JP3571762B2 - 非水電解液および非水電解液電池 - Google Patents
非水電解液および非水電解液電池 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規な非水電解液及びそれを用いた非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用いた電池は、高電圧・高エネルギー密度を有し、かつ貯蔵性などの信頼性に優れているため、広く民生用電子機器の電源に用いられている。
しかし、非水系の電解液は水溶液系の電解液に比べて電導度が1桁から2桁低いため、非水電解液の電気電導度を向上するために、高誘電率の溶媒である炭酸プロピレンやγ−ブチロラクトン、スルホラン等の電解液に低粘度溶媒であるジメトキシエタンやテトラヒドロフランまた1、3−ジオキソラン等を加えることが試みられている(例えば、電気化学、53 No.3、173(1985))。また、耐電圧の低い非水電解液を用いた場合に電池の充放電効率が低くなり寿命が短くなることから電解液の耐久性を向上させるために、ジメトキシエタンなど耐電圧の低い溶媒のかわりに耐電圧の高い炭酸ジエチル等の炭酸エステルを使用して電池の充放電効率を高めることや(例えば特開平4−184872)、耐酸化性を向上させるためにフッ素原子で置換すること(例えば特開平6−20719)等が行われている。しかしこれらの溶媒は引火点が必ずしも高くない。
【0003】
従って、過充電やショートしたときなどの苛酷な条件下での安全性を高めるためには、自己消火性のある燐酸エステルを電解液に添加することによって引火点を高くすること(特開平4−184370)などが考えられる。しかし、燐酸エステルを添加するとエネルギー密度が低下するなどの実用上の問題点も考えられる。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
ところで、エネルギー密度の高い電池が望まれていることから、高電圧電池について各方面から研究が進められている。例えば、電池の正極にLiCoO2やLiNiO2、Li2Mn2O4などのリチウムと遷移金属の複合酸化物を使用した4Vを発生できる電池が研究されてきた。この場合、酸化による電解液の分解が起こり易くなるため、従来用いられてきた酢酸エチル等のエステル類や1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類は耐電圧が低く且つ正極と反応するため使用することは適当でなく、充放電を繰り返すごとに電池の容量が低下したりガスが発生し電池の内圧が上昇するなどの可能性があり、耐酸化性のある電解液溶媒が望まれている。
【0005】
電池の負極にリチウム金属やリチウム金属の合金またリチウムの化合物やリチウムイオンをドープ・アンドープ可能な炭素材料を使用する場合、充電や過充電時に析出するリチウム金属は高い反応性を持つため耐酸化性の点では問題の無い電解液溶媒でも反応する場合がある。
また析出したリチウム金属はデンドライトと呼ばれる針状形態をとる場合が多く、電極から脱落して非常に化学的反応性の高いリチウム粉末が生成することや、正極と負極を隔てるセパレーターをデンドライトが貫通してショートする場合がある。電解液は、通常電導度を向上するために高誘電率の溶媒と低粘度の溶媒を混合したものを使用しているが、低粘度の溶媒は沸点が低く引火点も比較的低い。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、耐電圧、充放電サイクル及び耐酸化性に優れ、リチウム金属との反応性が低く且つ引火点の高い非水電解液を提供することを目的とする。また上記非水電解液を使用することによって、より安全で高電圧を発生でき、かつ電池特性の優れた非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐電圧および充放電サイクル特性に優れ、また引火点が高い電解液を見いだすため鋭意研究を行った結果、エステル化合物の少なくとも一方のアルキル基を塩素原子で置換すると、エステル化合物は、化学的安定性が向上し、リチウム金属との反応性が低くなり、耐酸化性が向上し引火点が高くなることを見いだした。そして少なくとも一方のアルキル基を塩素原子で置換したエステル化合物を含有する電解液を使用した電池は、優れた電池特性を有することを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明の非水電解液は、一般式[1]で示されるエステル化合物を含有するものである。
【0009】
【化4】
【0010】
(R1、R2はそれぞれアルキル基又はハロゲン原子置換アルキル基を表し、R1、R2の少なくとも一方は塩素置換アルキル基である。具体的には、R 1 はトリクロロメチル基であり、R 2 はフッ素原子又は塩素原子置換アルキル基であるか、R 1 は炭素数が1個又は2個のアルキル基であり、R 2 は2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基または2,2,2−トリクロロエチル基であるか、R 1 はフッ素原子置換アルキル基であり、R 2 は2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基または2,2,2−トリクロロエチル基である)
