JP3568636B2 - ソレノイド駆動油圧制御弁 - Google Patents

ソレノイド駆動油圧制御弁 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は油圧制御弁に係り、特に内燃機関の燃料の噴射の噴射装置に適用するためのソレノイド駆動油圧制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のソレノイド駆動油圧制御弁の中には、例えば、特開平5−332220号公報に示されているように、バランスロッドを用いた油圧制御弁がある。該油圧制御弁の構成及び作動を図5に基づいて説明する。
油圧制御弁100のホルダ101の下方には、公知のノズル102がリテーナ103により螺合され、ニードル105は、スプリングホルダ106を介してプレッシャスプリング107の力、及び、摺動自在でニードル105の径よりも大きくクリアランスが2〜3μmのコマンドピストン108の上端に作用する燃料圧力により、着座方向へ付勢されている。
【0003】
ホルダ101の内部に左右方向に形成されたガイド孔110の中を摺動することができるように、2〜3μmのクリアランスを残して第1のバルブをなすアウタバルブ111が挿入されており、スプリング112により右方へ押されてアウタバルブシート113に着座している。アウタバルブ111内に設けられた孔をなす左方の中心孔115に、バルブシートをなすインナバルブシート116を有しクリアランスが2〜3μmで摺動自在に嵌挿された第2のバルブをなすインナバルブ117が挿入され、燃料圧力により左方に押されるようになっている。また、右方の中心孔には摺動自在にインナバルブシート116と同径でクリアランスが2〜3μmのバランスロッド118が収容され、燃料圧力により右方へ押されるようになっている。
【0004】
高圧ポート120は、環状の高圧溝121、ホルダ101内のフューエルポート122、ノズル102内のフューエルポート123、油溜り125の順で噴孔126近傍まで連通している。また、高圧溝121はアウタバルブ111内の径方向のフューエルポート127、空間をなす軸方向のフューエルポート128にも連通しているので、図5のようにアウタバルブ111が右方へ動いてインナバルブシート116が離座している時には、コマンドピストン108の上端の背圧室130にも連通している。
【0005】
プレッシャスプリング107が収容されているスプリング室131は、ポート132によりスプリング112が収容されると共にソレノイド141に臨んだアーマチャ部が収容されたアーマチャ室をなすスプリング室133に連通しており、さらにスプリング室133はポート135により、ドレーンポート136に連通している。また、アウタバルブ111内の環状の低圧溝137も、径方向のポート138、ホルダ101内の環状の低圧溝140の順にドレーンポート136に連通している。
【0006】
次に、従来の油圧制御弁100の作動を簡単に説明する。
図5の状態は、燃料噴射が停止している状態を示しており、燃料噴射開始時、ソレノイド141に通電すると、アウタバルブ111は左方へ吸引されてアウタバルブシート113から離座すると共に、インナバルブシート116に着座する。これによって背圧室130は、ドレーンポート136と連通して油圧が低下するため、ニードル105は、高圧ポート120に連通している油溜まり125の圧力によって上方に押上げられて噴孔126を開き、燃料の噴射が開始される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術である前記特開平5−332220号公報に示されている如きバランスロッド118を用いた油圧制御弁において、アクチュエータが電歪式アクチュエータの場合は問題は無いが、アクチュエータがソレノイド式の場合、ニードル105を閉弁しようとしてソレノイド141への通電を遮断すると、アウタバルブ111への油圧作用力は、インナバルブシート116の径とバランスロッド118の径が同径のため、バランスロッド118によって完全に相殺されるので、アウタバルブ111が閉弁するための力はスプリングのバネ力のみである。しかし、ソレノイド141への通電を停止しても、まだ残留磁気が残るため、該残留磁気が消滅するまでの時間は、逆に、ソレノイド141の磁力がバルブ111の開弁方向へと作用しているため、バルブ111の閉弁に大きな応答遅れが発生してしまい、微少な噴射量の調量が出来ないという問題が生じている。この問題は、例示した三方弁式油圧制御弁だけに限らず、同様なバランスロッドを用いた二方弁式油圧制御弁についても起こり得る問題である。
【0008】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ソレノイドの残留磁気によるバルブの応答遅れを解消し、もって、微少な噴射量の調量を可能としたソレノイド駆動油圧制御弁を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を達成するために、
