JP3586246B2 - パルスレーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電波を送信し、その送信した電波が物体に反射した反射波を受信することによって物体の有無を検出し、検出された物体までの距離を計測するパルスレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパルスレーダ装置としては、特開平7−72237号公報にて提案されているものがある。この装置は、図23に示すように、制御手段102の制御の元にパルス信号送出手段101によってパルス状の信号を周期的に出力する。そして、物標からの反射パルスを反射パルス信号受信手段103によって連続的に受信し、2値化手段によって2値化する。そしてサンプリング手段104が、パルス信号送出手段101の送出タイミング後、一定の1つ又は複数のサンプリング点毎に2値化信号をサンプリングして0又は1のサンプリング値を得て、これをサンプリング点それぞれの点に対応する加算・記憶手段105に与える。そこで、加算・記憶手段105がパルス信号送出手段101による信号の所定の送出回数分ずつ0又は1のサンプリング値を加算する。所定回数分の加算処理が終了すると、判定手段106が加算・記憶手段105毎の加算値を加算回数で除算して得られる正規化加算値を所定の閾値と比較し、その大小に基づいて外部の物標からの反射信号が存在するか否かを判定し、これに基づいて外部の物標の有無を判定するものから構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のパルスレーダ装置は、送信・受信のアイソレーションが悪く、いわゆる漏れ波形が存在する場合、あるいはレドームがある場合、次のような理由により、上記の装置を用いて10m未満の距離に存在する物体の検出、およびその物体までの距離の測定を行うことは困難である。すなわち、提案されている装置では、その送信パルス幅が距離にして10mに相当する66.7nsであるので、図24に示すように10mよりも近い距離に物体が存在する場合、漏れ波形あるいは2次レドームによる反射波と物体による反射波の波形が重なり合った波形が検出される。そのため、非送信中の受信レベル、いわゆるノイズレベルをもとに閾値を設定したのでは、漏れ波形の立ち上がりしか検出できず、本当に検出したい反射波の立ち上がりを検出することができない。
【0004】
こういった課題への対策として、W. Weidmann and D. Steinbuch, ”High Resolution Radar for Short Range Automotive Applications”, 28th European Microwave Conference Amsterdam, 1998に記載のようにパルス幅を350psといった非常に短いものにする方法や特開平10−62518号公報に記載のように送信波形を利用して漏れ波形を打ち消してしまう方法が提案されている。しかしながら、この文献に記載されているように送信パルス幅を350psまで短くすると、物体までの距離が約5cm以下の場合しか漏れ波形と反射波の波形が重ならないので上述の課題は解決されるものの、その占有帯域幅が非常に広くなるので、現行の電波法の範囲では使用できないという問題点がある。また、上記の特開平10−62518号公報のように送信波形を利用して漏れ波形を打ち消す方法の場合、個体差あるいは使用条件の違いによる送信と漏れ波形の受信までの時間間隔の違い、漏れ波形の大きさの違いなどに対応することが難しく状況に合わせて調整しなければならないという課題がある。
【0005】
この発明は、このような課題を解決すべく考案されたものであり、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号と、移動しているターゲットからの反射信号との位相差が変化すると受信信号が変化することを利用して、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号が存在しても、現行の電波法の範囲内で正しく物体を検出できるパルスレーダを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係るパルスレーダ装置は、パルス状の電波を送信する送信手段と、該送信手段によって送信した電波が複数の物体に反射した反射波を受信しその受信信号を出力する受信手段と、該受信手段からの信号をあらかじめ設定した所定レベルとの比較により2値化するコンパレータ手段と、送信からの所定の時間間隔で上記コンパレータ手段の出力をサンプリングし、そのサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数分積算する第1の積算手段と、各サンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の積算結果を所定時間毎に読み出し、積算結果のサンプリング方向の微分を演算する微分演算手段と、各サンプリングタイミング毎に上記微分演算手段からの出力をもとに設定された基準値と上記微分演算手段からの出力との差の絶対値を求める差分演算手段と、該差分演算手段の出力を所定回数分だけサンプリングタイミング毎に積算する第2の積算手段と、該第2の積算手段からの出力をもとにピークを検出するピーク検出手段と、該ピーク検出手段からの出力をもとにターゲットまでの距離を算出し、ターゲットの有無を判断する測距・検出手段と、上記電波の送信、受信、信号処理のタイミング制御を行うタイミング制御手段とを備えたものである。
【0007】
請求項2の発明に係るパルスレーダ装置は、上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、前回の該微分演算手段からの出力とするものである。
