JP3577986B2 - カバ−レイ用接着シ−トおよび回路基板 - Google Patents

カバ−レイ用接着シ−トおよび回路基板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、プリント回路板のカバ−レイシ−ト用として用いることができる比較的低い温度での接着性、充分な剥離強度、半田耐熱性、耐湿性、埋め込み性などを満足するカバ−レイ用接着シ−ト、およびそれを使用して得られた回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、カバ−レイ用接着シ−トはリジッドフレキシブルプリント回路板用あるいは多層フレキシブルプリント回路板用のカバ−レイフィルムとして、電子機器の小型軽量化に伴い信頼性が求められる用途に用いられるようになっている。
しかし、従来のカバ−レイ用接着シ−トでは、接着性、電気信頼性、耐湿性、埋め込み性、半田耐熱性等のいずれかが不十分であり必ずしも満足いくものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、比較的低い温度での張り合わせ、良好な接着性、半田耐熱性、耐湿性、埋め込み性を満足するカバ−レイ用接着シ−ト及びそれを使用した回路基板を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は、接着剤層を耐熱性フィルムに設けてなり、250℃未満、好適には200℃以下の温度で圧着することができ、硬化後の体積抵抗率が1014Ω・cm以上の絶縁抵抗、240℃以上の半田耐熱性、耐湿性試験(121℃、湿度100%で60時間保持後)後の剥離強度保持率(耐湿性試験後の剥離強度/常態での剥離強度、%表示)が10%以上、好適には20%以上、特に50%以上の耐湿性、電気信頼性試験(櫛型電極使用、130℃、湿度85%、圧力2.3気圧、印加電圧100V、時間10000分)後に電極にデントライトが生成しない電気信頼性、埋め込み試験(180℃、圧力50kg/cm2、10分間)で良品率が100%の埋め込み性を有するカバ−レイ用接着シ−ト、及びそれを使用して得られた回路基板に関する。
【0005】
この発明においては、カバ−レイ用接着シ−トの各要件が前記の範囲内であることが必要であり、これによって信頼性の高いカバ−レイ用接着シ−トおよび回路基板を得ることができる。いずれかの要件が前記の範囲外であると、発明の目的を達成することができない。
【0006】
この発明における接着剤としては、好適には、(a)芳香族テトラカルボン酸二無水物と、ジアミノポリシロキサンおよび芳香族ジアミンからなるジアミン成分から得られた、フィルムに成形した場合に弾性率が250kg/mm2以下である可溶性ポリイミドシロキサン、(b)エポキシ樹脂、(c)エポキシ硬化剤、特にフェノ−ル性OH基を有する樹脂硬化剤、及び(d)シランカップリング剤を可溶性樹脂成分として含有する溶液組成物を、樹脂製フィルムに塗布乾燥して薄膜とした溶媒が除去された未硬化状態の耐熱性樹脂接着剤を挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
前記の可溶性樹脂成分のポリイミドシロキサンは、例えば2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類(特に2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその酸二無水物、或いはその酸エステル化物)などのビフェニルテトラカルボン酸類を主成分とする(60モル%以上、特に80−100モル%)芳香族テトラカルボン酸成分と、下記一般式
H2N−R1−[−Si(R2)2−O−]n−Si−(R2)2−R1−NH2
(ただし、式中のR1は2価の炭化水素残基を示し、R2は独立に炭素数1−5のアルキル基又はフェニル基を示し、nは3−60、特に5−50の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキサン10−80モル%(特に15−70モル%、更に好ましくは20−60モル%)、及び芳香族ジアミン90−20モル%(特に85−30モル%、更に好ましくは80−40モル%)からなるジアミン成分とを、重合及びイミド化することにより得られる。
【0008】
また、前記の可溶性のポリイミドシロキサンは、ジアミノポリシロキサン系ポリイミドのブロックと芳香族ジアミン系ポリイミドのブロックとを有するブロック共重合体であってもよく、または芳香族テトラカルボン酸成分とジアミノポリシロキサンと芳香族ジアミンとのランダムコポリマ−であってもよい。
特に、接着剤の耐水性、耐溶剤性の点からは、ランダム共重合体が好ましい。また、前記の可溶性のポリイミドシロキサンは、対数粘度(測定濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メチル−2−ピロリドン:NMP、測定温度;30℃)が0.05−7、特に0.07−4、さらに0.1−3程度である重合体であり、さらに、有機極性溶媒のいずれかに(特にアミド系溶媒)少なくとも10重量%、特に5−40重量%程度の濃度で均一に溶解させることができるものが好ましい。
