JP3583673B2 - 筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置 Download PDF

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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は複数の気筒の各燃焼室内に高圧燃料を直接噴射して火花点火によって燃焼させる形式の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置に関し、特にインジェクタに作用する燃圧に応じてインジェクタの噴射パルス幅を高精度に補正することにより信頼性を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インジェクタを各気筒の燃焼室に配置して、燃焼室内に直接燃料を噴射するように構成された筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、たとえば、特開平10−26046号公報に参照されるようによく知られている。
【0003】
上記公報に記載の燃料噴射制御装置は、インジェクタに作用する燃圧を検出して、検出燃圧と目標燃圧とが一致するように燃圧レギュレータを制御するとともに、インジェクタの通電時間(噴射パルス幅)を、検出燃圧と基準燃圧との比に基づいて補正している。
【0004】
図13は一般的な筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置を概略的に示すブロック構成図である。
図13において、インジェクタ1Fは、エンジン1の各気筒毎に配設されており、各気筒の燃焼室内に直接燃料を噴射する。
【0005】
エンジン1には、運転状態を検出する各種センサ2および燃圧センサ12が設けられている。各種センサ2には、周知のエアフローセンサ、スロットルセンサおよびクランク角センサなどが含まれる。
【0006】
各種センサ2からの運転情報および燃圧センサ12からの検出燃圧PFは電子式制御ユニット(以下、「ECU」という)20に入力される。
インジェクタ1Fは、ECU20からの噴射パルス信号Jによって駆動される電磁式ソレノイドを有し、ソレノイドの通電により開弁駆動される。
【0007】
インジェクタ1Fに供給される燃料は、燃料タンク3から吸引されて高圧配管8内で目標燃圧PFoに調整されている。これにより、インジェクタ1Fからは、噴射パルス信号Jのパルス幅(噴射パルス幅)に比例した量の燃料が噴射される。
【0008】
エンジン1の各気筒内には、吸気管(図示せず)を介して吸入空気が分配される。吸気管には、上流側から順に、エアフィルタ、エアフローセンサ、スロットルバルブ、サージタンク、インテークマニホールドが配設されている。
【0009】
燃料タンク3内の燃料(ガソリンなど)は、モータ4Mにより駆動される低圧ポンプ4によって吸引される。
低圧ポンプ4から吐き出された低圧燃料は、燃料フィルタ5および低圧配管6を介して高圧ポンプ7に供給される。
【0010】
また、低圧配管6は、低圧レギュレータ9が介在された低圧リターン配管6Aに分岐され、燃料タンクに戻されている。
高圧ポンプ7は、エンジン1により駆動されており、高圧ポンプ7の回転数はエンジン回転数に対応している。
【0011】
高圧ポンプ7から吐き出された高圧燃料は、高圧配管8を介してインジェクタ1Fに供給される。
また、高圧配管8は、高圧レギュレータ10が介在された高圧リターン配管8Aに分岐され、高圧リターン配管8Aの下流側は、低圧配管6および低圧リターン配管6Aに合流している。
【0012】
低圧レギュレータ9は、低圧リターン配管6Aから燃料タンク3に戻る燃料量を調整する。低圧レギュレータ9による戻し燃料量により、低圧ポンプ4から高圧ポンプ7に供給される燃圧は、所定の低圧に調整される。
【0013】
高圧レギュレータ10は、ECU20から供給される励磁電流Ri(制御信号)により駆動されて、低圧リターン配管6Aへの戻し燃料量を調整し、インジェクタ1Fに作用する実際の検出燃圧PFを目標燃圧PFoに調整する。
【0014】
すなわち、高圧レギュレータ10は、励磁電流Riに応じて高圧リターン配管8Aの開口面積を連続的に変化させ、高圧ポンプ7の下流側の燃料を低圧側に戻す。
燃圧センサ12は、高圧配管8内の燃圧PFを検出する。
【0015】
ECU20は、燃圧センサ12からの検出燃圧PFのみならず、各種センサ2からの運転状態情報を取り込み、所定の演算処理を実行して算出された制御信号を各種アクチュエータに出力する。
【0016】
たとえば、ECU20は、燃圧センサ12からの検出燃圧PFを取り込み、検出燃圧PF(または、平均燃圧PFm)と目標燃圧PFoとの燃圧偏差ΔPFに応じたPID制御により、検出燃圧PFが目標燃圧PFoと一致するように制御信号(励磁電流Ri)を出力する。
【0017】
図14は従来の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置の要部を示す機能ブロック図であり、図13内のECU20の構成に対応している。
図14において、吸気量検出手段21、回転数検出手段22および燃圧検出手段23は、各種センサ2および燃圧センサ12からの運転状態情報を取り込む。
【0018】
吸気量検出手段21は、エアフローセンサの検出信号に基づいて吸気量Qaを取り込み、回転数検出手段22は、クランク角センサからのクランク角信号に基づいてエンジン回転数Neを取り込む。また、燃圧検出手段23は、燃圧センサ12からの検出燃圧PF(インジェクタ1Fに作用する燃圧)を所定周期で取り込む。
【0019】
噴射量演算手段24は、吸気量Qaおよびエンジン回転数Neに基づいて、インジェクタ1Fによる実質的な有効パルス幅Thを演算する。
噴射量補正手段25は、検出燃圧PFに基づいて有効パルス幅Teを補正し、補正後の有効パルス幅Thを演算する。
【0020】
無効パルス幅生成手段26は、基準燃圧PFbにおけるインジェクタ1Fの動作時間に対応した無効パルス幅Td(一定値)を生成する。
加算器27は、補正後の有効パルス幅Thと無効パルス幅Tdとを加算して、噴射パルス幅TJを有する噴射パルス信号Jをインジェクタ1Fに出力する。
【0021】
噴射量演算手段24、噴射量補正手段25、無効パルス幅生成手段26および加算器27は、インジェクタ1Fに対する噴射パルス信号Jを出力する噴射パルス演算手段を構成しており、検出燃圧PFに基づいてインジェクタ1Fの噴射パルス幅TJを演算する。
【0022】
燃圧制御手段28は、運転状態に応じた目標燃圧PFoを演算し、検出燃圧PFが目標燃圧PFoとなるように燃圧フィーバック制御を行い、高圧レギュレータ10に対する励磁電流Riを出力する。
【0023】
噴射量演算手段24は、除算器41、43および44と、乗算器42とを備えている。
除算器41は、エンジン1の吸気量Qaをエンジン回転数Neで除算し、1回の吸気行程で燃焼室に充填される実吸気量A/Nを算出する。
【0024】
乗算器42は、実吸気量A/Nに定数Kを乗算して、補正吸気量K・A/Nを算出する。
除算器43は、補正吸気量K・A/Nを目標空燃比A/Foで除算して燃料噴射量Qfを算出する。
【0025】
除算器44は、燃料噴射量Qfをインジェクタ1Fの基本的な流量ゲインGi(基準燃圧PFbにおける単位噴射パルス幅当たりの燃料噴射量)で除算して、インジェクタ1Fの有効パルス幅Te(=Qf/Gi)を算出する。
【0026】
噴射量補正手段25は、除算器51、補正テーブル52および乗算器53を備えている。
除算器51は、検出燃圧PFと基準燃圧PFbとの燃圧比Kp(=PF/PFb)を算出する。
【0027】
燃圧比Kpは、検出燃圧PFが基準燃圧PFb以上に上昇すると、1よりも大きい値になり、検出燃圧PFが基準燃圧PFb以下に減少すると、1よりも小さい値になる。