請求項1として、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、バルブがソレノイドによって吸引駆動されて制御ポートにかかる油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有してなるソレノイド駆動油圧制御弁において、下部にバルブシート部を有する前記バルブに設けられた孔の中に、バランスロッドを摺動自在に嵌挿して設け、バランスロッドの下面と前記孔とによって形成される下部室と、該下部室と前記制御ポートとを連通する前記バルブに形成された連通路と、前記バランスロッドの下部に設けられたロッドシート部とを有し、前記バルブが離座し、前記バランスロッドの前記ロッドシート部が前記連通路の前記下部室の開口部に着座して前記下部室内を密閉して蓄圧室を形成することにより、前記バルブへの前記蓄圧室の油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁;
請求項2として、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、バルブがソレノイドによって吸引駆動されて制御ポートにかかる油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有してなるソレノイド駆動油圧制御弁において、下部にバルブシート部を有する前記バルブに設けられた孔の中に、バランスロッドを摺動自在に嵌挿して設け、バランスロッドの下面と前記孔とによって形成される下部室とを有し、前記ソレノイド下部で前記バルブ上部のアーマチャが収容されたアーマチャ室へ前記バランスロッドと前記バルブとのクリアランスから油圧を供給するとともに、前記アーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設け、前記アーマチャ室内に残圧が生じるようにし、前記バルブのガイド径は、前記バランスロッドのガイド径よりも大きく設定され、その受圧面積差により前記調圧手段により生じた残圧が前記バルブへの油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁;
請求項3として、前記ソレノイド駆動油圧制御弁は2方弁であることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁;
請求項4として、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、第1のバルブがソレノイドによって吸引駆動されて油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有し、前記第1のバルブ内に設けられた孔の中に、前記第1のバルブに着座可能なバルブシートを有する第2のバルブを摺動自在に嵌挿して設け、前記孔の中に、前記第2のバルブに対して前記ソレノイドと反対側に空間を配して前記バルブシートと同径のバランスロッドを摺動自在に嵌挿して設けたソレノイド駆動油圧制御弁において、前記第1のバルブで前記ソレノイドに臨んだアーマチャが収容されたアーマチャ室へ前記第1のバルブと前記第2のバルブとのクリアランスから油圧を供給するとともに、前記第1のバルブのアーマチャ室と反対側の室にも前記第1のバルブと前記バランスロッドとのクリアランス油圧を供給して、前記第1のバルブに作用する油圧を相殺し、前記アーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設けて前記アーマチャ室内に残圧が生じるようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁;
請求項5として、前記調圧手段がポペット弁であることを特徴とする請求項2又は請求項4の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁;
請求項6として、前記調圧手段がオリフィスであることを特徴とする請求項2又は請求項4の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁、
という技術的手段を採用するものである。
【0010】
【作用】
前記請求項1の構成によれば、バランスロッドのロッドシート部が連通路の下部室の開口部に着座して下部室内を密閉して蓄圧室を形成することにより、蓄圧室内の油圧がバルブにソレノイドの吸引力と逆方向に作用するため、ソレノイドの残留磁気がバルブの開弁力として働いてもそれを打ち消して、ソレノイドの残留磁気による応答遅れを大幅に低減できる。
【0011】
