JP3578204B2 - 基板メッキ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板などの基板の処理面に、電解メッキ法によりメッキ層を形成する基板メッキ装置に係り、特には、処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の基板メッキ装置において、基板の処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させるためには、まず、陰極となる基板の処理面と陽極となる電極部材との間の電界の均一性を考慮する必要がある。
【0003】
そのため、従来の基板メッキ装置は、最も簡単な方法で陰極となる基板の処理面と陽極となる電極部材との間の電界を均一にするために、一般的に、図7に示すように、基板Wの処理面WSと陽極板100とを対向配置し、基板Wの処理面WSと陽極板100とを平行状態にして電解メッキ液Qに浸漬し、電解メッキ処理を行うように構成している。
【0004】
なお、図7中の符号110は基板Wの処理面WSと電気的に接続する電極部材であり、120は電源ユニットである。陽極板100は電源ユニット120の陽極側に、電極部材110は電源ユニット120の陰極側にそれぞれ接続されており、陽極板100を陽極に、基板Wの処理面WSを陰極にして電解メッキ処理が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
図8に示すように、陰極面F(−)と陽極面F(+)とを平行状態にした場合の電位(Φ(x,y))・電界(Ψ(x,y))分布は、Z=x+iy(i=√(−1))、W=Φ(x,y)+iΨ(x,y)とすれば、Z=W+eを満たす関数群である。
【0006】
陰極面F(−)と陽極面F(+)とを近づければそれだけ陰極面F(−)と陽極面F(+)との間に均一な電界を形成することができるが、図8からも明らかなように、陰極面F(−)と陽極面F(+)とを平行状態にした場合でも、その端部付近では電界の乱れが存在する。
【0007】
すなわち、処理面WSと陽極板100とを単に平行状態にしただけでは、基板Wの処理面WSの周縁部側での電界の乱れに起因して、基板Wの処理面WSの全面においてメッキ層の膜厚が不均一になるという問題がある。
【0008】
また、基板Wの処理面WSに均一な膜厚のメッキ層を形成する上では、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電解メッキ液の置換効率を考慮する必要もある。すなわち、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電解メッキ液が次々に新たな電解メッキ液に入れ替わらなければ、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電解メッキ液の濃度を均一に保つことができず、均一なメッキ層が形成できないと考えられるからである。
【0009】
しかしながら、図7に示すように、基板Wの処理面WSと板状の陽極板100とを平行状態に配置すると、その間の電解メッキ液の置換は基板Wの処理面WSと陽極板100の端部の開口部分のみから行われることになり、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電解メッキ液の置換効率が悪い。特に、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電界の均一性を向上させるために、基板Wの処理面WSと陽極板100とを近づければそれだけ基板Wの処理面WSと陽極板100の端部の開口部分が狭くなり基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電解メッキ液の置換効率が悪くなる。
【0010】
そこで、例えば、板状の陽極板100に、電解メッキ液を流通させるための開口を形成することも考えられる。しかしながら、陽極板100に開口を形成すると、その開口によって、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電界に乱れが生じることになる。
【0011】
すなわち、基板Wの処理面WSに均一な膜厚のメッキ層を形成するために、基板Wの処理面WSと陽極板100との間の電界の均一性と、電解メッキ液の置換効率とを考慮する場合、従来は、双方の要件を満足させることができなかった。
【0012】
また、図7に示すように、従来装置では、一般的に、基板Wの処理面WSを陰極とするために基板Wの処理面WSに電気的に接続する電極部材110は、基板Wの処理面WSの周縁部の複数箇所だけで部分的に接続される構成である。そのため、電極部材110と基板Wの処理面WSとの電気的な接続が不確実であり、電源ユニット120から基板Wの処理面WSへの給電に偏りが起きるなどの不都合が生じ易い。