JP3583340B2 - 魚釣用スピニングリ−ル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リール本体から蓋体を取り外さずに駆動歯車とピニオン歯車の噛み合い等を適正に調整が行える魚釣用スピニングリ−ルの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、魚釣用スピニングリ−ルは例えば、特開平5−184269号公報のようにリ−ル本体とリ−ル本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成された収容部に、駆動歯車やピニオン歯車、オシレ−ト機構などの巻取り駆動用部材が組込まれて構成されたものが一般的である。
又、前記駆動用歯車はリ−ル本体と蓋体夫々に軸受を介して回転自在に支持されている。
前記駆動歯車とピニオン歯車は、リ−ル本体の成形工程で発生する個体差によって微妙に歯車同士の噛み合い誤差が生じる為、リ−ル本体と駆動歯車との間、または前記駆動歯車と前記歯車支持用軸受との間に調整ワッシャを入れることで前記誤差を矯正している。
【0003】
前記調整ワッシャは、蓋体を外して組込むのが一般的であるが、以下に述べる不具合が指摘されている。
▲1▼調整ワッシャ交換の際にリ−ル本体から蓋体を取り外さなくてはならず、手間がかかる。
▲2▼蓋体を着脱すると、軸芯がズレ易く、歯当りを元の状態に戻すことが難しい。
▲3▼蓋体を着脱すると、内部の部品が脱落して紛失したり、ゴミや塵挨、水等が収容部内に侵入し易い。
▲4▼転がり軸受を使用した場合、海水による腐食が発生することが稀にあるが、その際に軸受を交換するのが非常に大変である。
▲5▼軸受保持の為の穴が袋穴なので加工が困難、且つ精度が出し難い。
▲6▼駆動歯車の軸方向移動を抑えて、回転精度を高める為の内側調整ワッシャを組むのが非常に困難。
と言った不具合が指摘されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、駆動歯車とピニオン歯車は、リ−ル本体の成形工程で発生する個体差によって微妙に歯車同士の噛み合い誤差が生じる為、リ−ル本体と駆動歯車との間、または前記駆動歯車と前記歯車支持用軸受との間に調整ワッシャを入れることで前記誤差を矯正している。
しかし、前記調整ワッシャは、蓋体を外して組込むのが一般的であるが、前記のように種々の不具合が指摘されていることである。
【0005】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、蓋体を取り外さずに駆動歯車とピニオン歯車の噛み合い等を適正に調整が行える魚釣用スピニングリ−ルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、リ−ル本体とリ−ル本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成された収容部に、駆動歯車やピニオン歯車、オシレ−ト機構などの巻取り駆動用部材を組込んで構成され、該駆動歯車を該収容部内で軸受を介して回転自在に支持した魚釣用スピニングリ−ルにおいて、
前記蓋体を前記リール本体から外さずに前記駆動歯車支持用軸受を着脱可能とする軸受カバーを、前記リ−ル本体又は前記蓋体の少なくとも何れか一方に着脱自在に取り付けると共に、前記軸受カバーの装着時に前記駆動歯車支持用軸受を介して前記駆動歯車の位置を調整することで、前記蓋体を前記リール本体から外さずに前記駆動歯車と前記ピニオン歯車との噛み合い調整を可能としたことを要旨とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1の本発明により、調整ワッシャ28、44や調整ワッシャ29、45の交換の際にリ−ル本体1、1′、9から蓋体2、2′を取り外さなくて良いので、手間いらずである。
駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合い調整の時、蓋体2、2′を着脱せずに駆動歯車4の位置調整が可能となるので、軸芯のズレを極力防止出来、歯当りを適正な噛み合いに調整出来る。
蓋体2、2′を着脱せずに駆動歯車4の位置調整が可能となるので、内部の部品が脱落や紛失を防止出来、又、ゴミや塵挨、水等の収容部a内への侵入を極力防ぐことが可能となる。
転がり軸受を使用した場合の、海水による腐蝕の発生があっても軸受を容易に交換することが可能となる。
駆動歯車4の軸方向移動を抑えて、回転精度を高める為の内側調整ワッシャを組むことが簡単に出来るので、新品時と同様の回転精度を容易に再現出来る。
【0008】
更に第2・6実施例では、軸受保持の為のリ−ル本体1の透孔1jと蓋体2の透孔2aや円弧部9h、9rを段差の無い貫通した挿入孔に出来るので加工が容易で、且つ精度が出し易い。
リ−ル本体1側の調整ワッシャ44と蓋体2側の調整ワッシャ28、29で駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合いの調整が出来る。
【0009】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図4は第1実施例で、図1は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図、図2は魚釣用スピニングリ−ルの要部拡大断面側面図、図3は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図、図4は魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【0010】
魚釣用スピニングリ−ルは、リ−ル本体1と蓋体2で駆動筒軸3の後端のピニオン歯車3a、駆動歯車4やオシレ−ト機構などの巻取り駆動用部材Aを収容する収容部aが形成されている。
リ−ル本体1の前側の支持部1a内に小径のころがり軸受からなる前部軸受5と大径のころがり軸受からなる後部軸受6と小径のころがり軸受からなる後側軸受5′で駆動筒軸3が回転自在に支持されている。
前部軸受5の外輪5aと後部軸受6の外輪6aとカラ−10が支持部1aの内周1bに嵌合され、支持部1aの後側の度当り部1cに後部軸受6の外輪6aが当接されて支持部1aの前端に螺合されたビス11の頭部で抜け止めされている。
【0011】
駆動筒軸3の基端の前側に一体的にピニオン歯車3aが形成され、ピニオン歯車3aの前側に連動歯車12と逆転防止爪車13が回り止め嵌合されてその前側に後部軸受6の内輪6bが度当り当接されている。
駆動筒軸3の外周に嵌合された後部軸受6の内輪6bの前側にはロ−タ7の中心筒部7aが回り止め嵌合されて駆動筒軸3の前端に螺合されたナット14で取り付けられ、内輪6bの内側部6cは軸方向に挾着支持されている。
中心筒部7aの外周に前部軸受5の内輪5bの内側部5cが軸方向に移動自在に嵌合されている。
前部軸受5の外輪5aと内輪5b及び後部軸受6の外輪6aと内輪6bの間には夫々ころがりボ−ル15、16が嵌め込まれている。
【0012】
駆動筒軸3の基端の小径部3bは軸受部1dの穴1eに嵌合されたころがり軸受からなる後側軸受5′に回転自在に軸承され、基端の前側に一体的に形成されたピニオン歯車3aに駆動歯車4が噛合されてロ−タ7はハンドル17の回転に連動して回転されるように支持され、ころがり軸受からなる後側軸受5′は前記前部軸受5と略同一に構成されている。
前記駆動筒軸3の中心孔には先端にスプ−ル18が取り付けられたスプ−ル軸19が前後往復動可能に摺動自在に挿入され、スプ−ル軸19の後端部には摺動子20が係止板21で取り付けられている。
【0013】
駆動歯車4は歯部4aと軸方向に長い回動軸4bと軸方向に短い回動軸4cで形成されている。
歯部4aは蓋体2側に配置されている。
駆動歯車4の長い回動軸4bはリ−ル本体1の穴1fに嵌合されたころがり軸受からなる歯車支持用軸受22に、回動軸4cは蓋体2の透孔2aに嵌合されたころがり軸受からなる歯車支持用軸受23で夫々軸支され、回動軸4b、4cの中心多角形孔4dにハンドル17が固定されたハンドル軸24が左右交換自在に挿入嵌合されて締付けボルト25で取り付けられている。
