JP3573367B2 - 微小変位測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
【0002】
【従来の技術】
従来、光磁気ディスク用の光学ヘッドに使用されているフォーカスエラー信号を用いたフォーカスサーボ方式としては、非点収差法、臨界角法、ナイフエッジ法などが知られている。この中において、非点収差法は光磁気ディスク用として用いられる他、コンパクトディスク、レーザディスクを含む光ディスク全般に用いられている。非点収差法に関する公知技術としては、特公昭53−39123号公報に「自動焦点調整装置」、特公昭57−12188号公報に「動いているデータキャリア上に読取光ビームを集束させる装置」、特公昭60−48949号公報に「光ビームで情報を読み取る装置」、特公昭61−61178号公報に「自動焦点調節法」としてそれぞれ開示されている。
【0003】
図10は、光ピックアップ装置における非点収差法の動作原理を示したものである。半導体レーザ(図示せず)から出射した光は、コリメートレンズ(図示せず)によりコリメートされ、ビームスプリッタ1を透過して対物レンズ2により集光されて光ディスク3の面上に照射され、これにより情報の記録等が行われる。また、光ディスク3からの反射光は、対物レンズ2を透過し、ビームスプリッタ1により今度は反射され、集光レンズ4、円筒レンズ5を順次透過して非点収差が発生したビーム6となり、このビーム6は4分割受光面a,b,c,dをもつ受光素子7に導かれる。そして、その受光素子7の出力がアンプ8に送られることによりフォーカスエラー信号Feが検出される。
【0004】
この場合、光ディスク3の合焦時には、その光ディスク3からの反射光のビーム6の形状は、受光素子7の4分割受光面a,b,c,dにおいて円形となる。この時、差動出力{(a+c)−(b+d)}の値は零となり、フォーカスエラー信号Feの値は0となり検出されない。また、光ディスク3が対物レンズ2から遠くなったり近くなったりすると、ビーム6の形状は円形から長円形状となり、差動出力は零とならず、これによりフォーカスエラー信号の値は正(遠い)或いは負(近い)となって、対物レンズの位置調整が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、この種の光ディスク装置においては、アクセスタイムの高速化が要求されており、このような目的を達成するためには、光ピックアップ部の小型化、軽量化が必要不可欠となる。しかし、前述したような非点収差法を用いたフォーカスサーボ方式では、ビームの形状変化を検出するために、受光素子7までの距離(検出長)をある程度大きく(数cm)しなければ十分な検出感度を得ることができない。従って、従来の光ディスク装置においては小型化におのずと限界がある。また、受光素子7上のスポット径は数ミクロンから数十ミクロンとかなり小さいため、調整が難しく、環境によってはオフセットが生じることになるので、検出された信号が不安定となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、n 次光とn 次光との第一回折光を発生する第一回折格子と、前記第一回折光が入射することにより複数の回折された第二回折光を発生する第二回折格子とからなり、互いに干渉し合う前記第二回折光の位相が1/4波長だけずれるような形状に各回折格子が形成された干渉縞発生手段と、この干渉縞発生手段からの光を受光する少なくとも2分割された領域からなる受光素子とを設け、前記干渉縞発生手段により生じた前記第二回折光の間での干渉により干渉縞の位相の変化を前記受光素子に検知することによって前記測定物の光軸方向への移動量を測定するようにした。
【0007】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、回折格子の4分の1ピッチを(n −n )で割った値、又は、その値にさらに1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定した。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項1記載の発明において、第一回折格子と第二回折格子とを等ピッチとし、±1次光の第二回折光を用いて干渉縞を発生させる場合、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、回折格子の8分の1ピッチ、又は、8分の5ピッチの値に設定した。
【0009】
請求項4記載の発明では、請求項1記載の発明において、ピッチがΛ の第一回折格子により得られる第一回折光をn 次光とn 次光とし、ピッチがΛ の第二回折格子により得られる第二回折光をm 次光とm 次光としたとき、各回折格子のピッチと回折光の次数とを、
Λ +Λ =Λ +Λ
の関係式を満たすように設定した。
【0010】
【作用】
