JP3568475B2 - 丸形鋼管柱用構造体および丸形鋼管柱用構造体の製造方法 - Google Patents

丸形鋼管柱用構造体および丸形鋼管柱用構造体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば鉄骨構造物の鋼管柱構成物などとして使用される丸形鋼管柱用構造体、および丸形鋼管柱用構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、支柱側に対してダイヤフラムを取り付ける方式として、たとえば通しダイヤフラム方式や内ダイヤフラム方式などが提供されている。このうち通しダイヤフラム方式は、たとえば図13〜図15に示される構成であった。
【0003】
すなわち支柱が、その長さ方向において、下部支柱31とパネルゾーン用のコラム32と上部支柱33とに切断(分断)されている。そして下部支柱31の上端に、裏当て材を介して下部ダイヤフラム34が溶接されるとともに、この下部ダイヤフラム34上に裏当て材を介してコラム32の下端が溶接される。さらにコラム32の上端に、裏当て材を介して上部ダイヤフラム35が溶接されるとともに、この上部ダイヤフラム35上に裏当て材を介して上部支柱33の下端が溶接される。
【0004】
ここで下部支柱31とコラム32と上部支柱33とは、同様な板厚の丸形鋼管からなり、また、下部ダイヤフラム34と上部ダイヤフラム35とは、下部支柱31、コラム32、上部支柱33などの外寸よりも大きい外寸でかつコーナ部がカットされたほぼ矩形板からなる。
【0005】
このようにして形成された支柱36において、パネルゾーンを形成するコラム32に対する梁(主にH形鋼材)40の連結は、この梁40における上下一対の梁フランジ41の遊端を、両ダイヤフラム34,35に溶接することで行っていた。すなわち、両ダイヤフラム34,35に対して梁フランジ41を溶接ビード45により結合するに、梁フランジ41の端には開先部42が形成されている。
【0006】
そしてダイヤフラム34,35の下面側に裏板金37が溶接によって取り付けられるとともに、この裏板金37の長さ方向の両端部には、補助部材であるエンドタブ(または裏板金の延長部分)38が仮付け溶接などによって取り付けられている。
【0007】
前記梁フランジ41は、両エンドタブ38間において裏板金37上に載置された状態で、その端が両ダイヤフラム34,35の外側面に近接され、この状態で、一方のエンドタブ38上から開先部42を通ったのち他方のエンドタブ38上に亘って仮付け溶接が施工される。この仮付け溶接は、4箇所の梁フランジ41に対して順次行われる。
【0008】
そして各梁フランジ41に対して、第1層溶接が順次行われ、その後に同様にして、第2層溶接、第3層溶接と所定層の溶接が順次行われ、以てコラム32に対する各梁フランジ41の溶接ビード45による結合が行われる。その後に、エンドタブ38群はガス切断などによって除去される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の支柱36の構成においては、溶接ビード45がエンドタブ38の部分において途切れることで、コラム32は、梁フランジ41間の強度が低いものになっていた。
【0010】
また、上記した従来の溶接結合方法においては、各裏板金37にそれぞれ2枚のエンドタブ38を取付けなければならず、すなわち、外周面の4箇所に梁40を溶接結合するときには合計16枚のエンドタブ38を取付けなければならず、その仮付け溶接作業は面倒である。また、仮付け溶接を含む多数層の溶接作業は、エンドタブ38の部分において途切れることで、溶接、停止を繰り返しながら各梁フランジ41毎に行われることになって容易に行えず、また能率も悪かった。しかも、エンドタブ38の部分に溶接欠陥が生じ易いものであった。
【0011】
さらに、梁フランジ41の溶接結合を行ったのちにエンドタブ38群はガス切断によって除去されるのであり、その除去作業工程(工数)が必要であるとともに、除去作業は容易に行えない。
【0012】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、丸形鋼管における梁フランジ間の部分を補強し得る丸形鋼管柱用構造体を提供することを目的としたものである。
