JP3575936B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、液晶表示装置(LCD)、蛍光表示装置、混成集積回路等の製造過程において基板上に無機成分を含有するパターンを形成する方法に係り、特にPDPの障壁の形成方法に好適なパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパターン形成方法としては、ガラスやセラミックス基板上に導体或いは絶縁体用のペーストをスクリーン印刷法によりパターン状に塗布した後、焼成工程を経て基板に密着したパターンを形成する方法が知られている。この方法では例えば線幅100μm、高さ100μmの細線を形成するには重ね刷りを複数回繰り返す必要がある。また、別の方法としては、基板上の前面にパターン形成層を形成した後、そのパターン形成層上に感光性レジストでサンドブラスト用マスクを形成し、次いで研磨材を噴射してパターン形成層のパターニングを行う所謂サンドブラスト法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、スクリーン印刷法では、前記したように1回の印刷で形成できる膜厚が小さいために所望の膜厚を得るために重ね刷りを行う必要があり生産性が悪いという欠点がある。また、スクリーン版の伸び等の理由により、重ね刷りするごとに印刷位置が微妙にずれ、このためパターンの形状が悪くなるという問題点や、さらにはペーストには流動性があるため、すそが広がってしまい、高アスペクト比のパターンが形成できないという問題点もある。また、サンドブラスト法では加工速度に問題があり、例えば一辺が50cm以上の大型の基板になると1枚当たりの加工時間は数十分間を必要とする。パターン形成層の研削速度を上げるには研磨材の衝撃力を上げればよいが、そうすると感光性レジストへのダメージが大きくなって、パターンに欠陥を生じることになる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、精度の高いパターンを高い生産性で形成することのできるパターン形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1のパターン形成方法は、ベースフィルム上に少なくともポジティブ型感光性樹脂と可塑剤とからなるポジティブ型の感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をパターン露光して現像することによりパターンの雌型を形成した後、該雌型を基板に転写してから該基板上で前記雌型にパターン形成材料を充填し、次いで全面露光して現像することで前記雌型を除去した後、焼成により前記パターン形成材料を焼結することを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る第2のパターン形成方法は、ベースフィルム上に少なくともポジティブ型感光性樹脂と可塑剤とからなるポジティブ型の感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をパターン露光して現像することによりパターンの雌型を形成した後、パターン形成材料を前記雌型に充填してから基板に該雌型と前記パターン形成材料を同時に転写し、次いで全面露光して現像することで前記雌型を除去した後、焼成により前記パターン形成材料を焼結することを特徴とする。そして、パターン形成材料にネガ型の感光性樹脂ペーストを使用するのが好ましいものである。
【0007】
上述した第1及び第2のパターン形成方法においては、雌型がポジティブ型の感光性樹脂で形成されるため、パターン形成材料を充填した後、全面露光して現像することにより雌型が除去されることから、パターン形成材料の焼成時に焼成炉に与える負担が大幅に軽減される。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1のパターン形成方法の具体的な手順は図1に示すようであり、それについて以下に説明する。
【0009】
まず、図1(a)に示すように、ベースフィルム11の上にポジティブ型の感光性樹脂を塗布して乾燥させることで感光性樹脂層12を形成する。次に、図1(b)に示すようにマスクMを介して感光性樹脂層12をパターン露光し、続けて現像することにより図1(c)に示す如くパターンの雌型13を形成する。次いで、図1(d)に示すように、ベースフィルム11上に雌型13を設けてなるシートを、その雌型13が基板10側となる向きで基板10にラミネートしてからベースフィルム11を剥がすことにより雌型13を基板10に転写する。転写は、50〜120℃程度の温度にした熱圧着ロールに、50〜100℃程度にプレヒートした被転写基板10と転写パターンを形成したベースフィルム11を通すことにより行う。その後、被転写基板10の温度が常温まで下がったらベースフィルム11の剥離を行う。続いて、図1(e)に示すように、基板10上で雌型13にパターン形成材料14を充填してから紫外線で全面露光した後、図1(f)に示すように現像液により雌型13を剥離する。そして、焼成を行ってパターン形成材料14を焼結することで基板10上にパターン形成材料からなるパターンを形成する。
【0010】
第2のパターン形成方法の具体的な手順は図2に示すようであり、それについて以下に説明する。
【0011】
まず、図2(a)に示すように、ベースフィルム11の上にポジティブ型の感光性樹脂を塗布して乾燥させることで感光性樹脂層12を形成する。次に、図2(b)に示すようにマスクMを介して感光性樹脂層12をパターン露光し、続けて現像することにより図2(c)に示す如くパターンの雌型13を形成する。次いで、図2(d)に示すように、雌型13にパターン形成材料14を充填した後、雌型13側が基板10と接するようにラミネートしてからベースフィルム11を剥がすことにより、図2(e)に示すように基板10に雌型13とパターン形成材料14を同時に転写する。そして、図2(f)に示すように全面露光した後、図2(g)に示すように現像液により雌型13を剥離する。そして、焼成を行ってパターン形成材料14を焼結することで基板10上にパターン形成材料からなるパターンを形成する。
【0012】
ベースフィルムとしては、PETフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリテトラクルオロエチレンフィルム等が使用できるが、中でもコストの点でPETフィルムが好適である。
【0013】
ポジティブ型の感光性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルイソプロペニルケトン等のポリメタクリル樹脂、ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタール)などの分解重合で生ずる樹脂を使用することができる。これらの感光性樹脂にフタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)等のフタル酸系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソブチルアジペート等の脂肪酸エステル系可塑剤、トリアセチン等のグリセリンエステル可塑剤を加えた系が使用可能である。
【0014】
基板としては、用途に応じてガラス板、セラミック板、シリコン板等を使用することになる。
【0015】
雌型の転写性を向上させるために、必要に応じてベースフィルムの表面に剥離層が設けられていてもよく、またベースフィルム中、また雌型を形成する感光性樹脂中に剥離剤を混練していてもよい。
【0016】
剥離剤は、例えばポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー、シリコーンワックス、カルバナワックス、アクリルワックス、パラフィンワックス等のワックス類、フッ素系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン樹脂、電離放射線硬化型の多官能アクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アミノ変性、エポキシ変性、OH変性、COOH変性、触媒硬化型、光硬化型、熱硬化型のシリコーンオイル、またはシリコーン樹脂が例示される。剥離層を形成する場合には膜厚10〜3000μmのものとされる。
【0017】
パターン形成材料は、その用途が抵抗体層、障壁層の場合には、少なくともガラスフリットを有する無機成分と焼成により除去される樹脂成分とからなる。
【0018】
ガラスフリットとしては、その軟化点が350℃〜650℃で、熱膨張係数α300 が60×10−7/℃〜100×10−7/℃のものが挙げられる。ガラスフリットの軟化点が650℃を越えると焼成温度を高くする必要があり、その積層対象によっては熱変形したりするので好ましくなく、また、350℃より低いと樹脂等が分解、揮発する前にガラスフリットが融着し、層中に空隙等の発生が生じるので好ましくない。また、熱膨張係数α300 が60×10−7/℃〜100×10−7/℃の範囲外であると、ガラス基板の熱膨張係数との差が大きく、歪み等を生じるので好ましくない。
【0019】
また、無機成分として、ガラスフリットの他に無機粉体、無機顔料をそれぞれ2種以上混合してもよい。
【0020】
無機粉体は骨材であって、必要に応じて添加される。無機粉体は、焼成に際しての流延防止、緻密性向上を目的とするものであり、ガラスフリットより軟化点が高い。例えば、酸化アルミニウム、酸化硼素、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、炭酸カルシウム等の各無機粉体が利用でき、平均粒径0.1〜20μmのものが例示される。無機粉体の使用割合は、ガラスフリットの100重量部に対して0〜30重量部にするとよい。
【0021】
無機顔料は、外光反射を低減して実用上のコントラストを向上させるために必要に応じて添加されるものである。暗色にする場合には、耐火性の黒色顔料として、Co−Cr−Fe、Co−Mn−Fe、Co−Fe−Mn−Al、Co−Ni−Cr−Fe、Co−Ni−Mn−Cr−Fe、Co−Ni−Al−Cr−Fe、Co−Mn−Al−Cr−Fe−Si等が挙げられる。また、耐火性の白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【0022】
焼成により除去される樹脂成分は熱可塑性樹脂であり、無機成分のバインダーとして、また転写性の向上を目的として含有させる。この熱可塑性樹脂としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ペンチルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルアクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシルアクリレート、n−デシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン等の1種以上からなるポリマー又はコポリマー、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリブテン誘導体等が挙げられる。
【0023】
特に、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキプロピルアクリレート、ヒドロキプロピルメタクリレート等の1種以上からなるポリマー又はコポリマー、エチルセルロース、ポリブテン誘導体が好ましい。
【0024】
無機成分と樹脂成分との使用割合は、無機成分100重量部に対して樹脂成分3〜50重量部、好ましくは5〜30重量部である。樹脂成分が3重量部より少ないと、パターン形状保持性が悪く、PDP等の作製に支障となるという問題が発生する。また、50重量部より多くなると、焼成後の膜中にカーボンが残り、品質が低下するので好ましくない。
【0025】
また、必要に応じて可塑剤、増粘剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤等が添加される。
【0026】
可塑剤は、転写性、インキの流動性を向上させることを目的として添加され、例えばジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ビス−2−エチルヘキシルフタレート等のノルマルアルキルフタレート類、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート、トリ−n−アルキルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼテート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルマレート、アセチル−トリ−(2−エチルヘキシル)シトレート、アセチル−トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート等の脂肪族二塩基酸エステル類、ポリエチレングリコールベンゾエート、トリエチレングリコール−ジ−(2−エチルヘキソエート)、ポリグリコールエーテル等のグリコール誘導体、グリセロールトリアセテート、グリセロールジアセチルモノラウレート等のグリセリン誘導体、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸などからなるポリエステル類、分子量300〜3,000の低分子量ポリエーテル、同低分子量ポリ−α−スチレン、同低分子量ポリスチレン、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート等の正リン酸エステル類、メチルアセチルリシノレート等のリシノール酸エステル類、ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート、エポキシ化大豆油等のポリエステル、エポキシ化エステル類、グリセリントリアセテート、2−エチルヘキシルアセテート等の酢酸エステル類が例示される。
【0027】
増粘剤は、インキにおける粘度を増大させることを目的として必要に応じて添加されるものであり、公知のものを使用できるが、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、カゼイン、カゼイン酸ソーダ、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリエーテルワレン変性物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、モンモタロナイト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸アルミニウム、水添加ひまし油、ひまし油エステル、脂肪酸アマイド、酸化ポリエチレン、デキストリン脂肪酸エステル、ジベンジリデンソルビトール、植物油系重合油、表面処理炭酸カルシウム、有機ベントナイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ等の微粉末等が挙げられる。
