JP3569767B2 - 歩行式ロボット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は歩行式ロボット、特に二脚歩行式人型ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂二脚歩行式人型ロボットは、前もって設定された歩行パターン(以下、歩容という)データを生成して、この歩容データに従って歩行制御を行なって、所定の歩行パターンで脚部を動作させることにより二脚歩行を実現するようにしている。
ところで、このような二脚歩行式人型ロボットは、例えば床面状況,ロボット自体の物理パラメータの誤差等によって歩行の際の姿勢が不安定になりやすく、場合によっては転倒してしまうことがある。
【0003】
これに対して、歩容データを前もって設定せずに、リアルタイムにロボットの歩行状態を認識しながら歩行制御を行なうようにすれば、歩行の際の姿勢を安定させて歩行を行なわせることも可能であるが、このような場合でも、予期しない路面状況等が発生した場合には、歩行姿勢が崩れてロボットが転倒してしまうことになる。
【0004】
このため、歩行制御によって、ロボットの足裏における床反力と重力の合成モーメントがゼロとなる点(以下、ZMP(Zero Moment Point)という)を目標値に収束させる、所謂ZMP補償を行なう必要がある。
このようなZMP補償のための制御方法としては、例えば特開平5−305583号公報に示すように、コンプライアンス制御を利用して、ZMPを目標値に収束させ、ロボットの上体を加速させて修正する方法や、ロボットの足の接地場所を修正する制御方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これらの制御方法においては、何れの場合も、ロボットの関節部分の角速度を変化させて動作軌跡を変更することにより、ロボットの安定化を図るようにしている。このため、ロボットの遊脚先端,上***置等のロボットの各部の運動軌道が、歩容データによる歩容からずれて、ロボットの足の歩幅や遊脚の高さが変わったり、上体が傾斜してしまう。従って、上体の傾斜を検出して、上体の傾斜を補償するようにしている。
【0006】
このようなロボットの状態の傾斜の検出は、従来は、ロボットの胴体部に設けられた加速度センサを使用して、胴体部の傾斜角度及び傾斜加速度を検出することにより、行なわれるようになっている。
しかしながら、このような加速度センサは、ロボットの胴体部の傾斜角度及び傾斜加速度を検出するためのみに使用されており、他の用途、例えばロボットの床面上等に在る障害物等への衝突を検出するようには構成されていない。
【0007】
本発明は、以上の点にかんがみて、ロボットの各部の加速度をそれぞれ検出して各駆動手段を駆動制御することにより、反射神経と同様の機能を発揮するようにした二脚歩行式人型ロボットを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明の第一の構成によれば、胴体部と胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と胴体部の上端に取り付けられた頭部とを備えており、上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部とを含んでいて、上記腕部が、胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と各下腕部に対して少なくとも一軸方向に揺動可能に取り付けられた手部とを含んでおり、さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手部,下腕部及び上腕部をそれぞれ駆動する駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する制御部と、を有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、上記胴体部両脚部両腕部とに、それぞれ加速度センサを備えており、転倒時の受け身動作時や前転運動時に、上記制御部が、各加速度センサからの検出信号に基づいて各加速度センサを備えている部分に対する衝撃を検知し、当該衝撃を受けた部分に対応する駆動手段を制御して衝撃を緩和するように各駆動手段の駆動制御を行なうことを特徴とする二脚歩行式人型ロボットにより、達成される。
【0011】
上記目的は、本発明の第二の構成によれば、胴体部と胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と胴体部の上端に取り付けられた頭部とを備えており、上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部とを含んでいて、上記腕部が、胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と各下腕部に対して少なくとも一軸方向に揺動可能に取り付けられた手部とを含んでおり、さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手部,下腕部及び上腕部をそれぞれ駆動する駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