また本発明の非水電解液電池は、上記エステル化合物を含有する電解液を使用するものである。
本発明によれば電解液電池として、一般式[1]で表されるエステル化合物を含有する電解液溶媒を用いることによって、金属リチウムとの反応性が低くなり、酸化による電解液溶媒の分解が起こりにくくなり、引火点が高くなると共に電池の充放電のサイクル寿命が長くなる。
【0011】
本発明の非水電解液において、一般式[1]で表されるエステル化合物は、R1、R2の少なくとも一方が塩素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基の水素を置換する原子として、リチウム金属に対する安定性からは塩素原子またはフッ素原子であることが望ましいが、引火点の向上からは塩素原子または臭素原子が望ましい。従ってリチウム金属に対する安定性と引火点の向上を同時に満たすものとして塩素原子が選ばれる。また、置換原子として塩素原子以外にフッ素原子が混在しても良い。
【0012】
塩素原子の置換数は特に限定されないが、塩素原子の置換数が多いほど、非水電解液の引火点は高くなり、少ないほど粘度は小さい。従って、塩素原子の置換数は、引火点を重視する用途では、1分子あたりの塩素原子の置換数は3個以上、電導度を重視する用途では、塩素原子の置換数は1個ないし3個とすることが望ましい。
【0013】
また高い電導度を持つためには分子はなるべく小さく粘度が低い必要があり、R1、R2の炭素数はそれぞれ1個ないし3個とすることが望ましい。このような範囲とすることにより、比較的低粘度で、高い電導度で且つ従来の非水電解液に比較して引火点の高い非水電解液が得られる。
この様なエステル化合物の例として、トリクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸ノルマルプロピル、トリクロロ酢酸イソプロピル、トリクロロ酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロ酢酸2−クロロエチル、トリクロロ酢酸2,2−ジクロロエチル、トリクロロ酢酸2,2,2−トリクロロエチル、トリクロロ酢酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、トリクロロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、トリクロロ酢酸ヘキサフルオロイソプロピル、トリフルオロ酢酸2−クロロエチル、トリフルオロ酢酸2,2−ジクロロエチル、トリフルオロ酢酸2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2−クロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2,2−ジクロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチル、酢酸2−クロロエチル、酢酸2,2−ジクロロエチル、酢酸2,2,2−トリクロロエチル、プロピオン酸2−クロロエチル、プロピオン酸2,2−ジクロロエチル、プロピオン酸2,2,2−トリクロロエチル等が挙げられる。
【0014】
これらエステル化合物は1種または2種以上を混合して、電解液溶媒として用いることができる。
本発明の非水電解液において、電解液溶媒は、一般式[1]で表されるエステル化合物単独でも良いが、炭酸エチレンや炭酸プロピレン等の環状炭酸エステルやγ−ブチロラクトン、スルホランなど環状エステル類との混合溶媒を用いることによって電解質の溶解度を高めることができ、さらに炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチルなどの鎖状炭酸エステルや酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、ジメトキシエタンやテトラヒドロフランなどのエーテル類を本発明の電解液溶媒の特性を損わない範囲で添加することによって電解液の粘度を下げることができ、電気電導度を更に向上することができる。
【0015】
環状エステルとしては5員環の炭酸エステルが好ましく、特に炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、またこれらの混合物が好ましい。鎖状エステルとしては鎖状炭酸エステルが好ましく、特に炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、またはこれらの混合物が好ましい。
一般式[1]で表されるエステル化合物と環状エステルと鎖状エステルを混合溶媒として用いる場合には、一般式[1]で表されるエステル化合物の添加量が溶媒全体に対し10体積%以上望ましくは30体積%以上であることが好ましい。また、一般式[1]で表されるエステル化合物と鎖状エステル化合物との合計Aと環状エステル化合物Bとの体積比がA:B=1:9〜9:1、望ましくは3:7〜7:3の範囲であることが望ましい。