【0009】
また、前記のポリイミドシロキサンは、赤外線吸収スペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以上、特に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分析においてポリマ−のアミド−酸結合に係わる吸収ピ−クが実質的に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピ−クのみが見られるような高いイミド化率であることが好ましい。
前記の可溶性のポリイミドシロキサンは、フィルムに成形した場合に弾性率が250kg/mm2以下、さらに好ましくは0.5−200kg/mm2であり、さらに熱分解開始温度が250℃以上、特に300℃以上であり、二次転位温度が−10℃以上、特に10−250℃程度であることが好ましい。
【0010】
前記ポリイミドシロキサンの製法としては、例えば、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、単にa−BPDAと表記することもある。)と、ジアミノポリシロキサン50−80モル%、好適には55−80モル%、ジアミノ安息香酸5−30モル%及びベンゼン環を2個以上有する芳香族ジアミンの残部からなるジアミン成分とを使用して、フェノ−ル系溶媒、アミド系溶媒、硫黄原子を有する化合物の溶媒、グリコ−ル系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機溶媒中で、高温下(特に好ましくは140℃以上の温度下)に、両モノマ−成分を重合及びイミド化するという製法を挙げることができる。
【0011】
また、前記のポリイミドシロキサンの製法としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機溶媒中で0−80℃の低温下に重合して、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を製造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイミド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方法であってもよい。
【0012】
さらに、前記のポリイミドシロキサンの製法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過剰量とジアミノポリシロキサンのみからなるジアミン成分とを重合して得られたイミドシロキサンオリゴマ−(A成分:平均重合度が1−10程度であり、末端に酸又は酸無水基を有する。)、および、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミノ安息香酸と芳香族ジアミンとの芳香族ジアミン成分の過剰量とを重合して得られた芳香族ジアミン系イミドオリゴマ−(B成分:重合度が1−10程度であり、末端にアミノ基を有する。)を準備して、次いで、前記X成分及びY成分を、両者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル付近となるように混合し反応させて、ブロックポリイミドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることができる。
【0013】
前記のポリイミドシロキサンの製造に使用される芳香族テトラカルボン酸成分として、a−BPDAの一部、好適には75モル%以下、特に50モル%以下を3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物などで置き換えてもよい。
【0014】
前記のポリイミドシロキサンの製造し使用される前記一般式で示されるジアミノポリシロキサンとしては、一般式中のR1が炭素数2−6個、特に3−5個の「複数のメチレン基」またはフェニレン基からなる2価の炭化水素残基であり、R2は独立にメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1−5のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、さらに、nが5−20、特に5−15程度であるジアミノポリシロキサンが好ましい。
【0015】
前記のポリイミドシロキサンの製造に使用されるる芳香族ジアミンとしては、例えば、
(1) ビフェニル系ジアミン化合物、ジフェニルエ−テル系ジアミン化合物、ベンゾフェノン系ジアミン化合物、ジフェニルスルホン系ジアミン化合物、ジフェニルメタン系ジアミン化合物、2,2−ビス(アミノフェニル)プロパンなどのジフェニルアルカン系ジアミン化合物、2,2−ビス(アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン系化合物、ジ(アミノフェニレン)スルホン系ジアミン化合物、
【0016】
(2) ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、ジ(アミノフェニル)ベンゼン系ジアミン化合物、
