JP3568710B2 - 大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm2 級鋼板およびその製造方法 - Google Patents
大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm2 級鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大入熱溶接を適用しても、溶接熱影響部(以下HAZと言う)の靱性が高い低降伏比型溶接構造用590N/mm2 級鋼板の製造方法に関し、特に、鋼板の降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm2 級鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築構造物の高層化、大スパン化により、建築構造物の鉄骨用鋼板にはより厚板化および高強度化が求められている。
より具体的には、ビルの支柱など、建築物の基本構造となる部分には、30mm以上の厚板が用いられるとともに、従来使用されてきた490〜570N/mm2 級高張力鋼板から、更に強度の高い590N/mm2 級以上の高張力鋼板(以下、HT590と言う)を使用する動きが強まっている。
この情勢を受けて、HT590級高張力鋼板の建築構造用規格(SA440)が1994年に制定された。
【0003】
この規格では、耐震設計思想に基づき、溶接構造用HT590級鋼板に対し、高強度であるとともに、降伏比を80%以下に低減すること、および溶接入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が、0℃シャルピー吸収エネルギーで15J以上であること等の要求がなされている。その上、阪神大震災以来、HAZ部の更なる高靱化が要求され、前記大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が、母材と同等の47J以上を要求するケースも出てきている。
【0004】
建築構造用のHT590級以上の高張力鋼板を、その製造過程、特に熱間圧延工程において、低降伏比化する技術は、既に従来から種々提案されている。
その一つとして、まず、Q−Q’−TあるいはDQ−Q’−T熱処理方法がある。
【0005】
この熱処理方法は、HT590級以上の高張力鋼板の高強度を確保したまま、低降伏比化するために、▲1▼DQあるいはQ〔圧延後オンラインAr3点以上の温度からの直接焼入れ(DQ)乃至圧延後オフラインでAc3点以上の温度からの再加熱焼入れ(Q)〕、▲2▼Q’〔フェライト/オーステナイト二相域温度(Ac1点以上Ac3点未満)からの焼入れ〕、▲3▼T〔Ac1点未満の温度での焼戻し〕の組み合わせにより行われている。
【0006】
即ち、Q−Q’−TあるいはDQ−Q’−T熱処理方法は、通常の熱処理方法に対し、焼入れ(Q)−焼戻し(T)処理の中間に、γ−α二相域温度からの焼入れ(Q’)加えるものである。
そして、この中間焼入れ処理Q’により、低硬度で延性に優れるフェライトが組織中に生成するため、低い降伏比が得られる。
【0007】
但し、このQ−Q’−TあるいはDQ−Q’−T熱処理は、中間の焼入れQ’の温度が、γ−α二相域と低いため、HT590級の鋼板強度を確保するためには、通常の熱処理タイプのHT590級鋼板よりも多量の合金元素を添加して、鋼の焼入れ性を向上させる必要がある。
【0008】
図3に、Ceq.が0.37〜0.40%の範囲の化学成分を有する鋼板に、このQ−Q’−T熱処理を適用した場合のCeq.と強度との関係を示す。
図3から明らかな通り、Q−Q’−T熱処理を適用して製造した鋼板は、Ceq.が0.42%以上にならないとHT590級以上の強度は得られず、この熱処理方法では、より多量の合金元素の添加が必要となることが分かる。
【0009】
また、これとは別に、HT590級以上の高張力鋼板の高強度を確保したまま低降伏比化する手法として、「製鉄研究、第334号、1989、17−28頁」等に、板厚が80mmの鋼板を熱間圧延後、Ar3点−Ar1点のγ−α二相域から水冷(加速冷却)して、低降伏比鋼を得る方法が開示されている。
【0010】