【0028】
分散剤、沈降防止剤は、それぞれ無機成分の分散性、沈降防止性の向上を目的とするものであり、例えば燐酸エステル系、シリコーン系、ひまし油エステル系、各種界面活性剤等が例示され、消泡剤としては、例えばシリコーン系、アクリル系、各種界面活性剤等が例示され、剥離剤としては、例えばシリコーン系、フッ素油系、パラフィン系、脂肪酸系、脂肪酸エステル系、ひまし油系、ワックス系、コンパウンドタイプが例示され、レベリング剤としては、例えばフッ素系、シリコーン系、各種界面活性剤等が例示され、それぞれ適量添加される。
【0029】
上記のパターン形成材料は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等のアノン類、塩化メチレン、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、α−若しくはβ−テルピネオール等のテルペン類に溶解又は分散させてインキとされる。なお、このような溶剤を使用しないノンソルタイプのインキでもよい。
【0030】
また、パターン形成材料が電極形成用である場合には、電極形成用ペーストは、少なくともガラスフリットからなる無機成分、焼成により除去される樹脂成分、導電性粉末とから構成される。
【0031】
無機成分としては、前述した障壁層等のパターン形成材料の項で記載したガラスフリット、無機粉体、無機顔料が使用できる。無機粉体はガラスフリットの100重量部に対して0〜10重量部にするとよい。
【0032】
また、焼成により除去される樹脂成分としては、前述した障壁層等のパターン形成材料の項で記載した熱可塑性樹脂を使用することができ、この樹脂成分の電極形成用ペースト中の含有量は、3〜60重量%、好ましくは5〜30重量%である。
【0033】
また、導電性粉末としては、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末が挙げられ、平均粒径が0.1〜5μmの球形金属粉末が好ましい。導電性粉末とガラスフリットとの使用割合は、導電性粉末の100重量部に対してガラスフリットは2〜20重量部である。
【0034】
また、電極形成用ペーストには、必要に応じて可塑剤、分散剤、沈降防止剤、消泡剤、剥離剤、レベリング剤を添加してもよく、いずれも前述した障壁等のパターン形成材料の項で記載したものが使用できる。電極形成用ペーストとするには、上記の構成材料を、必要に応じて前述した障壁等のパターン形成材料の項で記載したものと同様に溶剤と混合され、ロールミル、ビーズミル等により混練してペースト状の塗液とするか、またはボールミル等により混練してスラリー状の塗液とされる。基板上に転写された雌型或いはベースフィルム上の雌型に上述のインキを充填する方法としては、ドクター方式が挙げられ、また減圧して充填してもよい。
【0035】
なお、第2のパターン形成方法において、パターン形成材料にネガ型の感光性樹脂ペーストを使用すれば、全面露光時にパターン形成材料が硬化して固まるので、続く現像時においてパターンに欠け等が生じるのが防止される。
【0036】
上記ネガ型の感光性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリケイ皮酸ビニルや環化ポリイソプレン、環化シス1,4−ポリブタジエンなどの環化ゴム系樹脂、ポリビニル−p−アシドベンザル、アシドアクリレートポリマー等のポリマー側鎖にジアゾ基やアジド基を導入した樹脂が挙げられ、バインダー樹脂としてポリメチルメタクリレートやポリメチルアクリレートのようなメタクリル系やアクリル系樹脂を使い、それにモノマーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートを加えた系等が使用可能である。
【0037】
【実施例】
以下、パターンとしてPDPの障壁を形成する場合を実施例に挙げて説明する。
【0038】
(実施例1)
厚さ50μmのPTEフィルム上に下記組成Aのポジティブ型感光性樹脂ペーストを塗布して乾燥させることで感光性樹脂層を形成し、マスクを介してのパターン露光、続いて現像を行って障壁パターンの雌型を作成した。
【0039】
<組成A>
O−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタール 90重量部
フタル酸ジブチル 10重量部
【0040】
次に、PETフィルムをその雌型側がガラス基板に接するようにしてガラス基板にラミネートし、PETフィルムを剥がして雌型をガラス基板に転写した。具体的には、ガラス基板を80℃に加熱しておき、温度100℃のロールにて50mm/sのスピードで熱圧着した。そして、ガラス基板に転写された雌型に下記組成Bの障壁材料ペーストをドクターブレードを使用して充填した。
【0041】
【0042】
