JP3580406B2 - 高温度熱電変換素子 - Google Patents

高温度熱電変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP3580406B2
JP3580406B2 JP26201198A JP26201198A JP3580406B2 JP 3580406 B2 JP3580406 B2 JP 3580406B2 JP 26201198 A JP26201198 A JP 26201198A JP 26201198 A JP26201198 A JP 26201198A JP 3580406 B2 JP3580406 B2 JP 3580406B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoelectric conversion
type thermoelectric
semiconductors
electrode
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26201198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000091650A (ja
Inventor
紀男 野崎
真樹 石沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP26201198A priority Critical patent/JP3580406B2/ja
Publication of JP2000091650A publication Critical patent/JP2000091650A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3580406B2 publication Critical patent/JP3580406B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温度熱電変換素子に係る。より詳細には、高温度となる燃料電池、ガスエンジン等から排出される熱エネルギーを電気エネルギーに変換して出力することが可能な高温度熱電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の熱電変換素子としては、例えば、図4に示すものが挙げられる。図4の熱電変換素子は、複数のp型熱電変換半導体401及びn型熱電変換半導体402が電極403、404を介して交互かつ連続的に接続され、その両面を絶縁性を有する基板405、407で挟み込んで構成され、片面を加熱板421、もう一方の面を冷却板420に接触させて熱電変換装置として用いられる。このような構成の熱電変換素子では、加熱板421から貫流した熱と冷却板420により吸収された熱が絶縁性基板405、407を経て熱電変換半導体401、402に達することによって、温度差が発生する。この温度差はゼーベック効果により熱電変換半導体401、402の両端間に起電力を発生させ、その結果、電気出力配線422、423より電力が供給される。
【0003】
しかしながら、現状では絶縁性基板405、407の材質としては、一般的に平板のセラミック材や平板のアルミナを用いて表面処理を施したアルミ材が用いられている。従って、基板の形状が平面のため接触面における熱抵抗等により熱伝搬が妨げられ、温度分布が不均等となり熱電変換半導体に加わる温度差が小さくなって、電気出力が小さく熱電変換効率が低くなる、という問題点があった。
【0004】
この問題点を解決する方法として、加熱側基板407と加熱板421および冷却側基板405と冷却板420の接触面に嵌合溝を設け接触面積の拡大を図ることにより、熱流量を増加させ温度分布を均一化させる方法が、特開平10−144968号公報に開示されている。この方法によれば、加熱側基板407と加熱板421および冷却側基板405と冷却板420の接触面の熱流量を増加させ温度分布を均一化できるので、熱電変換半導体401、402に加わる温度差が大きくなるため出力の増大効果が期待される。
【0005】
しかしながら、特開平10−144968号公報に開示され方法は、熱供給温度が百数十℃程度の熱電変換装置に使用して運転する場合には良好であるが、例えば、ディーゼルエンジン(排熱温度:300〜450℃)や、ガスエンジン(排熱温度:400〜600℃)、固体電解質型燃料電池(排熱温度:600〜800℃)等のように排熱温度が300℃以上800℃以下で熱供給運転する場合には、加熱側基板407と冷却側基板405の温度の違いから金属特有の熱膨張差が発生するため、百数十℃程度では問題とならなかった熱応力が発生し熱電変換素子401、402の反り歪みが生じる、という新たな問題が生じていた。
【0006】
この反り歪みは、熱供給温度が300℃以上の場合には熱電変換素子401、402の機械的強度の弱い部分、すなわち、熱電変換半導体401、402本体や、熱電変換半導体401、402と電極403、404との接続部411、412への応力となる。その結果、金属疲労等により熱電変換半導体401、402本体や熱電変換半導体401、402の電極403、404との接続部411、412の寿命を短くするという問題が発生する。特に、熱電変換半導体401、402は一般的に劈開性を持ち、通常の金属と比べ機械的強度が弱いという性質を持つことから、熱電変換装置の熱供給温度が300℃以上で運転する場合には、特開平10−144968号公報に開示され方法だけでは上記問題は解消できない状況にあった。
【0007】
現在、熱電変換半導体401、402を構成する材料としては、例えばビスマス−テルル系熱電変換半導体が主に使用されているが、このビスマス−テルル系熱電変換半導体は本体温度が250〜300℃以上に上昇すると空気中の酸素と反応して酸化する性質を有する。従って、この酸化は直接的に熱電変換素子401、402の特性を劣化させ、出力を低下させるので、この問題を解決することが期待されている。
【0008】
