JP3566566B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣用スピニングリールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一方向クラッチを介してロータの回転軸に制動体を連結し、ロータの逆回転時にのみ制動体とロータとが一体的に回転するように構成するとともに、リール本体の脚部に設けられた操作レバーの牽引操作によって制動体の回転に制動力を付与して、魚種、魚のファイト状況等、魚釣り状況に応じてロータの回転を制御する制動装置を備えたスピニングリールは一般的に知られている。
【0003】
また、ロータの逆転時にロータと一体回転する前記制動体の外周に係止部(ラチェット歯)を設け、 この係止部に係止部材を係脱自在に係合させることにより、制動体を介してロータの逆回転を防止する構成が特開平7−163277号公報に開示されている。すなわち、この公報では、制動体を逆転防止部材として兼用している。
【0004】
また、前記公報には、前記係止部材と係合する係止部(ラチェット歯)を有する逆転防止部材を制動体とは別体で形成するとともに、逆転防止部材を一方向クラッチの内輪に設けられた円筒部の外周に回り止め固定することによって、制動体と逆転防止部材とをロータの回転軸の長手方向に沿って隣接配置する構成が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、制動体を逆転防止部材として兼用する前記公報の構成では、制動体をどのような材質で形成するかが問題となる。すなわち、一般に、制動体に適した材質としては、熱安定性が良好で且つ寿命が長く、しかも、ブレーキ鳴きの少ない青銅や燐青銅などが好ましく、一方、逆転防止部材に適した材質としては、耐衝撃性に優れ、硬度の高いステンレス鋼や炭素鋼などが好ましいが、制動体に必要な条件および逆転防止部材に必要な条件を同時に満たす材質は存在しないため、 どちらか一方の条件を満たす材質で制動体を形成する必要がある。そのため、一般的には、逆転防止機能を優先させて、制動体をステンレス鋼などの高強度の材質によって形成する。 しかし、制動体を高強度の材質によって形成すると、制動体の回転に制動力を付与するブレーキライニング材の磨耗が著しくなり寿命が短くなるという問題が生じる。
【0006】
また、逆転防止部材と制動体とを別体で形成するとともに、制動体と逆転防止部材とをロータの回転軸の長手方向に沿って隣接配置する構成では、制動体と逆転防止部材の両方をロータの円筒部内に収める必要があるため、制動体を逆転防止部材として兼用する構成に比べて、ロータの円筒部が逆転防止部材の厚み分だけ長くなってしまい、リールが大型化してしまう虞がある。
【0007】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ロータの回転に制動力を付与する制動機構とロータの逆回転を防止する逆回転防止機構とを備えるとともに、リールを大型化させることなく、制動機構および逆回転防止機構とをそれぞれに要求される性能を充分に満足し得る材質によって形成することができる魚釣用スピニングリールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体に支持された操作部材の移動操作により、釣糸繰り出しに伴うロータの逆回転で一体的に回転する回転体を制動して、ロータの逆回転に制動力を付与するごとく構成された魚釣用スピニングリールにおいて、前記回転体には制動体が板状に設けられ、この制動体の径方向外側に、制動力が付与される制動部を設け、制動体の径方向内側に、回転体の回転に伴う制動体の回転を防止するための係止部材が係脱可能に係止される係止部が形成された逆転防止部を設け、
前記制動部を熱安定性が良好且つ寿命が長くブレーキ鳴きの少ない材料で形成し、前記逆転防止部を耐衝撃に優れかつ硬度の高い材料で形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0011】
図1〜図7は本発明の第1の実施形態を示している。図1および図4に示すように、本実施形態の魚釣用スピニングリール1は、リール本体1aと、リール本体1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを有している。リール本体1a内にはハンドル軸2が回転可能に支持されており、リール本体1aから突出するハンドル軸2の端部には図示しないハンドルが固定されている。
【0012】
ハンドル軸2にはドライブギア3が取り付けられており、このドライブギア3には、ハンドル軸2に対して直交する方向に延在し且つ軸受け11を介して回転可能に支持されたピニオンギア13が噛合している。このピニオンギア13の先端部には、ベール6および釣糸案内装置15を備えたロータ8が一体的に取り付けられている。
【0013】