する動作制御装置と、を有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、上記動作制御装置は、動作計画部と、動作生成部と、拡張ZMP安定部と、制御部と、動作監視部と、を備え、上記胴体部と両脚部と両腕部とに、それぞれ加速度センサを備えており、通常の歩行動作時には、上記動作監視部が現在の状態およびずれ量を上記動作計画部にフィードバックして上記動作計画部に動作計画の再生成を行わせて、上記動作計画部が動作計画を生成し、上記動作生成部が該動作計画に基づいて拡張ZMP目標値を計算し、さらに上記拡張ZMP安定部が拡張ZMP補償量で拡張ZMP目標値を補償して、上記制御部が各駆動手段を駆動制御し、転倒時の受け身動作時,前転運動時や物体に衝突した時には、上記動作監視部は、各加速度センサからの検出信号に基づいて各加速度センサを備えている部分に対する衝撃を検知して、上記動作計画部や上記動作生成部を介さずに、直接に上記制御部を制御することにより、上記制御部が上記衝撃を緩和するように各駆動手段の駆動制御を行なうことを特徴とする二脚歩行式人型ロボットにより、達成される。
【0012】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、前記胴体部が上方の胸部と下方の腰部とに分割されており、前記加速度センサが、上記腰部と、前記各下腕部と、前記各下腿部とに、備えられている。さらに、前記加速度センサは、前記上腕部や、大腿部、前記頭部にも備えられていてもよい。
【0014】
上記第一及び第二の構成によれば、二脚歩行式人型ロボットが歩行動作中に、胴体部,各脚部及び/又は各腕部等の環境にインタラクティブな部分が、転倒などにより大きく傾斜したり、あるいは床面上等に在る障害物等の物体に衝突した場合に、当該部分に備えられた加速度センサが当該部分の傾斜角度,傾斜加速度や、衝突等による加速度の急激な変化により衝撃を検知することができる。従って、制御部が、各加速度センサからの検出信号を参照しながら、各駆動手段を駆動制御することにより、従来と同様に各関節部の力制御を行なうことができると共に、さらに反射神経と同様の機能を発揮して、上記衝撃を迅速に緩和し、上記衝撃後の状況復帰を行なうことが可能になる。
このようにして、本発明によれば、ロボットの胴体部,各脚部及び各部にそれぞれ加速度センサが配置されることにより、ロボットの各部に加速度センサが分散配置されることになり、各部の加速度をそれぞれ別個に検出することができる。これにより、ロボットの各部の動き、そして衝突等による衝撃をより正確に検知することができるので、ロボットの全身運動等において、より一層適切な駆動制御を行ない、円滑な全身運動等を行なうことが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1乃至図2は、本発明による二脚歩行式人型ロボットの一実施形態の構成を示している。
図1において、二脚歩行式人型ロボット10は、胴体部11と、胴体部11の下部両側に取り付けられた脚部12L,12Rと、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部13L,13Rと、胴体部の上端に取り付けられた頭部14と、を含んでいる。
【0016】
上記胴体部11は、上方の胸部11aと下方の腰部11bとに分割されており、胸部11aが、前屈部11cにて腰部11bに対して前後方向に揺動可能に、特に前方に前屈可能に、そして左右方向に旋回可能に支持されている。さらに、胴体部11の胸部11aには、後述する歩行制御装置50が内蔵されている。なお、上記前屈部11cは、前後揺動用の関節部11d及び左右旋回用の関節部11eを備えており、各関節部11d及び11eは、それぞれ関節駆動用モータ(図2参照)により構成されている。
【0017】
上記脚部12L,12Rは、それぞれ大腿部15L,15R,下腿部16L,16R及び足部17L,17Rと、から構成されている。上記脚部12L,12Rは、図2に示すように、それぞれ六個の関節部、即ち上方から順に、胴体部11の腰部11bに対する脚部回旋用の関節部18L,18R、脚部のロール方向(x軸周り)の関節部19L,19R、脚部のピッチ方向(y軸周り)の関節部20L,20R、大腿部15L,15Rと下腿部16L,16Rの接続部分である膝部21L,21Rのピッチ方向の関節部22L,22R、足部17L,17Rに対する足首部のピッチ方向の関節部23L,23R、足首部のロール方向の関節部24L,24Rを備えている。なお、各関節部18L,18R乃至24L,24Rは、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
【0018】
このようにして、腰関節は上記関節部11d,11eから構成され、股間節は上記関節部18L,18R,19L,19R,20L,20Rから構成され、また足関節は関節部23L,23R,24L,24Rから構成されることになる。これにより、二脚歩行式人型ロボット10の左右両側の脚部12L,12Rは、それぞれ6自由度を与えられることになり、各種動作中にこれらの12個の関節部をそれぞれ駆動モータにより適宜の角度に駆動制御することにより、脚部12L,12R全体に所望の動作を与えて、例えば任意に三次元空間を歩行することができる。
【0019】
