JP3574197B2 - Dichroic prism, prism unit, projection display device using the same, and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ダイクロイックプリズム、プリズムユニット、およびこれらを用いた投写型表示装置並びにこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投写型表示装置は、基本的には、光源と、ここから出射された白色光束を3原色の各色光束に分離する色分離手段と、分離された各色の光束を変調する3枚の液晶ライトバルブと、これらの液晶ライトバルブを介して変調された各色の変調光束を合成する色合成手段と、合成された変調光束をスクリーン上に拡大投写する投写レンズとを備えた構成となっている。
【0003】
色合成手段としては、ダイクロイックプリズムが知られている。このようなダイクロイックプリズムは、例えば、特公昭39−20049号公報、本願人による特開昭62−1391号公報に開示されている。これらの公報に開示されているように、ダイクロイックプリズムは、4個の同一形状の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成されている。X状の貼り合わせ面には所定の色の選択反射特性を備えた誘電体膜等の反射層が形成されている。
【0004】
ここで、これらの4個のプリズムを正確に貼り合わせないと、得られたダイクロイックプリズムを介して合成された各色の画像がスクリーン上で揃わなくなり、画質が低下してしまう。例えば、図20に示すように、貼り合わせ面が段差ができるとこのような弊害が発生する。各プリズムを正確に貼り合わせるための方法としては、図21に示すように、4個のプリズム910a、910b、910cおよび910dのうち、一対のプリズム910a、910bをまず、段差を付けて貼り合わせると共に、残りの一対のプリズム910c、910dも同様に、段差を付けて貼り合わせ、しかる後に、これらの段差面910e、910fを位置合わせ面として利用して、各対のプリズムを貼り合わせるようにしている。この方法は、上記の特公昭39−20049号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この方法では、一方向の位置合わせはできるが、これに直交する方向の位置合わせができない。すなわち、貼り合わされた4個のプリズムのX状の貼り合わせ面の中心が正確に出せない場合がある。
【0006】
本発明は、この点に鑑みて、投写型表示装置等における色合成手段として利用されるダイクロックプリズムを、4個の三角プリズムを精度良く貼り合わせることのできるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の投写型表示装置は、光源と、ここから出射された光束を3色の光束に分離する色分離手段と、分離された各色の光束を、与えられた映像信号に基づき変調する3枚の液晶ライトバルブと、これらの液晶ライトバルブを介して変調された各色の変調光束を合成する色合成手段と、合成された変調光束をスクリーン上に拡大投写する投写レンズとを有する投写型表示装置において、前記色合成手段は、第1ないし第4の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成された全体として四角柱状のダイクロイックプリズムであり、前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とする。また、前記ダイクロイックプリズムの底壁に、プリズム固定板が固定されてなることを特徴とする
【0008】
本発明のダイクロイックプリズムは、第1ないし第4の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成された全体として四角柱状のダイクロイックプリズムであって、前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とする。
本発明のプリズムユニットは、第1ないし第4の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成された全体として四角柱状のダイクロイックプリズムと、前記ダイクロイックプリズムの底壁に固定されたプリズム固定板と、を備えたプリズムユニットであって、前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とする。
本発明のダイクロイックプリズムの製造方法は、第1の三角プリズムと第3の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第 1 の露出側面が形成されるように貼り合わせて第1のプリズム合成体を形成する工程と、第2の三角プリズムと第4の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第2の露出側面が形成されるように貼り合わせて第2のプリズム合成体を形成する工程と、前記第1のプリズム合成体と、前記第2のプリズム合成体とを、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの貼り合わせ面に第3の露出側面が形成されるように貼り合わせる工程と、を有することを特徴とする。
本発明のプリズムユニットの製造方法は、第1の三角プリズムと第3の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第 1 の露出側面が形成されるように貼り合わせて第1のプリズム合成体を形成する工程と、第2の三角プリズムと第4の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第2の露出側面が形成されるように貼り合わせて第2のプリズム合成体を形成する工程と、前記第1のプ リズム合成体と、前記第2のプリズム合成体とを、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの貼り合わせ面に第3の露出側面が形成されるように貼り合わせてダイクロイックプリズムを形成する工程と、前記ダイクロイックプリズムの底壁に、プリズム固定板を固定する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、各プリズムの貼り合わせ面に、3つの露出側面が形成される。したがって、これらの露出側面を4個の三角プリズムの貼り合わせの際の位置決め用の基準面として利用すれば、正確に貼り合わせを行うことができる。
【0010】
【実施例】
以下に、図面を参照して本発明の一実施である投写型表示装置を説明する。
【0011】
(全体構成)
図1には本例の投写型表示装置の外観を示してある。本例の投写型表示装置1は、直方体形状をした外装ケース2を有している。外装ケース2は、基本的には、アッパーケース3と、ロアーケース4と、装置前面を規定しているフロントケース5から構成されている。フロントケース5の中央からは投写レンズユニット6の先端側の部分が突出している。
【0012】
図2には、投写型表示装置1の外装ケース2の内部における各構成部分の配置を示してある。この図に示すように、外装ケース2の内部において、その後端側には電源ユニット7が配置されている。これよりも装置前側に隣接した位置には、光源ランプユニット8および光学レンズユニット9が配置されている。光学レンズユニット9の前側の中央には、投写レンズユニット6の基端側が位置している。一方、光学レンズユニット9の一方の側には、装置前後方向に向けて入出力インタフェース回路が搭載されたインタフェース基板11が配置され、これに平行に、ビデオ信号処理回路が搭載されたビデオ基板12が配置されている。さらに、光源ランプユニット8、光学レンズユニット9の上側には、装置駆動制御用の制御基板13が配置されている。装置前端側の左右の角には、それぞれスピーカ14R、14Lが配置されている。光学レンズユニット9の裏面中央には冷却用の吸気ファン15が配置され、光源ランプユニット8の裏面側である装置側面には排気ファン16が配置されている。そして、電源ユニット7における基板11、12の端に面する位置には、吸気ファン14からの冷却用空気流を電源ユニット7内に吸引するための補助冷却ファン17が配置されている。
【0013】
(外装ケースの構造)
図1に示すように、外装ケース2のアッパーケース3は、長方形の上壁3aと、その前側を除く三方の辺からほぼ垂直に下方に延びている左右の側壁3b、3cおよび後壁3dから形成されている。同様に、ロアーケース4は、長方形の底壁4aと、その前側を除く三方の辺からほぼ垂直に起立している左右の側壁4b、4cおよび後壁4dから形成されている。フロントケース5は、中央部分が僅かに前方に凸状態に湾曲しており、この部分には環状リム5aが周囲に形成された円形の開口5bが開いており、ここを通って、投写レンズユニット6の前端側の部分が装置前方側に延びている。アッパーケース3とロアーケース4とは、左右の側壁におけるそれぞれ2箇所の位置で、固定ねじ21a、21bおよび22a、22bにより相互に連結されている(図16参照)。フロントケース5は、上下からアッパーケース3およびロアーケース4によって挟まれた状態で保持されている。
【0014】
アッパーケース3の上壁3aには、その中央の前方側の位置に、エアーフィルタカバー23が取付けられている。このカバー23には多数の通気孔が形成されており、この内側には、ここを介して外部から塵等が侵入することの無いように、エアーフィルタ24が取付けられている(図2(b)参照)。この上壁3aの前方側の左右の端には、内蔵スピーカー14R、14Lに対応した位置に多数の連通孔25R、25Lが形成されている。また、上壁3aの左側の端の部分には、操作スチッチ蓋26が取付けられている。この操作スイッチ蓋26はその一方の端を中心として図1(c)に示すように開閉できるようになっている。この蓋26を開くと、その内部に配列された多数の操作スイッチ26aが露出する(図17(b)参照)。
【0015】
ロアーケース4の底壁4aには、内蔵されている光源ランプユニット8に対応する位置にランプ交換蓋27が取付けられている。この交換蓋27は下壁4aにねじ止めされており、ねじを緩めて蓋27を取外ずれせ内蔵の光源ランプユニット8を交換することができる。この交換蓋27よりも前側の位置には、通気孔28が形成されている。この通気孔28は、内蔵の冷却用の吸気ファン15に対応した位置に形成されている。この通気孔28の裏面側にもエアーフィルタ29(図2(b)参照)が取付けられ、ここから塵等が内部に侵入することを防止している。
【0016】
底壁4aの前端の左右の角には、高さ調整用フット31(31R、31L)が配置されている。これらのフット31は、それを回すことにより高さの微調整ができ、フロントケース5の両端の下側部分に突出している高さ調整ボタン32(32R、32L)を操作することにより、これらのフット31の高さを大まかに調整(粗調整)できるようになっている。底壁4aの後端側の中央には突起33が形成されており、この突起33と、上記の2個のフット31とにより装置1は3点支持された状態でテーブル等に設置される。なお、設置面に凹凸がある場合等に装置ががたつくことの無いように、底壁の後端側の両端にも補助突起34R、34Lが形成されている。
【0017】
一方、装置前面を規定しているフロントケース5の右側の上端位置と、装置後面の上半部分を規定しているアッパーケース3の後壁3dの中央位置には、それぞれ、受光窓35F、35Rが配置されている。これらの受光窓はリモートコントローラからの制御光を受けるためのものである。このように本例では、装置の前後に受光窓を形成してあるので、装置の前側および後ろの側のいずれの側からでも遠隔操作を行うことができるので便利である。
【0018】
装置後面の下半部分を規定しているロアーケース4の後壁4dには、その左端の部位には、外部電力供給用のACインレット36、および主電源スイッチ37が配置されている。
【0019】
装置の左側の側面には携帯用ハンドル38が取付けられている。このハンドル38の2つの基端部分38a、38bは、アッパーケース3およびロアーケース4の側壁3b、4bの合わせ面の部分に回転可能に取付けられている。アッパーケース側の側壁3bには、ハンドル収納用の凹部3eが形成されており、ここにハンドル38を収納できるようになっている。また、側壁3bの上端部分には、装置の動作状態を表示するためのLED表示部39が配置されている。ロアーケース側の側壁4bには、下端を中心として開閉可能な入出力用端子蓋41が取付けられている。これを開けると、内部に配置されている多数の入出力端子42が露出する(図17(a)参照)。
