JP3567058B2 - 検知剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲンガスおよび酸性ガスの検知剤に関し、さらに詳細には、窒素、水素、アルゴン、ヘリウムなどのガス中に含まれるフッ素、塩素、臭素、フッ化水素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素、塩化水素、四塩化珪素、三塩化硼素、フッ化塩素、三フッ化塩素等のハロゲンガスおよび酸性ガスの検知剤に関する。
【0002】
近年、半導体工業やオプトエレクトロニクス工業の発展に伴い各種のハロゲンガスおよび酸性ガスが使用されているとともに、その使用量が増加している。
これらのハロゲンガスおよび酸性ガスはシリコン半導体や化合物半導体製造工程などにおいて、結晶性シリコン、アモルファスシリコンあるいは酸化シリコン膜の膜成長用ガス、あるいは、エッチング用ガスとして不可欠な物質である。
【0003】
しかし、これらのガスはいずれも極めて毒性が高く、特に毒性の高い塩素やフッ素の時間加重平均許容濃度は1ppmとされている。従って、これらのガスの取り扱いに際しては絶えず作業環境の測定を行わなくてはならず、万一これらのガスが漏れた場合には的確に検知し、危害を生じないような処置を講ずる必要がある。
また、半導体製造プロセス等から排出されるガスにはこれらのハロゲンガスおよび酸性ガスが含有されているため、除害装置等を用いて浄化した後、外部に放出する際には、これらのハロゲンガスおよび酸性ガスの有無を確認する必要がある。
【0004】
【従来の技術】
従来、ハロゲンガスの検知方法としては、▲1▼オルトトリジン法を利用したもの、▲2▼ハロゲンガスの脱色作用を利用したものなどがある。また、酸性ガスの検知方法としては、▲3▼変色成分にpH指示薬を用いたもの、▲4▼酸性ガスと水からハロゲン化水素を生成させ、そのpH変化を利用したものなどがある。
これらの検知方法を利用した検知剤をガラス管や容器に充填して検知管や検知器として構成し、被測定ガスと接触させて、検知剤が変色することを利用したものが多数知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、▲1▼オルトトリジン法を利用したもの、▲2▼ハロゲンガスの脱色作用を利用したもの、あるいは▲4▼酸性ガスと水からハロゲン化水素を生成させ、そのpH変化を利用したものではいずれも湿式あるいは湿度の高い反応条件が必要であり、ガス中のハロゲンガスあるいは酸性ガスの検出には加湿を要すること、および応答性が遅い点などの不都合があり、乾燥条件下では実際上使用できないという問題点があった。
一方、▲3▼変色成分にpH指示薬を用いたものでは、乾式法で行うことができるものの、何れもその変色の差が小さく、高感度で検出できないほか、検知成分が乾燥するとさらに感度が低下する等の不都合があった。 これらのことから、ハロゲンガスおよび酸性ガスに対して、乾燥条件下でも、高感度で検出しうるとともに、長期間にわたり安定した検出能を有する検知剤の開発が強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこれらの問題点を解決し、希薄なハロゲンガスおよび酸性ガスに対しても高感度で、かつ迅速に変色する検知剤を得るべく検討を重ねた結果、変色成分として遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドを組み合わせることにより優れた検知剤を得ることができることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドを変色成分とした、ハロゲンガスおよび酸性ガスから選ばれる少なくとも一種を含有するガスの検知剤である。
【0007】
【発明の実施の態様】
本発明の検知剤は、窒素、水素、アルゴン、およびヘリウムなどに含まれるハロゲンガスおよび酸性ガスから選ばれる少なくとも一種を含むガスの検知に適用することができる。
本発明におけるハロゲンガスとはフッ素、塩素または臭素である。また酸性ガスとは、そのもの自体酸性を有するほか、水と接触して加水分解により酸性を示すものをいい、具体的にはフッ化水素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素、塩化水素、四塩化珪素、三塩化硼素、フッ化塩素、三フッ化塩素などである。
【0008】
本発明の検知剤は、遷移金属の水酸化物とpH指示薬コンゴーレッドとの混合物を変色成分とした、ハロゲンガスと酸性ガスの検知剤であり、ハロゲンガスおよびフッ化塩素、三フッ化塩素など一部の酸性ガスと接触することにより柿色〜紅色から黒色に変色し、フッ化塩素、三フッ化塩素を除く他の酸性ガスと接触することにより柿色〜紅色から青色〜紺色へと鋭敏に変色する。
【0009】
本発明において検知剤の変色成分の一成分として遷移金属の水酸化物が用いられる。遷移金属としてはニッケル(II)、コバルト(II)又はマンガン(II)等が挙げられ、その水酸化物は水酸化ニッケル(Ni(OH)2 )、水酸化コバルト(Co(OH)2 )、水酸化マンガン(Mn(OH)2 )であり、これらの水酸化物の1種を用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。