(3) ジ(アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン系化合物、ビス(アミノフェノキシフェニル)プロパン系ジアミン系化合物、ビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン系ジアミン化合物などのベンゼン環を2−5個有する芳香族ジアミン化合物を挙げることができ、それらを単独、あるいは、混合物として使用することができる。
前記芳香族ジアミンとしては、1,3−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンおよび2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、特に2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパンを好適に挙げることができる。
【0017】
前記ポリイミドシロキサンの製造で使用される有機溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホルアミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾ−ル、フェノ−ル、キシレノ−ルなどのフェノ−ル系溶媒、アセトン、メタノ−ル、エタノ−ル、エチレングリコ−ル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素などのその他の溶媒を挙げることができ、さらに、必要であれば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルのような他の種類の有機溶媒を併用することも可能である。
【0018】
前記の(b)エポキシ樹脂としては、1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物であればよく、具体的種類としては、例えば、ビスフェノ−ルA又はビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂(例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコ−ト807、828、828EL)、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノ−ル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、RE701、RE550Sなど)、多官能型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製、ELM−100など)、グリシジルエ−テル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、三菱ガス化学株式会社製、商品名:テトラッドX)などやエポキシ変性ポリシロキサン化合物(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社製、BY−16−845等)を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は1種のみを使用してもよく複数併用することもできる。
【0019】
前記エポキシ化合物の融点が高すぎると未硬化状態の樹脂組成物の軟化点が高くなるので、融点が90℃以下、特に0−80℃程度であるもの、あるいは、30℃以下の温度で液状であるものであってもよい。
【0020】
前記のエポキシ化合物の使用割合は、(a)ポリイミドシロキサン100重量部に対して(b)20−250重量部、特に30−200重量部であることが好ましい。
エポキシ化合物の量が多すぎたり少なすぎたりすると、未硬化状態の樹脂組成物がべたついて硬化後の柔軟性に欠けたり、未硬化状態の樹脂組成物の軟化点が高すぎたりして硬化後の積層特性が悪くなったりするので前記範囲することが望ましい。
【0021】
また、前記の(c)エポキシ硬化剤としては、それ自体公知の硬化剤、例えば、イミダゾ−ル類[2−アルキル−4−メチルイミダゾ−ル、2−アルキル−4−エチルイミダゾ−ル、1−(2−シアノエチル)−2−アルキルイミダ−ル、2−フェニルイミダゾ−ル等]、ジシアンジアミド類、ヒドラジン類、芳香族ジアミン類、水酸基を有するフェノ−ルノボラック型硬化剤(明和化成株式会社製、フェノ−ルノボラック:H−1、H−5等)などの重付加型硬化剤、有機過酸化物等を挙げることができる。硬化剤は適宜公知の硬化促進剤とともに使用してもよい。
【0022】
エポキシ硬化剤の使用量は、前記のエポキシ化合物100重量部に対して0.01−90重量部、特に0.03−80重量部であることが好ましい。
【0023】
前記の(d)シランカップリング剤としては、アミノシランカップリング剤、グリシドキシシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、メルカプトンカップリング剤、メタクリロキシシランカップリング剤等が挙げられる。このうち、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社製、ZS6023)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコ−ニング・シリコ−ン株式会社製、SH6040)等が好適である。
