JP3564587B2 - 常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温成膜性、塗装外観、塗膜強度、耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性および基材密着性に優れる塗膜を提供することのできる含フッ素系共重合体水性分散液組成物およびそれを含有している水性塗料および塗装物品に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は含フッ素系重合体の粒子の存在下に、特定量のアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体を含有している単量体混合物をシード重合させてえられ、このエチレン性不飽和単量体中に活性カルボニル基を有する単量体が特定量含有される含フッ素系共重合体水性分散液と、少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を特定量含有することを特徴とする含フッ素系共重合体水性分散液組成物およびそれを含有している水性塗料ならびに塗装物品に関する。
【0003】
【従来の技術】
建築物や構造物の外装、内装用の耐侯性塗料として含フッ素系塗料が用いられる。この含フッ素系塗料をうるために種々の技術が開発されている。含フッ素系塗料は有機溶剤分散型のものが多いが、有機溶剤の使用は安全性、環境保全の点で問題があるので、水性のものが望ましい。含フッ素系重合体の水性分散液組成物の製法としては、つぎのような方法が知られている。
【0004】
特公平4−55441号公報および特開平3−7784号公報には、水性媒体中、ビニリデンフルオライド(VdF)系共重合体粒子の存在下にエチレン性不飽和単量体を乳化重合させることにより、エマルジョンブレンドではえられない成膜性、フィルムの透明性がえられることが記載されており、これらエチレン性不飽和単量体としてアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸エステルが例示されている。しかし、この公報には含フッ素系共重合体水性分散液組成物に特殊な機能を付与する活性カルボニル基を含有する単量体などについての記載はない。また、これらの製法により製造される水性分散液組成物によれば本発明の目的である耐汚染性、耐沸水性および耐溶剤性などは達成されない。
【0005】
また特開平6−41490号公報には、フルオロオレフィンに活性カルボニル基を有するクロトンアルデヒドを共重合した樹脂水性分散体とヒドラジン誘導体を必須の成分とするフッ素樹脂水性塗料組成物が例示されており、このものによれば耐沸水性および耐溶剤性は改良できることが示唆されている。しかし、この公報には塗膜外観および密着性の向上については記載されておらず、また、活性カルボニル基を有する単量体を含有するアルキルエステルを含フッ素系重合体に後重合させた水性分散液とヒドラジン誘導体とを使用することについての示唆は見当らない。
【0006】
また、特開平7−102208号公報にはアクリル系の共重合体のアセトアセチル基含有単量体を導入した水性被覆用組成物が例示されている。しかし、この公報には耐侯性の向上については記載されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温成膜性、塗装外観、塗膜強度、耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性および基材密着性の優れた塗膜がえられる含フッ素系共重合体水性分散液組成物、それを含有している水性塗料および塗装物品を提供することを目的とする。
【0008】
本発明者らは、(a)含フッ素系重合体の粒子、その中でもフッ化ビニリデン(VdF)系重合体、その中でもとくにVdF70〜95モル%およびクロロトリフルオロエチレン(CTFE)5〜30モル%を含んでなる限定された組成の含フッ素系重合体の粒子を含む水性分散液中で該含フッ素系重合体の粒子(以下、「シード粒子」ということもある)の存在下に、(b)アクリル酸アルキルエステルおよび/または(c)メタクリル酸アルキルエステルならびに(d)エチレン性不飽和単量体とくに特定量の活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体からなる単量体混合物の特定量をシード重合させることによりえた分子レベルの相溶体である含フッ素系共重合体水性分散液(A)、および少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体(B)を必須の成分として含有し、該ヒドラジン誘導体の量が前記活性カルボニル基に対してヒドラジン残基0.02〜1モル当量である含フッ素系共重合体水性分散液組成物が前記目的を達成しうることを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)(a)含フッ素系重合体の粒子100重量部の存在下に、(b)アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルおよび/または(c)アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステルならびに(d)これらのエステルとの共重合が可能なエチレン性不飽和単量体を含有している単量体混合物20〜99重量部を水性媒体中において乳化重合してえられ、かつ該乳化重合してえられる共重合体の粒子の平均粒子径が0.05〜3μmであり、該エチレン性不飽和単量体中に活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体が該単量体混合物の0.1〜20重量%含有されている含フッ素系共重合体水性分散液および、(B)少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を必須の成分として含有し、該ヒドラジン誘導体の量が前記活性カルボニル基に対してヒドラジン残基0.02〜1モル当量の量である常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物に関する。
【0010】
前記活性カルボニル基として、アセトアセチル基、アルデヒド基などがあげられ、特に水性媒体中での官能基の安定性の点からアセトアセチル基が好ましい。
【0011】