【0008】
請求項3の発明に係るパルスレーダ装置は、上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、あらかじめ設定した回数分の該微分演算手段の出力の平均値とするものである。
【0009】
請求項4の発明に係るパルスレーダ装置は、上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差を求めるものである。
【0010】
請求項5の発明に係るパルスレーダ装置は、上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングおよびその隣々のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差をそれぞれ求め、それらの和を求めるものである。
【0011】
請求項6の発明に係るパルスレーダ装置は、上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、あらかじめ設定した値を超えるサンプリングタイミングを出力するものである。
【0012】
請求項7の発明に係るパルスレーダ装置は、検出しきい値を設定する検出しきい値設定手段を備え、上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、該第2の積算手段の積算結果をもとに、上記検出しきい値設定手段が設定した検出しきい値を超えるサンプリングタイミングを出力するものである。
【0013】
請求項8の発明に係るパルスレーダ装置は、上記検出しきい値設定手段は、1つあるいは複数のサンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段による積算結果の平均値を求め、その平均値をノイズレベルとするノイズレベル設定手段と、該ノイズレベル設定手段によるノイズレベルをもとに検出しきい値を算出する検出しきい値算出手段とを有するものである。
【0014】
請求項9の発明に係るパルスレーダ装置は、上記測距・検出手段は、上記ピーク検出手段が出力するサンプリングタイミングでの上記第2の積算手段による積算結果、およびその前後のサンプリングタイミングでの該第2の積算手段による積算結果をもとに距離を算出する距離算出手段と、該距離算出手段の算出結果に基づきターゲットが存在するか否かを判定する検出判定手段とを有するものである。
【0015】
請求項10の発明に係るパルスレーダ装置は、上記第1の積算手段の積算結果に応じて、受信信号のグランドレベルを変更するグランドレベル変更手段を備えたものである。
【0016】
請求項11の発明に係るパルスレーダ装置は、上記第1の積算手段によるサンプリングタイミング毎の積算結果の平均値を求め、該平均値が所定の範囲を超えている場合、グランドレベルを変更する信号を上記グランドレベル変更手段へ出力するグランドレベル制御手段を備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図1において、401はパルス状の電波を送信する送信手段、402は電波の送信、受信、信号処理のタイミング制御を行うタイミング制御手段、403は送信手段401によって送信した電波が複数の物体に反射した反射波を受信しその受信信号を出力する受信手段、404は受信手段403からの信号をあらかじめ設定した所定レベルとの比較により2値化するコンパレータ手段、405は送信からの所定の時間間隔でコンパレータ手段404の出力をサンプリングし、そのサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数分積算する第1の積算手段、406各サンプリングタイミングにおける第1の積算手段405の積算結果を所定時間毎に読み出し、積算結果のサンプリング方向の微分を演算する微分演算手段、407は各サンプリングタイミング毎に微分演算手段406からの出力をもとに設定された基準値との差の絶対値を求める差分演算手段、408は差分演算手段407の出力を所定回数分だけサンプリングタイミング毎に積算する第2の積算手段、409は第2の積算手段408からの出力をもとにピークを検出するピーク検出手段、410はピーク検出手段409からの出力をもとにターゲットまでの距離を算出し、ターゲットの有無を判断する測距・検出手段である。
【0018】
図2は、この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成の具体的な一例を示すブロック図である。
本実施の形態におけるパルスレーダ装置は、図2に示すように、大きく5つの部分から構成される。すなわち、所定幅(例えば96ns)のパルス状の電磁波(中心周波数24.125GHz)を一定の周期(例えば1024ns)で送信する送信手段501、およびその電磁波の周辺対象物による反射波を受信する受信手段502から構成されるRFモジュール1、受信手段502により受信した信号が飽和しないように、後述のCPU5による指示に基づきグランドレベルを変更するためのグランドレベル変更手段513としての加算器回路2、加算器回路2の出力を2値化するためのコンパレータ手段503としてのコンパレータ回路3、タイミング制御手段510および第1の積算手段504からなるフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(以下、FPGAと称する。)、微分演算手段505、差分演算手段506、第2の積算手段507、ピーク検出手段508、距離算出手段511、検出判定手段512およびグランドレベル制御手段514を実現するCPUから構成される。なお、距離算出手段511、検出判定手段512は測距・検出手段509を構成する。