【0020】
装置の反対側の側面を規定しているアッパーケースおよびロアーケースの側壁3c、4cには、これらの双方の渡る状態で、排気孔43が形成されている。この排気孔43の裏面側にはエアーフィルタを介して冷却用の排気ファン16が位置している。
【0021】
(光源ランプユニット)
図2(a)および図7を参照して、光源ランプユニット8について説明する。光源ランプユニット8は、光源ランプ801と、これを内蔵しているほぼ直方体形状のランプハウジング802から構成されている。本例では、ランプハウジング802は、インナーハウジング803とアウタハウジング804の二重構造となっている。光源ランプ801は、ハロゲンランプ等のランプ本体805と、リフレクタ806から構成されており、ランプ本体805からの光を光軸1aに沿って光学レンズユニット9の側に向けて出射する。
【0022】
アウタハウジング804は、光軸1a方向の前面が開口となっており、ここには紫外線フィルタ809が取付けられている。光軸1a方向の裏面には、冷却空気の通過用のスリット群807が多数形成されている。インナーハウジング803は、光源ランプ801の前面に取付けられており、出射光の通過部分は開口となっていると共に、外周部分には、冷却空気の通過孔808が多数形成されている。本例では、このインナーハウジング803と光源ランプ801が一体に形成されている。ランプ交換は、これらを一体のままで、着脱するように構成されている。
【0023】
(光学レンズユニット)
光学レンズユニット9は、その色合成手段を構成しているプリズムユニット910以外の光学素子が、図3(a)に示す形状をした上下のライトガイド901、902の間に上下から挟まれて保持された構成となっている。これらの上ライトガイド901、下ライトガイド902は、それぞれ、アッパーケース3およびロアーケース4の側に固定ねじにより固定されている。また、これらの上下のライトガイド板901、902は、プリズムユニット910の側に同じく固定ねじによって固定されている。プリズムユニット910は、ダイキャスト板である厚手のヘッド板903の裏面側に固定ねじよって固定されている。このヘッド板903の前面には、投写レンズユニット6の基端側が同じく固定ねじによって固定されている。したがって、本例では、ヘッド板903を挟み、プリズムユニット910と投写レンズユニット6とが一体となるように固定された構造となっている。このように剛性の高いヘッド板903を挟み、これらの双方の部品が一体化されている。したがって、衝撃等が投写レンズユニット6の側に作用しても、これらの双方の部材に位置ずれが発生することが無い。
【0024】
(光学系)
ここで、本例に組み込まれている光学系について説明する。図19には本例の投写型表示装置1の光学系のみを示してある。本例の光学系は、上記の光源ランプ805と、均一照明光学素子であるインテグレータレンズ921、922から構成される照明光学系923と、この照明光学系923から出射される白色光束Wを、赤、緑、青の各色光束R、G、Bに分離する色分離光学系924と、各色光束を変調するライトバルブとしての3枚の液晶ライトバルブ925R、925G、925Bと、変調された色光束を再合成する色合成光学系としてプリズムユニット910と、合成された光束をスクリーン上に拡大投写する投写レンズユニット6から構成される。また、色分離光学系924によって分離された各色光束のうち、青色光束Bを対応する液晶バルブ925Bに導く導光系927を有している。
【0025】
光源ランプ805としては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。均一照明光学系923は、反射ミラー931を備えており、照明光学系からの出射光のの中心光軸1aを装置前方向に向けて直角に折り曲げるようにしている。このミラー931を挟み、インテグレータレンズ921、922が前後に直交する状態に配置されている。
【0026】
色分離光学系924は、青緑反射ダイクロックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。白色光束Wは、まず、青緑反射ダイクロイックミラー941において、そこに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射されて、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rはこのミラー942を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束の出射部944からプリズムユニット910の側に出射される。ミラー941において反射された青および緑の光束B、Gは、緑反射ダイクロイックミラー942において、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束の出射部945から色合成光学系の側に出射される。このミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束の出射部946から導光系の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の白色光束の出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944、945、946までの距離が全て等しくなるように設定されている。
【0027】
色分離光学系924の各色光束の出射部944、945、946の出射側には、それぞれ集光レンズ951、952、953が配置されている。したがって、各出射部から出射した各色光束は、これらの集光レンズ951、952、953に入射して平行化される。
【0028】
このように平行化された各色光束R、G、Bのうち、赤色および緑色の光束R、Gは液晶ライトバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色光に対応した映像情報が付加される。すなわち、これらのライトバルブは、不図示の駆動手段によって映像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。このゆな駆動手段は公知の手段をそのまま使用することができる。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応する液晶ライトバルブ925Bに導かれて、ここにおいて、同様に映像情報に応じて変調が施される。本例のライトバルブは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものを使用できる。
【0029】
導光系927は、入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの間に配置した中間レンズ973と、液晶パネル925Bの手前側に配置した集光レンズ973から構成される。各色光束の光路長、すなわち、光源ランプ805から各液晶パネルまでの距離は緑色光束Bが最も長くなり、したがって、この光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導光系927を介在させることにより、光量損失を抑制できる。よって、各色光束の光路長を実質的に等価にすることができる。
【0030】
次に、各液晶パネル925R、G、Bを通って変調された各色光束は、色合成光学系910に入射され、ここで再合成される。本例では、前述のようにダイクリックプリズムからなるプリズムユニット910を用いて色合成光学系を構成している。ここで再合成されたカラー映像は、投写レンズユニット6を介して、所定の位置にあるスクリーン上に拡大投写される。
【0031】
ここで、本例の光学系においては、上記の構成に加えて、1/2波長板を、各色の光束の経路に配置して、各色の光束をS偏光に揃えることが好ましい。このようにS偏光のみを利用できるようにすると、P偏光およびS偏光が混在しているランダム偏光をそのまま利用する場合に比べて、ダイクロイックミラーでの色分離性が改善される。また、導光系927はミラーを用いて光束を反射しているが、S偏光はP偏光に比べて反射率が良いので、光量損失等を抑制することができるという利点もある。
【0032】
この場合、図34に示すように、透明なガラス基板3001の一方の側に1/2波長板3002を貼り合わせ、さらに、この1/2波長板3002の表面に偏光板3003を貼り合わせた構成の積層板3000を用いればよい。本例に適用する場合には、例えば、赤および青の光路上に配置するものは、ガラス基板の表面3001aおよび偏光板の表面3003aにそれぞれ無反射コーティングを施して透過率を向上させ、緑の光路上に配置するものは、ガラス基板表面3001aには緑フィルターを貼り付け、偏光板表面3003aは無処理のままの表面とすればよい。また、緑の光路上に配置される積層板で、その偏光板3003として暗いがCR比(偏光度)が高いものを用いて、全体としてCR比の高い画像を得ることが好ましい。
【0033】
図35には、本例の光学系の緑の光路上に1/2波長板を配置した例を示してある。この図は、天面から見た場合であり、拡大投写された画像は透過軸が天地方向となる。液晶ライトバルブに入射する光束の透過軸は天地方向であり、1/2波長板3002に貼り合わせてある偏光板3003の透過軸はこれと直交する方向である。さらに、液晶ライトバルブ925Gの出射側に配置した偏光板3004の透過軸は天地方向となっている。その他の赤、青の光学経路においても同様に1/2波長板が配置される。
【0034】
(プリズムユニット910)
次に、プリズムユニット910は、三角柱状の4個の屈折率の同じプリズムを貼り合わせることにより、正方形断面の角柱状にしたものであり、各貼り合わせ面には誘電体膜が形成されて所望の光学特性が付与されている。
【0035】
本例のプリズムユニット910は、次のようにして、4個のプリズムを正確に貼り合わせるようにしている。図22に示すように、プリズム910c(第1の三角プリズム)を最も長くし、プリズム910b、910d(第3、第4の三角プリズム)を最も短くし、残りのプリズム910a(第2の三角プリズム)を中間の長さに設定する。最も長いプリズム910cと、最も短いプリズム910dとを、上下に段差のある状態で貼り合わせる。同様に、中間の長さのプリズム910aと最も短いプリズム910bとを上下に段差のある状態で貼り合わせる。この後に、最も長いプリズム910cと中間の長さのプリズム910aとが上端側に段差が付いた状態となるように、各対のプリズムを貼り合わせる。
【0036】
このように貼り合わせて得られるプリズムユニット910においては、位置合わせ面として、従来と同様な位置合わせ面910e、910f(露出側面)の他に、下端側にもこれに平行な位置合わせ面910g、910iが形成される。さらには、これらの位置合わせ面に直交する位置合わせ面910j(露出側面)が上端側に形成される。したがって、これらの面に治具をあてがって、4個のプリズムを正確に貼り合わせることができる。
【0037】
また、このように貼り合わせた本例のプリズムユニット910は、プリズム910cの上端に形成されている直交する位置合わせ面910fおよび910jを利用して、次のように光学レンズユニット9の所定の取付け位置に取り付けることにより、正確にその位置決めを行うようにしている。
【0038】
すなわち、本例では、プリズム固定板911として図23に示す形状の樹脂製のものを使用している。この固定板911の表面には、上記のプリズム910cの上端の面910jが丁度嵌まり込む深さの直角二等辺三角形の取付け溝911aが形成されている。この溝の底面911bに対して、プリズム910cの上端面910kが接着固定される。溝の直交する一対の側面911c、911dに、それぞれプリズム910cの位置合わせ面910j、910fを押しつけることにより、プリズムユニット910の中心が正確に位置決めされるので、プリズムユニット910は正確な位置に取付けられる。
【0039】
本例では、プリズム固定板911が複数本の固定ねじにより、ヘッド板903の底壁92に固定され、この上面にプリズムユニット910が取付けられた構造となっている。
【0040】
(光クローストーク等の防止機構)