上記腕部13L,13Rは、それぞれ上腕部25L,25R,下腕部26L,26R及び手部27L,27Rと、から構成されている。上記腕部13L,13Rの上腕部25L,25R,下腕部26L,26R及び手部27L,27Rは、上述した脚部12L,12Rと同様にして、図2に示すように、それぞれ五個の関節部、即ち上方から順に、肩部にて、胴体部11に対する上腕部25L,25Rのピッチ方向の関節部28L,28R、ロール方向の関節部29L,29R、そして左右方向の関節部30L,30R、上腕部25L,25Rと下腕部26L,26Rの接続部分である肘部31L,31Rにてピッチ方向の関節部32L,32R、手首部にて下腕部26L,26Rに対する手部27L,27Rのピッチ方向の関節部33L,33Rを備えている。なお、各関節部28L,28R乃至33L,33Rは、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
【0020】
このようにして、二脚歩行式人型ロボット10の左右両側の腕部13L,13Rはそれぞれ5自由度を与えられることにより、各種動作中にこれらの12個の関節部をそれぞれ駆動モータにて適宜の角度に駆動制御し、腕部13L,13R全体に所望の動作を与えることができる。ここで、上記肩部におけるピッチ方向の関節部28L,28Rは、ロール方向の関節部29L,29R及び左右方向の関節部30L,30Rに対して回転軸が前方にずれて配設されており、前方への腕部13L,13Rの振り角度が大きく設定されている。
【0021】
上記頭部14は、胴体部11の上部11aの上端に取り付けられており、例えば視覚としてのカメラや聴覚としてのマイクが搭載されている。上記頭部14は、図2に示すように、首のピッチ方向の関節部35及び左右方向の関節部36を備えている。なお、各関節部35,36は、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
このようにして、二脚歩行式人型ロボット10の頭部14は、2自由度を与えられて、各種動作中にこれらの2個の関節部35,36をそれぞれ駆動モータにて適宜の角度に駆動制御し、頭部14を左右方向または前後方向に動かすことができる。
【0022】
以上の構成は、従来の二脚歩行式人型ロボットとほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10においては、以下の点で異なる構成になっている。即ち、二脚歩行式人型ロボット10は、さらに図1及び図2に示すように、上述した胴体部11の腰部11bと、各腕部13L,13Rの下腕部26L,26Rそして各脚部12L,12Rの下腿部16L,16Rに、それぞれ加速度センサ40を備えている、即ち加速度センサ40が上記各部に分散配置されている。
【0023】
図3は、図1乃至図2に示した二脚歩行式人型ロボット10の電気的構成を示している。図3において、二脚歩行式人型ロボット10は、駆動手段、即ち上述した各関節部即ち関節駆動用モータ11d,11e,18L,18R乃至33L,33R,35,36を駆動制御する動作制御装置50を備えている。
【0024】
上記動作制御装置50は、動作計画部51と、動作生成部52と、拡張ZMP変換部53と、拡張ZMP安定部54と、制御部55と、ロボットの各関節部の角度を検出する角度計測ユニット56と、動作監視部57と、を備えている。なお、二脚歩行式ロボット10の座標系として、前後方向をx方向(前方+),横方向をy方向(内方+)そして上下方向をz方向(上方+)とするxyz座標系を使用する。
【0025】
上記動作計画部51は、与えられたロボットの初期状態(各関節部の角度及び力センサ40の検出信号に基づく姿勢)と所望の動作の最終状態から、初期状態と最終状態との間の中間の運動を計画する。即ち、動作計画部51は、ロボット全体により構成される凸部分を覆うような多面剛体を仮想的に設定して、初期状態から最終状態までの上記多面剛体の時系列形状データ及び重心軌道を計算し、全身運動を行なうために必要なロボットの角運動量を計算する。
【0026】
そして、動作計画部51は、上述した運動の拡張ZMP,重心位置,上記多面剛体の状態,角運動量,運動エネルギー等を計算して、ロボットの動作軌道すなわち動作計画を生成する。なお、上記動作計画部51は、後述するように動作監視部57からロボットの現在の状態及び動作計画からのずれ量が入力されたときには、同様にして動作計画の再生成を行なう。
【0027】
ここで、動作計画部51は、動作ライブラリ51aを備えている。この動作ライブラリ51aは、前もってロボットの動作の要素となる受け身動作を含む基本動作に関する姿勢データ等が種類別に格納されている。これにより、動作計画部51は、上述した動作計画を行なう際に、必要に応じて各種姿勢データ等を動作ライブラリ51aから読み出して、組合せ動作のシーケンスとして動作計画を生成する。そして、動作計画部51は、動作計画として、シーケンス毎に姿勢データ及びそのときの各関節部の角運動量を、動作生成部52に出力するようになっている。その際、動作計画部51は、動作監視部57からの転倒状態の旨の通知が入力されたときは、瞬時に、すべての動作生成を中止して、転倒回避や受け身動作に切り換えて、動作計画を行なう。
【0028】
