JP3568307B2 - レンズ鏡筒のカム機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ鏡筒のカム機構、詳しくは、レンズを移動させるためのカム機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レンズ鏡筒のレンズ駆動のためのカム機構の1つとして提案された特開平5−34558号公報に開示の焦点可変装置は、レンズ保持枠を駆動するカム機構におけるカム面に成形時のパーティングライン、すなわち、型割線がある場合、そのパーティングライン上にカムピンが停止しないように制御駆動される装置である。このように制御することによって、レンズのピント面の位置を一定に保とうとする装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開平5−34558号公報に開示の焦点可変装置は、任意のフレーミングを行うズームカメラに適用する場合は、パーティングライン以外の位置にカムピンが停止しないように制御する。したがって、レンズを任意の繰り出し位置に停止させることが困難であり、撮影者の意図するズーム位置に位置させることができない。さらに、ズーミングの方向によりカム筒の回転方向のバックラッシュが異なり、確実にパーティングライン位置を避けることが困難であった。
【0004】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであり、レンズ群が型割線の段差の影響を受けることがなく、レンズ群の位置ずれを最少に抑えることができるレンズ鏡筒のカム機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のレンズ鏡筒のカム機構は、レンズを移動させるよう、成形金型による型成形により製作され、複数の型割線を有するカム手段と、上記カム手段の複数カム面に当接し、レンズの位置決めを行なう複数のカムフォロアとを有し、上記複数のカムフォロアが上記カム手段の複数型割線上に同時に位置しないように上記カムフォロアと上記型割線とを配置する。
上記レンズ鏡筒のカム機構においては、上記カム手段の複数型割線を複数のカムフォロアの位置間でずらして配置することによって、レンズの位置決めを行う際、複数のカムフォロアは同時にカム手段の型割線上に位置させないようにして、レンズの位置ずれ発生を防ぐ。
【0006】
本発明の請求項2記載のレンズ鏡筒のカム機構は、複数のカム部を有するカム部材と、上記複数のカム部とそれぞれ係合する複数の従動部材とを有し、上記カム部材の作動により撮影光学系のうち少なくとも一部を光軸方向に連続的に移動可能とするレンズ鏡筒のカム機構において、成形金型による上記カム部材を樹脂により型成形する場合に生じ、上記複数のカム部に位置する複数の型割線上に、上記複数の従動部材が同時に位置しないようにする。
【0007】
本発明の請求項3記載のレンズ鏡筒のカム機構は、上記請求項2記載のレンズ鏡筒のカム機構において、上記カム部材のカム部とこれに係合する上記従動部材とは、1つの移動レンズ群に対して複数設けられている。
上記レンズ鏡筒のカム機構においては、上記移動レンズ群を駆動する場合、1つの移動レンズ群に対して複数のカム部と複数の従動部材とにより該移動レンズ群が駆動される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態のカム機構が組み込まれたレンズ鏡筒の主要部縦断面図であり、図2は、上記レンズ鏡筒の分解斜視図である。なお、上記図1,図2にはカメラボディ、および、フォーカス駆動ユニット、ズーム駆動ユニットの固定部は図示していない。
【0009】
上記レンズ鏡筒は、主に図示しないカメラボディに固定された固定枠1と、固定枠1の内周側にストッパ3により回転可能に支持されたカムリング2と、固定枠1の光軸方向に延びる直進溝1aにその直進キー4aが嵌入して光軸方向進退可能に支持される移動枠4と、撮影光学系の1群レンズ10を支持する1群枠5と、撮影光学系の2群レンズ11を支持する2群枠8と、撮影光学系の3群レンズ12を支持する3群枠9と、ズーミング駆動を行うズームモータ13と、フォーカス駆動を行うフォーカスモータ18で構成されている。
【0010】
上記固定枠1にはカムリング2の外周の一部に設けられた円周ギヤ2aを外側から駆動するための開口部1cが設けられている。さらに、固定枠の後部フランジ部1dには、2群枠8、3群枠9を摺動可能に支持する第1軸6、および、第2軸7を固着して支持するための固定孔1bが配設されている。
【0011】
上記カムリング2の外周には、ズーミングのためのカム手段である第1ズームカム2bが外周3等分で3箇所設けられ、それぞれ移動枠4の内径側に植設された従動部材である第1カムフォロア4cが嵌合する。なお、上記第1ズームカム2bは必ずしも等分割して配設する必要はなく、位置をずらして配設してもよい。
