JP3577873B2 - Tab用接着剤付きテープおよび半導体接続基板並びに半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、TAB(テープ・オートメーテッド・ボンディング)方式と称する半導体集積回路実装用テープ(以下、TABテープと略す)に使用されるTAB用接着剤付きテープおよび半導体接続基板並びに半導体装置に関する。さらに詳しくは、高絶縁、高接着でワイヤーボンディング性が要求されるテープ・ボール・グリッドアレイ(T−BGA)、チップ・スケール・パッケージ(CSP)などの半導体接続基板に適応可能なTAB用接着剤付きテープに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のTAB用テープは、ポリイミドフィルム等の可撓性を有する有機絶縁性フィルム上に、接着剤層および保護フィルム層として離型性を有するポリエステルフィルム等を積層した3層構造より構成されている。
【0003】
TAB用テープは、(1)スプロケットおよびデバイス孔の穿孔、(2)銅箔との熱ラミネート、(3)パターン形成(レジスト塗布、エッチング、レジスト除去)、(4)スズまたは金−メッキ処理などの加工工程を経てTABテープ(パターンテープ)に加工される。図1にパターンテープの形状を示す。図2に本発明の半導体装置の一態様の断面図を示す。パターンテープのインナーリード部6を、半導体集積回路8の金バンプ10に熱圧着(インナーリードボンディング)し、半導体集積回路を搭載する。次いで、封止樹脂9による樹脂封止工程を経て半導体装置が作成される。また、インナーリード部を有さないパターンテープを用いて、その導体と半導体集積回路の金バンプとの間をワイヤーリードボンディングで接続する半導体集積回路の搭載方法も採用されている。このような半導体装置をテープキャリアパッケージ(TCP)型半導体装置と称する。TCP型半導体装置は、他の部品を搭載した回路基板等とアウターリード7を介して接続(アウターリードボンディング)され、電子機器への実装がなされる。
【0004】
一方、近年の電子機器の小型化・軽量化に伴い、半導体パッケージも高密度実装化を目的に、従来の接続端子(アウターリード)をパッケージ側面に配列したQFP(クワッド・フラット・パッケージ)、SOP(スモール・アウトライン・パッケージ)に代わり、パッケージの裏面に接続端子を配列するBGA(ボール・グリッド・アレイ)、CSP(チップ・スケール・パッケージ)が、一部用いられるようになってきた。BGA、CSPがQFP、SOPと構造的に最も大きく異なる点は、前者は、インターポーザーと称される基板を必要とするのに対し、後者は金属製のリードフレームを用いることにより必ずしも基板を用いることにより必ずしも基板を必要としない点にある。ここでいうインターポーザーは、ガラスエポキシ基板やポリイミド等の有機絶縁性フィルムに銅箔を貼り合わせたものが、一般的に用いられる。したがって、これらBGA、CSPなどの半導体装置にも本発明のTAB用接着剤付きテープを使用することができ、得られたBGA、CSPも本発明の半導体装置に含まれる。図3および図4に本発明の半導体装置(BGA、CSP)の一態様の断面図を示す。
【0005】
上記のパッケージ形態では、いずれも最終的にTAB用テープの接着剤層はパッケージ内に残留するため、絶縁性、耐熱性、接着性が要求される。近年、電子機器の小型化に伴う高密度実装化が進行するにしたがって、TAB方式における導体幅が非常に狭くなってきており、高い絶縁信頼性を有する接着剤の必要性が高まっている。最近は、特に絶縁信頼性の加速試験として、125℃〜150℃の高温で連続した電圧印可状態における絶縁性の低下速度が重要視されるようになってきた。また、パッケージの樹脂封止に、比較的温度と圧力の高い、トランスファーモールドが使用される場合や、ワイヤーボンディングによるインナーリードボンディングがなされる場合は、耐熱変形性が重要視される。
【0006】
TAB用接着剤付きテープは、一般に、接着剤層にエポキシ樹脂および/またはフェノール樹脂とポリアミド樹脂の混合組成物を用いて、絶縁フィルム上に接着剤層を直接コーティングまたはラミネートする方法で作成されている(特開平2−143447号公報、特開平3−217035号公報等)。
【0007】
また上記、絶縁性、接着性の向上を目的として、接着剤層を2層とし、可撓性絶縁フィルムと接する側と保護フィルムと接する側に機能分割することすなわち、銅箔パターンの形成される側に絶縁信頼性の高い接着剤を積層し、可撓性絶縁フィルム側に接着性の高い接着層を1μm以上の厚みで積層することが提案されている(特開平3−225935号公報等)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、種々の方法で改良されたTAB用接着剤付きテープは少しずつ効果をあげてきているが、接着性、絶縁信頼性、耐熱変形性について十分ではなかった。
【0009】
また、接着剤層を2層構造にする提案では、製造方法が複雑になるだけではなく、ワイヤボンディング時に接着層にかかるストレスが大きく1層目と2層目の接着剤層間に剥離が生じたり、十分なボンディング強度が得られないなどの問題があった。特に、T−BGAやCSPといったより高い絶縁信頼性が要求される用途で顕著であり、半導体素子と基板上のパターンがワイヤボンディングで接続される場合に要求される耐熱変形性(弾性率)、高温での接着力について応えるには至っていなかった。