【0016】
本発明の非水電解液に用いられる電解質としては、通常の電池電解液に用いられる電解質を用いることができ、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiAlCl4、LiN(SO3CF3)2、LiC4F9SO3、LiC8F17SO3、LiSiF4などのリチウム塩を用いることができるが、燐化合物は抑炎作用を示すことが知られており、この点から特にLiPF6が好ましい。電解質を溶媒に溶解する濃度は、0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2.0モル/リットルとする。
【0017】
本発明の非水電解液電池は、電解液として以上説明した非水電解液を用いたものであり、負極材料としては、金属リチウム、リチウム合金等の金属材料、金属硫化物および各種炭素材料を用いることができるが、特にリチウムイオンをドープ・アンドープできる炭素材料が望ましい。このような炭素材料としてグラファイトでも非晶質炭素でもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズなどあらゆる炭素材料を用いることができる。
【0018】
また、正極材料としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5等の遷移金属酸化物、遷移金属硫化物あるいはLiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2などのリチウムと遷移金属からなる複合酸化物を用いることができ、好ましくはリチウムと遷移金属からなる複合酸化物が用いられる。
リチウムイオンをドープ・アンドープできる炭素材料を負極材料として、リチウムと遷移金属からなる複合酸化物を正極材料として用いることにより、高電圧の電池とすることができ、しかも電解液として上述の非水電解液を用いることにより、耐電圧、耐酸化性が高いので、分解によるガス発生等を押えることができ、またリチウム金属との反応性が低いので、仮に充電の繰返し等によりリチウム金属が析出してもそれとの反応に伴うショートなどを避けることができ、引火点が高いので電池内で急激な発熱などが起こっても安全性が高い電池を提供することができる。
【0019】
尚、本発明の非水電解液電池の形状、形態等は本発明の範囲内で任意に選択することができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.塩素原子置換エステル化合物の合成
メチルアルコール196g(6.1モル)にトリクロロ酢酸500g(3.1モル)を氷冷しながら滴下し、室温で2時間攪拌した後、蒸留してトリクロロ酢酸メチルとメチルアルコールの混合物を得た。この混合物を水洗してメチルアルコールと少量混入するトリクロロ酢酸を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、蒸留してトリクロロ酢酸メチル396g(収率72%)を得た。
【0021】
同様に2−クロロエタノールと酢酸を出発物質として、酢酸2−クロロエチルを合成した。尚、本発明で用いられる他の塩素原子置換エステル化合物についても、対応するカルボン酸(R1COOH)とアルコール(R2OH)を酸触媒の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記の合成によって得られたトリクロロ酢酸メチル(化合物1)と酢酸2−クロロエチル(化合物2)について、粘度(cp、25℃)と比誘電率(25℃)を表1に示した。比較例として酢酸エチルの粘度と比誘電率を合せて表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
2.金属リチウムとの反応性
上記化合物1、化合物2と、比較例として酢酸エチルについてリチウム金属との反応性を調べた。
アルゴンボックス中で、充分に脱気・精製した各溶媒(化合物1、2)5mlにサイコロ状に切削したリチウム金属0.1gを加え、液中でリチウムにスパーテルを押しつけてリチウムの清浄面を露出した。25℃及び40℃でそれぞれ48時間放置後に金属リチウムの表面状態および液部の状態を観察し、反応性を判断した。結果を表2に示した。尚、表において○は変化が見られなかった場合を、×はリチウム金属表面の変質や液部の着色が観察された場合を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
上記表より明らかなように本発明の塩素原子置換エステル化合物は比較例のエステル化合物に比べてリチウム金属との反応性が抑制されていることが分かった。
3.引火点の測定
上記化合物1、化合物2の引火点及び、比較例として酢酸エチルと酢酸2,2,2−トリフルオロエチルの引火点をタグ密閉式(JIS−K2265)で測定した。測定結果を表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】
表3から明らかなように本発明の塩素原子置換エステル化合物は、比較例の通常のエステル化合物やフッ素原子置換エステル化合物にくらべて、高い引火点を示した。