上記動作生成部52は、二脚歩行式人型ロボット10の計画された全身運動に必要な各関節部15L,15R乃至36の角度データθrefを生成する。その際、上記動作生成部52は、後述する拡張ZMP安定部54からの指令に基づいて、内部のパラメータ及び生成する角度データを修正するようになっている。
【0029】
上記拡張ZMP変換部53は、動作生成部52からの各関節部の角度データθrefに基づいて拡張ZMP目標値を計算し、拡張ZMP安定部54及び動作監視部57へ出力する。
【0030】
上記拡張ZMP安定部54は、角度計測ユニット56からの姿勢情報に基づいて拡張ZMP実際値を計算し、さらにこの拡張ZMP実際値を、拡張ZMP変換部53からの拡張ZMP目標値と比較して、その差に基づいて、当該差が小さくなるように拡張ZMP補償量を計算して、動作生成部52に出力する。なお、拡張ZMP補償量の計算方法は、従来のZMP補償量の計算方法をそのまま適用することができる。
【0031】
ここで、動作生成部52は、拡張ZMP安定部54からの拡張ZMP補償量がフィードバックされることにより、この拡張ZMP補償量に基づいて動作データを修正して制御部55へ出力する。
【0032】
上記制御部55は、動作生成部52からの修正された動作データに基づいて各関節駆動用モータの制御信号を生成し、各関節駆動用モータを駆動制御するようになっている。
【0033】
上記角度計測ユニット56は、各関節部15L,15R乃至36の関節駆動用モータに備えられた例えばロータリエンコーダ等にて各関節駆動用モータの角度情報が入力されることにより、各関節駆動用モータの角度位置、即ち角度及び角速度そして角度モーメントに関する状態情報、即ちロボット10の姿勢情報θrealを計測して、拡張ZMP安定部54及び動作監視部57へ出力する。
【0034】
上記動作監視部57は、動作計画部51からの動作計画,拡張ZMP変換部53からの拡張ZMP目標値,角度計測ユニット56からの拡張ZMP実際値としての(角度及び角度モーメントを含む)角度情報と各加速度センサ40からの各部加速度情報が入力されており、これらに基づいて、常に二脚歩行式人型ロボット10の状態を監視している。そして、動作監視部57は、動作計画,拡張ZMP目標値から実際のロボットの動作が大きくずれたとき、現在の状態およびずれ量を動作計画部51にフィードバックして、動作計画部51に動作計画の再生成を行なわせる。また、動作監視部57は、各加速度センサ40からの各部加速度情報から、転倒状態を判別し、転倒状態を検知した場合には、動作計画部51に対して転倒状態の旨を通知する。さらに、動作監視部57は、各加速度センサ40からの各部加速度情報から衝突状態を判別し、衝突を検知した場合には、動作計画部51,動作生成部52等を介さずに、所謂反射神経として作用することにより、直接に制御部55により各関節駆動用モータを駆動制御して、衝撃の緩和を行なうようになっている。
【0035】
本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10は以上のように構成されており、通常の歩行動作は、動作制御装置50が、動作計画部51により動作計画を生成し、動作生成部52が、この動作計画に基づいて拡張ZMP目標値を計算し、さらに拡張ZMP安定部54により拡張ZMP補償量で拡張ZMP目標値を補償しながら、制御部55によりロボット10の各関節部の関節駆動用モータを駆動制御する。
そして、全身運動を行なうロボットの動作時に突出して環境に接触する部分における床反力と重力との合成モーメントがゼロとなる点を拡張ZMPとして、この拡張ZMPを従来のロボットの歩行制御におけるZMPと同様にして、拡張ZMP目標値と拡張ZMP実測値の差である拡張ZMP誤差に基づいて、動作データを修正することにより、ロボット10に発生する慣性力を制御して、拡張ZMP目標値を補償する。
これにより、例えば転倒時の受け身動作,起き上がり動作や前転運動等の全身運動において、動作制御を安定的に行なうことにより、二脚歩行式人型ロボットの全身運動を動的に安定して確実に行なうことが可能になる。
【0036】
次に、二脚歩行式人型ロボット10が衝撃を受けた場合の制御動作について、図4を参照して説明する。図4のフローチャートにおいて、先ずステップST1にて、加速度センサ40で検知した各部加速度情報が動作監視部57に入力されると、ステップST2にて、動作監視部57は、当該各部加速度情報に基づいて各加速度センサ40が衝撃を検知したか否かを判定する。そして、ステップST2にて、各加速度センサ40が衝撃を検知していないと判定したときには、ステップST1に戻り、上記動作を繰り返す。
【0037】
これに対して、ステップST2にて、各加速度センサ40が衝撃を検知したと判定したときには、ステップST3にて、動作監視部57は、当該衝撃を緩和するために衝撃吸収運動の制御を開始する。
【0038】
そして、ステップST4にて、動作監視部57は、衝撃を緩和するために、当該衝撃を受けた部分に対応する関節駆動用モータのゲインを調整する。これにより、ステップST5にて、衝撃吸収運動が開始され、ステップST6にて、動作監視部57が、ロボットが衝撃による外力によって動いているか否かを判定し、外力によって動いている場合には、まだ衝撃による外力が作用しているものと判断して、ステップST5に戻り、衝撃吸収運動を継続する。
【0039】
