されるため、この素子基板44に装着されたホールIC52、54もまたウオームホイール軸40方向一端側からギヤボックス32に収容されることになる。なお、図4において符号55は、トランジスタ等の素子を示す。
【0041】
ホールIC52、54は、交番型とされ、ウオームホイール軸40周りに所定角度間隔を置いて配置されて、マグネット50がウオームホイール38と共に回転するのに伴い生ずる磁気変動を検出し、パルスを発する。
【0042】
素子基板44の矩形部48とギヤボックス32の底壁との間には、アーマチャシャフト34の軸方向から見て左右両側に空洞部58、60が形成されている。空洞部58において矩形部48(素子基板44)のウオームホイール38側の面には、制御部を構成するECU本体56が装着されている。これに対して、空洞部60において矩形部48(素子基板44)のウオームホイール38側の面には、端子62が装着されている。
【0043】
空洞部60のギヤボックス32側壁には、配線引出し用の開口64が形成されており、開口64を通って、図3に示すように、配線66、68が端子62に接続される。
【0044】
素子基板44には、モータ作動用のパワーリレー(図示省略)が設けられ、配線66は、パワーリレーとモータ本体26との間の動力線とされる。一方、配線68には、端子62を介して窓ガラス昇降スイッチ70へ到る操作線や、電源72へ到る動力線が含まれる(図5も参照)。
【0045】
ECUでは、例えば、以下に説明するようなモータ制御が行なわれる。
すなわち、窓ガラス24の上昇中に、窓ガラス24と窓枠25(図2を参照)との間に異物が挟み込まれた場合に、駆動モータ14を直ちに停止し、あるいは、一旦逆転した後に停止する等の、挟み込み防止措置が採られる。この措置を採るパワーウインドウは、いわゆるジャムプロテクション型のパワーウインドウと称される。
【0046】
挟み込み防止措置は、異物が挟み込まれたときに生ずるロック電流に基づき行なわれる。一方、窓ガラス24の締め切りの際にも、窓ガラス24の昇降が窓枠25で拘束されてロック電流が生ずる。
【0047】
従って、窓ガラス24が、異物の挟み込みの恐れのない所定位置へ達した以降は、ロック電流が生じても、挟み込み防止措置を採らずに窓ガラス24の締め切りを完了する必要がある。
【0048】
そこで、ECUでは、ホールIC52、54から発せられるパルスが、ウオームホイール38の正転(モータ正転)に伴いアップカウントされ、ウオームホイール38の逆転(モータ逆転)に伴いダウンカウントされる。パルスカウント数によって、モータ回転位置が知られ、従って、窓ガラス24の昇降位置が知られる。パルスカウント数が、窓ガラス24の上記所定位置に相当するパルスカウント数nに達した以降は、挟み込み防止措置を採らないように、モータ制御が行なわれる。
【0049】
ここで、ウオームホイール38の正転の場合、一方のホールIC52が先にパルスを発し、そのホールIC52が次のパルスを発する前に、他方のホールIC54がパルスを発し、ホールIC52、54間でパルスに位相差ができるように、ホールIC毎にパルスが次々に発せられる。ホールIC52のパルスと、ホールIC54のパルスとが一緒に加算されて、アップカウントされる。
【0050】
従って、ウオームホイール38の回転量に対する、すなわち窓ガラスの昇降量に対するパルスカウント数は、ホールICが単一の場合に比して2倍となり、パルス分解能が高まる。パルス分解能が高くなる分、窓ガラス24の上記所定位置を窓ガラス24の締め切り位置により接近させて、挟み込み防止措置を採らない不感帯(窓ガラス24の上記所定位置と窓ガラス24の締め切り位置との間)を小さくできる。これによって、より小さな異物についても挟み込み防止措置を可能としつつ、窓ガラスの正常な締め切り動作を保証する。
【0051】
また、ウオームホイール38の正転、逆転によって、ホールIC52、54のパルスの発生順序が異なる。このため、パルス発生順序の異なるのを検出することで正転、逆転の判断が可能である。ウオームホイール38が逆転して窓ガラス24が下降する場合には挟み込み防止措置が不要である。したがって、ウオームホイール38の回転が逆転と判断されれば、挟み込み防止措置のための制御回路を省略することができる。
【0052】