また、ピニオンギア13の内部には、ハンドル軸2と直交する方向に摺動可能に支持されたスプール軸9が挿通されており、スプール軸9の先端部には釣糸が巻回されるスプール10が着脱可能に取付けられている。また、ドライブギア3には、オシレーティング機構19が係合している。このオシレーティング機構19は、ハンドル軸2がハンドルの回転操作によって回転された時、スプール軸9を軸方向に沿って往復駆動する。
【0014】
このような構成では、ハンドルを回転操作してハンドル軸2を回転させると、オシレーティング機構19を介してスプール軸9に取り付けられたスプール10が前後に往復動するとともに、ドライブギア3およびピニオンギア13を介してロータ8が回転駆動する。したがって、スプール10には、釣糸案内装置15を介して、釣糸が均等に巻回される。
【0015】
また、 リール本体1aには、ロータ8の逆回転に制動力を付与する制動機構と、ロータ8の逆回転を防止する逆転防止機構とが設けられている。これらの機構は、支軸7を介して脚部1bに回動可能に取り付けられた操作レバー5によって操作される。操作レバー5の一端部には指が引掛けられる操作部5aが形成されている。また、リール本体1a内に位置する操作レバー5の他端部には、ビス12を介して押圧プレート14が取り付けられている。押圧プレート14の端部には、後述する制動機構のブレーキシュー17を押圧する押圧部14aが形成されている。
【0016】
なお、後述するが、操作レバー5が図1に示す初期位置からA方向に押し上げ操作されると、押圧部14aによってブレーキシュー17が押圧されて制動機構が働くとともに、操作レバー5が初期位置からB方向に押し下げ操作されると、逆転防止機構が働くようになっている。また、押圧プレート14とリール本体1aのブラケット18との間には、操作レバー5を初期位置に常時保持する引張りバネ16が設けられている。したがって、操作レバー5を支軸7を中心にA方向(時計回り)に押し上げ操作した後、その操作力を解除すると、バネ16の付勢力によって操作レバー5が初期位置に復帰される。
【0017】
図2に拡大して示すように、 ロータ8の逆回転に制動力を付与する制動機構は、一方向クラッチ20を介してピニオンギヤ13に取り付けられたブレーキロータ(回転体)31と、このブレーキロータ31の表面に取り付け固定されたリング状の制動体33とを備えている。
【0018】
図4および図6に詳しく示されるように、制動体33は、外側に位置する制動板(制動部)33Aと、内側に位置する逆転防止板(逆転防止部)33Bとからなる。制動板33Aはビス90を介してブレーキロータ31の表面に取り付け固定され、逆転防止板33Bはビス91を介してブレーキロータ31の表面に取り付け固定されている。この場合、制動板33Aの表面と逆転防止板33Bの表面は略面一になっている。また、制動板33Aと逆転防止板33Bは互いに異なった材料によって形成されている。すなわち、制動板33Aは、熱安定性が良好で且つ寿命が長く、しかも、ブレーキ鳴きの少ない材料、例えば青銅や燐青銅などによって形成されている。また、逆転防止板33Bは、耐衝撃性に優れ、硬度の高い材料、例えばステンレス鋼や炭素鋼などによって形成されている。
【0019】
また、リール本体1aのフレーム1fには、制動板33Aを跨ぐように配された圧接片35が支持されている。また、フレーム1fには、制動板33Aと圧接可能な方向に摺動する例えば木製のブレーキシュー17が移動可能に保持されている。
【0020】
一方向クラッチ20は、ピニオンギア13に対して回り止め嵌合された内輪21と、内輪21の外側に配された保持器27と、保持器27の外側に配された外輪25とを有している。保持器27は複数の転動部材27a(図6および図7参照)を保持しており、各転動部材27aは保持器27に設けられたバネ部材によって一方向に付勢されている。また、外輪25の内周面には、各転動部材27aがフリーに回転できるフリー回転領域と、各転動部材27aの回転を阻止する楔領域とが形成されている。このような構成の一方向クラッチ20は、ピニオンギア13とともに内輪21が正回転する(ロータ8が糸巻き取り方向に回転する)と、保持器27の転動部材27aが外輪25のフリー回転領域に位置され、内輪の21の回転力が外輪25に伝達されない。しかし、ピニオンギア13とともに内輪21が逆回転する(ロータ8が糸繰り出し方向に回転する)と、保持器27の転動部材27aが外輪25の楔領域に位置され、内輪21の回転力が外輪25に伝達される。
【0021】
外輪25の外周には保持体29が圧入嵌合されている。また、保持体29の外周にはブレーキロータ31が回転不能に嵌合されている。具体的には、保持体29の外周面には、保持体29の周方向に沿って互いに所定の間隔で配置された複数の径方向突出部29a…が形成されており、突出部29a,29a間には、ブレーキロータ31からスプール軸9の軸方向に沿って延出する複数の延出部31aのそれぞれが嵌合している。すなわち、ブレーキロータ31は、突出部29aと延出部31aとの噛み合いによって保持体29に対して回転不能に嵌合されるとともに、保持体29に対して軸方向にのみ移動できるようになっている。