また、基板407、405と電極403、404との間には絶縁材として耐熱400℃程度のポリイミドフィルム(不図示)を用いる場合があるが、電極403、404を接着している接着剤(不図示)は耐熱200℃程度であるため、熱電変換素子401、402への供給温度を300℃以上とした場合、特開平10−144968号公報に開示され方法は、冷却側基板405への適用は可能であるが、加熱側基板407への適用はできない状況にあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、熱電変換素子への供給温度が300℃以上800℃以下という高温度熱源供給時において、安定した出力の確保と、高い熱電変換効率と、優れた耐久性とを兼ね備えた高温度熱電変換素子を提供することを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る第一の高温度熱電変換素子は、複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体とを交互に離間して設け、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上面を電気的に接続する第一の電極と、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の下面を電気的に接続する第二の電極とを交互に備えることによって、前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体を直列に接続するとともに、前記第一の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第一の絶縁部材、冷却側基板を順に接触させて設け、前記第二の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第二の絶縁部材、加熱側基板を順に接触させて配置して構成され、更に、前記冷却側基板を冷却板に、前記加熱側基板を加熱板に接触させることにより電気出力を得る高温度熱電変換素子において、前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上下面以外の側面に陽極酸化アルミ被膜を設けることにより、空気中の酸素による熱電変換半導体の酸化が防止できる。
【0011】
また、上記特徴を有する高温度熱電変換素子において、前記複数のp型熱電変換半導体及びn型熱電変換半導体と前記第一の電極との接触面、並びに、前記複数のp型熱電変換半導体及びn型熱電変換半導体と前記第二の電極との接触面、に銀メッキを施したことにより、加熱側各部において放射、対流による熱伝導を低減させ熱電変換半導体にかかる温度差を向上させることができる。
【0012】
参考発明に係る第一の高温度熱電変換素子は、複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体とを交互に離間して設け、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上面を電気的に接続する第一の電極と、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の下面を電気的に接続する第二の電極とを交互に備えることによって、前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体を直列に接続するとともに、前記第一の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第一の絶縁部材、冷却側基板を順に接触させて設け、前記第二の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第二の絶縁部材、加熱側基板を順に接触させて配置して構成され、更に、前記冷却側基板を冷却板に、前記加熱側基板を加熱板に接触させることにより電気出力を得る高温度熱電変換素子において、前記第一の絶縁部材は前記第一の電極が可動となるような材料であることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、第一の絶縁部材として第一の電極が可動となるような材料を用いたことにより、熱電変換素子の温度差により生じる反りや歪みによる応力を、第一の電極が可動となるような材料の弾性により吸収することが可能となる。
【0014】
このような第一の電極が可動となるような材料としては、導熱性シリコン樹脂又は4フッ化エチレン樹脂が好適に用いられる。
【0015】
参考発明に係る第二の高温度熱電変換素子は、複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体とを交互に離間して設け、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上面を電気的に接続する第一の電極と、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の下面を電気的に接続する第二の電極とを交互に備えることによって、前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体を直列に接続するとともに、前記第一の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第一の絶縁部材、冷却側基板を順に接触させて設け、前記第二の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第二の絶縁部材、加熱側基板を順に接触させて配置して構成され、更に、前記冷却側基板を冷却板に、前記加熱側基板を加熱板に接触させることにより電気出力を得る高温度熱電変換素子において、前記第二の絶縁部材は300℃以上800℃以下の耐熱性をもつ材料であることを特徴とする。
【0016】
上記構成では、第二の絶縁部材として300℃以上800℃以下の耐熱性をもつ材料を用いたことにより、供給温度が300〜800℃の範囲にあるディーゼルエンジンをはじめ、ガスエンジンや固体電解質型燃料電池等の排熱を、熱電変換素子への熱供給源として利用できる。