【0012】
また、上記カムリング2の内周には、ズーミングのためのカム手段である第2ズームカム2cが内周にほぼ対称位置である180°間隔で2箇所設けられ、2群枠8に設けた従動部材である第2カムフォロア8aが嵌入する。さらに、第3ズームカム2dが1箇所設けられ、3群枠9の従動部材である第3カムフォロア9aが嵌入する。
【0013】
上記移動枠4の外周面には、カム手段であるフォーカスカム4bが略円周3等分して3箇所設けられる。該フォーカスカム4bには1群枠5に植設された従動部材であるフォーカス用カムフォロア5aが嵌入する。
上記1群枠5には、1群レンズ10が固着されると共に、外周面には円周ギヤ5bが設けられる。該円周ギヤ5bは1群枠5の光軸方向移動量に対応した円周長さとなっている。
【0014】
上記2群枠8は、固定枠1に固定された第1軸6に嵌合穴8bで摺動自在に支持される。該嵌合穴8bの対向側には嵌合溝8cが設けられ、第2軸7が嵌入する。また、該2群枠8には第2カムフォロア8aが2箇所にカムリング2の第2ズームカム2cに対応して植設される。
【0015】
上記3群枠9は、2群枠8の後側(カメラボディ側)に配置されるが、該3群枠9はその嵌合穴9bにより第1軸6に摺動可能に支持され、対向位置に設けた嵌合溝9cに第2軸7が嵌入することにより支持位置が決められる。また、3群枠9には第3カムフォロア9aが1箇所植設される。
【0016】
上記ズームモータ13の回転軸には、ピニオン14と櫛歯板15が固定される。ピニオン13は、ギヤ17を介してカムリング2の円周ギヤ2aに連結される。櫛歯板15には回転量を検知するためのフォトインターラプターPI16が挿入されて配置されている。
【0017】
上記フォーカスモータ18の回転軸には、ピニオン19と櫛歯板20が固定される。該ピニオン19は、ギヤ22を介して1群枠5の円周ギヤ5bに連結される。櫛歯板20には回転量を検知するためのフォトインターラプターPI21が挿入されて配置されている。
上述の駆動系で1群枠5,2群枠8,3群枠9はそれぞれフォーカスモータ18,ズームモータ13によるフォーカス駆動、および、ズーム駆動が行われる。
【0018】
次に、図3のカムリング展開図を用いて、各レンズ群枠のカムおよび該カム面のパーティングラインの配設位置関係について説明する。
まず、フォーカス駆動系について説明すると、移動枠4は、前述のしたように直進キー4aにより光軸方向摺動のみ可能であり、該移動枠4の外周面には前述したようにフォーカスカム4bが円周3等分間隔に配置される。
【0019】
移動枠4はモールド成形により製作されるため、外周部分に形成される部分に対してラジアル方向へ金型をスライドさせて成形する。したがって、成形金型は円周方向で分割することになる。そのときの型と型の合せ面が成形品の型割線、すなわち、パーティングラインとなる。本レンズ鏡筒では、上記成形金型を円周3分割のスライド型として説明する。
【0020】
図3に示すように移動枠4のフォーカスカム4bのパーティングラインの位置は、フォーカスカム4bの端部を基準とした角度θ1 、θ2 、θ3 の位置とし、それぞれ基準位置から角度は異なるように配置する。すなわち、角度θ1 とθ2 とθ3 は、それぞれ異なる値とする。
なお、上記、または、後述する基準位置とは、例えば、レンズ鏡筒の始動時において、各レンズ群枠が駆動の始点にあるとき、各フォーカスカム、または、ズームカム上の各カムフォロアの位置である。
【0021】
フォーカスに寄与する1群レンズ10を固着した1群枠5の内周には3つのフォーカス用カムフォロア5aが移動枠4の上記フォーカスカム4bに対応して、円周3等分間隔に配置され、嵌入している。図3では、上記3つのフォーカス用カムフォロア5aをそれぞれ符号5a1,5a2,5a3で示している。
【0022】
次に、1群レンズ10のズーム駆動系について説明する。前述したようにカムリング2の外周面には、1群レンズ10をズーム移動させるべく第1ズームカム2bが円周3等分間隔に配置される。カムリング2にもモールド成形のためパーティングラインが必然的に発生する。
【0023】
上記モールド型を円周3分割のラジアルスライド型とすると、図3の展開図に示すように第1ズームカム2bの端部を基準として、3箇所のパーティングライン2PL1 ,2PL2 ,2PL3 の位置をそれぞれ上記基準位置から角度θ4 、θ5 、θ6 の位置とすると、角度θ4 ,θ5 ,θ6 は各々異なった値とする。
なお、上記3つの第1ズームカム2bにそれぞれ嵌入するように、移動枠4の内周には第1カムフォロア4cが円周3等分3箇所に植設されている(図3の展開図参照)。
【0024】