【0019】
RFモジュール1のの具体的な構成を図3に示す。受信側局部発振器(RxLO)22による10.8375GHzの信号は、Mixer11にて送信側局部発振器(TxLO)12による1.225GHzの信号とミキシングされ、その後Modulator13にて送信信号に基づいてパルス状の信号となる。次のDoubler14にて2逓倍され、続くFilter15にて24.125GHzの信号となり、Txアンテナ7より電波として外部に放射される。外部の物体により反射された電波は、Rxアンテナ6より受信され、RxRFAmp16により増幅された後、Mixer17により、受信側局部発振器RxLO22からの信号とミキシングされ中間周波数まで落とされる。その後、RxIFAmp18、Filter19、RxIFAmp20を経由し、Detector21にて包絡線検波され受信信号となる。
【0020】
タイミング制御手段510および第1の積算手段504で構成されるFPGA4の内部構成を図4に、その動作に関するタイミングチャートを図5に示す。
このFPGA4は、タイミング制御回路41、シフトレジスタ42、シフトレジスタ42の各ビットに対応した加算器43〜46と積算用レジスタ47〜50により構成している。タイミング制御回路41は、FPGA4外部に接続した発振器(図示せず)によるクロック信号(例えば125MHz=8ns周期)に基づき、送信手段501が電磁波放射をOn/Offするための送信信号(例えば、幅96ns、周期1024ns)、後述のシフトレジスタ42に対してビットシフトするタイミングを伝えるシフト信号、加算器43〜46に対して加算タイミングを伝える加算信号、積算用レジスタ47〜50に対して加算器43〜46の出力を保持するタイミングを伝える積算信号および積算処理終了をCPU5に対して伝える積算処理終了信号を生成する。シフトレジスタ42は、タイミング制御回路41のシフト信号に基づき1ビットずつシフトしながら、コンパレータ回路3の出力する2値化データを記憶していく。加算器43〜46は、タイミング制御回路41からの加算信号に従って各ビットの2値化データ(0又は1)と積算用レジスタ47〜50の内容をそれぞれ加算する。積算用レジスタ47〜50は、加算器43〜46による出力を積算データとして保持し、CPU5からの要求があるときには、レジスタの内容を出力する。
【0021】
次に、このFPGAの動作を、図5を参照して説明する。
まず、外部クロック信号に基づき、送信信号を立ち上げ10クロック後に立ち下げる。送信信号の立ち上げと同時にクロック信号に同期したシフト信号をシフトレジスタ42のビット数だけ出力する。このシフト信号に基づき、シフトレジスタ42はコンパレータ回路3の出力する2値化データを各ビットに保持していく。続いて、シフトレジスタ42のビット数分のシフト信号を出力した後、加算/積算信号を出力する。この信号に基づいて、加算器43〜46、積算用レジスタ47〜50はそれぞれ加算、積算データの保持を行う。そして、所定回数(例えば1000回)この動作を繰り返した後、CPU5に対して積算処理終了信号を出力する。この積算処理終了信号を受信すると、CPU5は各積算用レジスタ47〜50の内容を読み出す。
【0022】
続いて、微分演算手段505、差分演算手段506、第2の積算手段507、ピーク検出手段508、距離算出手段511、検出判定手段512およびグランドレベル制御手段514を実現するCPU5における処理について説明する。
CPU5では、図6に示すように、まずステップ801にてCPU5内部の初期化を行う。続いてステップ802でデータの初期化を行った後、ステップ803でFPGAからの積算処理終了信号を待つ。FPGAからの積算処理終了信号を受信すると、ステップ804で各サンプリングタイミングでの積算結果をFPGA[i][j]という2次元配列に格納していく。ここで、i(=0〜N;Nはシフトレジスタのビット数)はサンプリングタイミングを、j(=0〜59;第2の積算手段507での積算回数を60回とした場合)は格納の順番を示す。
【0023】
FPGA4からの積算処理終了信号の受信回数が所定回数(ここでは、60回)に達すると、ステップ805からステップ806以降の処理、すなわち、グランドレベル制御処理(ステップ806)、微分演算処理(ステップ807)、差分演算処理(ステップ808)、第2の積算処理(ステップ809)、ピーク検出処理(ステップ810)、距離算出処理(ステップ811)、検出判定処理(ステップ812)を行う。その後、ステップ813にて処理周期である50msが経過したか否かを確認し、もし経過していれば、ステップ802に戻って同じ動作を繰り返す。
【0024】
ステップ806のグランドレベル制御処理について、より詳細に説明する。
図7に示すように、図中Aの位置にしきい値を設定して2値化した場合、周辺物体の有無に関わらず常時1となり物体を検出できない。グランドレベル制御処理は、受信信号のグランドレベルを調整することで、受信信号全体を上下させ、しきい値が図中Bの位置に来るようにするための処理である。
【0025】
図8にグランドレベル制御処理のフローチャートを示す。
ステップ1001から1009の処理にて、各サンプリングタイミングにおける60回分の積算値の和Sum[i]を求める。次のステップ1010で各サンプリングタイミングにおける積算値の和Sum[i]の平均値SumMeanを算出する。ステップ1010にてSumMeanとあらかじめ設定した値SUMMEAN1を比較し、SumMean SUMMEAN1 以上の場合、ステップ1012でグランドレベル変更手段513である加算器回路2への指示値を減らす。
【0026】
