JP3564932B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種装置の軸とハウジングの間の隙間を封止する密封装置に関する。特に、1つの密封装置で両方向回転に対応可能とする構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高速・高圧・高温条件で使用される回転軸用密封装置には、シールリップの材料としてゴム状弾性材料よりも耐熱性や耐摩耗性の良いPTFE等の樹脂材料が適用されている。しかし、樹脂材料はゴム状弾性材料に比べて弾性復元性に劣り、軸振れに追随する能力(偏心追随性)が低くなる。
【0003】
は、シールリップの材料として樹脂材料を使用した密封装置101の断面構成を説明する図である。密封装置101は、外環部102a,103aが嵌め合わされる断面L字状の外側補強環102と内側補強環103と、それら補強環の径方向部102b,103bに外周固定部104aが挟持される樹脂材料製の円環板104から構成されている。
【0004】
円環板104の内径は密封装置101の内環部に挿入される回転軸105の直径よりも小さく設定され、回転軸105の外周表面に添って密封流体側Mに撓み変形させ、円環板104の内径先端側の内周表面をリップ摺動面104bとして接触摺動させる構造としている。
【0005】
また、リップ摺動面104bには一方向の螺旋ミゾ104cを設け、回転軸105の回転に伴い発生する螺旋ミゾ104cのポンプ作用による密封流体側Mへの密封流体の戻し効果により密封性を向上させる構造が従来より採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの密封装置101では、回転軸105を他方向に回転させると密封流体の漏れを発生させてしまい、一方向に回転する軸には適用可能であるが、両方向に回転する軸には適用することが出来ないという問題があった。
【0007】
また、この図の密封装置101では螺旋ミゾ104cにより密封流体側Mと大気側Oが連通しているので、回転軸1の静止時に螺旋ミゾ104cを伝わって密封流体が静的に漏出するという問題もあった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、両方向回転に対して密封流体側への密封流体の戻し作用を発揮させること、また、摺動表面が停止している際の静的な密封流体の漏れを防止することによる密封性の向上を可能とする密封装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、回動する摺動表面に当接する環状のリップ摺動部を備えた密封装置において、
前記リップ摺動部は、前記摺動表面に対するそれぞれの接触圧力分布において、その最大接触圧力部が大気側よりも密封流体側に偏った分布形態となる環状当接部を、軸方向に複数段備えることを特徴とする。
【0010】
これによると、リップ摺動部が当接する摺動表面が回動している状態では、それぞれの環状当接部の接触圧力分布形態は、環状当接部の密封流体側に最大接触圧力点が偏っている分布となっており、大気側へ密封流体が流出する場合には、環状当接部の密封流体側に対応する流体入口部の圧力勾配が大きいため、流体力学的に大気側へ流出する密封流体の膜厚は薄くしか形成されず流出量は少なくなる。
【0011】
そして、大気側へ流出した密封流体は、環状当接部の間に保持されることになるが、この流体が逆に密封流体側へ流入して戻る場合には、環状当接部の大気側に対応する流体入口部の圧力勾配が小さいため、密封流体側へ流入して戻る流体膜厚が厚く形成され、流体の戻り量は多くなることになる。
【0012】
すなわち、大気側への流出量の方より密封流体側へ戻る流入量の方が多くなるため、軸方向に複数段備えられた環状当接部全体として良好なシール性が発揮される。
【0013】
この作用は摺動表面の回動方向にかかわらず、いずれの方向であっても得られるので、両方向に回動する軸やハウジング等の摺動表面に対して密封装置を使用することが可能となる。
【0014】
また、軸方向に複数段備えられた環状当接部は、摺動表面が停止している状態でも、密封流体側と大気側を複数段に隔離しているので密封流体を疎通させることはなく、静的な状態でのシール性も得ることができる。
【0015】
前記複数段の環状当接部は、密封流体側に向かって傾斜する複数本の環状の切り込みにより区分された前記リップ摺動部であることも好適である。
【0017】
前記リップ摺動部は、樹脂材料による円環状のシールリップの前記摺動表面に添って密封流体側に撓ませられたリップ先端側の円周表面部であることも良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下に本発明の第1の実施の形態を図1と図2に基づいて説明する。図1は密封装置1の断面構成を説明する図であり、図1(a)は密封装置1がハウジング106と軸105の間の環状隙間107に備えられ、回動する軸105の摺動表面としての外周面105aに環状のリップ摺動部4aが当接している状態の図であり、図1(b)は図1(a)のD1部を拡大したリップ摺動部4aを説明する図である。図2はリップ摺動部4aを備えた樹脂リップ4の密封装置1として組み立てられる前の状態の正面図である。
【0019】
この密封装置1は、断面L形状の外側補強環2と内側補強環3のそれぞれの径方向部2a,3aの間に環状のリップ摺動部を構成する樹脂リップ4の外環部を挟持して備えている。尚、外側補強環2と内側補強環3は、外側補強環2の密封流体側Mの端部2bを折り曲げることによるカシメ固定により締結されている。
【0020】