このような給電の偏りも、基板Wの処理面WSに形成するメッキ層の膜厚が不均一になる要因の1つと考えられる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、基板の処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる基板メッキ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、を備え、かつ、前記基板の処理面の周囲に陰極の補助陰電極部材を配置させるとともに、前記第1電極部材と前記補助陰極部材と前記基板とは一体的に回転可能に支持されて、かつ、前記基板の処理面よりも大きな面積を有する前記第2電極部材を、前記基板の処理面及び前記補助陰電極部材に対向配置させて、前記第1電極部材と前記補助電極部材と前記基板とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とするものである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、を備え、かつ、前記第2電極部材に開口を形成し、この開口の開口径をrとすると、前記基板の処理面と前記第2電極部材との間の距離Dが〔r/2≦D≦2r〕を満たすように前記基板の処理面と前記第2電極部材とを対向配置させて電解メッキ処理を行うことを特徴とするものである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、を備え、かつ、前記第1電極部材を、前記基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって前記基板の処理面に対して電気的に接続させるとともに、前記第1電極部材と前記基板とは一体的に回転可能に支持されて、前記第1電極部材と前記基板とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とするものである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1ないし3のいずれかに記載の基板メッキ装置において、前記基板の処理面と前記第1電極部材とを圧接させる圧接手段を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、上記請求項4に記載の基板メッキ装置において、前記圧接手段は、前記第1電極部材を支持する陰極支持部材に前記基板の処理面を真空吸着する真空吸着手段を含み、前記基板の処理面を吸着する前記真空吸着手段の吸着口を、前記基板の処理面の中心から見て、前記基板の処理面と前記第1電極部材との接続部分よりも外側に形成し、その吸着口付近において前記真空吸着手段の吸排路と前記第1電極部材との間にパッキン材を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、上記請求項4に記載の基板メッキ装置において、前記圧接手段は、前記基板の処理面と反対側の基板の面側から、前記第1電極部材に向けて前記基板を押圧する押圧手段を含むことを特徴とするものである。
【0020】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、基板の処理面に対して第1電極部材を電気的に接続させるとともに、基板の処理面の周囲に陰極の補助陰電極部材を配置させ、かつ、基板の処理面よりも大きな面積を有する第2電極部材を、基板の処理面及び補助陰電極部材に対向配置された状態で、電解メッキ液供給手段によって基板の処理面と第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液が供給される。さらに、回転可能に支持される第1電極部材と補助陰極部材と基板とを一体的に回転させた状態で、給電手段によって第2電極部材を陽極に、第1電極部材を陰極にして給電して電解メッキ処理が行われる。
【0021】
先にも説明したように、陰極面と陽極面とを平行状態にした場合、その端部付近に電界の乱れが存在するが、上述した構成によれば、端部付近に陰極の補助陰電極部材が配置されているので、端部付近の電界の乱れは、補助陰電極部材で形成されることになる。従って、基板の処理面に対する電解メッキ処理は、電界の乱れがない領域で行うことができる。さらに、第1電極部材と補助陰極部材と基板とを一体的に回転させることで、形成されるメッキ層の膜厚のばらつきを均すことができる。
【0022】
請求項2に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、基板の処理面に対して第1電極部材を電気的に接続させるとともに、開口が形成された第2電極部材を基板の処理面に対向配置させる。このとき、第2電極部材に形成された開口の開口径をrとすると、基板の処理面と第2電極部材との間の距離Dが〔r/2≦D≦2r〕を満たすように基板の処理面と第2電極部材とを対向配置させる。そして、電解メッキ液供給手段によって基板の処理面と第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液が供給されるとともに、給電手段によって第2電極部材を陽極に、第1電極部材を陰極にして給電して電解メッキ処理が行われる。
【0023】
以上のように、基板の処理面に対向配置させる第2電極部材に開口を形成したことにより、基板の処理面と第2電極部材の間への電解メッキ液の供給を第2電極部材に形成した開口からも行うことができ、基板の処理面と第2電極部材の間の電解メッキ液の置換効率を向上させることができる。
【0024】
一方で、先にも説明したように、陽極となる第2電極部材に開口を形成すると、その開口によって、基板の処理面と第2電極部材との間の電界に乱れが生じることになる。
【0025】
ここで、開口が形成された陽極面と陰極面とを平行状態にした場合における、それら陽極面と陰極面との間の電位・電界分布を近似的に計算すると、陽極面と陰極面との間の距離が陽極面に形成された開口の開口径の1/2倍以上であれば、開口によって生じる電界の乱れによる影響を無視することができる。
【0026】
従って、上述したように、基板の処理面と第2電極部材との間の距離Dが〔r/2≦D〕を満たせば、第2電極部材に形成した開口によって生じる基板の処理面と第2電極部材との間の電界に乱れによる影響を無視することができる。
【0027】