前記のシランカップリング剤の使用量は、ポリイミドシロキサン100重量部に対して0−15重量部であることが好ましい。
【0024】
前記の接着剤は、前記の(a)ポリイミドシロキサン、(b)エポキシ化合物、(c)エポキシ硬化剤、および(d)シランカップリング剤の好適量を適当な有機極性溶媒に均一に分散させ、攪拌・混合し溶液組成物とした後有機溶媒を乾燥除去することによって容易に得ることができる。有機溶媒としては、前述のポリイミドシロキサンの製造に使用される有機溶媒、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子内に有する溶媒やN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤を好適に使用することがでる。
前記接着剤の溶液組成物は、前記の各成分が、適当な有機溶媒中に、特に3−50重量%、さらに好ましくは5−40重量%の濃度で均一に溶解されている接着剤の溶液組成物(ワニス)として使用され、その溶液粘度(30℃)が、0.1−1000ポイズ程度であることが好ましい。
【0025】
前記の接着剤は(a)、(b)、(c)および(d))からなる成分が、主成分として(特に90重量%以上、さらに好ましくは95−100重量%程度)含有されている接着剤であればよいが、前記の各成分に、さらに少量の硬化性樹脂成分、例えばビスマレイミド樹脂等を少量含有させてもよい。
【0026】
この発明における接着剤は、未硬化の樹脂成分のみの組成物の軟化温度(熱板上で軟化が開始する温度)が、150℃以下、特に140℃以下、さらに好ましくは0−130℃であることが好ましい。
【0027】
また、前記の溶液組成物には、日本アエロジル社製の二酸化ケイ素(例えば、商品名:アエロジル200、アエロジル300、アエロジルR202、アエロジルR972等)、シオノギ製薬株式会社製の酸化ケイ素(商品名:カ−プレックス80等)、キャボット社製の酸化ケイ素(商品名:キャボシ−ルTS−720等)、タルクなどの微細な無機フィラ−が配合されていてもよい。無機フィラ−の量は(a)ポリイミドシロキサン100重量部に対して10重量部以下、特に5−10重量部が好ましい。
【0028】
前記の接着剤は、柔軟性を有しており、紙管などの巻き付けたり、又は打ち抜きやレ−ザ−や、プラズマによる穴あけ加工することができる。これらの加工後実装することができる。
さらに前記の接着剤は、カバ−レイ用接着シ−トの接着剤側と回路基板の回路側とを重ね、250℃未満、好適には200℃以下、さらに好適には約50−200℃、特に80−200℃、その中でも特に80−180℃程度の温度で0.5−60分間圧着し、さらに必要であれば圧力開放下に100−200℃の温度で、10分−30時間程度加熱することによって熱硬化−接着することができるものが好ましい。
【0029】
この発明のカバ−レイ用接着シ−トは、前述の各(a)−(d)成分を含む接着剤を耐熱性フィルム、例えば、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエ−テルエ−テルケトン、PEEKフィルム、ポリエ−テルスルホンフィルム、好適には厚さ10−50μm程度の耐熱性フィルム上に、溶媒が1重量%以下にまで除去された(好ましくは溶媒残存割合が0.5重量%以下である)未硬化状態の接着剤の厚さが約3−12μm、好適には4−12μm、特に4−10μm程度の薄層として形成したものが好ましい。
前記の接着剤層の上に耐熱性又は熱可塑性樹脂フィルムのフィルムを保護フィルムとして圧着して積層してもよい。
【0030】
前記耐熱性フィルムの一例であるポリイミドフィルムとしては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物−パラフェニレンジアミン系の芳香族ポリイミドフィルム(例えば、宇部興産株式会社製、UPILEX−Sタイプポリイミドフィルム)、各種カプトンフィルム(カプトン、デュポン社あるいは東レ・デュポン株式会社製)や各種アピカル(鐘淵化学工業社製)を好適に使用することができる。
特に、耐熱性フィルムとして、線膨張係数(JIS K7197に従って測定)が5−25ppmで引張弾性率が450−1100kg/mm2であるものが好適である。
【0031】
耐熱性フィルム上に未硬化の接着剤の薄層を積層する方法としては、例えば、前記の耐熱性フィルム又は熱可塑性フィルム上に前記接着剤の溶液組成物を所定厚みに塗布・乾燥して未硬化の接着剤の薄層を形成した後、加熱された一対のロ−ル(ラミネ−トロ−ル)間を通すことによって転写先用の耐熱性フィルムに転写する方法、あるいは、耐熱性フィルム上に前記接着剤の溶液組成物を所定厚みに塗布・乾燥して未硬化の接着剤の薄層を形成する方法のいずれの方法によっても行うことができる。
【0032】
前記の接着剤の溶液組成物の乾燥は、前述の各(a)−(c)成分が有機溶媒に均一に溶解されている接着剤の溶液組成物を、フィルム上に塗布し、その塗布層を80−200℃の温度で20秒−100分程度乾燥して、溶媒が前記のように実質的に除去された薄層として形成することが好ましい。