また本発明の請求項4記載の発明は、溶接のための補助部材の取付けや除去を容易に行えるとともに、溶接作業は容易に能率的に、かつ溶接欠陥が生じることなく行える丸形鋼管柱用構造体の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の丸形鋼管柱用構造体は、丸形鋼管の外周面の複数箇所に、鋼管外周面の全周に亘って連続した溶接を複数層施工することで形成した溶接ビードにより、隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジを結合して構成したものである。
【0014】
したがって請求項1の発明によると、隣接間に間隔を形成して丸形鋼管の外周面に結合した梁フランジ間で丸形鋼管の外周面には溶接ビードがリブ状で残存することになる。
【0015】
また本発明の請求項2記載の丸形鋼管柱用構造体は、上記した請求項1記載の構成において、丸形鋼管は、梁フランジを溶接結合する部分を増厚パネル部に形成して構成したことを特徴としたものである。
【0016】
したがって請求項2の発明によると、梁フランジの溶接結合部分を増厚パネル部により補強し得る。
そして本発明の請求項3記載の丸形鋼管柱用構造体は、上記した請求項1または2に記載の構成において、丸形鋼管の外周面に、拡幅部を有する梁フランジを結合して構成したことを特徴としたものである。
【0017】
したがって請求項3の発明によると、丸形鋼管の直径に対する梁幅の寸法差に応じて、梁フランジの隣接間の間隔(隙間)を拡幅部により狭く形成し得る。
さらに本発明の請求項4記載の丸形鋼管柱用構造体の製造方法は、丸形鋼管の外周面の複数箇所に梁フランジを溶接結合するに、梁フランジの端には開先部が形成されており、丸形鋼管の外周面には、梁フランジ開先部に連なる開先部が形成された中継部材が取付けられ、溶接結合が、一方の梁フランジ開先部から中継部材開先部を経て他方の梁フランジ開先部へと、丸形鋼管の全周に対して連続して行われ、引き続いて同様にして複数層の溶接が順に行われることで、全周に亘って溶接ビードを形成したのち、中継部材が除去されることで隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジを結合することを特徴としたものである。
【0018】
したがって請求項4の発明によると、梁フランジ間にのみ中継部材を取付ければよく、すなわち、たとえば外周面の4箇所に梁フランジを溶接結合するときには合計8個の中継部材を取付ければよい。さらに、複数箇所の梁フランジの溶接作業は、溶接、停止を繰り返すこともなく全周を連続して行え、しかも、隣接間に間隔を形成して丸形鋼管の外周面に結合した梁フランジ間で丸形鋼管の外周面にはリブ状の溶接ビードが残存することになる。
【0019】
また本発明の請求項5記載の丸形鋼管柱用構造体の製造方法は、上記した請求項4記載の構成において、丸形鋼管の外周面の複数箇所に、隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジが仮付け溶接されたのち、隣接した梁フランジ間に中継部材が取付けられ、連続した溶接結合が行われたのち、中継部材が除去されることを特徴としたものである。
【0020】
したがって請求項5の発明によると、中継部材の取付けや除去は弾性を利用す
るなどして容易に行え、除去したのちの中継部材は再利用も可能となる。
そして本発明の請求項6記載の丸形鋼管柱用構造体の製造方法は、上記した請求項5記載の構成において、中継部材がセラミックス製であることを特徴としたものである。
【0021】
したがって請求項6の発明によると、セラミックス製の中継部材は取外しなどにより除去し得る。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態を、図1〜図5に基づいて説明する。
図1〜図3に示されるように、パネルゾーンを形成する丸形鋼管10は、その長さ方向の両端部分が所定の板厚tの薄肉部10Aに形成され、そして残りの中間部分が、薄肉部10Aの板厚tよりも厚い板厚Tでかつパネルゾーンを形成する長さ(高さ)Lの増厚パネル部10Bに形成されている。ここで所定の板厚tとは、面の局部変形防止やパネルせん断変形の観点などにより決定されるもので、たとえば外寸Wが450mmのときに薄肉部10Aの板厚tは17mm位、増厚パネル部10Bの板厚Tは40mm位とされている。