さらに、ウオームホイール38の正転、逆転の判断が可能になることで、窓ガラスが上昇限度端にあるか、下降限度端にあるかが知られ、上昇限度端、あるいは下降限度端において、パルスカウント数をリセットすることができる。このリセットにより、パルスカウント数と窓ガラス24の昇降位置との対応関係が、精度よく得られる。
【0053】
一方、ギヤボックス32の開放端縁内側には係合凹部74が形成されている。これに対して、係合凹部74に対応して素子基板44の環状部46の外周縁には係合凸部76が形成されている。係合凹部74に係合凸部76が係合して、素子基板44の位置決めが行なわれる構造となっている。
【0054】
さらに、ギヤボックス32の開放端縁外側には、突起78が設けられている。突起78に対応してモータカバー42の周縁には係止片80が突出されている。突起78に係止片80がかしめられることで、モータカバー42の取り付けが行なわれる構造となっている。
【0055】
また、モータカバー42は、ウオームホイール軸40方向から見て、素子基板44の外形形状と同様な外形形状とされ、また、素子基板44との間にトランジスタ等の素子配置空隙をなすように段差形成される。
【0056】
図4に示すように、ウオームホイール軸40の一端部は、モータカバー42の中央部に凹設された軸受部82で軸支され、ウオームホイール軸40の他端部は、ギヤボックス32の底壁に貫通支持される。ウオームホイール軸40の貫通先端は、上記ドラム16との連結部84とされる。
【0057】
ギヤボックス32には、放射方向外方に、取り付け片86が突出され、駆動モータ14は、取り付け片86を貫通したボルト等の連結手段がドア12へ取り付けられることで取り付け片86を介してドア12内に取り付けられる。
【0058】
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0059】
本駆動モータ14では、基本的に、窓ガラス昇降スイッチ70が上昇スイッチ操作されると、駆動モータ14が正転して窓ガラス24が上昇する。これに対して、窓ガラス昇降スイッチ70が下降スイッチ操作されると、駆動モータ14が逆転して、窓ガラス24が下降する。
【0060】
一方、駆動モータ14が回転して、ウオームホイール38の回転すると、これに伴い、ホールIC52、54からパルスが発せられる。ECU(制御部)では、ウオームホイール38の正転により、パルスがアップカウントされて、パルスカウント数がパルスカウント数nに達しない間は挟み込み防止措置を採り、パルスカウント数がパルスカウント数nに達した以降は挟み込み防止措置を採らないように、モータ制御が行なわれる。
【0061】
ここで、ギヤボックス32内に、ECUが組み込まれた素子基板44が収容されており、駆動モータ14はECUと一体化される。
【0062】
従って、ECUを別途に設ける場合に必要となるECU専用のケースやプラケットが不要となり、ECUでの構成部品点数が減る。
【0063】
また、モータ本体26とECUとを繋ぐ配線は、ECUを別途に設ける場合に比して、短距離化され、簡素化される。
【0064】
さらに、ECUとの一体化により、ECU内にモータ作動用のパワーリレーを設置してもモータ動力線が短くてよい。このため、配線抵抗が小さくなり、配線抵抗に基づく電圧ドロップが抑制される。これにより、駆動モータ14の小型化が可能となる。
【0065】
このようにして、パワーウインドウのシステム全体としてのコストダウンも果たされる。
【0066】
また、素子基板44に、ECUと接続される、ホールIC52、54が装着されるため、センサ信号をECUに送るための配線を短距離化、簡素化できる。
【0067】
さらに、ホールIC52、54は素子基板44と共にウオームホイール軸40方向に沿ってギヤボックス32内に収容されるため、ギヤボックス32へのウオームホイール38の組付方向とギヤボックス32へのホールIC52、54の収容方向とが略同一方向となる。
【0068】
しかも、モータカバー42の取付方向もまた同様にウオームホイール軸40方向で素子基板44と同一方向である。このように、ウオームホイール38、モータカバー42、素子基板44、及びホールIC52、54等の各部材の組付方向や収容方向を同一方向とすることにより、組付時における作業性が向上する。
【0069】