【0028】
補正テーブル52は、燃圧比Kpの値に応じた補正係数Kh(燃圧比Kpに反比例する)をマップ検索により演算する。
乗算器53は、噴射量演算手段24で求められた有効パルス幅Teに補正係数Khを乗算し、検出燃圧PFに応じて補正された有効パルス幅Thを算出する。
【0029】
燃圧制御手段28は、目標燃圧演算手段81、減算器82およびPID制御手段83を備えている。
目標燃圧演算手段81は、運転状態に応じた目標燃圧PFoをマップ演算により求める。
【0030】
減算器82は、検出燃圧PFと目標燃圧PFoとの燃圧偏差ΔPF(=PF−PFo)を算出する。
PID制御手段83は、燃圧偏差ΔPFに基づくPID制御により、検出燃圧PFを目標燃圧PFoに一致させるための燃圧フィードバック制御を行い、高圧レギュレータ10(燃圧レギュレータ)に対する励磁電流Riを生成する。
【0031】
次に、図13および図14を参照しながら、従来の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置による噴射パルス幅TJの演算および補正動作について説明する。
【0032】
まず、ECU20内の吸気量検出手段21は、エアフローセンサで計測された吸気量Qaを取り込み、回転数検出手段22は、クランク角信号からエンジン回転数Neを検出し、それぞれ、運転状態を示す情報として噴射量演算手段24に入力する。
【0033】
また、燃圧検出手段23は、燃圧センサ12からの検出燃圧PFを取り込み、噴射量補正手段25および燃圧制御手段28に入力する。
【0034】
噴射量演算手段24は、吸気量Qaをエンジン回転数Neで除算した実吸気量A/Nに定数Kを乗算して補正吸気量K・A/Nを算出し、さらに、補正吸気量K・A/Nを目標空燃比A/Foで除算した燃料噴射量Qfを流量ゲインGiで除算して有効パルス幅Teを算出する。
【0035】
噴射量補正手段25は、検出燃圧PFと基準燃圧PFbとの燃圧比Kpから、補正係数Khを検索し、有効パルス幅Teに補正係数Khを乗算して補正後の有効パルス幅Thを算出する。
【0036】
たとえば、検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きい場合には、単位時間当たりの噴射量が増大するので、1よりも小さい補正係数Khの乗算により低減補正された有効パルス幅Thとする。
【0037】
噴射量演算手段24および噴射量補正手段25と関連する加算器27は、補正後の有効パルス幅Thに無効パルス幅Tdを加算して、噴射パルス幅TJからなる最終的な噴射パルス信号Jを生成してインジェクタ1Fを駆動する。
【0038】
一方、燃圧制御手段28は、検出燃圧PFと目標燃圧PFoとの燃圧偏差ΔPFに基づくPID制御を行い、燃圧偏差ΔPFに応じた励磁電流Riにより高圧レギュレータ10を制御することにより、検出燃圧PFを目標燃圧PFoに一致させる。これにより、インジェクタ1Fに作用する燃圧は所望の目標燃圧PFoに制御される。
【0039】
また、噴射パルス信号Jの補正により、外乱によってインジェクタ1Fに作用する燃圧(検出燃圧PF)が変化した場合や、ECU20が目標燃圧PFoを変更した場合に、燃圧比Kpに応じて有効パルス幅Thを適正化することができる。
【0040】
ところで、図14において、無効パルス幅生成手段26は、無効パルス幅Tdを一定値に設定しているが、実際には、無効パルス幅Tdが検出燃圧PFに応じた変化特性を有するので、上記噴射パルス信号Jは、検出燃圧PFに応じた正確な噴射パルス幅TJを有しているとは限らない。
【0041】
図15は実際の燃圧(検出燃圧PF)の違いに応じたインジェクタ1Fの流量特性を示す特性図であり、横軸は噴射パルス幅TJ[msec]、縦軸は燃料噴射量Qf[mcc]である。
【0042】
図15において、一点鎖線は検出燃圧PFが基準燃圧PFbと等しい場合の流量特性、破線は検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きい場合の実際の流量特性、実線は検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きい場合に一定の無効パルス幅Tdを用いたときの流量特性である。
【0043】
検出燃圧PFが基準燃圧PFbと等しい場合の流量特性(一点鎖線)の傾きは、基準燃圧PFbでの流量ゲインGi[mcc/msec]に相当し、検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きい場合の流量特性(破線または実線)の傾きは、流量ゲインGiに燃圧比Kpを乗算した値(=Gi×Kp)に相当する。
【0044】
また、基準燃圧PFb(一点鎖線)において、無効パルス幅Tdに加算される有効パルス幅Th1は、補正前の有効パルス幅Teに相当し、基準燃圧PFbよりも大きい検出燃圧PF(実線)において、無効パルス幅Tdに加算される有効パルス幅Th2は、有効パルス幅Teに補正係数Kh(<1)を乗算した値に相当する。
【0045】
図15において、燃料噴射量Qfを噴射しようとした場合に、検出燃圧PFが基準燃圧PFbであれば、噴射パルス信号Jのパルス幅TJは、傾きが流量ゲインGiの特性(一点鎖線)により、有効パルス幅Th1(=Te)と無効パルス幅Tdとの和となる。
【0046】
また、検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きければ、噴射パルス信号Jのパルス幅TJは、傾きが流量ゲインGi×Kpの特性(実線)により、有効パルス幅Th2+無効パルス幅Tdの和となる。
【0047】
図14において、燃料噴射量Qfを噴射しようとした場合、まず、噴射量演算手段24内の除算器44は、燃料噴射量Qfを基準燃圧PFbでの流量ゲインGiで除算して、基準燃圧PFbにおける有効パルス幅Te(=Th1)を算出する。
【0048】
次に、噴射量補正手段25は、検出燃圧PFと基準燃圧PFbとの燃圧比Kpから、補正テーブル52を用いて補正係数Khを求め、有効パルス幅Teに補正係数Khを乗算して補正後の有効パルス幅Th(=Th2)を算出する。
【0049】
このとき、検出燃圧PFが基準燃圧PFbと等しければ、燃圧比Kpは1であり、したがって補正係数Khも1なので、乗算器53により算出される有効パルス幅Thは、Th1=Te×Kh(=Te)となる。
【0050】
最後に、加算器27は、有効パルス幅Th1に無効パルス幅Tdを加算して、最終的な噴射パルス幅TJ(=Th1+Td)を有する噴射パルス信号Jを出力する。
【0051】
一方、検出燃圧PFが基準燃圧PFbよりも大きければ、燃圧比Kpが1よりも大きくなるので、補正係数Khは1よりも小さい値となり、有効パルス幅Thは、Th2=Th1×Kh(<Te)となる。
【0052】
このとき、加算器27は、有効パルス幅Th2に無効パルス幅Tdを加算して最終的な噴射パルス幅TJ(=Th2+Td)を算出する。
しかし、実際の流量特性(破線)によれば、無効パルス幅Tdが異なるので、実際に必要な噴射パルス幅TJは、上記算出値(=Th2+Td)よりも長くなる。
【0053】
なぜなら、インジェクタ1Fは、実際に作用する燃圧に打ち勝って開弁するので、実燃圧(検出燃圧PF)が基準燃圧PFbよりも高くなると、インジェクタ1Fに噴射パルス信号Jを通電してから実際に開弁動作が始まるまでの無駄時間(無効パルス幅Td)が長くなるからである。
【0054】
このように、図15の流量特性(実線)で噴射パルス幅TJ(=Th2+Td)を補正すると、実際に燃料を噴射する時間が、本来必要な時間(破線の流量特性に基づく噴射パルス幅)よりも短くなってしまうことになる。
【0055】
特に、燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射エンジンのインジェクタ1Fにおいては、噴射可能期間に制約を受ける理由から、吸気マニホールドにインジェクタを備えた一般エンジよりも、インジェクタ1Fに作用する燃圧を高圧にして、インジェクタ1Fの流量ゲインGiを大きく設定し、短期間で必要燃料量を噴射できるようにしているので、無駄時間の変化は無視できない噴射量のずれとなり得る。