【0023】
そして、丸形鋼管10の外周面10aの4箇所(複数箇所)に対して、それぞれ短尺梁11の梁フランジ12が溶接ビード15により結合されている。すなわち、短尺梁11はH型鋼状であって、上下に位置される梁フランジ12の一端側(丸形鋼管10への結合側)は外拡がり状の拡幅部12Aに形成されている。
【0024】
この拡幅部12Aは、丸形鋼管10の直径Dに対する梁幅aの寸法差に応じて、梁フランジ12の隣接間の間隔(隙間)を狭く形成するためのものであって、短尺梁11の製作と同時に一体に、または梁フランジ12の一部を除去することによる残部により、あるいは直角三角形状の板体を溶接することなどにより形成される。
【0025】
前記拡幅部12Aを含めて梁フランジ12の端には開先部13が形成されるとともに、この開先部13の裏面側には、丸形鋼管10側に溶接により結合された裏板金14が位置されている。ここで梁フランジ12の端面、裏板金14の端面などは、外周面10aに沿って円弧状に形成されている。
【0026】
そして、丸形鋼管10の外周面10aの4箇所それぞれに短尺梁11の梁フランジ12が、外周面10aの全周に亘って施工した溶接ビード15により結合され、以て丸形鋼管柱用構造体8が構成される。
【0027】
このように構成された短尺梁11付きの丸形鋼管10、すなわち丸形鋼管柱用構造体8は、図4、図5に示されるように、長尺丸形鋼管2に長さ方向で溶接結合3することで、丸形鋼管柱1を構成し得る。ここで長尺丸形鋼管2の板厚は、前記薄肉部10Aの板厚tに同等としてある。
【0028】
前述した溶接結合3を行う際に溶接箇所の内側には、必要に応じて裏当金4がリング状にセットされる。なお、裏当金4を使用しないときには、内外からの溶接結合が採用される。また丸形鋼管10と長尺丸形鋼管2との端部どうしを嵌合させての溶接結合も可能となる。
【0029】
そして丸形鋼管柱1は、その丸形鋼管柱用構造体8における各短尺梁11の遊端に、長尺梁5が溶接結合や連結具(ボルト結合)などにより連結される。なお丸形鋼管柱1は、図4の仮想線に示されるように、積上げ状に配置されたのち、その上下間が溶接結合3されることで、所定長さ(高さ)に構成される。
【0030】
上記した第1の実施の形態においては、外周面10aの4箇所に短尺梁11の梁フランジ12を溶接結合しているが、丸形鋼管柱1が隅部や側部の中間に使用されるときには、一部の面に補剛板が設けられる。
【0031】
すなわち図6は、丸形鋼管柱1が隅部に使用されるときの第2の実施の形態を示す。このとき、隅部で外側に向くことで長尺梁5の連結が行われない2箇所には、梁フランジ11に代えて補剛板17が配設される。この補剛板17も開先部18を有し、その円弧状の端面が外周面11aに当接された状態で仮付け溶接される。
【0032】
そして補剛板開先部18を利用して、上述した第1の実施の形態と同様に、丸形鋼管10の外周面10aの4箇所それぞれに短尺梁11の梁フランジ12が、外周面10aの全周に亘って施工した溶接ビード15により結合され、以て丸形鋼管柱用構造体8が構成される。
【0033】
また図7は、丸形鋼管柱1が側部の中間に使用されるときの第3の実施の形態を示す。このとき、側部で外側に向き長尺梁5の連結が行われない1箇所には、梁フランジ11に代えて補剛板17が配設される。
【0034】
上述した第2の実施の形態や第3の実施の形態のように、長尺梁5の連結が行われない箇所に補剛板17が配設されることで、他の箇所に対する梁フランジ11の結合は、外周面10aの全周に亘って施工した溶接ビード15により行えることになる。しかも補剛板17は、梁フランジ11が結合されない箇所の面外変形を拘束(柱断面の面外剛性確保)する役割を果すことになる。
【0035】
次に、本発明の第4の実施の形態を図8に基づいて説明する。
