JP3575136B2 - 表面にスルホン酸基を有する無機物質とその製法及び用途 - Google Patents

表面にスルホン酸基を有する無機物質とその製法及び用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルホン酸基を有する被覆材で被覆した表面被覆無機物質とその製造方法および用途に関する。本発明の表面被覆無機物質はスルホン酸基を含有する表面被覆によって高い親水性と塩基性化合物および金属イオンの捕獲能が付与される。
【0002】
【従来の技術】
無機物質の表面に酸性官能基を導入する方法として、シリカゲルをエポキシ基含有アルコキシシラン化合物で表面処理し、次いでエポキシ基をアミノ基を有する金属カルボン酸塩やカルボン酸エステル化合物と開環反応させた後、このカルボン酸塩やエステル部分をカルボン酸基に変換させてカルボン酸基を導入する方法が知られており、これにより光学異性体の分割用カラムが作製されている。
【0003】
また、分子の末端に各種官能基を有するアルコキシシラン化合物はシランカップリング剤と呼ばれ、ガラス繊維や充填材といった無機物質の表面処理に用いて、樹脂との密着性を向上させることができることは周知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のエポキシ基の開環反応を利用したカルボン酸基の導入は、湿式処理により実施されるため、無機物質が微粉末であると凝集を生じ、処理後の微粉末の分散性が低下し、使用し難くなる。
【0005】
また、酸性官能基がカルボン酸基では、酸性が弱いため、用途によっては酸性官能基の導入による目的が十分に達成されない。その意味では、カルボン酸より酸性がはるかに高いスルホン酸を無機物質の表面に導入することが望ましいが、これまでスルホン酸を無機物質の表面に導入する効果的な方法は見出されていなかった。
【0006】
本発明の目的は、各種の無機物質の表面にスルホン酸基を導入するための手段を確立して、スルホン酸基を有する被覆が表面に形成された無機物質を得る製造方法とその方法で得られた表面被覆無機物質を提供することである。
本発明の別の目的は、このスルホン酸基を有する表面被覆無機物質を用いた各種の有用材料を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
無機物質の表面にスルホン酸基を導入する手段として、官能基としてスルホン酸基を有するシランカップリング剤型の有機ケイ素化合物(アルコキシシラン化合物)で無機物質を表面処理することが考えられる。しかし、このようなスルホン酸基を有する化合物は、それ自体の酸性が強いため、シランカップリング剤の分解・縮合を生じ、安定には存在できないため、スルホン酸基を有するシランカップリング剤が実際に合成・単離されたことはない。
【0008】
本発明者らは、官能基としてスルホン酸エステル基を有するシラン化合物で無機物質の表面を被覆し、次いで被覆を加水分解または熱分解反応条件下で好ましくは乾式法により処理すると、被覆を保持したまま、被覆中のスルホン酸エステル基がスルホン酸基に変化し、無機物質の表面にスルホン酸基を導入することができることを見出し、これを特願平7−135355として先に出願した。本発明は、新規に開発したスルホン酸エステル基を有するシラン化合物を用い、これを加水分解または熱分解してスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解した構造部分を有する被覆を形成する点で上記先願と異なる。
【0009】
このようにしてスルホン酸基を表面に導入した無機物質は、先願と同様、表面被覆が無機物質に強固に結合され、表面に酸基を有している固体として、塩基をこの固体に固定して除去するための塩基捕捉剤として有用であり、従ってアンモニアやアミンに起因する臭いを除去するための消臭剤としても使用できる。その上、無機物質の表面に導入されたスルホン酸基は金属イオンの捕獲能が高く、この表面被覆無機物質はカチオン交換体としても有用である。また、表面被覆を施す無機物質が粉末であると、粉末表面のスルホン酸基の親水性により、粉末の水中または水性樹脂液中での分散性が高まる。
【0010】
本発明は上記知見に基づくものであり、本発明によれば以下の表面被覆無機物質の製造方法が提供される。
【0011】