一方で、基板の処理面と第2電極部材との間の距離Dが大き過ぎると、装置が大型化したり、基板の処理面と第2電極部材との間に供給する電解メッキ液の量が多くなって、電解メッキ液の使用量が増大したりするなどの問題が起きる。ここで、基板の処理面と第2電極部材の間の電解メッキ液の置換効率などを考慮すると、基板の処理面と第2電極部材との間の距離Dを〔D≦2r〕にすることで、装置の大型化や、電解メッキ液の無駄な使用を抑制することができる。
【0028】
請求項3に記載の発明の作用は次のとおりである。
すなわち、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して第1電極部材を電気的に接続させるとともに、第2電極部材を基板の処理面に対向配置させた状態で、電解メッキ液供給手段によって基板の処理面と第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液が供給される。さらに、回転可能に支持される第1電極部材と基板とを一体的に回転させた状態で、給電手段によって第2電極部材を陽極に、第1電極部材を陰極にして給電して電解メッキ処理が行われる。
【0029】
上述したように、第1電極部材を、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して電気的に接続させることにより、基板の処理面と第1電極部材との接触面積が従来装置よりも多くなり、基板の処理面と第1電極部材との電気的な接続が確実になるとともに、基板の処理面への給電のバランスも良くなる。従って、給電手段から基板の処理面への給電に偏りが起きることなどを抑制することができる。
【0030】
また、第1電極部材を、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して接続させたことで、基板の処理面の周縁付近において、基板の処理面と第1電極部材との間の隙間を完全に塞ぐことができるので、基板の処理面の周縁付近から処理面と反対側の基板の面側に電解メッキ液が回り込むことも防止できる。さらに、第1電極部材と基板とを一体的に回転させることで、形成されるメッキ層の膜厚のばらつきを均すことができる。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、圧接手段が基板の処理面と第1電極部材とを圧接させて、基板の処理面と第1電極部材との電気的な接続をより確実に行う。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、真空吸着手段が、第1電極部材を支持する陰極支持部材に基板の処理面を真空吸着させることで、陰極支持部材に支持された第1電極部材に向けて基板の処理面を引き付けて基板の処理面と第1電極部材とを圧接させる。
【0033】
ここで、基板の処理面を吸着する真空吸着手段の吸着口を、基板の処理面の中心から見て、基板の処理面と第1電極部材との接続部分よりも外側に形成し、その吸着口付近において真空吸着手段の吸排路と第1電極部材との間にパッキン材を設けたことにより、陰極支持部材に基板の処理面を真空吸着させたとき、パッキン材が変形して、吸排路に外気や電解メッキ液などが進入する隙間が形成されることを防止でき、陰極支持部材と基板の処理面との真空吸着が確実に行われ、基板の処理面と第1電極部材とを確実に接続させることができる。
【0034】
また、請求項3に記載の発明のように、第1電極部材を、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して電気的に接続させる場合には、パッキン材も第1電極部材に沿って全周にわたって設けることにより、基板の処理面の周縁付近から処理面と反対側の基板の面側への電解メッキ液の回り込みをより確実に防止できる。
【0035】
請求項6に記載の発明によれば、押圧手段が、基板の処理面と反対側の基板の面側から、第1電極部材に向けて基板を押圧することで、基板の処理面と第1電極部材とを圧接させる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る基板メッキ装置の全体構成を示す縦断面図であり、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は陰極支持部材の構成を示す拡大縦断面図である。
【0037】
電解メッキ処理を行うメッキ槽1は、本実施例では、外槽2と内槽3とからなる2槽構造で構成している。外槽2と内槽3とはポンプ4が介装された循環路5を介して連通接続されている。内槽3の上部からオーバーフローした電解メッキ液Qは外槽2に流れ出し、ポンプ4によって循環路5を介して内槽3の底面の液供給口6から内槽3内に戻され、外槽2、内槽3、循環路5の間で電解メッキ液Qを循環させている。
【0038】
内槽3内には、複数の開口7が形成され、基板Wの処理面WSよりも大きな面積を有する第2電極部材8が、後述する陰極支持部材12に保持された基板Wの処理面WSと対向するように水平状態で配設されている。上述したように、液供給口6から内槽3内に供給された電解メッキ液Qは、第2電極部材8に形成された開口7を介して、陰極支持部材12に保持された基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間に供給され、基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間に電解メッキ液Qが満たされるとともに、その間の電解メッキ液Qが次々に入れ替えられるようになっている。この実施例では、外槽2、内槽3、ポンプ4、循環路5などが、本発明における電解メッキ液供給手段を構成する。
【0039】