請求項1記載の発明においては、第二回折光の位相が1/4波長だけずれるような形状に干渉縞発生手段の各回折格子を形成したことによって、第二回折光の干渉縞分布から求められるフォーカスエラー信号のS字曲線を最大にすることができ、この最大とされたS字曲線からデフォーカス量を容易に求めることができる。
【0011】
請求項2記載の発明においては、4分の1ピッチを(n −n )で割った値か、又は、その4分の1ピッチを(n −n )で割った値に、1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定することによって、互いに干渉し合う第二回折光の位相を1/4波長だけ正確にずらすことができる。
【0012】
請求項3記載の発明においては、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、8分の1ピッチ、又は、8分の5ピッチの値に設定したことによって、互いに干渉し合う第二回折光の位相を1/4波長だけ正確にしかも容易にずらすことができる。また、第一回折格子と第二回折格子とを等ピッチすなわち同一の格子ピッチとし、±1次光の第二回折光を用いて干渉縞を発生させることによって、回折格子の作成を容易に行うことができ、しかも、これにより干渉縞を受光する受光素子側の形状も簡易化させることができる。
【0013】
請求項4記載の発明においては、第一回折格子と第二回折格子とのピッチを異ならせ、各回折格子のピッチと回折光の次数との間で一定の条件式を満足させることによって、干渉縞となる第二回折光の位相を1/4波長だけずらすことができる。
【0014】
【実施例】
本発明の第一の実施例を図1〜図3に基づいて説明する(請求項1記載の発明に対応する)。まず、微小変位測定装置の全体構成を図2に基づいて述べる。光源としての半導体レーザ9(以下、LDという)からの出射光はコリメートレンズ10により平行光とされた後、ビームスプリッタ11により反射され、対物レンズ12により集光されたビームとなって測定物としての光ディスク13の面上に照射される。そして、その光ディスク13からの反射光は、再び対物レンズ12を通過した後、今度はビームスプリッタ11を透過し受光素子14(以下、PDという)に向かう。
【0015】
そのビームスプリッタ11とPD14との間の光路上には、干渉縞発生手段としての二重回折格子15が配置されている。この二重回折格子15は、n 次光とn 次光との第一回折光K を発生する第一回折格子15aと、第一回折光K が入射することにより複数の回折された第二回折光K を発生する第二回折格子15bとからなっている。そして、光ディスク13からの反射光がそのような二重回折格子15を通過することによって第二回折光K の干渉縞が発生し、この干渉縞の位相の変化がPD14に検出され、光ディスク13の光軸方向への移動量の測定が行われる。
【0016】
本実施例では、二重回折格子15を構成する第一回折格子15aと第二回折格子15bとが、干渉縞となる第二回折光K2 の位相が1/4波長(λ)だけずれるような格子形状に形成されている。以下、これら2つの回折光K1 ,K2 の位相がλ/4だけずれる理由について述べる。図1は、PD14面上の中心を座標Oとした座標軸x,y,zを示す。今、PD14面に対して2つの点光源P1 ,P2 からの距離をL1 ,L2 とし、これら点光源間のx方向の距離をl1 とし、点光源P1 ,P2 の中心の(y,z)座標を(y0 ,z0 )とする。このとき、L1 2,L2 2の値は、
1 2=( l1 /2+x)2+y0 2+z2 …(1)
2 2=(−l1 /2+x)2+y0 2+z2 …(2)
として表わされる。これにより、二重回折格子15による位相差を付与していないときの光路長差dLは、
Figure 0003573367
となる。ここで、二重回折格子15による位相差をπ/2+δ0 としたとき、光路長の位相差δは、
Figure 0003573367
として表わされる。そして、2つの点光源P1 ,P2 による干渉縞の強度Iは、
I∝cos2(δ/2) …(5)
として表わされる。さらに、(4)式を(5)式に代入すると、干渉縞強度分布I(x)は、
I(x)∝cos2(πl1 x/λy0+π/4+δ0/2) =〔−sin(2πl1 x/λy0+δ0)+1〕/2 …(6)
として表わされる。
【0017】
次に、光ディスク13にデフォーカスが生じた場合におけるy の値を求める。今、対物レンズ12の焦点距離をf とし、対物レンズ12からの反射光の検出光路側の焦点位置をy とすると、
1/(f +d)+1/y =1/f …(7)
の関係が成立する。これにより、y は、
≒f /d …(8)
として表わされる。そして、y =y −y とし、(8)式を(6)式に代入すると、
Figure 0003573367
を得る。このI(x,d)が干渉縞分布を示す基本式である。そして、(9)式中、y が小さいとし、y =0を(9)式に代入すると、
I(x,d)∝−sin〔2πl xd/λf +δ〕+1 …(10)
となる。これにより、干渉縞分布I(x,d)は、x,dに対して対称であり、二重回折格子15に位相差をもたせた効果を得ることができ、波長変動の影響によりその干渉縞分布も対称的に変化する。なお、デフォーカスがないときは波長に拘らず干渉縞分布は平坦になり、ジャストオンフォーカス時には影響がない。