【0056】
【発明が解決しようとする課題】
従来の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は以上のように、検出燃圧PFの変化によって無効パルス幅Tdも変化するという流量特性(図15内の破線参照)が考慮されていないので、検出燃圧PFに応じた正確な噴射パルス幅TJを有する噴射パルス信号Jが得られないという問題点があった。
【0057】
特に、筒内噴射エンジンのインジェクタ1Fは、高圧燃圧により短期間で必要燃料量を噴射しているので、無効パルス幅Td(無駄時間)の変化と言えども、無視できない程度の噴射量のずれが発生するという問題点があった。
【0058】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、検出燃圧の変化に応じて無効パルス幅を補正することにより、噴射パルス幅の補正を最適化し、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置を得ることを目的とする。
【0059】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、エンジンの運転状態を検出する各種センサと、エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、燃圧検出手段による検出燃圧に基づいてインジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段とを備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、検出燃圧に応じてインジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、インジェクタに作用する燃圧を運転状態に応じた目標燃圧に制御する燃圧制御手段とを設け、噴射パルス演算手段は、運転状態に応じた有効パルス幅と無効パルス幅とを加算して噴射パルス幅を演算し、無駄時間補正手段は、検出燃圧と目標燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、目標燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するものである。
【0061】
また、この発明の請求項2に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1において、無駄時間補正手段は、燃圧偏差が所定時間以上連続して所定値を越えた場合のみに、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、条件を満たさない場合には、目標燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するものである。
【0062】
また、この発明の請求項3に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1において、噴射パルス演算手段は、燃圧偏差が所定値以内の場合には、目標燃圧に基づいて有効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて有効パルス幅を補正するものである。
【0063】
また、この発明の請求項4に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、所定値は、目標燃圧に応じて変更されるものである。
【0064】
また、この発明の請求項5に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項4までのいずれか1項において、所定値は、検出燃圧に定常的に重畳される脈動成分以上の値に設定されたものである。
【0065】
また、この発明の請求項6に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、燃圧検出手段の故障を判定する故障判定手段を備え、無駄時間補正手段は、燃圧検出手段の故障が判定されたときは、目標燃圧に基づいて噴射パルス幅を補正するものである。
【0066】
また、この発明の請求項7に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、エンジンの運転状態を検出する各種センサと、エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、燃圧検出手段による検出燃圧に基づいてインジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段とを備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、検出燃圧に応じてインジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、検出燃圧から平均燃圧を演算する平均燃圧演算手段とを設け、噴射パルス演算手段は、運転状態に応じた有効パルス幅と無効パルス幅とを加算して噴射パルス幅を演算し、無駄時間補正手段は、検出燃圧と平均燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、平均燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するものである。
【0067】
また、この発明の請求項8に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項7において、無駄時間補正手段は、燃圧偏差が所定時間以上連続して所定値を越えた場合のみに、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、条件を満たさない場合には、平均燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するものである。
【0068】
また、この発明の請求項9に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項7において、噴射パルス演算手段は、燃圧偏差が所定値以内の場合には、平均燃圧に基づいて有効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて有効パルス幅を補正するものである。
【0069】
また、この発明の請求項10に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項7から請求項9までのいずれか1項において、所定値は、平均燃圧に応じて変更されるものである。
【0070】
また、この発明の請求項11に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項10までのいずれか1項において、所定値は、エンジン回転数に応じて変更されるものである。
【0071】
また、この発明の請求項12に係る筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項11までのいずれか1項において、所定値は、インジェクタの噴射量に応じて変更されるものである。
【0072】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図について説明する。
なお、この発明の実施の形態1の全体構成および燃料供給系の構成については、前述(図13参照)と同様なので、ここでは詳述しない。
【0073】