メッキ槽1の上方には、図示を省略した昇降機構によって昇降可能に構成された支持アーム9が配置されている。支持アーム9の先端部には回転軸10が回転可能に懸垂支持されている。また、回転軸10の下端部には連結アーム11が回転軸10と一体回転可能に連結されている。連結アーム11は、2つの板状垂直部材11a、11bと、これら板状垂直部材11a、11bの上部において板状垂直部材11a、11b間をかけ渡すように配設された板状水平部材11cとからなる「∩」型の形状に形成されている。連結アーム11の2つの板状垂直部材11a、11bの各々の下端部は、互いに対向する位置で略円筒状の陰極支持部材12の上面に取り付けられている。
【0040】
支持アーム9が下降された状態で、陰極支持部材12は、保持した基板Wの処理面WSが内槽3に満たされた電解メッキ液Q内に浸漬される高さ位置に配置されている。このときの陰極支持部材12に保持された基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の距離をDとすると、上述した第2電極部材8の開口7の開口径rとの関係が、〔r/2≦D≦2r〕、より好ましくは、〔r/2≦D≦r〕の条件を満たすように構成している。
【0041】
連結アーム11の板状水平部材11cには、その中央部に、エアシリンダ13が懸垂支持されている。このエアシリンダ13のロッド13aの先端部には、円板状の押圧板14が連結され、エアシリンダ13のロッド13aを伸縮することで、押圧板14が下降・上昇されるようになっている。押圧板14は、基板Wと同じサイズか、基板Wより若干大きめのサイズである。エアシリンダ13のロッド13aが収縮されて押圧板14が上方の待機位置(図1の実線で示す位置)にある状態から、エアシリンダ13のロッド13aを伸長させることにより、図1の二点鎖線で示すように、陰極支持部材12に保持された基板Wの上面(処理面WSと反対の面)側から基板Wを下方(後述する導電体20の方向)に押圧する。このエアシリンダ13と押圧板14とは、請求項6に記載の発明における押圧手段に相当し、請求項4に記載の発明における圧接手段の1つである。
【0042】
回転軸10は、支持アーム9内に設けられた図示しないベルト伝動機構によって電動モーター15に連動連結されている。電動モーター15を駆動することで、回転軸10、連結アーム11、陰極支持部材12、陰極支持部材12に保持された基板W、エアシリンダ13及び押圧板14が、鉛直方向に軸芯周りで一体的に回転される。
【0043】
陰極支持部材12は、その下部に、リング状で、かつ、内側が上方に折り返された導電体20が設けられている。導電体20は、銅や、銅に白金メッキを施した金属材料で形成されている。
【0044】
この導電体20の上方に折り返された部分のリング状の上面21が、基板Wの処理面WSと電気的に接続する部分となる。従って、この実施例では、基板Wの処理面WSの周縁部に沿って全周にわたって基板Wの処理面WSに対して導電体20が電気的に接続されることになる。また、導電体20の水平部分は、図3(b)に示すように、陰極支持部材12に保持された基板Wの周囲にも配置される部分を有する大きさであり、この基板Wの周縁よりも外側に配置される部分が、補助陰電極部材22となっている。すなわち、この実施例では、本発明における第1電極部材と補助陰電極部材を、導電体20として一体に形成している。第2電極部材8は基板Wの処理面WS及びその周囲に配置された補助陰電極部材22に対向対置されている。
【0045】
導電体20は、陰極支持部材12内、連結アーム11(11a、11b、11c)内、及び、回転軸10内に配設されたリード線23と接続されている。回転軸10内のリード線23には給電ブラシ30によって回転中でもブラシ給電される。給電ブラシ30は、リード線31を介して電源ユニット32の陰極側と接続されている。一方、上述した第2電極部材8は、リード線33を介して電源ユニット32の陽極側と接続されている。従って、電源ユニット32を作動させると、リード線31、給電ブラシ30、リード線23、導電体20を介して基板Wの処理面WSと補助陰電極部材22とが陰極になり、リード線33を介して第2電極部材8が陽極となって電解メッキ処理が行える。なお、電源ユニット32、リード線23、31、33、給電ブラシ30が、本発明における給電手段を構成する。
【0046】
図3に示すように、陰極支持部材12内には、保持する基板Wの処理面WSの中心から見て、基板Wの処理面WSと第1電極部材となる導電体20との接続部分21よりも外側に、略円環状の吸排路24及び基板Wの処理面WSを吸着する吸着口25が形成されている。吸着口25は、吸排路24の先端側の開口であり、本実施例ではリング状に形成されている。この吸着口25付近において、吸排路24と導電体20との間にパッキン材としてのOリング26が取り付けられている。図3(a)に示すように、基板Wの非保持状態で、Oリング26はその上端部が、導電体20の先端側の接続面21よりも若干上方に突出させている。また、この実施例では、保持する基板Wの処理面WSの中心から見て、吸着口25より外側にもOリング27を設けている。このOリング27も、基板Wの非保持状態で、その上端部が、導電体20の先端側の接続面21よりも若干上方に突出させている。
【0047】
図2、図3に示すように、陰極支持部材12内には、連結アーム11の2つの板状垂直部材11a、11bに対応する箇所において、吸排路24と、各板状垂直部材11a、11b内に設けられた配管40とを連通接続する連通路41が設けられている。図示を省略しているが、配管40は、連結アーム11の板状水平部材11c、回転軸10内にも設けられ、周知の回転シール機構を介して、支持アーム9内に設けられた配管42と連通接続されていて、吸排路24と、図1に示す三方バルブ43のコモンポートとが連通接続されている。三方バルブ43の他の2つのポートはそれぞれ、図示しない真空吸引源と大気開放とに連通接続されている。