この二相域から加速冷却して低降伏比鋼を得る方法は、HT590級以上の高張力鋼板の高強度を確保したまま、低降伏比化する方法として優れている。
しかし、この技術でも、前記Q−Q’−T熱処理の中間の焼入れQ’の温度と同様に、圧延後の冷却開始温度が、通常のAr3点以上からの焼入れ乃至加速冷却に比して、Ar3点−Ar1点のγ−α二相域と低い。
そのため、HT590級の鋼板強度を確保するためには、やはり、通常の熱処理タイプのHT590級鋼板よりも多量の合金元素を添加して、鋼の焼入れ性を向上させる必要がある。
【0011】
実際、前記文献でも、基本成分の他、Cu、Ni、Cr、Mo、V、Ti、B等の、鋼の強度向上や靱性向上元素を同時に添加し、Ceq.が0.43%程度のレベルで、HT590級の強度を確保している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
一方、建築構造用鋼板の溶接施工には、施工効率上、エレクトロスラグ溶接のような入熱量30〜100kJ/mmの超大入熱溶接法が適用されている。
そして、この大入熱溶接法を、前記Ceq.が比較的高いQ−Q’−T熱処理適用鋼板や、二相域加速冷却低降伏比鋼に適用した場合、HAZの靱性が確保しにくく靱性が低下するという問題が生じる。
【0013】
通常、建築以外の用途のHT590級鋼板では、入熱を数kJ/mm程度の小入熱に抑えた溶接法が採用さており、この溶接法によれば、HAZの組織も下部ベイナイトとなり、HAZ靱性が確保される。
したがって、前記Q−Q’−T熱処理適用鋼板や二相域加速冷却低降伏比鋼も、小入熱に抑えた溶接法であれば、HAZの靱性が著しく低下するという問題は生じない。
【0014】
しかし、大入熱溶接が行われた場合、鋼板は、溶接熱により一般的に1350℃程度に加熱された後、緩慢な冷却を受ける。
この際、前記Q−Q’−T熱処理適用鋼板や二相域加速冷却低降伏比鋼は、Ceq.が0.42%以上と高いので、前記溶接後の冷却過程で、HAZは変態時に靱性の極めて悪い上部ベイナイトとなり、HAZ靱性が劣化する。
実際、前記二相域加速冷却低降伏比鋼を開示した文献でも、エレクトロスラグ溶接した場合に、シャルピー試験による溶接部の衝撃特性は、0℃シャルピー吸収エネルギーで35〜40Jレベルとなっている。
【0015】
したがって、これら従来技術では、溶接入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が、0℃シャルピー吸収エネルギーで、目標とする47J以上という規格を満足できない。
【0016】
因みに、HAZ靱性劣化の対策として従来一般的な方法は、(1) 鋼の焼入れ性を低下させ、HAZの上部ベイナイト量を減少させ、靱性の良好なフェライト−パーライト主体の組織(上部ベイナイトよりもさらに焼きが入っていない組織)とする方法や、(2) 逆に焼入れ性を増加させ、上部ベイナイトからHAZ靱性の良好な下部ベイナイトとする方法がある。
【0017】
しかしながら、これらHAZ靱性劣化の対策は、前記Q−Q’−T熱処理適用鋼板や二相域加速冷却低降伏比鋼には適用できない。
即ち、前記(1) のフェライト−パーライト組織化は、鋼材の炭素当量(Ceq.)を下げることにより、実現可能である。しかし、この組織は、490N/mm2 級の強度の低い鋼板(以下、HT490という)に特有の組織であり、そのような低い焼入れ性の鋼を用いてHT590級の母材強度を確保することは、実質的に不可能である。
【0018】
また、前記(2) の下部ベイナイト化(鋼の高焼入れ性化)は、逆に鋼材の炭素当量(Ceq.)を上げることにより、実現可能であるが、従来の製造法のままでは降伏比が高くなりすぎ、母材の降伏比を80%以下にできない。
しかも、合金元素添加量の増加により、溶接性が低下し、経済性の問題もあり実用的ではない。
【0019】
以上述べた通り、現状では、素材鋼板の側から、特にビルの支柱などの建築構造物用の30mm以上の厚鋼板で、高強度と低降伏比とを両方兼備し、且つ大入熱溶接を適用してもHAZの靱性が優れた建築構造物用のHT590級鋼板を提供できていない。
したがって、建築基準を満足させるために、溶接の施工側で、溶接入熱量を30kJ/mm以下に制限して溶接しているのが実情であり、建築分野では、溶接乃至建築効率上無視できない問題となっている。
