JP3565191B2 - 光コネクタ装置及びその防塵カバー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光コネクタの技術に関するもので、光コネクタの接合端を保護するとともに、コネクタに引きわを設ける多面的機能を果たす二元機能の防塵カバーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
光ファイバケーブルを終端処理し、ケーブルの他のケーブルまたは他の光ファイバ伝送装置への接続を容易とするために、種々のデザインの光コネクタが使用されている。従来の光コネクタは、一本または複数の光ファイバをコネクタ内の中心に取り付けるフェルールを有している。フェルールは、セラミック等の材料で形成される構成とすることができる。フェルールホルダまたはコネクタの他のハウジング部材がフェルールを包囲し、成形プラスチック等の材料で形成される構成とすることができる。ハウジングまたはフェルールホルダ内にバネを配置して、相手方接続装置のもう一つのファイバ取付フェルールに係合するためにフェルールを前方に変位可能に付勢する構成とすることができる。
【０００３】
しばしば、一対の光コネクタまたは一つのコネクタともう一つの光ファイバ伝送装置は、ファイバを中心に置いて挿入損失を低減させるアダプタで接合される。アダプタは、収納されたファイバが端末相互間で接合するようにコネクタを共に接合させる。アダプタはインライン部材により構成することができるか、またはパネル、バックプレーン、回路基板等の開口部に取り付け可能なようにアダプタを設計することができる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
電気導体の電気コネクタへの接続に対して、「作動状態」の光コネクタのファイバ端が露出している場合の光ファイバの光コネクタへの接続時に、種々の問題が生じている。従来、アダプタの一端部にある一方の光コネクタが取り外されて、他方の「作動状態」の光コネクタがアダプタに放置された場合にその問題が生じる可能性がある。
【０００５】
特に、露出したファイバ端は有害な環境要因によって損傷を与えられる可能性があり、埃と汚れの集積によりファイバの光伝送能力が損なわれる可能性がある。もう一つの非常に重要な問題は、作動状態の光ファイバの露出端からの危険な光ビームからオペレータの目を守ることにある。例えば、オペレータの目は、無防備の収容部またはアダプタから出る危険な光ビームから損傷を受ける可能性がある。
【０００６】
従来、コネクタの開口端を閉鎖して、有害な環境要因や塵または汚れからファイバ端を保護するために露出したファイバ端を覆い、ファイバ端からの光エネルギがコネクタから出るのを防止するために、防塵カバー、エンドキャップまたはバネ付勢されたシャッタが使用されていた。
【０００７】
光コネクタにおけるもう一つの問題は、コネクタとそれに終端処理される光ファイバケーブルを下張り床、壁、ダクト、ベント等の種々の構造を介して動かすことにある。コネクタ自体に直接、引きわ等の引張部を設けることは、この引張部によりコネクタの寸法が増大されるため好ましくはない。従って、適当な構造を介してコネクタと終端処理されたケーブルが容易に引っ張られるように引張部または引きわを有する種々のハウジングが、コネクタを封入するために提案されている。これらの引張部を有するハウジングにより光コネクタの据付費が増大され、また在庫等が増大することは好ましくないことである。
【０００８】
本発明は、コネクタに引張装置を設ける付加的な機能を果たす独特な光コネクタ用防塵カバーを提供することによりこれらの問題を解決するものである。
【０００９】
従って、本発明の目的は、光コネクタの接合端を保護するととともにコネクタの引張装置を設ける二元機能を果たす、新規であり改良された防塵カバーを有する光コネクタ装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明の例示実施例において、光コネクタ装置は、接合端を有し、光ファイバケーブルに接続される光コネクタで構成される。防塵カバーは、接合端の少なくとも一部分を保護するために光コネクタに取り付け可能となっている。防塵カバーは、適当な構造を介してコネクタと終端処理された光ファイバケーブルを容易に引っ張るために引張装置が取り付けられる引張部を有している。
【００１１】
上述したように、防塵カバーの引張部は引きわから成る。防塵カバーは、その一端に引きわを有し、光コネクタの接合端と接合するためにその反対端に接合面を有している。
【００１２】
本発明の他の特徴は、防塵カバーが、光コネクタの矩形の接合端の対角位置から突出する一対のガイドピンを収容するために、一対の孔を有していることにある。防塵カバーは、光コネクタの接合端のプラグ部を収容する収容部を有している。さらに、防塵カバーは、光コネクタの接合端に位置するフェルールの一端部を収容する収容部のベースに凹部を有している。
【００１３】