【0018】
図3は、その干渉縞分布I(x,d)をx方向に積分することにより得られるデフォーカス量に対するフォーカスエラー信号FeのS字曲線S(d)を示す。S字曲線S(d)の波形A(実線)は実験値を示し、波形B(破線)は理論的な計算値を示す。この場合、PD14の面をx座標にして、−aから0、そして、0からaの2つの領域に分けられるため、その場の干渉縞分布I(x,d)を平坦な光量分布を仮定してそれぞれを積分してその差をとると、S(d)は、
S(d)∝λf0 2・ cosδ0〔−1+cos(2πl1 ad/λf0 2 〕/πl1 d …(11)
として表わすことができる。この(11)式中には、cosδ0の項があり、δ0 =0のときには、cosδ0=1となり、δ0 =πのときにはcosδ0=−1となり、これによりS(d)の絶対値は最大となる。
【0019】
従って、δ =0のとき、すなわち、干渉する2つの第二回折光K の位相がλ/4だけずれるように、第一回折格子15aと第二回折格子15bとの格子形状を形成することによって、フォーカスエラー信号FeのS字曲線を最大にすることができ、これにより、デフォーカス量を容易に求めることができ、信号の検出感度を向上させることができる。
【0020】
次に、本発明の第二の実施例を図4〜図6に基づいて説明する(請求項2,3記載の発明に対応する)。なお、前述した第一の実施例と同一部分についての説明は省略し、その同一部分については同一符号を用いる。
【0021】
本実施例では、第一回折格子15aと第二回折格子15bとの相対的な位相は、その回折格子の1/4ピッチを(n −n )で割った値、又は、その値にさらに1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定されている。この場合、特に、第一回折格子15aと第二回折格子15bとの相対的な位相を、その回折格子の1/8ピッチ、又は、5/8ピッチの値に設定するようにしてもよい。
【0022】
以下、回折格子15a,15bの相対的な位相関係を、上記条件に設定することにより、フォーカスエラー信号FeのS字曲線を最大にすることができる理由について述べる。図4は、単一の回折格子16に光を入射させ、その回折格子16が移動するときに回折光の波面も移動することを示す例である。今、回折格子16が1ピッチ移動し、その移動方向に回折する光をn 次光とし、反対方向に回折する光をn 次光とする。この場合、回折格子16の移動方向に対して同一方向に進む光は波面17aも同一方向に進み、次数のn に対して1ピッチ当たり波長のn 倍進む。一方、回折格子16の移動方向に対して反対方向に進む光は波面17bが後退し、次数のn に対して1ピッチ当たり波長のn 倍後退する(n が負の数とすると、−n 倍進む)。また、図5に示すように、2枚の回折格子、例えば第一、第二回折格子15a,15bからなる二重回折格子15の場合、一方の第一回折格子15aを1ピッチ移動させ、他方の第二回折格子15bを固定したとすると、n 次光の波面17aとn 次光の波面17bとの進行が逆になるため、(n −n )倍×2πの位相変化となり、この変化分だけ波面17a,17bが重なることになる。例として、n =1、n =−1とすると、(n −(−n ))×2π=(1−(−1))×2π=2×2πなる位相変化を生じる。
【0023】
また、図6に示すように、第一、第二回折格子15a,15bの相対的な位相がピッタリ合っていると波面17a,17bも揃う。このような状態から、一方の第一回折格子15aが移動して、波面17aを波面17bに対してλ/4だけ異ならせるためには、回折格子の4分の1ピッチを(n −n )で割った距離だけ移動させることによってその目的を達成できる。例として、n =1、n =−1の場合は、4分の1ピッチを(1−(−1))=2で割った1/8ピッチだけ回折格子を相対的に移動させることによって、λ/4だけ波面の位相を異ならせることができる。なお、回折格子を移動させる方向は左右どちらでもよい。
【0024】
さらに、第一、第二回折格子15a,15bのうちの一方を1ピッチ移動させると、(n −n )倍×2πの位相変化となることから、2つの波面17a,17bの位相差は回折格子の1ピッチの移動の間に(n −n )回の同じ位相となり、これにより1ピッチを(n −n )で割った位相分だけ回折格子を移動させることで同一の位相となる。例として、n =1、n =−1の場合は、1ピッチを(1−(−1))=2で割った値、すなわち、1/2ピッチの移動で2つの波面17a,17bの位相関係が同一となる。従って、波面17aを波面17bに対してλ/4だけ異ならせるためには、1ピッチを(n −n )で割った値に、回折格子の4分の1ピッチを(n −n )で割った距離(n −n )で割った値を加算又は減算させるようにすればよい。この例では、1/2ピッチと1/8ピッチとを加算して5/8ピッチだけ移動させることによって、λ/4だけ波面の位相を異ならせることができる。