上記のように雌型に障壁材料ペーストを充填してから、紫外線により全面露光し、メタノール/2−エトキシエタノール(1:1)の混合溶媒で現像して雌型を取り去った。そして、580℃の温度で焼成することにより障壁材料ペーストを焼結させた。これによりガラス基板上に障壁が形成された。なお、n−ブチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体とフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジメチルを混合すると、これらのフタル酸エステルが可塑剤として作用するだけでなく、消泡効果も有するため、好ましかった。
【0043】
(実施例2)
実施例1と同様に、厚さ50μmのPETフィルム上に前記組成Aのポジティブ型感光性樹脂ペーストを用いて雌型を形成した。そして、ドクターブレードにて前記組成Bの障壁材料ペーストを雌型に充填した。120℃で5分間乾燥させた後、PETフィルムをガラス基板に熱圧着し、雌型と障壁材料ペーストを同時にガラス基板に転写した。具体的には、ガラス基板を80℃に加熱しておき、温度100℃のロールにて50mm/sのスピードで熱圧着した。そして、紫外線により全面露光し、メタノール/2−エトキシエタノール(1:1)の混合溶媒で現像して雌型を取り去った。そして、580℃の温度で焼成することにより障壁材料ペーストを焼結させた。これによりガラス基板上に障壁が形成された。
【0044】
(実施例3)
実施例1と同様に、厚さ50μmのPETフィルム上に前記組成Aのポジティブ型感光性樹脂ペーストを用いて障壁パターンの雌型を形成した。そして、ドクターブレードを使用て下記組成Cの障壁材料ペーストを雌型に充填した。120℃で5分間乾燥させた後、PETフィルムをガラス基板に熱圧着し、雌型と障壁材料ペーストを同時にガラス基板に転写した。具体的には、ガラス基板を80℃に加熱しておき、温度100℃のロールにて50mm/sのスピードで熱圧着した。
【0045】
【0046】
次いで、紫外線により全面露光し、メタノール/2−エトキシエタノール(1:1)の混合溶媒で現像して雌型を取り去った。この時、障壁材料ペーストは光硬化しているので、現像によるパターンの欠け等の欠陥の発生が少なくなった。そして、580℃の温度で焼成することにより障壁材料ペーストを焼結させた。これによりガラス基板上に障壁が形成された。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパターン形成方法によれば、ベースフィルム上に形成した雌型を基板に転写し、基板上で雌型にパターン形成材料を充填するか、或いは、ベースフィルム上に形成した雌型とその雌型に充填したパターン形成材料を同時に基板に転写する工程を採るので、スクリーン印刷法やサンドブラスト法などの従来の方法に比べて工程数が少なく生産性が高い。また、予め形成された雌型の品質チェックをしたフィルムのみ使うことができるので、良品率を向上させることができる。
【0048】
また、ベースフィルム上の雌型とそれに充填したパターン形成材料とを同時に基板に転写した後、全面露光、現像により雌型を除去する方法を採用することにより、雌型を残したまま焼成するのに比べ、焼成炉に与える負担を大幅に軽減することができる。そして、この方法においてパターン形成材料にネガ型の感光性ペーストを使用することにより、ポジティブ型の雌型を現像除去するための全面露光によりネガティブ型の感光性パターン形成材料が硬化して固まることから、現像時における雌型の欠落による良品率の低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1のパターン形成方法の手順を示す工程図である。
【図2】本発明に係る第2のパターン形成方法の手順を示す工程図である。
【符号の説明】
10 基板
11 ベースフィルム
12 感光性樹脂層
13 雌型
14 パターン形成材料
Claims (3)
- ベースフィルム上に少なくともポジティブ型感光性樹脂と可塑剤とからなるポジティブ型の感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をパターン露光して現像することによりパターンの雌型を形成した後、該雌型を基板に転写してから該基板上で前記雌型にパターン形成材料を充填し、次いで全面露光して現像することで前記雌型を除去した後、焼成により前記パターン形成材料を焼結することを特徴とするパターン形成方法。
- ベースフィルム上に少なくともポジティブ型感光性樹脂と可塑剤とからなるポジティブ型の感光性樹脂層を形成し、該感光性樹脂層をパターン露光して現像することによりパターンの雌型を形成した後、パターン形成材料を前記雌型に充填してから基板に該雌型と前記パターン形成材料を同時に転写し、次いで全面露光して現像することで前記雌型を除去した後、焼成により前記パターン形成材料を焼結することを特徴とするパターン形成方法。
- パターン形成材料にネガ型の感光性樹脂ペーストを使用する請求項2に記載のパターン形成方法。
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