また本発明は、前記含フッ素系共重合体水性分散液組成物を含有している水性塗料に関する。
【0012】
また本発明は、前記水性塗料を塗装してえられる塗装物品に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明でシード粒子として使用する含フッ素系重合体としては、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオライド(VdF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ビニルフルオライド(VF)などの単独重合体もしくは共重合体またはこれらの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体たとえばシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、エチルビニルエーテル(EVE)などのようなビニルエーテル単量体との共重合体があげられる。これらのうちでも、アクリル樹脂との相溶性の面から、CTFE/ビニルエーテル系共重合体、VdF系共重合体などが好ましく使用される。さらにこれらの共重合体のうちでも、VdF系共重合体が好ましく、このばあいVdF70〜95モル%およびCTFE5〜30モル%、好ましくはVdF75〜90モル%およびCTFE10〜25モル%、さらに好ましくはVdF75〜85モル%およびCTFE15〜25モル%を含んでなる重合体が好適に用いられる。
【0014】
前記含フッ素系重合体において、VdFが70モル%以上になるとシード粒子とアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体からなる単量体混合物との相溶性がよくなり、エマルジョン状の含フッ素系水性分散液組成物を乾燥させて成膜したフィルム(以下、「キャストフィルム」ということもある)の透明性、鉛筆強度などで表わされる塗膜強度などの機械的特性に優れる、といった相溶性による優れた特性がえられる。またCTFEが5モル%未満になるとシード粒子のアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体を含有する単量体混合物への溶解性が低下するばあいもあり、シード重合の際にシード粒子への単量体混合物の膨潤が速やかに行なわれにくくなるばあいもあり、えられた含フッ素共重合体組成物からのキャストフィルムは透明性が低下するばあいもあり、塗料から塗膜を調製した際にも光沢や密着性がえられにくいばあいもある。
【0015】
前記VdFやCTFEなどの単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体の含有量は0〜30モル%、好ましくは10〜25モル%、より好ましくは10〜20モル%である。
【0016】
シード粒子が、とくにCTFEとVdFとTFEまたはVFとからなるばあいはシード粒子の単量体混合物への溶解性がよくなり、シード重合の際にシード粒子への単量体混合物の膨潤が速やかに行われ、えられた含フッ素共重合体組成物からのキャストフィルムは透明性がよくなり、塗料から塗膜を調製した際にも光沢がえられる。
【0017】
またシード粒子が、CTFEとVdFとHFPまたはTrFEとからなるばあいは、シード粒子が単量体混合物に溶解しやすくなり、HFP、TrFEとアクリルおよび/またはメタクリル系共重合体の相溶性がよくなり、えられた含フッ素共重合体組成物からのキャストフィルムは透明性がよくなり、高光沢の塗膜がえられる。
【0018】
本発明における含フッ素系重合体の平均粒子径は、シード重合後の含フッ素系重合体の平均粒子径と密接に関連し、シード重合後の含フッ素系重合体の平均粒子径を0.05〜3μm、好ましくは0.05〜0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.2μmにするため、0.05〜2.8μm、好ましくは0.05〜0.48μm、より好ましくは0.09〜0.18μmにすることが望ましい。
【0019】
また、本発明においてシード粒子(a)の合成は、通常水性分散液中で乳化重合にて行なわれるが、このとき合成後の水性分散液中のシード粒子の濃度は35重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがさらに好ましい。このシード粒子の濃度は、含フッ素系共重合体水性分散液(A)中のシード重合後の共重合体の濃度に密接に関係する。このシード重合後の共重合体の濃度は、通常45〜50重量%程度であることが必要である。これ以下の濃度であると塗料に調製するときに粘度調整が難しくなるので実用的でない。
【0020】
含フッ素系共重合体水性分散液(A)中の共重合体の濃度が、45重量%より低い濃度でえられるばあい、濃縮などの操作で高濃度化されるが、この際二次粒子の生成などによってこの水性分散液に含まれる含フッ素系共重合体が不安定になり塗膜外観、保存安定性に不利になるため、濃縮操作を行なわない方法により含フッ素系共重合体水性分散液をうることが好ましい。このような観点から、前記シード粒子合成後の水性分散液の濃度が35重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがさらに好ましい。
【0021】
シード粒子として使用する含フッ素系重合体は、前記のように通常の乳化重合法によってえられる。
【0022】
たとえば親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤を水に対して、0.01〜1.0重量%およびフッ素系乳化剤を0.1〜1.0重量%をそれぞれ共存させて、フルオロオレフィンを含む単量体混合物を乳化重合させることにより調製することができる。
【0023】
また、水に対して1.0重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下(下限は通常0.01重量%)のフッ素系界面活性剤と水に対して0.001〜0.1重量%、好ましくは0.01〜0.05重量%のノニオン系非フッ素系界面活性剤との共存下にフルオロオレフィンを含む単量体混合物を乳化重合させることにより調製することができる。
【0024】
これらの方法でえられた水性分散液は、平均粒子径0.2μm以下のシード粒子を30〜50重量%の高濃度で安定に含むことができる。
【0025】