次に、本例のプリズムユニット910においては、ライトバルブ925Rを通過した変調光束が入射するプリズム面に赤色光束は通過するが、青色光束を吸収遮断するガラスフィルタ912を貼り付けておくことが好ましい。すなわち、図24に示すように、プリズムユニット910の赤色変調光束の入射面910Rに、ガラスフィルタ912を貼り付けておく。各ライトバルブ925R,G、Bを通過した各色の変調光束は、プリズムユニット910内を通過して、そのX状の反射面で反射されて、投写レンズユニット6の側に出射される。しかし、各色の僅かの量の光は、反射面で反射せずにそのまま通過して、プリズムユニット910を挟み対峙している液晶ライトバルブの側に到る。例えば、青色の変調光束が青反射面を通過して赤色のライトバルブ925Rの裏面からここに入射してしまうことがある。逆に、赤色の変調光束が赤反射面を通過して青色のライトバルブ925Bの裏面からここに入射してしまうことがある。さらには、緑色の変調光束が、プリズムユニット910内を通過せずに、赤色のライトバルブ925Rの側に反射されてしまうことがある。このように裏面側から液晶ライトバルブに光が入射すると、その液晶パネルが誤動作する等の悪影響が出るおそれがある。特に、短波長側の光である青色の光によるこのような影響が特に大きい。そこで、上記のように、プリズムユニット910における赤色変調光束の入射面910Rに、ガラスフィルタ912を貼り付けて、青色光束が裏面側から液晶ライトバルブ925Rに入射することを防止すれば、このような弊害を回避することができる。
【0041】
なお、上記のフィルタ912に加えて、青色の変調光束の入射面の側にも、赤色光束を吸収するフィルタを取り付けてもよい。
【0042】
(電源ユニット)
電源ユニット7は、図2に示すように、金属製のシールドケース701の内部に各構成素子が内蔵され、この部分で発生する電気的、磁気的ノイズが外部に漏れることを防止してある。シールドケース701は、装置の外装ケース2の左右の側壁に渡る大きさであり、左端の部分は、装置前方側に向けて一定の幅で突出した平面形状をしている。すなわち、この突出部分702の前方には、光学系ブロック9の均一照明系の反射ミラー931が装置前後方向に対して45度の角度で配置されている。この裏面側の空間はとかくデットスペースになり易い。本例では、この空間703を有効利用するために、シールドケース701をこの空間703の側に突出させて突出部分702を形成し、電源ユニットの構成部品の配置空間を確保している。
【0043】
電源ユニット7のシールドケース701は、矩形の中空断面をしており、その剛性は他の部分に比べて一般的に高い。このケース701の底面側は、複数本の固定ねじによって、ロアーケース4の底部4aに固定されている。また、その上面側は、同じく複数本の固定ねじによって、アッパーケース3の上壁3aに固定されている。このように、本例では、装置後端側においては、アッパーケース3およびロアーケース4を、剛性の高いシールドケース701に固定してあるので、装置後端部分の外装ケースは、一体性が高く、また剛性も高くなっている。
【0044】
ここで、電源ユニット7は、装置内に配置されている他の部品に比べて、重量が大きい。この電源ユニット7と共に装置内において重量の大きい部品は、ヘッド板903の前後に固定したプリズムユニット910および投写レンズユニット6である。本例では、図2から良く分かるように、電源ユニット7を装置後端において横長の状態に配置してある。また、電源ユニット7の各構成素子の配置を適切に設定することにより、その重心が、装置の幅方向の中央に位置するように調整してある。これに対して、装置前端側においては、その中央にプリズムユニット910と投写レンズユニット6が配置されている。したがって、本例においては、装置の重心位置が、ほぼ装置の幅方向および前後方向の中心に位置するようになる。この結果、携帯用ハンドル38を引出して、図25に示すように装置左側が上に向いた姿勢で装置を持ち運んでいる際に、誤って装置を落下させても、装置は、その中心が前後左右の中央に位置しているので、その姿勢のまま落下することになる。装置の重心位置が前後あるいは左右に片寄った位置にあると、装置は重心の側に倒れながら落下する。このように落下すると、装置の外装ケースの角の部分が床面等に最初に衝突するので、局部に過大な衝撃力が作用して、その部分が破損するおそれが極めて高い。しかしながら、本例では、装置はそのまま前後、左右に倒れることなく落下するので、下側の装置右側面が全体としてほぼ同時に床面等に衝突し、局部的な破損が発生するおそれが極めて低いという利点がある。
【0045】
さらに、電源ユニット7は従来においては、その底面あるいは上面の側を外装ケース2の側に固定しているのみである。しかし、本例では、図2(b)から分かるように、電源ユニット7の装置上下方向における重心位置に対応する高さ位置の所でも、固定ねじ704によって、外装ケース2の側に固定している。本例では、ロアーケース4の後壁4dに固定している。この結果、装置に前後方向の振動が加わった場合に、電源ユニット7の前後の揺れが効果的に防止される。
【0046】
一方、本例の電源ユニット7では、ここから各駆動部分への電力供給路等を可能な限り短くすることにより、ノイズ発生源であるリード線を可能な限り短くし、これによりノイズの発生を抑制するようにしている。まず、ACインレット36および主電源スイッチ37は、電源ユニット7のシールドケース701の後側面に対して直接に固定してある。したがって、これらの各部分から電源ユニット7まで引き回されるリード線を省略できる。
【0047】
また、装置裏面に取り付けたランプ交換蓋27の開閉に連動するインターロックスイッチ710も電源ユニット7のシールドケース701の前側面に一体的に取り付けてある。すなわち、図2に示すように、インターロックスイッチ710は、シールドケース突出部分702の装置右側に僅かに離れた部分に取付けられている。このスイッチ710の動作部分711は下方に向いており、ここが、交換蓋27の上面から垂直に延びる作動突起271によって常に上方に押し上げられている。この状態では、インターロックスイッチ710はオン状態にある。これに対して、交換蓋27を外した状態では、スイッチ710の動作部分が下方に移動して、スイッチはオフ状態に切り換わる。このように、従来においては電源ユニット7から離れた位置にあったスイッチ710を電源ユニットのシールドケース701の側面に固定して、そこまでのリード線を短くしてある。
【0048】
さらには、本例の電源ユニット7においては、装置前側に隣接配置されているランプユニット8の駆動回路であるバラスト回路部分720を、ランプユニット8と同一の側に配置してあり、ここからランプユニット8までのリード線を極力短くするようにしてある。
【0049】
このように、本例においては、電源ユニット7から引き出されて各駆動部分に到る電力供給路を極力短くしてあるので、従来に比べて、ノイズ源が少なくなり、ノイズ発生を抑制することができる。
【0050】
(基板の配置)
図11、図12および図13を参照して、インタフェース基板11、ビデオ基板12および制御基板13の配置について説明する。まず、制御基板13は、図16に示すように、アッパーケース3の上壁3aの下側位置においてこれと平行に配置され、外周縁の複数の箇所で固定ねじにより、アッパーケース3の側に固定されている。この基板13は、光学系ブロック9および光源ランプユニット8の上面を覆う形状をしている。また、プリズムユニット910の直上部分は矩形に切りかかれた形状となっている。この基板13の装置左側の端部には、装置上面の左側の端に配列されている操作スイッチ群26aに対応する接点が配列されている。
【0051】
図13から分かるように、インタフェース基板11はロアーケース4の底壁4aよりも僅かに高い位置において平行に配置されている。また、ビデオ基板12は、このインタフェース基板11の表面側から装置上下方向に起立した姿勢で、装置左側の側壁に平行に配置されている。これらの2枚の基板11、12は、ロアーケース4の底壁4aに固定した基板固定金具111によって支持されている。また、基板固定金具111の上端にはシールド板112が取付けられており、このシールド板112の上端側は、ビデオ基板12の上端まで延びている。したがって、これらの2枚の基板11、12、シールド板112および基板固定金具111によって、これらの間にシールド空間が区画形成されている。したがって、これらの間に配置されている電気素子、電子素子から発生したノイズが外部に漏れることが防止される。
【0052】
ここで、各基板間の電気的接続は次のようになっている。まず、インタフェース基板11の表面には、ビデオ基板12の側とのコネクタ113が配置されている。ビデオ基板12の下端側の表面には、このコネクタ113に差し込み接続可能なコネクタ114が配置されている。同様に、ビデオ基板12の上端側の表面には制御基板13の側とのコネクタ115が配置されている。制御基板13の裏面には、このコネクタ115に差し込み接続可能なコネクタ116が配置されている。したがって、図13に示すように、各基板11、12、13を配置した状態においては、相互の対応するコネクタ同志が接続した状態になる。
【0053】
このように、本例では、各基板間の接続がリード線等を引き回すことなく形成されている。したがって、ノイズ発生源が少なく、ノイズの発生を抑制することができる。
【0054】
さらに、本例では、図11から分かるように、制御基板13の外周縁の角の部分を、固定ねじを用いて、外装ケース2の側、すなわち接地側に固定してある。このような角の部分は、ノイズ発生が起こり易い部分である。しかし、本例のようにこのような部分を接地することにより、ノイズの発生を抑制することが可能となっている。
【0055】
(ヘッド板の部分の構造)
図4、図6を主として参照してヘッド板903の形状を説明する。ヘッド板903は、装置の幅方向に向けて垂直な姿勢で延びる垂直壁91と、この垂直壁91の下端から水平に延びる底壁92から基本的に構成されている。垂直壁91は、図8に示すように、表面に縦横に補強リブ91aが多数本形成されて面外剛性が高い壁であり、その中央部分には、プリズムユニット910からの出射光が通過するための矩形の開口91bが形成されている。また、この垂直壁91には、プリズムユニット固定ねじのねじ孔91cが形成されていると共に、投写レンズユニット6の基端側を固定するためのねじ孔91dが形成されている。図4から分かるように、垂直壁91の前面側の表面には投写レンズユニット6の基端側が固定され、その後面側の表面にはプリズムユニット910固定される。
【0056】
このように、剛性の高い垂直壁91を挟み、位置合わせした状態で、プリズムユニット910および投写レンズユニット6が固定されるので、これらの一体性は高く、衝撃力等が作用しても、相互の位置ずれが発生するおそれは極めて少ないという利点がある。
【0057】
ヘッド板903の底壁92の裏面には、冷却ファン15が取付けられている。この底壁92には、冷却用空気を流通させるための連通孔(図示せず)が形成されている。
【0058】
ここで、図2(b)および図4(a)から分かるように、ヘッド板903の垂直壁91の上端および下端には、それぞれ、アッパーケース3およびロアーケース4への取付け部91e、91fが形成されている。これらの部分が固定ねじによって、それぞれアッパーケース3およびロアーケース4の側に固定される。
【0059】
このように、本例においては、前述したように、アッパーケース3およびロアーケース4は、その後端側の部分が電源ユニット7に固定され、前端側の部分がヘッド板903に固定されている。このように、前後において剛性の高い部分に固定されているので、アッパーケース3およびロアーケース4の一体性、剛性が高くなる。よって、耐衝撃性の改善され、落下等により破損が起きることが少なくなる。
【0060】
(冷却機構)
次に、図7、図8、図9および図10を参照して、本例の投写型表示装置1における各発熱部分の冷却機構について説明する。
【0061】
本例の装置1における基本的な冷却用空気の流れは、平面的には、図8に示すような経路となる。装置1の底壁4aに形成した通気孔28を通って外部から冷却用吸引ファン15によって吸引された空気は、光学レンズユニット9の内部を通過して、装置の右側面に配置されている排気ファン16によって、再び外部に排出される。主要な空気流の流通経路は図8において太線で示してあるように、その一部の空気流1100は、平面的に見て、光学レンズユニット9を通過して、直線に排気ファン16に至り、ここを通過して外部に排出される。
【0062】
別の空気流1120は、光学レンズユニット9から光源ランプユニット8の前面側から、そのアウタハウジング804に形成されている通気孔804a、およびインナーハウジング803に形成されている通気孔808を介して、その内部に入り込む。ここを通過した後は、裏面側の排気口807を通過して、その裏側の排気ファン16を介して外部に排出される。
【0063】
これに対して、別の空気流1130は、光学レンズユニット9を介して、電源ユニット7の端に取り付けてある補助吸引ファン17によって吸引されて、電源ユニット7の内部に引き込まれ、この内部を通過して他端側から排気ファン16によって吸引されて外部に排出される。
【0064】