(1)無機物質の表面に、下記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物の被覆を形成し、次いで加水分解または熱分解により被覆中のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することによって、スルホン酸基を有する被覆を形成することを特徴とする表面被覆無機物質の製造方法。
【化学式】
Figure 0003575136
【0012】
(2)上記(1)の製造方法において、無機物質が平均粒径1μm未満の金属酸化物粉末であり、加水分解または熱分解を乾式で行う表面被覆無機物質の製造方法。
(3)上記(1)または(2)の製造方法において、加水分解または熱分解により生成したスルホン酸基をさらにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩に変化する工程を包含する表面被覆無機物質の製造方法。
【0013】
また、本発明によれば、上記製造方法によって得られる以下の表面被覆無機物質が提供される。
【0014】
(4)無機物質の表面に、上記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物の被覆を形成し、次いで加水分解または熱分解により被覆中のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することによって形成された、スルホン酸基を含む下記一般式(II)で示される構造部分を含む被覆を有することを特徴とする表面被覆無機物質。
【化学式】
Figure 0003575136
【0015】
さらに、本発明によれば、上記表面被覆無機物質について以下の用途が提供される。
(5)上記(4)に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなる塩基捕捉剤。
(6)上記(4)に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなる消臭剤。
(7)上記(4)に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなるカチオン交換体。
(8)上記(4)に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)であって、水または水性樹脂液中の分散性に優れた表面被覆無機粉末。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、無機物質の表面に上記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物を被覆し、次いで加水分解または熱分解によりスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することにより、上記一般式(II)で示される構造部分を持つ被覆を無機物質の表面に形成する。
【0017】
本発明により表面被覆が施される無機物質は特に制限されないが、好ましくは水不溶性のものである。具体例としては、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウムなどの金属酸化物、これらの2種以上からなる複合酸化物 (ガラスを含む) 、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、硫化亜鉛などの硫化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の水不溶性の塩などが挙げられる。好ましい粉末は金属酸化物であり、中でもシリカ、酸化チタン、およびアルミナが特に好ましい。
【0018】
無機物質の形態も粉末、繊維状、粉末焼結体など任意の形態でよいが、表面積の大きい粉末状のものが好ましい。無機粉末としては、平均粒径が1μm未満(例、0.01〜1μm)の超微粒子状のものも使用でき、これは比表面積が大きく多量のスルホン酸基を導入できることから好ましい材料である。
【0019】
本発明において、無機物質の表面被覆に用いる化合物は、末端にスルホン酸エステル基を有する上記一般式(I)で示されるシラン化合物である。この化合物は新規化合物であり、この末端基を除けばシランカップリング剤として従来から利用されてきたハロゲン化シランまたはアルコキシシラン化合物と類似の構造を有しているが、末端のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することによって、無機物質表面にスルホン酸基を容易に導入することができる点で従来のシランカップリング剤とは異なる。