前記親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤としては、たとえばCF2=CF−(CF2CFX)nY(式中、XはFまたはCF3、YはSO3M、COOM(Mは水素原子、アミン、アンモニウムまたはアルカリ金属原子)、nは整数を表す)、CF2=CF−O(CFX)nY(式中、X、Yおよびnは前記と同じ)、CH2=CF−CF2−O(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)Y(式中、Yおよびnは前記と同じ)、CF2=CF−CF2−O(CF(CF3)CF2O)n−CF(CF3)Y(式中、Yおよびnは前記と同じ)で示されるような構造を有するものがあげられるが、水への溶解性および界面活性の点から、nは0〜3の範囲にあることが好ましい。
【0026】
より具体的には、CH2=CF−CF2−O((CF3)CFCF2O)n−(CF3)CFCOOHの構造で、nが0〜2のものが用いられる。
【0027】
重合温度は20〜120℃、好ましくは30〜70℃の温度である。重合温度が20℃より低いと概して生成ラテックスの安定性が低くなり、重合温度が120℃より高いと連鎖移動による重合速度の失速が起こる傾向がある。重合は、重合体の種類によるが、通常、1.0〜50kgf/cm2(ゲージ圧)の加圧下に5〜100時間加熱されて行なわれる。
【0028】
シード粒子の乳化重合に用いられる前記フッ素系乳化剤としては、構造中にフッ素原子を含み、界面活性能をもつ化合物の1種または2種以上の混合物があげられる。たとえば、X(CF2)nCOOH(nは6〜20の整数、XはFまたはHを表わす)で示される酸およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩または第四アンモニウム塩;Y(CH2CF2)mCOOH(mは6〜13の整数、YはFまたはClを表わす)で示される酸、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩または第四アンモニウム塩などがあげられる。より具体的には、パーフルオロオクタン酸のアンモニウム塩、パーフルオロノナン酸のアンモニウム塩などが用いられる。そのほか、公知のフッ素系界面活性剤を使用することもできる。
【0029】
シード粒子をうるときの乳化重合においては、フッ素系界面活性剤の存在下少量のノニオン系非フッ素系界面活性剤も用いることができ、その具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類およびその誘導体などがあげられる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類のものとしてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどがあげられ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類のものとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどがあげられ、ポリオキシエチレンアルキルエステル類のものとしてモノラウリル酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコールなどがあげられ、ソルビタンアルキルエステル類のものとしてモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどがあげられ、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類のものとしてモノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどがあげられ、グリセリンエステル類のものとしてモノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリルなどがあげられる。また、これらの誘導体としては、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニル−ホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩などがあげられる。とくに好ましいものはポリオキシエチレンアルキルエーテル類およびポリオキシエチレンアルキルエステル類であってHLB値が10〜18のものであり、具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EO:5〜20、EOはエチレンオキシドユニット数を示す)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EO:10〜55)、モノオレイン酸ポリエチレングリコール(EO:6〜10)があげられる。
【0030】
本発明において、シード粒子の存在下に、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体を含む単量体混合物がシード重合される。
【0031】
本発明におけるアルキル基の炭素数が1〜18であるアクリル酸アルキルエステルとしては、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどをあげることができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1〜3のアクリル酸アルキルエステルが好ましく、とくにアルキル基の炭素数が1または2のアクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
【0032】
また、前記アルキル基の炭素数が1〜18であるメタクリル酸アルキルエステルとしては、たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリルなどをあげることができる。これらのうち、アルキル基の炭素数が1〜3のメタクリル酸アルキルエステルが好ましく、とくにアルキル基の炭素数が1または2のメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。
【0033】
本発明において、前記アクリル酸アルキルエステルと前記メタクリル酸アルキルエステルとを併用するばあいは、両者の比率にはとくに制約はなく、重合体粒子の水性分散体の所望の特性に応じて、適宜選定することができる。
【0034】
アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルと共重合可能なエチレン性不飽和単量体としては、たとえばビニル化合物があげられるが、とくに活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体は必須の単量体として重要である。
【0035】
本発明におけるビニル化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミドなどのアミド化合物、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸N,N−ジアルキルアミノエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸フルオロアルキルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸N,N−ジアルキルアミノエチル、メタクリル酸グリシジル(GMA)、メタクリル酸フルオロアルキル、メタクリル酸シクロヘキシル、エチレングリコールジメタクリレートなどのメタクリル酸エステル、アリルグリシジルエーテルなどのビニルエーテル化合物、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などをあげることができる。これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用される。また、酢酸ビニル、分岐アルキルのビニルエステル混合物であるVeava9、Veova10(シェル化学)などのビニルエステル化合物が例示される。
【0036】
活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、たとえばメタクリル酸アセトアセトキシエチル、アクリル酸アセトアセトキシエチル、アセト酢酸ビニルエステル、γ,γ−ジメチル−6−ケトカルボン酸ビニルエステル、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒド、桂皮アルデヒドなどがあげられるが、耐侯性および重合取扱時の毒性の点から、メタクリル酸アセトアセトキシエチルが好ましい。
【0037】
前記活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量としては、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体の混合物に対し0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%である。前記活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体の使用量が0.1重量%未満では、本発明の目的である塗料組成物のカーボン汚染性などの耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性および基材密着性が改良されず、一方20重量%を超えると、シード粒子との相溶性がわるく、塗膜の光沢などの塗膜外観の低下および耐侯性の低下などを招く傾向がある。
【0038】
前記エチレン性不飽和単量体とアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルの使用量は合計量で、シード粒子100部(重量部、以下同様)に対して20〜99部、好ましくは30〜99部、より好ましくは40〜99部である。20部より少ないと透明性および塗膜化時の光沢と密着性が低くなる傾向がある。また99部を超えると耐侯性が低下する傾向がある。
【0039】
アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体のシード重合は、通常の乳化重合と同様の条件で行なうことができる。たとえば、シード粒子を含む水媒体中に、界面活性剤、重合開始剤、連鎖移動剤、必要によりキレート化剤、pH調整剤および溶剤などを添加して、20〜90℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは30〜70℃の温度で0.5〜6時間反応を行なう。
【0040】
シード重合において、シード粒子の存在下に反応系の単量体全量を一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込み反応させたのち、残りを連鎖あるいは分割して仕込む方法、単量体全量を連続して仕込む方法のいずれを用いてもよい。
【0041】
アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体をシード粒子の存在下に乳化重合法によりシード重合させると、まずアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体によるシード粒子への膨潤が起こり、つづいてアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体がシード粒子に均一溶解した状態となり、重合開始剤の添加によってアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体が重合し、このアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体からなる重合体の分子鎖と含フッ素重合体の分子鎖とがからまりあった相溶体である共重合体粒子が形成される。また、前記のアクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体と多官能の単量体とを共重合することによって擬相互進入網目構造(S−IPN)を形成することもできる。多官能の単量体としては、モノグリコールジメタクリレートまたはジグリコールジメタクリレートなどがあげられる。
【0042】