本発明の更に他の特徴は、防塵カバーは、コネクタ自体の取付手段を利用することによって、光コネクタの接合端に取り付けられる。具体的に説明すると、防塵カバーは、防塵カバーのコネクタへの取り付けのために、光コネクタの一対のジャッキネジの先端部を収容する内ネジ付き孔を前記矩形の別の対角位置に有している。ジャッキネジを外すことによって簡単にカバーが取り外され、ジャッキネジはコネクタで保持される。
本発明の他の目的、特徴、利点は、添付の図面を参照して説明する以下の詳細な説明より明白となるであろう。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図面についてより詳細に説明すると、まず図１および図２には参照符号１０で示される本発明による光コネクタ装置が示されている。光コネクタ装置は、参照符号１２で示される光コネクタと、コネクタに取り付け可能である参照符号１４で示される二元機能の防塵カバーを有している。
【００１５】
さらに図１および図２について説明すると、光コネクタ１２は、フェルールホルダ１６（図２）を包囲するマルチ部分から成るハウジング１５を有している。フェルールホルダには、ホルダ１６の前面１６ａを超えてわずかに突出する複数のフェルール１８が取り付けられている。実際には、ホルダ１６はコネクタの接合端２０にプラグ部を形成しており、プラグ部は段部またはショルダ２０によって包囲されている。コネクタ１２は、フェルール１８に終端処理される複数の光ファイバ２４（図２）を有する光ファイバケーブル２２に接続する。公知なように、一対の位置合わせピン２６は、相補型の相手方光コネクタまたは他の接続装置の一対の位置合わせ孔内に挿入可能なように、コネクタの接合端２０の前方に突出している。
【００１６】
最後に、一対のジャッキネジ２８が、コネクタ１２の接合方向にハウジング１５を貫通して延びている。公知なように、ジャッキネジ２８は、コネクタ１２が接合される相補型の相手方装置の適当な内ネジ付き孔内にネジ係合可能なように、コネクタの接合端２０の前方に突出する外ネジ付き端部２８ａを有している。ジャッキネジは、コネクタ１２が固定される種々の他の構造内でネジ係合される構成とすることができる。
【００１７】
図１および図２とともに図３について説明すると、防塵カバー１４は、光コネクタ１２の接合端２０と接合する接合面３０を有している。防塵カバーは、プラスチック等の材料で一体構造に成形される構成とすることができる。接合面３０は、コネクタの接合端２０のプラグ部１６を収容する収容部３２を有している。凹部３４は、フェルールと光ファイバ２４の端部がいかなる外側面に対しても衝合しないように、フェルール１８の端部を収容する収容部のベース３２ａに形成されている。一対の孔３６は、コネクタから突出する位置合わせピン２６を収容するために収容部３２のベースに形成されている。一対の内ネジ付き孔３８は、ジャッキネジ２８の外ネジ付き端部２８ａを収容するために収容部３２のベースに設けられている。従って、図４に示したように、防塵カバー１４は、ジャッキネジ２８を回転させて、防塵カバーの内ネジ付き孔３８内で端部２８ａを締め付け、コネクタの接合端２０との係合方向に防塵カバーの接合面３０を引き付けることによってコネクタの接合端２０に固定される。
【００１８】
図４に示したように、防塵カバー１４がコネクタ１２の接合端に固定された時に、防塵カバーは、光ファイバ２２の露出端を有害な環境要因による損傷から守るとともに、ファイバの光伝送能力を損なう可能性がある埃と汚れの堆積を防止する。さらに、ファイバが「作動状態」である場合に、オペレータの目が光ファイバの露出端からの危険な光ビームから保護される。
【００１９】
防塵カバー１４は、コネクタ１２の接合端２０と光ファイバ２４の端部を保護すると同時に、適当な構造を介してコネクタと終端処理された光ファイバケーブル２２が容易に引っ張られるように引張装置を設ける二元機能を果たす独特な構造となっている。具体的に説明すると、防塵カバー１４は、引きわ４０の形状の引張部を有している。引きわ４０を介して、適当な引張装置を構成する引張り線または引張りケーブルを防塵カバー１４に固定することができ、必要に応じて光コネクタ装置１０全体を様々な構造を介して容易に引っ張るかまたは動かすことができる。従って、防塵カバー１４により、コネクタ１２に取り付けられるかまたはコネクタ１２を包囲する他のいかなる外側の引張装置の必要性が完全になくなる。
【００２０】
本発明は、その精神または主要な特性から逸脱することなく、他の特定の形状で実施される構成とすることができることは理解されるであろう。従って、本実施例は、全ての点において例示的なものであり限定されるべきものではないと考えられ、本発明は以下の詳細な説明に限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
新規であると考えられる本発明の特徴は、特に添付した請求項において記載されている。本発明は、その目的および利点とともに、同様の参照符号が同様の構成要素に付されている添付図面とともに以下の説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。