【0020】
一般式(I)の化合物は、例えば、次式Aに示すように、出発物質のアリルスルホニルクロライドをエステル化し、得られたアリルスルホン酸エステルをトリクロロシランまたはアルキルクロロシランと反応させる方法によって末端にスルホン酸エステル基を有する上記一般式(I)で示されるシラン化合物を合成することができる。さらに、このクロロシリル基をアルコキシ化する方法によって末端にスルホン酸エステル基を有する上記一般式(I)で示されるアルコキシシラン化合物を合成することができる。
【0021】
またこのとき、アルコキシ化に用いるアルコールが上記一般式(I)のR2基と同じアルキル基である場合には、次式Bに示すように、アリルスルホニルクロライドとトリクロロシランまたはアルキルトリクロロシランとを直接反応させ、次いでクロロシリル基のアルコキシ化と同時に末端のスルホニルクロライド基をエステル化する方法によって合成することができる。以上の化合物のハロゲンは塩素ではなく臭素であってもよい。
【0022】
式A
CH2=CHCH2SO2Cl + ROH → CH2=CHCH2SO3R + HCl
CH2=CHCH2SO3R + HSiX3 → X3Si(CH2)3SO3R
式B
CH2=CHCH2SO2Cl + HSiCl3 → Cl3Si(CH2)3SO2Cl
Cl3Si(CH2)3SO2Cl + 4ROH → (RO)3Si(CH2)3SO3R + 4HCl
【0023】
トリクロロシランまたはアルキルクロロシラン〔HSi(Cl)m (R2)n 〕の付加反応は、一般に塩化白金酸等の触媒を必要とする。また、クロロシリル基のアルコキシ化反応およびスルホニルクロライド基のエステル化は、対応するアルコールまたは金属アルコキドを反応させることにより行われる。このアルコールを反応させる場合には、副生する塩化水素を除去するために、環式アミン等の酸捕捉剤と有機溶媒の存在下で反応を行う。使用するアルコールや溶媒に水分が混入すると、生成物の分解あるいは縮合を生じるので、十分に脱水したものを用いることが好ましい。有機溶媒としてはエーテルなどの極性溶媒が適当である。
【0024】
被覆に用いるアルコキシシラン化合物として好ましいのは、上記一般式(I)において、Yのアルコキシ基がメチル、エチルまたはプロピルであり、R1がメチルまたはエチルであり、R2が炭素数1〜18のアルキル基である化合物である。
【0025】
一般式(I)において、Yのアルコキシル基およびR1〜R2の各アルキル基は直鎖でも分岐鎖でもよい。R1はハロゲンなどの置換基を有していてもよい。
【0026】
本発明に従って、上記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物で無機物質を表面処理すると、従来のシランカップリング剤と同様に、ハロゲノシリル基あるいはアルコキシシリル基が無機物質の表面に存在する水酸基と相互作用し、水分(例えば大気中の湿気)の存在下で、ケイ素原子に結合したハロゲノシリル基あるいはアルコキシル基(RO−基)が加水分解してヒドロキシル基になり、このヒドロキシル基が無機物質の表面の水酸基と縮合反応することにより、シラン化合物が無機物質の表面に結合する。周囲環境に水分が全く存在しない場合、または無機物質が水酸基を有していない場合には、ハロゲノシリル基あるいはアルコキシル基またはその加水分解で生じた水酸基が無機物質の表面に吸着されることにより被覆が行われる。
【0027】
それにより、下記一般式(IIa)(式中、R2は前記と同じ意味)で示される構造部分を持った、スルホン酸エステル基を末端に有するシラン化合物の被覆が無機物質の表面に形成される。
【0028】
【化学式】
Figure 0003575136
【0029】
上記シラン化合物による無機物質の表面処理は湿式と乾式のいずれも可能である。湿式の表面処理は、使用するシラン化合物を適当な有機溶媒(例えばエーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素など)に溶解した溶液に無機物質を浸漬し、次いで、必要であれば濾過により無機物質を溶液から分離した後、過剰の溶媒を蒸発させることにより実施できる。
【0030】
乾式の表面処理は、例えば、無機物質を攪拌して浮遊状態にさせ、使用するシラン化合物を上記と同様の適当な有機溶媒に溶解した溶液を、この粉末に滴下または噴霧することにより実施できる。無機物質が平均粒径1μm未満の超微粒子粉末である場合には、湿式処理では粒子の凝集を生じ、粒子本来が有する分散性などの特性を損なう場合があるので、乾式処理が好ましい。