【0033】
この発明のカバ−レイ用接着シ−トを使用した回路基板は、例えば厚み5−20μmの金属箔(好適には銅箔)を使用して回路パタ−ンを形成したFPCなどの基板に適用する場合、フレキシブルプリント基板フィルム上に形成された回路にカバ−レイフィルムの未硬化の接着剤面を重ね合わせ、250℃未満、好適には200℃以下、さらに好適には50−200℃、特に80−200℃、その中でも特に80−180℃程度の温度、50kg/cm2以下の圧力で0.5−60分間程度圧着し、FPCのラインスペ−スを接着剤で埋めて、さらに必要であれば圧力開放下に100−200℃の温度で、10分−30時間程度加熱することによって、硬化させて積層一体化して得ることができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を示し、この発明をさらに詳しく説明する。
以下の実施例においては、分子量の目安としての対数粘度(ηinh)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ml溶媒となるように、ポリイミドシロキサンを、N−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹脂溶液を調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの溶媒粘度をキャノンフェンスケ型粘度計を用いて30℃で測定し常法により求めた。
【0035】
ポリイミドシロキサンフィルムの軟化温度は、厚み50μmのフィルムを作製して粘弾性試験における粘弾性ピ−クのTanδ(高温側)をレオメトリック社製のメカニカルスペクトロメ−タ−RDS−2を用いて求めた値である。
ポリイミドシロキサンの弾性率については、インテスコ社製の引張試験機を用いて、引張速度5mm/分の条件で測定した。
接着剤の軟化温度は、90℃で乾燥して厚み100μmの接着剤シ−トを作製し前記と同様にして求めた値である。
【0036】
剥離強度については、ポリイミドフィルム(12.5μm)に厚み10μmの接着剤を設けその上に厚み12μmの銅箔(3EC−VLP)を積層して得た試料をインテスコ社製の引張試験機を用いて、剥離速度50mm/分で、測定温度25℃で90°剥離試験を行って測定して求めた。
耐湿性(PCT)については、前記試料を121℃、湿度100%の条件で60時間保持した後の剥離強度、接着剤の色の変化を調べて評価した。
半田耐熱性は、260℃の溶融半田浴に30秒浸漬し、冷却後、ふくれの有無を観察した。
膨れが生じていない場合を○、膨れが生じている場合を×で表示した。
埋め込み性については、厚み12μmの銅箔(3EC−VLP)を使用した回路板と、耐熱性フィルムの片面に乾燥厚み10μmの接着剤を設けたカバ−レイ用接着シ−トを180℃、圧力50kg/cm2で10分間加熱加圧して硬化させたものについて、接着剤の回路間への埋め込み性を観察し、評価した。
サンプル5個についていずれも完全に埋まっている場合を○、1つでも空隙がある場合を×と評価した。
【0037】
絶縁抵抗は、接着剤シ−トを90℃で10分、180℃で60分硬化させて作製した厚み50μmの試料を使用してASTM D149−64に従って体積抵抗率を測定した。
誘電率は、上記と同様にして作製した試料を使用してASTM D150−64Tに従って、25℃、1KHzにて測定した。
電気信頼性については、積層板の銅箔(厚み12μm)をエッチングして櫛型(導体巾0.2mm、電極間隔0.05mm、電極重なり部分10mmの電極を3本有する)を作製しその上に1μmの錫メッキした櫛型電極を使用し、130℃、湿度85%、圧力2.3気圧、印加電圧100V、時間10000分にて測定し次のように評価した。
○:電極にデントライトの生成なし ×:デントライトが生成し腐食も激しい
柔軟性は、積層体について0°の折り曲げにおける亀裂などの生成を観察し、
○:異常のない場合を良好、×:異常のある場合を不良と評価した。
【0038】
参考例1
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えた容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)0.045モル、ω,ω’−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(DAPSi)(信越シリコン株式会社製、X−22−161AS、n:9)0.030モル、および、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)160gを入れ、窒素気流中で50℃まで昇温し、この温度で2時間攪拌して、アミック酸オリゴマ−を生成させ、次いで、その反応液を200℃に昇温して、その温度で3時間攪拌して末端に無水基を有するイミドシロキサンオリゴマ−(A−1成分、平均重合度:2)を製造した。
【0039】
参考例2