【0020】
本発明は、このような事情に着目してなされたものであって、HT590級以上の高張力鋼板において、高強度と80%以下の低い降伏比を確保すると同時に、入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接を適用しても、HAZの靱性が優れた溶接構造用鋼板およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、合金元素が少ない=低炭素当量(低Ceq.)鋼でも、特にTiやNなど鋼の組成を調節し、かつ熱間圧延後の加速冷却法(TMCP:熱加工制御技術)を活用することにより、HT590級以上の高強度を確保しつつ、80%以下の低い降伏比と、溶接入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が0℃シャルピー吸収エネルギーで47J以上の優れたHAZ靱性を確保できることを知見した。
【0022】
この知見に基づく、本発明の要旨は、まず、構造用鋼板の化学成分について、熱間圧延後にAr1 点以上の温度から加速冷却される鋼板の組成を、質量%にて、C:0.10〜0.16%、Si:0.40%以下、Mn:1.00〜1.80%、P:0.025%以下、S:0.012%以下、Ti:0.005〜0.020%、Al:0.010〜0.080%、N:0.0020〜0.0080%を含み、かつCeq.(但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14%)を0.37〜0.40%の範囲とし、残部Feおよび不可避的不純物からなるものとする。
【0023】
上記合金成分に加え、Nb:0.005〜0.100%、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜1.00%、V:0.005〜0.100%、の一種または二種以上を含有することができる。
【0024】
また、上記合金成分に加え、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、B:0.0002〜0.0020%の一種または二種以上を含有することができる。
【0025】
更に、上記合金成分に加え、Ca:0.0005〜0.0040%を含有することができる。
【0026】
次に、本発明の鋼板の製造方法の要旨は、これらの化学成分の鋼片を加熱し、熱間圧延を850℃以上で終了した後、Ar1 点以上の温度から500℃以下まで6〜14℃/sec以上の冷却速度で加速冷却して製造する。
【0027】
また、前記加速冷却後、Ac1 点以下の温度で焼き戻すことが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における化学成分の限定理由について説明する。
Cは、鉄骨用高張力鋼板としての強度を確保するために必要な元素であるが、含有量が0.10%未満では、引張強さHT590級以上の強度は得がたく、また、0.16%を超えて添加すると耐溶接割れ性を害するので好ましくない。したがって、C含有量は0.10〜0.16%の範囲とする。
【0029】
Siは脱酸に必要な元素であるが、0.40%を超えて過多に添加すると、母材の靱性を劣化させるので好ましくない。したがって、Si含有量は0.40%以下とする。なお、脱酸の効果を発揮させるためには、0.05%以上の含有が好ましい。
【0030】
Mnは焼入れ性を向上させ、板厚内部の強度を確保するために必要な元素であるが、含有量が1.00%未満ではこのような効果は十分に得られず、また、1.80%を超えて過剰に添加すると、溶接性、HAZ靱性を劣化させるので好ましくない。したがって、Mn含有量は1.00〜1.80%の範囲とする。
【0031】
Pは不純物として鋼板中に含有される元素であり、偏析しやすい元素であり、含有量が多いと偏析部の靱性が劣化する。したがって、含有量が少ないほど母材およびHAZの靱性は良好となる。しかし過度に低減することは著しいコストアップをもたらす。したがって、P含有量は0.025%以下とする。
【0032】