図9には、電源ユニット7の内部を通過する空気流1130の流通経路の立体的な流れを示してある。この図に示すように、空気流1130は、吸引ファン15によって外部から吸引された後に、光学レンズユニット9における各ライトバルブ925R、G、Bの入射側および出射側の表面に沿って上方に吹き上げられ、上ライトガイド901に開けた通気孔を通って、この上面とアッパーケースの上壁3aの裏面の間に入りこみ、これらの間に沿って横方向の流れる。次に、上ライトガイド901に開けた通気孔を通って、均一照明光学素子であるインテグレターレンズ921、922が配置されている光学レンズユニット9の部分を降下して、下ライトガイド902に開けた通気孔からその下側に回り込み、しかる後に、吸引ファン17を介して電源ユニット7の内部に導入される。この後は、排気ファン16の側に流れ、ここを介して外部に排出される。
【0065】
このように、本例では、補助の排気ファン17を配置して、強制的に電源ユニット7の内部に冷却用空気流を導入している。したがって、発熱源である電源ユニットの内部を効果的に冷却することができる。
【0066】
図7には、光源ランプユニット8を通過して流れる空気流1120の立体的な流れを示してある。この図に示すように、空気流1120は、上ライトガイド901とアパーケース上壁3aの裏面の間に沿って流れて、光源ランプユニット8の出射側の前端上部に至る。ここから光源ランプユニット8の各構成部分の表面に沿って流れて、後ろ側の排気ファン16に到る。すなわち、空気流1120は、アウターハウジング804の内外の表面に沿って流れると共に、インナーハウジング803の内外の表面に沿って流れる。さらには、リフレクタ806の表面に沿って流れる。
【0067】
このように、本例では、光軸に沿って光源ランプユニット8の前端側から後ろ側に向けて空気流1120が形成されて、ランプ805、リフレクタ806等の発熱源の周囲が効率良く冷却される。
【0068】
次に、本例では、図9、10から分かるように、アッパーケースの上壁3aの側にも、通気孔24が形成されている。したがって、例えば、吸気ファン15の通気孔28に取り付けたフィルタ29に目詰まりが発生して、ここを介して充分な外気を導入できなくなった場合には、次のように、上側の通気孔24から外気が導入される。図10に示すように、下側の通気孔28が詰まると、内部が負圧状態となるので、上側の通気孔24から外気が導入され、太線1140で示すような空気流が発生する。この空気流1140は通気孔24から導入されて下側の吸気ファン15に吸引され、ここを介して再び上方に吹き上げられる。一部は循環流となって吸気ファン15を介して循環する(勿論、このような循環流は下側の通気孔28に目詰まりが起きていない正常な場合でも発生している。)。それ以外の空気流は、上述したような各空気流1110、1120、1130として各部分を通過して流れて、排気ファン16から外部に排出される。
【0069】
ここで、下側の通気孔28の目詰まり時に上側の通気孔24からの外気の導入を効果的に行うことができるように、吸気ファン15の周囲には、封止板1150を取り付けてある。この封止板1150は、通気孔24に対応する部分には通気口が開いているが、その周囲は、下ライトガイド902、ヘッド板の底壁92の裏面に密着されている。従って、図10に示すような循環流が効率良く形成される。すなわち、上側の連通孔24からの外気の導入が効果的に行われる。
【0070】
このように、本例では、連通孔24を設けてあるので、吸気ファン15の側の外気導入用の連通孔28が詰まった場合でも、装置内部の冷却を支障なく行うことができる。また、封止板1150を取り付けてあるので、このような目詰まり状態において、吸気ファン15から離れた通気孔24からの外気の導入を効率良く行うことができる。
【0071】
(ライトバルブの位置決め機構)
次に、図4、図5を参照して、本例の液晶ライトバルブ925R、G、Bの位置決め機構について説明する。これら3枚のライトバルブの位置決め機構は同一であるので、一つのライトバルブ925Rの位置決め機構について説明する。
【0072】
ライトバルブ925Rが取付けられたライトバルブブロック1200は、ヘッド板903の底壁92の上面に固定されている。このライトバルブブロック1200は、この底壁92に取付けられる下調整板1210を有している。この下調整板1210には、左右一対の長孔1211、1212が形成されており、これらは光路方向に長い形状となっており、これらを介して、固定ねじ1213、1214によってヘッド板の底壁92に固定されている。
【0073】
この下調整板1210の上面には、光路に垂直となる状態でフォーカス調整板1220が取付けられている。このフォーカス調整板1220は、垂直壁1221と、この下端から水平に光路上流側に延びる底壁1222と、垂直壁1221の上端から水平に光路下流側に延びる上壁1223を備えている。底壁1222の中心にはダボ1224が形成され、これが下調整板1210によって回転可能に支持されている。よって、フォーカス調整板1220はこのダボ1224を通る垂線を中心として左右に旋回可能である。底壁1222は、一対の固定ねじ1225によって下調整板1210の側に固定されている。一方、フォーカス板1220の上壁1223は、固定ねじ1226によって、プリズムユニット910の上面を覆うカバー910aに固定されている。このねじ1226のねじ孔1227はねじ1226よりも大きな寸法に設定されており、したがって、ねじ1226を緩めれば、フォーカス調整板1220の位置を前後左右に僅かに移動させることが可能となっている。また、この上壁1223の先端部分にはノッチ1228が形成されている。プリズムユニットカバー910aの側には、このノッチ1228に対して所定の間隔で対峙する位置にもノッチ910bが形成されている。フォーカス板1220を取り付けた状態においては、これらのノッチの間には、マイナスドライバー等の刃先を差し込み可能な差し込み溝1229が形成される。固定ねじ1226等を僅かに緩めた状態で、この差し込み溝1229にドライバー等の刃先を差し込んで回転すると、フォーカス調整板1220は、プリズムユニット910に対して、ダボ1224を中心として垂線回りに旋回すると共に、光路方向(前後方向)にも移動する。
【0074】
このように光路方向に沿って前後に移動可能なフォーカス板1220の垂直壁1221には、これと平行な状態で垂直調整板1230が支持されている。すなわち、垂直壁1221の上下には垂直調整板支持部が形成され、これらの間に垂直調整板1230が挟まれている。この垂直調整板1230の下端はアイライメントばね1231を介してフォーカス板1220の下端側に支持され、上端側は、フォーカス板1220に取り付けた左右一対のアライメント調整ねじ1232、1233によって下方に押されている。したがって、この一対の調整ねじ1232、1233のねじ込み量を調整することにより、垂直調整板1230をフォーカス板1220に対して相対的に上下に移動させることができる。
【0075】
この垂直調整板1230には、これと平行な状態で水平調整板1240が支持されている。この水平調整板1240は、左右の一方の側にアライメント調整ばね1241で押され、他方の側は1本のアライメント調整ねじ1242によって押されている。したがって、このねじ1242のねじ込み量を調整することにより、水平調整板1240を垂直調整板1230に対して横方向に相対移動させることができる。この水平調整板1240の中央部分に、液晶ライトバルブ925Rが取付けられたライトバルブユニット1250が固定されている。
【0076】
この構成のライトバルブブロック1200は、これをヘッド板底壁92に固定した後には、下調整板1210を光路方向に沿って前後に調整すると共に、フォーカス板1220をダボ1224を中心として垂線の回りに旋回することにより、ライトバブル925Rのフォーカス位置、すなわち光路方向の位置決めを簡単に行うことができる。また、垂直調整板1230、水平調整板1240を上下、左右に移動させることにより、ライトバブル925Rのアライメント調整を行うことができる。
【0077】
ここで、本例のライトバブルブロック1200においては、3枚の板、すなわち、フォーカス調整板1220、垂直調整板1230および水平調整板1240は、左右の略中央部分、上端の中央部分の合計3箇所の位置で、U字状の調整板固定ばね1260によって固定されている。従来のように、これらの3枚の板を、固定ねじによって固定している場合とは異なり、フォーカス合わせ等を行う際に、固定ねじを緩める等の操作が不要であり、固定ばね1260を取り付けたまま調整することができるという利点がある。また位置決めを行った後に、従来のように固定ねじを締め付けて3枚の板を固定すると、締め付け動作によって、折角調整した3枚の板がずれてしまうおそれがあるが、本例では、このような操作が不要なので、調整後に3枚の板がずれるおそれはない。しかるに、位置決め後に、3枚の板を完全に一体化するために、本例では、3枚の板の上端部分に、接着剤溜1270を形成してある。この接着剤溜1270には、3枚の板の位置合わせが終わった後に、接着剤を流しこみ、これらを接着固定する。
【0078】
(高さ調整用フットの構造)
図14、15には、それぞれ、高さ調整用フット31R、31Lを示してある。これらの双方のフットは同一形状であり、その高さ調整機構も同一であるので、一方のフット31Lについて説明する。このフット31Lは、装置のフロントケース5の下端から露出している円盤状のフット本体311と、この上端から同軸状態に延びるシャフト312を有している。シャフト312は、ロアーケース4に固定支持されているフットアジャスタ板313によって上下に移動可能な状態で支持されており、その外周にはほぼ全長に渡って雄ねじ317が形成されている。
【0079】
フロントケース5の下端から前方に露出しているフットストッパーボタン32Lの裏面側には、板状のフットストッパ314が一体形成されている。このフットストッパー314には上記のシャフト312が貫通している貫通部315が形成されている。さらに、フットストッパばね316によって、常に、フットストッパ314は装置前方側に向けて押されている。したがって、このフットストッパ314の前側のボタン32Lは常にフロントケース5から前方に突出した状態に保持されている。この状態においては、フットストッパ314の貫通部315の内周面の一部分がシャフト312の外周面に所定の圧力で当たっている。この貫通部の内周面には、シャフトの雄ねじ317に螺合可能な雌ねじ318が形成されている。
【0080】
この構成の高さ調整用フット31Lは、ばね316によって上下の移動が禁止されている。しかるに、ボタン32Lをばね力に抗して押し込むと、そのフットストッパ314がシャフト312から外れる。この結果、フット31Lはフットアジャスタ板313に沿って上下に自由に移動可能となる。したがって、装置1を両手で持ち上げて、左右のボタン32L,Rを押せば、フット31L、31Rは自重により落下するので、フットを所定の長さだけ引き出すことができる。この後は、フットが目標とする長さだけ引き出された状態でボタン32L,Rを離せば、フットはその位置に固定される。
【0081】
この後は、フット自体を旋回させると、そのシャフト312が、ストッパ314の側のねじ318に沿って上下に微小移動する。したがって、ボタン32L、Rを押して大まかに調整したフット31L,Rの長さを、フット自体を回転させることにより、微調整することができる。このようにして、本例では、装置1の前端側の高さ調整を簡単な操作により、しかも短時間で行うことができ、装置1を希望の傾斜角度に設定することができる。
【0082】
(ハンドル取付け構造)
図17を参照して、ハンドル38の取付け構造を説明する。ハンドル38は、装置1の側面に形成されたハンドル収納用凹部3eに収納されている。ハンドル38はその一対の下端部分38a、38bを中心として旋回して、横に引き出した状態にできる。本例では、ハンドルの回転軸381の軸受け部分が、アッパーケースの側壁3bと、ロアーケース側壁4bを組み合わせることにより形成されるようになっている。また、ハンドルの下端部分38a、38bの周面には、僅かに突出した突出面383が形成されている。この突出面383によって、ハンドル38は図17(a)の実線で示す収納位置と、想像線で示す引出し位置に、所定の拘束力で固定されるようになっている。
【0083】
(制御系)
図25は本例の投写型表示装置1の制御系の概略ブロック図を示してある。図に示すように、インタフェース回路基板11上の形成されているインタフェース回路を介して、ビデオ信号が外部から入力される。通常のビデオ信号入力端子であるビデオ入力端子2011、SVHF信号の入力端子2012、コンピュータ出力R,G,B信号入力端子2013からのビデオ信号は、それぞれADコンバータ2015、2016、2017を介してAD変換される。ビデオ入力端子2011、2012からの入力ビデオ信号は、AD変換後にデジタルデコーダ2021を介してデコードされてVRAMコントローラ2031が搭載されている制御ブロック2030に供給される。