【0017】
このような300℃以上800℃以下の耐熱性をもつ材料としては、陽極酸化アルミが好ましい。
【0018】
上記特徴を有する高温度熱電変換素子において、前記冷却側基板と前記冷却板の互いの接触面、及び、前記加熱側基板と前記加熱板の互いの接触面、を嵌合溝構造とすることにより、各接触面の面積を拡大させることができるので、熱流量を増加させ温度分布の均一化が図れる。その結果、熱電変換半導体に加わる温度差が大きくなるため出力の増大が可能となる。
【0019】
また、上記構成における第二の電極として、真空蒸着法により作製した金属箔を用いることにより、金属箔を第二の絶縁部材に固定する際に、第二の絶縁部材を構成する陽極酸化アルミ被膜の封孔処理も同時に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明に係る高温度熱電変換素子について、図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る高温度熱電変換素子の模式的な断面図である。図1において、101はp型熱電変換半導体、102はn型熱電変換半導体、103は第一の電極、104は第二の電極、105は第一の絶縁部材、106は冷却側基板、107は第二の絶縁部材、108は加熱側基板、109は冷却側基板と冷却板との接触面、110加熱側基板と加熱板との接触面、111は熱電変換半導体と第一の電極との接触部、112は熱電変換半導体と第二の電極との接触部、120は冷却板、121は加熱板、122及び123は電気出力配線である。
【0022】
図1に示した高温度熱電変換素子では、複数のp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102は、交互に離間して設けられ、隣り合うp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102の上面(冷却側)には第一の電極103を、隣り合うp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102の下面(加熱側)には第二の電極104を、交互に備えることによって、前記複数のp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102を直列に接続している。その際、第一の電極103は熱が加わった際に可動できる材料で、第二の電極104は熱が加わっても固定された状態を維持する材料で、それぞれ構成する。
【0023】
更に、図1の高温度熱電変換素子は、第一の電極103が複数のp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102に接触している側と反対の側には、第一の絶縁部材105、冷却側基板106を順に接触させて設け、前記第二の電極104が前記複数のp型熱電変換半導体101とn型熱電変換半導体102に接触している側と反対の側には、第二の絶縁部材104、加熱側基板108を順に接触させて配置して構成され、更に、前記冷却側基板106を冷却板120に、前記加熱側基板108を加熱板121に接触させることにより電気出力を得る。
【0024】
その際、第一の電極103としては、熱が加わった際に可動できる材料が好ましく、第二の電極104としては、熱が加わっても固定された状態を維持する材料が望ましい。
【0025】
具体的には、複数のp型熱電変換半導体101及びn型熱電変換半導体102が接続された第二の電極(固定電極)104は、例えば陽極酸化アルミ被膜からなる第二の絶縁部材107に接着材(不図示)により固定、若しくは真空蒸着により陽極酸化アルミ被膜107の封孔処理とともに固定され、加熱側に設けられる。一方、複数のp型熱電変換半導体101及びn型熱電変換半導体102が接続された第一の電極(可動電極)103は、例えばシリコン樹脂被膜からなる第一の絶縁部材105に接着された銀箔をパターン化したものが好適であり、冷却側に設けられる。その際、冷却側に設ける第一の絶縁部材105は、加熱運転時における熱電変換半導体101、102の熱応力による変形を吸収する厚みと弾性を有する形態が好ましい。ここで、シリコン樹脂とはシリコンを任意の樹脂で固めたものを指す。また、第一の絶縁部材105として、シリコン樹脂に代えて4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロンと呼称されるもの等)を用いても構わない。
【0026】
また、図1の高温度熱電変換素子において、冷却側基板106と冷却板120の互いの接触面109、及び、加熱側基板108と加熱板121の互いの接触面110、を嵌合溝構造とする形態が望ましい。このような嵌合溝構造は、各接触面109、110の面積を拡大させることができるので、熱流量を増加させ温度分布の均一化が図れる。その結果、熱電変換半導体101、102に加わる温度差が大きくなるため出力の増大が可能な、高温度熱電変換素子が得られる。
【0027】
図2は、図1に示した高温度熱電変換素子を、高温度で運転した際の状態を示した模式的な断面図である。図2に示すように、加熱側の嵌合溝付基板208は冷却側の嵌合溝付基板206よりも装置運転時には非常に高温となるため、金属特有の熱膨張現象が起こり両嵌合溝付基板206、208の寸法に相違が生じる。また、複数のp型熱電変換半導体201及びn型熱電変換半導体202においても両端温度差のため台形状に変形が生じる。この変形は、どの熱電変換半導体でも同一となるが、その傾きは基板中心部では小さく、基板外周部に近づくほど大きくなる傾向がある。このような熱膨張による応力は、劈開性をもつ熱電変換半導体201、202本体、若しくは各熱電変換半導体201、202と電極203、204との接続部211、212に歪みとなってかかる。しかしながら、本発明に係る高温度熱電変換素子では、図3に示すように、熱膨張により台形状に変形した熱電変換半導体201、202の加熱側から冷却側に至る方向の熱膨張は、冷却側に設けた第一の絶縁部材205であるシリコン樹脂の弾性によって吸収することができる。