【0031】
その後この被覆をスルホン酸エステルの加水分解または熱分解が起こる条件下で処理すると、被覆物の分子末端に存在するスルホン酸エステル基(−SO3R2)がスルホン酸基(−SO3H)に分解し、無機物質の表面にスルホン酸が導入される。これによって被覆の表面にスルホン酸基による親水性が付与される。この分解反応も、加水分解の場合には湿式と乾式のいずれでも実施できるが、無機物質が超微粒子粉末の場合にはやはり乾式の処理が好ましい。熱分解は乾式で行う。
【0032】
湿式の加水分解は、上記のように被覆を形成した無機物質を過剰の水の存在下で攪拌しながら加熱することによって実施できる。このとき、加水分解触媒として酸またはアルカリを用いることができる。触媒の酸は強酸が好ましく、具体的には硫酸、塩酸等の無機酸、またはp−トルエンスルホン酸等の有機酸が適当である。アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0033】
乾式の加水分解は、上記のように表面被覆した無機物質に粉末の凝集を生じない程度の少量の水を添加し、不活性ガス気流下で加熱処理を行うか、或いは被覆した無機物質に不活性ガス気流下で水蒸気を吹き込むことにより行うことができる。不活性ガスとしては、無機物質およびエステル基含有シラン化合物のいずれとも反応しない、非酸化性の任意のガスが使用でき、具体例としては窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。添加する水は、これが酸素を含んでいるとエステル基含有シラン化合物の酸化を生じる場合があるので、十分に脱酸素したものを用いることが好ましい。水の脱酸素化は、不活性ガスの吹き込みによる方法が効果的である。
【0034】
また、乾式加水分解を迅速に行うため、湿式の場合と同様に、触媒として酸またはアルカリを水中に溶解させて添加することも好ましい。乾式加水分解の場合には、使用した触媒の沸点が高いと、生成物中に触媒が残留するため、低沸点の酸またはアルカリを使用することが好ましい。具体例としては、酸では塩化水素、臭化水素等が、アルカリとしてはアンモニアが好ましい。
【0035】
湿式および乾式の加水分解はいずれも加水分解を促進させるために加熱下で反応を行うのが好ましい。加熱温度は湿式の場合は60〜100℃、乾式の場合は120〜230℃の範囲が好ましい。
【0036】
乾式熱分解は、上記のように被覆した無機物質を不活性ガス気流下で加熱することによって行われる。不活性ガスは上記と同様でよい。熱分解に必要な加熱温度は、被覆に用いたスルホン酸エステル基含有シラン化合物の分子構造によって異なるが、一般には150〜300℃の範囲、好ましくは120〜250℃の範囲である。加熱温度がが120℃より低いと、効果的に熱分解反応が進行せず、300℃を超えるとエステル結合以外の結合の分解を生じる虞がある。
【0037】
この熱分解温度は、スルホン酸エステル基の種類、即ち、一般式(I)におけるR2基の種類により大きく変動し、R2基の嵩が大きいと熱分解温度が低くなり、有利である。その意味で好ましいR2基はイソプロピル基のような分岐アルキルである。R2基がイソプロピル基であるシラン化合物は熱分解温度が低く、熱分解収率も高いため、特に好ましい。
【0038】
上記のようにして加水分解または熱分解により被覆のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解すると、表面にスルホン酸基を有する無機物質が得られる。また、スルホン酸エステル基の分解と同時に、ハロゲノシリル基部分のハロゲノシリル基およびアルコキシシリル基部分のアルコキシル基の加水分解または熱分解が同時にさらに進行し、被覆のアルコキシシラン化合物の無機物質への結合が強化される。そのため、本発明の方法により形成されたスルホン酸基を有する被覆は無機物質の表面に強固に結合しており、耐久性に優れている。
【0039】
こうして得られた表面にスルホン酸基を有する無機物質は、スルホン酸基の強い酸性によって塩基性化合物と高い反応性を示し、塩基性化合物を固定化して除去するための捕捉剤として有用である。この表面被覆無機物質は水中に溶解した塩基性化合物とガス中の塩基性化合物のいずれも捕捉できる。また、この表面被覆無機物質は不快臭を生じるアンモニアやアミン系化合物の捕捉効果に優れているので消臭にも有効であり、消臭剤としても利用できる。なお、単位体積当たりの塩基性化合物の捕捉能や消臭能は表面積が大きいほど高くなるので、この無機物質は粉末であるものが好ましく、より好ましくは平均粒径10μm以下の微粉末、特に好ましくは平均粒径1μm未満の超微粒子状の粉末であるものが好ましい。
【0040】
本発明の表面にスルホン酸基を有する無機物質は、表面の親水性が向上している。そのため、無機物質が粉末である場合には、水または水性樹脂液(水溶性樹脂液とエマルジョンなどの水分散性樹脂液を含む)への粉末の分散性が改善される。例えば、金属酸化物粉末として塗料に使用される充填材または顔料を本発明の方法により被覆して表面にスルホン酸基を導入すると、水性塗料中での充填材または顔料の分散安定性が高まる。この場合、被覆中のスルホン酸基を、中和反応を利用して、遊離のスルホン酸から塩の形態にしてもよい。塩としては、例えば、アンモニウム塩、またはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が適当である。塩の形成は、金属酸化物粉末を水中に懸濁させ、所定のアルカリ水溶液を添加することにより実施できる。アンモニウム塩の場合には、金属酸化物粉末をアンモニアガスと接触させることによっても塩を形成できる。
【0041】
さらに、本発明の表面にスルホン酸 (塩) 基を有する無機物質は、スルホン酸基に特有の金属イオンとのイオン交換能力を示し、それによって金属イオンを捕捉することができる。即ち、本発明の表面被覆無機物質は、カチオン交換体としても機能し、特にスルホン酸型カチオン交換体に特有のNa、K、Liに対する高い捕捉能を示す。このようなカチオン交換体の応用例としては、水中に溶解している上記金属イオンの除去等が挙げられる。なお、この場合も、表面のスルホン酸基は塩の形態であってもよく、その場合には複塩交換反応により他のカチオンとのイオン交換が行われる。
【0042】
本発明の無機物質における表面被覆の量は、この無機物質の使用目的や形態および被覆に用いたアルコキシシラン化合物の種類に応じて変動するが、無機物質が粉末状の場合には一般に粉末重量の1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲である。1重量%未満であると、表面の被覆量が少なく、十分な効果が得られない。一方、60重量%を超えると、粒子の凝集を生じたり、被覆の全部が無機粉末の表面に結合しない等の問題が生じる恐れがある。
【0043】
一方、本発明の化合物と同様に、例えば、(Y)m(R1)nSi(CH2)X SO3R2 のXが3以外の化合物も、類似の反応を利用して合成することができる。具体的な例としては、ビニルスルホニルクロライドから合成した(RO)3SiCH2CH2SO3R2、または2−ブテンスルホニルクロライドから合成する(CH3CH2)(RO)2Si(CH2)4SO3R2等(Rは炭素数1〜6のアルキル基)があげられる。
【0044】
【実施例】
実施例によって本発明を具体的に説明する。実施例で粉末の表面被覆に用いたスルホン酸エステル基を有するアルコキシシラン化合物の構造を以下に示す。
化合物A: Cl3Si(CH2)3SO3CH(CH3)2
化合物B: (CH3O)3Si(CH2)3SO3C(CH3)3
化合物C: (CH3CH2O)2(CH3)Si(CH2)3SO3CH2CH3
化合物D: (CH3O)3Si(CH2)3SO3CH2(CH2)8CH3
なお、これらの化合物の代表例について、その合成法と同定データを次に示す。残りの化合物も同様に合成できる。
【0045】
化合物A:イソプロパノールをジイソプロピルエーテル中にてピリジンの存在下でアリルスルホニルクロライド[CH2=CHCH2SO2Cl]と反応させてエステル化し、アリルスルホン酸イソプロピルエステル[CH2=CHCH2SO3CH(CH3)2]を得る。次いで、これを塩化白金酸の存在下でトリクロロシラン[HSiCl3]と反応させて淡黄色油状の化合物Aが得られる。
【0046】
【表1】
Figure 0003575136
【0047】
化合物B:化合物Aをさらにジイソジイソプロピルエーテル中トリエチルアミンの存在下でメタノールと反応させてアルコキシ化すると、淡黄色油状の化合物Bが得られる。同様の方法で化合物Dも合成できる。
【0048】
【表2】
Figure 0003575136
【0049】