【図１】本発明による光コネクタと防塵カバーを有する光コネクタ装置の斜視図である。
【図２】図１の反対方向に向かって見た、光コネクタ装置の斜視図である。
【図３】防塵カバーの接合面の斜視図である。
【図４】防塵カバーがコネクタに取り付けられている装置の斜視図である。

Claims (9)

1. 光ファイバケーブル（２２）に接続され矩形の接合端（２０）を有する光コネクタ（１２）と、
   該光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）に一対のジャッキネジ（２８）にて着脱可能に接合され、該接合端（２０）を保護する矩形の接合面（３０）が端部に形成された防塵カバー（１４）とを備えて成り、
   該防塵カバー（１４）の本体には、前記光ファイバケーブル（２２）を引っ張る引張装置が取り付けられる引きわ（４０）が設けられると共に、
   該防塵カバー（１４）の前記接合面（３０）には、前記光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）の前記矩形の対角位置から突出する一対の位置合わせピン（２６）を収容する一対の孔（３６）と、該矩形の別の対角位置から突出する一対のジャッキネジ（２８）を収容する一対のネジ孔（３８）とが設けられる
   光コネクタ装置（１０）。
2. 前記防塵カバー（１４）の前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の接合端（２０）のフェルール（１８）の端部を収容する凹部（３４）を有することを特徴とする請求項１に記載の光コネクタ装置。
3. 前記防塵カバー（１４）の前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の接合端（２０）のプラグ部（１６）を収容する収容部（３２）を有することを特徴とする請求項１に記載の光コネクタ装置。
4. 前記防塵カバー（１４）の前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の接合端（２０）のフェルール（１８）の端部を収容するために、前記収容部（３２）のベース（３２ａ）に凹部（３４）を有することを特徴とする請求項３に記載の光コネクタ装置。
5. 矩形の接合端（２０）と、該接合端のプラグ部（１６）と、該プラグ部で露出したファイバ終端処理フェルール（１８）と、前記接合端の対角位置から突出する一対の位置合わせピン（２６）と、先端部が前記接合端の別の対角位置から突出する一対のジャッキネジ（２８）を有する、光ファイバケーブル（２２）に接続される光コネクタ（１２）と、
   矩形の接合面（３０）と、光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）の前記プラグ部（１６）を収容する収容部（３２）と、前記フェルール（１８）を収容する収容部のベース（３２ａ）の凹部（３４）と、前記位置合わせピン（２６）を収容する一対の孔（３６）と、前記ジャッキネジ（２８）の先端部を収容する一対の内ネジ付き孔（３８）を有する防塵カバー（１４）で構成され、
   該防塵カバー（１４）の本体には、前記光ファイバケーブル（２２）を引っ張る引張装置が取り付けられる引きわ（４０）が設けられる光コネクタ装置（１０）。
6. 光ファイバケーブル（２２）に接続される光コネクタ（１２）の矩形の接合端（２０）を保護する防塵カバーにおいて、
   端部に設けられ、前記光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）に一対のジャッキネジ（２８）にて着脱可能に接合される矩形の接合面（３０）と、
   カバー（１４）本体に設けられ、前記光ファイバケーブル（２２）を引っ張る引張装置が取り付けられる引きわ（４０）と、
   前記接合面（３０）に設けられ、前記光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）の前記矩形の対角位置から突出する一対の位置合わせピン（２６）を収容する一対の孔（３６）と、
   前記接合面（３０）に設けられ、前記矩形の別の対角位置から突出する一対のジャッキネジ（２８）を収容する一対のネジ孔（３８）と
   を備えることを特徴とする光コネクタ装置の防塵カバー。
7. 前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）のフェルール（１８）の端部を収容する凹部（３４）を有することを特徴とする請求項６に記載の光コネクタ装置の防塵カバー。
8. 前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）のプラグ部（１６）を収容する収容部（３２）を有することを特徴とする請求項６に記載の光コネクタ装置の防塵カバー。
9. 前記接合面（３０）は、光コネクタ（１２）の前記接合端（２０）のフェルール（１８）の端部を収容するために、前記収容部（３２）のベース（３２ａ）に凹部（３４）を有することを特徴とする請求項８に記載の光コネクタ装置の防塵カバー。

Images