4.電解液の燃焼試験
電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)3.8g(25mmol)を電解溶媒にとかし25mlの電解液を調製した。溶媒としては、上記合成で得たエステル化合物1、2と炭酸プロピレン(PC)との1:1(体積比)混合溶媒を用いた。この電解液を幅1cm長さ30cmのマニラ麻に充分に含浸した後、ライターで着火した。この時の燃焼速度を表4に示した。比較例として、酢酸エチル及び酢酸2,2,2−トリフルオロエチルをそれぞれ炭酸プロピレン (PC)との体積比1:1で混合した溶媒についても同様の燃焼試験を行なった。その結果を併せて表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
表4から分かるように本発明の塩素原子置換エステル化合物を使用した電解液は比較例の通常のエステル化合物やフッ素置換エステル化合物を混合した電解液よりも燃焼しにくいことが分かった。
5.電気電導度及び耐電圧の測定
電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)3.8g(25mmol)を電解溶媒に溶かし25mlの電解液を調製した。溶媒としては、上記合成で得たエステル化合物1、2と炭酸プロピレン(PC)との1:1(体積比)混合溶媒を用いた。この電解液の電気電導度をインピーダンスメーターを用いて10kHzで測定した。また電解液の耐電圧の測定は、作用極、対極に白金を使用し参照極にリチウム金属を使用した3電極式耐電圧測定セルに上記電解液を入れ、ポテンシオガルバノスタットで50mV/sccで電位走引し、分解電流が0.1mA以上流れなかった範囲を耐電圧とした。結果を表5に示した。
【0030】
【表5】
【0031】
表5からも明らかなように、本発明の電解液は高い耐電圧と実用レベルの電気電導性を示した。
6.電池サイクル寿命
図1に示すような電池寸法が外径20mm、高さ2.5mmのコイン形非水電解液電池を作成した。負極1にはリチウム金属を、正極2にはLiCoO285重量部に導電剤としてグラファイト12重量部、結合剤としてフッ素樹脂3重量部を加えた混合物を加圧成形したものを用いた。これら負極1、正極2を構成する物質は、ポリプロピレンから成る多孔質セパレータ3を介してそれぞれ負極缶4及び正極缶5に圧着されている。このような電池の電解液として、トリクロロ酢酸メチルと炭酸プロピレンとを体積比で1:1の割合で混合した溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1.0モル/lの割合で溶解させたものを用い、封口ガスケット6により封入した。
【0032】
このように作成した電池について、1.0mAの電流で上限電圧を4.1Vとして10時間充電し、続いて1.0mAの電流で3.0Vとなるまで放電した時の充放電効率を測定した。また、このような充放電を所定サイクル繰返し、充放電効率の変化を観察した。図2はその結果を示すもので、充放電効率をサイクル数に対してプロットしたものである。また比較例として電解液溶媒に酢酸エチルと炭酸プロピレンとの混合溶媒(体積比で1:1)を用い、その他は上述と同様に作成したコイン形電池について、同様の充放電効率を測定した。
【0033】
図2からも明らかなように、本実施例の電解液溶媒を用いた電池は、比較例の電解液溶媒を用いた電池よりも充放電効率は高く、またサイクル数に伴う劣化も小さく、優れたサイクル特性を示した。
【0034】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば電解液溶媒として特定の塩素原子置換エステル化合物を含む有機溶媒を用いることにより、電気電導度、耐電圧ともに実用特性を満たし、しかも引火点が高い非水電解液を提供することができる。また本発明によれば、このような非水電解液を電池に応用することによって、充放電効率及びサイクル特性に優れたエネルギー密度の高い電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液電池の1実施例を示す概略断面図。
【図2】本発明の非水電解液を用いた電池の充放電サイクル特性を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・・負極
2・・・・・・正極
【産業上の利用分野】
本発明は新規な非水電解液及びそれを用いた非水電解液電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用いた電池は、高電圧・高エネルギー密度を有し、かつ貯蔵性などの信頼性に優れているため、広く民生用電子機器の電源に用いられている。