一方、SUMMEAN1 の方が大きい場合、ステップ1011にてSumMeanとSUMMEAN2(ただしSUMMEAN1>SUMMEAN2)とを比較し、SumMean SUMMEAN2 以下の場合、ステップ1014でグランドレベル変更手段513である加算器回路2への指示値を増やす。また、SUMMEAN2のほうが小さい場合は、ステップ1013にて前回の指示値をそのまま保持する。そして、ステップ1015にて指示値をD/A変換してCPUから出力し、加算器回路2にて受信信号と加算することで、受信信号のグランドレベルを調整する。なお、本実施の形態では、受信信号のグランドレベルを変更することで、しきい値の位置を調整しているが、しきい値自体を制御してもかまわない。
【0027】
次に、微分演算処理(ステップ807)、差分演算処理(ステップ808)、第2の積算処理(ステップ809)について詳細に説明する。
周辺物体とレーダとの相対的な距離が変化している場合、図9に示すように、漏れ込み信号成分と周辺物体からの反射信号成分が重畳されている部分に相当するサンプリングタイミングでは、信号の大きさが変化する。よって、FPGAからの積算データ(第1の積算処理)に対して、サンプリング方向に微分をとる。つまり、注目するサンプリングタイミングにおける積算データとその隣のサンプリングタイミングにおける積算データとの差を求めると、漏れ込み信号成分と周辺物体からの反射信号成分が強めあう場合には、図10(a)のようになる。一方、漏れ込み信号成分と周辺物体からの反射信号成分が弱めあう場合には、図10(b)のようになる。よって、周辺物体とレーダとの相対的な距離が変化している場合には、微分値はプラスからマイナス、マイナスからプラスへ変化することになる。
【0028】
したがって、微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値を、前回の微分値とする時、今回の微分値との差を求め、その絶対値を積算していけば、図11のようになるので、これからピークを求め、あらかじめ設定したしきい値と比較することで周辺物体を検出する。
【0029】
上記を実現するために、まずステップ807の微分演算処理では、図12のフローチャートに示すように処理を行い、各サンプリングタイミングにおける微分値を算出する。次のステップ808の差分演算処理では、図13のフローチャートに示すような処理を行い、各サンプリングタイミングにおける送信タイミング毎の微分値の差分を算出する。ステップ809第2の積算処理では、図14のフローチャートに示すような処理を行い、各サンプリングタイミングにおける微分値の差分を積算する。
【0030】
ステップ810ピーク検出処理では、図15のフローチャートに示すような処理を行い、第2の積算処理の出力を用い、極大となるサンプリングタイミングを求め、そのうち、あらかじめ設定した検出しきい値ThSumを超えるサンプリングタイミングPeak[PeakNo]を出力する。
【0031】
続くステップ811距離算出処理では、図16のフローチャートに示すような処理を行い、距離を算出する。
すなわち、まずステップ1701で、ステップ810で演算したPeakNoが0か否かを判定する。PeakNoが0の場合は、あらかじめ設定した値を超えるピークが存在しなかったということなので、検出距離DetDist[0]、DetDist[1]を最大距離DETDIST_MAXとする(ステップ1712)。一方、PeakNoが0より大きい場合は、ステップ1702にて、1つ目のピークPeak[0]の両隣のサンプリングタイミングにおける第2積算値を比較し、左隣のサンプリングタイミングにおける第2積算値が、右隣の第2積算値よりも大きい場合には、ステップ1703へ進む。
【0032】
ステップ1703では、Peak[0]の他、Peak[0]−2、Peak[0]−1、Peak[0]+1のサンプリングタイミングにおける第2積算値を使用し、加重平均をとる。また、左隣のサンプリングタイミングにおける第2積算値が、右隣の第2積算値よりも小さい場合には、ステップ1704へ進み、Peak[0]の他、Peak[0]−1、Peak[0]+1、Peak[0]+2のサンプリングタイミングにおける第2積算値を使用し、加重平均をとる。ステップ1705では、1サンプリングに相当する距離DIST_UNITを乗じ、単位を[m/256]とするために、256を乗ずる。ステップ1706では、もう1つピークが存在するかを否かを判定し、存在する場合には、ステップ1707へ進み、上記同様の処理を行う。2つ目のピークが存在しない場合には、DetDist[1]を最大距離DETDIST_MAXとする(ステップ1711)。なお、ここでは、2つまでのピークを求める場合について示したが、それ以上を求める場合でも処理は同様である。また、ここでは、ピーク前後の第2積算値について加重平均を用いたが、それ以外の方法を用いて、距離の補間を行ってもよい。
【0033】
ステップ812検出判定処理では、図17のフローチャートに示すようなカウンタ処理を行うことで、ある程度安定して検出距離が算出された場合のみ、検出フラグを設定することで、何らかのノイズによる誤検出を防止している。
【0034】
以上より、本実施の形態によれば、漏れ込み信号成分と反射信号成分の位相差によって発生する、各サンプリングタイミングにおける信号の大きさの変化開始点を微分をとることにより検出し、さらにその前回の微分値との差分をとり、積算し検出することで周辺物体までの距離を算出するので、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号といった、いわゆる漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出できる。