【0014】
歯車支持用軸受22が嵌合されたリ−ル本体1の穴1fの外側には3段の筒部1gが形成されて最小径の筒部の外周にネジ部1hが形成されている。
ネジ部1hには閉塞キャップ26が螺合されている。
蓋体2の透孔2aの外側には筒部2bが形成されて筒部2bの外周にネジ部2cが形成されてネジ部2cには軸受カバーである軸受キャップ8が螺合されている。
軸受キャップ8は大径の筒部8aと小径の筒部8bで断面凸字形に形成され、大径の筒部8aの内周先端に凹部8cが、内周にネジ部8dと度当り部8eが形成され、小径の筒部8bの外周にネジ部8fが形成されている。
内周先端の凹部8cにOリング27が嵌合されている。
蓋体2の透孔2aに嵌合されたころがり軸受からなる歯車支持用軸受23と度当り部8dの間に調整ワッシャ28が挾み込まれている。
ころがり軸受からなる歯車支持用軸受23と駆動歯車4の間の軸方向の短い回動軸4c外周に調整ワッシャ29が挾み込まれている。
【0015】
リ−ル本体1内にはスプ−ル軸19と平行に摺動機構のトラバ−スカム軸30が軸受部1dの透孔1iとリ−ル本体1の後側に取り付けられた側板31で支承されている。
トラバ−スカム軸30の先端には小歯車32が回り止め嵌合されて小歯車32は前記連動歯車12に噛合されている。
前記トラバ−スカム軸30には前記摺動子20が嵌合されて摺動子20に設けた係合子33の爪がトラバ−スカム軸30のカム溝に係合されている。
逆転防止爪車13には図示しない逆転防止爪が係脱自在に臨まされている。
リ−ル本体1に回動自在に取り付けられた操作杆34の前側に図示しない逆転防止爪が取り付けられ、リ−ル本体1の後側外部に突出した操作杆34に操作ツマミ35が取り付けられている。
【0016】
ロ−タ7の一対のベ−ル支持腕7b、7cの先端部外側に一方のベ−ル支持部材36と他方のベ−ル支持部材37がビス38、39で釣糸巻取位置と図示しない釣糸放出位置に反転自在に軸承されている。
一方のベ−ル支持部材36にはロ−ラ取付部40が取り付けられてロ−ラ取付部40にラインロ−ラ41が回転自在に保持されている。
他方のベ−ル支持部材37とロ−ラ取付部40の間にベ−ル42が取り付けられている。
【0017】
前記魚釣用スピニングリ−ルの動作は、釣糸43がスプ−ル18に巻回される方向にハンドル17が回転されると、駆動歯車4が回転されてピニオン歯車3aを介して駆動筒軸3とロ−タ7が正回転される。
更に連動歯車12と小歯車32を介してトラバ−スカム軸30が連動回転されて摺動子20とスプ−ル軸19とスプ−ル18が前後に往復動される。
釣糸43がスプ−ル18に巻回される時は、一方のベ−ル支持部材36に設けられたラインロ−ラ41で釣糸43が案内されて前後に往復動されてスプ−ル18に平行に巻回される。
ロ−タ7が逆回転防止される時は、操作ツマミ35と操作杆34と図示しない逆転防止爪が回動されて逆転防止爪が逆転防止爪車13に係合される。
【0018】
ロ−タ7が回転される時、駆動筒軸3と駆動筒軸3に回り止め嵌合されたロ−タ7の中心筒部7aは前部軸受5と後部軸受6で支持され、前部軸受5と後部軸受6が軸方向に挾着支持されて内輪6bの内側部6cは軸方向に挾着支持され、かつ前部軸受5は内輪5bの内側部5cがロ−タ7の中心筒部7aの外周に軸方向に移動自在に嵌合されているので、前部軸受5の外輪5aと内輪5b及び後部軸受6の外輪6aと内輪6bの間に位相ズレが起こらず、夫々内輪と外輪からころがりボ−ル15、16が受ける抵抗が小さく、前部軸受5と後部軸受6の回転が軽くなってロ−タ7のスム−ズな回転性が得られ、ロ−タ7は前部軸受5と後部軸受6で支持されているので、釣糸43の繰り出しでラインロ−ラ41側に力が加わっても円滑な巻取り操作が行える。
更に駆動筒軸3の後端小径部3bはころがり軸受からなる後側軸受5′に回転自在に軸承されているので、大きな負荷が掛かってもロ−タ7は円滑に回転される。
【0019】
駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合いが調整される時は、リ−ル本体1側の閉塞キャップ26と締付けボルト25が外されてハンドル軸24が引き抜かれ、その後蓋体2側の軸受キャップ8が外されて調整ワッシャ28が厚さの異なる調整ワッシャに取り替えられたり、歯車支持用軸受23と調整ワッシャ29が取り出されて調整ワッシャ29に代わる厚さの異なる調整ワッシャと歯車支持用軸受23が挿入される。
図4においてハンドル軸24をリ−ル本体1側から歯車支持用軸受22と駆動歯車4の回動軸4b、4cの中心多角形孔4dに挿入して締付けボルト25で締め付け、軸受キャップ8のネジ部8fに閉塞キャップ26を螺合してもよい。
【0020】
魚釣用スピニングリ−ルが前記のように構成されると、調整ワッシャ28の交換の際にリ−ル本体1から蓋体2を取り外さなくて良いので、手間いらずである。
駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合い調整の時、蓋体2を着脱せずに駆動歯車4の位置調整が可能となるので、軸芯のズレを極力防止出来、歯当りを適正な噛み合いに調整出来る。
蓋体2を着脱せずに駆動歯車4の位置調整が可能となるので、内部の部品が脱落や紛失を防止出来、又、ゴミや塵挨、水等の収容部a内への侵入を極力防ぐことが可能となる。
転がり軸受を使用した場合の、海水による腐蝕の発生があっても軸受を容易に交換することが可能となる。
駆動歯車4の軸方向移動を抑えて、回転精度を高める為の内側調整ワッシャを組むことが簡単に出来るので、新品時と同様の回転精度を容易に再現出来る。
【0021】
図5は第2実施例で、図5は魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【0022】
第2実施例では、リ−ル本体1と蓋体2に夫々前記第1実施例と同形の軸受カバーである軸受キャップ8が螺合可能に構成されている。
リ−ル本体1に透孔1jが穿設され、透孔1jの外側に筒部1kが形成されて筒部1kの外周にネジ部1mが形成されている。
透孔1jにはころがり軸受からなる歯車支持用軸受22が嵌合され、ネジ部1mに軸受キャップ8が螺合されている。
軸受キャップ8の度当り部8eと歯車支持用軸受22の間には調整ワッシャ44が挾み込まれている。
軸受キャップ8のネジ部8fに閉塞キャップ26が螺合されている。
駆動歯車4の軸方向に長い回動軸4b側には太径部4eが形成されて段部が歯車支持用軸受22の内輪に当接されている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【0023】
第2実施例のように魚釣用スピニングリ−ルが構成されると、前記第1実施例の効果のほかに、軸受保持の為のリ−ル本体1の透孔1jと蓋体2の透孔2aを段差の無い貫通した挿入孔に出来るので加工が容易で、且つ精度が出し易い。
更にリ−ル本体1側の調整ワッシャ44と蓋体2側の調整ワッシャ28、29で駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合いの調整が出来る。
【0024】
図6、図7は第3実施例で、図6は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図、図7は魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【0025】
第3実施例では、後部軸受6′の内輪が第1実施例の後部軸受6の内輪6bより大径に形成されて駆動軸筒3の外径との間に隙間が形成され、高負荷時のみ作動するように構成されている。
駆動歯車4の歯部4aがリ−ル本体1側に配置され、リ−ル本体1のネジ部1mに前記第2実施例と同様に軸受カバーである軸受キャップ8が螺合され、軸受キャップ8のネジ部8fに閉塞キャップ26が螺合されている。
リ−ル本体1の透孔1jにころがり軸受からなる歯車支持用軸受22が嵌合されている。