Sも不純物として鋼板中に含有される元素であり、MnS介在物を形成し、鋼の靱性を劣化させる。したがって、含有量が少ないほど母材およびHAZの靱性は良好となる。しかし過度に低減することは著しいコストアップをもたらす。したがって、含有量は0.012%以下とする。
【0033】
Tiは、本発明において最も重要な元素のひとつである。Tiは、窒化物形成傾向が極めて強く、大入熱溶接時、靱性が特に低いボンド部において、フェライトの核となるTiNを形成し、ボンド部を細粒のフェライト・パーライト化することを通して、後述する図1の通り、HAZの靱性を良好とする。
そのためには、Tiの含有量が0.005%以上とする必要があり、また、0.020%を超えて過剰に添加すると、Tiの非金属介在物の増加およびTiN粒子の粗大化を招き、逆に母材の溶接性、靱性を劣化させるので好ましくない。したがって、Ti含有量は0.005〜0.020%の範囲とする。また、より好ましくは、0.007〜0.015%の範囲とする。
【0034】
因みに、この種厚鋼板の分野において、Tiの添加自体は公知である。しかし、従来、その添加目的は、例えば特公昭62−970号公報等に記載されている通り、他のNb、Vなどと同様に、オーステナイトの細粒化や焼戻し(T処理)時の析出効果であって、本発明のように、大入熱溶接時にTiNを形成させ、HAZの靱性を改善する目的ではない。
【0035】
Alは脱酸元素であるが、含有量が0.010%未満ではそのような効果は少なく、また、0.080%を超えて添加すると、Al2 O3 介在物形成による母材靱性の劣化をもたらす。したがって、Al含有量は0.010〜0.080%の範囲とする。
【0036】
Nは、従来、HAZの靱性向上を図るためには、一般的に、0.0060%以下とし、できるだけ低く抑える方が好ましいとされてきた。
しかし、本発明鋼では、Tiと共に、HAZの組織微細化による靱性改善に有効な重要因子であるTiNの微細析出により、大入熱溶接におけるHAZ靱性を改善する効果を期待している。この効果を最大限に発揮させるためには、含有量が0.0020%以上必要である。
一方、0.0080%を超えて含有すると、固溶N量を増大させることになり、母材およびHAZの靱性を著しく劣化させる。したがって、N含有量は0.0020〜0.0080%の範囲とする。
【0037】
この他に、本発明では、Nb、V、Cu、Niの一種または二種以上を含有することができる。これらの元素は、後述する他の元素に比して、溶接性、特に大入熱溶接におけるHAZ部の靱性を劣化させない少量乃至微量の添加で、焼入れ焼戻し時に顕著な母材の強度や靱性の上昇効果を有する。
このため、鋼板の降伏比をより低下させる必要から、特に焼入れ開始温度を、Ar1〜Ar3点の二相域と低くする場合はHT590級の強度確保が難しい場合の、母材の強度調節に有効である。
【0038】
Nbは、少量の添加により、圧延後の直接焼入れ時の焼入れ性を増すとともに、焼戻し軟化抵抗を高める等、顕著な強度上昇効果を有しており、強度調節に有効な元素である。
また、結晶粒微細化作用を有し、また直接焼入れ・焼戻しを行う場合には析出強化作用をもたらす元素である。その効果を得るためには、0.005%以上の添加が必要であり、また0.100%を超えて添加すると溶接性、特にHAZ部の靱性や、母材靱性を劣化させる傾向にある。したがって、Nb含有量は0.005〜0.100%の範囲とする。
【0039】
Vは、Nbと同様、少量の添加により、直接焼入れ時の焼入れ性を増し、焼戻し軟化抵抗を高め、顕著な強度上昇効果を有しており、強度調節に有効な元素である。その効果を得るためには0.005%以上の添加が必要であるが、0.100%を超えて添加すると溶接性、特にHAZ部の靱性を害する。したがって、V含有量は0.005〜0.100%の範囲とする。
【0040】
Cuは固溶強化、析出強化による強度上昇に有効な元素であるが、含有量が0.05%未満ではこのような効果を十分に発揮することができない。また、0.50%を超えて添加すると熱間加工性が劣化し、鋼板表面に割れを生じやすく、また、溶接性、特にHAZ部の靱性を害する問題もある。したがって、Cu含有量は0.05〜0.50%の範囲とする。
【0041】