図1はこの発明の実施の形態1に関連した装置の要部を示すブロック図であり、ECU20Aの構成に対応している。
図1において、前述(図14参照)と同様の構成については、同一符号を付して詳述を省略する。ここでは、前述と同様の噴射量補正手段25を用いたが、たとえば除算器51を省略するなど、他の構成の噴射量補正手段であってもよい。
【0074】
この場合、燃圧検出手段23と加算器27との間には、無駄時間補正テーブル91を有する無駄時間補正手段29が設けられている。
無駄時間補正手段29は、無駄時間補正テーブル91を用いて、検出燃圧PFに応じた無効パルス幅TDを検索演算し、補正後の無効パルス幅TDを生成する。
【0075】
したがって、噴射パルス演算手段内の加算器27は、運転状態に応じて算出された有効パルス幅Thと補正後の無効パルス幅TDとを加算して、最終的な噴射パルス信号Jのパルス幅TJを演算し、インジェクタ1Fを駆動する。
【0076】
次に、図2を参照しながら、図1に示した装置によるインジェクタ1Fの流量特性および補正後の噴射パルス幅との関係について説明する。
【0077】
図2において、一点鎖線は前述(図15参照)と同様に基準燃圧PFbでの流量特性であり、実線は検出燃圧PF(>PFb)における図1の装置による流量特性である。また、破線は前述の無効パルス幅Tdを用いた場合の流量特性である。
【0078】
まず、前述と同様に、図1内の噴射量演算手段24は、基準燃圧PFbにおける有効パルス幅Teを算出し、噴射量補正手段25は、補正テーブル52から得られた補正係数Khを有効パルス幅Teに乗算して補正後の有効パルス幅Thを算出する。
【0079】
また、無駄時間補正手段29は、無駄時間補正テーブル91を用いて、検出燃圧PFに応じた無効パルス幅TDを検索し、加算器27は、有効パルス幅Thに無効パルス幅TDを加算して最終的な噴射パルス幅TJを算出する。
【0080】
このとき、基準燃圧PFbよりも大きい検出燃圧PFでの噴射パルス幅TJ(=TD+Th2)は、図2内の実線の流量特性により、燃料噴射量Qfを噴射するために必要な噴射パルス幅と一致する。
【0081】
次に、図3のフローチャートを参照しながら、図1の装置による噴射パルス信号Jの補正処理について具体的に説明する。
図3において、まず、噴射量演算手段24は、吸気量Qaを読み込み(ステップS101)、エンジン回転数Neを読み込む(ステップS102)。また、噴射量補正手段25は、検出燃圧PFを読み込む(ステップS103)。
【0082】
噴射量演算手段24は、吸気量Qaをエンジン回転数Neで除算した値(実吸気量A/N)に定数Kを乗算して、吸気行程当たりで燃焼室に充填される補正吸気量K・A/Nを算出する(ステップS104)。
【0083】
続いて、補正吸気量K・A/Nを目標空燃比A/Foで除算して燃料噴射量Qfを算出し(ステップS105)、燃料噴射量Qfをインジェクタの流量ゲインGiで除算して有効パルス幅Teを算出する(ステップS106)。
【0084】
また、噴射量補正手段25は、検出燃圧PFと基準燃圧PFbとの燃圧比Kpを求め(ステップS107)、補正テーブル52を用いてKpの値に応じた補正係数Khを検索し(ステップS108)、有効パルス幅Teに補正係数Khを乗算して補正後の有効パルス幅Thを算出する(ステップS109)。
【0085】
さらに、無駄時間補正手段29は、無駄時間補正テーブル91を用いて、検出燃圧PFでの無効パルス幅TDを検索する(ステップS110)。
最後に、加算器27は、補正後の有効パルス幅Thと、検索演算された無効パルス幅TDとを加算して最終的な噴射パルス幅TJを求め(ステップS111)、図3の処理ルーチンを抜け出る。
【0086】
このように、無駄時間補正手段29を設け、検出燃圧PFに応じてインジェクタ1Fの無効パルス幅TDを補正することにより、インジェクタ1Fに作用する燃圧に応じて無効パルス幅TDが適正に補正されるので、燃圧変化時においても燃料噴射量Qfの精度を向上させることができる。
【0087】
なお、図1の装置では、燃圧過渡時の応答性を維持するために、検出燃圧PFを用いて噴射パルス信号Jを補正したが、実際の検出燃圧PFには、エンジン1によって駆動される高圧ポンプ7の吐出脈動成分が定常的に重畳されている。
【0088】
したがって、定常的な脈動成分に対しても、検出燃圧PFに応じて精密に無効パルス幅TD(噴射パルス幅TJ)を補正しようとすると、噴射パルス幅TJが実際の噴射燃圧での目標値と異なってしまい、空燃比A/Fがばらつくおそれがある。
【0089】
そこで、燃圧定常時の噴射パルス幅TJを安定化するために、検出燃圧PFの変化量が脈動成分以下の場合(定常時)には、検出燃圧PFを用いずに、目標燃圧PFoを用いて噴射パルス信号Jを補正してもよい。
【0090】
以下、図4および図5を参照しながら、検出燃圧PFの変動状態に応じて補正演算用の燃圧情報を切り換えるようにしたこの発明の実施の形態1について説明する。
【0091】
この場合、無駄時間補正手段29は、燃圧制御手段28から目標燃圧PFoおよび燃圧偏差ΔPFを取り込んでおり、燃圧偏差ΔPFを所定値と比較する比較手段(図示せず)と、この比較結果に応じて、無駄時間補正テーブル91に入力する燃圧情報を検出燃圧PFから目標燃圧PFoに切り換える切換手段とを備えている。
【0092】
すなわち、無駄時間補正手段29は、燃圧偏差ΔPFが所定値(比較基準)よりも大きい場合には、検出燃圧PFを用いて無効パルス幅TDを補正し、燃圧偏差ΔPFが所定値以下の場合には、目標燃圧PFoを用いて無効パルス幅TDを補正する。
なお、所定値は、検出燃圧PFに定常的に重畳される脈動成分以上の値に設定されている。
【0093】
図4は検出燃圧PF(実燃圧)の挙動を示すタイミングチャートであり、実線は検出燃圧PFの時間変化、破線は目標燃圧PFoの時間変化を示している。
また、図4において、Z1、Z3、Z5およびZ7は外乱のない通常区間であり、Z2およびZ6は外乱による燃圧変動区間であり、Z4は目標燃圧PFoが切り換えられた場合の燃圧変動区間である。
【0094】
通常、インジェクタ1Fに作用する燃圧(検出燃圧PF)は、図4内の各区間Z1、Z3、Z5およびZ7に示す程度の脈動幅△PFeを定常的に含んでいる。
【0095】
したがって、無駄時間補正手段29内の比較手段は、燃圧偏差ΔPF(=PF−PFo)の状態を判定するための所定値D(≧△PFe)を設定し、検出燃圧PFの変化状態が定常的な脈動状態(区間Z1、Z3、Z5、Z7参照)であるか否かを判定する。
【0096】
もし、燃圧偏差ΔPFが所定値D以下(定常的な脈動状態)のときには、安定した目標燃圧PFoを用いて無駄時間補正を行うことにより、定常時の噴射パルス幅TJの安定化を実現することができる。
【0097】
また、各区間Z2、Z4およびZ6に示すように、燃圧偏差ΔPFが所定値Dを越えたときには、検出燃圧PFを用いて燃圧補正または無駄時間補正を行うことにより、燃圧過渡時の応答性を維持することができる。
【0098】
図5はこの発明の実施の形態1による無駄時間(噴射パルス幅)の補正処理を示すフローチャートである。
ここでは、噴射量補正手段25および無駄時間補正手段29は、燃圧情報として、検出燃圧PFのみならず目標燃圧PFoおよび燃圧偏差ΔPFを読み込むものとして説明する。
【0099】
図5において、まず、ECU20A内の噴射量補正手段25および無駄時間補正手段29は、検出燃圧PFを読み込み(ステップS201)、また、燃圧制御手段28から目標燃圧PFoおよび燃圧偏差ΔPFを読み込む。
【0100】
続いて、検出燃圧PFと目標燃圧PFoとの燃圧偏差ΔPFの絶対値△PFa(=|PF−PFo|)を求め(ステップS202)、所定値Dと比較して、燃圧偏差絶対値ΔPFaが所定値D以下であるか否かを判定する(ステップS203)。
【0101】
もし、D≧△PFa(すなわち、YES)と判定されれば、検出燃圧PFが定常時の変化状態であるから、噴射量補正手段25および無駄時間補正手段29は、検出燃圧PFを演算に用いずに、検出燃圧PFを目標燃圧PFoに置き換えて演算処理を行う。
【0102】
すなわち、噴射量補正手段25は、目標燃圧PFoを用いて、以下の(1)式のように燃圧比Kpを算出し(ステップS204)、目標燃圧PFoに基づく燃圧比Kpを用いて補正テーブル52を検索する。
【0103】
Kp=PFo/PFb ・・・(1)
【0104】
また、無駄時間補正手段29は、目標燃圧PFoを用いて無駄時間補正テーブル91を検索して、無効パルス幅TDを目標燃圧PFoの関数f(PFo)から求め(ステップS205)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
【0105】
一方、ステップS203において、D<△PFa(すなわち、NO)と判定されれば、検出燃圧PF(または目標燃圧PFo)が大きく変化した状態なので、検出燃圧PFを用いた演算を実行する。
【0106】
すなわち、噴射量補正手段25は、検出燃圧PFを用いて、以下の(2)式のように燃圧比Kpを算出し(ステップS206)、検出燃圧PFに基づく燃圧比Kpを用いて補正テーブル52を検索する。
【0107】
Kp=PF/PFb ・・・(2)
【0108】
また、無駄時間補正手段29は、検出燃圧PFを用いて無駄時間補正テーブル91を検索し、無効パルス幅TDを検出燃圧PFの関数f(PF)から求め(ステップS207)、図5の処理ルーチンを抜け出る。
【0109】
このように、燃圧偏差ΔPFに応じて、ステップS204およびS205の処理と、ステップS206およびS207の処理とに切り換えられる。
すなわち、燃圧偏差ΔPFが小さい(D≧ΔPF)場合(区間Z1、Z3、Z5、Z7)には、目標燃圧PFoに基づく噴射パルス信号Jの補正が実行される。
【0110】
このとき、所定値Dは燃圧脈動幅ΔPFe以上に設定されているので、定常的な運転状態の場合には、燃圧脈動幅ΔPFeの影響を受けずに噴射パルス幅TJを補正することができ、したがって、空燃比A/Fのばらつきを抑制することができる。
【0111】
一方、外乱などによって大きな燃圧変動(D<ΔPF)が発生した場合(区間Z2、Z6)、または、目標燃圧PFoが切り換わって検出燃圧PFが変化している場合(区間Z4)には、検出燃圧PFに基づく噴射パルス信号Jの補正が実行される。
【0112】
したがって、外乱などでインジェクタ1Fに作用する燃圧が変化したり、燃圧制御手段28により目標燃圧PFoが変更された場合には、検出燃圧PFに基づいて応答性よく噴射パルス幅TJを補正することができる。
【0113】
なお、ここでは、無駄時間補正手段29のみならず、噴射量補正手段25においても燃圧情報を切り換えたが、無駄時間補正手段29のみにおいて、燃圧偏差ΔPFに応じた燃圧情報の切り換えを実行してもよい。
【0114】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、燃圧偏差ΔPFが所定値Dを越えた場合に直ちに検出燃圧PFを噴射パルス信号Jの補正演算に用いたが、D<ΔPFを満たす状態の継続時間を考慮して冗長性をもたせてもよい。
【0115】
以下、燃圧偏差ΔPFが所定時間以上連続して所定値Dを越えた場合のみに、検出燃圧PFに基づく補正演算を実行するようにしたこの発明の実施の形態2を図について説明する。
【0116】
図6はこの発明の実施の形態2による無駄時間(噴射パルス幅)の補正処理を示すフローチャートである。
図6において、ステップS201〜S207は前述(図5参照)と同様の処理ステップであり、ここでは詳述を省略する。
【0117】
また、追加されたステップS301〜S303で用いられる時間計測カウンタCNTは、あらかじめ初期処理(図示せず)により0クリアされているものとする。
【0118】
まず、前述と同様のステップS201〜S203において、燃圧偏差の絶対値△PFaを求め、これを所定値Dと比較する。
もし、D≧△PFa(すなわち、YES)と判定されれば、時間計測カウンタCNTを0クリアして(ステップS301)、時間計測カウンタCNTの値が1よりも大きいか否かを判定する(ステップS302)。
【0119】
一方、ステップS301において、D<△PFa(すなわち、NO)と判定されれば、時間計測カウンタCNTをインクリメントして(ステップS303)、ステップS302に進む。
【0120】
ステップS302において、CNT≦1(すなわち、NO)と判定されれば、所定値Dを越える燃圧偏差絶対値△PFaが検出されていないか、または、検出したとしても1回以内であるので、目標燃圧PFoを用いた補正処理ステップS204およびS205に進む。
【0121】
一方、ステップS302において、CNT>1(すなわち、YES)と判定されれば、所定値Dを越える燃圧偏差絶対値△PFaが少なくとも2回(所定時間)以上連続して発生しているので、検出燃圧PFを補正処理ステップS206およびS207に進む。
【0122】
このように、偏差判定値Dを越える燃圧偏差△PFaの連続検出回数が1回以内の場合には目標燃圧PFoによる補正が実行され、偏差判定値Dを越える燃圧偏差△PFaの連続検出回数が2回(所定時間)以上の場合には検出燃圧PFによる補正が実行される。
【0123】
すなわち、噴射量補正手段25は、燃圧偏差ΔPFが所定時間以上連続して所定値Dを越えた場合のみに、検出燃圧PFに基づいて有効パルス幅Thを補正し、上記条件を満たさない場合には、目標燃圧PFoに基づいて有効パルス幅Thを補正する。
【0124】
また、無駄時間補正手段29は、燃圧偏差ΔPFが所定時間以上連続して所定値Dを越えた場合のみに、検出燃圧PFに基づいて無効パルス幅TDを補正し、この条件を満たさない場合には、目標燃圧PFoに基づいて無効パルス幅TDを補正する。
【0125】
これにより、何らかの運転状態変化やノイズ発生などにより、燃圧脈動幅ΔPFeが瞬時的に所定値Dを越えたとしても、検出燃圧PFに基づく噴射パルス幅TJの補正が実行されずに済むので、空燃比A/Fのばらつきを抑制することができる。
【0126】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、検出燃圧PFと目標燃圧PFoとの燃圧偏差ΔPFに応じて、噴射パルス信号Jの補正用の燃圧情報を検出燃圧PFまたは目標燃圧PFoに切り換えたが、検出燃圧PFと平均燃圧PFmとの燃圧偏差ΔPFmに応じて、燃圧情報を検出燃圧PFまたは平均燃圧PFmに切り換えてもよい。
【0127】
以下、検出燃圧PFと平均燃圧PFmとの燃圧偏差ΔPFmに応じて燃圧情報を切り換えたこの発明の実施の形態3について説明する。
図7はこの発明の実施の形態3による動作を説明するための検出燃圧PF(実燃圧)の挙動を示すタイミングチャートである。
【0128】
図7において、実線は検出燃圧PFの時間変化、破線は平均燃圧PFmの時間変化を示しており、前述(図4参照)と同様のものについては、同一符号を付して詳述を省略する。
この場合、ECU20Aは、検出燃圧PFから平均燃圧PFmを演算する平均燃圧演算手段(図示せず)を備えている。
【0129】
また、無駄時間補正手段29は、検出燃圧PFと平均燃圧PFmとの燃圧偏差ΔPFmが所定値D以内の場合には、平均燃圧PFmに基づいて無効パルス幅TDを補正し、燃圧偏差ΔPFmが所定値Dを越えた場合には、検出燃圧PFに基づいて無効パルス幅TDを補正する。
【0130】
したがって、前述と同様に、定常状態の区間Z1、Z3、Z5、Z7においては、安定な平均燃圧PFmを補正演算に用いることにより、空燃比A/Fのばらつきを抑制することができる。
【0131】
また、燃圧変動の大きい区間Z2、Z4、Z6においては、検出燃圧PFを用いることにより、補正演算の応答性をよくすることができる。
【0132】
また、燃圧偏差ΔPFmが所定時間以上連続して所定値Dを越えた場合のみに、検出燃圧PFに基づいて補正演算を実行し、それ以外の場合に平均燃圧PFmに基づいて補正演算を実行すれば、検出燃圧PFの瞬時変動やノイズなどの影響も除去することができる。
【0133】
また、所定値Dを平均燃圧PFmの大きさに応じて変更(たとえば、平均燃圧PFmの増大につれて所定値Dも増大補正)すれば、運転状態に応じて常に精度のよい燃料噴射量Qfの補正演算を実現することができ、噴射パルス信号Jの補正制御の信頼性をさらに向上させることができる。
【0134】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態1、2では、燃圧偏差絶対値ΔPFaの判定基準となる所定値Dを固定値としたが、所定値Dを目標燃圧PFo、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Qfに応じて変更してもよい。
【0135】
この場合、噴射パルス信号Jのパルス幅補正用の燃圧情報を切り換えるための所定値Dは、目標燃圧PFo、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qfのうちの少なくとも1つの値に応じて適正値に変更される。
【0136】
次に、運転状態に応じて所定値Dを切り換えるようにしたこの発明の実施の形態4について説明する。
図8〜図10はこの発明の実施の形態4による所定値Dの変更設定値を示す説明図であり、各図において、実線は燃圧脈動幅ΔPFeの特性曲線、一点鎖線は所定値Dの特性曲線である。
【0137】
図8は目標燃圧PFoに対する燃圧脈動幅ΔPFeおよび所定値Dの変化を示し、図9はエンジン回転数Neに対する燃圧脈動幅ΔPFeおよび所定値Dの変化を示し、図10は燃料噴射量Qfに対する燃圧脈動幅ΔPFeおよび所定値Dの変化を示している。
【0138】
図8〜図10内の実線のように、目標燃圧PFo、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qfに対する燃圧脈動幅ΔPFeの特性は、高圧ポンプ7や高圧レギュレータ10の構造によってある程度決定され得る固有値である。
【0139】
したがって、図8〜図10内の一点鎖線のように、燃圧脈動幅△PFeに対応した適正な所定値Dの特性をあらかじめ設定しておけば、目標燃圧PFo、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qfの変化によらず、燃圧情報を適正に切り換えることができる。
【0140】
次に、図11のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態4による所定値Dの変更処理動作について説明する。
図11において、まず、噴射量補正手段25および無駄時間補正手段29は、目標燃圧PFo、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Qfをそれぞれ読み込む(ステップS401、S402、S403)。
【0141】
続いて、目標燃圧PFo、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qfに対する各所定値Dを、図8〜図10の各特性曲線にしたがってテーブル検索し、これらのうちで最大値を示す値を最終的な判定基準となる所定値Dとして選択設定して(ステップS404)、図11の処理ルーチンを抜け出る。
【0142】
以下、目標燃圧PFo、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Qfに応じた適切な所定値Dを用いて、前述の補正処理が実行される。
【0143】
このように、燃圧偏差絶対値ΔPFaに対する比較基準(所定値D)を、目標燃圧PFo、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Qfに応じて変更することにより、目標燃圧PFo、エンジン回転数Ne、燃料噴射量Qfの変化によって燃圧脈動幅ΔPFeが変化しても、燃圧脈動幅ΔPFeの影響を受けずに噴射パルス幅TJを補正することができるので、空燃比A/Fばらつきを抑制することができる。
【0144】
なお、図10においては、エンジン負荷情報として燃料噴射量Qfを用い、燃料噴射量Qfに基づいて所定値Dを変更したが、特に燃料噴射量Qfに限定されるものではなく、エンジン負荷に相当するパラメータであれば、他の情報を用いてもよい。
【0145】
また、図8〜図10のように、目標燃圧PFo、エンジン回転数Neおよび燃料噴射量Qfを別々のパラメータとして扱い、それぞれについて所定値Dの特性曲線を設定したが、別々のパラメータとして扱わずに、全てのパラメータを組み合わせた関数を指標として所定値Dを決定しても、同等の作用効果を奏す得ることは言うまでもない。
【0146】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態1、2では、燃圧検出手段23の故障発生時の補正演算について考慮しなかったが、燃圧検出手段23が故障した場合には、異常な検出燃圧PFに基づいて噴射パルス信号J(燃料噴射量Qf)が補正されて、燃料噴射量Qfが目標値から大幅にずれてしまい、失火が発生するおそれがある。
【0147】
そこで、燃圧検出手段23が故障した場合には、検出燃圧PFを用いずに、燃圧制御手段28の目標燃圧PFoに基づいて噴射パルス幅TJを補正することが望ましい。
【0148】
以下、燃圧検出手段23が故障した場合には目標燃圧PFoを用いて補正演算するようにしたこの発明の実施の形態5について説明する。
この場合、ECU20Aは、燃圧検出手段23の故障を判定する故障判定手段(図示せず)を備えている。
【0149】
また、無駄時間補正手段29は、燃圧検出手段23の故障が判定されたときには、目標燃圧PFoに基づいて噴射パルス幅TJを補正するように構成されている。
【0150】
次に、図12のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態5による燃圧情報の切り換え動作について説明する。
図12において、まず、故障判定手段は、燃圧検出手段23(燃圧センサ)が故障中であるか否かを判定する(ステップS501)。
【0151】
なお、故障判定手段は、たとえば許容範囲を逸脱した検出燃圧PFが生成された場合に故障判定信号を出力するなどにより、周知の手段で構成され得るので詳述を省略する。
【0152】
ステップS501において、燃圧検出手段23が故障中(すなわち、YES)と判定されれば、検出燃圧PF(燃圧情報)として目標燃圧PFoを設定し(ステップS502)、図12の処理ルーチンを抜け出る。
【0153】
一方、ステップS501において、燃圧検出手段23が故障でない(すなわち、NO)と判定されれば、燃圧検出手段23が正常なので、ステップS502の処理を実行せずに、図12の処理ルーチンを抜け出る。
以下、前述の処理にしたがって噴射パルス信号Jの補正演算が実行される。
【0154】
このように、燃圧検出手段23が故障したときは、目標燃圧PFoに基づいて噴射パルス幅TJを補正することにより、異常な検出燃圧PFで噴射パルス幅TJが補正されることがなく、高精度の噴射パルス幅TJを確保することができ、失火などの発生を抑制することができる。
【0155】
実施の形態6.
なお、上記各実施の形態では、たとえば図1のように、燃圧制御手段28により高圧レギュレータ10の燃圧をフィードバック制御する場合について説明したが、高圧レギュレータ10に代えて、燃圧フィードバック制御を行わない機械式の燃圧レギュレータを用いてもよい。