【0010】
本発明の目的は、ワイヤボンディングが容易であり絶縁信頼性に優れた半導体接続基板(TABテープ)を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、有機絶縁フィルム上を接着剤溶液で前処理、硬化した後、接着剤層をコーティングあるいはラミネートにより形成することにより、接着性、絶縁性、ワイヤーボンディング性に優れたTAB用テープが得られることを見出し、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は少なくとも絶縁フィルムおよび接着剤層からなる積層体を有するTAB用接着剤付きテープにおいて、前記絶縁フィルム表面が予めコーティング厚みが1μm未満の易接着剤でコーティング処理されていることを特徴とするTAB用接着剤付きテープ、半導体接続基板または半導体装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明でいう絶縁フィルムとは、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレートなどのいわゆる耐熱性フイルム、あるいはフレキシブルエポキシ/ガラスクロスなどの複合材料からなる厚さ25〜125μmのフィルムであり、これらから選ばれる複数のフィルムを積層して用いても良い。最も好ましくはポリイミドフィルムが用いられる。また、必要に応じて、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化等の表面処理を施すことができる。
【0014】
本発明では、絶縁フィルム上に、予め易接着剤をコーティング処理することが重要である。用いられる接着剤は、最終コーティングあるいはラミネートされる接着剤と同組成でも異なっていてもよいが、好ましくは、絶縁フィルムとの接着性に優れる組成がよい。例えば、絶縁フィルムにポリイドフィルムを用いる場合には、ポリアミド樹脂を含有するエポキシ系の接着剤などが挙げられる。これら易接着剤を塗工しない場合は、接着性と絶縁性を両立し、ワイヤーボンディング可能なTABテープは得られない。
【0015】
絶縁フィルム上に易接着剤処理を施すことによって、絶縁フィルム上の接着剤に対する表面エネルギーが変化するためか、なじみ性が良くなり接着剤層を積層させる際の塗工性、ラミネート性を向上させることができる。
【0016】
また、上述の絶縁フィルムへの処理はいずれも外観上変化がない程度であれば特に限定されないが、好ましくは樹脂による接着剤のコーティング厚みすなわち易接着層の厚さが1μm未満、さらに好ましくは0.5μm以下である。易接着層が1μmを越えると外観の他、銅箔ラミネート工程で接着剤がニップロール表面に付着するなどの工程上の問題があるばかりか、要求される絶縁性、耐熱変形性等の特性低下の原因となる。さらには、工程上の取り扱いを容易にし、特性を向上する上で易接着剤層を十分に硬化させるのが好ましい。
【0017】
本発明の易接着層、接着剤層に使用される接着剤は特に限定されないが、熱硬化型のものであることが好ましい。例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硬化促進剤からなる接着剤があげられる。特に、易接着剤がポリアミド樹脂およびエポキシ樹脂を含有することが好ましい。ここで、易接着剤に含まれるポリアミド樹脂は2〜50重量%の範囲であることが好ましい。また、易接着剤に含まれるエポキシ樹脂は2〜40重量%の範囲であることが好ましい。
【0018】
本発明の積層体を形成する接着剤層は、熱硬化性樹脂成分のエポキシ樹脂に低応力化剤として熱可塑性樹脂を含有せしめた組成物であることが好ましい。
【0019】
接着剤層に用いられるポリアミド樹脂は、酸とジアミンの混合物を熱重合することによって得られるもので、メタノールなどのアルコール類を主要成分とする混合溶剤に溶解可能なものがすべて使用できる。とりわけ、ポリアミド樹脂の原料として炭素数が36個であるジカルボン酸(いわゆる「ダイマー酸」)が主要成分となっているもの(通称「ダイマー酸系ポリアミド」)が好ましい。ポリアミド樹脂は一般的に吸水率が大きいため絶縁抵抗が低くなる傾向があるが、ダイマー酸を使用することによって、吸水率を小さくし電気絶縁性を高くすることが可能になるためである。
【0020】
ダイマー酸系ポリアミドは、ダイマー酸とジアミンの等モル混合物を熱重合することによって得ることができる。ジカルボン酸成分としてダイマー酸だけでなく、アゼライン酸、セバシン酸などの他のジカルボン酸を共重合成分として含有していてもかまわない。このときダイマー酸が、酸成分中で70mol%以上であることがより好ましい。ダイマー酸系ポリアミドの中では、高重合度のものの方が、吸水率が比較的低く、高湿度の雰囲気でも電気絶縁性が高くなりやすいので好ましい。
【0021】
ジアミン成分としては、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−1,2−ジメチルシクロヘキシル)メタンなどがあげられるが、特に好ましいものは、ヘキサメチレンジアミンである。ヘキサメチレンジアミンを主成分としたダイマー酸系ポリアミドは、総合性能において優れた特性を発揮するため特に好ましい。また、ジアミン成分も一種だけでなく、二種以上混合したものも使用することができる。