つまり、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号と、移動しているターゲットからの反射信号との位相差が変化すると受信信号が変化することを利用して、物体検出と測距を行うので、近距離において受信信号に漏れ込み信号が含まれていても、正しく物体を検出し、距離を測定することができる。
【0035】
また、ピークとなるサンプリングタイミングにおける第2の積算値およびその前後のサンプリングタイミングにおける第2の積算値を用いて補間し、距離を算出するので、粗いサンプリング間隔でも、距離計測の分解能を向上させることができる。
【0036】
さらに、全体としての受信信号の大きさに応じてそのグランドレベルを調整することで2値化する際のしきい値が自動的に適正なところに設定されるので、取付け状態が異なり漏れ込み信号成分が異なる場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができる。
【0037】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1におけるCPU内の処理を変更したものであり、その他の部分、すなわちRFモジュール、加算器回路、コンパレータ回路、FPGAの内容は上記実施の形態1と同様のものである。その処理の概要を図18に示す。
【0038】
本実施の形態におけるCPUの処理について説明する。
図18に示すように、まずステップ1901にてCPU内部の初期化を行う。続いてステップ1902でデータの初期化を行った後、ステップ1903でFPGA4からの積算処理終了信号を待つ。FPGA4からの積算処理終了信号を受信すると、ステップ1904で各サンプリングタイミングでの積算結果をFPGA[i][j]という2次元配列に格納していく。ここで、i(=0〜N;Nはシフトレジスタのビット数)はサンプリングタイミングを、j(=0〜59;第2の積算手段507での積算回数を60回とした場合)は格納の順番を示す。
【0039】
FPGA4からの積算処理終了信号の受信回数が所定回数(ここでは、60回)に達すると、ステップ1905からステップ1906以降の処理、すなわち、グランドレベル制御処理(ステップ1906)、微分演算処理(ステップ1907)、平均値算出処理(ステップ1908)、差分演算処理(ステップ1909)、第2の積算処理(ステップ1910)、ピーク検出処理(ステップ1911)、距離算出処理(ステップ1912)、検出判定処理(ステップ1913)を行う。その後、ステップ1914にて処理周期である50msが経過したか否かを確認し、もし経過していれば、ステップ1902に戻って同じ動作を繰り返す。
【0040】
以降、上記実施の形態1と異なる処理である、微分演算処理(ステップ1907)、平均値算出処理(ステップ1908)、差分演算処理(ステップ1909)、ピーク検出処理(ステップ1911)について説明する。
【0041】
微分演算処理(ステップ1907)では、FPGA4からの積算データ(第1の積算処理)に対して、サンプリング方向に微分をとる。つまり、注目するサンプリングタイミングにおける積算データとその隣のサンプリングタイミングにおける積算データとの差、および注目するサンプリングタイミングにおける積算データとその隣々のサンプリングタイミングにおける積算データとの差を求め、それぞれの和を算出する。このようにすることで、ノイズレベルに対する信号レベル、すなわちS/Nを向上できる。上記を実現するために、ステップ1907の微分演算処理では、図19のフローチャートに示すように処理を行い、各サンプリングタイミングにおける微分値を算出する。
【0042】
次に平均値算出処理(ステップ1908)および差分演算処理(ステップ1909)について説明する。
上記実施の形態1では、各サンプリングタイミングでの微分値の前回値を基準値とし、今回の微分値との差分を求めたが、本実施の形態では、特定回数分の微分値の平均値を基準値とし、各サンプリングタイミングにおける各時間での微分値の差分を求める。こうすることで、相対速度が小さく時間的な変化が少ない場合でも微分値の差分が得られるようになり、相対速度が小さい物体であっても検出しやすくなる。
【0043】
上記を実現するために、ステップ1908の平均値算出処理では、図20のフローチャートに示すように処理を行う。すなわち、ステップ2102〜2105で、特定のサンプリングタイミングiにおける60回分の微分値Diff[i][0]〜Diff[i][59]の平均値AveDiff[i]を算出する。以下、他のサンプリングタイミングについても同様に平均値を算出する。
【0044】
ステップ1909の差分演算処理では、図21のフローチャートに示すように処理を行う。すなわち、ステップ2202〜2204にて特定のサンプリングタイミングiにおける60回分の微分値の平均値AveDiff[i]と微分値Diff[i][j] (j=0〜59)の差分DiffSub[i][j]を求める。以下、他のサンプリングタイミングについても同様に平均値との差分を算出する。
【0045】
次に検出しきい値設定処理(ステップ1911)およびピーク検出処理(ステップ1912)について説明する。検出しきい値設定処理およびピーク検出処理は、実施の形態1におけるピーク検出処理に相当するものであり、レーダの使用環境が変化してノイズレベルが変化しても自動的にそれを学習し、特別な変更なく使用できるようにするためのものである。
【0046】
検出しきい値設定処理について説明する。本処理では、図22に示すように、まずステップ2301にて、微分変化積算値(第2の積算処理出力)Sum[i](ただし、i = M1〜M2)の平均値AveSumを求める。M1、M2については、通常物体が存在しない範囲を選択する。また、M1=M2としてどれか1つのサンプリングタイミングにおける変化積算値をそのままAveSumとしても良い。次にステップ2302にて、AveSumに所定値を加え、検出しきい値ThSumValとする。この加算する量は、ノイズレベルのばらつきからあらかじめ設定しておいても良いし、AveSumとSum[i]とのばらつきの最大値を算出しその値を用いて設定しても良い。