【0025】
この他の高次数を例にとると、n =2、n =−3の場合は、1/4ピッチを(2−(−3))=5で割って、1/20ピッチの分だけ回折格子の位相変化をもたせることによって、λ/4だけ波面の位相を異ならせることができる。さらにこのことは、1ピッチを(2−(−3))=5で割った1/5ピッチの値と、1/20ピッチとを加算した1/4ピッチだけ移動させることによって、λ/4だけ波面の位相を異ならせることができる。
【0026】
上述したように、第一回折格子15aと第二回折格子15bとの相対的な位相を、1/4ピッチを(n −n )で割った値か、又は、その1/4ピッチを(n −n )で割った値に、1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定したので、干渉縞となる第二回折光の位相を1/4波長だけ正確にしかも容易にずらすことができ、これにより、フォーカスエラー信号FeのS字曲線を最大にして、デフォーカス量を正確に求めることができる。特に、±1次光を用い、1/8ピッチ、5/8ピッチの値に設定することによって、第一,第二回折格子15a,15bや受光素子14の形状が単純化されて作成が容易となり、生産コストを低減することができる。
【0027】
次に、本発明の第三の実施例を図7〜図9に基づいて説明する(請求項4記載の発明に対応する)。なお、前記各実施例と同一部分についての説明は省略し、その同一部分については同一符号を用いる。
【0028】
本実施例では、二重回折格子15における第一回折格子15aのピッチはΛ とされ、第二回折格子15bのピッチはΛ とされている。そして、第一回折格子15aにより回折される第一回折光K はn 次光とn 次光とされ、また、第二回折格子15bにより得られる第二回折光K はm 次光とm 次光とされている。この場合、各回折格子のピッチと回折光の次数との間は、
Λ +Λ =Λ +Λ …(12)
の関係式に設定されている。
【0029】
以下、回折格子15a,15bの相対的な位相関係を、上記(12)式の条件に設定することにより、フォーカスエラー信号FeのS字曲線を最大にすることができる理由について述べる。図7は、ピッチΛ の第一回折格子15aとピッチΛ の第二回折格子15bとが形成された二重回折格子15での回折条件を示す。今、光ディスク13からの反射光が入射角θ で二重回折格子15に入射し、第一回折格子15a側で出射角θ のn 次光,出射角θ のn 次光が発生し、第二回折格子15b側で出射角θ のm 次光,出射角θ のm 次光が発生するものとする。この場合、第一回折格子15a側では、
sinθ +sinθ =n λ/Λ …(13)
sinθ +sinθ =n λ/Λ …(14)
が成り立つ。一方、第二回折格子15b側では、
sinθ +sinθ =−m λ/Λ …(15)
sinθ +sinθ =−m λ/Λ …(16)
が成り立つ。これにより、二重回折格子15から出射したm 次光、m 次光の2つの回折光を平行にするために、θ =θ とすると、
Λ +Λ =Λ +Λ …(17)
の関係が得られる。
【0030】
例として、図8に示すように、第一回折格子15aのΛ =1μm、第二回折格子15bのΛ =2μm、n =2、n =−1として、(17)式に代入すると、
2・2+1・m =2・(−1)+1・m
すなわち、
−m =−6 …(18)
の関係式を得る。この(18)式から、例えば、図9に示すように、m =−2、m =4とすると、第一回折格子15aにより2次光と−1次光が発生し、第二回折格子15bにより−2次光と4次光が発生する。これにより、回折されたm ,m 次光の位相をλ/4だけずらすことが可能となる。
【0031】
上述したように、(12)式の関係を満たすように設定することによって、干渉縞となる第二回折光K の位相をλ/4だけずらすことができ、これにより、フォーカスエラー信号FeのS字曲線を最大にして、デフォーカス量を正確に求めることができる。なお、ここでは、回折格子に入射する光が垂直であることを前提としているが、垂直に入射しない場合にも、2つの回折光の位相がλ/4だけずれるように調整すればよい。
【0032】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、互いに干渉し合う第二回折光の位相が1/4波長だけずれるように、干渉縞発生手段の各回折格子を形成したので、フォーカスエラー信号のS字曲線を最大にしてデフォーカス量を容易に求めることができ、これにより、従来のナイフエッジ法や非点収差法に比べて、信号の検出感度を格段に向上させて微小変位の測定を正確に行うことができる。また、このような干渉縞を用いた測定方式においては、検出光路長を従来よりも短くとることができるため、光ピックアップ部の小型化を図ることができる。さらに、このような干渉縞による検出においてはビーム形状を比較的大きくとれるため、光学素子の位置調整を極めてラフに行うことができ、耐環境性を向上させ、常に安定した信号検出を行うことができる。