【0156】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1によれば、エンジンの運転状態を検出する各種センサと、エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、燃圧検出手段による検出燃圧に基づいてインジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段とを備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、検出燃圧に応じてインジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、インジェクタに作用する燃圧を運転状態に応じた目標燃圧に制御する燃圧制御手段とを設け、噴射パルス演算手段は、運転状態に応じた有効パルス幅と無効パルス幅とを加算して噴射パルス幅を演算し、無駄時間補正手段は、検出燃圧と目標燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、目標燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するようにしたので、噴射パルス幅の補正を安定化且つ最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0158】
また、この発明の請求項2によれば、請求項1において、無駄時間補正手段は、燃圧偏差が所定時間以上連続して所定値を越えた場合のみに、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、条件を満たさない場合には、目標燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するようにしたので、噴射パルス幅の補正を安定化且つ最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0159】
また、この発明の請求項3によれば、請求項1において、噴射パルス演算手段は、燃圧偏差が所定値以内の場合には、目標燃圧に基づいて有効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて有効パルス幅を補正するようにしたので、噴射パルス幅の補正をさらに最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0160】
また、この発明の請求項4によれば、請求項1から請求項3までのいずれか1項において、所定値は、目標燃圧に応じて変更されるようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0161】
また、この発明の請求項5によれば、請求項1から請求項4までのいずれか1項において、所定値は、検出燃圧に定常的に重畳される脈動成分以上の値に設定されたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0162】
また、この発明の請求項6によれば、請求項1から請求項5までのいずれか1項において、燃圧検出手段の故障を判定する故障判定手段を備え、無駄時間補正手段は、燃圧検出手段の故障が判定されたときは、目標燃圧に基づいて噴射パルス幅を補正するようにしたので、燃圧検出手段が故障しても噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0163】
また、この発明の請求項7によれば、エンジンの運転状態を検出する各種センサと、エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、燃圧検出手段による検出燃圧に基づいてインジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段とを備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、検出燃圧に応じてインジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、検出燃圧から平均燃圧を演算する平均燃圧演算手段とを設け、噴射パルス演算手段は、運転状態に応じた有効パルス幅と無効パルス幅とを加算して噴射パルス幅を演算し、無駄時間補正手段は、検出燃圧と平均燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、平均燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0164】
また、この発明の請求項8によれば、請求項7において、無駄時間補正手段は、燃圧偏差が所定時間以上連続して所定値を越えた場合のみに、検出燃圧に基づいて無効パルス幅を補正し、条件を満たさない場合には、平均燃圧に基づいて無効パルス幅を補正するようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0165】
また、この発明の請求項9によれば、請求項7において、噴射パルス演算手段は、燃圧偏差が所定値以内の場合には、平均燃圧に基づいて有効パルス幅を補正し、燃圧偏差が所定値を越えた場合には、検出燃圧に基づいて有効パルス幅を補正するようにしたので、噴射パルス幅の補正をさらに最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0166】
また、この発明の請求項10によれば、請求項7から請求項9までのいずれか1項において、所定値は、平均燃圧に応じて変更されるようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0167】
また、この発明の請求項11によれば、請求項1から請求項10までのいずれか1項において、所定値は、エンジン回転数に応じて変更されるようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0168】
また、この発明の請求項12によれば、請求項1から請求項11までのいずれか1項において、所定値は、インジェクタの噴射量に応じて変更されるようにしたので、運転状態によらず噴射パルス幅の補正を最適化して、燃料噴射量の精度を向上させた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に関連した装置の要部を示す機能ブロック図である。
【図2】図1の装置による流量特性を示す特性図である。
【図3】図1の装置による無効パルス幅の補正方法を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による燃圧挙動および目標燃圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1による無効パルス幅の補正処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態2による無効パルス幅の補正処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3による燃圧挙動および平均燃圧の変化を示すタイミングチャートである。
【図8】この発明の実施の形態4により目標燃圧に対して変更設定される所定値を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態4によりエンジン回転数に対して変更設定される所定値を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態4により燃料噴射量に対して変更設定される所定値を示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態4による所定値の変更処理を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態5による燃圧情報の切換処理を示すフローチャートである。
【図13】一般的な筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置の燃料供給系を概略的に示すブロック構成図である。
