JP3586306B2 - 内視鏡の可撓管の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は内視鏡の可撓管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内視鏡の可撓管は、金属帯材製の螺旋管の外周に金属細線製の網状管を被覆して作られた可撓管素材の外周に、ゴム材等からなる外皮チューブを被覆して形成されている。
【0003】
ただし、外皮チューブが可撓管素材から剥離しないように、可撓管素材の外周面にはポリウレタン系、エポキシ系又はポリビニル系等の接着剤を塗布しておき、外皮チューブを被覆した後で加熱して外皮チューブのゴム加硫を行うことによって、可撓管素材外面の網状管と外皮チューブとが接着剤で接合されるようにしている。
【0004】
また、可撓管の両端には口金を取り付ける必要があるので、網状管と外皮チューブとが接着剤で接合された後に、両端部で外皮チューブを剥がして、そこに口金をハンダ付けしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、外皮チューブ被覆後にゴム加硫を行う際に、上述のようなポリウレタン系、エポキシ系又はポリビニル系等の接着剤によって、可撓管素材を構成する網状管と螺旋管が接着されてしまったり、螺旋管が二重以上に重ね合わされている場合には螺旋管どうしが接着されてしまって、本来滑らかに曲がるべき可撓管が不規則に曲がったり、部分的に曲がらなかったりして、体腔内への挿入性を阻害する場合があった。
【0006】
また、両端部に口金をハンダ付けする際には、そこに接着剤が付着していて、それを拭いても網状管の網目の間に入り込んでいる接着剤を完全に落とすことはできないので、ハンダの付きが不完全になりがちで、口金脱落の原因になる可能性があった。
【0007】
そこで本発明は、外皮チューブと接着するために網状管の外周面に塗布した接着剤がその内側の螺旋管と網状管とを接合することがなく、したがって可撓管が滑らかに屈曲することができ、また、両端口金が確実にハンダ付けされて脱落するようなことのない内視鏡の可撓管の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の可撓管の製造方法は、金属帯材を螺旋状に巻いて形成された螺旋管の外周に金属細線を含む素線を編組して形成された網状管を被覆して作られた可撓管素材の外周に、ゴム材料からなる外皮チューブを被覆して形成された内視鏡の可撓管の製造方法において、シラン系加硫接着剤を上記可撓管素材の外表面に塗布して上記網状管の外表面に一体的に結合させた後、その外周面に上記ゴム材料からなる外皮チューブを被覆して、そのゴム材料の加硫温度で上記外皮チューブのゴム加硫を行うことによって、上記外皮チューブと上記網状管とが上記シラン系加硫接着剤で接合されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
なお、上記シラン系加硫接着剤塗布前に、上記可撓管素材の両端近傍の口金取り付け部分にハンダをコーティングして、その外側から上記シラン系加硫接着剤を塗布するとよく、また、上記シラン系加硫接着剤を着色しておくとよい。
【0010】
【実施例】
図面を参照して実施例を説明する。
図1は、内視鏡の挿入部を外装する可撓管を示しており、その最内層は、巻き方向の異なる二重の螺旋管1によって形成されている。
【0011】
螺旋管1は、ステンレス鋼またはリン青銅などの金属帯材を一定のピッチで一定の径に螺旋状に巻いて形成されている。なお、螺旋管1は一重でもよく、三重以上に形成してもよい。
【0012】
螺旋管1の外周には、網状管2が被覆されている。網状管2は、ステンレス鋼等の金属細線からなる素線を複数本束ねたものを編組して管状に形成されており、素線の一部が非金属であってもよい。このように、螺旋管1の外周に網状管2が被覆された状態のものを「可撓管素材」というものとする。
【0013】
可撓管素材1,2の外周には、ゴム材料からなる外皮チューブ3が被覆されている。そのゴム材料としてはシリコンゴム又はフッ素ゴム等が用いられ、可撓管素材1,2の外周面に塗布されたシラン系加硫接着剤4によって、加硫時に網状管2と接着されている。
【0014】
そのように形成された可撓管の前後両端部には、ステンレス鋼又は真鍮等からなる口金6,7がハンダ付け8によって取り付けられており、そのハンダ付けを行うために、網状管2の前後両端部分には、ハンダが少し広い範囲にプレコートされている。9及び10で示される斜線部分が、そのプレコートハンダである。
【0015】
図2ないし図11は、上記の可撓管の製造工程を順に示している。
まず、可撓管の内径寸法の太さに形成された芯金(図3に示される12)に二重の螺旋管1を巻きつけた後、その外周に、図2に示されるように網状管2を被覆して、両者がばらばらにならないように両端部分に仮止め用ハンダ付け11をする。これで、可撓管素材1,2ができたことになる。
【0016】
次に、図3に示されるように芯金12を抜いてから、図4に示されるように、仮止め用ハンダ付け11より内側の口金6,7がハンダ付けされる部分に、ハンダを事前コーティング(以下「プレコート」と言う)しておく。9及び10で示される斜線部分が、そのハンダのプレコート部分である。
【0017】
先端側の口金6が取り付けられる部分は、可撓管の硬質部(曲がらない部分)が伸びないように、プレコートハンダ9の長さはハンダしろより2〜3mm長めにする程度にとどめる。
【0018】
一方、後端側の口金7が取り付けられる部分は、硬質部が多少伸びても差し支えないので、可撓管の全長の伸縮を考慮して、少し長めにプレコート10を施しておく。
【0019】
次いで、図5に示されるように、網状管2の外表面にシラン系加硫接着剤4を吹きつけ塗布する。シラン系加硫接着剤4としては、例えばシラン化合物である不飽和シロキサンとアミノアルキルシロキサン等をアルコールに溶解させたものを用いることができる。市販品としては、横浜高分子研究所のモニカスQZR−48、住友スリーエムのダイナマ−5150、ロードファーイーストのケムロック4310などを用いることができる。