【0028】
また、加熱側基板208における熱電変換半導体接続部方向の熱膨張は加熱側基板221の嵌合溝部分の微少滑面および素材弾性により緩和された後、熱電変換半導体201、202の傾斜となって現れる。この傾斜にかかる応力は、冷却側の第一の絶縁部材205として設けたシリコン樹脂および冷却側の第一の電極(可動電極)203の弾性による変形となって吸収される。このため、本発明に係る熱電変換素子は、加熱温度と冷却温度の差が300〜800℃の範囲にある場合においても、熱電変換半導体201、202本体若しくは熱電変換半導体201、202と電極203、204との接続部分211、212にかかる熱応力を、従来に比べて非常に小さくすることができる。
【0029】
図3は、本発明に係る高温度熱電変換素子を構成するn又はp型熱電変換半導体の模式的な斜視図である。図3において、b1とb2は電極103、104と接する上下面を、a1〜a4は上下面以外の側面を指す。従来、例えばビスマス−テルルからなる熱電変換半導体は、本体温度が250〜300℃以上に上昇すると空気中の酸素と反応して劣化する傾向があった。これに対して、本発明に係る熱電変換半導体では、この劣化を防止するため熱電変換半導体101、102の加熱側から冷却側に至る方向、すなわち熱電変換半導体101、102と電極103、104との接続面b1、b2以外の側面a1〜a4に陽極酸化アルミ被膜を設けたことにより大気を遮断できるので、各熱電変換半導体101、102の劣化を抑止できる。また、各熱電変換半導体101、102の側面a1〜a4に設けた陽極酸化アルミ被膜は、大気遮断の利点以外に陽極酸化アルミ被膜自体の熱絶縁性を高めることにより加熱側基板108面からの放射熱による熱電変換半導体101、102の温度上昇を低減し熱電変換半導体101、102にかかる温度差を確立させて出力を増大させる二次的効果も有する。
【0030】
また、加熱側基板108の第二の電極(固定電極)104に対する各熱電変換半導体101、102の接続と、冷却側基板106の第一の電極(可動電極)103に対する各熱電変換半導体101、102の接続は、次に示すような異なる構成とした。すなわち、加熱側基板108の第二の電極(固定電極)104に対する各熱電変換半導体101、102の接続は、各熱電変換半導体101、102の接続面112に銀メッキ処理を施した後500℃程度で溶解する銀ろうを使用してろう付けした。一方、冷却側基板106の第一の電極(可動電極)103に対する各熱電変換半導体101、102の接続は、各熱電変換半導体101、102のの接続面111に銀メッキまたは銅メッキ処理を施した後200℃程度で溶解する半田を使用して半田付けした。このような構成により、高温度時の運転において、冷却側基板108の第一の電極(可動電極)103と各熱電変換半導体101、102との接続面111に生じる熱膨張をさらに緩和することができる。
【0031】
上記構成からなる図1に示した高温度熱電変換素子は、熱電変換素子への供給温度が300〜800℃という高温度熱源供給時でも安定に動作し、その出力は2〜5kW/m(供給温度300℃の場合)、5〜13kW/m(供給温度800℃の場合)であり十分実用に値することが確認された。また、供給熱エネルギーと電気出力の比である熱電変換効率は2.5〜9%(供給温度300℃の場合)、8〜19%(供給温度800℃の場合)と高効率であり、同出力の従来装置と比較して装置体積が十分に小さいため省スペース化も図れることが分かった。従って、本発明に係る高温度熱電変換素子は、固体電解質型燃料電池やゴミ焼却炉等の排熱を直接、電気エネルギーに変換できることが明らかとなった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る高温度熱電変換素子は、熱電変換素子への供給温度が300〜800℃という高温度熱源供給時に、各熱電変換半導体と加熱側基板との接続は固定状態が維持される構成と、各熱電変換半導体111、112と冷却側基板との接続は可動状態となる構成とを備えている。従って、本発明によれば、熱電変換素子への供給温度が300〜800℃という高温度熱源供給時において、安定した出力の確保と、高い熱電変換効率と、優れた耐久性とを兼ね備えた高温度熱電変換素子、すなわち、供給温度が300〜800℃となるディーゼルエンジン、ガスエンジン、固体電解質型燃料電池等の排熱を、熱電変換素子への熱供給源として利用できる高温度熱電変換素子を提供することができる。
【0033】
また、本発明に係る高温度熱電変換素子は、熱電変換効率が向上するにより、同出力の従来装置と比較して装置の小型化や省スペース化も達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高温度熱電変換素子の模式的な断面図である。
【図2】図1に示した高温度熱電変換素子を、高温度で運転した際の状態を示した模式的な断面図である。
【図3】本発明に係る高温度熱電変換素子を構成するn又はp型熱電変換半導体の模式的な斜視図である。
【図4】従来の高温度熱電変換素子の模式的な断面図である。
【符号の説明】
101、201 p型熱電変換半導体、
102、201 n型熱電変換半導体、
103、203 第一の電極(可動電極)、
104、204 第二の電極(固定電極)、
105、205 第一の絶縁部材、
106、206 冷却側基板、
107、207 第二の絶縁部材、
108、208 加熱側基板、
109、209 冷却側基板と冷却板との接触面、
110、210 加熱側基板と加熱板との接触面、
111、211 熱電変換半導体と第一の電極との接触部、
112、212 熱電変換半導体と第二の電極との接触部、
120、220 冷却板、
121、221 加熱板、
122、123、222、223 電気出力配線、
401 p型熱電変換半導体、
402 n型熱電変換半導体、
403、404 電極、
405、407 絶縁性基板、
411、412 各熱電変換半導体と各電極との接続部、
420 冷却板、
421 加熱板、
422、423 電気出力配線。