樹脂リップ4は、例えばPTFE等の樹脂材料により形成されており、軸105が挿入されていない図2の状態(組み立て前)では(図1(a)においては4’(破線)に示されている)概略平ワッシャ形状であり、図1(a)のように組み立てた後に軸105を挿入することで内側の縁が軸105の外周面105aに沿って拡径しながら撓み、内径先端側の内周表面が外周面105aに当接してシール性を発揮する環状のリップ摺動部4aとなっている。尚、PTFEを材質とすることで、軸105の外周面105aに当接して摺動する状態において低摩擦抵抗による良好な摺動性や耐摩耗特性に優れている等の特徴を備えている。
【0021】
但し、樹脂リップ4の基本的な形態はこの図1に示されるものに限定されるものではなく、環状の外周保持部からリップ摺動部が内側に直接的に斜めに突出した形態や、内周面に当接させる場合においては環状の内周保持部からリップ摺動部が外側に突出する形態を備えるものでもなんら問題ない。
【0022】
樹脂リップ4のリップ摺動部4aには、リップ表面4bから密封流体側に向かって傾斜する複数本の環状の切り込み4cが設けられ、各切り込み4cの間に複数段の環状当接部4dが軸方向に形成されている。
【0023】
この環状当接部4dを図1(b)により説明すると、外周面105aに当接するそれぞれの環状当接部4dの当接領域4eは、切り込み4cにより区分されたリップ表面4bの領域中における密封流体側Mの接触領域である。そして、その区分された個々の当接領域4eにおいて、密封流体側Mの端部を4f、大気側Oの端部を4gとすると、軸105の挿入の際に端部4gよりも端部4fの拡径量が多くより大きな緊迫力(接触荷重)が発生していることから、当接領域4eの接触圧力分布は図1(b)上側のグラフに示されるようにそれぞれの接触圧力分布において、その最大接触圧力部Paが大気側Oよりも密封流体側Mに偏向した分布形態となっている。
【0024】
従って、リップ摺動部4aが当接する摺動表面が回動している状態では、それぞれの当接領域4eの接触圧力分布形態は、当接領域4eの密封流体側Mに最大接触圧力部Paが偏っている分布となっており、大気側Oへ密封流体が流出する場合には、当接領域4eの密封流体側Mに対応する流体入口部の圧力勾配が大きいため、流体力学的に大気側Oへ流出する密封流体の膜厚は薄くしか形成されず流出量は少なくなる。
【0025】
そして、大気側Oへ流出した密封流体は、当接領域4eの間に保持されることになるが、この流体が逆に密封流体側Mへ流入して戻る場合には、当接領域4eの大気側Oに対応する流体入口部の圧力勾配が小さいため、密封流体側Mへ流入して戻る流体膜厚が厚く形成され、流体の戻り量は多くなることになる。
【0026】
すなわち、大気側Oへの流出量の方より密封流体側Mへ戻る流入量の方が多くなるため、軸方向に複数段備えられた当接領域4e全体として良好なシール性が発揮される。
【0027】
この作用は摺動表面の回動方向にかかわらず、いずれの方向であっても得られるので、両方向に回動する軸やハウジング等の摺動表面に対して密封装置を使用することが可能となる。
【0028】
また、軸方向に複数段備えられた環状当接部4dの当接領域4eにより、軸105が停止している状態でも、密封流体側Mと大気側Oの間を複数段に隔離しているので密封流体が切り込み4cを伝わって密封流体側Mから大気側Oへ疎通することはなく、静的な状態でのシール性も得ることができる。
【0029】
尚、この実施の形態では、リップ摺動部4aは樹脂リップ4に形成されたものとして説明したが、より弾性を備えたゴム状弾性材料等によるリップに本発明を適用することも可能である。
【0036】
【発明の効果】
上記のように説明された本発明にあっては、両方向に回動する摺動表面に対してシール性が発揮され、摺動表面の回動方向を指定する必要がなく使用することができる。
【0037】
また、軸方向に複数段備えられた環状当接部は、摺動表面が停止している状態でも、密封流体側と大気側を複数段に隔離しているので密封流体を疎通させることはなく、静的な状態でのシール性も得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態の密封装置の断面構成説明図。
【図2】図2は樹脂リップを説明する図。
【図3】図3は従来の密封装置の断面構成説明図。
【符号の説明】
1 密封装置
2 外側補強環
2a,3a 径方向部
2b 端部
3 内側補強環
4 樹脂リップ
4a リップ摺動部
4b リップ表面
4c 切り込み
4d 環状当接部
4e 当接領域
4f 密封流体側Mの端部
4g 大気側Oの端部
105 軸
105a 外周面(摺動表面)
106 ハウジング
107 環状隙間
M 密封流体側
O 大気側

Claims (2)

  1. 回動する摺動表面に当接する環状のリップ摺動部を備えた密封装置において、
    前記リップ摺動部には、径方向のうち前記摺動表面から離間する方向に向けて且つ密封流体側に向かって傾斜する複数本の環状の切り込みにより区分された複数段の環状当接部が軸方向に設けられ、
    前記摺動表面に対するそれぞれの前記環状当接部の接触圧力分布、その最大接触圧力部が大気側よりも密封流体側に偏った分布形態となっていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記リップ摺動部は、樹脂材料による円環状のシールリップの前記摺動表面に添って密封流体側に撓ませられたリップ先端側の円周表面部であることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
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