前記請求項2の構成によれば、ソレノイド下部でバルブ上部のアーマチャが収容されたアーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設け、アーマチャ室内に残圧が生じるようにすることにより、バルブとバランスロッドとの受圧面積差によりバルブへの油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するため、ソレノイドの残留磁気がバルブの開弁力として働いてもそれを打ち消して、ソレノイドの残留磁気による応答遅れを大幅に低減できる。
【0012】
前記請求項3の構成によれば、ソレノイド駆動油圧制御弁は2方弁であるから簡単な構成によりソレノイドの残留磁気による応答遅れを大幅に低減できる。
前記請求項4の構成によれば、第1のバルブで前記ソレノイドに臨んだアーマチャが収容されたアーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設けて前記アーマチャ室内に残圧が生じるようにすることにより、バルブへの油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するため、ソレノイドの残留磁気がバルブの開弁力として働いてもそれを打ち消して、ソレノイドの残留磁気による応答遅れを大幅に低減できる。
【0013】
前記請求項5の構成によれば、前記調圧手段がポペット弁であるから比較的簡単な構成で精度の高い制御ができる。
前記請求項6の構成によれば、前記調圧手段がオリフィスであるから極めて簡単な構成で制御ができる。
【0014】
【実施例】
図1は本発明の第1実施例としてのソレノイド駆動油圧制御弁をなす二方弁式油圧制御弁50を内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。蓄圧式燃料噴射装置は、二方弁式油圧制御弁50と従来例と同様の構成の燃料噴射部51とからなる。燃料圧送ポンプ52により圧送された高圧燃料は、リザーバ54に蓄圧され、さらにエンジンに装着された燃料噴射装置に供給されるようになっている。
【0015】
前記油圧制御弁50のハウジング53には、ドレーンをなす燃料タンク55に連通するドレーンポート56、及び燃料噴射部51の背圧室57に連通する制御ポート58が設けられている。燃料圧送ポンプ52からリザーバ54に蓄圧された高圧燃料は、燃料噴射装置51のニードル60周辺にある油溜り61へ導入蓄圧されると同時に、絞り62を介して背圧室57及び制御ポート58へと導入されている。背圧室57には高圧が作用しているため、ニードル60は下降して通常は噴孔126を閉鎖している。前記油圧制御弁50のハウジング53内には、バルブ63が上下方向に摺動自在に移動することができるように嵌挿され、上部に設けたスプリング65により下方に押付けられて下部のバルブシート部66で着座している。また、ハウジング53の上方にはソレノイド67が設置され、それに対向してアーマチャ室72内にバルブ63の一部分であるアーマチャ64が設けられている。前記バルブ63内には孔79が設けられバランスロッド68が上下方向に摺動自在に移動することができるように嵌挿されている。そして、制御ポート58に導入された高圧燃料は、バルブ63に形成された連通路70を介してバランスロッド68の下部室71まで導入されている。従って、バランスロッド68は、通常は、高い燃料圧によって上方に押上げられている。
【0016】
このバランスロッド68は、ロッドガイド部80とロッドシート部81を有している。
なお、二方弁式油圧制御弁50と燃料噴射部51は同軸上に一体に構成しても、配管により接続し、別体としてもかまわない。
図1の状態は噴射停止状態を示している。
【0017】
この時、バルブ63に働く作用力Fとしては、図中下向きを正とすると、
【0018】
【数1】
Figure 0003568636
【0019】
:バルブシート径(バルブシート部66の径)
RG:ロッドガイド径(ロッドガイド部80の径)
:制御ポート圧
:スプリング力
なる作用力が働いている。
【0020】
以上のような構成において、ソレノイド67に通電すると、バルブ63は吸引されて上方に移動するため、バルブ63のバルブシート部66は離座し、制御ポート58とドレーンポート56は連通して背圧室57の圧力は降下する。このため、蓄圧された油溜り61の燃料圧によりニードル60は押上げられて噴孔126は開放される。その結果、油溜り61及び噴孔の近傍の高圧燃料は該噴孔126から一気に噴出し、噴射を開始する。
【0021】
この時、バランスロッド68とバルブ63はロッドシート部81で着座し、バランスロッド68とバルブ63によって囲まれた閉じた空間である蓄圧室(200)を下部室71の中に形成する。
次に、噴射を停止しようとする時、ソレノイド67への通電を停止すると、わずかの間ではあるが、残留磁気が残るため、バルブ63には若干の残留磁気による吸引力(F)が働く。
【0022】
ロッドシート部81により蓄圧室200が形成されている時、バルブ63に働く作用力としては、図中下向きを正とすると、
【0023】
【数2】
Figure 0003568636
【0024】
RG:ロッドガイド径(ロッドガイド部80の径)