芳香族テトラカルボン酸成分としてa−BPDA0.046モルとジアミン成分として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)0.066モルとを使用した他は参考例1と同様にして、末端にアミノ基を有するイミドシロキサンオリゴマ−(B−1成分、平均重合度:2)を製造した。
【0040】
参考例3
芳香族テトラカルボン酸成分としてa−BPDA0.054モルとジアミン成分として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)0.063モルとを使用した他は参考例1と同様にして、末端にアミノ基を有するイミドシロキサンオリゴマ−(B−2成分、平均重合度:5)を製造した。
【0041】
参考例4
参考例1で製造したイミドシロキサンオリゴマ−(A−1成分)14.14g(0.0055モル)の20重量%NMP溶液及び参考例3で製造したイミドオリゴマ−(B−2成分)24.33g(0.0055モル)の20重量%のNMP溶液を容量500ミリリットルのガラス製フラスコに仕込み、参考例1と同様にして窒素気流中、昇温して50℃で1時間攪拌し、次いで昇温して200℃で3時間攪拌してポリイミドシロキサン(ブロックポリマ−)を生成させた。このポリイミドシロキサンは、シロキサン単位含有率が22.2モル%、イミド化率が95%以上であり、対数粘度が0.49であった。
このポリイミドシロキサンの厚み25μmのフィルムについて測定した物性を次に示す。
Figure 0003577986
【0042】
参考例5
各成分の種類及び割合を、参考例1で製造したイミドシロキサンオリゴマ−(A−1成分)0.0100及び参考例2で製造したイミドオリゴマ−(B−2成分)0.0100モルした他は参考例4と同様にして、ポリイミドシロキサン(ブロックポリマ−)を生成させた。このポリイミドシロキサンは、シロキサン単位含有率が40.0モル%、イミド化率が95%以上であり、対数粘度が0.48であった。
このポリイミドシロキサンの厚み25μmのフィルムについて測定した物性を次に示す。
Figure 0003577986
【0043】
参考例6
温度計、仕込み・留出口及び攪拌機を備えた容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、a−BPDA0.054モル、DAPSi0.012モル、BAPP0.042モルおよび、NMP175gを入れ、窒素気流中で50℃まで昇温し、この温度で3時間攪拌して、アミック酸オリゴマ−を生成させ、次いで、その反応液を200℃に昇温して、その温度で3時間攪拌してポリイミドシロキサン(ランダムコポリマ−)を生成させた。このポリイミドシロキサンは、シロキサン単位含有率が22.2モル%、イミド化率が95%以上であり、対数粘度が0.59であった。
このポリイミドシロキサンの厚み25μmのフィルムについて測定した物性を次に示す。
Figure 0003577986
【0044】
実施例1
容量500ミリリットルのガラス製フラスコに、前記の参考例6で製造されたポリイミドシロキサン50重量部、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコ−ト828EL)19重量部、多官能エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製、ELM−100)8重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(明和化成株式会社製、H−5)19重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(四国化成工業株式会社、2PZ)0.1重量部、及びテトラヒドロフラン(THF)200重量部を仕込み、室温(25℃)で約6時間攪拌して均一な接着剤溶液組成物(接着剤ワニス)を調製した。
この接着剤ワニスを芳香族ポリイミドフィルム(ユ−ピレックスS、宇部興産株式会社製、厚み25μm、線膨張係数10ppm、引張弾性率900kg/mm2)上に50μmの厚さで塗布し、塗布層を50℃で1分、100℃で2分乾燥して、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmの接着剤層(未硬化の乾燥された層、溶媒残存率:0.1重量%以下、軟化点:90℃)を形成し、カバ−レイ用接着シ−トを得た。
【0045】
一方、この接着剤ワニスを乾燥後の厚みが12μmになるように芳香族ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、厚み12.5μm、ユ−ピレックスS)上にバ−コ−タ−で塗布し、前記と同様に加熱乾燥した。
この接着剤面に、電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、3EC−VLP箔、厚み12μm)の処理面を重ね、160℃、3kg/cm2でホットプレスして積層体を製造した。
この積層体の銅箔の上に定法により回路を形成した。
形成された回路面に上記カバ−レイ用接着シ−トの接着剤層側を重ねてホットプレスで180℃、50kg/cm2で1時間加熱した。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
回路基板としての総合評価は、作業性、色調、物性から評価した。