【0084】
デジタルデコーダ2021は、ビデオ信号をRGBの各8ビットの映像信号に変換し、変換誤の映像信号をVRAMコントローラ2030に出力する。また、入力されたビデオ信号の信号形態に関する情報をマイクロコントローラ2060の側に出力する。
【0085】
R、G,Bのビデオ入力信号はAD変換後にVRAMコントローラ2031に供給される。また、同期信号入力端子2018からの垂直同期信号V、水平同期信号Hは同期信号処理回路2040に供給される。音声情報は入力端子2050からボリューム2051を介して入力され、アンプ2052を介して、左右のスピーカー14R、14Lに供給される。
【0086】
2060は全体の制御を司るマイクロコントーラであり、同期信号処理回路からの信号と、制御ブロック2030に設定されているPCモード2032とに基づき、入力ビデオ信号がコンピュータ入力信号であるか否かを判別する。また、デジタルデコーダ2021から供給される判別信号2021Sに基づき入力ビデオ信号の形態を判別する。さらに、VRAMコントローラ2031によるVRAM2062への書き込み制御を行う。さらには、各液晶ライトバルブ925R、G、Bの書き込み動作を制御する。
【0087】
VRAM2062は、VRAMコントローラ2031によって展開された映像信号を記憶する。
【0088】
制御ブロック2070に搭載されているガンマ補正回路2071は、マイクロコントローラ2060からバスインタフェース2033を介して供給される入力ビデオ信号の形態に応じて、フラッシュメモリ2063からデジタルガンマ補正値を読みだして、映像信号に対するデジタルガンマ補正を行う。フラッシュメモリ2063にはデジタルガンマ変換データが信号形態毎に記憶されている。
【0089】
デジタルガンマ補正後のR、G、Bの各色の映像情報は、各液晶ライトバルブ925R、925G、925Bの駆動回路2080R、G、Bにそれぞれ供給される。各駆動回路においては、デジタル映像信号がDAコンバー2081を介してアナログ信号に変換され、増幅・アナログガンマ補正回路2082において、増幅されると共にアナログガンマ補正が施される。次に、交流電圧重畳回路2083において、アナログ映像信号は交番駆動電圧に重畳されて、LCD駆動用の交番駆動電圧の形態とされる。これが、サンプルホルダ2084に入力されて、6相のLCD駆動電圧が生成され、バッファ2085を介して各液晶ライトバルブの電極間に印加される。これにより液晶の各画素電極が映像信号に対応して駆動される。
【0090】
なおSRAM2064は作業用のメモリ領域であり、EEPROM2065はユーザーが指定した色の明るさ等の調整データを記憶保持するためのメモリである。
【0091】
(液晶ライトバルブの駆動方法)
本例においては、R、Bの映像信号を一次記憶するためのラインバッファ(FIFO)2064R、2064Bを備えている。これらに記憶された1画素ライン分の映像情報は、書き込まれた順序に従って読みだされて、駆動制御回路2080R、2080Bに出力される。これに対して、Gの映像信号を一次記憶するためのラインバッファ(FILO)2064Gは、最後に書き込まれた画素情報から順に読みだされて駆動制御回路2080Gに出力される。
【0092】
ここで、本例で使用している液晶ライトバルブ925R、925G、925Bは同一構造をしたマトリクス型表示パネルであり、前述した特開昭62−145218号、あるいは同62−254124号公報に開示されているものと同様な構造のものである。
【0093】
図26には、各ライトバルブ925R、G、Bでの1画素ライン分の映像情報の書き込みを示してある。この図に示すように、或るフレームあるいはフィールドの映像情報における1画素ライン分の情報のうち、R、Bについては、ラインバッファ2064R、2064Bを経由して、液晶バルブ925R、925Bの対応する画素ラインにおいてその選択駆動順に沿って書き込まれていく。これに対して、Gの1ライン分の情報については、ラインバッファ2064Gを経由して、1ラインの最後の情報から、その選択駆動方向に向けて書き込まれていく。このように、各液晶ライトバルブは同一構造であるのでその選択駆動方向は同一であるが、書き込まれる情報は、反転した光像が形成されてしまう液晶ライトバルブ925Gでは逆転している。したがって、本例では、同一構造の液晶ライトバルブを使用することが可能である。
【0094】
次に、本例では上記のように3枚の液晶ライトバルブとして共通パネルを使用しており、選択駆動方向が同一方向であるが、書き込まれる映像情報は、液晶ライトバルブGでは左右が反転している。この場合、これらの液晶ライトバルブを駆動する駆動電圧は、位相が同一の交番信号とすればよい。すなわち、図27に示すように、ライトバルブR、Bの各画素と、ライトバルブGの対応する各画素は同極性となるように駆動する。このように駆動すると、スクリーン上に形成される映像上においては、左右が反転した状態での対応関係となるので、逆極性の画素同志が重なりあうことになる。よって、このように各液晶ライトバルブを駆動すれば、駆動電圧の極性に起因した液晶の透過率の変動が原因となって発生するフリッカー等を抑制することができる。
【0095】
一方、本例においては、各液晶ライトバルブ925R、G、Bへの映像信号の書き込み動作を、次のように入力ビデオ信号の方式に応じて異ならせている。
【0096】
まず、コンピュータ入力であるRGB信号が入力される場合は次のようにしている。垂直方向の表示ライン数が200ラインを越えるビデオモードでは、フルライン駆動としている。すなわち、図30(a)に示すように、映像信号の各ラインの信号を、液晶ライトバルブの各ラインへの書き込み信号1ライン分に1対1に対応させている。なお、本例の液晶ライトバルブにおける垂直方向の有効表示ライン数は480本である。したがって、表示ライン数が480本に満たないビデオモードの場合には、非表示のライン部分は黒レベル表示として処理している。
【0097】
しかるに、走査ライン数が200以下のビデオモードでは、液晶ライトバルブをダブルスキャン駆動方式によって駆動している。すなわち、図30(b)に示すように、映像信号の各ライン信号を液晶ライトバルブの2画素ラインに書き込むようにしている。
【0098】
次に、入力信号が、日本国内のTV放送規格であるNTSC方式の場合には、良く知られているように、奇偶2フィールドで1画面(フレーム)が構成され、1フレームの走査線数が525本である。本例では、液晶ライトバルブを1フィールドの映像信号のみで1画面を構成するハーフライン駆動により駆動すると共に、次のように各フィールドの表示を行うようにしている。
【0099】
まず、図31(a)に示すように、奇数フィールドでは映像1ライン目を液晶ライトバルブの1および2ラインに対して倍速変換して書き込むための書き込み信号を生成する。以後同様にして、映像1ライン分を、液晶ライトバルブの隣接する2ラインに対して倍速変化して書き込む。(ラインペア駆動方式)。これに対して、偶数フィールドでは、図31(b)に示すように、映像1ライン目をそのまま液晶ライトバルブの1ラインに書き込む。以後は、映像1ライン分を、液晶ライトバルブの隣接する2ラインに対して倍速変換して書き込むようにしている。
【0100】
一方、PAL/SECAM方式のビデオ信号の場合には、1フレームの走査線数は625本である。本例では、次のようにして液晶ライトバルブのハーフライン駆動を行っている。
【0101】
まず、図32(a)に示すように、奇数フィールドでは映像1ライン目を液晶ライトバルブの1、2ラインに倍速変換して書き込む。同様に映像2ライン目を液晶ライトバルブの3、4ラインに倍速変換して書き込む。しかし、次の映像3ライン目はライトバルブの5ラインにのみ書き込み。以後は、同様にして、映像3ライン分づつを、ライトバルブに対して2、2、1ラインつづに割り当てるように書き込み動作を行う(変則ラインペア駆動)。これに対して、偶数フィールドでは、図32(b)に示すように、映像1ライン目をライトバルブの1ラインに書き込み、映像2ライン目をライトバルブの2、3ラインに倍速変換して書き込み、映像3ライン目をライトバルブの4ラインのみに書き込む。以後は、映像3ライン分づつを、ライトバルブに対して、2、2、1ラインづつに割り当てるように書き込み動作を行う。
【0102】
このように、本例では、走査線本数の多いPAL/SECAM方式のビデオ信号を表示する場合には、映像3ラインのうちの1ライン分は倍速変換せずに、ライトバルブの1ラインにのみ書き込むようにしている。この結果として、ライトバルブに書き込まれる映像信号は、NTSC方式の場合のように各映像1ライン分を倍速変換してライトバルブに書き込む場合に比べて、5/6に圧縮された状態となる。なお、本例では、映像3ラインを、ライトバルブに対して、2、2、1ラインづつに割り当てるようにしている。この割り当て順序は、2、1、2でもよいし、1、2、2であってもよい。
【0103】
ここで、従来において、NTSC方式の場合に比べて走査線数の多いPAL/SECAM方式のビデオ信号を液晶パネル等によって表示する場合には、映像信号のうちの所定本数のラインを間引き処理することにより全体として5/6にデータ圧縮して有効表示数が480本に対応するようにしていた。しかし、この方法では、圧縮処理により欠落する映像信号ラインが発生する。この結果、例えば、図33に示すような真円等の曲線図形を表示する場合には、データ圧縮処理のために不連続な表示形態となるおそれがある。
【0104】
しかし、本例の映像信号の処理方法である変則ラインペア駆動によれば、欠落する映像ラインは無いので、このような弊害を回避できる。また、データ圧縮のためにこのような映像データの間引き処理が不要となる。
【0105】
(ガンマ補正方法)
本例では、各液晶ライトバルブ925R、G、Bに入力される映像信号に対しては、デジタル式とアナログ式の混合したガンマ補正が施される。すなわち、ガンマ補正回路2071では、各液晶ライトバルブ925R、G、Bの印加電圧−透過率(V−T)特性に基づき、予めフラッシュメモリ2063に記憶されているデジタルガンマ補正値の変換テーブルに従ってデジタルガンマ補正を行う。次に、映像信号を、増幅・アナログガンマ補正回路2082において、所定の範囲の部分のみに対してアナログガンマ補正を施している。
【0106】
本例では、図29におけるV−T曲線にしたがって、映像信号に対して全体的にデジタルガンマ補正を施している。補正は、透過率が零から100%までの印加電圧を16階調に等分して行っている。デジタルガンマ補正の後は、透過率が実質的に零である黒側から3階調分をアナログガンマ補正して直線近似するようにしている。
【0107】
すなわち、透過率が零である黒側から白側にむけての3階調分くらいの間では、図に示すように、V−T曲線の変化率が急激である。したがって、この部分をデジタルガンマ補正しようとすると、データ数が多く必要とする。本例では、256ビットデータを用いてデジタル補正を行っているので、この部分への割り当てデータ数が多いと、他の部分への割り当て数が減る。これでは、全体的なガンマ補正の精度が荒くなってしまう。したがって、データ数を多く必要とする部分である黒から3階調分の部分も他の部分と同様な補正データ数を割り当てて、近似的なデジタル補正を行い、後段においてこの部分を再度アナログ補正するようにしている。アナログ補正では、この部分を直線近似により補正を行っている。このように、本例では、デジタルガンマ補正を施した後に、一部分の映像データに対して再度アナログ補正を施すことにより、全体として、精度のよいガンマ補正を実現している。
【0108】
これに加えて、本例では、フラッシュメモリ2063内に予め入力映像信号の信号形態に応じて、異なるデジタルガンマ補正用の変換テーブルを用意してある。そして、入力映像信号の種類に応じて、対応する補正テープルを検索するようにしている。このため、入力映像信号が異なる形態となっても、常に適切なガンマ補正を施すことができる。なお、入力映像信号に応じたガンマ補正値は、予め記憶しておく代わりに、演算回路を用いて演算するようにしていもよい。
【0110】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、各プリズムの反射面に、3つの露出側面が形成される。よって、これらの露出側面を4個の三角プリズムの貼り合わせの際の位置決め用の基準面として利用すれば、正確に4個の三角プリズムを貼り合わせを行うことができ、その中心も正確に規定することができる。
【0111】