【0033】
請求項2記載の発明は、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、4分の1ピッチを(n −n )で割った値か、又は、その4分の1ピッチを(n −n )で割った値に、1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定したので、干渉縞となる第二回折光の位相を1/4波長だけ正確にずらすことができ、これにより、フォーカスエラー信号のS字曲線を最大にして、デフォーカス量を正確に求めることができる。
【0034】
請求項3記載の発明は、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、8分の1ピッチ、又は、8分の5ピッチの値に設定したので、干渉縞となる第二回折光の位相を1/4波長だけ正確にしかも容易にずらすことができ、これにより、フォーカスエラー信号のS字曲線を最大にして、デフォーカス量を一段と正確に求めることができる。また、第一回折格子と第二回折格子とを等ピッチすなわち同一の格子ピッチとし、±1次光の第二回折光を用いて干渉縞を発生させるようにしたので、回折格子や受光素子の作成が容易となり、生産コストを一段と削減することができる。
【0035】
請求項4記載の発明は、ピッチがΛ の第一回折格子により得られる第一回折光をn 次光とn 次光とし、ピッチがΛ の第二回折格子により得られる第二回折光をm 次光とm 次光としたとき、各回折格子のピッチと回折光の次数とを、
Λ +Λ =Λ +Λ
の関係式を満たすように設定したので、干渉縞となる第二回折光の位相を1/4波長だけずらし、フォーカスエラー信号のS字曲線を最大にしてデフォーカス量を一段と正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例として2つの回折光により1/4波長の位相差が生じた場合の理論的解析の等価光学系を示す模式図である。
【図2】微小変位測定装置の全体構成を示す光路図である。
【図3】デフォーカス量に対するフォーカスエラー信号のS字曲線を示す波形図である。
【図4】本発明の第二の実施例として回折格子の移動により回折光の波面も移動することを示す側面図である。
【図5】回折格子を2枚重ねて構成し、回折格子を1ピッチだけ移動した場合における回折光に位相差が生じている様子を示す側面図である。
【図6】回折格子の相対的な位相が一致している場合に回折光の波面も一致する場合の様子を示す側面図である。
【図7】本発明の第三の実施例である回折格子のピッチが異なっている場合の回折光の発生の様子を示す側面図である。
【図8】ピッチが異なっている回折格子を用いた場合に回折光に位相差が生じている様子を示す側面図である。
【図9】高次の回折光が発生した場合の様子を示す側面図である。
【図10】従来の装置におけるフォーカスエラー信号の検出方式を示す光路図である。
【符号の説明】
9 光源
12 対物レンズ
13 測定物
14 受光素子
15 干渉縞発生手段
15a 第一回折格子
15b 第二回折格子
第一回折光
第二回折光

Claims (4)

  1. 光源からの光を対物レンズにより集光して測定物に照射しその測定物により反射され前記対物レンズを再び通過した光が入射することによりn 次光とn 次光との第一回折光を発生する第一回折格子と、前記第一回折光が入射することにより複数の回折された第二回折光を発生する第二回折格子とからなり、互いに干渉し合う前記第二回折光の位相が1/4波長だけずれるような形状に各回折格子が形成された干渉縞発生手段と、この干渉縞発生手段からの光を受光する少なくとも2分割された領域からなる受光素子とを設け、前記干渉縞発生手段により生じた前記第二回折光の間での干渉により干渉縞の位相の変化を前記受光素子で検知することによって前記測定物の光軸方向への移動量を測定するようにしたことを特徴とする微小変位測定装置。
  2. 第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、回折格子の4分の1ピッチを(n −n )で割った値、又は、その値にさらに1ピッチを(n −n )で割った値を1個ないしは複数個加算又は減算した値に設定したことを特徴とする請求項1記載の微小変位測定装置。
  3. ±1次光の干渉縞を発生させる第一回折格子と第二回折格子とを等ピッチとし、第一回折格子と第二回折格子との相対的な位相を、回折格子の8分の1ピッチ、又は、8分の5ピッチの値に設定したことを特徴とする請求項1記載の微小変位測定装置。
  4. ピッチがΛ の第一回折格子により得られる第一回折光をn 次光とn 次光とし、ピッチがΛ の第二回折格子により得られる第二回折光をm 次光とm 次光としたとき、各回折格子のピッチと回折光の次数とを、
    Λ +Λ =Λ +Λ
    の関係式を満たすように設定したことを特徴とする請求項1記載の微小変位測定装置。
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