【0022】
本発明の積層体を形成する接着剤層に用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものなら特に限定されず、これらの具体例としては、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、下記式(I)、(II)、(III)または(IV)で表されるエポキシ樹脂、
【化5】
(ただし、R1〜R8は各々水素原子、C1〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子を示す。)
【化6】
(ただし、R9〜R16のうち2つは2,3−エポキシプロポキシ基であり、残りは各々水素原子、C1〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子を示す。)
【化7】
(ただし、R17〜R20は各々水素原子、C1〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子を示す。)
【化8】
(ただし、R21〜R30は各々水素原子、C1〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子を示す。)
線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0023】
これらのエポキシ樹脂の中で特に本発明において好ましく使用されるものは、接着性、耐薬品性、絶縁性に優れる点で、上記式(I)、(II)、(III)または(IV)で表されるエポキシ樹脂を含有するものである。そして、エポキシ樹脂は、上記(I)、(II)、(III)または(IV)で表されるエポキシ樹脂の少なくとも1つを20重量%以上、特に50重量%以上含有することが好ましい。
【0024】
上記式(I)において、R1〜R8の好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
【0025】
上記(I)で表されるエポキシ樹脂の好ましい具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル−2−クロロビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチル−2−ブロモビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラエチルビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラブチルビフェニルなどが挙げられる。
【0026】
上記式(II)で表されるエポキシ樹脂の好ましい具体例としては、1,5−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−7−メチルナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−2−メチルナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−8−メチルナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−4,8−ジメチルナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−2−ブロモナフタレン、1,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−8−ブロモナフタレンなどが挙げられる。
【0027】
上記式(III)で表されるエポキシ樹脂の好ましい具体例としては、EXA−7200(大日本インキ工業(株)製)、ZX−1257(東都化成(株)製)などが挙げられる。
【0028】
上記式(IV)においてR21〜R30の好ましい具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。上記式(IV)で表されるエポキシ樹脂の好ましい具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0029】
本発明の接着剤層中に含有されるエポキシ樹脂の配合量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して2〜100重量部、好ましくは5〜70重量部である。
【0030】
本発明の接着剤層にフェノール樹脂を添加することにより、一層の接着性および絶縁性を向上させることができる。フェノール樹脂の具体例としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールA型樹脂、p−t−ブチルフェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂、ビスA型レゾール樹脂、p−t−ブチルレゾール樹脂や各種レゾール樹脂などが挙げられる。
【0031】
フェノール樹脂の配合割合は、通常エポキシ樹脂1当量に対してフェノール性水酸基0.5〜10.0当量、好ましくは0.7〜7.0当量となる範囲であることが望ましい。
【0032】
本発明の接着剤層にはエポキシ樹脂の単独反応、エポキシ樹脂とポリアミド樹脂やフェノール樹脂との反応を促進させる硬化促進剤を含有することができる。
【0033】
硬化促進剤は硬化反応を促進するものならば特に限定されず、その具体例としては、たとえば、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールおよび2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールおよび1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウムおよびトリ(アセチルアセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物、およびトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィンおよびトリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどの有機ホスフィン化合物が挙げられる。
【0034】
また、硬化促進剤の添加量は、ポリアミド樹脂を100重量部とした場合、0.1〜10重量部の範囲で使用されることが好ましい。
【0035】
また、接着剤の諸特性を劣化させない範囲で、シリカ、アルミナなどの微粒子を添加してもよく、さらには、添加する微粒子の表面をシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤で表面処理して用いてもよい。
【0036】
また、本発明の積層体を生成する接着剤層単体を硬化させた際の弾性率が、450〜2,000MPaの範囲にあることが好ましい。
【0037】
そして、本発明の可撓性絶縁フィルムと接着剤層からなる積層体の弾性率は、次の条件を満たすことが好ましい。
【0038】
弾性率:可撓性絶縁フィルムと接着剤層からなる積層体の20℃における弾性率が、下記測定条件において1,000〜30,000MPaの範囲にあること。
【0039】
同積層体の弾性率が、30,000MPa以上だとTAB用接着剤付きテープをパンチングすることができない。また、1,000MPa以下だと半田リフロー時の接着力低下が著しい。
【0040】
ここでいう弾性率は、以下の条件で測定したDMAの20℃における貯蔵弾性率である。
【0041】
測定機 ;RHEO VIBRON DDV−II−EA[(株)ORIENTEC製]
測定条件;−100℃〜300℃(測定温度間隔:2℃)
駆動周波数;110Hz。
【0042】
また、本発明においては接着剤層表面をフイルムで保護してもよい。用いられる保護フィルムは、通常、可撓性プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドフイルムがとくに好ましく用いられる。
【0043】
また、本発明においては、絶縁フィルムの両面が易接着剤処理の後でも前でもよいが、処理前後にかかわらず、放電処理されたことが好ましい。
【0044】
TAB用接着剤付きテープは、通常、次に示すいずれかの方法で作成される。
【0045】
まず、第1の離型フイルムに、接着剤樹脂混合溶液を塗布、乾燥し、これに必要に応じ第2の離型フイルムを貼り合わせる。次に、目的とする幅にスリットする。これをあらかじめ易接着剤を塗工、硬化したポリイミドなどの可撓性絶縁フイルムに、第1もしくは第2の離型フイルムを剥がして接着剤面を貼り合わせる。また、別の方法として、可撓性絶縁フイルム上に易接着層を塗工、硬化した後、直接所定の幅に接着剤樹脂混合溶液を塗布、乾燥し、離型フイルム(保護フイルム)を貼り合わせてもよい。
なお、接着剤樹脂混合溶液は、前記接着剤成分を溶媒に溶解して得られるものであり、接着剤各成分を溶解する溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ベンジルアルコールなどの芳香族系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶媒などが挙げられ、それぞれ単独あるいは二種以上の混合溶媒として使用できる。
【0046】
かくして得られたTAB用接着剤付きテープは常法により半導体接着基板とすることができ、さらに除法により半導体装置とすることができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の説明に入る前に評価方法について述べる。
【0048】
評価方法
(1)評価用サンプル作成方法
TAB用接着剤付きテープの保護フイルムを除去し、厚みが18μmの電解銅箔と接着面とを120℃、1kg/cm2、1m/分でラミネートした。続いてエアオ−ブン中で、80℃、5時間、100℃、5時間、150℃、5時間の条件で順次加熱処理を行い、銅箔付きTAB用テープを作成した。
【0049】
得られた銅箔付きTAB用テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト塗布、パターン露光、現像・銅箔パターンエッチング、フォトレジスト剥離工程を経て、接着強度および絶縁性の評価用サンプルを作成した。
【0050】
(2)スズメッキ処理
上記(1)の方法で得られたサンプルを、ホウフッ酸系の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施した。
【0051】
(3)剥離強度
上記(1)で得られた導体幅2mmの評価用サンプルと上記(1)および(2)の方法で得られた導体幅50μmの評価用サンプルを用いて、導体を90度方向に50mm/分の速度で剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0052】
(4)絶縁信頼性
上記(1)および(2)の方法で得られた導体幅200μm、導体間距離50μmの櫛形形状の評価用サンプルを用いて、エアオーブン中で150℃、100Vの電圧を連続的に印加した状態において、抵抗値が初期値の1/10以下となる時間を測定した。
【0053】
(5)耐熱変形性
熱押圧試験装置(日本アビオニクス(株)製、TCW−125型)に3×30mmのヒーターチップを取り付け、ヘッド圧力25kg、加熱時間6秒の条件で、10℃刻みに熱押圧試験を実施した。導体幅150μm、パターンピッチ250μm、導体数6本のサンプルを用いて、導体が接着剤に埋没し始める温度を熱変形温度とした。
【0054】
参考例(絶縁フィルムの易接着処理Aの製造方法)
ポリアミド樹脂(ヘンケル白水(株)製、”マクロメルト”6901)、エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、ナフタレン型エポキシ樹脂”HP−4032”、エポキシ当量150)、レゾールフェノール樹脂(住友デュレズ(株)製、PR50087)、BF3・モノエチルアミン塩をそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度0.05重量%となるようにメタノール/モノクロルベンゼン混合溶媒に30℃で攪拌、混合して接着剤溶液を作成した。この接着剤をリバースロール塗工機で、絶縁フィルムである厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製”ユーピレックス”Sタイプ)に干渉縞が生じないように塗布(厚さ1μm未満)し、100℃で1分、150℃で2分乾燥した後、150℃で3時間後硬化して易接着処理を施した。
【0055】
実施例1
ポリアミド樹脂(ユニケマ(株)製、”PRIADIT”2053)、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製、ビスA型エポキシ樹脂”エピコート”828、エポキシ当量186)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製、CKM1282)、トリフェニルホスフィンをそれぞれ表2の組成比となるように配合し、濃度20重量%となるようにメタノール/モノクロルベンゼン混合溶液に溶解した後、離型処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(東レ(株)製“ルミラー”)に、約12μmの乾燥膜厚となるように塗布し、エアオーブンを使用し100℃で1分、150℃で5分間の乾燥を行い、接着剤シートを作成した。得られた接着剤シートをロールラミネート方式により、120℃、1kg/cm2の条件で参考例で得た易接着処理Aを施した厚さ75μmのポリイミドフイルムにラミネートして、TAB用接着剤付きテープを作成した。特性を表2に示す。
【0056】
上記の手順で得られたTAB用接着剤付きテープを用いて、前述の評価方法(1)と(2)と同一の方法で半導体集積回路接続用の導体回路を形成し、図1に示すパターンテープを得た。
【0057】
さらにこのパターンテープを用いて、450℃、1分の条件でインナーリードボンディングを行い、半導体集積回路を接続した。しかるのちに、エポキシ系液状封止材(北陸塗料株式会社製“チップコート”1320−617)で樹脂封止を行い、半導体装置を得た。図2は得られた半導体装置の断面を示したものである。
【0058】
実施例2
参考例で得た易接着処理Aを施した絶縁フィルムにアルゴン雰囲気中で低温プラズマ処理した以外は、実施例1と同様の方法でTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0059】
実施例3
ポリアミド樹脂(ヘンケル白水(株)製、”マクロメルト”6900)、エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、ナフタレン型エポキシ樹脂”HP−4032”、エポキシ当量150)、フェノール樹脂(群栄化学(株)製、PSM4326)、3、3−DDSをそれぞれ表1の組成比となるように配合し、濃度0.05重量%となるようにメタノール/モノクロルベンゼン混合溶媒に30℃で攪拌、混合して接着剤溶液を作成した接着剤を用いて参考例と同様の方法で易接着処理Bを施した絶縁フィルムと実施例1と同様の方法で、それぞれ表2に示した原料および組成比で調合した接着剤を用いて得た接着シートをラミネートしTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0060】
実施例4
ポリアミド樹脂(ユニケマ(株)製、”PRIADIT”2053)、エポキシ樹脂(東都化成(株)製、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂”ZX1257”、エポキシ当量260)、フェノール樹脂(昭和高分子(株)製、CKM1634)、2−ヘプタデシルイミダゾールを表2の組成比となるように配合し、後は実施例1と同様の方法を用いてTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0061】
比較例3
絶縁フィルムへ易接着層を3μmの厚みにした以外は、実施例1と同様の方法でTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0062】
比較例1
絶縁フィルムをそのまま用いた以外は、実施例1と同様の方法でそれぞれ表2に示した原料および組成比で調合した接着剤を用いてTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0063】
比較例2
絶縁フィルムをそのまま用いた以外は、実施例4と同様の方法でそれぞれ表2に示した原料および組成比で調合した接着剤を用いてTAB用接着剤付きテープを得た。特性を表3に示す。
【0064】
上記で得られたTAB用接着剤付きテープの可撓性絶縁フィルムと接着剤層からなる積層体の20℃における弾性率を表3に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
表3の実施例および比較例から本発明により得られるTAB用接着剤付きテープは、接着性および絶縁性に優れることが分かる。
【0069】
【発明の効果】
本発明は絶縁信頼性および耐熱変形性に優れ、接着力も損なわれない新規なTAB用接着剤付きテープおよびそれを用いた半導体装置を工業的に提供するものであり、本発明のTAB用接着剤付きテープによって、高密度実装用の半導体装置の信頼性および経済性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のTAB用接着剤テープにパターン加工して得られた、半導体集積回路搭載前のパターンテープの一態様の斜視図。
【図2】本発明のTAB用接着剤テープを用いた半導体装置の一態様の断面図。
【図3】本発明のTAB用接着剤テープを用いた半導体装置(BGA)の一態様の断面図。
【図4】本発明のTAB用接着剤テープを用いた半導体装置(CSP)の一態様の断面図。
【符号の説明】
1、12、20 可撓性絶縁フィルム(ベースフィルム)
2、13、21 接着剤
3 スプロケットホール
4 デバイスホール
5、14、22 半導体集積回路接続用導体
6 インナーリード部
7 アウターリード部
8、15、23 半導体集積回路
9、16、24 封止樹脂
10、17、25 金バンプ
11 保護膜
18、26 ハンダボール
19 補強板
27 ソルダーレジスト
Claims (14)
- 少なくとも絶縁フィルムおよび接着剤層からなる積層体を有するTAB用接着剤付きテープにおいて、前記絶縁フィルム表面が予めコーティング厚み1μm未満の易接着剤でコーティング処理されていることを特徴とするTAB用接着剤付きテープ。
- 易接着剤のコーティング厚みが0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 易接着剤がポリアミド樹脂およびエポキシ樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 易接着剤に含まれるポリアミド樹脂が2〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 易接着剤に含まれるエポキシ樹脂が2〜40重量%の範囲であることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 積層体を形成する接着剤層が、熱可塑性樹脂およびエポキシ樹脂を必須成分として含有することを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 積層体を形成する接着剤層に含まれるエポキシ樹脂が下記式(I)、(II)、(III)または(IV)で示されるエポキシ樹脂を少なくとも1種類含むことを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 積層体を形成する接着剤層に含有される熱可塑性樹脂が、炭素数36のジカルボン酸を主要構成成分として含有するポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 積層体を形成する接着剤層が、フェノール樹脂を含有することを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 積層体を生成する接着剤層単体を硬化させた際の弾性率が450〜2,000MPaの範囲にあることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 絶縁フィルムの両面が易接着剤処理前後にかかわらず、放電処理されたことを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 絶縁フィルムがポリイミドであることを特徴とする請求項1記載のTAB用接着剤付きテープ。
- 請求項1〜12のいずれか記載のTAB用接着剤付きテープを用いることを特徴とする半導体接続基板。
- 請求項1〜12のいずれか記載のTAB用接着剤付きテープを用いることを特徴とする半導体装置。
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