RS:ロッドシート径(ロッドシート部81のシート径)
:蓄圧室圧
:スプリング力
:残留磁気による吸引力
ここで、ロッドシート部81とバルブ63により形成された蓄圧室200の圧力は、バルブ63が離座し、制御ポート圧が低下しても、バルブ63着座時の制御ポート圧(これは、リザーバ54に蓄圧されている圧力と等しい)と等しいため、わずかな間働く残留磁気による吸引力Fを打ち消してなお余りあるだけの十分な閉弁力(バルブ63を押下げようとする力)を提供できるようにロッドシート径とロッドガイド径及びバルブシート径の組合わせを選択すればよい。
【0025】
例えばロッドガイド径dRG=3mm、ロッドシート径dRS=2.95mm、スプリング力F=5kgf、蓄圧室圧P=2000kgf/cmの時、
【0026】
【数3】
Figure 0003568636
【0027】
となる。
このように、バルブ63を下方に押下げる力が、例えば4.6kgf発生し、その力がスプリング65のバネ力5kgfに重畳されて9.6kgfの力がバルブ63にかかるため、たとえソレノイド67の残留磁気によるFが逆に作用しても、従来技術に比して、前記ソレノイド67の残留磁気による応答遅れを大幅に低減することができる。
【0028】
なお、図1の燃料噴射部51はコマンドピストン108を有しているが、本発明のソレノイド駆動油圧制御弁50の作用は、特にコマンドピストン108の有無に関係無く成立するものであるので、コマンドピストン108を除いた場合も同様の効果が得られる。
図2は本発明の第2実施例としての二方弁式油圧制御弁を内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。燃料圧送ポンプ152により圧送された高圧燃料は、リザーバ154に蓄圧され、さらにエンジンに装着された燃料噴射装置に供給されるようになっている。油圧制御弁150のハウジング153には、ドレーンをなす燃料タンク155に連通するドレーンポート156、及び背圧室157に連通する制御ポート158が設けられている。燃料圧送ポンプ152からリザーバ154に蓄圧された高圧燃料は、ニードル160周辺にある油溜り161へ導入蓄圧されると同時に、絞り162を介して背圧室157及び制御ポート158へと導入されている。背圧室157には高圧が作用しているため、ニードル160は下降して通常は噴孔226を閉鎖している。前記油圧制御弁150のハウジング153内には、バルブ163が上下方向に摺動自在に移動することができるように嵌挿され、上部に設けたスプリング165により下方に押付けられて、下部のバルブシート部166で着座している。また、ハウジング153の上方にはソレノイド167が設置され、それに対向してアーマチャ室172内にバルブ163の一部分であるアーマチャ164が設けられている。前記バルブ163内には、バランスロッド168が上下方向に摺動自在に移動することができるように嵌挿されている。そして、制御ポート158に導入された高圧燃料は、バルブ163に形成された連通路170を介してバランスロッド168の下部室171まで導入されている。従って、バランスロッド168は、通常は、高い燃料圧によって上部に押上げられている。
【0029】
また、下部室171に導入された高圧燃料は、バランスロッド168とバルブ163との間の2〜3μmのクリアランスを介してアーマチャ室172へと連通している。アーマチャ室172の出口には、調圧手段301が設けられ、ドレーンポート156と合流して燃料タンク155へと戻されている。
図2の状態は、噴射停止状態を示している。
【0030】
この時、バルブ163への作用力を図中下向きを正としてみると、
【0031】
【数4】
Figure 0003568636
【0032】
RG:ロッドガイド径(ロッドガイド部180の径)
VS:バルブシート径(バルブシート部166の径)
:噴射圧
VG:バルブガイド径(バルブガイド302の径)
:アーマチャ室の残圧
:スプリング力
なる作用力が働いている。
【0033】
以上のような構成において、ソレノイド167に通電すると、バルブ163は吸引されて上方に移動するため、バルブ163のバルブシート部166は離座し、制御ポート158とドレーンポート156は連通して背圧室157の圧力は降下する。このため、蓄圧された油溜り161の燃料圧によりニードル160は押上げられて噴孔226は開放される。その結果、油溜り161及び噴孔の近傍の高圧燃料は該噴孔から一気に噴出し、噴射を開始する。
【0034】
この時、バルブシート部166が離座したことにより、制御ポート158はほとんど大気圧まで降下する。従って、バルブ163への作用力は同じく図中下向きを正として、
【0035】
【数5】
Figure 0003568636
【0036】
となり、閉弁時のFの第1項が抜けた形となる。
ここで、例えばdRG=3mm、dVG=6.5mm、P=10kg/cm、F=8kgfの時、dVS=3.14mmを選べば、
=9.3kgf(P=200kg/cmの時);2.7kgf(P=1200kgf/cmのとき)、