【0046】
剥離強度
常態(25℃) :0.6kg/cm
PCT(60時間)後 :0.4kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :2
誘電率 :2.9
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0047】
実施例2
各成分の種類と量とを、参考例6で製造されたポリイミドシロキサン50重量部、エポキシ樹脂(エピコ−ト828EL)18重量部、多官能エポキシ樹脂(ELM−100)7重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(H−5)18重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(2PZ)0.1重量部及びシランカップリング剤(SH−6040)2重量部を使用した他は実施例1と同様にして、カバ−レイ用接着シ−ト(接着剤層の溶媒残存率:0.1重量%以下、軟化点:90℃)及び積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0048】
剥離強度
常態(25℃) :0.5kg/cm
PCT(60時間)後 :0.3kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :2
誘電率 :2.9
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0049】
実施例3
各成分の種類と量とを、参考例6で製造されたポリイミドシロキサン50重量部、エポキシ樹脂(エピコ−ト828EL)17重量部、多官能エポキシ樹脂(ELM−100)7重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(H−5)18重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(2PZ)0.1重量部及びシランカップリング剤(SZ−6023)3重量部を使用した他は実施例1と同様にして、カバ−レイ用接着シ−ト(接着剤層の溶媒残存率:0.1重量%以下、軟化点:90℃)及び積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0050】
剥離強度
常態(25℃) :0.5kg/cm
PCT(60時間)後 :0.4kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :4
誘電率 :2.9
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0051】
実施例4
各成分の種類と量とを、参考例6で製造されたポリイミドシロキサン50重量部、エポキシ樹脂(エピコ−ト828EL)18重量部、多官能エポキシ樹脂(ELM−100)8重量部、フェノ−ルノボラック(H−1)14重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(H−5)4重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(2PZ)0.1重量部、シランカップリング剤(SH−6040)2重量部及びシランカップリング剤(商品名:SZ−6023)2重量部を使用した他は実施例1と同様にして、カバ−レイ用接着シ−ト(接着剤層の溶媒残存率:0.1重量%以下、軟化点:95℃)及び積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0052】
剥離強度
常態(25℃) :0.5kg/cm
PCT(60時間)後 :0.3kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :3
誘電率 :3
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0053】
実施例5
各成分の種類と量とを、参考例4で製造されたポリイミドシロキサン40重量部、エポキシ樹脂(エピコ−ト828EL)15重量部、多官能エポキシ樹脂(ELM−100)15重量部、エポキシ変性ポリシロキサン化合物(BY−16−845)5重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(H−5)21重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(2PZ)0.1重量部、シランカップリング剤(SH−6040)2重量部及びシランカップリング剤(SZ−6023)2重量部を使用した他は実施例1と同様にして、カバ−レイ用接着シ−ト(接着剤層の溶媒残存率:0.1重量%以下、軟化点:95℃)及び積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0054】
剥離強度
常態(25℃) :0.5kg/cm
PCT(60時間)後 :0.3kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :3
誘電率 :3