【図14】従来の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置の要部を示す機能ブロック図である。
【図15】従来の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置による流量特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン、1F インジェクタ、2 各種センサ、7 高圧ポンプ、10 高圧レギュレータ(燃圧レギュレータ)、12 燃圧センサ、20A ECU、21 吸気量検出手段、22 回転数検出手段、23 燃圧検出手段、24 噴射量演算手段、25 噴射量補正手段、27 加算器、28 燃圧制御手段、29 無駄時間補正手段、52 補正テーブル、91 無駄時間補正テーブル、CNT 時間計測カウンタ、D 所定値、J 噴射パルス信号、Kh 補正係数、Kp 燃圧比、Ne エンジン回転数、PF 検出燃圧、PFm 平均燃圧、PFo 目標燃圧、Qa 吸気量、Qf 燃料噴射量、Ri 励磁電流、TJ 噴射パルス幅、TD 無効パルス幅、Te 有効パルス幅、Th 補正後の有効パルス幅、ΔPF 燃圧偏差、ΔPFm 平均燃圧、ΔPFe 脈動幅(脈動成分)、S110、S205、S207 無効パルス幅を検索するステップ、
S111 噴射パルス幅を算出するステップ、S203 燃圧偏差を所定値と比較するステップ、S302 所定時間を判定するステップ、S303 時間計測ステップ、S404 所定値を変更するステップ、S501 燃圧検出手段の故障を判定するステップ。

Claims (12)

  1. エンジンの運転状態を検出する各種センサと、
    前記エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、
    前記燃圧検出手段による検出燃圧に基づいて前記インジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段と
    を備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記検出燃圧に応じて前記インジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、
    前記インジェクタに作用する燃圧を前記運転状態に応じた目標燃圧に制御する燃圧制御手段とを設け、
    前記噴射パルス演算手段は、前記運転状態に応じた有効パルス幅と前記無効パルス幅とを加算して前記噴射パルス幅を演算し、
    前記無駄時間補正手段は、
    前記検出燃圧と前記目標燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、前記目標燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正し、
    前記燃圧偏差が前記所定値を越えた場合には、前記検出燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正することを特徴とする筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 前記無駄時間補正手段は、
    前記燃圧偏差が所定時間以上連続して前記所定値を越えた場合のみに、前記検出燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正し、
    前記条件を満たさない場合には、前記目標燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正することを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記噴射パルス演算手段は、
    前記燃圧偏差が前記所定値以内の場合には、前記目標燃圧に基づいて前記有効パルス幅を補正し、
    前記燃圧偏差が前記所定値を越えた場合には、前記検出燃圧に基づいて前記有効パルス幅を補正することを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記所定値は、前記目標燃圧に応じて変更されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 前記所定値は、前記検出燃圧に定常的に重畳される脈動成分以上の値に設定されたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記燃圧検出手段の故障を判定する故障判定手段を備え、
    前記無駄時間補正手段は、前記燃圧検出手段の故障が判定されたときは、前記目標燃圧に基づいて前記噴射パルス幅を補正することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  7. エンジンの運転状態を検出する各種センサと、
    前記エンジンの筒内に直接燃料を噴射するインジェクタと、
    前記インジェクタに作用する燃圧を検出する燃圧検出手段と、
    前記燃圧検出手段による検出燃圧に基づいて前記インジェクタの噴射パルス幅を演算する噴射パルス演算手段と
    を備えた筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記検出燃圧に応じて前記インジェクタの無効パルス幅を補正する無駄時間補正手段と、
    前記検出燃圧から平均燃圧を演算する平均燃圧演算手段とを設け、
    前記噴射パルス演算手段は、前記運転状態に応じた有効パルス幅と前記無効パルス幅とを加算して前記噴射パルス幅を演算し、
    前記無駄時間補正手段は、
    前記検出燃圧と前記平均燃圧との燃圧偏差が所定値以内の場合には、前記平均燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正し、
    前記燃圧偏差が前記所定値を越えた場合には、前記検出燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正することを特徴とする筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  8. 前記無駄時間補正手段は、
    前記燃圧偏差が所定時間以上連続して前記所定値を越えた場合のみに、前記検出燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正し、
    前記条件を満たさない場合には、前記平均燃圧に基づいて前記無効パルス幅を補正することを特徴とする請求項7に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  9. 前記噴射パルス演算手段は、
    前記燃圧偏差が前記所定値以内の場合には、前記平均燃圧に基づいて前記有効パルス幅を補正し、
    前記燃圧偏差が前記所定値を越えた場合には、前記検出燃圧に基づいて前記有効パルス幅を補正することを特徴とする請求項7に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  10. 前記所定値は、前記平均燃圧に応じて変更されることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  11. 前記所定値は、エンジン回転数に応じて変更されることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
  12. 前記所定値は、前記インジェクタの噴射量に応じて変更されることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の筒内噴射エンジンの燃料噴射制御装置。
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