=10.6kgf
となる。
【0037】
噴射を停止しようとソレノイド167への通電を停止して、残留磁気による吸引力FがF(=10.6kgf)と逆向きに働いたとしても、スプリング力F(=8kgf)のみの時よりも、2.6kgf閉弁力を高めることができるため、速やかにバルブ163が閉弁できる。
従って、第1の実施例と同様に、前記ソレノイド167の残留磁気による応答遅れを大幅に低減することができる。
【0038】
さらに、この第2実施例において特徴的なこととしては、Fの第1項の開弁アシスト方向へ働く力を例示のごとく適切に選べば、閉弁力は常時効果的に作用させることができ、しかも、高噴射圧側で、開弁アシストがより強く作用する。従って、閉弁応答を改善できると共に、高噴射圧側で、よりバルブを開弁するための力が少なくて済むことになり、制御性が向上する。
【0039】
図2においては調圧手段301を油圧制御弁150と別体のごとく示してあるが、ハウジング153へ組み込んでも作用にかわりはない。
また、アーマチャ室172の残圧Pは10kg/cmとしてあるが、これは特に10kg/cmでなくても良く、噴射圧Pが可変できるような燃料圧送ポンプを用いる場合には、噴射圧に連動して残圧を可変してもよい。
【0040】
また、ここでは調圧手段301をポペット弁にして示してあるが、アーマチャ室に残圧を残す手段として、絞りとなるオリフィスを用いてもよい。
図3は図5に従来例として示された三方弁式油圧制御弁に、本発明での調圧手段500を付加した本発明の第3実施例のソレノイド駆動油圧制御弁を、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。第2実施例において示した調圧手段301に相当する調圧手段500を、ソレノイド141に臨んだアーマチャ部が収容されたアーマチャ室133からドレーンへ連通する流路に設けて、三方弁式油圧制御弁に適用しており、アーマチャ室133に残圧を残し、スプリング112の作用力を助ける。
【0041】
効果としては、第2実施例と同様である。
本発明の第4実施例を図4に示す。図中600は第2実施例において示した調圧手段301に相当する調圧手段である。これ以外の構成は第1実施例と同様である。すなわち、第4実施例は第1実施例と第2実施例とを組合わせた例であり、第1実施例と同一の構成を同一の符号で示す。600は具体的にはポペット弁や絞り等の調圧手段を示す。
【0042】
効果としては、それぞれの実施例で示したことが相乗されて現れ、最も効果が高い。
噴射停止時のバルブ63への作用力としては、第2実施例のFと同様の式となる。
また、噴射中の作用力Fとしては第1実施例のFからFを除いた分、
【0043】
【数6】
Figure 0003568636
【0044】
に第2実施例のFの第1項である
【0045】
【数7】
Figure 0003568636
【0046】
をたし合わせたものとなる。
従って、
RG=3mm、dVG=6.5mm、dVS=3.14mm、F=8kgf、P=1200kgf/cmの時、
=2.78kgf
【0047】
【数8】
Figure 0003568636
【0048】
となり、大きな閉弁力を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1から6のソレノイド駆動油圧制御弁においては、バルブへの油圧作用力が、ソレノイドの吸引力とは逆方向に作用するようにロッドガイド径、ロッドシート径、バルブシート径及びバルブガイド径を各々選定しているので、ソレノイドの通電停止後、残留磁気によるバルブの吸引力に対して、スプリングのバネ力と前記油圧作用力との合力が打勝って、バルブは迅速に下方へ移動するため、ソレノイドの残留磁気による応答遅れを大幅に低減することができ、従って、微少な噴射量まで高精度の調量を可能とすることができる。また、前記油圧作用力をソレノイドの残留磁気による吸引力と相殺できる程度に必要最小限にとどめているので、バランスロッドを使用しない構成のバルブを用いた油圧制御弁とは異なり、ソレノイドの大型化も同時に回避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としてのソレノイド駆動油圧制御弁をなす二方弁式油圧制御弁を内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例としての二方弁式油圧制御弁を内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。
【図3】図5に従来例として示される三方弁式油圧制御弁に、本発明での調圧手段を付加した本発明の第3実施例のソレノイド駆動油圧制御弁を、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4実施例のソレノイド駆動油圧制御弁を、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。