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0055】
実施例6
各成分の種類と量とを、参考例5で製造されたポリイミドシロキサン50重量部、エポキシ樹脂(エピコ−ト828EL)19重量部、多官能エポキシ樹脂(ELM−100)8重量部、フェノ−ルノボラック樹脂(H−5)18重量部、2−フェニルイミダゾ−ル(2PZ)0.1重量部、シランカップリング剤(SH−6040)2重量部及びシランカップリング剤(SZ−6023)2重量部を使用した他は実施例1と同様にして、カバ−レイ用接着シ−ト(接着剤層の溶媒残存率:0.05重量%以下、軟化点:80℃)及び積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0056】
剥離強度
常態(25℃) :0.6kg/cm
PCT(60時間)後 :0.3kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :僅かに白化
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :2
誘電率 :3
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0057】
比較例1
参考例6で得られたポリイミドシロキサン溶液を単独で接着剤ワニスとした他は実施例1と同様に実施し、評価した。
常態(25℃) :0.3kg/cm
PCT(60時間)後 :0.0kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :×
埋め込み性 :×
回路基板で体としての総合評価:不良
【0058】
実施例7
カバ−レイ用接着シ−トの張り合わせを真空プレスで行った他は実施例1と同様にして、カバ−レイ付き積層体を得た。
得られた回路基板であるカバ−レイ付き積層体について評価した結果を次に示す。
【0059】
剥離強度
常態(25℃) :0.7kg/cm
PCT(60時間)後 :0.4kg/cm
PCT(60時間)後の変化 :なし
半田耐熱性(260℃、30秒) :○
埋め込み性 :○
電気特性
絶縁抵抗(×1016Ω・cm) :2
誘電率 :2.9
電気信頼性 :○
柔軟性 :○
回路基板としての総合評価:良好
【0060】
【発明の効果】
【0061】
この発明のカバ−レイ用接着シ−トは、比較的低い温度のプレスで回路基板との十分な接着性が得られ、実用上充分な特性を有している。
また、回路基板は、良好な特性を有している。

Claims (3)

  1. (a)60モル%以上が2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸類である芳香族テトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサンおよび芳香族ジアミンからなるジアミン成分から得られた可溶性ポリイミドシロキサン、(b)エポキシ樹脂、(c)フェノ−ル性OH基を有する樹脂硬化剤、及び(d)シランカップリング剤からなる未硬化状態の耐熱性樹脂接着剤からなる接着剤層を耐熱性フィルムに設けてなり、250℃未満の温度で圧着することができ、硬化後の体積抵抗率が1014Ω・cm以上の絶縁抵抗、240℃以上の半田耐熱性、耐湿性試験(121℃、湿度100%で60時間保持後)後の剥離強度保持率が10%以上の耐湿性、電気信頼性試験(櫛型電極使用、130℃、湿度85%、圧力2.3気圧、印加電圧100V、時間10000分)後に電極にデントライトが生成しない電気信頼性を有し厚み12μmの銅箔を使用した回路板と厚み10μmの接着剤層を設けたカバーレイ用接着シートとを用いた埋め込み試験(180℃、圧力50kg/cm2、10分間)で100%の埋め込み性を有する接着剤からなる、厚みが3〜12μmの接着剤層を持った、回路パターンの厚みが5〜20μmからなる回路基板用のカバ−レイ用接着シ−ト。
  2. 請求項1に記載のカバ−レイ用接着シ−トを使用して得られた回路パターンの厚みが5〜20μmからなる回路基板。
  3. (a) 芳香族テトラカルボン酸成分と、ジアミノポリシロキサンおよび芳香族ジアミンからなるジアミン成分から得られた可溶性ポリイミドシロキサン、 (b) エポキシ樹脂、 (c) フェノ−ル性OH基を有する樹脂硬化剤、及び (d) シランカップリング剤からなる未硬化状態の耐熱性樹脂接着剤からなる接着剤層を耐熱性フィルムに設けてなり、250℃未満の温度で圧着することができ、硬化後の体積抵抗率が10 14 Ω・cm以上の絶縁抵抗、240℃以上の半田耐熱性、耐湿性試験(121℃、湿度100%で60時間保持後)後の剥離強度保持率が10%以上の耐湿性、電気信頼性試験(櫛型電極使用、130℃、湿度85%、圧力2.3気圧、印加電圧100V、時間10000分)後に電極にデントライトが生成しない電気信頼性、埋め込み試験(180℃、圧力50kg/cm 2 、10分間)で100%の埋め込み性を有するカバ−レイ用接着シ−トを使用して得られた回路パターンの厚みが5〜20μmとなる回路基板。
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