化合物C:アリルスルホニルクロライドを塩化白金酸の存在下でメチルジクロルシランH(CH3)SiCl2 と反応させて、クロロスルホニルプロピルメチルジクロロシラン Cl2(CH3)Si(CH2)3SO2Cl2 を得た。これをテトラヒドロフラン中でピリジンの存在下でエタノールと反応させてエステル化とアルコキシ化を同時に行うと、化合物Cが得られる。
【0050】
【表3】
Figure 0003575136
【0051】
〔実施例1〕
無機物質として、平均粒径12nmのシリカ粉末(アエロジル♯200:日本アエロジル社製)20gをジューサーミキサーに入れ、浮遊状態になるように攪拌しながら、化合物A2.8gをテトラヒドロフラン4.0gに溶解した溶液を2分間かけて滴下しすることにより乾式で表面処理を行った。その後、この表面処理した粉末を1リットルセパラブルフラスコに移し、窒素気流下60℃で2時間加熱し、次いで120℃で2時間加熱することにより、スルホン酸エステル基の熱分解反応を行って、スルホン酸基を有するシラン化合物で被覆されたシリカ粉末(被覆量9.2重量%)を得た。
【0052】
得られた表面被覆粉末の赤外分光分析(IR分析)を行い、表面処理後(熱分解前)の同じ被覆粉末におけるIR分析結果と比較した。その結果、熱分解後は2970cm-1に見られる特にCH3基に由来するピーク強度の減少、および1350cm-1に見られるスルホン酸エステル基に由来するピーク強度の減少が確認された。また、この粉末を脱イオン水に懸濁させた5重量%懸濁液の水性媒質のpHを測定したところpH2以下の強酸性を示し、この点からもスルホン酸基の生成が確認された。
【0053】
〔実施例2〕
化合物Bを5.72g用いた以外は実施例1と同様にして、スルホン酸基を有するシラン化合物で被覆されたシリカ粉末(被覆量20重量%)を得た。
【0054】
〔実施例3〕
無機物質として平均粒径21nmのチタニア(酸化チタン)粉末 (P-25:日本アロジル社製)20gを使用し、これを実施例1と同様にして化合物C8.6gにより表面処理し、次いで窒素気流下60℃で2時間、次いで150℃で1時間加熱してスルホン酸エステル基の熱分解を行い、スルホン酸基を有するシラン化合物で被覆されたチタニア粉末(被覆30重量%)を得た。
【0055】
IR分析の結果、熱分解後は、2970cm-1に見られる特にCH3基に由来するピーク強度の減少が確認された。また、この粉末を脱イオン水に懸濁させた5重量%懸濁液の水性媒質のpHを測定すると、pH2以下の強酸性を示し、この点からもスルホン酸基の生成が確認された。
【0056】
〔実施例4〕
無機物質として平均粒径13nmのアルミナ粉末(Aluminum Oxide C:日本アエロジル社製)20gを使用し、これを実施例1と同様にして化合物D3.0gによって表面処理し、次いでセパラブルフラスコに移した後、窒素ガスの吹き込んで十分に脱酸素した水20gを、窒素気流下150℃で2時間かけて滴下し、滴下終了後、同じ条件下でさらに1時間攪拌して、スルホン酸エステル基の加水分解を行い、スルホン酸基を有するシラン化合物で被覆されたアルミナ粉末(被覆量9重量%)を得た。
【0057】
IR分析の結果、熱分解後は、2970cm-1に見られる特にCH3基に由来するピーク強度の減少が確認された。また、この粉末を脱イオン水に懸濁させた5重量%懸濁液の水性媒質のpHを測定すると、pH2以下の強酸性を示し、この点からもスルホン酸基の生成が確認された。
【0058】
〔実施例5〜8〕
実施例1〜4で得られた表面にスルホン酸基を有する金属酸化物粉末5gを脱イオン水95mlに懸濁させ、得られた懸濁液を10分間放置し、その分散性を評価した。結果を表4に示す。
【0059】
〔比較例1〜3〕
表4に示す未処理の金属酸化物粉末を用いて実施例5〜8と同様の操作を行った。結果を表4に対比して示す。表4からわかるように、未処理の金属酸化物粉末は水中で凝集して沈降するが、本発明のスルホン酸基を有する表面被覆を施すと、親水性が高まり、水中に分散可能となった。
【0060】
【表4】
Figure 0003575136
【0061】
〔実施例9〜11〕
実施例2〜4で得られた表面にスルホン酸基を有する金属酸化物粉末5gをジイソプロピルエーテル95mlと混合し、これにn−プロピルアミン100gを添加し、室温で1時間攪拌した。その後、上澄みを加圧濾過して金属酸化物粉末を分離し、溶液中に残留するn−プロピルアミンの量をガスクロマトグラフを用いて定量した。結果を表5に示す。
【0062】
〔比較例4〜6〕