【0022】
なお、ブレーキロータ31は、操作レバー5からブレーキシュー17を介して作用する押圧力が解除されると、図示しないバネの付勢力により保持体29に沿って軸方向に移動され、図1に示される初期位置に戻されるようになっている。一方向クラッチ20を介したピニオンギア13とブレーキロータ31との以上のような連結構造によれば、ブレーキロータ31と保持体29は、ピニオンギア13が逆回転した時にのみ、一方向クラッチ20を介してピニオンギア13(したがってロータ8)と直結され、ロータ8と一体に回転する。
【0023】
ブレーキロータ31の裏面の周縁部には、周方向に互いに所定の間隔で配置された複数(例えば8個)の係合突部40が突出形成されている。各係合突部40には、ロータ8が逆回転した時に後述する係合爪43aを係合突部40間の隙間に案内するテーパ面40aと、係合突部40間の隙間に位置した係合爪43aと当接するストッパ面40bとが形成されている。
【0024】
一方、ロータ8には、回動部材43がピン42を介してブレーキロータ31側に向けて回動自在に支持されている。回動部材43の一端には、係合突部40間の隙間に係合可能な係合爪43aが屈曲形成されている。また、ロータ8には、ブレーキロータ31側に向けて、回動部材43の各方向への回動を規制する2つのボスが突出形成されている。また、回動部材43にはU字状に切り込まれた溝43bが形成されており、この溝43bには、保持体29に抱き付くように巻回保持されたリーフスプリング45の端部が固定されている。
【0025】
ロータ8の逆転を防止する逆転防止機構は、操作レバー5の他端部もしくは押圧プレート14に突出形成された作動体50と、支軸52に回動可能に支持され且つ作動体50によって回動される制御カム54と、リール本体1aのフレーム1fに移動可能に保持され且つ制御カム54の回動によって制動体33の逆転防止板33Bに向けて移動される係止爪(係止部材)56と、逆転防止板33Bの内周面に形成され且つ係止爪56と噛み合う複数の係止溝(係止部)33aとから成る。制御カム54は、作動体50と当接する第1および第2の当接部54a,54bと、係止爪56と当接する第3の当接部54cとを有している。第1の当接部54aと第2の当接部54bとの間には作動体50が位置され、また、第3の当接部54cは係止爪56の端部から側方に突出する突出部56aと当接している。制御カム54は、制御カム54とブラケット18との間に設けられた振り分けバネ58によって回動方向に常時付勢されている。また、係止爪56は、支軸52に巻回保持されたバネ57によって、逆転防止板33Bの係止溝33aと噛み合う方向に常時付勢されている。
【0026】
前記構成では、操作レバー5が図1 に示される初期位置に位置している場合、振り分けバネ58の付勢力(制御カム54に対しこれを図中反時計回りに回動させる方向に作用する)によって制御カム54の第1の当接部54aが作動体50に当接されるとともに、係止爪56の突出部56aと当接する第3の当接部54cがバネ57の付勢力に抗して係止爪56を逆転防止板33Bから離間させた状態に保持する。また、操作レバー5が初期位置からB方向に押し下げ操作される(図6参照)と、作動体50が振り分けバネ58の付勢力に抗して制御カム54を図中時計回りに回動させる。この時、振り分けバネ58は、制御カム54の回動に伴って揺動するが、そのデットポイントを超えた時点で制御カム54に対しこれを時計回りに回動させる方向で付勢力を付与するようになる。したがって、その後、制御カム54は、作動体50によらず、振り分けバネ58の付勢力によって時計回りに回動することとなる。これにより、第1の当接部54aが作動体50から離間するとともに、第3の当接部54cに当接する係止爪56が逆転防止板33Bに向けて移動される。そして、逆転防止板33Bの係止溝33aに係止爪56が噛み合い、第2の当接部54bが作動体50と当接した時点で、制御カム54の回動が停止される。すなわち、係止溝33aと係止爪56との噛み合い状態が保持され、また、操作レバー5がB方向に押し下げられたロータ逆転防止位置に保持される。
【0027】
次に、前記構成のスピニングリール1の動作について説明する。
【0028】