しかし、非水系の電解液は水溶液系の電解液に比べて電導度が1桁から2桁低いため、非水電解液の電気電導度を向上するために、高誘電率の溶媒である炭酸プロピレンやγ−ブチロラクトン、スルホラン等の電解液に低粘度溶媒であるジメトキシエタンやテトラヒドロフランまた1、3−ジオキソラン等を加えることが試みられている(例えば、電気化学、53 No.3、173(1985))。また、耐電圧の低い非水電解液を用いた場合に電池の充放電効率が低くなり寿命が短くなることから電解液の耐久性を向上させるために、ジメトキシエタンなど耐電圧の低い溶媒のかわりに耐電圧の高い炭酸ジエチル等の炭酸エステルを使用して電池の充放電効率を高めることや(例えば特開平4−184872)、耐酸化性を向上させるためにフッ素原子で置換すること(例えば特開平6−20719)等が行われている。しかしこれらの溶媒は引火点が必ずしも高くない。
【0003】
従って、過充電やショートしたときなどの苛酷な条件下での安全性を高めるためには、自己消火性のある燐酸エステルを電解液に添加することによって引火点を高くすること(特開平4−184370)などが考えられる。しかし、燐酸エステルを添加するとエネルギー密度が低下するなどの実用上の問題点も考えられる。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
ところで、エネルギー密度の高い電池が望まれていることから、高電圧電池について各方面から研究が進められている。例えば、電池の正極にLiCoO2やLiNiO2、Li2Mn2O4などのリチウムと遷移金属の複合酸化物を使用した4Vを発生できる電池が研究されてきた。この場合、酸化による電解液の分解が起こり易くなるため、従来用いられてきた酢酸エチル等のエステル類や1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類は耐電圧が低く且つ正極と反応するため使用することは適当でなく、充放電を繰り返すごとに電池の容量が低下したりガスが発生し電池の内圧が上昇するなどの可能性があり、耐酸化性のある電解液溶媒が望まれている。
【0005】
電池の負極にリチウム金属やリチウム金属の合金またリチウムの化合物やリチウムイオンをドープ・アンドープ可能な炭素材料を使用する場合、充電や過充電時に析出するリチウム金属は高い反応性を持つため耐酸化性の点では問題の無い電解液溶媒でも反応する場合がある。
また析出したリチウム金属はデンドライトと呼ばれる針状形態をとる場合が多く、電極から脱落して非常に化学的反応性の高いリチウム粉末が生成することや、正極と負極を隔てるセパレーターをデンドライトが貫通してショートする場合がある。電解液は、通常電導度を向上するために高誘電率の溶媒と低粘度の溶媒を混合したものを使用しているが、低粘度の溶媒は沸点が低く引火点も比較的低い。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、耐電圧、充放電サイクル及び耐酸化性に優れ、リチウム金属との反応性が低く且つ引火点の高い非水電解液を提供することを目的とする。また上記非水電解液を使用することによって、より安全で高電圧を発生でき、かつ電池特性の優れた非水電解液電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、耐電圧および充放電サイクル特性に優れ、また引火点が高い電解液を見いだすため鋭意研究を行った結果、エステル化合物の少なくとも一方のアルキル基を塩素原子で置換すると、エステル化合物は、化学的安定性が向上し、リチウム金属との反応性が低くなり、耐酸化性が向上し引火点が高くなることを見いだした。そして少なくとも一方のアルキル基を塩素原子で置換したエステル化合物を含有する電解液を使用した電池は、優れた電池特性を有することを見いだした。
【0008】
すなわち、本発明の非水電解液は、一般式[1]で示されるエステル化合物を含有するものである。
【0009】
【化4】
【0010】
(R1、R2はそれぞれアルキル基又はハロゲン原子置換アルキル基を表し、R1、R2の少なくとも一方は塩素置換アルキル基である。具体的には、R 1 はトリクロロメチル基であり、R 2 はフッ素原子又は塩素原子置換アルキル基であるか、R 1 は炭素数が1個又は2個のアルキル基であり、R 2 は2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基または2,2,2−トリクロロエチル基であるか、R 1 はフッ素原子置換アルキル基であり、R 2 は2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基または2,2,2−トリクロロエチル基である)
また本発明の非水電解液電池は、上記エステル化合物を含有する電解液を使用するものである。
本発明によれば電解液電池として、一般式[1]で表されるエステル化合物を含有する電解液溶媒を用いることによって、金属リチウムとの反応性が低くなり、酸化による電解液溶媒の分解が起こりにくくなり、引火点が高くなると共に電池の充放電のサイクル寿命が長くなる。
【0011】
本発明の非水電解液において、一般式[1]で表されるエステル化合物は、R1、R2の少なくとも一方が塩素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基の水素を置換する原子として、リチウム金属に対する安定性からは塩素原子またはフッ素原子であることが望ましいが、引火点の向上からは塩素原子または臭素原子が望ましい。従ってリチウム金属に対する安定性と引火点の向上を同時に満たすものとして塩素原子が選ばれる。また、置換原子として塩素原子以外にフッ素原子が混在しても良い。