【0048】
従って、三方バルブ43を真空吸引源側に切り替えれば、吸排路24が減圧されて、図3(b)に示すように、陰極支持部材12に基板Wの処理面WSを真空吸着保持することができる。このとき、Oリング26、27が変形して、吸排路24に外気や電解メッキ液Qなどが進入する隙間が形成されることを防止でき、基板Wの処理面WSと導電体20の接続面21とを確実に接続させることができる。また、三方バルブ43を大気開放側に切り替えれば、吸排路24が常圧に戻されて、図3(a)に示すように、基板Wの処理面WSの真空吸着保持が解除される。
【0049】
吸排路24、連通路41、配管40、42、三方バルブ42、真空吸引源などは、請求項5に記載の発明における真空吸引手段を構成し、請求項4に記載の発明における圧接手段の1つである。
【0050】
なお、上記各構成部品の駆動制御は図示しない制御部によって行われ、以下の動作を自動的に行えるよう構成している。
【0051】
次に、上記構成を有する実施例装置の動作を説明する。
支持アーム9が上昇されて陰極支持部材12が内槽3の上方に引き上げられているとともに、押圧板14が待機位置に上昇されている状態で、基板Wの処理面WSを下方に向けて支持した図示しない搬送アームが、正面視で待機位置の押圧板14と陰極支持部材12との間で、かつ、平面視で連結アーム11の2つの板状垂直部材11a、11bの間の隙間から進入して、処理面WSを下方に向けて陰極支持部材12に基板Wを引き渡して基板Wを搬入する。
【0052】
次に、三方バルブ42を大気開放側から真空吸引源側に切り替えて、搬入された基板Wを陰極支持部材12に保持させるとともに、エアシリンダ13のロッド13aを伸長させて押圧板14で基板Wを導電体20に向けて押圧させる。
【0053】
そして、支持アーム9を下降させて図1に示す状態にし、電動モーター15を駆動して陰極支持部材12やそれに保持された基板Wなどを回転させた状態で、電源ユニット32を作動させて、電解メッキ処理を所定時間行い、基板Wの処理面WSにメッキ層を形成する。
【0054】
メッキ処理を終えると、支持アーム9を上昇させて陰極支持部材12を内槽3の上方に引き上げ、エアシリンダ13のロッド13aを縮小させて押圧板14を待機位置に上昇させるとともに、三方バルブ42を真空吸引源側から大気開放側に切り替えて、基板Wの真空吸着保持を解除させる。
【0055】
そして、上述した基板Wの搬入と逆の動作で、メッキ層が形成された基板Wが搬送アームによって取り出されて装置外に搬出される。
【0056】
上記構成を有する実施例によれば、以下のような作用効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明に対応する第1の特徴として、上記実施例では、図4(a)の概念図に示すように、基板Wの処理面WS及びその周囲に配置されたリング状の補助陰電極部材22と、基板Wの処理面WSよりも大きな面積を有する第2電極部材8とを対向配置させて電解メッキ処理を行うので、陰極面F(−)と陽極面F(+)とを平行状態にした場合に生じる端部付近の電界の乱れ(図8参照)は、図4(a)の領域EAに示すように補助陰電極部材22で形成されることになり、基板Wの処理面WSに対する電解メッキ処理は、電界の乱れがない領域で行うことができる。従って、電界の乱れの影響を受けずに、基板Wの処理面WSに形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0057】
なお、上記実施例では、陰極支持部材12内に吸排路24などを形成する関係で、保持した基板Wの処理面WSと導電体20の下面とに若干の段差が形成されるが、この段差は僅か(1〜2mm程度)に抑えることができる。基板Wの処理面WSと補助陰電極部材22とは同一平面上に配置することが理想的であるが、上記実施例のように基板Wの処理面WSと補助陰電極部材22とに段差が形成されていてもその段差は僅かであるので実用上問題はない。
【0058】
また、第2電極部材8は、図4(b)に示すように、基板Wの処理面WS及びその周囲に配置されたリング状の補助陰電極部材22よりもさらに大きな面積を有するように構成しても、同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
また、請求項2に記載の発明に対応する第2の特徴として、上記実施例では、基板Wの処理面WSに対向配置させる第2電極部材8に開口7を形成し、この開口7の開口径rと、基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の距離Dとが、〔r/2≦D≦2r〕の関係を満たすように基板Wの処理面WSと第2電極部材8とを対向配置させて電解メッキ処理を行うので、以下のような作用効果が得られる。
【0060】
すなわち、基板Wの処理面WSと第2電極部材8の間への電解メッキ液Qの供給を開口7からも行うことができ、基板Wの処理面WSと第2電極部材8の間の電解メッキ液Qの置換効率を向上させることができる。
【0061】
また、開口7の開口径rと、基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の距離Dとが、〔r/2≦D〕の関係を満たしているので、以下のように、第2電極部材8に開口7を形成したことにより生じる基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の電界の乱れによる影響を無視することができる。
【0062】
