JP3580133B2 - 電動機制御装置 - Google Patents

電動機制御装置

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電動機制御装置に関し、特に交流電動機を矩形波電圧により駆動する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電動機を直流電源を用いて駆動する際にはインバータが用いられるが、かかるインバータはインバータ駆動回路によりスイッチング制御されており、一般にはパルス幅変調(PWM)波形電圧が交流電動機に印加される。
【0003】
ただ、PWM波形電圧を交流電動機に加えたのでは電圧利用率に限界があり、十分な高出力が得られないという問題がある。一方、弱め界磁電流を多く流すと銅損が発生してしまう。この点、特開昭55−49996号、特開昭58−119791号、及び特開平3−143289号の各公報には、PWM波形電圧と矩形波電圧との双方を必要に応じて電動機に印加し、電動機の出力を向上する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭55−49996号や特開昭58−119791号公報に開示された技術によれば、基本波の波高値が一定以上になるまでは完全な矩形波電圧が電動機に印加されず、中間の波高値ではπ/2,3π/2の位相タイミングを中心とする区間のみ矩形であり、その周囲に櫛歯状の波形が残る。このため、その部分でインバータでのスイッチングが依然続けられるため、エネルギー損失が発生してしまう。
【0005】
また、特開平3−143289号公報に開示された技術によれば、PWM回路と矩形波発生回路とは別構成であり、PWM制御を矩形波制御との双方を簡易な構成で実施することはできず、またPWM制御と矩形波制御とを電動機のショックを発生させることなく滑らかに接続することは困難である。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、第1の目的は、交流電動機にパルス幅変調波形電圧を供給する状態から矩形波電圧を供給する状態に移行することのできる簡易な構成の電動機制御装置を提供することにある。
【0007】
第2の目的は、交流電動機にパルス幅変調波形電圧を供給する状態から矩形波電圧を供給する状態に滑らかに移行することのできる電動機制御装置を提供することにある。
【0008】
第3の目的は、任意の波高値の交流電圧に対応するとともに比較的インバータ損失の少ない波形電圧を交流電動機に供給することのできる電動機制御装置を提供することにある。
【0009】
第4の目的は、インバータ損失の少ない波形電圧を交流電動機に供給することでインバータ発熱を抑制することのできる電動機制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)上記課題を解決するために、第1の発明は、交流電動機を駆動するインバータと、該インバータに対するスイッチング制御を行うインバータ制御手段と、を含む電動機制御装置において、前記インバータ制御手段は、前記交流電動機に印加される各相の電圧が、順に、第1期間で第1基準電圧となり、第2期間で前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧となり、第3期間で前記第1基準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧よりも低い第3基準電圧になり、第5期間で前記第1基準電圧となるよう、前記インバータに対するスイッチング制御を行う矩形波制御手段を含むことを特徴とする。こうすれば、インバータでのスイッチング損失を低減することができ、インバータの発熱を抑えることができるとともに、高効率で交流電動機を駆動することができる。
【0011】
(2)また、本発明の一態様では、前記インバータ制御手段は、前記第2期間及び前記第4期間の幅を中心位置を維持しつつ伸縮する手段を含むことを特徴とする。こうすれば、位相を変えることなく交流電動機に供給する電力の実効値を変化させることができる。
【0012】