また、ステップST6にて、ロボットが外力によって動いていない場合には衝撃が吸収されたものと判断し、ステップST7にて衝撃吸収運動が終了して、ステップST8にて、動作監視部57は、当該衝撃を受けた部分に関して他の加速度センサ40からの各部加速度情報や角度計測ユニット56からの角度情報に基づいて障害物との接触あるいは接地状態を認識して、衝撃吸収動作を終了する。このとき、動作監視部57は、動作計画部51や動作生成部52を介さずに、直接に制御部55を制御することにより、衝撃吸収運動を行なわせるので、所謂反射神経として作用することになり、迅速な衝撃吸収運動が可能になる。
【0040】
このようにして、本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10によれば、ロボット10の環境とインタラクティブな部分、例えば胴体部11,両脚部12L,12Rや両腕部13L,13Rにそれぞれ設けられた加速度センサ40により、これらの部分の各部加速度情報が検出され、動作監視部57に入力されるので、動作監視部57が、これらの部分の各部加速度情報に基づいて、これらの部分の衝突等による衝撃を検知することができる。
【0041】
従来の二脚歩行式人型ロボットでは胴体部のみに加速度センサが設けられていたのに対して、上記二脚歩行式人型ロボット10においては、加速度センサ40がロボットの各部に分散配置されていることにより、各部に作用する加速度をより正確に検出して、これらの部分の衝突等による衝撃をより一層正しく検知することができる。従って、動作制御装置50は、このような衝撃の検知により、所謂反射神経と同様の機能を発揮して、迅速に且つ適切に衝撃を緩和するための動作を行なわせ、ロボットの各部の破損等を回避することができる。
【0042】
上述した実施形態においては、加速度センサ40は、胴体部11の腰部11bと、各腕部13L,13Rの下腕部26L,26Rそして各脚部12L,12Rの下腿部16L,16Rに、それぞれ備えられているが、これに限らず、例えば腕部13L,13Rの上腕部25L,25Rや、脚部12L,12Rの大腿部15L,15R、さらには頭部14等にも加速度センサ40が備えられるようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、本発明を二脚歩行式人型ロボットに適用した場合について説明したが、これに限らず、他の各種機器を二本足で支持する共に、この二本足で歩行するようにした二脚歩行式移動装置や、さらには複数本の脚部で支持し且つ歩行を行なう歩行式ロボットや歩行式移動装置に対しても本発明を適用し得ることは明らかである。
【0043】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、二脚歩行式人型ロボットが歩行動作中に、胴体部,各脚部及び/又は各腕部等の環境にインタラクティブな部分が、転倒等により大きく傾斜したり、あるいは床面上等に在る障害物等の物体に衝突した場合に、当該部分に備えられた加速度センサが当該部分の傾斜角度,傾斜加速度や、衝突等による加速度の急激な変化により衝撃を検知することができる。
従って、制御部が、各加速度センサからの検出信号を参照しながら、各駆動手段を駆動制御することにより、従来と同様に各関節部の力制御を行なうことができると共に、さらに反射神経と同様の機能を発揮して上記衝撃を迅速に緩和し、上記衝撃後の状況復帰を行なうことが可能になる。
ロボットの胴体部,各脚部及び各腕部等にそれぞれ加速度センサが配置されることにより、ロボットの各部に加速度センサが分散配置されることになり、各部の加速度をそれぞれ別個に検出することができる。これにより、ロボットの各部の動き、そして衝突等による衝撃をより正確に検知することができるので、ロボットの全身運動等において、より一層適切な駆動制御を行ない、円滑な全身運動等を行うことが可能になる。
このようにして、本発明によれば、ロボットの各部、例えば脚部,腕部等の環境とインタラクティブな部分の加速度をそれぞれ検出して、各部分の環境との衝突状態を検出し得るようにした、歩行式ロボット特に二脚歩行式人型ロボットが提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二脚歩行式人型ロボットの一実施形態の外観を示し、(A)は概略正面図、(B)は概略側面図である。
【図2】図1の二脚歩行式人型ロボットの機械的構成を示す概略図である。
【図3】図1の二脚歩行式人型ロボットの電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図1の二脚歩行式人型ロボットの衝撃検知時の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 二脚歩行式人型ロボット
11 胴体部
11a 胸部
11b 腰部
11c 前屈部
12L,12R 脚部
13L,13R 腕部
14 頭部
15L,15R 大腿部
16L,16R 下腿部
17L,17R 足部
18L,18R乃至24L,24R 関節部(関節駆動用モータ)
21L,21R 膝部
25L,25R 上腕部
26L,26R 下腕部
27L,27R 手部
28L,28R乃至30L,30R 関節部
31L,31R 肘部
32L,32R,33L,33R,35,36 関節部
40 加速度センサ
50 歩行制御装置
51 動作計画部
51a 動作ライブラリ
52 動作生成部