【図5】従来のソレノイド駆動油圧制御弁を、内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に適用した場合の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
50、150 ソレノイド駆動油圧制御弁
58、158 制御ポート
63、163 バルブ
65、165、112 スプリング
66 バルブシート部
67、141、167 ソレノイド
68、118 バランスロッド
70 連通路
71 下部室
79、115 孔
81 ロッドシート部
111 第1のバルブ
116 バルブシート
117 第2のバルブ
128 空間
133、172 アーマチャ室
136、155 ドレーン(ドレーンポート、燃料タンク)
164 アーマチャ
200 蓄圧室
301、500、600 調圧手段(ポペット弁、オリフィス)

Claims (6)

  1. 内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、バルブがソレノイドによって吸引駆動されて制御ポートにかかる油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有してなるソレノイド駆動油圧制御弁において、下部にバルブシート部を有する前記バルブに設けられた孔の中に、バランスロッドを摺動自在に嵌挿して設け、バランスロッドの下面と前記孔とによって形成される下部室と、該下部室と前記制御ポートとを連通する前記バルブに形成された連通路と、前記バランスロッドの下部に設けられたロッドシート部とを有し、前記バルブが離座し、前記バランスロッドの前記ロッドシート部が前記連通路の前記下部室の開口部に着座して前記下部室内を密閉して蓄圧室を形成することにより、前記バルブへの前記蓄圧室の油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁。
  2. 内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、バルブがソレノイドによって吸引駆動されて制御ポートにかかる油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有してなるソレノイド駆動油圧制御弁において、下部にバルブシート部を有する前記バルブに設けられた孔の中に、バランスロッドを摺動自在に嵌挿して設け、バランスロッドの下面と前記孔とによって形成される下部室とを有し、前記ソレノイド下部で前記バルブ上部のアーマチャが収容されたアーマチャ室へ前記バランスロッドと前記バルブとのクリアランスから油圧を供給するとともに、前記アーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設け、前記アーマチャ室内に残圧が生じるようにし、前記バルブのガイド径は、前記バランスロッドのガイド径よりも大きく設定され、その受圧面積差により前記調圧手段により生じた残圧が前記バルブへの油圧作用力がソレノイドの吸引力と逆方向に作用するようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁。
  3. 前記ソレノイド駆動油圧制御弁は2方弁であることを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁。
  4. 内燃機関の蓄圧式燃料噴射装置に用いられ、第1のバルブがソレノイドによって吸引駆動されて油圧を連通、遮断し、且つ、前記バルブを前記ソレノイドの吸引力とは逆方向に付勢するスプリングを有し、前記第1のバルブ内に設けられた孔の中に、前記第1のバルブに着座可能なバルブシートを有する第2のバルブを摺動自在に嵌挿して設け、前記孔の中に、前記第2のバルブに対して前記ソレノイドと反対側に空間を配して前記バルブシートと同径のバランスロッドを摺動自在に嵌挿して設けたソレノイド駆動油圧制御弁において、前記第1のバルブで前記ソレノイドに臨んだアーマチャが収容されたアーマチャ室へ前記第1のバルブと前記第2のバルブとのクリアランスから油圧を供給するとともに、前記第1のバルブのアーマチャ室と反対側の室にも前記第1のバルブと前記バランスロッドとのクリアランス油圧を供給して、前記第1のバルブに作用する油圧を相殺し、前記アーマチャ室からドレーンへ連通する流路に調圧手段を設けて前記アーマチャ室内に残圧が生じるようにしたことを特徴とするソレノイド駆動油圧制御弁。
  5. 前記調圧手段がポペット弁であることを特徴とする請求項2又は請求項4の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁。
  6. 前記調圧手段がオリフィスであることを特徴とする請求項2又は請求項4の何れかに記載のソレノイド駆動油圧制御弁。
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