【0012】
塩素原子の置換数は特に限定されないが、塩素原子の置換数が多いほど、非水電解液の引火点は高くなり、少ないほど粘度は小さい。従って、塩素原子の置換数は、引火点を重視する用途では、1分子あたりの塩素原子の置換数は3個以上、電導度を重視する用途では、塩素原子の置換数は1個ないし3個とすることが望ましい。
【0013】
また高い電導度を持つためには分子はなるべく小さく粘度が低い必要があり、R1、R2の炭素数はそれぞれ1個ないし3個とすることが望ましい。このような範囲とすることにより、比較的低粘度で、高い電導度で且つ従来の非水電解液に比較して引火点の高い非水電解液が得られる。
この様なエステル化合物の例として、トリクロロ酢酸メチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸ノルマルプロピル、トリクロロ酢酸イソプロピル、トリクロロ酢酸2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロ酢酸2−クロロエチル、トリクロロ酢酸2,2−ジクロロエチル、トリクロロ酢酸2,2,2−トリクロロエチル、トリクロロ酢酸2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、トリクロロ酢酸2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、トリクロロ酢酸ヘキサフルオロイソプロピル、トリフルオロ酢酸2−クロロエチル、トリフルオロ酢酸2,2−ジクロロエチル、トリフルオロ酢酸2,2,2−トリクロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2−クロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2,2−ジクロロエチル、ペンタフルオロプロピオン酸2,2,2−トリクロロエチル、酢酸2−クロロエチル、酢酸2,2−ジクロロエチル、酢酸2,2,2−トリクロロエチル、プロピオン酸2−クロロエチル、プロピオン酸2,2−ジクロロエチル、プロピオン酸2,2,2−トリクロロエチル等が挙げられる。
【0014】
これらエステル化合物は1種または2種以上を混合して、電解液溶媒として用いることができる。
本発明の非水電解液において、電解液溶媒は、一般式[1]で表されるエステル化合物単独でも良いが、炭酸エチレンや炭酸プロピレン等の環状炭酸エステルやγ−ブチロラクトン、スルホランなど環状エステル類との混合溶媒を用いることによって電解質の溶解度を高めることができ、さらに炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチルなどの鎖状炭酸エステルや酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの鎖状エステル、ジメトキシエタンやテトラヒドロフランなどのエーテル類を本発明の電解液溶媒の特性を損わない範囲で添加することによって電解液の粘度を下げることができ、電気電導度を更に向上することができる。
【0015】
環状エステルとしては5員環の炭酸エステルが好ましく、特に炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、またこれらの混合物が好ましい。鎖状エステルとしては鎖状炭酸エステルが好ましく、特に炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、またはこれらの混合物が好ましい。
一般式[1]で表されるエステル化合物と環状エステルと鎖状エステルを混合溶媒として用いる場合には、一般式[1]で表されるエステル化合物の添加量が溶媒全体に対し10体積%以上望ましくは30体積%以上であることが好ましい。また、一般式[1]で表されるエステル化合物と鎖状エステル化合物との合計Aと環状エステル化合物Bとの体積比がA:B=1:9〜9:1、望ましくは3:7〜7:3の範囲であることが望ましい。
【0016】
本発明の非水電解液に用いられる電解質としては、通常の電池電解液に用いられる電解質を用いることができ、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiAlCl4、LiN(SO3CF3)2、LiC4F9SO3、LiC8F17SO3、LiSiF4などのリチウム塩を用いることができるが、燐化合物は抑炎作用を示すことが知られており、この点から特にLiPF6が好ましい。電解質を溶媒に溶解する濃度は、0.1〜3モル/リットル、好ましくは0.5〜2.0モル/リットルとする。
【0017】
本発明の非水電解液電池は、電解液として以上説明した非水電解液を用いたものであり、負極材料としては、金属リチウム、リチウム合金等の金属材料、金属硫化物および各種炭素材料を用いることができるが、特にリチウムイオンをドープ・アンドープできる炭素材料が望ましい。このような炭素材料としてグラファイトでも非晶質炭素でもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メソカーボンマイクロビーズなどあらゆる炭素材料を用いることができる。