次に、2群レンズ11のズーム駆動系について説明する。
カムリング2の内周面には、前述したように2群レンズ11を所定のズーム駆動させるための第2ズームカム2cが2つが設けられる。そのうち1つの第2ズームカム2cは、前記外周の第1ズームカム2bのうちの1つと同じ角度位置に配され、他の1つの第2ズームカム2cは、約180°ずれた位置に設けられる(図3の展開図参照)。
【0025】
上記第2カムリング2の内周側は、光軸中心に向うスライド型により形成されるため、円周3等分のスライド型で構成する。そして、3箇所のパーティングラインのうち1箇所のパーティングライン2PL4 は、第2ズームカム2c端部基準位置から角度θ7 の位置に配されている。同様にパーティングライン2PL5 は、2箇所の第2ズームカム2cの中間位置に配される。残りの1箇所のパーティングライン2PL6 は、他方の第2ズームカム2c端部の基準位置から角度θ8 の位置に配される。そして、それぞれパーティングライン2PL4 ,2PL6 の角度θ7 とθ8 は異なっている。
なお、2群枠8には、上記第2ズームカム2cに対応した位置に第2カムフォロア8aが2箇所に植設され、該カム2cに嵌入している。
【0026】
次に、3群レンズ12のズーム駆動系について説明する。
前述したようにカムリング2の内周面には、3群レンズ12を所定のズーム移動させるための第3ズームカム2dが設けられている。上記第3ズームカム2dは1箇所設けられ、第2ズームカム2cと同様の角度位置に配置されている。第3ズームカム2dに関与するパーティングライン2PL7 は、第3ズームカム2dの端部基準から角度θ9 の位置に設けられている。
なお、3群枠9には、上記第3ズームカム2dに対応した位置に第3カムフォロア9aが植設され、該カム2dに嵌入している。
【0027】
上記1群、2群、3群レンズ用の第1,第2,第3ズームカム2b、2c、2d上の基準位置からの各パーティングラインの角度位置関係は、それぞれが異った位置にあり、各角度θ4 ,θ5 ,θ6 ,θ7 ,θ8 ,θ9 はそれぞれ異なっているものとする。
【0028】
次に、上述の各カムのパーティングラインの形状の詳細について説明する。 図4は、移動枠4に設けられたフォーカスカム4bの1つのカムの平面図であって、図5は、(A)が図4のA部拡大平面図、(B)が拡大斜視図であって、パーティングラインが段差状で形成された場合の上記フォーカスカム4bのパーティングライン4PL1 周りを示している。また、図6は、パーティングライン部が凹形状で形成された場合の図4のA部拡大平面図(図6(A))、または、拡大斜視図(図6(B))であって、上記フォーカスカム4bのパーティングライン4PL1 ′周りを示している。
【0029】
なお、図5の段差状のパーティングラインは、分割したモールド型の合せ面がスラスト方向に若干ずれることにより、段差Δbが生じるもので、一般的にこの段差Δbは、0.02〜0.05mm程度である。なお、パーティングライン部分は上記段差のみでなく、凸状の突起ができることもある。一方、図6の凹形状のパーティングは、バリがカム面にでないように考慮したものであり、やはり、段差そのものは生ずる。
【0030】
上述のようにカム上にパーティングラインによる段差、あるいは、突起または凹部があると、そのカムにより駆動されるカムフォロアはその段差分移動することになる。したがって、従来のカム機構のように、上記パーティングラインがカムフォロア位置に対して、例えば、複数のカムフォロアが同時に上記パーティングライン上に位置する状態になった場合、予期できないカムフォロアの駆動状態となり、レンズ群は、正しい位置制御が不可能となる。特に、ズームレンズではレンズ群により像面ズレに対する寄与率が異なり、大きいもので10倍にも効く。例えば、0.05mmのレンズ群位置のずれが像面上では0.5mmにも達することがある。したがって、ピントずれの写真が撮影される原因となっていた。
【0031】
そこで、本実施の形態のカム機構では、その点を考慮して上述したように各カムフォロアの移動に対して各カムのパーティングラインがその相対位置をずらすことによって同時に複数のカムフォロワに当接することがないように構成し、レンズ位置のずれの発生を防止するものである。以下、その動作について、図1〜図3を用いて詳細に説明する。
【0032】
まず、フォーカス動作に関して説明する。
フォーカスモータ18が制御回路(図示せず)により駆動されると、櫛歯板20とピニオン19が一体で回転し、ギヤ22を介して1群枠5の円周ギヤ5bが回転する。フォトインターラプターPI21によりその駆動量を検知し、所定駆動量に到達すると制御回路によりフォーカスモータ18が停止される。
【0033】
1群枠5の内周のフォーカス用カムフォロア5aは、移動枠4のフォーカスカム4bに嵌入しているため、1群枠5が回転すると、移動枠4に対して、1群枠5は所定の光軸方向の移動がなされる。
図3に示されるように、フォーカスカム4b上のパーティングライン4PL1 に3箇所のうちの1つのフォーカス用カムフォロア5a1の位置が一致した場合、このときの他の2つのフォーカス用カムフォロア5a2,5a3は、前述したように角度θ1 とθ2 とθ3 が各々異なるために、パーティングライン4PL2 、または、4PL3 の位置とは異なった位置にある。すなわち、パーティングラインとは一致しない位置にある。
【0034】
したがって、1箇所のフォーカス用カムフォロア5a1がパーティングラインの段差分だけずれた動きをするが、他の2箇所のフォーカス用カムフォロア5a2,5a3はフォーカスカム4bに正確に従動するので、全てのフォーカス用カムフォロア5a、すなわち、5a1,5a2,5a3がパーティングラインに一致する従来のものに比べてレンズ群の移動のずれは少なく、ピント面に対する悪影響は少ない。
【0035】
さらに1群枠5が回転されて別のフォーカス用カムフォロア5a2,5a3が別のパーティングライン4PL2 、または、4PL3 に一致した場合でも、合致するのがパーティングライン1箇所のみであるため、同様にピント面に対する悪影響は少ない。
【0036】
次に、ズーム動作について説明する。
ズームモータ13が制御回路により駆動されると、櫛歯板15とピニオン14が一体で回転し、ギヤ17を介してカムリング2の円周ギヤ2aが駆動され、カムリング2が回転する。フォトインターラプターPI16により駆動量を検知し、所定の駆動量に到達すると、制御回路によりズームモータ13が停止される。上記カムリング2の回転に伴い、第1,第2,第3ズームカム2b、2c、2dにより、まず移動枠4を介して1群枠5がズーム駆動され、さらに、2群枠8、3群枠9がズーム駆動される。なお、1群枠5は、移動枠4に支持されているため、移動枠4の移動量がズーム移動量になる。
【0037】
上記移動状態を図3を用いて1群枠5の動作から詳細に説明する。
例えば、カムリング2の第1ズームカム2b上のパーティングライン2PL3 に移動枠4に植設された第1カムフォロア4cの1つが位置が一致した場合、他の2つの第1カムフォロア4cと対応する2箇所のパーティングライン2PL1 、2PL2 とは一致していない。これは、前述したように第1ズームカム2b上のパーティングライン2PL1 〜2PL3 の基準位置からの角度θ4 ,θ5 ,θ6 がそれぞれ異なるためである。
さらに、カムリング2が回転し、他の第1カムフォロア4cがパーティングライン2PL1 、または、2PL2 に一致した場合も、残りの2箇所のパーティングラインは、第1カムフォロア4cに一致することはない。
【0038】
上述のように3箇所のうち1箇所のみのカムフォロア4cがパーティングの段差や突起、または、凹部に乗り上げ、または、落ち込むが、他のカムフォロアはパーティングライン以外に位置するので、移動枠4を介して駆動される1群枠5、したがって、1群レンズ10のずれは最小となり、ピント面の予期しないずれも少なくなる。
【0039】
次に、2群枠8の移動状態について説明する。
カムリング2が回転し、2群枠8の2つの第2カムフォロア8aのうちの1つの第2カムフォロア8aがパーティング2PL4 に一致した位置に駆動された場合を考える。この状態では、図3に示すようにパーティングライン2PL6 と上記パーティングライン2PL4 の基準位置からの角度θ8 とθ7 が異なった値であるので、他の第2カムフォロア8aの位置は、パーティングライン2PL6 には一致しない。したがって、2群枠8のパーティングライン段差や突起等によるずれ量は、2つのカムフォロア8aが同時に2箇所のパーティングライン2PL4 ,2PL6 に乗り上げ場合に比べて約1/2に減少する。
【0040】
さらに、カムリング2が回転し、他方の第カムフォロア8aがパーティングライン2PL6 の位置にまで駆動された時にも、他方の第2カムフォロア8aは、パーティングライン2PL4 に一致することはなく、同様にずれを抑えることができる。
【0041】
次に、3群枠9の移動状態について説明する。
図3に示すように、カムリング2の第2ズームカム2cのパーティングライン2PL4 が2群枠8の第2カムフォロア8aの位置まで移動したとき、1箇所のみの4群枠9の第3カムフォロア9aは、パーティングライン2PL7 とは一致しない。これは各カムフォロア8a,9aに対応する各パーティングライン2PL4 ,2PL6 ,2PL7 の各基準位置からの角度θ7 とθ8 とθ9 の値がそれぞれ異なっているためである。
【0042】
また、1群枠5との関係についても、1群枠5と関連する第1ズームカム2bのパーティングライン2PL1 ,2PL2 ,2PL3 と上記第3ズームカム2dのパーティングライン2PL7 における各基準位置からの角度θ4 ,θ5 ,θ6 ,θ9 がそれぞれ異なっているため、2箇所以上のカムフォロアとパーティングラインが一致することはない。
なお、1群枠5と関連する第1ズームカム2bと第2ズームカム2cとの各パーティングラインの関係も同様である。
【0043】
したがって、3群枠9と2群枠8、もしくは、1群枠5との複数のカムフォロアが同時にパーティングラインの段差や突起に乗り上げることはなく、各レンズ枠のずれ量を最小にすることができる。
【0044】
なお、上述のの実施の形態の例では、フォーカスカム4b、第1ズームカム2bは、円周を3等分した3箇所としたが、パーティングラインとの角度関係が各カムとカムフォロアで一致しなければ同様の効果が得られるのであるから、他の位置関係での上記カムの配置でもよい。例えば、パーティングラインを3等分位置の配置し、カムの基準位置を3等分からずらした構成でもよく、さらに、カムとパーティング位置を各々を等分位置からずらした構成でもよく、上述の目的を達する配置であればよい。
また、カムフォロアの数に対し、パーティングラインの数を少なくすることにより、カムフォロアとパーティングの一致する箇所が2箇所以上に発生しないように構成しても良いことは勿論である。
【0045】
(付記)
上述した各実施の形態に基づいて、以下に示す構成のカム機構を提案することができる。すなわち、
(1)焦点距離を連続的に可変できる撮影光学系と、
複数のカム部を有するカム部材及びガイド部を有するガイド部材の相対運動により、上記撮影光学系の一部に設けられ、上記複数のカム部と係合する複数の従動部材を移動させる駆動部とを含むレンズ鏡筒のカム機構において、
上記カム部材を樹脂により型成形する場合に、上記複数のカム部に位置する複数の型割線上に、上記複数の従動部材が同時に位置しないようにしたことを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
上記レンズ鏡筒のカム機構によれば、カム部材を樹脂により型成形したものを適用することができ、コスト上も有利であり、しかも、型割線の影響が少なく、撮影光学系の高精度の進退駆動制御を行うことが可能になる。
【0046】
(2)レンズを移動させるように、型成形により製作され、複数の型割線を有するカム手段と、
上記カム手段の複数カム面に当接し、レンズの位置決めを行なう複数のカムフォロアと、
上記複数のカムフォロアが上記カム手段の複数型割線上に同時に位置しないように、上記カムフォロアと上記型割線とを配置する配置手段と、
を有することを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
上記レンズ鏡筒のカム機構によれば、カム手段の型割線にカムフォロアが同時に当接することによるレンズの進退位置の低下を抑えることができる。
【0047】
(3)付記(2)において、
上記複数のカムフォロアは、1つの移動レンズを作動させるために設けられていることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0048】
(4)付記(2)において、
上記複数のカムフォロアは、それぞれ異なる複数の移動レンズを作動させるために設けられていることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0049】
(5)付記(4)において、
上記複数のカムフォロアは、鏡筒の円周上で略等間隔に配設され、このカムフォロアに対して上記複数型割線が同時に位置しないように設定されていることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0050】
(6)付記(2)、(3)、(4)、(5)において、
上記カムフォロアの数に対して型割線の数を少なくしたことを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0051】
(7)付記(2)、(3)、(4)において、
2つ以上のカムフォロアが、同時に型割線上に位置しないよう配設したことを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0052】
(8)付記(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)において、
上記カム面に対して凸形状、凹形状、または、段着形状となっていることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0053】
(9)付記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)において、
