JP3579584B2 - 乳化組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳化組成物に関し、詳しくは、毛髪あるいは皮膚に艶を与え、しっとりしかつべたつきのない、安定性の良好な油中水型の乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン高分子は、優れた撥水性、耐熱・耐酸性を有することが知られており、種々の工業材料として多用されている。特に、化粧料用あるいは医薬部外品用材料としては、艶を与えべたつかずさっぱりとした感触を与えることからスキンケア化粧料、メイクアップ化粧料、頭髪化粧料をはじめとするさまざまな用途で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、安定な油中水型の乳化物を得るためには、乳化剤として界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物を配合せざるおえず、その場合シリコーン高分子の特徴であるべたつかずさっぱりする使用性は損なわれ、べたつきを生じてしまう。
【0004】
すなわち、界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物と併用することなしにシリコーン高分子だけを乳化剤として用い、油中水型の乳化物を得ることは乳化安定性上難しく、その解決が望まれている。
【0005】
この欠点を解決するため、乳化剤として、ポリエーテル変性シリコーンを用いたり(特公平5−32363号公報)、種々の添加物を配合する等の試みがなされているが、いまだ解決には至っていない。
【0006】
本発明者らは上記事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、シリコーン高分子として特定のポリオキシアルキレン基含有率をもつ高分子量のポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用い、その安定化剤として、水溶性高分子、無機塩またはアミノ酸塩を配合した油中水型乳化物は、毛髪あるいは皮膚に艶を与え、しっとりしかつべたつきがなく、安定性が極めて良好な乳化組成物を提供出来ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物を乳化剤として用いることなく、ポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いることにより、しっとりしかつべたつきがなく、安定性が極めて良好な乳化組成物を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(I)下記一般式「化2」で示されるポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上と、
(II)油分と、
(III)水及び、乳化組成物全量に対して30重量%以上のエチルアルコールと、
(IV)乳化組成物全量に対しての含有量が、0.1重量%〜20重量%の分子量2000〜300000である水溶性高分子、又は、0.1重量%〜8重量%の無機塩若しくはアミノ酸塩とを含有し、界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物を乳化剤として用いることなく、ポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いることを特徴とする油中水型乳化組成物を提供するものである。
【化2】
Figure 0003579584
[ただし、式中Aはメチル基、フェニル基及び
一般式: −C36O(C24O)a(C36O)b R’
(式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、またaは5〜50の整数であり、bは5〜50の整数である。)で示されるポリオキシアルキレン基からなる群から選択される基であり、3つのAのうち少なくとも1つはポリオキシアルキレン基である。Rはメチル基またはフェニル基であり、また、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である。さらに、ポリエーテル変性シリコーンが分子中にポリオキシアルキレン基を40重量%以上含有し、且つポリエーテル変性シリコーンの分子量が30000以上である。)
【0009】
また、本発明は、前記水溶性高分子がポリエチレングリコールであり、前記アミノ酸塩がグルタミン酸ナトリウムであり、前記無機塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム又は硫酸アルミニウムであることを特徴とする前記の油中水型乳化組成物を提供するものである。
【0010】
さらに、本発明は、さらに、疎水性粉末を含有することを特徴とする前記の油中水型乳化組成物を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、前記乳化組成物が、皮膚化粧料であることを特徴とする前記の油中水型乳化組成物を提供するものである。
【0012】
さらに、本発明は、前記乳化組成物が、毛髪化粧料であることを特徴とする前記の油中水型乳化組成物を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について説明する。