Niは母材の強度と靱性およびHAZ靱性を向上させる効果があるが、含有量が0.05%未満ではそのような効果は十分に発揮されない。また、1.00%を超えて過剰に添加するとスケール疵が発生しやすくなり、またコストアップとなる。したがって、Ni含有量は0.05〜1.00%の範囲とする。
【0042】
また、上記合金成分に加え、母材の靱性および強度レベルの向上のために、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、B:0.0003〜0.0020%の一種または二種以上を含有することができる。但し、これらの元素の含有は、確実にHAZ靱性を劣化させるので、止むを得ない場合以外は、極力避けることが好ましい。
【0043】
Crは焼入れ性向上に有効な元素であるが、含有量が0.05%未満ではそのような効果は十分に発揮されず、また、0.40%を超えて添加すると溶接性を害し、特に大入熱溶接におけるHAZの靱性を劣化させる。したがって、Cr含有量は.0.05〜0.40%の範囲とする。
【0044】
Moは焼入れ性を高め、焼戻し軟化抵抗を増す元素であるが、含有量が0.05%未満ではそのような効果は十分に得られず、また、0.40%を超えて過剰に添加すると、特に大入熱溶接におけるHAZの靱性を劣化させ、コストアップにもなる。したがって、Mo含有量は0.05〜0.40%の範囲とする。
【0045】
Bは微量の添加で焼入れ性の向上をもたらし、また母材強度上昇に寄与する。 しかし、含有量が0.0002%未満ではその効果は十分に得られず、また、0.0020%を超えると、BN以外のB化合物の多量生成、固溶Bの増加により、逆に母材靱性や大入熱溶接におけるHAZの靱性を劣化させる。したがって、B含有量は0.0002〜0.0020%の範囲とする。
【0046】
更に、本発明では、この他に、鋼中の非金属介在物を制御するためにCaを添加することができる。
Caは極微量で硫化物などの非金属介在物の球状化作用を有し、母材の靱性向上に有効である。含有量が0.0005%未満ではその十分な効果は得られず、また、0.0040%を超えて添加すると介在物の増加により靱性が劣化する。したがって、Ca含有量は0.0005〜0.040%の範囲とする。
【0047】
本発明においては、鋼の組成を前記のような化学成分とするが、さらに炭素当量の規定も重要である。合金元素を多量に添加すると、入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接を適用した場合、 HAZ部で靱性に悪影響を及ぼす上部ベイナイト組織が出やすくなり、本発明のTiN等の析出物による靱性改善効果が薄れてしまう。
したがって、本発明においては、炭素当量(但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14%)を0.37〜0.40%の範囲とする必要がある。
【0048】
図1に溶接入熱量70kJ/mm以上の大入熱溶接を行った際の、Ceq.とHAZの0℃のシャルピー吸収エネルギーとの関係を示す。
図1から分かるように、Tiの添加した本発明鋼(○印)は、Ceq.が0.40%以下の場合に、大入熱溶接を行った場合のHAZ全域での0℃のシャルピー吸収エネルギーが47J以上を確保できる。
【0049】
これに対して、Tiを添加していない比較鋼(△印)では、低Ceq.にしても、大入熱溶接を行った場合のHAZ全域での0℃のシャルピー吸収エネルギー47J以上を安定して確保できていない。
したがって、大入熱溶接を行った場合のHAZ全域での靱性を確保するためには、Tiの添加が必須で、かつCeq.を0.40%以下とする必要がある。
【0050】
これは、低Ceq.化により、HAZの組織が細粒のフェライト・パーライト化する効果に加えて、Tiの添加によるTiNのフェライト細粒化効果が重畳され、HAZの靱性が良好となったためである。
なお、前記の通り、Ceq.は低くなるほどHAZ靱性は改善されるが、一方で、Ceq.が低すぎると溶接継ぎ手部の強度が低下するため、Ceq.の下限は0.37%とする。
【0051】
次に、本発明の製造条件と鋼の組織について説明する。
まず、図2を用いて、本発明の加速冷却の意義について明らかにする。図2は、Ceq.が0.37%の化学成分を有する鋼板に、加速冷却を適用した場合の冷却速度と強度との関係を示す。図2から明らかな通り、制御冷却(以下、TMCPと言う)を適用して製造した鋼板は、冷却速度が6℃/sec以上で、HT590級以上の母材強度が得られる。