さらには、これらの露出側面を利用すれば、投写型表示装置の組立ての際、プリズムの中心が装置内で正確に位置決めされた状態で組み込むことが容易となるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である投写型表示装置の外観形状を示す図である。
【図2】図1の装置の内部の各部品の配置を示す図であり、(a)はその平面的な配置を示す図、(b)はその立体的な配置を示す図である。
【図3】光学レンズユニットと投写レンズユニットの部分を取り出して示す図であり、(a)はその概略平面構成図、(b)はその概略断面構成図である。
【図4】ヘッド板、プリズムユニットおよび投写レンズユニットを取り出して示す図であり、(a)はその概略平面図、(b)はその概略断面図である。
【図5】ライトバルブブロックを示す図であり、(a)はその平面図、(b)はその正面図、(c)はその側面図である。
【図6】ヘッド板の形状を示す概略正面図である。
【図7】光源ランプユニットの構成を示す概略断面構成図である。
【図8】冷却空気流の平面的な流れを示す説明図である。
【図9】冷却空気流の立体的な流れを示す説明図である。
【図10】冷却空気流の立体的な流れを示す説明図である。
【図11】基板の配置を示すための説明図である。
【図12】基板の配置を示すための説明図である。
【図13】基板の配置を示すための説明図である。
【図14】高さ調整フットの構造を示す部分断面図である。
【図15】高さ調整フットの構造を示す部分断面図である。
【図16】アッパーケースとロアーケースの固定構造を示す部分断面図である。
【図17】ハンドル取付け部分の構造を示す部分断面図である。
【図18】図1の装置の重心位置を示す説明図である。
【図19】図1の装置に組み込まれている光学系の概略構成図である。
【図20】プリズムユニットの位置ずれの例を示す説明図である。
【図21】従来のプリズムユニットの貼り合わせ方法を説明するための説明図である。
【図22】本例のプリズムユニットの貼り合わせ方法を説明するための説明図である。
【図23】プリズムユニット固定板の形状を示す説明図である。
【図24】プリズムユニットの好ましい例を示す説明図である。
【図25】本例の投写型表示装置の制御系の概略ブロック図である。
【図26】各色の液晶ライトバルブへの書き込み制御を示す説明図である。
【図27】各色の液晶ライトバルブにおける各画素の駆動電圧極性を示す説明図である。
【図28】従来における構造の異なる液晶ライトバルブを用いた場合の各画素の駆動電圧極性を示す説明図である。
【図29】液晶の印加電圧−透過率特性を示すグラフである。
【図30】(a)および(b)はRGB信号の液晶ライトバルブへの書き込み駆動制御を示す説明図である。
【図31】(a)および(b)はNTSC方式のビデオ信号の液晶ライトバルブへの書き込み駆動制御を示す説明図である。
【図32】(a)および(b)はPAL/SECAM方式のビデオ信号の液晶ライトバルブへの書き込み駆動制御を示す説明図である。
【図33】従来の映像データの圧縮制御による弊害の例を示す説明図である。
【図34】1/2波長板の構成を示す説明図である。
【図35】1/2波長板を配置した緑光束の光学系の一部を示す部分構成図である。
【符号の説明】
1 投写型表示装置
1a 光軸
2 外装ケース
3 アッパーケース
4 ロアーケース
6 投写レンズユニット
7 電源ユニット
8 光源ランプユニット
9 光学レンズユニット
910 プリズムユニット(ダイクロイックプリズム)
910a、910b、910c、910d 三角プリズム
910e、910f 位置合わせ面(露出側面)
910j 直交する位置合わせ面(露出面)
911 プリズムユニット固定板
924 色分離手段
925R、925G、925B ライトバルブ[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to a dichroic prism, a prism unit, a projection display device using the same, and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
The projection display apparatus basically includes a light source, color separation means for separating a white light beam emitted from the light source into three primary color light beams, and three liquid crystal light valves for modulating the separated light beams of the respective colors. And a color synthesizing means for synthesizing modulated light beams of respective colors modulated through these liquid crystal light valves, and a projection lens for enlarging and projecting the synthesized modulated light beams on a screen.
[0003]
A dichroic prism is known as a color synthesizing unit. Such a dichroic prism is disclosed, for example, in JP-B-39-20049 and JP-A-62-1391 by the present applicant. As disclosed in these publications, the dichroic prism is configured by bonding four identically shaped triangular prisms to each other. A reflection layer such as a dielectric film having selective reflection characteristics of a predetermined color is formed on the X-shaped bonding surface.
[0004]
Here, if these four prisms are not adhered accurately, the images of the respective colors synthesized via the obtained dichroic prisms will not be aligned on the screen, and the image quality will be degraded. For example, as shown in FIG. 20, if the bonding surface has a step, such a problem occurs. As a method for accurately bonding the prisms, as shown in FIG. 21, a pair of
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in this method, although alignment can be performed in one direction, alignment in a direction orthogonal to this direction cannot be performed. That is, the center of the X-shaped bonding surfaces of the four bonded prisms may not be able to be accurately obtained.
[0006]
SUMMARY OF THE INVENTION In view of this point, the present invention is to enable a dichroic prism used as a color synthesizing unit in a projection display device or the like to accurately bond four triangular prisms.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The projection display apparatus according to the present invention includes a light source, a color separation unit that separates a light beam emitted from the light source into light beams of three colors, and a light source that modulates each of the separated light beams based on a given video signal. A liquid crystal light valve, a color synthesizing means for synthesizing modulated light fluxes of respective colors modulated through these liquid crystal light valves, and a projection lens for enlarging and projecting the synthesized modulated light flux onto a screen. In the above, the color synthesizing means is a generally square prism-shaped dichroic prism formed by bonding first to fourth triangular prisms to each other, and the third triangular prism of the first triangular prism is A first exposed side surface is formed on the bonding surface of the second triangular prism, and a second exposed side surface is formed on the bonding surface of the second triangular prism with the fourth triangular prism. It is, wherein the bonding surface of the first triangular prism and the second triangular prism, wherein the third exposure sides of are formed. Further, a prism fixing plate is fixed to a bottom wall of the dichroic prism.
The dichroic prism of the present invention is a dichroic prism having a square prism shape as a whole, which is formed by bonding first to fourth triangular prisms to each other. A first exposed side surface is formed on a bonding surface of the second triangular prism, and a second exposed side surface is formed on a bonding surface of the second triangular prism with the fourth triangular prism. A third exposed side surface is formed on a bonding surface between the first triangular prism and the second triangular prism.
The prism unit of the present invention includes a dichroic prism having a quadrangular prism shape as a whole formed by bonding first to fourth triangular prisms to each other, and a prism fixing plate fixed to a bottom wall of the dichroic prism. A prism unit, wherein a first exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism with the third triangular prism, and the fourth triangular prism has a fourth exposed side surface. A second exposed side surface is formed on the bonding surface with the triangular prism, and a third exposed side surface is formed on the bonding surface with the first triangular prism and the second triangular prism. It is characterized by having.
In the method for manufacturing a dichroic prism according to the present invention, the first triangular prism and the third triangular prism are bonded to each other so that a first exposed side surface is formed at one end of the bonded surfaces . Forming a prism composite, bonding the second triangular prism and the fourth triangular prism together such that a second exposed side surface is formed on one end side of the bonding surfaces of the second and third prisms; Forming a composite, and combining the first prism composite and the second prism composite with a third exposed side surface on a bonding surface of the first prism and the second prism. And laminating so as to be formed.
In the method for manufacturing a prism unit of the present invention, the first triangular prism and the third triangular prism are attached to each other such that a first exposed side surface is formed on one end side of the attached surfaces . Forming a prism composite, bonding the second triangular prism and the fourth triangular prism together such that a second exposed side surface is formed on one end side of the bonding surfaces of the second and third prisms; forming a composite, wherein the first flop rhythm composite, said second prism composite, the third exposure side of the bonding surface between the first prism and the second prism And a step of fixing a prism fixing plate to the bottom wall of the dichroic prism by bonding together to form a dichroic prism.
[0009]
[Action]
According to the present invention, three exposed side surfaces are formed on the bonding surface of each prism. Therefore, if these exposed side surfaces are used as positioning reference surfaces for bonding the four triangular prisms, the bonding can be performed accurately.
[0010]
【Example】
Hereinafter, a projection display device according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0011]
(overall structure)
FIG. 1 shows the appearance of the projection display device of the present embodiment. The
[0012]
FIG. 2 shows an arrangement of each component inside the
[0013]
(Structure of outer case)
As shown in FIG. 1, the
[0014]
An
[0015]
A
[0016]
Height adjusting feet 31 (31R, 31L) are arranged at the left and right corners of the front end of the
[0017]
On the other hand, the
[0018]
An
[0019]
A
[0020]
Exhaust holes 43 are formed in the
[0021]
(Light source lamp unit)
The light
[0022]
The
[0023]
(Optical lens unit)
The
[0024]
(Optical system)
Here, an optical system incorporated in this example will be described. FIG. 19 shows only the optical system of the
[0025]
As the
[0026]
The color separation
[0027]
Condensing
[0028]
The red and green luminous fluxes R and G among the parallelized luminous fluxes R, G and B are incident on the liquid crystal
[0029]
The
[0030]
Next, each color light flux modulated through each of the
[0031]
Here, in the optical system of the present example, in addition to the above-described configuration, it is preferable that a half-wave plate is disposed on the path of the light flux of each color to align the light flux of each color with S-polarized light. When only S-polarized light can be used in this way, the color separation of the dichroic mirror is improved as compared with the case where random polarized light in which P-polarized light and S-polarized light are mixed is used as it is. Further, the
[0032]
In this case, as shown in FIG. 34, a half-wave plate 3002 is attached to one side of a transparent glass substrate 3001, and a polarizing plate 3003 is attached to the surface of the half-wave plate 3002. May be used. When applied to this example, for example, those arranged on the red and blue optical paths are provided with a non-reflective coating on the surface 3001a of the glass substrate and the surface 3003a of the polarizing plate, respectively, to improve the transmittance, and In the arrangement on the optical path, a green filter may be attached to the glass substrate surface 3001a, and the polarizing plate surface 3003a may be left untreated. In addition, it is preferable to obtain an image having a high CR ratio as a whole by using a polarizing plate 3003 that is dark but has a high CR ratio (degree of polarization) as a laminated plate disposed on the green optical path.
[0033]
FIG. 35 shows an example in which a half-wave plate is arranged on the green optical path of the optical system of this example. This figure is a view from the top, and the transmission axis of the enlarged and projected image is the top and bottom direction. The transmission axis of the light beam incident on the liquid crystal light valve is in the vertical direction, and the transmission axis of the polarizing plate 3003 attached to the half-wave plate 3002 is in a direction orthogonal to this. Further, the transmission axis of the polarizing plate 3004 disposed on the emission side of the liquid crystal
[0034]
(Prism unit 910)
Next, the
[0035]
The
[0036]
In the
[0037]
Also, the
[0038]
That is, in this example, the
[0039]
In this example, the
[0040]
(Prevention mechanism for optical crosstalk, etc.)
Next, in the
[0041]
Note that, in addition to the above-described filter 912, a filter that absorbs the red light beam may be attached to the incident surface side of the blue modulated light beam.
[0042]
(Power supply unit)
As shown in FIG. 2, the
[0043]
The
[0044]
Here, the
[0045]
Furthermore, the
[0046]
On the other hand, in the
[0047]
Further, an
[0048]
Further, in the
[0049]
As described above, in this example, since the power supply path extending from the
[0050]
(Arrangement of substrate)
The arrangement of the
[0051]
As can be seen from FIG. 13, the
[0052]
Here, the electrical connection between the substrates is as follows. First, on the surface of the
[0053]
As described above, in the present example, the connection between the substrates is formed without leading the lead wire or the like. Therefore, the number of noise sources is small, and generation of noise can be suppressed.
[0054]
Further, in this example, as can be seen from FIG. 11, the corner portion of the outer peripheral edge of the
[0055]
(Structure of the head plate)
The shape of the
[0056]
As described above, since the
[0057]
The cooling
[0058]
Here, as can be seen from FIGS. 2B and 4A,
[0059]
As described above, in the present example, as described above, the
[0060]
(Cooling mechanism)
Next, with reference to FIGS. 7, 8, 9 and 10, a description will be given of a cooling mechanism of each heat generating portion in the
[0061]
The basic flow of the cooling air in the
[0062]
Another
[0063]
On the other hand, another
[0064]
FIG. 9 shows a three-dimensional flow of a flow path of an
[0065]
As described above, in this example, the
[0066]
FIG. 7 shows a three-dimensional flow of the
[0067]
As described above, in this example, the
[0068]
Next, in this example, as can be seen from FIGS. 9 and 10, a
[0069]
Here, a
[0070]
Thus, in this example, since the
[0071]
(Positioning mechanism of light valve)
Next, a positioning mechanism of the liquid crystal
[0072]
The
[0073]
A
[0074]
As described above, the
[0075]
The
[0076]
After fixing the
[0077]
Here, in the
[0078]
(Structure of height adjustment foot)
FIGS. 14 and 15 show
[0079]
A plate-shaped
[0080]
Up and down movement of the
[0081]
Thereafter, when the foot itself is turned, the
[0082]
(Handle mounting structure)
The mounting structure of the
[0083]
(Control system)
FIG. 25 is a schematic block diagram of a control system of the
[0084]
The
[0085]
The R, G, and B video input signals are supplied to the
[0086]
[0087]
The
[0088]
The
[0089]
The video information of each color of R, G, B after the digital gamma correction is supplied to the driving
[0090]
The SRAM 2064 is a working memory area, and the
[0091]
(How to drive the liquid crystal light valve)
In this example, line buffers (FIFO) 2064R and 2064B for temporarily storing R and B video signals are provided. The video information for one pixel line stored in these is read out in the order of writing and output to the
[0092]
Here, the liquid crystal
[0093]
FIG. 26 shows writing of video information for one pixel line in each of the
[0094]
Next, in this example, the common panel is used as the three liquid crystal light valves as described above, and the selection drive direction is the same direction. ing. In this case, the driving voltages for driving these liquid crystal light valves may be alternating signals having the same phase. That is, as shown in FIG. 27, the pixels of the light valves R and B and the corresponding pixels of the light valve G are driven to have the same polarity. When driven in this manner, on an image formed on the screen, the correspondence is in a state where the left and right are reversed, and pixels having opposite polarities overlap each other. Thus, by driving each liquid crystal light valve in this way, flicker and the like generated due to fluctuation in the transmittance of the liquid crystal due to the polarity of the driving voltage can be suppressed.
[0095]
On the other hand, in the present example, the operation of writing the video signal to each of the liquid crystal
[0096]
First, when an RGB signal which is a computer input is input, the following is performed. In the video mode in which the number of display lines in the vertical direction exceeds 200 lines, full-line driving is performed. That is, as shown in FIG. 30A, the signal of each line of the video signal is made to correspond one-to-one with one line of the write signal to each line of the liquid crystal light valve. Note that the number of effective display lines in the vertical direction in the liquid crystal light valve of this example is 480. Therefore, in the video mode in which the number of display lines is less than 480, the non-display line portion is processed as black level display.
[0097]
However, in the video mode in which the number of scanning lines is 200 or less, the liquid crystal light valve is driven by the double scan driving method. That is, as shown in FIG. 30B, each line signal of the video signal is written to two pixel lines of the liquid crystal light valve.
[0098]
Next, when the input signal is of the NTSC system, which is a Japanese TV broadcasting standard, as is well known, one screen (frame) is composed of odd and even two fields, and the number of scanning lines in one frame is reduced. There are 525. In this example, the liquid crystal light valve is driven by half-line driving that constitutes one screen only with the video signal of one field, and the display of each field is performed as follows.
[0099]
First, as shown in FIG. 31 (a), in the odd field, a write signal for writing the first line of the video at double speed conversion to the first and second lines of the liquid crystal light valve is generated. Thereafter, in the same manner, one line of video is written at two times the speed of two lines adjacent to the liquid crystal light valve. (Line pair driving method). On the other hand, in the even field, as shown in FIG. 31B, the first line of the video is written as it is to one line of the liquid crystal light valve. After that, one line of video is double-speed converted and written to two lines adjacent to the liquid crystal light valve.
[0100]
On the other hand, in the case of a PAL / SECAM video signal, the number of scanning lines in one frame is 625. In this example, half line driving of the liquid crystal light valve is performed as follows.