【0047】
ステップ1912のピーク検出処理は、図15のステップ1608においてThSumをThSumValに変更した処理を行う。
【0048】
以上より、本実施の形態によれば、漏れ込み信号成分と反射信号成分の位相差によって発生する、各サンプリングタイミングにおける信号の大きさの変化開始点を微分をとることにより検出し、さらにその時間的な平均値との差分をとり、積算し検出することで周辺物体までの距離を算出するので、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号といった、いわゆる漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出でき、さらに相対速度が小さく時間的な変化が少ない場合でも微分値の差分が得られるようになり、相対速度が小さい物体であっても検出しやすくなる。
【0049】
また、注目するサンプリングタイミングの隣および隣々のサンプリングタイミングでの積算値との差をとり、その和を微分値とすることにより、ノイズレベルに対する信号レベル、すなわちS/Nを向上できる。
【0050】
また、ノイズレベルの変動に応じて微分変化積算値に対するしきい値を変更するので、同一レーダであっても使用場所の移動などにより使用条件が異なってノイズレベルが増減した場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば、パルス状の電波を送信する送信手段と、該送信手段によって送信した電波が複数の物体に反射した反射波を受信しその受信信号を出力する受信手段と、該受信手段からの信号をあらかじめ設定した所定レベルとの比較により2値化するコンパレータ手段と、送信からの所定の時間間隔で上記コンパレータ手段の出力をサンプリングし、そのサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数分積算する第1の積算手段と、各サンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の積算結果を所定時間毎に読み出し、積算結果のサンプリング方向の微分を演算する微分演算手段と、各サンプリングタイミング毎に上記微分演算手段からの出力をもとに設定された基準値と上記微分演算手段からの出力との差の絶対値を求める差分演算手段と、該差分演算手段の出力を所定回数分だけサンプリングタイミング毎に積算する第2の積算手段と、該第2の積算手段からの出力をもとにピークを検出するピーク検出手段と、該ピーク検出手段からの出力をもとにターゲットまでの距離を算出し、ターゲットの有無を判断する測距・検出手段と、上記電波の送信、受信、信号処理のタイミング制御を行うタイミング制御手段とを備えたので、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号といった、いわゆる漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出でき、正確な距離の測定が可能になるという効果がある。
【0052】
また、請求項2の発明によれば、上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、前回の該微分演算手段からの出力とするので、漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出するのに寄与できるとい効果がある。
【0053】
また、請求項3の発明によれば、上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、あらかじめ設定した回数分の該微分演算手段の出力の平均値とするので、送受間の漏れ信号あるいはレドームなどレーダに対して固定されたターゲットからの反射信号といった、いわゆる漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出でき、さらに相対速度が小さく時間的な変化が少ない場合でも微分値の差分が得られるようになり、相対速度が小さい物体であっても検出しやすくなるという効果がある。
【0054】
また、請求項4の発明によれば、上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差を求めるので、漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出するのに寄与できるとい効果がある。
【0055】
また、請求項5の発明によれば、上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングおよびその隣々のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差をそれぞれ求め、それらの和を求めるので、S/Nを向上できるという効果がある。
【0056】
また、請求項6の発明によれば、上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、あらかじめ設定した値を超えるサンプリングタイミングを出力するので、漏れ込み信号成分が存在しても、正しく物体を検出するのに寄与できるという効果がある。
【0057】