上記した第1〜第3の実施の形態においては、丸形鋼管10の外周面10aに短尺梁11が溶接結合され、そして短尺梁11の遊端に長尺梁5が連結されているが、これは長尺梁5を直接に溶接結合してもよい。すなわち図8に示されるように、丸形鋼管10の外周面10aに、長尺梁5の梁フランジ6が直接に溶接ビード15により結合されている。この場合に、上下の梁フランジ6には開先部7が形成され、そして、仮付け溶接、溶接ビード15による結合などは、前述した第1〜第3の実施の形態と同様に行える。
【0036】
次に、本発明の第5の実施の形態を図9に基づいて説明する。
上記した第1〜第4の実施の形態においては、丸形鋼管柱用構造体8を長尺丸形鋼管2に長さ方向で溶接結合3することで、丸形鋼管柱1を構成しているが、これは長尺丸形鋼管2を一体的に有する丸形鋼管柱用構造体8であってもよい。すなわち図9に示されるように、長尺の丸形鋼管10の下部に短尺梁11の連結を行うパネルゾーンが増厚パネル部10Bにより形成され、そして長尺の丸形鋼管10が積上げ状に配置されたのち、その上下間が溶接結合3されることで、所定長さ(高さ)の丸形鋼管柱1に構成される。
【0037】
次に、上記した丸形鋼管柱用構造体8の製造方法を、第1の実施の形態のように4箇所に梁フランジ12を結合させる構成において、図10〜図12に基づいて説明する。
【0038】
すなわち、丸形鋼管10に対して短尺梁11の梁フランジ12を溶接結合させるに、まず、その端面が丸形鋼管10の外周面10aに当接され溶接された裏板金14に対して梁フランジ11がセットされた状態で、この裏板金14を利用して外周面10aに梁フランジ11が仮付け溶接される。次いで、外周面10aの4箇所にそれぞれ梁フランジ11が仮付け溶接された状態で、梁フランジ11の隣接間にセラミック製の中継部材20が取付けられる。
【0039】
この中継部材20群の取付けは、直角状で隣接位置された一対の梁フランジ12における拡幅部12Aの外側面間に嵌め込まれることにより行われる。その際に嵌め込みは、裏板金14などの弾性に抗した状態で行われ、以て弾性力によって脱落などすることなく取付けられる。この中継部材20も開先部21を有し、その円弧状の端面20aが外周面10aに当接される。
【0040】
このように、丸形鋼管10の4箇所に対してそれぞれ梁フランジ12の仮付け溶接が行われ、そして梁フランジ12の隣接間に中継部材20が嵌め込まれることにより、丸形鋼管10における外周面10aの外側に、開先部13,21群が連続して円状に配置されることになる。
【0041】
このような状態において、溶接トーチ25などを介して溶接結合が施工される。すなわち溶接結合は、たとえば一方の(或る)梁フランジ12における梁フランジ開先部13から開始され、この梁フランジ12の幅方向(丸形鋼管10の周方向)で継続して行われたのち、その端からは中継部材20における中継部材開先部21へ入って連続して行われ、そして他方の(隣接した別の)梁フランジ12における梁フランジ開先部13、次の中継部材開先部21、次の梁フランジ開先部13へと連続して行われる。
【0042】
これにより第1層目の溶接は、途中で停止させることなく、丸形鋼管10の全周に対して連続して行える。そして引き続いて同様にして、第2層目の溶接、第3層目の溶接と順に行われ、以て所定層の溶接(V型突き合わせ溶接)により外周面10aの4箇所に対してそれぞれ梁フランジ12を溶接結合して、全周に亘って溶接ビード15を形成し得る。
【0043】
なお、外周面10aに対する梁フランジ12の溶接結合は、上下の梁フランジ12で、たとえば同時進行状に行われる。そして、溶接結合の後において中継部材20は除去されるが、その際に弾性に抗して嵌め込まれている中継部材20は、裏板金14などの弾性に抗して容易に取り外し得、以て再利用も可能となって経済的となる。この中継部材20の除去によって、図10に示されるように、梁フランジ12の隣接間には溶接ビード15がリブ状に残存される。
【0044】
上述したように、本発明の製造方法によると、梁フランジ12間にのみ中継部材20を取付ければよいことから、すなわち、たとえば外周面10aの4箇所に梁フランジ12を溶接結合するときには合計8個の中継部材20を取付ければよいことから、その取付け作業は容易となり、またセラミックス製の中継部材20は取外しにより容易に除去し得る。このように、溶接結合のための中継部材20(補助部材)の取付けや除去は容易に行える。