Claims (2)

  1. 複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体とを交互に離間して設け、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上面を電気的に接続する第一の電極と、隣り合うp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の下面を電気的に接続する第二の電極とを交互に備えることによって、前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体を直列に接続するとともに、
    前記第一の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第一の絶縁部材、冷却側基板を順に接触させて設け、前記第二の電極が前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体に接触している側と反対の側には、第二の絶縁部材、加熱側基板を順に接触させて配置して構成され、
    更に、前記冷却側基板を冷却板に、前記加熱側基板を加熱板に接触させることにより電気出力を得る高温度熱電変換素子において、
    前記複数のp型熱電変換半導体とn型熱電変換半導体の上下面以外の側面に陽極酸化アルミ被膜を設けたことを特徴とする高温度熱電変換素子。
  2. 前記複数のp型熱電変換半導体及びn型熱電変換半導体と前記第一の電極との接触面、並びに、前記複数のp型熱電変換半導体及びn型熱電変換半導体と前記第二の電極との接触面、に銀メッキを施したことを特徴とする請求項1に記載の高温度熱電変換素子。
JP26201198A 1998-09-16 1998-09-16 高温度熱電変換素子 Expired - Fee Related JP3580406B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26201198A JP3580406B2 (ja) 1998-09-16 1998-09-16 高温度熱電変換素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26201198A JP3580406B2 (ja) 1998-09-16 1998-09-16 高温度熱電変換素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000091650A JP2000091650A (ja) 2000-03-31
JP3580406B2 true JP3580406B2 (ja) 2004-10-20