(3)また、本発明の一態様では、前記インバータ制御手段は、パルス幅変調方式を用いて前記インバータに対してスイッチング制御を行うパルス幅変調波制御手段と、該パルス幅変調波制御手段と前記矩形波制御手段とを切り替える制御切替手段と、をさらに含み、該制御切替手段は、前記パルス幅変調波制御手段から前記矩形波制御手段への切替えの際、前記交流電動機に印加される電圧波形の基本波の波高値が連続的に推移するよう、前記第2期間及び前記第4期間の幅を設定することを特徴とする。こうすれば、パルス幅変調波制御から矩形波制御へ滑らかに移行することができ、前記交流電動機に生じるショックを低減することができる。
【0013】
(4)また、本発明の一態様では、前記インバータの温度を検出する温度検出手段と、該温度検出手段によって検出される温度が所定温度を超える場合に、前記パルス幅変調波制御手段によるスイッチング制御から前記矩形波制御手段によるスイッチング制御に、前記インバータに対する制御を前記制御切替手段によって切り替える切替手段と、をさらに含むことを特徴とする。こうすれば、インバータの温度が上昇した場合に、より発熱の少ない矩形波制御手段によるスイッチング制御に切り替え、インバータのそれ以上の温度上昇を抑えることができる。
【0014】
(5)また、本発明の一態様では、前記矩形波制御手段は、所定しきい値を決定する手段と、基準正弦波の値を供給する手段と、前記交流電動機の各相に印加する電圧を、前記基準正弦波の値が前記所定しきい値を以上である場合に前記第2基準電圧とし、前記基本正弦電圧の値が前記所定しきい値未満であり且つ前記所定しきい値を符号反転してなる値以上である場合に前記第1基準電圧とし、前記基準正弦波の値が前記所定しきい値を符号反転してなる値未満である場合に前記第3基準電圧とするよう、前記インバータのスイッチング制御を行う手段と、を含むことを特徴とする。こうすれば、インバータのスイッチングのタイミングをリアルタイムに得ることができる。
【0015】
(6)また、第2の発明は、前記交流電動機の各相の電圧を指令する電圧指令値が入力され、該電圧指令値に応じたパルス幅変調波形電圧を前記交流電動機に印加するパルス幅変調波制御手段と、いずれか1つの電圧指令値が所定最大値以上になった場合に、前記パルス幅変調波制御手段に入力される各相の電圧指令値を、その電圧指令値の符号に応じて該所定最大値又はそれを符号反転した値に修正した後、前記パルス幅変調波制御手段に入力する矩形波制御手段と、を含むことを特徴とする。こうすれば、既存のインバータ及びパルス幅変調波制御手段を用いつつ、電圧指令値の修正のみで簡易に矩形波制御に移行させることができる。
【0016】
(7)また、本発明の一態様では、前記矩形波制御手段は、いずれか一つの電圧指令値が前記所定最大値以上になった場合に、前記パルス幅変調波制御手段に入力される各相の電圧指令値を、所定周期で漸次、前記所定最大値又はそれを符号反転した値に近づけることを特徴とする。こうすれば、電圧指令の急変による過電流を防止することができ、交流電動機の制御を安定的に行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電動機制御装置の構成を示す図である。同図に示す電動機制御装置10は電気自動車に搭載されるものであり、バッテリ12により直流電圧が加えられているインバータ14と、該インバータ14により3相交流電圧が加えられる交流電動機16と、を含んで構成されおり、さらに、電圧指令値Vu,Vv,Vwが入力され、その値に基づいてインバータ14のスイッチング制御を行うPWM制御部18と、該PWM制御部18に電圧指令値Vu,Vv,Vwを供給する制御部20と、を含んでいる。
【0019】
かかる構成において、インバータ14からの出力では各相の電流値が検出されており、その値は制御部20に入力されている。さらに、制御部20には、図示しない他の制御装置によってアクセル開度やバッテリ12の容量等を総合勘案して決定されたトルク指令が入力されている。そして、制御部20はこれら値に基づいてリアルタイムに電圧指令値Vu,Vv,Vwを算出し、それをPWM制御部18に供給している。
【0020】
また、PWM制御部18は電圧指令値Vu,Vv,Vwと三角波とを比較し、その比較結果に基づいてインバータ14に含まれる複数のスイッチング素子にオンオフ指令を与えている。これにより、電圧指令値Vu,Vv,Vwが正弦波状に推移している場合には、インバータ14からは交流電動機16に対してPWM波形電圧(疑似正弦波電圧)が印加される。一方、電圧指令値Vu,Vv,Vwが矩形波状に推移している場合には、インバータ14からは交流電動機16に対してその矩形波に対応する矩形波電圧が印加される。
【0021】
図2は、以上の構成をなす本発明の実施の形態1に係る電動機制御装置10の動作を説明するフロー図である。同図に示すように、まずこの電動機制御装置10では、制御部20が交流電動機16に供給されている電流値Iu,Iv,Iwと、トルク指令値と、に基づいて電圧指令値Vu,Vv,Vwが生成される(S101)。次に、その電圧指令値に基づいて波高値Vacが算出される(S102)。すなわち、通常電圧指令値Vu,Vv,Vwは正弦波状に推移しており、この処理ではその正弦波の波高値Vacが算出される。すなわち、現時点での交流電動機16のロータ位置をθとし、ロータ原点と通電電流の0点との位相差をαとすると、例えば電圧指令値Vu,Vvは次のように求められる。
【0022】
【数1】
Vu=Vac×sin(θ+α) (1)
Vv=Vac×sin(θ+α−2/3π) (2)
これらの式からθ+αを消去すると、波高値Vacは次のように求められる。
【0023】
【数2】
Vac=2/√3×(Vu2+Vu×Vv+Vv*21/2 (3)
すなわち、電圧指令値Vu,Vv,Vwのうち任意の二つの値を用いて波高値Vacを算出することができる。そして、次に電動機制御装置10では、その波高値Vacを次式を満足するか否かを判断する(S103)。
【0024】
【数3】
Vac>Vdc/2 (4)
ここでVdcはバッテリ12の電圧である。すなわち、ここでは、制御部20から与えられた電圧指令値Vu,Vv,Vwがバッテリ12の供給電圧を超えて推移しようとするものであるかを判断している。そして、波高値Vacがバッテリ電圧Vdcを2で除したものを超えている場合には、本発明の特徴の一つである、矩形波電圧制御モードに移行する。一方、波高値Vacがバッテリ電圧Vdcを2で除したもの以下である場合には、従来通り、三角波比較によるPWM制御モードで交流電動機16を駆動する。
【0025】
図3は、矩形波電圧制御モードでの電動機制御装置10の処理を説明するフロー図である。同図に示すように、電動機制御装置10が矩形波電圧制御モードにあるとき、まず電圧しきい値Vthが次式に従って算出される(S201)。
【0026】
【数4】
Vth=Vac×sin[cos−1{πVac/(2Vdc)}] (5)
図4は、矩形波制御モードで交流電動機16に与えられる電圧波形と、電圧しきい値Vthと、の関係を示す図である。同図において、波形22は矩形波制御モードでPWM制御部18に与えられる電圧指令値Vu,Vv,Vwを表している。一方、波形24は元々PWM制御モードにて制御部20から出力されようとしていた電圧指令値Vu,Vv,Vw、すなわち、上記S101で算出された電圧指令値Vu,Vv,Vwである。そして、波形22をフーリエ逆変換し際に得られる基本波は波形24に一致するようしている。本実施の形態に係る電動機制御装置10の矩形波制御モードでは、この波形24に係る電圧指令値Vu,Vv,Vwをリアルタイムに波形22に係る電圧指令値Vu,Vv,Vwに修正変更して、波形22の電圧を交流電動機16に印加している。こうすることにより、制御モードが移行した際にも、交流電動機16のトルクに大きな影響を与えると考えられる基本波の実効値が変化しないため、交流電動機16にショックが発生せず、かかる電動機制御装置10を搭載する電気自動車のドライブフィーリングを好適なものに維持することができる。
【0027】
この波形22を生成するためには、同図に示す、電気角α,180°−α,180°+α,360°−αのタイミングを得る必要がある。ここでは同図横軸から波形22と波形24とが交差する点までの電位差である電圧しきい値Vthを算出することにより、このタイミングを得ている。まず波形22の基本波の波高値Vrecはαを用いて、
【数5】
Vrec=2Vdc/π×cosα (6)
と表される。これは波形22をフーリエ逆変換して得られる。そして、この波高値Vrecが波高値Vacに等しいとの条件により、
【数6】
α=cos−1{πVac/(2Vdc)} (7)
が求められる。ところで、電圧しきい値Vthは電気角αを用いて、
【数7】
Vth=Vac×sinα (8)
と表され、これに(7)式を代入することにより(5)式が導出される。
【0028】
こうして、電動機制御装置10では制御部20から出力される電圧指令値Vu,Vv,Vwの値が電圧しきい値Vthを超えるか否かを監視することで、電気角α,180°−α,180°+α,360°−αのタイミングを容易に得ることができ、波形22を生成することができる。すなわち、図3のS202においてはu相の電圧指令値Vuにつき、その絶対値が電圧しきい値Vthを超えているか否かを判断する。そして、超えている場合には電圧指令値Vuの値をVdc/2にVuの符号を付した値に修正し(S203)、一方、電圧指令値Vuの絶対値が電圧しきい値Vth以下である場合には電圧指令値Vuの値を零に設定する(S204)。同様の処理をv相の電圧指令値Vv*とw相の電圧指令値Vw*にも適用する(S205〜S210)。そして、その修正済みの電圧指令値Vu,Vv,VwをPWM制御部18に供給する(S211)。
【0029】
こうすれば、電気角0〜αの第1期間に0電位(第1基準電圧)、電気角α〜180°−αの第2期間にVdc/2(第2基準電圧)、電気角α〜180°−α〜180°+αの第3期間に0電位(第1基準電圧)、電気角180°+α〜360°−αの第4期間に−Vdc/2(第3基準電圧)、電気角360°−α〜360°の第5期間に0電位(第1基準電圧)、のように推移する電圧を交流電動機16に印加することができる。
【0030】
以上のようにすれば、インバータ14でのスイッチングの回数を減らすことができる。例えば通常の三角波比較PWM制御では、モータ通電電流周期をTcuとし、PWMキャリアの周期をTcaとすれば、インバータ14でのスイッチング回数はTcu/Tca回となるところ、本電動機制御装置10の矩形波制御モードではスイッチング回数が1周期当たり2回で済み、スイッチング回数を2Tca/Tcuに低減することができる。この結果、インバータ14でのスイッチング損失を2Tca/Tcuに減らすことができる。
【0031】
また、三角波比較PWM制御での最大出力電圧は理論上√3Vdc/2であるが、上記矩形波制御モードでは最大出力電圧は上記(6)式より、
【数8】
Vrecmax=2√3Vdc/π (9)
となり、最大出力電圧を4/π倍とすることができる。これにより、弱め界磁電流を減らすことが可能となり、モータ効率の向上を図ることができる。
【0032】
なお、以上の説明ではPWM制御の限界電圧を超える電圧指令値が発せられた場合に矩形波制御モードに移行するようにしたが、上述のように矩形波制御モードではスイッチング損失を低減できるという利点を有するため、それ以外の場合であっても矩形波制御モードで交流電動機16を駆動してもよい。
【0033】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る電動機制御装置について説明する。この実施の形態に係る電動機制御装置は、上記実施の形態1に係る電動機制御装置10の矩形波制御モードによればインバータ14のスイッチング損失が低減できる点に着目したものであり、インバータ14の温度上昇の防止に上記矩形波制御モードを利用するものである。
【0034】
図5は、本発明の実施の形態2に係る電動機制御装置の構成を示す図である。同図に示す電動機制御装置10aは上記実施の形態1に係る電動機制御装置10とほぼ同様の構成をなすものであり、制御部20a及び温度センサ21が異なる。その他の構成については実施の形態1に係る電動機制御装置10と同様であるから、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
【0035】
まず、同図に示す電動機制御装置10aではインバータ14に温度センサ21が取り付けられている。また、制御部20aは温度センサ21で検出されたインバータ14の温度、すなわちインバータ温度Tnowを受け取り、それが温度しきい値Tinvを超えた場合に、一定条件下、上記矩形波制御モードに移行させている。すなわち、従来ではインバータ14の温度が一定以上に上昇した場合、インバータ14の出力制限などによりその対策を講じてきたが、本実施の形態2に係る電動機制御装置10aではかかる場合に直ちに出力制限をするのではなく、スイッチング損失が少なく発熱の小さな、上記矩形波制御モードに一旦制御を移行させることにしている。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態2に係る電動機制御装置10aの動作を説明するフロー図である。同図に示すように、電動機制御装置10aの制御部20aでは、まず温度センサ21から出力されるインバータ温度Tnowが温度しきい値Tinvを超えているかを判断する(S301)。そして、超えていれば次に矩形波制御モードによる交流電動機16の駆動が可能か否かを判断する(S302)。これは交流電動機16の時定数に対して電気周波数が大幅に小さい場合には矩形波制御モードでは交流電動機16の制御が行えないためである。なお、上記実施の形態1に係る電動機制御装置10では波高値VacがVdc/2を超える場合に矩形波制御モードに移行するようにしており、このような場合には電気周波数は十分に大きいと考えられることから、このS302のような判断は省略している。