【0014】
また、本発明において乳化剤として用いられるポリエーテル変性シリコーンは上記化学式「化2」で表わされるポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンである。本発明においては、市販品(TSポリマー50−IP:東レダウコーニングシリコーン社製等)を利用することが出来る。
【0015】
上記化学式「化2」の3つのAのうち、少なくと1つは、
一般式:−CO(CO)(CO) R’で表わされるポリオキシアルキレン基でなければならず、ポリエーテル変性シリコーン分子中にポリオキシアルキレン基が40重量%以上含まれていなければならない。ポリオキシアルキレン基中のR’のアシル基としは、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、アクリロイル基、ベンゾイル基、トルオイル基等が例示され、炭素数1〜4のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基が例示される。なお、ポリオキシアルキレン基において、aまたはbが5未満である場合には、ポリエーテル変性シリコーンが十分な乳化効果を示さなくなり、またaまたはbが50を越える場合には、得られた乳化組成物がべとつき感を有するようになる。また、ポリオキシアルキレン基の含有量は40重量%以上であり、好ましくは40〜70重量%の範囲にある。これは、ポリオキシアルキレン基の含有量が40重量%未満の場合にはシリコーン油以外の非極性油に対する乳化性が低下し70重量%以上の場合には得られた乳化組成物がべたつきを有するようになるためである。また、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である。これは、mが50未満であり、nが1未満である場合には、乳化効果が不十分であり、またmが1000を超え、かつnが40を越える場合には、得られた乳化組成物がべとつき感を有するようになるからである。
【0016】
また、本発明に用いられるポリエーテル変性シリコーンの分子量は30000以上であり50000以上が好ましい。これは、ポリエーテル変性シリコーンの分子量が30000未満であると、シリコーン油以外の非極性油分に対する乳化能が低下するためである。
【0017】
また、本発明に用いられるポリエーテル変性シリコーンの配合量は特に限定されないが、好ましくは、0.1〜30重量%で、さらに好ましくは1〜15重量%である。ポリエーテル変性シリコーンの配合量が0.1重量%未満であると、安定な乳化状態を得ることができず、また30重量%を越えると乳化組成物がべたつき感を有するようになる場合がある。
【0018】
本発明に使用される油分は特に限定されず、通常、乳化組成物に利用される油分であれば使用でき、例えば、シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度までのジオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラフェニルテトラシクロシロキサン等の環状シロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、ガム状ジメチルポリシロキサン等の環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸等、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液等、炭素原子数6〜50のアルキル基を有するジオルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等の変性シリコーンオイルが挙げられ、非極性油分としてはスクワラン、流動パラフィン、軽質流動パラフィン、流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン等の炭化水素系油分等が挙げられる
【0019】
本発明の乳化組成物において、油分の配合量は特に限定されないが、乳化組成物全量に対して80重量%以下が好ましく、通常、3〜80重量%配合される。
【0020】
本発明には、水及び、乳化組成物全量に対して30重量%以上のエチルアルコールが配合される。これらの配合量は31〜90重量%が好ましく、より好ましくは、33〜80重量%の範囲である。これは、これらの配合量が31%未満であると透明ゲル化してしまい、乳化組成物が得られず、また、90重量%を越えると乳化物から水が分離し、安定な乳化が得られないためである。なお、本発明において、油中水型乳化組成物とは、非連続相が、水−エタノール混合液の相であることを意味するものである。
【0021】
本発明で安定化剤として用いられる水溶性高分子は、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース等の合成高分子ならびに、デキストリン、ペプチン、アルギン酸、コンドロイチン硫酸等の天然の水溶性高分子等であり、これらの分子量は2,000〜300,000、好ましくは3,000〜100,000である。分子量が2,000未満のものは乳化の安定化に寄与しない。また、分子量が300,000を超えると安定化の寄与が少なく、また乳化組成物の使用感がべとつくという欠点が生じる。
【0022】