軸受キャップ8の度当り部8eと歯車支持用軸受22の間には調整ワッシャ44が挾み込まれ、歯車支持用軸受22と駆動歯車4の間に調整ワッシャ45が挾み込まれている。
蓋体2に穴2dが形成されて穴2dの外側には3段の筒部2eが形成されて最小径の筒部の外周にネジ部2fが形成されている。
穴2dにころがり軸受からなる歯車支持用軸受23が嵌合されている。
他の構成は第1実施例と略同様である。
【0026】
第3実施例のように魚釣用スピニングリ−ルが構成されると、リ−ル本体1側の軸受キャップ8と歯車支持用軸受22の外側の調整ワッシャ44と内側の調整ワッシャ45で駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合いの調整が出来る。
【0027】
図8は第4実施例で、図8は魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【0028】
第4実施例では、リ−ル本体1の側部と蓋体2の側部に夫々軸受カバーである軸受キャップ8′と軸受キャップ8″がビス46、47で取り付けられている。
リ−ル本体1の側部には透孔1nが穿設されてころがり軸受からなる歯車支持用軸受22が嵌合されている。
軸受キャップ8′は大径の筒部8aと小径の筒部8bで断面凸字形に形成され、大径の筒部8aに鍔部8gが形成されている。
大径の筒部8aの内周には度当り部8eが形成され、小径の筒部8bの外周にネジ部8fが形成されて、鍔部8gに複数の透孔8hが穿設されている。
歯車支持用軸受22と度当り部8eの間には調整ワッシャ44が挾み込まれ、軸受キャップ8′のネジ部8fに閉塞キャップ26が螺合されている。
駆動歯車4の軸方向に長い回動軸4b側には太径部4eが形成されて段部が歯車支持用軸受22の内輪に当接されている。
【0029】
蓋体2に透孔2gが穿設されている。
軸受キャップ8″は大径の筒部8aと小径の筒部8bで断面凸字形に形成されて大径の筒部8aに鍔部8gと筒部8iが形成され、筒部8iは透孔2gに嵌合されている。
大径の筒部8aと筒部8iの内周8jにころがり軸受からなる歯車支持用軸受23が嵌合されている。
歯車支持用軸受23と度当り部8dの間に調整ワッシャ28が挾み込まれている。
歯車支持用軸受23と駆動歯車4の間の軸方向の短い回動軸4c外周に調整ワッシャ29が挾み込まれている。
他の構成は第1実施例と略同様である。
【0030】
第4実施例では、駆動歯車4とピニオン歯車3aの噛み合いが調整される時は、リ−ル本体1側の閉塞キャップ26と締付けボルト25が外されてハンドル軸24が引き抜かれ、その後ビス46、47が緩められて軸受キャップ8′と軸受キャップ8″が外されて調整ワッシャ44と調整ワッシャ28が厚さの異なる調整ワッシャに取り替えられたり、歯車支持用軸受23と調整ワッシャ29が取り出されて調整ワッシャ29に代わる厚さの異なる調整ワッシャと歯車支持用軸受23が挿入される。
【0031】
図9、図10は第5実施例で、図9は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図、図10は支持部内の拡大断面平面図である。
【0032】
第5実施例では、リ−ル本体1′の両側に蓋体2、2′が取り付けられ、リ−ル本体1の前側の支持部1a内に大径のころがり軸受からなる前部軸受6″と大径のころがり軸受からなる後部軸受6とメタル軸受からなる後側軸受48で駆動筒軸3が回転自在に支持されている。
前部軸受6″の外輪6dと後部軸受6の外輪6aとカラ−10が支持部1aの内周1bに嵌合され、支持部1aの後側の度当り部1cに後部軸受6の外輪6aが当接されて支持部1aの前端に螺合されたビス11の頭部で抜け止めされている。
【0033】
駆動筒軸3の基端の前側に一体的にピニオン歯車3aが形成され、ピニオン歯車3aの前側に連動歯車12と逆転防止爪車13が回り止め嵌合されてその前側に後部軸受6の内輪6bが度当り当接されている。
駆動筒軸3の外周に嵌合された前部軸受6″の内輪6eの前側にはロ−タ7の中心筒部7dが回り止め嵌合されて駆動筒軸3の前端に螺合されたナット14で取り付けられ、内輪6bの内側部6cは軸方向に挾着支持されている。
駆動筒軸3の外周に前部軸受6″の内輪6eの内側部6fが軸方向に移動自在に嵌合されている。
前部軸受6″の外輪6dと内輪6e及び後部軸受6の外輪6aと内輪6bの間には夫々ころがりボ−ル15、16が嵌め込まれている。
駆動筒軸3の基端の小径部3bは軸受部1dの穴1eに嵌合されたメタル軸受からなる後側軸受48に回転自在に軸承されている。
【0034】
図9でリ−ル本体1′の右側の蓋体2は前記第1実施例と同形に形成され、リ−ル本体1′の左側の蓋体2′は前記第3実施例を反転した形状と同形に形成されている。
蓋体2と蓋体2′を同形に形成してもよい。
他の構成は第1実施例と略同様である。
【0035】
図11から図13は第6実施例で、図11は魚釣用スピニングリ−ルの側面図、図12は魚釣用スピニングリ−ルの分解側面図、図13は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面背面図である。
【0036】
第6実施例では、リ−ル本体9が上半分の本体部9′側と下半分の本体部9″側に分割されている。
上半分の本体部9′側と下半分の本体部9″側が合体された後、前記第2実施例(図5)と同形の軸受カバーである軸受キャップ8が螺合される。
上半分の本体部9′は駆動歯車4の上半分が収納可能な本体部9aと、図示しない釣竿に取付け固定するための脚部9bとが一体に形成されている。
本体部9aは正面から見て脚部9bの下側を中心に二股の側部9c、9cが形成されて内部に駆動歯車4の外径より大きな凹部9dが形成されている。
本体部9aは側面から見て前後面は垂直面9e、9e′で略山形状に形成され、側部9c、9cに脚部9bから連続する長方形の突出部9f、9fと、突出部9f、9fの下側で外側に半円リング部9g、9gが形成されている。
【0037】
上半分の本体部9′の半円リング部9g、9gの内周は駆動歯車4の回動軸4b、4cに嵌合されるころがり軸受からなる歯車支持用軸受22、23が嵌合可能な円弧部9h、9hに形成され、半円リング部9g、9gの外周にはネジ部9i、9iが形成されている。
円弧部9h、9hには歯車支持用軸受22、23が下側から挿入可能に夫々形成されている。
本体部9aの上側左右には複数のネジ孔9jが穿設されている。
下半分の本体部9″は駆動歯車4の下半分が収納可能な外形が変形山形状の本体部9kと前側の筒部9mと中空の中間側部9n、9nと後側有底筒部9oで形成されている。
【0038】
前側の筒部9m内には回転軸筒4が図示しない軸受で回転自在に軸承されている。
中間側部9n、9nにはU字形の切込み部9p、9pが形成されて切込み部9p、9pの底の外側に半円リング部9q、9qが形成されている。
半円リング部9q、9qの内周は駆動歯車4の回動軸4b、4cに嵌合されるころがり軸受からなる歯車支持用軸受22、23が嵌合可能な円弧部9r、9rに形成され、半円リング部9q、9qの外周にはネジ部9s、9sが形成されている。
中間側部9n、9nの上側には複数の皿孔9t、9tが形成されている。
中間側部9n、9nの内側の前後には垂直面9u、9u′が形成されている。
後側有底筒部9o外周に有底筒状カバ−49が嵌合固定されている。
【0039】
上半分の本体部9′側に駆動歯車4と下半分の本体部9″側が装着される時は、まず下半分の本体部9″の中に回転軸筒4や図示しないオシレ−ト機構などの巻取り駆動用部材が組み込まれ、駆動歯車4の回動軸4b、4cに歯車支持用軸受22、23と調整ワッシャ29が嵌合されて半円リング部9q、9qの内周円弧部9r、9rに嵌合される。
次に下半分の本体部9″のU字形の切込み部9p、9pに上半分の本体部9′の長方形の突出部9f、9fが嵌合されるように合わせて押し込まれると、半円リング部9q、9qと半円リング部9g、9gが合体されて歯車支持用軸受22、23が円弧部9h、9hに嵌合される。
【0040】
この状態では上半分の本体部9′の垂直面9e、9e′が下半分の本体部9″の中間側部9n、9nの内側の前後の垂直面9u、9u′に合わせられる。