【0037】
S302において矩形波制御が可能であると判断されれば、次に制御部20aは図3に示したフロー図に従い交流電動機16を矩形波電圧により駆動する(S303)。また、S302において矩形波電圧制御が不可能であると判断されれば、制御部20aは従来通り三角波比較PWM制御を実施する。この際、従来通り出力制限等によりインバータ14の保護が図られる。
【0038】
また、S301においてインバータ温度Tnowが温度しきい値Tinv以下であると判断されれば、次に制御部20aは波高値VacがVdc/2を超えているか否かを判断する(S304)。そして、波高値VacがVdc/2を超えている場合には、矩形波制御が可能か判断し(S302)、可能であればS303に進んで交流電動機16に矩形波電圧を印加し、一方、不可能であればS305に進んで交流電動機16に正弦波電圧(疑似正弦波電圧)を印加する。また、波高値VacがVdc/2を超えていない場合も同様にS305に進んで交流電動機16に正弦波電圧(疑似正弦波電圧)を印加する。なお、以上の制御により矩形波制御モードに移行しても、なおインバータ温度Tnowが上昇した場合、通常通り出力制限等によりインバータ14の保護を図る。
【0039】
こうすれば、インバータ14の温度が上昇した場合に直ちに出力制限をする方式に比して、インバータ14に出力制限が課せられる場合を減らすことができる。
【0040】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る電動機制御装置の構成を示す図である。同図に示すように、この電動機制御装置30は、電流マップ32と、PI制御部34と、dq−3相変換部36と、矩形波電圧指令生成部38と、PWMインバータ40と、3相−dq変換部42と、交流電動機44と、を含んで構成されており、交流電動機44をベクトル制御するためのものである。
【0041】
同図において、電流マップ32には図示しない制御部からアクセル開度等に基づいて生成されたトルク命令が入力されており、ここで電流マップに基づき電流指令値Id,Iqが出力される。また、3相−dq変換部42には、PWMインバータ40から交流電動機44に供給される電流Iu,Iv,Iwが入力されており、ここでそれらの値がAD変換され、さらに2相に変換され電流Id,Iqが生成される。そして、PI制御部34は電流指令値Id,Iqと電流Id,Iqとの各差分に基づいてVd,Vqを生成し、それらはdq−3相変換部36で3相に変換され電圧指令値Vu,Vv,Vwが生成される。矩形波電圧指令生成部38は、この電圧指令値Vu,Vv,Vwを通常はPWMインバータ40にそのままセットし、特に交流電動機44での高出力が必要となる場合にそれら電圧指令値Vu,Vv,Vwを修正して、矩形波電圧指令値Vu ,Vv**,Vw**を生成し、その値をPWMインバータ40にセットする。
【0042】
なお、上記実施の形態1,2に係る電動機制御装置10,10aに含まれる制御部20,20aにおいても、電圧指令値Vu,Vv,Vwは同様にして求められる。
【0043】
図8は、本発明の実施の形態に係る電動機制御装置30の動作を説明するフロー図である。同図に示すように、まずこの電動機制御装置30では電流マップ32、PI制御部34、dq−3相変換部36、3相−dq変換部42、により電圧指令値Vu,Vv,Vwが生成される(S401)。そして、それら電圧指令値の絶対値うちいずれか一つでもPWMカウンタ最大値Cmaxを超えているか否かを判断する(S402)。このように、波高値を計算することなく電圧指令値Vu,Vv,Vwの絶対値のみを用いて簡易に矩形波制御の移行を決定すれば、矩形波電圧指令生成部38の処理負担を軽減することができる。
【0044】
そして、電圧指令値Vu,Vv,Vwのうちいずれか一つがPWMカウンタ最大値Cmaxを超えていれば、各値の符号に応じ、PWMカウンタ最大値Cmax又はその逆符号の値に設定する。そして、その修正された電圧指令値を矩形波電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**とし、その値をPWMインバータ40にセットする(S412)。このように電圧指令値Vu,Vv,Vwの符号のみを参照して矩形波電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を設定すれば、さらに矩形波電圧指令生成部38の処理負担を軽減することができる。
【0045】
具体的には、まず矩形波電圧指令生成部38は、電圧指令値Vuが0以上であるかを調べ(S403)、0以上であれば矩形波電圧指令値Vu**の値をPWMカウンタ最大値Cmaxの値に設定する(S404)。一方、電圧指令値Vuが0未満であればPWMカウンタ最大値にマイナス符号を付したものを矩形波電圧指令値Vu**として設定する(S405)。続いて電圧指令値Vv,Vwについても同様の処理を施す(S406〜S411)。一方、矩形波電圧指令指令生成部38は、電圧指令値Vu,Vv,Vwのうち、いずれもPWMカウンタ最大値Cmaxを超えていない場合、それら電圧指令値Vu,Vv,Vwの値をそのままPWMインバータ40にセットする(S412)。
【0046】
こうすれば、PWMインバータ40に電力供給する電源の電圧を変えずに、より高速域まで出力できる。図9は、この電動機制御装置30により交流電動機44を駆動した際の出力と、上記矩形波電圧指令生成部38の処理を行わない場合の出力と、を比較する図である。同図に示すように、本電動機制御装置30によれば矩形波電圧指令生成部38によりPWMインバータ40に矩形波電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**がセットされるようにしたので、特に高速回転域でのトルクを向上させることができる。このため、例えば交流電動機44を小型化することもできる。また、交流電動機44の運転領域が従来のままで足るならば、逆に電源を小型化することができる。
【0047】
なお、以上の説明では電圧指令値Vu,Vv,Vwの各絶対値のうちいずれかがPWMカウンタ最大値Cmaxを超えた場合に、直ちに矩形波電圧指令生成部38により、Cmaxと−Cmaxとの間で電圧指令値がスイッチングされる矩形波電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**を生成するようにしたが、図10の推移ライン46に示すように、制御周期毎に矩形波電圧指令値Vu**,Vv**,Vw**の上下値が、現在の電圧指令値から漸次PWMカウンタ最大値Cmaxに近づくようにしてもよい。こうすれば、比較的な処理でPWM制御から矩形波制御への移行時の、電圧指令の急変による過電流等を防止することができ、交流電動機44の制御を安定化することができる。また、この電動機制御装置30を車両に適用すれば、制御切替時のドライブフィーリングを好適なものに維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に実施の形態1に係る電動機制御装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電動機制御装置の動作を説明するフロー図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電動機制御装置の動作を説明するフロー図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電動機制御装置においてPWM制御部に与えられる電圧指令値の時間推移を示す図である。
【図5】本発明に実施の形態2に係る電動機制御装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る電動機制御装置の動作を説明するフロー図である。
【図7】本発明に実施の形態3に係る電動機制御装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電動機制御装置の動作を説明するフロー図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る電動機制御装置による電動機出力を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る電動機制御装置の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
10,10a,30 電動機制御装置、12 バッテリ、14 インバータ、16,44 交流電動機、18 PWM制御部、20,20a 制御部、21 温度センサ、22,24 (電圧指令値の)波形、32 電流マップ、34 PI制御部、36 dq−3相変換部、38 矩形波電圧指令生成部、40 PWMインバータ、42 3相−dq変換部、46 (矩形波上下値の)推移ライン。

Claims (6)

  1. 交流電動機を駆動するインバータと、該インバータに対するスイッチング制御を行うインバータ制御手段と、を含む電動機制御装置において、
    前記インバータ制御手段は、前記交流電動機に印加される各相の電圧が、順に、第1期間で第1基準電圧となり、第2期間で前記第1基準電圧よりも高い第2基準電圧となり、第3期間で前記第1基準電圧となり、第4期間で前記第1基準電圧よりも低い第3基準電圧になり、第5期間で前記第1基準電圧となるよう、前記インバータに対するスイッチング制御を行う矩形波制御手段を含み、
    前記矩形波制御手段は、
    所定しきい値を決定する手段と、
    基準正弦波の値を供給する手段と、
    前記交流電動機の各相に印加する電圧を、前記基準正弦波の値が前記所定しきい値以上である場合に前記第2基準電圧とし、前記基準正弦波の値が前記所定しきい値未満であり且つ前記所定しきい値を符号反転してなる値以上である場合に前記第1基準電圧とし、前記基準正弦波の値が前記所定しきい値を符号反転してなる値未満である場合に前記第3基準電圧とするよう、前記インバータのスイッチング制御を行う手段と、
    を含み、
    前記所定しきい値は、前記交流電動機の各相の電圧を指令する電圧指令値のうちの任意の二つの値から得られる波高値Vacと、前記交流電動機の駆動用のバッテリの電圧Vdcとに基づいて、次式で算出されるVthである、
    Vth=Vac×sin[cos −1 {πVac/(2Vdc)}]
    ことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 請求項1に記載の電動機制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、前記交流電動機の各相の電圧を指令する電圧指令値のうちのいずれか1つの電圧指令値が所定最大値以上になった場合に前記スイッチング制御を行う、
    ことを特徴とする電動機制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の電動機制御装置において、
    前記インバータ制御手段は、前記第2期間及び前記第4期間の幅を中心位置を維持しつつ伸縮する手段を含むことを特徴とする電動機制御装置。
  4. 請求項3に記載の電動機制御装置において、
    前記インバータ制御手段は、パルス幅変調方式を用いて前記インバータに対してスイッチング制御を行うパルス幅変調波制御手段と、該パルス幅変調波制御手段と前記矩形波制御手段とを切り替える制御切替手段と、をさらに含み、
    該制御切替手段は、前記パルス幅変調波制御手段から前記矩形波制御手段への切替えの際、前記交流電動機に印加される電圧波形の基本波の波高値が連続的に推移するよう、前記第2期間及び前記第4期間の幅を設定することを特徴とする電動機制御装置。
  5. 請求項4に記載の電動機制御装置において、
    前記インバータの温度を検出する温度検出手段と、
    該温度検出手段によって検出される温度が所定温度を超える場合に、前記パルス幅変調波制御手段によるスイッチング制御から前記矩形波制御手段によるスイッチング制御に、前記インバータに対する制御を前記制御切替手段によって切り替える切替手段と、
    をさらに含むことを特徴とする電動機制御装置。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の電動機制御装置において、
    前記矩形波制御手段は、いずれか一つの電圧指令値が前記所定最大値以上になった場合に、前記交流電動機の各相の電圧を指令する電圧指令値を、所定周期で漸次、前記第2基準電圧又は前記第3基準電圧に近づけるように、前記インバータに対するスイッチング制御を行う、
    ことを特徴とする電動機制御装置。
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