[0101]
First, as shown in FIG. 32 (a), in the odd field, the first line of the image is double-speed converted and written into the first and second lines of the liquid crystal light valve. Similarly, the second line of the image is double-speed converted and written to the third and fourth lines of the liquid crystal light valve. However, the third line of the next video was written only on
[0102]
As described above, in this example, when displaying a video signal of the PAL / SECAM system having a large number of scanning lines, one of three video lines is not double-speed-converted, and is converted to only one line of the light valve. I try to write. As a result, the video signal written to the light valve is in a state of being compressed to 5/6 as compared to the case where one line of each video is double-speed converted and written to the light valve as in the case of the NTSC system. In this example, three lines of video are allocated to the light valve in units of 2, 2, and 1 lines, respectively. This allocation order may be 2, 1, 2, or 1, 2, 2.
[0103]
Here, conventionally, when a PAL / SECAM video signal having a larger number of scanning lines than that of the NTSC system is displayed on a liquid crystal panel or the like, a predetermined number of lines of the video signal are thinned out. As a result, data is compressed to 5/6 as a whole, so that the effective display number corresponds to 480 lines. However, in this method, a missing video signal line is generated due to the compression processing. As a result, for example, when a curved figure such as a perfect circle as shown in FIG. 33 is displayed, there is a possibility that a discontinuous display form may occur due to the data compression processing.
[0104]
However, according to the irregular line pair driving which is the method of processing a video signal of the present example, there is no missing video line, so that such an adverse effect can be avoided. Further, such data thinning processing is not required for data compression.
[0105]
(Gamma correction method)
In this example, a mixed digital and analog gamma correction is performed on the video signal input to each of the liquid crystal
[0106]
In this example, digital gamma correction is performed on the entire video signal according to the VT curve in FIG. The correction is performed by equally dividing the applied voltage having a transmittance of zero to 100% into 16 gradations. After the digital gamma correction, three gradations from the black side where the transmittance is substantially zero are subjected to analog gamma correction to approximate a straight line.
[0107]
That is, as shown in the figure, the rate of change of the VT curve is abrupt between about three gradations from the black side to the white side where the transmittance is zero. Therefore, in order to perform digital gamma correction on this portion, a large number of data is required. In this example, since the digital correction is performed using 256-bit data, if the number of data allocated to this part is large, the number of allocations to other parts is reduced. In this case, the accuracy of the overall gamma correction is reduced. Therefore, a portion corresponding to three gradations from black, which is a portion requiring a large number of data, is assigned the same number of correction data as the other portions, and an approximate digital correction is performed. I am trying to do it. In the analog correction, this portion is corrected by linear approximation. As described above, in this example, after performing the digital gamma correction, the analog correction is performed again on a part of the video data, thereby realizing highly accurate gamma correction as a whole.
[0108]
In addition to this, in this example, different conversion tables for digital gamma correction are prepared in advance in the
[0110]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention , three exposed side surfaces are formed on the reflection surface of each prism. Therefore, if these exposed side surfaces are used as a reference plane for positioning at the time of bonding the four triangular prisms, the four triangular prisms can be bonded accurately, and the center thereof is also precisely defined. can do.
[0111]
Furthermore, the use of these exposed side surfaces has the advantage that, when assembling the projection display device, it is easy to incorporate the prism while the center of the prism is accurately positioned in the device .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an external shape of a projection display device according to an embodiment of the present invention.
FIGS. 2A and 2B are diagrams showing the arrangement of each component inside the apparatus of FIG. 1, wherein FIG. 2A is a diagram showing its planar arrangement, and FIG. 2B is a diagram showing its three-dimensional arrangement.
FIGS. 3A and 3B are diagrams illustrating a part of an optical lens unit and a projection lens unit, which are taken out and shown, wherein FIG. 3A is a schematic plan view and FIG.
4A and 4B are diagrams illustrating a head plate, a prism unit, and a projection lens unit, which are taken out and shown, wherein FIG. 4A is a schematic plan view, and FIG.
5A and 5B are views showing a light valve block, wherein FIG. 5A is a plan view, FIG. 5B is a front view, and FIG. 5C is a side view.
FIG. 6 is a schematic front view showing the shape of a head plate.
FIG. 7 is a schematic sectional configuration diagram showing a configuration of a light source lamp unit.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a planar flow of a cooling air flow.
FIG. 9 is an explanatory diagram showing a three-dimensional flow of a cooling air flow.
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a three-dimensional flow of a cooling air flow.
FIG. 11 is an explanatory diagram showing an arrangement of substrates.
FIG. 12 is an explanatory diagram showing an arrangement of substrates.
FIG. 13 is an explanatory diagram showing an arrangement of substrates.
FIG. 14 is a partial sectional view showing a structure of a height adjusting foot.
FIG. 15 is a partial sectional view showing a structure of a height adjusting foot.
FIG. 16 is a partial cross-sectional view showing a fixing structure of an upper case and a lower case.
FIG. 17 is a partial cross-sectional view showing a structure of a handle attachment portion.
FIG. 18 is an explanatory diagram showing the position of the center of gravity of the apparatus of FIG. 1;
FIG. 19 is a schematic configuration diagram of an optical system incorporated in the apparatus of FIG.
FIG. 20 is an explanatory diagram illustrating an example of a displacement of a prism unit.
FIG. 21 is an explanatory diagram for describing a conventional prism unit bonding method.
FIG. 22 is an explanatory diagram for explaining a method of bonding the prism units of the present example.
FIG. 23 is an explanatory diagram showing a shape of a prism unit fixing plate.
FIG. 24 is an explanatory view showing a preferred example of a prism unit.
FIG. 25 is a schematic block diagram of a control system of the projection display device of the present example.
FIG. 26 is an explanatory diagram showing writing control of a liquid crystal light valve of each color.
FIG. 27 is an explanatory diagram showing drive voltage polarities of each pixel in the liquid crystal light valve of each color.
FIG. 28 is an explanatory diagram showing drive voltage polarities of respective pixels when a conventional liquid crystal light valve having a different structure is used.
FIG. 29 is a graph showing an applied voltage-transmittance characteristic of a liquid crystal.
FIGS. 30 (a) and (b) are explanatory diagrams showing drive control for writing an RGB signal to a liquid crystal light valve.
FIGS. 31 (a) and (b) are explanatory diagrams showing drive control for writing a NTSC video signal to a liquid crystal light valve.
FIGS. 32 (a) and (b) are explanatory diagrams showing drive control of writing a PAL / SECAM video signal to a liquid crystal light valve.
FIG. 33 is an explanatory diagram showing an example of an adverse effect due to the conventional video data compression control.
FIG. 34 is an explanatory diagram showing a configuration of a half-wave plate.
FIG. 35 is a partial configuration diagram showing a part of an optical system of a green light beam in which a half-wave plate is arranged.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
910a, 910b, 910c, 910d
910j Orthogonal alignment surface (exposed surface)
911 prism
Claims (6)
前記色合成手段は、第1ないし第4の三角プリズムを相互に貼り合わせることにより構成された全体として四角柱状のダイクロイックプリズムであり、
前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、
前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、
前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とする投写型表示装置。A light source, color separation means for separating the light beam emitted from the light source into three color light beams, three liquid crystal light valves for modulating the separated light beams based on a given video signal, and these liquid crystals In a projection display device including a color combining unit that combines modulated light beams of each color modulated via a light valve, and a projection lens that enlarges and projects the combined modulated light beam on a screen,
The color synthesizing unit is a dichroic prism having a quadrangular prism shape as a whole formed by bonding first to fourth triangular prisms to each other,
A first exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism with the third triangular prism,
A second exposed side surface is formed on a bonding surface of the second triangular prism with the fourth triangular prism,
A projection display device, wherein a third exposed side surface is formed on a bonding surface between the first triangular prism and the second triangular prism.
前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、
前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、
前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とするダイクロイックプリズム。A quadratic prism-shaped dichroic prism formed by bonding first to fourth triangular prisms together,
A first exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism with the third triangular prism,
A second exposed side surface is formed on a bonding surface of the second triangular prism with the fourth triangular prism,
A dichroic prism, wherein a third exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism and the second triangular prism.
前記第1の三角プリズムの前記第3の三角プリズムとの貼り合わせ面には第1の露出側面が形成されており、
前記第2の三角プリズムの前記第4の三角プリズムとの貼り合わせ面には第2の露出側面が形成されており、
前記第1の三角プリズムと前記第2の三角プリズムとの貼り合わせ面には、第3の露出側面が形成されていることを特徴とするプリズムユニット。A prism unit comprising: a generally square prism-shaped dichroic prism formed by bonding first to fourth triangular prisms to each other; and a prism fixing plate fixed to a bottom wall of the dichroic prism. ,
A first exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism with the third triangular prism,
A second exposed side surface is formed on a bonding surface of the second triangular prism with the fourth triangular prism,
A prism unit, wherein a third exposed side surface is formed on a bonding surface of the first triangular prism and the second triangular prism.
第2の三角プリズムと第4の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第2の露出側面が形成されるように貼り合わせて第2のプリズム合成体を形成する工程と、
前記第1のプリズム合成体と、前記第2のプリズム合成体とを、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの貼り合わせ面に第3の露出側面が形成されるように貼り合わせる工程と、
を有することを特徴とするダイクロイックプリズムの製造方法。Bonding a first triangular prism and a third triangular prism such that a first exposed side surface is formed on one end side of a bonding surface of each other to form a first prism composite;
Bonding a second triangular prism and a fourth triangular prism such that a second exposed side surface is formed on one end side of the bonding surfaces of each other to form a second prism composite;
Bonding the first prism composite and the second prism composite such that a third exposed side surface is formed on a bonding surface of the first prism and the second prism. When,
A method for manufacturing a dichroic prism, comprising:
第2の三角プリズムと第4の三角プリズムとを、互いの貼り合わせ面の一端側に第2の露出側面が形成されるように貼り合わせて第2のプリズム合成体を形成する工程と、
前記第1のプリズム合成体と、前記第2のプリズム合成体とを、前記第1のプリズムと前記第2のプリズムとの貼り合わせ面に第3の露出側面が形成されるように貼り合わせてダイクロイックプリズムを形成する工程と、
前記ダイクロイックプリズムの底壁に、プリズム固定板を固定する工程と、
を有することを特徴とするプリズムユニットの製造方法。Bonding a first triangular prism and a third triangular prism such that a first exposed side surface is formed on one end side of a bonding surface of each other to form a first prism composite;
Bonding a second triangular prism and a fourth triangular prism such that a second exposed side surface is formed on one end side of the bonding surfaces of each other to form a second prism composite;
The first prism composite and the second prism composite are bonded together such that a third exposed side surface is formed on a bonding surface of the first prism and the second prism. Forming a dichroic prism;
Fixing a prism fixing plate to the bottom wall of the dichroic prism,
A method for manufacturing a prism unit, comprising:
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