水酸化ニッケル(II)は淡緑色の結晶であり、硝酸ニッケル(II)等の水溶液に水酸化カリウム溶液を加えることによって調製することもできるが、市販品があり、それらを用いることもできる。水酸化ニッケル(II)に少量の水酸化ニッケル(I)および水酸化ニッケル(III)を含有する場合があるが、水酸化ニッケル(II)の色調を著しく損なうものでなければ、本発明の検知剤に用いることができる。
【0010】
水酸化コバルト(II)は淡青色またはバラ色の結晶であり、水酸化カリウム水溶液に硝酸コバルト(II)溶液を加えることによって調製することができる。水酸化コバルト(II)は空気中で比較的容易に酸化されて緑色から暗緑色に変色することから、不活性気体中で取り扱うことが好ましい。
【0011】
水酸化マンガン(II)は白色結晶であり、水酸化カリウム水溶液に硝酸マンガン(II)溶液を加えることによって調製することができる。水酸化マンガン(II)は空気中で比較的容易に酸化されて褐色に変色することから、不活性気体中で取り扱うことが好ましい。
本発明の一方の変色成分であるコンゴーレッドはpH指示薬として広く用いられているものであり、市販品があることから、それを用いると好都合である。
【0012】
本発明において、変色成分である遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドとの混合物を粉末状のまま、またはペレット状などに成型して検知剤としてもよく、または無機担体などに担持させて検知剤とすることもできる。
遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドとの混合物を粉末状のまま、又はペレット状などに成型して検知剤として用いる場合の混合割合は、コンゴーレットの割合が少ない場合は変色感度が得られず、また多すぎる場合は変色が不明瞭となることから重量比(水酸化物:コンゴーレッド)で通常は1:0.01〜0.00001、好ましくは1:0.005〜0.0001である。これらの混合物を通常の乾式あるいは湿式の成型方法によってペレット状、あるいは粒状などに成型して用いることができる。また成型の際に、成型を容易にするために、遷移金属の水酸化物およびコンゴーレッドに不活性な少量の滑剤、成形剤を用いることもできる。
【0013】
変色成分である遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドとの混合物を担体に担持させて用いることもできる。特に水酸化コバルトは安定的に取扱いにくいことから、担体に担持させて用いることが好ましい。
遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドの混合物を無機担体に担持させる場合の担体としては、広い範囲から選択することができるが、例えばシリカゲル、シリカアルミナ、アルミナ、ジルコニア、チタニアなどの触媒担体、中でも白色ないしは無色のものが好適に使用され、これらの内でもシリカゲルが特に好ましい。シリカゲルとしては、乾燥剤用として一般に市販されているものは450〜800m2 /g程度の比表面積を有するものであり、これらを用いてもよいが本発明の目的をより高度に達成するためには水熱合成法などで得られる比表面積50〜400m2 /gの範囲のものが好ましい。比表面積が小さくなりすぎると変色速度が小さくなることがある。
【0014】
担体を用いる場合の変色成分の担持方法としては、例えば変色成分を水や各種の有機溶媒などに溶解またはけん濁させた液に担体を浸漬させてもよく、もしくは担体をかき混ぜながら変色成分の溶液あるいはけん濁液を担体表面に散布して担持させてもよい。
【0015】
無機担体に対する遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドの担持量は重量比(無機担体:水酸化物:コンゴーレッド)で通常は1:0.15〜0.0001:0.1〜0.00001、好ましくは1:0.05〜0.005:0.01〜0.0001である。
無機担体に対する遷移金属水酸化物の担持量が上記範囲よりも少ない場合は感度が得られず、また多すぎる場合、遷移金属の種類によっては(コバルトの場合)変色前後の色の変化が判別しにくくなる。
また、無機担体に対するコンゴーレッドの担持量が上記範囲よりも少ない場合には感度が得られず、また多すぎる場合には変色前後の色の変化が判別しにくくなる。
検知剤調製時における遷移金属水酸化物の酸化を防止するため、担持操作および乾燥は、窒素雰囲気中で行うことが好ましい。また、得られた検知剤は酸素との接触をさけて保存することが好ましい。
【0016】
検知剤と接触させるガスの速度に特に制限はないが、半導体製造プロセスの装置内や排ガス処理装置内では、通常、空筒基準線速度で0.01〜100cm/sec程度とされる。ただし、これらの装置のパージの時などでは100cm/secを越える線速度となる場合がある。通常、空筒基準線速度が上記範囲より低い場合は変色が遅くなり、高い場合は圧力損失が大きくなるおそれがある。
接触時のガスの温度は通常は−20〜100℃、また、圧力は0.001〜20kg/cm2 abs程度である。
【0017】
本発明の検知剤は固体であり、通常はガラス製の検知管や透明プラスチック製などの透明な容器またはガスの浄化筒などに設けられた透明な覗き窓部に充填して使用され、ガス中に含有されるハロゲンおよび酸性ガスの存在を検知剤の変色により知ることができる。また、本発明の検知剤を浄化剤などとともに使用する場合には浄化筒内の浄化剤の層の下流側または複数の浄化剤層の間に充填したり、検知剤を充填した検知筒を浄化筒の後ろに接続した形態などで使用される。
【0018】