53 拡張ZMP変換部
54 拡張ZMP安定部
55 制御部
56 角度計測ユニット
57 動作監視部

Claims (5)

  1. 胴体部と、胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と、胴体部の上端に取り付けられた頭部と、を備えており、
    上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と、各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と、各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部と、を含んでいて、
    上記腕部が、胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と、各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と、各下腕部に対して少なくとも一軸方向に揺動可能に取り付けられた手部と、を含んでおり、
    さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手部,下腕部及び上腕部をそれぞれ駆動する駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する制御部と、を有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、
    上記胴体部両脚部両腕部とに、それぞれ加速度センサを備えており、
    転倒時の受け身動作時や前転運動時に、上記制御部が、各加速度センサからの検出信号に基づいて各加速度センサを備えている部分に対する衝撃を検知し、当該衝撃を受けた部分に対応する駆動手段を制御して衝撃を緩和するように各駆動手段の駆動制御を行なうことを特徴とする、二脚歩行式人型ロボット。
  2. 胴体部と、胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と、胴体部の上端に取り付けられた頭部と、を備えており、
    上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と、各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と、各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部と、を含んでいて、
    上記腕部が、胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と、各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と、各下腕部に対して少なくとも一軸方向に揺動可能に取り付けられた手部と、を含んでおり、
    さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手部,下腕部及び上腕部をそれぞれ駆動する駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する動作制御装置と、を有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、
    上記動作制御装置は、動作計画部と、動作生成部と、拡張ZMP安定部と、制御部と、動作監視部と、を備え、
    上記胴体部と両脚部と両腕部とに、それぞれ加速度センサを備えており、
    通常の歩行動作時には、上記動作監視部が現在の状態およびずれ量を上記動作計画部にフィードバックして上記動作計画部に動作計画の再生成を行わせて、上記動作計画部が動作計画を生成し、上記動作生成部が該動作計画に基づいて拡張ZMP目標値を計算し、さらに上記拡張ZMP安定部が拡張ZMP補償量で拡張ZMP目標値を補償して、上記制御部が各駆動手段を駆動制御し、
    転倒時の受け身動作時,前転運動時や物体に衝突した時には、上記動作監視部は、各加速度センサからの検出信号に基づいて各加速度センサを備えている部分に対する衝撃を検知して、上記動作計画部や上記動作生成部を介さずに、直接に上記制御部を制御することにより、上記制御部が上記衝撃を緩和するように各駆動手段の駆動制御を行なうことを特徴とする、二脚歩行式人型ロボット。
  3. 前記胴体部が、上方の胸部と下方の腰部とに分割されており、
    前記加速度センサが、上記腰部と、前記各下腕部と、前記各下腿部とに、備えられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の二脚歩行式人型ロボット。
  4. 前記加速度センサが、前記上腕部や、前記大腿部に備えられていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の二脚歩行式人型ロボット。
  5. 前記加速度センサが前記頭部に備えられていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の二脚歩行式人型ロボット。
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