さらには、ECU本体56やホールIC52、54、端子62等、比較的に厚さ寸法や高さ寸法(何れも素子基板44の厚さ方向に沿った寸法)の大きな部材が素子基板44のウオームホイール38側の面に設けられる。このように、素子基板44とウオームホイール38との間に形成した空隙(空間)を上記のような部材の配置空間として有効活用することで、ギヤボックス32の薄型化、ひいては、駆動モータ14の薄型化を図ることができる。
【0070】
また、本駆動モータ14では、取り付け片86にボルト等の連結手段が貫通するドア12にギヤボックス32、すなわち、本駆動モータ14が取り付けられるが、取り付け片86に対する連結手段の貫通(係合)方向はウオームホイール軸40方向、すなわち、ギヤボックス32への素子基板44の組付方向と同じ方向とされているため、ギヤボックス32をドア12に取り付けたままの状態でギヤボックス32に対して素子基板44を着脱できる。
【0071】
さらに、本駆動モータ14では、アーマチャシャフト34の軸方向に沿った方向から見ると、アーマチャシャフト34を介してウオームホイール38とは略反対側に端子62が位置する空洞部60に端子62が配置される。このため、アーマチャシャフト34に対してウオームホイール軸40方向に沿って方向の側方に端子62を配置した場合に比べて、ウオームホイール軸40方向に沿ったギヤボックス32の寸法を小さくでき、この意味でも、本駆動モータ14の小型化、薄型化が可能となる。
【0072】
また、本駆動モータ14では、上記の素子基板44がギヤボックス32内のモータカバー42とウオームホイール38との間に設けられるが、ウオームホイール軸40はモータカバー42の軸受部82に軸支される。このため、回転時等に応力がかかるウオームホイール軸40を確実に支持できる。
【0073】
しかも、素子基板44に形成された環状部46の内側をウオームホイール軸40はこの環状部の内側を通過する。このため、素子基板44がウオームホイール軸40に干渉することなく(換言すれば、素子基板44によりウオームホイール軸40が邪魔されることなく)、確実にモータカバー42の軸受部82にウオームホイール軸40を支持させることができる。
【0074】
また、モータ14では、係合凹部74に係合凸部76が係合されることで、ギヤボックス32に対する素子基板44の位置決めが成される。このように素子基板44の位置決めが行なわれることで、ホールIC52、54の位置決めを容易に行なうことができる。
【0075】
本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0076】
例えば、上記実施例では、磁気センサとしてのホールIC52、54は、ウオームホイール38に対応位置してウオームホイール38の回転位置を検出しているが、本発明がこのような構造に限定されるものではない。
【0077】
例えば、アーマチャシャフトの基端部の外周にマグネットを設けると共に、このマグネットと基板との間にホールIC52、54を設け、あるいは、アーマチャシャフトの先端部の外周にマグネットを設けると共に、このマグネットと基板との間にホールIC52、54を設けてアーマチャシャフトの回転位置を検出してもよい。また回転位置に限らず、回転速度等の回転に係る他の検出を行なうものでもよく、更に、磁気センサは、ホールIC52、54に限定されるものではない。
【0078】
なお、このような構成とした場合には、通常、アーマチャシャフトの軸方向に沿ったモータ本体の端部側方のスペースをホールIC52、54等の磁気センサの設置スペースとして利用できるため、駆動モータ14の更なる小型化に寄与するというメリットがある。
【0079】
また、上記実施例では、ホールICを2個設けているが、その個数は限定されず、一個でもよく、3個以上の複数個でもよい。ホールICが複数個である場合には、パルス分解能は、ホールICの個数倍となる。なお、マグネット50の極数が多くなるのに従い、パルス分解能は高くなる。
【0080】
更に、ギヤボックス32では、ウオーム36とウオームホイール38とで構成されるウオームギヤが設けられているが、これに限定されるものではない。
【0081】
また更に、ECUによるモータ制御も、上記実施例の制御に限定されるものではない。
【0082】
【発明の効果】
以上から明らかなように本発明は、制御部での構成部品点数の削減が果たされ、また、制御部との間の配線の簡素化、短距離化が果たされる。しかも、基板とウオームホイールとの間の空き空間が有効に活用され、ギヤボックスを薄型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るパワーウインドウ駆動モータの分解斜視図である。