まず、操作レバー5が図1に示す初期位置に保持された状態で、ハンドルを介してピニオンギア13を正回転させると、ピニオンギア13に取り付けられたロータ8も一体で正回転する(糸巻き取り方向に回転する)。しかしながら、この時、ブレーキロータ31は、一方向クラッチ20の前記連結作用により回転しない。また、ロータ8に支持されこれとともに正回転する回動部材43は、リーフスプリング45の作用によって逆回転方向に力を受け、ピン42を中心に回動してその一端部がロータ8の前記ボスに当て付いて、係合爪43aがブレーキロータ31の係合突部40から離間するように内側に退避される(図3参照)。したがって、回動部材43は、ブレーキロータ31に何等規制されることなく、ロータ8とともに自由に正回転する。よって、この状態で、操作レバー5をA方向に押し上げ操作して、ブレーキシュー17と圧接片35との間で制動体33の制動板33Aを挟圧しても(この場合、ブレーキロータ31はブレーキシュー17による押圧力によって図3に示すように保持体29に沿って軸方向に移動する)、ロータ8には制動力が全く作用しない。
【0029】
また、操作レバー5が初期位置に保持された状態で、ピニオンギア13が逆回転されると、ピニオンギア13に取り付けられたロータ8も一体で逆回転する (糸繰り出し方向に回転する)。この時、ブレーキロータ31も一方向クラッチ20の前記連結作用によりロータ8とともに逆回転する。したがって、この状態で、操作レバー5をA方向に押し上げ操作することにより、ブレーキシュー17と圧接片35との間で制動板33Aを挟圧し、ブレーキロータ31の回転に制動をかけると、ブレーキロータ31と直結状態で一体に回転するロータ8にも一方向クラッチ20を介して操作レバー5の回動量に応じた制動力がタイムラグを生じることなく作用する。この場合、 一方向クラッチ20の外輪25の楔領域には、ブレーキロータ31に付与される制動力とロータ8の回転力とが互いに反対方向に作用するが、 これらの力が一方向クラッチ20の許容荷重範囲内であれば、ロータ8とブレーキロータ31は互いに対して回転しない。つまり、制動時でもロータ8とブレーキロータ31とが一体に回転する。したがって、ロータ8と一体に回転する回動部材43の係合爪43aはブレーキロータ31と噛み合わず、ロータ8の回転力(例えば魚が引く力)は全て一方向クラッチ20により受けられる。しかし、外輪25の楔領域に作用する力(ロータ8の回転力およびブレーキロータ31に作用する制動力)が一方向クラッチ20の許容荷重を超えると、一方向クラッチ20が滑り、ブレーキロータ31に対してロータ8が回転し始める。これにより、ロータ8と一体で逆回転している回動部材43は、リーフスプリング45の作用によって正回転方向に力を受け、ピン42を中心に回動してその一端部がロータ8の前記ボスに当て付いて、係合爪43aがブレーキロータ31の係合突部40間に突出するようになる。その結果、ロータ8とブレーキロータ31とが噛み合い、これらが一体となって逆回転する。したがって、その後、ブレーキロータ31に作用する制動力は、一方向クラッチ20を介することなく、直接にロータ8に作用し、ロータ8の回転力(例えば魚が引く力)は全てブレーキロータ31により受けられる。
【0030】
一方、操作レバー5をB方向に押し下げ操作すると、前述したように、作動体50を介して制御カム54が図中時計回りに回動される。これにより、第3の当接部54cに当接する係止爪56が逆転防止板33Bに向けて移動され、逆転防止板33Bの係止溝33aに係止爪56が噛み合ってブレーキロータ31の回転が阻止される(図6参照)。したがって、この状態で、ハンドルを介してピニオンギア13を逆回転させようとしても、一方向クラッチ20を介してピニオンギア13に直結されたブレーキロータ31の回転が阻止されているため、ピニオンギア13したがってロータ8は逆回転しない。無論、この状態でピニオンギア13を正回転させれば、一方向クラッチ20を介したブレーキロータ31とピニオンギア13との直結状態が解除されるため、 ロータ8は正回転することができる。
【0031】
なお、操作レバー5を初期位置に戻すと、作動体50および振り分けバネ58によって制御カム54が図中反時計回りに回動され、制御カム54の第3の当接部54cと当接する係止爪56がバネ57の付勢力に抗して初期位置に戻される(図1参照)。これにより、逆転防止板33Bの係止溝33aと係止爪56との噛み合いが外れ、ブレーキロータ31の回転が可能となる。
【0032】
以上説明したように、本実施形態のスピニングリール1では、一方向クラッチ20を介してピニオンギヤ13に取り付けられたブレーキロータ(回転体)31の表面にリング状の制動体33が取り付け固定されるとともに、この制動体33が互いに材質の異なる制動板33Aと逆転防止板33Bとによって構成されている。したがって、制動板33Aおよび逆転防止板33Bのそれぞれに求められる要求性能を十分に満足させることが可能となる。すなわち、制動板33Aにあっては、熱安定性が良好で且つ寿命が長く、しかも、ブレーキ鳴きの少ない材料、例えば青銅や燐青銅などによって形成することができ、また、逆転防止板33Bにあっては、耐衝撃性に優れ、硬度の高い材料、例えばステンレス鋼や炭素鋼などによって形成することができる。
【0033】