Family

ID=17369789

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26201198A Expired - Fee Related JP3580406B2 (ja) 1998-09-16 1998-09-16 高温度熱電変換素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3580406B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100648630B1 (ko) * 2000-09-26 2006-11-23 삼성전자주식회사 반도체 제조를 위한 플레이트 냉각 장치 및 냉각 라인을갖는 플레이트 제조방법
EP2848101B1 (en) * 2012-05-07 2019-04-10 Phononic Devices, Inc. Thermoelectric heat exchanger component including protective heat spreading lid and optimal thermal interface resistance
US10458683B2 (en) 2014-07-21 2019-10-29 Phononic, Inc. Systems and methods for mitigating heat rejection limitations of a thermoelectric module
US20200013940A1 (en) * 2017-02-08 2020-01-09 Jason Davis Thermoelectric Module And Flexible Thermoelectric Circuit Assembly
CN110112282B (zh) * 2019-06-17 2022-06-10 中北大学 一种带有石墨烯导热层的多层隐身纳米结构

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4497973A (en) * 1983-02-28 1985-02-05 Ecd-Anr Energy Conversion Company Thermoelectric device exhibiting decreased stress
JP3539796B2 (ja) * 1995-05-30 2004-07-07 株式会社エコ・トゥエンティーワン 熱電変換装置
JPH09148635A (ja) * 1995-11-17 1997-06-06 Matsushita Electric Works Ltd 熱電変換モジュールの製造方法
JP3506199B2 (ja) * 1996-11-11 2004-03-15 日本電信電話株式会社 熱電変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000091650A (ja) 2000-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7880079B2 (en) Dual gap thermo-tunneling apparatus and methods
JP4768961B2 (ja) 薄膜基板を有する熱電モジュール
WO2004061982A1 (ja) 熱電変換材料を利用した電子部品の冷却装置
JPH10303471A (ja) 熱電素子及びそれを用いた熱電素子モジュール
JPWO2005124881A1 (ja) 熱電変換素子
KR20120080820A (ko) 열전모듈
US20160315242A1 (en) Thermoelectric conversion module
JP3580406B2 (ja) 高温度熱電変換素子
JP3554861B2 (ja) 薄膜熱電対集積型熱電変換デバイス
JP3501394B2 (ja) 熱電変換モジュール
KR102323978B1 (ko) 열전 모듈
JPH07106641A (ja) リング一体型熱電変換素子及びそれを用いた装置
JP3506199B2 (ja) 熱電変換装置
CN111670505A (zh) 用于发电的热电模块及相应的制造方法
CN108713259B (zh) 热电转换模块
JP3188070B2 (ja) 熱電発電モジュール
JP3482094B2 (ja) 熱電変換素子用熱応力緩和パッド及び熱電変換素子
JP3573448B2 (ja) 熱電変換素子
KR102021664B1 (ko) 다중 다열 배열식 열전 발전장치 및 그 제조방법
EP1981095A2 (en) A peltier module
WO1995017020A1 (fr) Element de conversion thermoelectrique, reseau d'elements de conversion thermoelectrique et convertisseur de deplacement thermique
JPH06275871A (ja) 熱電発電モジュール
JP7281715B2 (ja) 熱電変換モジュール
KR102423607B1 (ko) 열전 모듈
KR20180053123A (ko) 열전 모듈 및 이를 포함하는 열전 발전 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040611

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040714

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080730

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090730

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100730

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees