JP3577683B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性インクを用いて記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特にインク吸収性、光沢性および用紙の保存安定性に優れたインクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用される記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。
【0004】
これらの問題を解決するために、例えば、特開昭52−53012号公報には、低サイズの原紙に表面化工用の塗料を湿潤させてなるインクジェット記録用紙が開示されている。また、特開昭55−5830号公報には、支持体表面にインク吸収性の塗層を設けたインクジェット記録用紙が、また、特開昭55−51583号公報及び特開昭56−157号公報には、被履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を使った例等が開示されている。
【0005】
しかし、一般にインク吸収性のあるインク受容層が、インクを吸収し保持するための空隙を多く有する層からのみ構成される場合には、空隙の多いインク受容層が空気との界面や塗膜表面のミクロな凹凸を多く有することになり、インク受容層への入射光が散乱されたり、透過が妨げられるために、光沢性が出にくくなったり不透明になりやすい。更に、空隙に浸透したインクに光が到達しにくくなるため画像が白っぽくなり、色再現性及び色濃度が低下する等の欠点を有しており、空隙の多いインク受容層で高い光沢性や透明性を維持しつつ、色再現性や色濃度の高い画像を得るのは困難であった。
【0006】
一方、光沢性を付与する目的及びその他の目的で、インク液滴が着弾時にインク吸収性層が溶解や膨潤によりインクを吸収するゼラチンやポリビニルアルコール等の親水性バインダーを支持体上に塗布した記録紙やフィルム等も従来から数多く知られている。
【0007】
この場合にはバインダー自身が溶解や膨潤によりインクを吸収させるために高い光沢性が得られるものの、インクの吸収性や乾燥性は上記空隙を利用する場合に比べて一般に遅く、またインク転写による汚れや色間の滲みの発生が問題となりやすかった。
【0008】
この点を改良するために従来から種々の親水性バインダーを用いることが試みられているが中でも、特開平2−1359号、同7−9757号及び同7−195826号等に記載のポリアルキレンオキサイド類を使用した場合に特に良好なインク吸収性が得られる。
【0009】
特開平2−1359号には透明な支持体上にポリアルキレンオキサイドとアミノ基不活性化ゼラチンを併用した親水性層を設けたインク記録用シートが記載されている。これによりインク吸収性、透明度の高い、そしてカール特性が改善されたインク記録用紙が得られることが記載されている。
【0010】
特開平7−9757号には、エチレンオキサイドが特定の比率からなるポリアルキレンオキサイド類とガラス転移温度が70℃以上のポリマーを併用してヘイズの少ないしかもインク吸収性が良好なインクジェット用記録用紙が記載されている。ガラス転移温度が70℃以上のポリマーとしては、例えば、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが記載されている。
【0011】
しかしながら、上記ポリアルキレンオキサイド類を使用した場合には確かに透明支持体とするインク記録用紙においては上記公報に記載されている効果が得られるものの、反射支持体を用いた場合には光沢性が低下しやすい問題があることが判明した。特にインク記録用紙を高温高湿下に保存した場合に光沢性が低下しやすいことが判明した。この光沢性低下は特にインク記録量が多い場所で起きやすく、インク量が多い箇所で光沢性が低下して画像の品質が大きく低下する問題が判明した。
【0012】
ポリアルキレンオキサイド類の使用量を低下させれば光沢性の低下は小さくなるがインク吸収性の改良幅が小さくなる。
【0013】
特開平7−195826号には、エチレンオキサイド基とプロピレンオキサイド等の2種類のポリアルキレンオキサイド基をポリマー構造中に有する特定構造のポリアルキレンオキサイド類を主成分とすることで高湿雰囲気下でも印刷画面が滲んだり表面のベトツキが生じない記録シートが得られることが記載されている。
【0014】
しかしながら、上記特定構造のポリアルキレンオキサイドを主成分とする記録シートではインク記録時にインク量が多い箇所でポリアルキレンオキサイドを主成分とする層が溶解してしまい、乾燥後に良好な光沢性が得られない問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであって、本発明の第1の目的は、高い光沢性を有し、優れたインク吸収特性を有するインクジェット記録用紙を提供することにある。本発明の第2の目的は、光沢性の保存安定性に優れたインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
【0017】
1.反射支持体上にゼラチンとポリアルキレンオキサイド類を含有する少なくとも1層の親水性バインダー層、およびポリビニルピロリドンポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選ばれる少なくとも1種の親水性バインダーとゼラチンを含有する保護層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0018】
2.前記ポリアルキレンオキサイド類がポリエチレンオキサイドまたはポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのコポリマーであることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0019】
3.前記ポリアルキレンオキサイド類の平均分子量が10万以上であることを特徴とする前記1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
【0020】
4.前記ポリアルキレンオキサイド類の含有量が、インク吸収性層と保護層の親水性バインダーの総量に対して10〜40重量%であることを特徴とする前記1、2または3に記載のインクジェット記録用紙。
【0021】
5.前記保護層を構成する親水性バインダーがポリビニルピロリドンとゼラチンから実質的に構成されることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本発明のインクジェット記録用紙で用いられるポリアルキレンオキサイド類とはポリエチレンオキサイドまたはポリプロピレンオキサイド、またはこれらの末端のヒドロキシル基をエステル化またはエーテル化したポリマー、またはポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのコポリマーからなるものから選ばれるものが好ましく用いられる。
【0024】
ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのコポリマーとしては例えば特開平7−195826号に記載されているコポリマーが好ましく用いられる。
【0025】
本発明では中でも前記ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールであることが比較的低コストで製造できる点およびより高い光沢性が達成できる点で好ましい。
【0026】
上記ポリアルキレンオキサイド類の平均分子量は好ましくは10万以上100万以下であり、特に好ましくは20万以上100万以下のものがゼラチンとの相溶性やインクジェット記録用紙を高湿下で保存した場合の光沢性の低下しにくい点で好ましい。
【0027】
上記ポリアルキレンオキサイドと併用して用いられるゼラチンは従来公知の種々のゼラチンが用いられ、これらは適宜2種類以上を併用することもできる。
【0028】
そのようなゼラチンとしてはアルカリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、上記アルカリ処理ゼラチンまたは酸処理ゼラチンのアミノ基を不活性化したアミノ基不活性化ゼラチンなどが、アミノ基不活性化ゼラチンがポリアルキレンオキサイド類との相溶性やインク吸収性、および印字後の乾燥性の観点から好ましい。
【0029】
アミノ基不活性化ゼラチンとしては、ゼラチンのアミノ基やイミノ基をイソシアネートや無水フタル酸等の酸無水物、あるいはベンゾイルクロライド等の酸ハロゲン化物で反応させて得られたゼラチンが好ましく使用される。
【0030】
上記ゼラチンとポリアルキレンオキサイド類の併用する親水性バインダー層の親水性バインダーの総量に対するポリアルキレンオキサイド類の使用量は重量比で5〜80重量%であることが好ましい。5重量%未満の場合にはインク吸収性の改良効果が小さく、また、80重量%を越える場合にはインク記録時の滲みが劣化したり印字後のカールが悪化しやすい。より好ましくは10重量%〜60重量%である。
【0031】
また上記親水性バインダー層中の該親水性バインダーの総量に対するゼラチンの重量比は20〜95重量%が好ましく、より好ましくは40〜80重量%である。
【0032】
また、ゼラチンとポリアルキレンオキサイド類を併用する層にはこれ以外の親水性バインダーを併用することができるが、そのような親水性バインダーの例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができるが、好ましいポリマーは、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびその誘導体であるが、特に好ましくはポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体である。
【0033】
上記ゼラチンおよびポリアルキレンオキサイド以外の親水性ポリマーの使用量は該親水性バインダー層中の親水性バインダーの総量の50重量%以下が好ましく、より好ましくは30重量%以下である。
【0034】
さらに、本発明のインクジェット記録用紙においては前記ポリアルキレンオキサイド類の総含有量は、インク吸収性層と保護層の親水性バインダー(含む、ゼラチン)の総量に対して10〜40重量%であることが好ましい。10重量%未満である場合には、インク吸収性の改良効果が小さく、また、40重量%を越える場合には印字後のカールが起きやすくなったり印字後の光沢性が低下しやすい。
【0035】
ポリアルキレンオキサイドおよびゼラチンを含有する層は2層以上あってもよい。
【0036】
本発明のインクジェット記録用紙においては支持体からもっとも離れた親水性バインダー層(以下、この層を保護層という)がポリビニルピロリドンポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選ばれる少なくとも1種の親水性バインダーとゼラチンを含有することが必要であるが、インク吸収性の観点から該保護層はゼラチンとポリビニルピロリドンを含有していることが好ましい。
【0037】
保護層に用いられるゼラチンは前記したゼラチンと同様のものを使用することができるが、アミノ基不活性化ゼラチンを少なくとも含有していることが好ましい。
【0038】
また、保護層のポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選ばれる少なくとも1種のポリマーの保護層の親水性バインダーに対する比率は重量比で10〜80重量%が好ましく、より好ましくは20〜70重量%である。
【0039】
また、ポリビニルアルコールの平均重合度は300〜1000程度のものが、また、ポリビニルピロリドンは平均分子量が4万以上50万以下のものが好ましい。
【0040】
保護層は、ポリビニルピロリドンポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選ばれる少なくとも1種の親水性バインダーとゼラチンを含有することが必要であるが、上記バインダー以外にも他の親水性バインダーを含有することもできる。該親水性バインダーとしては、ポリアルキレンオキサイド、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができるが、好ましくは保護層はポリビニルピロリドンとゼラチンから実質的に構成されることが好ましい。ここでいう実質的にということは、上記バインダーの他の親水性バインダーの保護層中における比率が5重量%以下であることを示す。
【0041】
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる反射支持体としては、印字画像を反射画像として見るものであれば如何なる支持体も使用することができるが、好ましくは、両面をポリエチレンで被覆した紙支持体、合成紙、不透明ポリステル支持体、あるいは透明ポリエステル支持体に二酸化チタン等の白色顔料を含有する層を反射層として塗設した支持体等が用いられるが、両面をポリエチレンで被覆した紙支持体が特に好ましく用いられる。
【0042】
上記両面をポリエチレンで被覆した紙支持体の膜厚は100〜300μmが好ましく、より好ましくは130〜250μmの支持体が用いられる。
【0043】
保護層は表面光沢性を維持すること、適度の滑り性やくっつき防止機能を与えること等が主な目的であり本発明のインクジェット記録用紙においてはその特性や構成は特に重要である。
【0044】
そのため、光沢性を劣化させる無機顔料、有機微粒子、油滴、あるいは吸湿性の高い素材を多量に添加することは好ましくない。保護層に添加される無機顔料または有機微粒子は保護層を構成する親水性バインダーに対して10重量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以下である。また、保護層に添加される乳化分散物等の油滴は親水性バインダーに対して50重量%以下が好ましく、より好ましくは20重量%以下である。
【0045】
上記顔料としては公知の白色顔料を1種以上用いることができ、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サテンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等が、また有機微粒子としてはスチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0046】
本発明のインクジェット記録用紙の保護層以外の層にも本発明に悪影響を及ぼさない範囲で、上記無機顔料、有機微粒子を添加することができる。
【0047】
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク記録面側の塗布固形分の量は特に制限はないが、3〜50g/mが好ましく、5〜30g/mがより好ましい。なお、記録画像形成後のカールの防止という面からは、なるべく薄く形成するのが良い。
【0048】
本発明のインク記録面側の任意の構成層中には、画像の耐水化剤として特開昭56−84992号公報のポリカチオン高分子電解質、特開昭57−36692号公報の塩基性ラテックスポリマー、特公平4−15744号公報、特開昭61−58788号公報、同62−174184号公報等記載のポリアリルアミン、特開昭61−47290号公報記載のアルカリ金属弱酸塩等を一種以上用いることができる。
【0049】
上記耐水化剤の含有量はインク受容層の全固形分に対し、好ましくは1〜40重量%が好ましく、特に好ましくは3〜20重量%である。
【0050】
更に本発明のインク受容層には、必要に応じて更に、UV吸収剤、酸化防止剤、分散剤、蛍光染料、pH調整剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤、増粘剤、架橋剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0051】
本発明のインクジェット記録用紙を製造する際には各親水性バインダー層を形成する塗布液を同時重層塗布することが好ましく、好ましくはカーテン塗布方法あるいは米国特許第2681294号公報記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。
【0052】
この際、各塗布液は重畳させられた後冷却セットし、ついで乾燥時にはセットした塗布液が再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加熱して完全に乾燥させられる。
【0053】
セット温度は各塗布液のセット温度により概ね決定されるが、0℃前後の冷風を吹き付けることにより一般には行われる。
【0054】
本発明でインクジェット記録用紙の支持体としては、従来インクジェット用記録用紙として公知のものを適宜使用できる。
【0055】
本発明のインクジェット記録用紙は特にインク液がジエチレングリコール、グリセリン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレングリコール、あるいはトリエチレングリコールモノブチルエーテルなどの親水性高沸点有機溶媒を含有する場合に特にインク吸収性の改良効果が大きい。そのような親水性高沸点溶媒のインク液中の含有量は一般に10〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。
【0056】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m当たりの量を示す。
【0057】
実施例1
以下の層構成からなる2層構成の親水性バインダー層を両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚み150μm:裏面にカール防止のためにゼラチン2.5gを塗設した支持体)上に同時塗布し、インクジェット記録用紙−1〜10を作成した。
【0058】
Figure 0003577683
【0059】
【化1】
Figure 0003577683
【0060】
【表1】
Figure 0003577683
【0061】
得られた各々のインクジェット記録用紙について、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターMJ−5000Cを用い、評価パターンを印字し以下の項目で評価を行い、表2に示す結果を得た。
【0062】
(1)インク吸収性
イエロー、マゼンダ、シアンの3色を記録した記録用紙を、室温下(20℃、50%R.H.)に20秒間放置した後、記録画像面に各々のインクジェット記録用紙の未記録面を重ね合わせ、10cm当たり5gの荷重をかけ30秒間保持した時に、インクが反対側の記録面に付着しなくなるか否かで判断した。全く付着しない場合を○、明らかに付着する場合を×、痕跡状態で付着する場合を△として判定した。
【0063】
(2)重色滲み
マゼンダインク単色を背景とする箇所に、シアンインクの線(幅約1mm)を描いた画像面での境界域での滲みを判断した。境界域での滲みが生じている割合が約10%以下を○、約30%以下を△、それ以上滲みが起きている場合を×とした。
【0064】
(3)光沢性
黒色でベタ印字後、72時間23℃、相対湿度20%で保存して完全に乾燥させた後、印字部の光沢性を日本電色工業株式会社製変角光沢度計(VGS−1001DP)にて測定した。
【0065】
【表2】
Figure 0003577683
【0066】
表2の結果から、PEG−30またはPEPP−15を第1層にのみ添加し、保護層(第2層)にゼラチンとPVA−500またはPVP−20を使用した本発明の記録用紙(3、4、6、8、9、10)はいずれも高い光沢性を維持しつつ重色滲みが良好であり、特に保護層に親水性バインダーとしてPVP−20とゼラチンのみを使用した4、6、8、9が高いインク吸収性とより高い光沢性を持っていることがわかる。
【0067】
これに対して、第1層と第2層の両層にPEG−30またはPEPP−15を添加した試料(2、7)は重色滲みは改善されるもののインク吸収性は逆に劣化し、また、光沢性も悪い。
【0068】
さらに、保護層にのみPEG−30を添加した場合にも光沢性とインク吸収性が悪いことがわかる。
【0069】
実施例2
実施例1で作成した記録用紙2〜10をそれぞれ40℃、相対湿度80%で5日間保存したあとで印字前の光沢性を実施例1と同様にして測定した(光沢B)。また、実施例1で黒字部ベタ印字部を40℃、相対湿度80%で5日間保存し、同様にして光沢性を測定した(光沢C)。結果を表3に示す。尚、光沢性の評価方法は実施例1と同様に行った。
【0070】
【表3】
Figure 0003577683
【0071】
表3の結果から、本発明のインクジェット記録用紙は印字前の高湿下の保存、および印字後の保存においても良好な光沢性を維持していることがわかる。
【0072】
実施例3
実施例1で作成した記録用紙−4において、第1層に使用したポリエチレンオキサイドの分子量を10万、5万のものに変えた記録用紙、11及び12を記録用紙−4と同様にして作成した。
【0073】
得られた記録用紙を実施例1と同様にして黒字ベタ部の光沢性を測定した。その結果、分子量10万の試料(11)では74%、分子量が5万の試料(12)では70%であった。このことから、ポリエチレンオキサイドとしては分子量が10万以上のものが特に光沢性が良好であることがわかる。
【0074】
また、試料−11,12のインク吸収性および重色滲みは試料−4とほぼ同等であった。
【0075】
実施例4
実施例1で作成した記録用紙−4において、第1層と第2層の親水性バインダーを表4の様に変更した記録用紙−13〜19を作成した。
【0076】
表4中、Rは第1層と第2層の親水性バインダーの総量に対するPEG−30の比率(重量%)を表す。
【0077】
【表4】
Figure 0003577683
【0078】
実施例1と同様の評価方法、評価基準にて、各記録用紙のインク吸収性、重色滲み、および光沢性を評価した。
【0079】
結果を表5に示す。
【0080】
【表5】
Figure 0003577683
【0081】
表5の結果から、PEG−30が親水性バインダーの総量の10重量%未満の記録用紙(16、17、18)は重色滲みの改良効果が比較的小さい。
【0082】
一方40重量%を越える記録用紙−15はインク吸収性と光沢性が若干低下してくることがわかる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によるインクジェット記録用紙は、高い光沢性を有し、インク吸収特性に優れ、又光沢性の保存安定性にも優れた効果を有する。

Claims (5)

  1. 反射支持体上にゼラチンとポリアルキレンオキサイド類を含有する少なくとも1層の親水性バインダー層、およびポリビニルピロリドンポリビニルアルコール及びポリビニルアルコール誘導体から選ばれる少なくとも1種の親水性バインダーとゼラチンを含有する保護層を有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 前記ポリアルキレンオキサイド類がポリエチレンオキサイドまたはポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのコポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 前記ポリアルキレンオキサイド類の平均分子量が10万以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 前記ポリアルキレンオキサイド類の含有量が、インク吸収性層と保護層の親水性バインダーの総量に対して10〜40重量%であることを特徴とする請求項1、2または3に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 前記保護層を構成する親水性バインダーがポリビニルピロリドンとゼラチンから実質的に構成されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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