上記レンズは光軸方向に沿う移動によって焦点調整を可能とすることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0054】
(10)付記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)において、
上記レンズは光軸方向に沿う移動によって焦点距離を可変とすることを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
【0055】
(11)光軸方向に連続的に移動可能な撮影光学系を有し、複数のカム部を有するカム部材の作動により、上記撮影光学系に設けられ、上記複数のカム部とそれぞれ係合する複数の従動部材を移動させるレンズ鏡筒のカム機構において、
上記カム部材を樹脂により型成形する場合に生じ、上記複数のカム部に位置する複数の型割線上に、上記複数の従動部材が同時に位置しないようにしたことを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
上記レンズ鏡筒のカム機構によれば、カム部材を樹脂により型成形したものを適用することができ、コスト上も有利であり、しかも、撮影光学系の高精度の進退駆動制御を行うことが可能になる。
【0056】
【発明の効果】
上述したように本発明の請求項1記載のレンズ鏡筒のカム装置によれば、上記複数のカムフォロアが上記カム手段の複数型割線上に同時に位置せず、型割線の段差や突起または凹部の影響を受けることが少なくなることから、カムフォロアの駆動位置のずれが少なくなり、各レンズのピントずれが少なくなる。
【0057】
本発明の請求項2記載のレンズ鏡筒のカム装置によれば、カム部材を樹脂により型成形することができ、しかも、カムフォロアの駆動位置が向上する。
【0058】
本発明の請求項3記載のレンズ鏡筒のカム装置によれば、1つの移動レンズ群に対して複数のカム部材と従動部材を用いて進退駆動が可能であり、移動精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すカム機構を内蔵するレンズ鏡筒の縦断面図。
【図2】図1のレンズ鏡筒の分解斜視図。
【図3】図1のレンズ鏡筒に適用される固定枠,移動枠,カムリング等の展開図。
【図4】図1のレンズ鏡筒に適用される移動枠のフォーカスカムの一部の平面図。
【図5】図4のA部のフォーカスカムのパーティングライン周りを示す図であって、図5(A)は、拡大平面図、図5(B)は、拡大斜視図である。
【図6】図4のA部のフォーカスカムの凹形状のパーティングライン周りを示す図であって、図6(A)は、拡大平面図、図6(B)は、拡大斜視図である。
【符号の説明】
10……1群レンズ(レンズ,撮影光学系)
11……2群レンズ(レンズ,撮影光学系)
12……3群レンズ(レンズ,撮影光学系)
2b……第1ズームカム(カム手段,カム部)
2c……第2ズームカム(カム手段,カム部)
2d……第3ズームカム(カム手段,カム部)
4b……フォーカスカム(カム手段,カム部)
4c……第1カムフォロア
(カムフォロア,従動部材)
5a……フォーカスカムフォロア
(カムフォロア,従動部材)
8a……第2カムフォロア
(カムフォロア,従動部材)
9a……第3カムフォロア
(カムフォロア,従動部材)
2PL1 ,2PL2 ,2PL3 ,2PL4 ,2PL5 ,
2PL6 ,2PL7 ,4PL1 ,4PL2 ,4PL3
……パーティングライン(型割線)

Claims (3)

  1. レンズを移動させるよう、成形金型による型成形により製作され、複数の型割線を有するカム手段と、
    上記カム手段の複数カム面に当接し、レンズの位置決めを行なう複数のカムフォロアとを有し、
    上記複数のカムフォロアが上記カム手段の複数型割線上に同時に位置しないように上記カムフォロアと上記型割線とを配置することを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
  2. 複数のカム部を有するカム部材と、上記複数のカム部とそれぞれ係合する複数の従動部材とを有し、上記カム部材の作動により撮影光学系のうち少なくとも一部を光軸方向に連続的に移動可能とするレンズ鏡筒のカム機構において、
    成形金型による上記カム部材を樹脂により型成形する場合に生じ、上記複数のカム部に位置する複数の型割線上に、上記複数の従動部材が同時に位置しないようにしたことを特徴とするレンズ鏡筒のカム機構。
  3. 上記カム部材のカム部とこれに係合する上記従動部材とは、1つの移動レンズ群に対して複数設けられていることを特徴とする請求項2記載のレンズ鏡筒のカム機構。
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