このように本発明の検知剤を用いることによって、検知剤がハロゲンガスおよびフッ化塩素、三フッ化塩素など一部の酸性ガスに接触することにより柿色〜紅色から黒色に鋭敏に変色し、検知剤がフッ化塩素、三フッ化塩素を除く他の酸性ガスに接触した場合には柿色〜紅色から青色〜紺色に鋭敏に変色することにより容易に検知することができる。
【0019】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜9
(検知剤の調製1)
粒の大きさが5〜10mesh、比表面積325m2 /g、細孔容積0.99ml/g、充填密度0.420g/mlの粒状シリカゲル(富士シリシア化学(株)製、キャリアクト−10)100gに、硝酸コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えてかき混ぜたのち、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾燥させた。これにコンゴーレッド0.1gを水100mlに溶解した溶液を加えてかき混ぜ、再びロータリーエバポレーターで完全に減圧乾燥させて検知剤を調製した。
【0020】
(検知能力の測定1)
この検知剤2.0gを内径19mmのガラス管に充填したものを多数作製し、これに10ppmおよび1ppmの塩素、50ppmおよび5ppmの塩化水素、10ppmの臭素、10ppmのフッ素、50ppmの三塩化ほう素、50ppmの六フッ化タングステン、10ppmの三フッ化塩素を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
実施例10、11
(検知剤の調製2)
実施例1と同様の粒状シリカゲル100gに、硫酸ニッケル6水和物20.0gを水153mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液250mlを加えかき混ぜた。次に時々かき混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾燥させた。これにコンゴーレッド0.02gを水100mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0023】
(検知能力の測定2)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】
実施例12、13
(検知剤の調製3)
実施例1と同様の粒状シリカゲル100gに、硫酸マンガン4〜5水和物20.0gを水153mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液250mlを加えてかき混ぜた。次に時々かき混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾燥させた。これにコンゴーレッド0.02gを水100mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0026】
(検知能力の測定3)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
実施例14、15
(検知剤の調製4)
粒の大きさが8〜16mesh、比表面積210m2 /g、細孔容積0.99g、平均細孔径100Å、充填密度0.68g/mlの活性アルミナ(水沢化学工業(株)製、Neobeads GB8〜16)150g、硝酸コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶解した溶液を含浸させた後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液50mlを加えてかき混ぜた。次に時々かき混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で減圧乾燥させた。これにコンゴーレッド0.1gを水100mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0029】
(検知能力の測定4)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
実施例16、17
(検知剤の調製5)
水酸化ニッケル1.5水和物100gに、コンゴーレッド0.04gを水22gに溶かした溶液を加え、更に1Nの水酸化ナトリウム水溶液2mlを加え、そのペーストを型に入れ、窒素ガス雰囲気下50℃で乾燥させたのち、それを6〜10meshに砕いて検知剤を調製した。
【0032】
(検知能力の測定5)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスをそれぞれ空筒基準線速度5.9cm/secで通して接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表4に示す。
【0033】
【表5】
【0034】
実施例18
(窒素ガスによる影響の確認)
次に、実施例1で使用した検知剤2.0gを内径19mmのガラス管に充填し、これに100%の窒素ガスを空筒基準線速度6.4cm/secで通して接触させ、変化の有無を観察した。その結果、7200分経過後も変色は認められなかった。
【0035】
実施例19、20
(検知能力の測定6)
実施例18で使用した検知剤に10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含有する窒素ガスをそれぞれ線速度5.9cm/secで通して接触させ、変色し始めるまでの時間を測定した。