ここで、開口が形成された陽極面と陰極面とを平行状態にした場合における、それら陽極面と陰極面との間の電位・電界分布について説明する。この場合の電位(Φ(x,y))・電界(Ψ(x,y))分布を近似的に計算すると、図5に示すように、Z=x+iy(i=√(−1))、W=Φ(x,y)+iΨ(x,y)とすれば、W=−i{log(Z+1)}を満たす関数群である。なお、図5では、関数群の実数部分だけを示している。
【0063】
図5から明らかなように、〔r/2≦D〕を満たせば、第2電極部材8に形成した開口7によって生じる基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の電界の乱れによる影響を無視することができる。
【0064】
従って、基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間の電解メッキ液Qの置換効率と電界の均一性との双方の要件を満たすことができ、基板Wの処理面WSに形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0065】
また、距離Dが大き過ぎると、装置が大型化したり、基板Wの処理面WSと第2電極部材8との間に供給する電解メッキ液Qの量が多くなって、電解メッキ液Qの使用量が増大したりするなどの問題が起きるが、上記実施例では、基板Wの処理面WSと第2電極部材8の間の電解メッキ液8の置換効率などを考慮して、距離Dを〔D≦2r〕、より好ましくは〔D≦r〕としたので、装置の大型化や、電解メッキ液Qの無駄な使用を抑制することができる。
【0066】
また、請求項3に記載の発明に対応する第3の特徴として、上記実施例では、導電体20(第1電極部材)を、基板Wの処理面WSの周縁部に沿って全周にわたって基板Wの処理面WSに対して電気的に接続させたので、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)との接触面積が従来装置よりも多くなり、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)との電気的な接続が確実になるとともに、基板Wの処理面WSへの給電のバランスも良くなる。従って、基板Wの処理面WSへの給電に偏りが起きることなどを防止することができ、基板Wの処理面WSに形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0067】
上記第3の特徴によれば、さらに以下の効果も得られる。すなわち、図7に示す従来装置のように、基板Wの処理面WSを陰極とするために基板Wの処理面WSに電気的に接続される電極部材110が、基板Wの処理面WSの周縁部の複数箇所だけで部分的に接続される構成であると、各電極部材110間の隙間から電解メッキ液Qが基板Wの処理面WSと反対側の基板Wの面(上面)側に回り込んでその面を汚染するなどの問題がある。これに対して、上記実施例のように導電体20(第1電極部材)を、基板Wの処理面WSの周縁部に沿って全周にわたって基板Wの処理面WSに対して接続することにより、基板Wの処理面WSの周縁付近において、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)との間の隙間を完全に塞ぐことができるので、基板Wの処理面WSの周縁付近から処理面WSと反対側の基板Wの面(上面)側に電解メッキ液Qが回り込むことも防止でき、処理面WSと反対側の基板Wの面側の汚染の防止なども可能となる。
【0068】
また、上記実施例では、基板Wを回転させながら電解メッキ処理を行うように構成しているので、例えば、基板Wと第2電極部材8とを静止させて電解メッキ処理を行ったときに、基板Wの処理面WSに形成されるメッキ層の膜厚が処理面WSの場所によってばらつくことがあっても、基板Wを回転させることで、形成されるメッキ層の膜厚のばらつきを均すことができる。従って、基板Wの処理面WSに形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0069】
また、上記実施例では真空吸着と押圧板14による押圧とにより、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)の接続面21とを圧接させるように構成したので、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)の接続面21との電気的な接続をより確実に行うことができる。
【0070】
また、真空吸着手段の吸着口25を、基板Wの処理面WSの中心から見て、基板Wの処理面WSと接続する導電体20(第1電極部材)の接続面21よりも外側に形成し、その吸着口25付近において真空吸着手段の吸排路24と導電体20(第1電極部材)との間にOリング26(パッキン材)を設けたことにより、図3(b)に示すように、陰極支持部材12に基板Wの処理面WSを真空吸着させたとき、Oリング26(パッキン材)が変形して、基板Wの処理面WSと導電体20(第1電極部材)の接続面21との電気的な接続をより確実に行うことができる。
【0071】
また、導電体20(第1電極部材)を、基板Wの処理面WSの周縁部に沿って全周にわたって基板Wの処理面WSに対して接続させたことに伴って、Oリング26(パッキン材)も導電体20(第1電極部材)に沿って全周にわたって設けているので、このOリング26(パッキン材)によって、基板Wの処理面WSの周縁付近から処理面WSと反対側の基板Wの面(上面)側への電解メッキ液Qの回り込みをより確実に防止できる。
【0072】
なお、上記実施例では、メッキ槽1を2槽構造として構成したが、例えば、図6に示すように、1槽構造のメッキ槽1であっても本発明は同様に適用することができる。図6に示す変形例において、上記実施例と同様の構成部品は図1と同一符号を付している。
【0073】
また、上記実施例では、第1電極部材と補助陰電極部材とを、導電体20として一体の部材で構成したが、第1電極部材と補助陰電極部材とは別々の部材で構成することもできる。
【0074】
また、上記実施例では、圧接手段として、真空吸着手段と押圧手段とを備えているが、例えば、図6に示す変形例のように真空吸着手段だけを備えるなど、真空吸着手段と押圧手段とのいずれか一方だけを備えるように構成してもよいし、その他の圧接手段を備えて構成してもよい。
【0075】
また、上記実施例や図6に示す変形例では、上記第1ないし第3の特徴を全て兼ね備えているが、いずれか1つの特徴のみを備えて構成したり、いずれか2つの特徴を組み合わせたものを備えて構成したりしても、上記各特徴に応じた作用効果が得られる。
【0076】
また、上記実施例や図6に示す変形例では、基板Wの処理面WSを下方に向けたフェイスダウンの状態で電解メッキ処理を行う装置を例に採ったが、基板Wの処理面WSを上方に向けたフェイスアップの状態で電解メッキ処理を行う装置にも本発明は同様に適用することができる。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、陰極の基板の処理面と陽極の第2電極部材を平行状態にしてその間に電解メッキ液を満たすように供給しつつ電解メッキ処理を行う基板メッキ装置において、基板の処理面の周囲に陰極の補助陰電極部材を配置させるとともに、基板の処理面よりも大きな面積を有する第2電極部材を、基板の処理面及び補助陰電極部材に対向配置させて電解メッキ処理を行うので、基板の処理面に対する電解メッキ処理を均一な電界が形成された領域だけで行うことができる。従って、電界の乱れの影響を受けずに、基板の処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。さらに、基板と補助陰極部材と第1電極部材とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことで、基板の処理面に形成されるメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0078】
請求項2に記載の発明によれば、陰極の基板の処理面と陽極の第2電極部材を平行状態にしてその間に電解メッキ液を満たすように供給しつつ電解メッキ処理を行う基板メッキ装置において、第2電極部材に開口を形成したので、基板の処理面と第2電極部材の間の電解メッキ液の置換効率を向上させることができる。また、基板の処理面と第2電極部材との間の距離を第2電極部材に形成された開口の開口径の1/2倍以上としたので、第2電極部材に形成した開口によって生じる基板の処理面と第2電極部材との間の電界に乱れによる影響を無視することができる。従って、基板の処理面と第2電極部材との間の電解メッキ液の置換効率と電界の均一性との双方の要件を満たすことができ、基板の処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。また、基板の処理面と第2電極部材との間の距離を第2電極部材に形成された開口の開口径の2倍以下としたので、装置の大型化や、電解メッキ液の無駄な使用を抑制することもできる。
【0079】
請求項3に記載の発明によれば、陰極の基板の処理面と陽極の第2電極部材を平行状態にしてその間に電解メッキ液を満たすように供給しつつ電解メッキ処理を行う基板メッキ装置において、第1電極部材を、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して電気的に接続させるようにしたので、基板の処理面と第1電極部材との電気的な接続をより確実に、かつ、バランス良く行うことができ、給電手段から基板の処理面への給電に偏りが起きるなどを防止することができる。従って、基板の処理面に形成するメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。また、基板の処理面の周縁付近において、基板の処理面と第1電極部材との間の隙間を完全に塞ぐことができるので、基板の処理面の周縁付近から処理面と反対側の基板の面側に電解メッキ液が回り込むことも防止でき、処理面と反対側の基板の面側の汚染の防止なども可能となる。さらに、基板と第1電極部材とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことで、基板の処理面に形成されるメッキ層の膜厚の均一性を向上させることができる。
【0080】
請求項4に記載の発明によれば、基板の処理面と第1電極部材とを圧接させる圧接手段を備えたので、基板の処理面と第1電極部材との電気的な接続をより確実に行うことができる。
【0081】
請求項5に記載の発明によれば、第1電極部材を支持する陰極支持部材に基板の処理面を真空吸着するとともに、基板の処理面を吸着する真空吸着手段の吸着口を、基板の処理面の中心から見て、基板の処理面と第1電極部材との接続部分よりも外側に形成し、その吸着口付近において真空吸着手段の吸排路と第1電極部材との間にパッキン材を設けたので、陰極支持部材に対する基板の処理面の真空吸着によって、基板の処理面と第1電極部材との圧接を確実に行え、基板の処理面と第1電極部材とを確実に接続させることができる。また、請求項3に記載の発明のように、第1電極部材を、基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって基板の処理面に対して接続させる場合には、パッキン材も第1電極部材に沿って全周にわたって設けることにより、基板の処理面の周縁付近から処理面と反対側の基板の面側への電解メッキ液の回り込みをより確実に防止することもできる。
【0082】
請求項6に記載の発明によれば、基板の処理面と反対側の基板の面側から、第1電極部材に向けて基板を押圧することにより、基板の処理面と第1電極部材とを圧接させるようにしたので、圧接手段を簡単な構造で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る基板メッキ装置の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】陰極支持部材の構成を示す拡大縦断面図である。
【図4】請求項1に記載の発明に対応する実施例装置の第1の特徴の作用効果と変形例を示す正面図である。
【図5】請求項2に記載の発明に対応する実施例装置の第2の特徴の作用効果を説明するための電位・電界分布図である。
【図6】実施例装置の変形例の全体構成を示す縦断面図である。
【図7】従来装置の概略縦断面図である。
【図8】従来装置の問題点を説明するための電位・電界分布図である。
【符号の説明】
1:メッキ槽
4:ポンプ
5:循環路
7:第2電極部材に形成された開口
8:第2電極部材
12:陰極支持部材
13:エアシリンダ
14:押圧板
20:導電体
21:基板の処理面と接続する導電体の接続面
22:補助陰電極部材に対応する導電体部分
24:吸排路
25:吸着口
26:Oリング
32:電源ユニット
W:基板
WS:処理面

Claims (6)

  1. 基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、
    前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、
    前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、
    前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、
    前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、
    を備え、かつ、
    前記基板の処理面の周囲に陰極の補助陰電極部材を配置させるとともに、前記第1電極部材と前記補助陰極部材と前記基板とは一体的に回転可能に支持されて、かつ、前記基板の処理面よりも大きな面積を有する前記第2電極部材を、前記基板の処理面及び前記補助陰電極部材に対向配置させて、前記第1電極部材と前記補助陰極部材と前記基板とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とする基板メッキ装置。
  2. 基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、
    前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、
    前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、
    前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、
    前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、
    を備え、かつ、
    前記第2電極部材に開口を形成し、この開口の開口径をrとすると、前記基板の処理面と前記第2電極部材との間の距離Dが〔r/2≦D≦2r〕を満たすように前記基板の処理面と前記第2電極部材とを対向配置させて電解メッキ処理を行うことを特徴とする基板メッキ装置。
  3. 基板の処理面にメッキ層を形成する基板メッキ装置であって、
    前記基板の処理面に対して電気的に接続する第1電極部材と、
    前記基板の処理面に対向配置される第2電極部材と、
    前記基板の処理面と前記第2電極部材との間に電解メッキ液が満たされるように電解メッキ液を供給する電解メッキ液供給手段と、
    前記第2電極部材を陽極に、前記第1電極部材を陰極にして給電する給電手段と、
    を備え、かつ、
    前記第1電極部材を、前記基板の処理面の周縁部に沿って全周にわたって前記基板の処理面に対して電気的に接続させるとともに、前記第1電極部材と前記基板とは一体的に回転可能に支持されて、前記第1電極部材と前記基板とを一体的に回転させた状態で電解メッキ処理を行うことを特徴とする基板メッキ装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の基板メッキ装置において、
    前記基板の処理面と前記第1電極部材とを圧接させる圧接手段を備えたことを特徴とする基板メッキ装置。
  5. 請求項4に記載の基板メッキ装置において、
    前記圧接手段は、前記第1電極部材を支持する陰極支持部材に前記基板の処理面を真空吸着する真空吸着手段を含み、
    前記基板の処理面を吸着する前記真空吸着手段の吸着口を、前記基板の処理面の中心から見て、前記基板の処理面と前記第1電極部材との接続部分よりも外側に形成し、その吸着口付近において前記真空吸着手段の吸排路と前記第1電極部材との間にパッキン材を設けたことを特徴とする基板メッキ装置。
  6. 請求項4に記載の基板メッキ装置において、
    前記圧接手段は、前記基板の処理面と反対側の基板の面側から、前記第1電極部材に向けて前記基板を押圧する押圧手段を含むことを特徴とする基板メッキ装置。
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