【0052】
TMCPを適用した方が、前記図3で示した従来のQ−Q’−T熱処理適用鋼よりも高強度が得られる理由は、析出強化元素の効果を有効に利用できるためであり、また、冷却速度の速いTMCPでは、可動転位が多量に導入されるため、低降伏比を達成しやすい。
【0053】
また鋼片の熱間圧延は、通常の再結晶域で行うが、二相域圧延など、圧延温度があまり低温になると、再結晶域での熱間圧延に比して、歪みがより蓄積してフェライト生成核サイトが増加し、また加工硬化するなどして降伏比が高くなりやすい。したがって、降伏比を下げる乃至高くしないために、少なくとも850℃以上で圧延を終了する必要がある。
【0054】
圧延後の加速冷却は、変態強化を利用し母材強度を確保するため、熱間圧延を850℃以上で終了した後、Ar1 点以上の温度から500℃以下まで6℃/sec以上の冷却速度で冷却する必要がある。
このうち、冷却開始温度は、冷却効果=変態強化を利用し、母材強度を確保するためには、Ar1 点以上の温度であることが必要であるが、低降伏比を安定して実現するという観点からはAr3 点以下の二相域温度が好ましい。
ただ、前記した通り、冷却開始温度が二相域では、Ar1 点以上の場合に比して、HT590級の強度確保が難しい。また、低温圧延のため圧延の生産性を低下させるという問題もある。したがって、生産性向上と高強度を安定的に得るためには、冷却開始温度がAr3 点以上の方が好ましい。
【0055】
次に、冷却速度について、前記した通り、図2から、冷却速度が6℃/sec以上で、HT590級以上の母材強度が得られ、6℃/secの冷却速度が、母材高強度化の臨界的意義を持っていることが分かる。
一方、冷却速度が15℃/sec以上と大きくなると、靱性が非常に低いマルテンサイトの生成量が増加し、降伏比を高くするので、このマルテンサイトの生成量を抑制する観点から、14℃/sec以下に、冷却速度を抑えることが必要である。したがって、好ましい冷却速度は6〜14℃/secの範囲である。
【0056】
また、前記冷却時、冷却速度を遅くしても、靱性が非常に低いマルテンサイトの一部生成は避けがたく、母材の靱性の劣化原因となる。したがって、高い母材靱性が要求される場合には、また、冷却による鋼板の歪み除去のためにも、前記冷却後、Ac1 点以下の温度で焼戻し、前記マルテンサイトを焼戻しマルテンサイトとすることが好ましい。
【0057】
本発明鋼の組織は、靱性が非常に低い前記マルテンサイトや上部ベーナイトを極力少なくすることが好ましい。
即ち、Ar1 〜Ar3 点から冷却開始すると、フェライト乃至フェライトと下部ベーナイトの混合組織が得られ、Ar3 点から冷却開始すると、下部ベーナイが得られ、これらの組織はいずれも、靱性が高く、高強度と低降伏比のためにも好ましい組織である。
【0058】
しかし、30mm以上の厚板になればなるほど、冷却されやすい鋼板表面は下部ベーナイトとなっても、冷却されにくい鋼板内部は上部ベーナイトとなりやすい等、冷却過程で必然的に生じる鋼板の表面と内部との冷却速度の差から、表面と内部との組織の差が生じ易い。
したがって、本発明における鋼板の好ましい組織(フェライト組織乃至フェライトと下部ベーナイトの混合組織若しくは下部ベーナイト組織)とは、実質的にこれら組織のみの場合だけではなく、一部若しくは内部に、フェライト、上部ベーナイト、マルテンサイト乃至焼戻しマルテンサイトを、鋼特性を劣化させない範囲で、含んでも良い組織である。
【0059】
【実施例】
以下、具体的な実施例を用いて、本発明を更に説明する。
表1、2に示した化学成分とCeq.を有する鋼種(表1は本発明鋼、表2は比較鋼)を、▲1▼TMCP法乃至TMCP法+焼戻し(T)(加熱温度1150℃、圧延仕上げ温度900℃で圧延後、冷却開始温度880℃、冷却速度10℃/secで加速冷却、500〜600℃で焼戻し)、▲2▼Q−Q’−T熱処理(前記▲1▼の圧延後、Q:930℃、Q’:750〜800℃から各々焼入れ、T:500〜600℃で焼戻し)、▲3▼通常の熱間圧延(加熱温度1150℃、圧延仕上げ温度900℃、圧延後放冷)の各条件により板厚60mmに熱間圧延し、鋼板を製造した。