結果を表6に示す。
【0036】
【表6】
【0037】
実施例21〜24
(検知剤能力の測定7)
実施例1〜9で用いたものと同種類の検知剤2.0gを内径19mmのガラス管に充填し、これに弗化水素、四弗化珪素、三弗化硼素、四塩化珪素を50ppm含む窒素ガスをそれぞれ線速5.9cm/secで通して接触させ、変色しはじめるまでの時間を測定した。
結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
実施例25、26
(検知剤の調製6)
担体として、8〜16mesh、比表面積210m2 /g、細孔容積0.99ml/g、充填密度0.68g/mlの活性アルミナ(水澤化学(株)Neobeads GB8 〜16)150gを用い、これに硝酸コバルト6水和物5.0gを水153mlに溶解した溶液を含浸させた。次に、これに1Nの水酸化ナトリウムを50ml加えてかき混ぜた。次いで時々かき混ぜながら12時間放置して反応させた後上澄みを捨て、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で余分な水分を減圧乾燥させた。さらに、コンゴーレット0.1gを水100mlに溶解した溶液を加え、再びロータリーエバポレーターで完全に乾燥させて検知剤を調製した。
【0040】
(検知剤能力の測定8)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素、50ppmの塩化水素を含む窒素ガスを通気して変色しはじめる迄の時間を測定した。
結果を表8に示す。
【0041】
実施例27、28
(検知剤の調製7)
担体として、直径5mmの球状、比表面積39m2 /g、細孔容積0.33ml/g、のチタニア(日産ガードラー(株)製、CS−300−46 )150gを用いたほかは、実施例25、26と同様にして検知剤を調製した。
(検知剤能力の測定9)
この検知剤について実施例25、26と同様の方法で,塩素、塩化水素を含む窒素ガスについて変色しはじめる迄の時間を測定した。
結果を表8に示す。
【0042】
実施例29、30
(検知剤の調製8)
担体として、直径2〜3mm、長さ約5mm、比表面積90m2 /g、細孔容積0.31ml/g、のジルコニア(ノートン社製、XZ−16052)150gを用いたほかは、実施例25、26と同様にして検知剤を調製した。
(検知剤能力の測定10)
この検知剤について実施例25、26と同様の方法で、塩素、塩化水素を含む窒素ガスについて変色しはじめる迄の時間を測定した。
結果を表8に示す。
【0043】
実施例31、32
(検知剤の調製9)
担体として、直径5mmの球状、比表面積80m2 /g、のシリカアルミナ(ノートン社製、SA377 )150gを用いたほかは、実施例25、26と同様にして検知剤を調製した。
(検知剤能力の測定11)
この検知剤について実施例25,26と同様の方法で、塩素、塩化水素を含む窒素ガスについて変色しはじめる迄の時間を測定した。
結果を表8に示す。
【0044】
【表8】
【0045】
比較例1
(検知剤の調製10)
実施例1で用いたものと同じ粒状のシリカゲル100gに、コンゴーレッド0.1gを水200mlに溶解した溶液を加え、ロータリーエバポレーターで50℃の温度で余分な水を減圧乾燥させて検知剤を調製した。
(検知剤能力の測定12)
この検知剤2.0gを実施例1と同様にガラス管に充填し、これに10ppmの塩素を含む窒素ガスをそれぞれ線速5.9cm/secで通気して接触させ、変色しはじめるまでの時間を測定した。
結果を表9に示したが、通気後1分以内に検知剤が脱色してしまった。
【0046】
【表9】
【0047】
【発明の効果】
本発明の検知剤は以下のような優れた特長を有している。
▲1▼ハロゲンガスおよび酸性ガスの検知に水分を必要としないため、測定対象ガスおよび検知剤の水分量に関係なく、常に高感度で検知することができる。
▲2▼検知剤がハロゲンガスまたは酸性ガスと接触すると明るい色から暗い色に変色するため、変色差が大きく極めて容易に、かつ高感度で検知することができる。
Claims (5)
- 遷移金属の水酸化物とコンゴーレッドを変色成分とした、ハロゲンガスおよび酸性ガスから選ばれる少なくとも一種を含有するガスの検知剤。
- 遷移金属がニッケル(II)、コバルト(II)およびマンガン(II)から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の検知剤。
- ハロゲンガスがフッ素、塩素または臭素であり、酸性ガスがフッ化水素、六フッ化タングステン、四フッ化珪素、三フッ化硼素、塩化水素、四塩化珪素、三塩化硼素、フッ化塩素または三フッ化塩素である請求項1に記載の検知剤。
- 遷移金属がコバルト(II)である場合において、水酸化コバルト(II)とコンゴーレッドが無機担体に担持されたものであり、その担持重量比(無機担体:遷移金属の水酸化物:コンゴーレッド)が1:0.15〜0.0001:0.1〜0.00001である請求項1に記載の検知剤。
- 無機担体がシリカゲル、シリカアルミナ、チタニア、アルミナおよびジルコニアから選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の検知剤。
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