また、本実施形態のスピニングリール1では、逆転防止板33Bと制動板33Aとを別体で形成しつつも、これらをピニオンギア13の長手方向に沿って配置することなく1つのリング状の制動体33の外側部分および内側部分として面一に形成している。したがって、ロータ8の円筒部を長くすることなく制動機構および逆転防止機構がコンパクトに配置され、スピニングリール1の小型化を図ることができる。
【0034】
図8および図9は本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態では、逆転防止板33Bの外周領域(重合部)Sに制動板33Aを重ね合わせることによって制動体33が構成されるとともに、重合部Sに取り付けられたビス90により逆転防止板33Bと制動板33Aとが一体でブレーキロータ31に取り付け固定されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】
図10〜図12は本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態の制動体33は、内側に位置する制動板33Aと外側に位置する逆転防止板33Bとからなり、制動板33Aと逆転防止板33Bとが溶着やインサート成形またはアウトサート成形等によって一体形成されている。この場合、制動板33Aと逆転防止板33Bとの接合部Gである制動板33Aの外周面と逆転防止板33Bの内周面とにはそれぞれフランジ部Fが形成されており、制動板33Aと逆転防止板33Bは、互いのフランジ部Fを突き合わせることによって接合されている。
【0036】
また、本実施形態では、逆転防止板33Bの外周に形成された係合歯33aに係合部材104が噛み合うことにより、ロータ8の逆回転が防止されるようになっている。この場合、係合部材104は操作レバー100から延びる操作部材100Aの回動によって係合歯33aに係脱される。また、制動板33Aに対するブレーキシュー17の押し当て動作は、操作レバー102によって行なわれる。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と略同一である。したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ロータの回転に制動力を付与する制動機構とロータの逆回転を防止する逆回転防止機構とを備えるとともに、リールを大型化させることなく、制動機構および逆回転防止機構とをそれぞれに要求される性能を充分に満足し得る材質によって形成することができる魚釣用スピニングリールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスピニングリールの一部断面を付した側面図である。
【図2】ロータ逆転時における図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】ロータ正転時における図1のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図1のスピニングリールの後部の拡大断面図である。
【図5】図1のD−D線に沿う断面図である。
【図6】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図1のC−C線に沿う断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るスピニングリールの要部断面図である。
【図9】図8のE−E線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るスピニングリールの要部断面図である。
【図11】図8のF−F線に沿う断面図(逆転防止機能が働いた状態)である。
【図12】図8のF−F線に沿う断面図(逆転防止機能が解除された状態)である。
【符号の説明】
1…スピニングリール
1a…リール本体
8…ロータ
20…一方向クラッチ
31…ブレーキロータ
33…制動体
33A…制動板(制動部)
33B…逆転防止体(逆転防止部)

Claims (1)

  1. リール本体に支持された操作部材の移動操作により、釣糸繰り出しに伴うロータの逆回転で一体的に回転する回転体を制動して、ロータの逆回転に制動力を付与するごとく構成された魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記回転体には制動体が板状に設けられ、この制動体の径方向外側に、制動力が付与される制動部を設け、制動体の径方向内側に、回転体の回転に伴う制動体の回転を防止するための係止部材が係脱可能に係止される係止部が形成された逆転防止部を設け、
    前記制動部を熱安定性が良好且つ寿命が長くブレーキ鳴きの少ない材料で形成し、前記逆転防止部を耐衝撃に優れかつ硬度の高い材料で形成したことを特徴とする魚釣用スピニングリール。
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