【0060】
表1、2に示したこれらの鋼板について、溶接入熱量70kJ/mmの溶接を行った時のHAZ最脆化部の0℃シャルピー吸収エネルギーを、引っ張り強度(TS)と降伏比(YR)の測定結果とともに表3、4に示す(表3は本発明鋼、表4は比較鋼)。なお、表3、4の鋼の番号は、表1、2の鋼の番号に対応している。
なお、表1の本発明鋼1については、TMCPまま(焼戻し無し)および冷却速度を変え17℃/secで加速冷却したもの、本発明鋼4については、冷却開始温度を変え750℃としたものも合わせて実施し、表3に示している。
【0061】
表3、4から分かる通り、本発明鋼1〜10は、建築用HT590級鋼として、十分な引っ張り強度(TS)と降伏比(YR)を有するとともに共に、溶接入熱量70kJ/mmの大入熱溶接においても、HAZ全域で(表3、4では、溶接継ぎ手部の最脆化部の靱性で示す)0℃シャルピー吸収エネルギーが47J以上という優れたHAZ靱性を確保している。
【0062】
これに対し、比較鋼11、12は、本発明鋼と同じ成分でありながら、Q−Q’−T熱処理を行っているため、母材強度が590N/mm2 未満と低くなっている。
また、比較鋼13、15は、Ceq.が0.37%未満のため、母材強度が590N/mm2 未満となっている。
更に、比較鋼16〜19は、熱間圧延後にAr3点以上の温度から水冷(加速冷却)しているにも関わらず、Ceq.が0.41%以上のため、HAZ全域で0℃シャルピー吸収エネルギーが47J未満となっている。
【0063】
比較鋼20〜24は、Tiが添加されていないため、前記図1の説明でも述べた通り、HAZ全域での0℃シャルピー吸収エネルギーが47J未満となっている。なお、これらの比較鋼は、Tiが添加されておらず、HAZ靱性が悪いことは明らかであったので、敢えて機械的性質は測定しなかった。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】
本発明による鋼板は、HT590級以上の高強度と80%以下の低い降伏比を確保すると同時に、入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接を適用しても、HAZの靱性が優れている。
したがって、各種建築構造物の溶接において、HAZの靱性を劣化させることなく、大入熱の片面サブマージアーク溶接やエレクトロガスアーク溶接等の高能率溶接法が適用できる。
言い換えると、本発明によれば、溶接構造用鋼の各種構造物への溶接作業能率を高め、建築工期や溶接施工費を低減することができる。
しかも、これらの性能向上が、従来の溶接構造用鋼板として汎用されるアルミキルド鋼の成分や製法を、著しく変更したり、製造コストの増加を招かずに達成することができる点で工業的な価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、大入熱溶接を行った際の、鋼板のCeq.とHAZの0℃のシャルピー吸収エネルギーとの関係を示す、説明図である。
【図2】図2は、Ceq.が0.37%の化学成分を有する鋼板に、TMCP(加速冷却)法を適用した場合の冷却速度と強度との関係を示す、説明図である。
【図3】図3は、Ceq.が0.37〜0.40%の範囲の化学成分を有する鋼板に、従来のQ−Q’−T熱処理を適用した場合のCeqと強度との関係を示す、説明図である。
Claims (13)
- 熱間圧延後にAr1 点以上の温度から加速冷却された鋼板であって、質量%にて、C:0.10〜0.16%、Si:0.40%以下、Mn:1.00〜1.80%、P:0.025%以下、S:0.012%以下、Ti:0.005〜0.020%、Al:0.010〜0.080%、N:0.0020〜0.0080%を含み、かつCeq.(但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14%)を0.37〜0.40%の範囲とし、残部Feおよび不可避的不純物からなり、溶接入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が、0℃シャルピー吸収エネルギーで47J以上であることを特徴とする、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である、溶接入熱量30〜100kJ/mm(但し、30kJ/mmを除く)の大入熱溶接構造用590N/mm2 級鋼板。