水溶性高分子の配合量は、乳化組成物全量の0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量%未満では乳化物を安定化することができず、20重量%を越えると乳化組成物として用いる際にべとつきの原因となり好ましくない。
【0023】
水溶性高分子の中で特に好ましいものはポリエチレングリコールであり、他のものより乳化組成物の安定化に特に有効であり、かつ乳化組成物として使用する際の使用感が好まれるという長所を有する。ポリエチレングリコールにおける特に好ましい分子量は3,000〜20,000であり、配合量は乳化組成物全量に対して1〜10重量%が好ましい。
【0024】
また、本発明で安定化剤として用いられるアミノ酸塩としては、アミノ酸中のカルボキシル基、又はアミノ基が塩を形成したものであり、例えば、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸カルシウム、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸マグネシウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸塩酸塩、システイン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩、リジン塩酸塩、オルニチン塩酸塩、オルニチン酢酸塩、トリプトファン塩酸塩、アルギニン−グルタミン酸塩、オルニチン−グルタミン酸塩、リジン−グルタミン酸塩、リジン−アスパラギン酸塩、オルニチン−アスパラギン酸塩等である。これらの中でもグルタミン酸ナトリウムが好ましい。本発明で用いられるアミノ酸塩の配合量は、乳化組成物全量に対して0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%未満及び8重量%を越える配合量では、乳化物を安定化することができず好ましくない。
【0025】
また、本発明で安定化剤として用いられる無機塩としては、塩酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩またはアンモニウム塩等があげられる。好ましい無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化アンモニウム等の塩化物、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸アンモニウム等の硫化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸アルミニウム、硝酸亜鉛、硝酸アンモニウム等の硝酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸化物、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸化物があげられ、中でも、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムが特に好ましい。本発明で用いられる無機塩の配合量は、0.1〜8重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。0.1重量%未満及び8重量%を越える配合量では、乳化物を安定化することができず好ましくない。
【0026】
本発明においては、安定化剤として、上記水溶性高分子、アミン酸塩または無機塩の少なくとも一種を用いれば充分であるが、2種以上の水溶性高分子、アミン酸塩または無機塩を用いてもよく、また、水溶性高分子、アミン酸塩または無機塩を複数混合して用いてもかまわない。
【0027】
本発明は、さらに、上記の必須成分に加えて、疎水性粉末を配合することが好ましい。疎水性粉末とは、シリコーン樹脂粉末、若しくは、有機粉末及び無機粉末を疎水化処理して得られるものである。最も好ましい粉末は、シリコーン樹脂粉末及び二酸化チタン粉末を疎水化処理した疎水性粉末である。
【0028】
疎水化処理に用いる粉末としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉末、シリコーン樹脂粉末、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、クロロフィル、β−カロチン等の天然色素等が挙げられる。
【0029】
疎水化処理方法としては、撥水性を付与できる方法であればいかなるものでもよく、その方法は問わないが、例えば、気相法、液相法、オートクレーブ法、メカノケミカル法等、通常の表面処理方法を用いることができる。
【0030】
例えば、疎水化処理剤を原料粉末に添加して処理を行う場合、適当な溶媒(ジクロルメタン、クロロホルム、ヘキサン、エタノール、キレシン、揮発性シリコーン等)に希釈して添加してもよく、あるいは直接添加してもよい。粉末と処理剤の混合攪拌には、ボールミル、ホジャーサイトボールミル、振動ボールミル、アトライター、ポットミル、ロッドミル、パンミル、ホモミキサー、ホモディスパー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等も使用することができる。この他にも、粉末表面の活性を利用し、気相反応により100℃以下の低温で環状オルガノシロキサンを粉体表面上で重合させる方法(特公平1−54380号)や、前記方法の後に表面のシリコーンポリマーのSi−H部分にグリセロールモノアリルエーテル等のペンダント基を付加させる方法(特公平1−54381号)等も用いることができる。