また、請求項7の発明によれば、検出しきい値を設定する検出しきい値設定手段を備え、上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、該第2の積算手段の積算結果をもとに、上記検出しきい値設定手段が設定した検出しきい値を超えるサンプリングタイミングを出力するので、同一レーダであっても使用場所の移動などにより使用条件が異なってノイズレベルが増減した場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができるという効果がある。
【0058】
また、請求項8の発明によれば、上記検出しきい値設定手段は、1つあるいは複数のサンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段による積算結果の平均値を求め、その平均値をノイズレベルとするノイズレベル設定手段と、該ノイズレベル設定手段によるノイズレベルをもとに検出しきい値を算出する検出しきい値算出手段とを有するので、同一レーダであっても使用場所の移動などにより使用条件が異なってノイズレベルが増減した場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができるという効果がある。
【0059】
また、請求項9の発明によれば、上記測距・検出手段は、上記ピーク検出手段が出力するサンプリングタイミングでの上記第2の積算手段による積算結果、およびその前後のサンプリングタイミングでの該第2の積算手段による積算結果をもとに距離を算出する距離算出手段と、該距離算出手段の算出結果に基づきターゲットが存在するか否かを判定する検出判定手段とを有するので、粗いサンプリング間隔でも、距離計測の分解能を向上させることができるという効果がある。
【0060】
また、請求項10の発明によれば、上記第1の積算手段の積算結果に応じて、受信信号のグランドレベルを変更するグランドレベル変更手段を備えたので、取付け状態が異なり漏れ込み信号成分が異なる場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができるという効果がある。
【0061】
さらに、請求項11の発明によれば、上記第1の積算手段によるサンプリングタイミング毎の積算結果の平均値を求め、該平均値が所定の範囲を超えている場合、グランドレベルを変更する信号を上記グランドレベル変更手段へ出力するグランドレベル制御手段を備えたので、取付け状態が異なり漏れ込み信号成分が異なる場合でも、レーダに対して特別な調整あるいは変更をすることなく使用することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるパルスレーダ装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1におけるRFモジュールの構成を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるFPGAA内の構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1におけるFPGA内の動作を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態1におけるCPU内の処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1におけるグランドレベル制御について説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態1におけるグランドレベル制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】位相差の変化により受信信号が変化することを説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態1における微分演算処理を説明するための図である。
【図11】この発明の実施の形態1における第2の積算処理を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態1における微分演算処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1における差分演算処理を説明するためのフローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態1における第2の積算処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1におけるピーク検出処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1における距離算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態1における検出判定処理を説明するためのフローチャートである。
【図18】この発明の実施の形態2におけるCPU内の処理の概略を説明するためのフローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態2における微分演算処理を説明するためのフローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態2における平均値算出処理を説明するためのフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態2における差分演算処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態2における検出しきい値設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図23】従来のパルスレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図24】従来のパルスレーダ装置における漏れ波と反射波について説明するための図である。
【符号の説明】
1 RFモジュール、2 加算器回路、3 コンパレータ回路、4 フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、5 CPU、501 送信手段、502 受信手段、503 コンパレータ手段、504 第1の積算手段、505 微分演算手段、506 差分演算手段、507 第2の積算手段、508 ピーク検出手段、509 測距・検出手段、510 タイミング制御手段、511 距離算出手段、512 検出判定手段、513 グランドレベル変更手段、514 グランドレベル制御手段、401 送信手段、402 タイミング制御手段、403 受信手段、404 コンパレータ手段、405 第1の積算手段、406 微分演算手段、407 差分演算手段、408 第2の積算手段、409 ピーク検出手段、410 測距・検出手段。

Claims (11)

  1. パルス状の電波を送信する送信手段と、
    該送信手段によって送信した電波が複数の物体に反射した反射波を受信しその受信信号を出力する受信手段と、
    該受信手段からの信号をあらかじめ設定した所定レベルとの比較により2値化するコンパレータ手段と、
    送信からの所定の時間間隔で上記コンパレータ手段の出力をサンプリングし、そのサンプリング結果をサンプリングタイミング毎に所定回数分積算する第1の積算手段と、
    各サンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の積算結果を所定時間毎に読み出し、積算結果のサンプリング方向の微分を演算する微分演算手段と、
    各サンプリングタイミング毎に上記微分演算手段からの出力をもとに設定された基準値と上記微分演算手段からの出力との差の絶対値を求める差分演算手段と、
    該差分演算手段の出力を所定回数分だけサンプリングタイミング毎に積算する第2の積算手段と、
    該第2の積算手段からの出力をもとにピークを検出するピーク検出手段と、
    該ピーク検出手段からの出力をもとにターゲットまでの距離を算出し、ターゲットの有無を判断する測距・検出手段と、
    上記電波の送信、受信、信号処理のタイミング制御を行うタイミング制御手段と
    を備えたことを特徴とするパルスレーダ装置。
  2. 上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、前回の該微分演算手段からの出力とすることを特徴とする請求項1記載のパルスレーダ装置。
  3. 上記微分演算手段からの出力をもとに設定される基準値は、あらかじめ設定した回数分の該微分演算手段の出力の平均値とすることを特徴とする請求項1記載のパルスレーダ装置。
  4. 上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  5. 上記微分演算手段は、注目するサンプリングタイミングにおける上記第1の積算手段の出力と、その隣のサンプリングタイミングおよびその隣々のサンプリングタイミングにおける該第1の積算手段の出力との差をそれぞれ求め、それらの和を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  6. 上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、あらかじめ設定した値を超えるサンプリングタイミングを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  7. 検出しきい値を設定する検出しきい値設定手段を備え、上記ピーク検出手段は、各サンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段の積算結果において、極大となるサンプリングタイミングのうち、該第2の積算手段の積算結果をもとに、上記検出しきい値設定手段が設定した検出しきい値を超えるサンプリングタイミングを出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  8. 上記検出しきい値設定手段は、1つあるいは複数のサンプリングタイミングにおける上記第2の積算手段による積算結果の平均値を求め、その平均値をノイズレベルとするノイズレベル設定手段と、該ノイズレベル設定手段によるノイズレベルをもとに検出しきい値を算出する検出しきい値算出手段とを有することを特徴とする請求項7記載のパルスレーダ装置。
  9. 上記測距・検出手段は、上記ピーク検出手段が出力するサンプリングタイミングでの上記第2の積算手段による積算結果、およびその前後のサンプリングタイミングでの該第2の積算手段による積算結果をもとに距離を算出する距離算出手段と、該距離算出手段の算出結果に基づきターゲットが存在するか否かを判定する検出判定手段とを有することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  10. 上記第1の積算手段の積算結果に応じて、受信信号のグランドレベルを変更するグランドレベル変更手段を備えたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のパルスレーダ装置。
  11. 上記第1の積算手段によるサンプリングタイミング毎の積算結果の平均値を求め、該平均値が所定の範囲を超えている場合、グランドレベルを変更する信号を上記グランドレベル変更手段へ出力するグランドレベル制御手段を備えたことを特徴とする請求項10記載のパルスレーダ装置。
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