- 上記合金成分に加え、Nb:0.005〜0.100%、V:0.005〜0.100%、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜1.00%、の一種または二種以上を含有する、請求項1に記載の大入熱溶接構造用590N/mm2 級鋼板。
- 上記合金成分に加え、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、B:0.0002〜0.0020%の一種または二種以上を含有する、請求項1または2に記載の大入熱溶接構造用590N/mm2 級鋼板。
- 上記合金成分に加え、Ca:0.0005〜0.0040%を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の大入熱溶接構造用590N/mm2 級鋼板。
- 鋼板の板厚が30mm以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の大入熱溶接構造用590N/mm2 級鋼板。
- 前記N含有量が0.0036〜0.0080%である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の大入熱溶接構造用590N/mm 2 級鋼板。
- 質量%にて、C:0.10〜0.16%、Si:0.40%以下、Mn:1.00〜1.80%、P:0.025%以下、S:0.012%以下、Ti:0.005〜0.020%、Al:0.010〜0.080%、N:0.0020〜0.0080%を含み、かつCeq.(但し、Ceq.=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14%)を0.37〜0.40%の範囲とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼片を、850℃以上の圧延終了温度で熱間圧延した後、Ar 1 点以上の温度から500℃以下まで、6〜14℃/sec以上の冷却速度で冷却し、溶接入熱量30kJ/mm以上の大入熱溶接後のHAZ全域の靱性が0℃シャルピー吸収エネルギーで47J以上の鋼板を得ることを特徴とする、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 上記合金成分に加え、Nb:0.005〜0.100%、Cu:0.05〜0.50%、Ni:0.05〜1.00%、V:0.005〜0.100%、の一種または二種以上を含有する、請求項7に記載の、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 上記合金成分に加え、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、B:0.0002〜0.0020%の一種または二種以上を含有する、請求項7または8に記載の、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 上記合金成分に加え、Ca:0.0005〜0.0040%を含有する請求項7乃至9のいずれか1項に記載の、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 前記冷却後、Ac 1 点以下の温度で焼き戻する請求項7乃至10のいずれか1項に記載の、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 鋼板の板厚が30mm以上である請求項7乃至11のいずれか1項に記載の、大入熱溶接時のHAZ靱性が優れ、降伏比が80%以下である溶接構造用59 0N/mm 2 級鋼板の製造方法。
- 前記N含有量が0.0036〜0.0080%である請求項7乃至12のいずれか1項に記載の大入熱溶接構造用590N/mm 2 級鋼板の製造方法。
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