【0031】
疎水化処理剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸デキストリン処理粉末、トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性トリメチルシロキシ珪酸処理粉末、メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、フッ素変性メチルフェニルシロキシ珪酸処理粉末、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の低粘度〜高粘度油状ポリシロキサン処理粉末、ガム状ポリシロキサン処理粉末、メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、フッ素変性メチルハイドロジェンポリシロキサン処理粉末、メチルトリクロルシラン、メチルトリアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等の有機シリル化合物あるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、エチルトリクロルシラン、エチルトリアルコキシシラン、プロピルトリクロルシラン、プロピルトリアルコキシシラン、ヘキシルトリクロルシラン、ヘキシルトリアルコキシシラン、長鎖アルキルトリクロルシラン、長鎖アルキルトリエトキシシラン等の有機変性シランあるいはそれらのフッ素置換体による処理粉末、アミノ変性ポリシロキサン処理粉末、フッ素変性ポリシロキサン処理粉末、フッ化アルキルリン酸、フッ化アルキルリン酸エステル処理粉末等が挙げられる。
【0032】
これら疎水性粉末は1種を用いてもよく、あるいは2種以上を用いてもよい。また、一般の化粧品に適用できる疎水化処理粉末であればよく、上記の成分に限定されるものではない。なお、本発明において疎水性粉末の配合量は、乳化組成物全量に対して、0.5〜15重量%が好ましく、特に好ましくは、1〜10重量%である。
【0033】
本発明の乳化組成物には上記した必須成分に加えて、必要により適宜、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、防腐防ばい剤、体質顔料、着色顔料等、通常化粧料に用いられる成分を発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
【0034】
本発明の乳化組成物の用途は限定されないが、乳化化粧料、好ましくは、皮膚化粧料、毛髪化粧料として利用される。特に、一般にアルコール含有量が高い毛髪化粧料(アルコール含有量30重量%以上)において、乳化組成物の安定性の点で本発明の意義が高い。
【0035】
【実施例】
次に実施例及び比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明する。本発明は、これにより限定されるものではない。配合量は、すべて重量%である。
【0036】
「実施例1〜5及び比較例1〜5」
「表1」に示す処方で乳化化粧料であるクリームを製造し、得られたクリームについて、安定性試験及び女性専門パネル(10名)による実使用試験により評価した。安定性試験結果は50℃、一ヶ月放置後の外観を、また実使用試験は使用時の好みをそれぞれ下記の評価基準で判定した。結果を「表1」に示す。
[安定性の評価基準]
○:分離が全くみられない。
△:分離がほとんどみられない。
×:液相(油相又は水相)の分離が生じた。
[使用性の評価基準]
○:7名以上が艶があり、しっとりし、べたつかず使用性良好と判定。
△:3名以上7名未満が艶があり、しっとりし、べたつかず使用性良好と判定。
×:3名以下が艶があり、しっとりし、べたつだず使用性良好と判定。
【0037】
【表1】
Figure 0003579584
(製法)
(1)に(2)を混合分散し予め油相を調製しておく。次に、(5)又は(6)又は(7)又は(8)又は(5)(6)(7)又は(5)(6)(7)(8)を溶解分散した(3)(4)の水相を、徐々に室温で高速攪拌機を用い攪拌しながら油相に添加し、目的の乳化化粧料を得た。なお、ポリエーテル変性シリコーンは下記化学式「化3」のものを用いた。疎水性粉末は、シリコーン樹脂粉末を用いた。
【化3】
Figure 0003579584
分子量:55000、ポリオキシアルキレン基含有率:45%
【0039】
参考例1 乳化型毛髪処理剤」
(1)イソパラフィン 30.0
(2)ジメチルポリシロキサン(500CS) 10.0
(3)グリセロール 5.0
(4)ポリエーテル変性シリコーン(「化5」) 8.0
(5)イオン交換水 25.0
(6)エタノール 20.0
(7)塩化ナトリウム 2.0
(8)パラベン 適 量
(9)酸化防止剤 適 量
(10)香料 適 量
(製法)
(1)(2)(4)(10)を混合分散し予め油相を調製しておく。次に、(3)(5)(6)(7)(8)(9)を溶解した水相を、室温で徐々に高速攪拌機を用い攪拌しながら油相に添加し、目的の乳化型毛髪処理剤を得た。本乳化型毛髪処理剤は、使用性は○、すなわち毛髪に塗布した場合艶を与え、しっとりした感触を有しており、しかもべたつかず安定性の良好(○)なものであった。