【図2】パワーウインドウの概略斜視図である。
【図3】パワーウインドウ駆動モータのアーマチャシャフトの軸直角方向から見た一部破断図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】本実施例のパワーウインドウの配線図である。
【図6】従来のパワーウインドウ駆動モータの制御部を示す斜視図である。
【図7】従来のパワーウインドウの配線図である。
【符号の説明】
14・・・パワーウインドウ駆動モータ、24・・・窓ガラス(ウインドウ)、26・・・モータ本体、32・・・ギヤボックス、34・・・アーマチャシャフト、36・・・ウオーム(ウオームギヤ)、38・・・ウオームホイール、40・・・ウオームホイール軸、42・・・モータカバー(カバー)、44・・・素子基板(基板)、46・・・環状部、52、54・・・ホールIC(磁気センサ)、56・・・ECU本体(制御部)、62・・・端子、74・・・係合凹部、76・・・係合凸部

Claims (6)

  1. アーマチャシャフトを備え、前記アーマチャシャフトを介して伝達した駆動力によりウインドウを開閉駆動するモータ本体と、
    前記アーマチャシャフトに設けられたウオームギヤに噛み合うウオームホイールと、
    前記モータ本体に連結されると共に、内側に前記ウオームホイールを収容するギヤボックスと、
    前記ギヤボックスを閉止するカバーと、
    前記ウオームホイールを介して前記ギヤボックスの外部に前記駆動力を出力する出力部とは反対側で前記ギヤボックス内における前記カバーと前記ウオームホイールとの間に設けられた基板と、
    前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、前記モータ本体の回転に伴いパルスを発する磁気センサと、
    前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、前記磁気センサの信号に基づき前記モータ本体を制御する制御部と、
    を備えるパワーウインドウ駆動モータ。
  2. 前記ギヤボックスの内側及び前記基板の外周縁の何れか一方に形成された係合凹部と、
    前記係合凹部に係合可能に前記ギヤボックスの内側及び前記基板の外周縁の何れか他方に形成されて、前記係合凹部に係合することで前記何れか一方に対して前記何れか他方を位置決めする係合凸部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のパワーウインドウ駆動モータ。
  3. 前記基板の前記ウオームホイール側で前記基板へ装着され、外部の電源に接続される端子を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーウインドウ駆動モータ。
  4. 前記ウオームホイールのウオームホイール軸方向に沿って前記基板よりも前記カバー側で前記ウオームホイール軸の一端が軸支されると共に、前記基板よりも前記カバーへの前記ウオームホイール軸の到達を許容する部分を前記基板に形成した、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のパワーウインドウ駆動モータ。
  5. 前記ウオームホイールのウオームホイール軸方向に沿って前記基板よりも前記カバー側で前記ウオームホイール軸の一端が軸支されると共に、前記基板よりも前記カバー側に到達する前記ウオームホイール軸に対する干渉を回避する部分を前記基板に形成した、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のパワーウインドウ駆動モータ。
  6. 前記ウオームホイール軸の回転周方向に沿って周方向の環状に形成されると共に、内周部が前記ウオームホイール軸の回転半径方向に前記ウオームホイール軸から離間した状態でウオームホイール軸が貫通する環状部を、前記許容する部分又は前記干渉を回避する部分とした、
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のパワーウインドウ駆動モータ。
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