【0045】
さらに、複数箇所の梁フランジ12の溶接作業は、溶接、停止を繰り返すこともなく、全周を連続して行えることで、容易に能率的に行えることになる。しかも梁フランジ12間の外周面12aにリブ状の溶接ビード15が残存され、このリブ状の溶接ビードによって、丸形鋼管10における梁フランジ12間の部分を補強し得る。
【0046】
上記においては、セラミックス製の中継部材20を採用して、溶接結合の後に除去しているが、中継部材としては、鉄や銅などの金属製のほか、非金属製のものであってもよい。
【0047】
上記した丸形鋼管柱用構造体8の製造方法は、第1の実施の形態のように4箇所に梁フランジ12を結合させる構成において説明したが、これは第2〜第5の実施の形態の場合も同様である。
【0048】
上記した各実施の形態において、丸形鋼管10や長尺丸形鋼管2としては、冷間成形したものであってもよく、また熱間成形したものであってもよい。
上記した各実施の形態において丸形鋼管10は、梁フランジ12の結合を行うパネルゾーンの部分を増厚パネル部10Bに形成して補強することで、ダイヤフラムが不要となり、その分、部品点数や溶接箇所を省略できることになる。しかし鉄骨構造物の規模に応じて採用される鋼管柱の外寸などによっては、丸形鋼管10として、全長が薄肉部10Aに形成され、増厚パネル部10Bを形成しないものであってもよい。
【0049】
上記した各実施の形態において、梁フランジ12の一端側には外拡がり状の拡幅部12Aが形成されており、これによると柱面の面外剛性確保を好適に行うことができ、また梁端においてフランジ幅を拡げることにより、大地震時に接合部の早期破断を防止することができる。しかし、丸形鋼管10の直径Dに対する梁幅aの寸法差が、梁フランジ12の隣接間の間隔(隙間)を狭く形成する必要のないときには、拡幅部12Aが形成されていない梁フランジ12を使用してもよい。
【0050】
上記した各実施の形態では、エレクトロスラグ溶接機やエレクトロガスアーク溶接機による溶接であり、これによると、短時間で高品質の溶接を行うことができる。なお、レーザなど他の溶接方式であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、隣接間に間隔を形成して丸形鋼管の外周面に結合した梁フランジ間で丸形鋼管の外周面に残存するリブ状の溶接ビードによって、梁フランジ間を補強できる。
【0052】
また本発明の請求項2によると、梁フランジを溶接結合する部分を増厚パネル部により補強でき、これによって、梁接合パネル部(パネルゾーン)のせん断耐力を上昇できて、鉄骨骨組の耐震耐力を大幅に増大できる。また、ダイアフラム無しでも、ダイアフラムが有る時と同等の断面の面外剛性を確保でき、以てダイヤフラムを不要にできて、その分、部品点数を省略できるとともに、溶接箇所(溶接工数)を大幅に低減できる。
【0053】
そして上記した本発明の請求項3によると、丸形鋼管の直径に対する梁幅の寸法差に応じて、梁フランジの隣接間の間隔(隙間)を拡幅部により狭く形成でき、これにより丸形鋼管の面外変形を防止できる。
【0054】
さらに上記した本発明の請求項4によると、丸形鋼管柱用構造体を製造するに、梁フランジ間にのみ中継部材を取付ければよく、すなわち、たとえば外周面の4箇所に梁フランジを溶接結合するときには合計8個の中継部材を取付ければよいことになり、溶接結合のための中継部材の取付けは容易に迅速に行うことができる。そして、複数箇所の梁フランジの溶接作業は、溶接、停止を繰り返すこともなく、全周を連続して行えることで、容易に能率的に行うことができるとともに、エンドタブの省略により溶接欠陥の生じない高品質の溶接を確保でき、さらに、隣接間に間隔を形成して丸形鋼管の外周面に結合した梁フランジ間で丸形鋼管の外周面に残存するリブ状の溶接ビードによって、梁フランジ間を補強できる。しかも全周の連続した溶接作業は、たとえばロボット溶接により完全自動化も可能となり、省力化による大幅なコストダウン、納期の短縮、作業環境の改善などを可能にできる。
【0055】
また上記した本発明の請求項5によると、中継部材の取付けや除去は弾性を利用するなどして容易に行うことができるとともに、除去したのちのセラミックス製の中継部材は再利用(リサイクル)もできて経済的となる。
【0056】
そして上記した本発明の請求項6によると、セラミックス製の中継部材は取外しなどにより容易に迅速に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、丸形鋼管柱用構造体の斜視図である。
【図2】同丸形鋼管柱用構造体の平面図である。
【図3】同丸形鋼管柱用構造体の要部の縦断面図で、(a)は梁フランジ結合部分、(b)は梁フランジ間部分である。
【図4】同丸形鋼管柱の縦断正面図である。
【図5】同丸形鋼管柱の一部切り欠き斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態を示し、丸形鋼管柱用構造体の平面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態を示し、丸形鋼管柱用構造体の平面図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態を示し、丸形鋼管柱の縦断正面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態を示し、丸形鋼管柱の縦断正面図である。
【図10】本発明の丸形鋼管柱用構造体の製造方法を示し、丸形鋼管柱用構造体の斜視図である。
【図11】同丸形鋼管柱用構造体の平面図である。
【図12】同丸形鋼管柱用構造体の要部の縦断面図で、(a)は梁フランジ結合部分、(b)は梁フランジ間部分である。
【図13】従来例を示し、丸形鋼管柱用構造体の横断平面図である。
【図14】同丸形鋼管柱用構造体の要部の側面図である。
【図15】同丸形鋼管柱用構造体の要部の斜視図である。
【符号の説明】
1 丸形鋼管柱
2 長尺丸形鋼管
5 長尺梁
6 梁フランジ
7 梁フランジ開先部
8 丸形鋼管柱用構造体
10 丸形鋼管
10A 薄肉部
10B 増厚パネル部
10a 外周面
11 短尺梁
12 梁フランジ
12A 拡幅部
13 梁フランジ開先部
14 裏板金
15 溶接ビード
17 補剛板
18 補剛板開先部
20 セラミック製の中継部材
20a 端面
21 中継部材開先部
25 溶接トーチ
a 梁幅
t 所定の板厚
T 厚い板厚
D 丸形鋼管10の直径

Claims (6)

  1. 丸形鋼管の外周面の複数箇所に、鋼管外周面の全周に亘って連続した溶接を複数層施工することで形成した溶接ビードにより、隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジを結合して構成したことを特徴とする丸形鋼管柱用構造体。
  2. 丸形鋼管は、梁フランジを溶接結合する部分を増厚パネル部に形成して構成したことを特徴とする請求項1記載の丸形鋼管柱用構造体。
  3. 丸形鋼管の外周面に、拡幅部を有する梁フランジを結合して構成したことを特徴とする請求項1または2記載の丸形鋼管柱用構造体。
  4. 丸形鋼管の外周面の複数箇所に梁フランジを溶接結合するに、梁フランジの端には開先部が形成されており、丸形鋼管の外周面には、梁フランジ開先部に連なる開先部が形成された中継部材が取付けられ、溶接結合が、一方の梁フランジ開先部から中継部材開先部を経て他方の梁フランジ開先部へと、丸形鋼管の全周に対して連続して行われ、引き続いて同様にして複数層の溶接が順に行われることで、全周に亘って溶接ビードを形成したのち、中継部材が除去されることで隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジを結合することを特徴とする丸形鋼管柱用構造体の製造方法。
  5. 丸形鋼管の外周面の複数箇所に、隣接間に間隔を形成して複数の梁フランジが仮付け溶接されたのち、隣接した梁フランジ間に中継部材が取付けられ、連続した溶接結合が行われたのち、中継部材が除去されることを特徴とする請求項4記載の丸形鋼管柱用構造体の製造方法。
  6. 中継部材がセラミックス製であることを特徴とする請求項4または5記載の丸形鋼管柱用構造体の製造方法。
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