なお、ポリエーテル変性シリコーンは下記化学式「化5」のものを用いた。
【化5】
Figure 0003579584
分子量:55000、ポリオキシアルキレン基含有率:45%
【0040】
参考例2 乳化ファンデーション」
(1)スクワラン 2.0
(2)ジメチルポリシロキサン(6CS) 20.0
(3)プロピレングリコール 5.0
(4)ポリエーテル変性シリコーン(「化6」) 4.0
(5)イオン交換水 26.0
(6)エタノール 8.0
(7)ポリエチレングリコール(分子量3,000) 5.0
(8)パルミチン酸デキストリン処理二酸化チタン 10.0
(9)パルミチン酸デキストリン処理マイカ 10.0
(10)パルミチン酸デキストリン処理タルク 5.0
(11)パルミチン酸デキストリン処理酸化鉄 5.0
(12)エチルパラベン 適 量
(13)酸化防止剤 適 量
(14)香料 適 量
(製法)
(1)(2)(4)及び(7)〜(14)を混合分散し予め油相を調製しておく。次に、(3)(5)(6)を溶解した水相を、室温で徐々に高速攪拌機を用い攪拌しながら油相に添加し、目的の乳化ファンデーションを得た。本乳化ファンデーションは、使用性は○、すなわち皮膚に塗布した場合艶を与え、しっとりした感触を有しており、しかもべたつかず安定性の良好(○)なものであった。
なお、ポリエーテル変性シリコーンは下記化学式「化6」のものを用いた。
【化6】
Figure 0003579584
分子量:58000、ポリオキシアルキレン基含有率:47%
【0041】
参考例3:クリーム」
(1)流動パラフィン 5.0
(2)デカメチルシクロペンタシロキサン 25.0
(3)1,3−ブチレングリコール 5.0
(4)ポリエーテル変性シリコーン(「化7」) 1.0
(5)イオン交換水 54.0
(6)エタノール 5.0
(7)グルタミン酸ナトリウム 2.0
(8)疎水化処理二酸化チタン粉末 3.0
(9)パラベン 適 量
(10)酸化防止剤 適 量
(11)香料 適 量
(製法)
(1)(2)(4)(11)を混合分散し予め油相を調製しておく。次に、(3)(5)(6)(7)(8)(9)(10)を溶解した水相を、室温で徐々に高速攪拌機を用い攪拌しながら油相に添加し、目的のクリームを得た。本クリームは、使用性は○、すなわち皮膚に塗布した場合艶を与え、しっとりした感触を有しており、しかもべたつかず安定性の良好(○)なものであった。
なお、ポリエーテル変性シリコーンは下記化学式「化7」のものを用いた。
【化7】
Figure 0003579584
分子量:55000、ポリオキシアルキレン基含有率:45%
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物を乳化剤として用いることなく、ポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いることにより、毛髪あるいは皮膚に艶を与え、しっとりしかつべたつきがなく、安定性が極めて良好な乳化組成物を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. (I)下記一般式「化1」で示されるポリエーテル変性シリコーンの一種または二種以上と、
    (II)油分と、
    (III)水及び、乳化組成物全量に対して30重量%以上のエチルアルコールと、
    (IV)乳化組成物全量に対しての含有量が、0.1重量%〜20重量%の分子量2000〜300000である水溶性高分子、又は、0.1重量%〜8重量%の無機塩若しくはアミノ酸塩とを含有し、界面活性剤あるいは有機変性粘土鉱物を乳化剤として用いることなく、ポリエーテル変性シリコーンを乳化剤として用いることを特徴とする油中水型乳化組成物。
    Figure 0003579584
    [ただし、式中Aはメチル基、フェニル基及び
    一般式: −C36O(C24O)a(C36O)b R’
    (式中、R’は水素原子、アシル基、および炭素数1〜4のアルキル基からなる群から選択される基であり、またaは5〜50の整数であり、bは5〜50の整数である。)で示されるポリオキシアルキレン基からなる群から選択される基であり、3つのAのうち少なくとも1つはポリオキシアルキレン基である。Rはメチル基またはフェニル基であり、また、mは50〜1000の整数であり、nは1〜40の整数である。さらに、ポリエーテル変性シリコーンが分子中にポリオキシアルキレン基を40重量%以上含有し、且つポリエーテル変性シリコーンの分子量が30000以上である。)
  2. 前記水溶性高分子がポリエチレングリコールであり、前記アミノ酸塩がグルタミン酸ナトリウムであり、前記無機塩が塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム又は硫酸アルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化組成物。
  3. さらに、疎水性粉末を含有することを特徴とする請求項1または2記載の油中水型乳化組成物。
  4. 前記乳化組成物が、皮膚化粧料であることを特徴とする請求項1、2または3記載の油中水型乳化組成物。
  5. 前記乳化組成物が、毛髪化粧料であることを特徴とする請求項1、2または3記載の油中水型乳化組成物。
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