【0018】
また、正極材料としては、MoS2、TiS2、MnO2、V2O5等の遷移金属酸化物、遷移金属硫化物あるいはLiCoO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2などのリチウムと遷移金属からなる複合酸化物を用いることができ、好ましくはリチウムと遷移金属からなる複合酸化物が用いられる。
リチウムイオンをドープ・アンドープできる炭素材料を負極材料として、リチウムと遷移金属からなる複合酸化物を正極材料として用いることにより、高電圧の電池とすることができ、しかも電解液として上述の非水電解液を用いることにより、耐電圧、耐酸化性が高いので、分解によるガス発生等を押えることができ、またリチウム金属との反応性が低いので、仮に充電の繰返し等によりリチウム金属が析出してもそれとの反応に伴うショートなどを避けることができ、引火点が高いので電池内で急激な発熱などが起こっても安全性が高い電池を提供することができる。
【0019】
尚、本発明の非水電解液電池の形状、形態等は本発明の範囲内で任意に選択することができる。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.塩素原子置換エステル化合物の合成
メチルアルコール196g(6.1モル)にトリクロロ酢酸500g(3.1モル)を氷冷しながら滴下し、室温で2時間攪拌した後、蒸留してトリクロロ酢酸メチルとメチルアルコールの混合物を得た。この混合物を水洗してメチルアルコールと少量混入するトリクロロ酢酸を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、蒸留してトリクロロ酢酸メチル396g(収率72%)を得た。
【0021】
同様に2−クロロエタノールと酢酸を出発物質として、酢酸2−クロロエチルを合成した。尚、本発明で用いられる他の塩素原子置換エステル化合物についても、対応するカルボン酸(R1COOH)とアルコール(R2OH)を酸触媒の存在下で反応させることにより合成することができる。
上記の合成によって得られたトリクロロ酢酸メチル(化合物1)と酢酸2−クロロエチル(化合物2)について、粘度(cp、25℃)と比誘電率(25℃)を表1に示した。比較例として酢酸エチルの粘度と比誘電率を合せて表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】
2.金属リチウムとの反応性
上記化合物1、化合物2と、比較例として酢酸エチルについてリチウム金属との反応性を調べた。
アルゴンボックス中で、充分に脱気・精製した各溶媒(化合物1、2)5mlにサイコロ状に切削したリチウム金属0.1gを加え、液中でリチウムにスパーテルを押しつけてリチウムの清浄面を露出した。25℃及び40℃でそれぞれ48時間放置後に金属リチウムの表面状態および液部の状態を観察し、反応性を判断した。結果を表2に示した。尚、表において○は変化が見られなかった場合を、×はリチウム金属表面の変質や液部の着色が観察された場合を示す。
【0024】
【表2】
【0025】
上記表より明らかなように本発明の塩素原子置換エステル化合物は比較例のエステル化合物に比べてリチウム金属との反応性が抑制されていることが分かった。
3.引火点の測定
上記化合物1、化合物2の引火点及び、比較例として酢酸エチルと酢酸2,2,2−トリフルオロエチルの引火点をタグ密閉式(JIS−K2265)で測定した。測定結果を表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】
表3から明らかなように本発明の塩素原子置換エステル化合物は、比較例の通常のエステル化合物やフッ素原子置換エステル化合物にくらべて、高い引火点を示した。
4.電解液の燃焼試験
電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)3.8g(25mmol)を電解溶媒にとかし25mlの電解液を調製した。溶媒としては、上記合成で得たエステル化合物1、2と炭酸プロピレン(PC)との1:1(体積比)混合溶媒を用いた。この電解液を幅1cm長さ30cmのマニラ麻に充分に含浸した後、ライターで着火した。この時の燃焼速度を表4に示した。比較例として、酢酸エチル及び酢酸2,2,2−トリフルオロエチルをそれぞれ炭酸プロピレン (PC)との体積比1:1で混合した溶媒についても同様の燃焼試験を行なった。その結果を併せて表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】
表4から分かるように本発明の塩素原子置換エステル化合物を使用した電解液は比較例の通常のエステル化合物やフッ素置換エステル化合物を混合した電解液よりも燃焼しにくいことが分かった。
5.電気電導度及び耐電圧の測定
電解質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)3.8g(25mmol)を電解溶媒に溶かし25mlの電解液を調製した。溶媒としては、上記合成で得たエステル化合物1、2と炭酸プロピレン(PC)との1:1(体積比)混合溶媒を用いた。この電解液の電気電導度をインピーダンスメーターを用いて10kHzで測定した。また電解液の耐電圧の測定は、作用極、対極に白金を使用し参照極にリチウム金属を使用した3電極式耐電圧測定セルに上記電解液を入れ、ポテンシオガルバノスタットで50mV/sccで電位走引し、分解電流が0.1mA以上流れなかった範囲を耐電圧とした。結果を表5に示した。
【0030】
【表5】
【0031】
表5からも明らかなように、本発明の電解液は高い耐電圧と実用レベルの電気電導性を示した。
6.電池サイクル寿命
図1に示すような電池寸法が外径20mm、高さ2.5mmのコイン形非水電解液電池を作成した。負極1にはリチウム金属を、正極2にはLiCoO285重量部に導電剤としてグラファイト12重量部、結合剤としてフッ素樹脂3重量部を加えた混合物を加圧成形したものを用いた。これら負極1、正極2を構成する物質は、ポリプロピレンから成る多孔質セパレータ3を介してそれぞれ負極缶4及び正極缶5に圧着されている。このような電池の電解液として、トリクロロ酢酸メチルと炭酸プロピレンとを体積比で1:1の割合で混合した溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1.0モル/lの割合で溶解させたものを用い、封口ガスケット6により封入した。
【0032】
このように作成した電池について、1.0mAの電流で上限電圧を4.1Vとして10時間充電し、続いて1.0mAの電流で3.0Vとなるまで放電した時の充放電効率を測定した。また、このような充放電を所定サイクル繰返し、充放電効率の変化を観察した。図2はその結果を示すもので、充放電効率をサイクル数に対してプロットしたものである。また比較例として電解液溶媒に酢酸エチルと炭酸プロピレンとの混合溶媒(体積比で1:1)を用い、その他は上述と同様に作成したコイン形電池について、同様の充放電効率を測定した。
【0033】
図2からも明らかなように、本実施例の電解液溶媒を用いた電池は、比較例の電解液溶媒を用いた電池よりも充放電効率は高く、またサイクル数に伴う劣化も小さく、優れたサイクル特性を示した。
【0034】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によれば電解液溶媒として特定の塩素原子置換エステル化合物を含む有機溶媒を用いることにより、電気電導度、耐電圧ともに実用特性を満たし、しかも引火点が高い非水電解液を提供することができる。また本発明によれば、このような非水電解液を電池に応用することによって、充放電効率及びサイクル特性に優れたエネルギー密度の高い電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解液電池の1実施例を示す概略断面図。
【図2】本発明の非水電解液を用いた電池の充放電サイクル特性を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・・負極
2・・・・・・正極
Claims (10)
- 溶媒として、請求項1ないし請求項3いずれか1項記載のエステル化合物と、環状エステル化合物及び/又は鎖状エステル化合物との混合物を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか1項記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記環状エステル化合物は、炭酸エチレン、炭酸プロピレンから選ばれる一種またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項4記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記鎖状エステル化合物は、炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチルから選ばれる一種またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項4または請求項5記載の非水電解液電池用電解液。
- 電解質としてLiPF6を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6いずれか1項記載の非水電解液電池用電解液。
- 電解質の溶媒への混合比が、0.5〜2.0モル/リットルの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項7いずれか1項記載の非水電解液電池用電解液。
- 電解液として請求項1ないし請求項8いずれか1項記載の非水電解液を含む非水電解液電池。
- 負極活物質としてリチウムイオンのドープ・アンドープが可能な炭素材料を用いた負極と、正極活物質としてリチウムと遷移金属の複合酸化物を用いた正極とを備えたことを特徴とする請求項9記載の非水電解液電池。
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