次に下半分の本体部9″皿孔9tにビス50が挿入されて上半分の本体部9′のネジ孔9jに螺合される。
上半分の本体部9′側と下半分の本体部9″側が装着されて合体された後は、調整ワッシャ28、44が挿入されて軸受キャップ8、8が夫々ネジ部9i、9iとネジ部9s、9sに螺合される。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】
請求項1により、調整ワッシャの交換の際にリ−ル本体から蓋体を取り外さなくて良いので、手間いらずである。
駆動歯車とピニオン歯車の噛み合い調整の時、蓋体を着脱せずに駆動歯車の位置調整が可能となるので、軸芯のズレを極力防止出来、歯当りを適正な噛み合いに調整出来る。
蓋体を着脱せずに駆動歯車4の位置調整が可能となるので、内部の部品が脱落や紛失を防止出来、又、ゴミや塵挨、水等の収容部a内への侵入を極力防ぐことが可能となる。
転がり軸受を使用した場合の、海水による腐蝕の発生があっても軸受を容易に交換することが可能となる。
駆動歯車の軸方向移動を抑えて、回転精度を高める為の内側調整ワッシャを組むことが簡単に出来るので、新品時と同様の回転精度を容易に再現出来る。
【0043】
更に軸受保持の為のリ−ル本体の透孔と蓋体の透孔や円弧部を段差の無い貫通した挿入孔に出来るので加工が容易で、且つ精度が出し易い。
リ−ル本体側の調整ワッシャと蓋体側の調整ワッシャで駆動歯車とピニオン歯車の噛み合いの調整が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図である。
【図2】同魚釣用スピニングリ−ルの要部拡大断面側面図である。
【図3】同魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【図4】同魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【図5】第2実施例で、魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【図6】第3実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【図7】同魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【図8】第4実施例で、魚釣用スピニングリ−ルのハンドル軸回りの拡大断面平面図である。
【図9】第5実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの要部断面平面図である。
【図10】同支持部内の拡大断面平面図である。
【図11】第6実施例で、魚釣用スピニングリ−ルの側面図である。
【図12】同魚釣用スピニングリ−ルの分解側面図である。
【図13】同魚釣用スピニングリ−ルの要部断面背面図である。
【符号の説明】
1、1′、9 リ−ル本体
2、2′ 蓋体
3a ピニオン歯車
4 駆動歯車
8 軸受キャップ
22、23 歯車支持用軸受
28、29、44、45 調整ワッシャ
A 巻取り駆動用部材
a 収容部
Claims (1)
- リ−ル本体とリ−ル本体の開口部を閉塞する蓋体とで構成された収容部に、駆動歯車やピニオン歯車、オシレ−ト機構などの巻取り駆動用部材を組込んで構成され、該駆動歯車を該収容部内で軸受を介して回転自在に支持した魚釣用スピニングリ−ルにおいて、
前記蓋体を前記リール本体から外さずに前記駆動歯車支持用軸受を着脱可能とする軸受カバーを、前記リ−ル本体又は前記蓋体の少なくとも何れか一方に着脱自在に取り付けると共に、前記軸受カバーの装着時に前記駆動歯車支持用軸受を介して前記駆動歯車の位置を調整することで、前記蓋体を前記リール本体から外さずに前記駆動歯車と前記ピニオン歯車との噛み合い調整を可能としたことを特徴とする魚釣用スピニングリ−ル。
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