【0020】
シラン系の接着剤は、ほとんどが無色透明のため、どの範囲に塗布されたのか、そして一様に塗布されたかどうか等が判別しにくいので、アルコール等に溶解する顔料を混合して着色することにより、作業性が向上する。
【0021】
続いて、シラン系加硫接着剤4中の溶剤が乾燥するのを待ってから外皮チューブ3の被覆を行うが、その際図6に示されるように、シラン系加硫接着剤4が塗布された可撓管素材1,2に長い芯金14を通して加熱炉15に入れ、100〜200℃で数分間加熱する。これによって、網状管2とシラン系加硫接着剤4との密着性が良くなることが実験によって確認された。
【0022】
可撓管素材1,2が冷却されたら、図7に示されるように、その外面をゴム材料からなる外皮チューブ3で被覆する。外皮チューブ3の被覆は、押し出し成形、コーティング、ディッピング、生ゴムのチューブ被覆等どのような手段で行ってもよい。
【0023】
このようにして、シラン系加硫接着剤4が塗布された可撓管素材1,2の外面にシラン系加硫接着剤4が被覆されたものを、図8に示されるように、加熱炉15に入れて外皮チューブ3のゴム材料の加硫温度である110〜180℃で10分〜1時間加熱し、外皮チューブ3のゴム加硫を行う。
【0024】
この加硫のための加熱によって、外皮チューブ3と網状管2とがシラン系加硫接着剤4によって加硫接着される。この加硫の後、さらに150〜260℃で数時間にわたって後加硫を行うと、外皮チューブ3と網状管2との接着力がさらに増大する。
【0025】
また、外皮チューブ3被覆時に、網状管2の網目の隙間の一部又は全体にゴム材料が入るようにしてやれば、外皮チューブ3と網状管2との接着力がさらに増大する。
【0026】
しかし、シラン系接着剤には金属どうしを接着する性質がないか、あっても非常に弱いので、二重の螺旋管1どうし、或いは螺旋管1と網状管2とは接着されず、たとえ接着されても、あとで可撓管を屈曲させるだけでその接着状態が解放され、可撓管が滑らかにしなやかに曲がる。
【0027】
次に、図9に示されるように、まず可撓管の先端側の部分において、プレコートハンダ9が露出するように外皮チューブ3を剥がして、プレコートハンダ9の外表面をヤスリで擦って汚れのないハンダ面を出してから、図10に示されるように、そこに前側口金6をハンダ付けする。
【0028】
そして、可撓管の全長を計測して、それに合わせて後端側の部分でプレコートハンダ10が露出するように外皮チューブ3を剥がして、プレコートハンダ10の外表面をヤスリで擦って汚れのないハンダ面を出してから、図11に示されるように、そこに後側口金7をハンダ付けする。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓管素材の外面側の網状管とその外面に被覆されるゴム材料からなる外皮チューブとがゴム加硫時にシラン系加硫接着剤によって接着されるが、シラン系接着剤は金属どうしを接合しないので、可撓管素材自体の螺旋管どうしや螺旋管と網状管とが接合されることがない。その結果、滑らかにしなやかに曲がる品質の安定した可撓管を、作業性よく製造することができる。
【0030】
また、可撓管素材の両端近傍の口金取り付け部分にハンダをコーティングしておくことにより、最後に両端口金が確実にハンダ付けされて脱落するおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の内視鏡の可撓管の側面断面図である。
【図2】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図3】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図4】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図5】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図6】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図7】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図8】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図9】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図10】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【図11】実施例の内視鏡の可撓管の製造工程図である。
【符号の説明】
1 螺旋管
2 網状管
3 外皮チューブ
4 シラン系加硫接着剤
Claims (2)
- 金属帯材を螺旋状に巻いて形成された螺旋管の外周に金属細線を含む素線を編組して形成された網状管を被覆して作られた可撓管素材の外周に、ゴム材料からなる外皮チューブを被覆して形成された内視鏡の可撓管の製造方法において、
着色されたシラン系加硫接着剤を上記可撓管素材の外表面に塗布して上記網状管の外表面に一体的に結合させた後、その外周面に上記ゴム材料からなる外皮チューブを被覆して、そのゴム材料の加硫温度で上記外皮チューブのゴム加硫を行うことによって、上記外皮チューブと上記網状管とが上記シラン系加硫接着剤で接合されるようにしたことを特徴とする内視鏡の可撓管の製造方法。 - 上記シラン系加硫接着剤塗布前に、上記可撓管素材の両端近傍の口金取り付け部分にハンダをコーティングして、その外側から上記シラン系加硫接着剤を塗布するようにした請求項1記載の内視鏡の可撓管の製造方法。
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