表5に示す未処理の金属酸化物粉末を用いて実施例9〜11と同様の操作を行った。結果を表5に対比して示す。表5からわかるように、未処理の金属酸化物粉末は塩基性化合物の捕捉能が非常に低いのに対し、本発明の表面にスルホン酸基を導入した金属酸化物粉末はいずれも塩基性化合物の高い捕捉能を示した。
【0063】
【表5】
Figure 0003575136
【0064】
〔実施例12〜14〕
実施例2〜4で得られた、表面にスルホン酸基を有する金属酸化物粉末1gを、1000ppmの塩化カルシウムを含有する水溶液50mlに分散させ、室温で1時間攪拌した。その後、上澄みを加圧濾過して金属酸化物粉末を分離し、得られた溶液中カルシウム量をキレート滴定法により定量した。結果を表6に示す。
【0065】
〔比較例7〜9〕
表6に示す未処理の金属酸化物粉末を用いて実施例12〜14と同様の操作を行った。結果を表6に対比して示す。表6からわかるように、未処理の金属酸化物粉末は金属イオンの捕捉能が非常に低いのに対し、アミノ基とスルホン酸基を有する被覆を施した本発明の金属酸化物粉末は、高い金属イオンの捕捉能を示した。
【0066】
【表6】
Figure 0003575136
【0067】
〔実施例15〕
実施例3で得られたスルホン酸基を有するシラン化合物で被覆されたアルミナ粉末5gを1L のナスフラスコに入れ、これにトリメチルアミン300ppmを含んだ空気を入れて密栓し、2日間放置した。放置後、開栓してフラスコの内部の臭いをかいだところ、アミン臭を感じなかった。
【0068】
〔比較例10〕
未処理のアルミナ粉末を用いて、上記実施例15と同様の操作を行った。2日間放置後に開栓したところ、アミン臭は残ったままであった。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、無機物質の表面に強固に結合したスルホン酸基を有する被覆を形成することによって、その表面に十分な量のスルホン酸基を付与することができる。その結果、得られた表面被覆無機物質は、微粉末状であれば、水中および水性樹脂液中で容易に分散可能となる。従って、本発明は、例えば水性塗料において、各種の無機粉末成分の分散安定性の向上に利用することができる。
【0070】
また、本発明の表面被覆無機物質は、表面に導入されたスルホン酸基により強い酸性を示し、塩基性化合物の捕捉剤、消臭剤、および金属イオンを捕捉するためのカチオン交換体として有効であり、ごく低濃度の塩基性化合物や金属イオンを捕捉して除去できる。

Claims (8)

  1. 無機物質の表面に、下記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物の被覆を形成し、次いで加水分解または熱分解により被覆中のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することによって、スルホン酸基を有する被覆を形成することを特徴とする表面被覆無機物質の製造方法。
    【化学式】
    Figure 0003575136
  2. 請求項1の製造方法において、無機物質が平均粒径1μm未満の金属酸化物粉末であり、加水分解または熱分解を乾式で行う表面被覆無機物質の製造方法。
  3. 請求項1または2の製造方法において、加水分解または熱分解により生成したスルホン酸基をさらにアルカリ金属塩またはアンモニウム塩に変化する工程を包含する表面被覆無機物質の製造方法。
  4. 無機物質の表面に、上記一般式(I)で示される末端にスルホン酸エステル基を有するシラン化合物の被覆を形成し、次いで加水分解または熱分解により被覆中のスルホン酸エステル基をスルホン酸基に分解することによって形成された、スルホン酸基を含む下記一般式(II)で示される構造部分を含む被覆を有することを特徴とする表面被覆無機物質。
    【化学式】
    Figure 0003575136
  5. 請求項4に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなる塩基捕捉剤。
  6. 請求項4に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなる消臭剤。
  7. 請求項4に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)からなるカチオン交換体。
  8. 請求項4に記載する表面被覆無機物質(但し、XはH)であって、水または水性樹脂液中の分散性に優れた表面被覆無機粉末。
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