シード重合に用いられる界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、またはそれらが組み合わせて用いられ、両性界面活性剤を用いることもできる。アニオン性界面活性剤としては、高級アルコール硫酸塩のエステル、たとえばアルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム塩などが用いられる。ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、グリセリンエステル類、およびその誘導体などが用いられる。両性界面活性剤としてはラウリルベタインなどが用いられる。またアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エチレン性不飽和単量体と共重合可能な、いわゆる反応性乳化剤、たとえばステンレスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウムなどを用いることもできる。界面活性剤の使用量は、通常、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体の合計100部あたり、0.05〜0.5部程度である。
【0043】
重合開始剤は、水性媒体中でフリーラジカル反応に供しうるラジカルを20〜90℃の間で発生するものであればとくに限定されず、ばあいによっては、還元剤と組み合せて用いることも可能である。通常、水溶性の重合開始剤としては、過硫酸塩、過酸化水素、還元剤としては、ピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸ナトリウムなどをあげることができる。油溶性の重合開始剤としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、過酸化ベンゾイル、過酸化ジブチル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などがあげられる。重合開始剤の使用量は、通常、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体の合計100部あたり、0.05〜2.0部程度である。
【0044】
重合温度は、20〜90℃、好ましくは30〜70℃の範囲がよい。
【0045】
連鎖移動剤としてはハロゲン化炭化水素(たとえばクロロホルム、四塩化炭素など)、メルカプタン類(たとえばn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、チオグリコール酸イソオクチルエステルなど)などが用いられる。これらのうちでも、連鎖移動効果や臭気の点からチオグリコール酸イソオクチルエステル、n−ドデシルメルカプタンが好ましい。連鎖移動剤の使用量は、通常、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルならびにエチレン性不飽和単量体の合計100部あたり、0〜0.5部程度である。
【0046】
溶剤としては、作業性、防災安全性、環境安全性、製造安全性を損なわない範囲の少量のメチルエチルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチルなどを使用することができる。溶剤の添加によってシード粒子への単量体膨潤性が改良されることがある。
【0047】
以上のごとく、本発明の含フッ素系共重合体水性分散液はえられるが、本発明の目的である成膜性、密着性の向上という点から−35℃〜25℃の任意のTgを有する含フッ素系重合体粒子を含む水性分散体の存在下に、メタクリル酸アルキルエステルおよびこれらと共重合可能な単量体とをシード重合させることがより好ましい。これにより、含フッ素系共重合体水性分散液の層低成膜温度を前記シード粒子でTgの選択によって0℃〜70℃の範囲で任意に設定することができる。
【0048】
側鎖の炭素数が1〜6のメタクリル酸アルキルエステルは、耐侯性の低下に対する影響は小さいため好ましいが、側鎖の炭素数が小さくなるにつれてVdF共重合体樹脂との相溶性が向上するため、側鎖の炭素数が1〜3のメタクリル酸アルキルエステルがより好ましく、さらには側鎖の炭素数が1のメタクリル酸メチルがより好ましい。
【0049】
また、耐溶剤性、耐水性のさらなる向上の目的でエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレートなどの多官能性単量体を共重合することもできる。
【0050】
また、単量体がシード粒子に均一溶解した状態の下で乳化重合させる際に、共重合可能なエチレン性不飽和結合を有する単量体として、親水性部位を低分子量のポリマーまたはオリゴマーの分子中に含む化合物を用いることもできる。前記親水性部位とは、親水性基を有する部位または親水性の結合を表わしている。この親水性基は、アニオン性、非イオン性、両性およびこれらの組み合わせのいずれであってもよいが、非イオン性、アニオン性の親水性基が好ましい。また、公知の反応性乳化剤も含まれる。
【0051】
前記単量体、反応性乳化剤の例として市販されているものでは、ブレンマーPE−350、ブレンマーPME−400、ブレンマー70PEP350B、ユニオックスPKA5002、ユニオックスPKA5003、ユニオックスPKA5004(日本油脂(株)製)、NKエステルM−40G、NKエステルM−90G、NKエステルM−230G、NKエステルAMP−600、NKエステルCB−1、NKエステルSA、NKエステルA−SA(新中村化学(株)製)、エレミノールJS2、エレミノールRS30(三洋化成工業(株)製)、RMA150M、RMA300M、RMA450M(日本乳化剤(株)製)などが例示される。
【0052】
前記単量体のうち、耐侯性の低下に対して悪影響を与えないアリルエーテル誘導体が好ましい。
【0053】
本発明においてシード重合によりえられる水性分散液中の含フッ素系共重合体の粒子の平均粒子径は0.05〜3μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μm、とくに0.1〜0.2μmである。平均粒子径が0.05μm未満では、水性分散液の粘度が上昇し、高温度の水性分散液がえられない。また含フッ素系共重合体の粒子の平均粒子径が3μmを超えると水性分散液の保存時に粒子の沈降、さらには凝固を生じる。また塗膜調製時に光沢がでないなどの問題を生じる。
【0054】
前記のようにして、含フッ素系共重合体水性分散液をえることができる。この含フッ素系共重合体水性分散液に、少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を必須の成分として、該ヒドラジン誘導体を前記活性カルボニル基に対してヒドラジン残基0.02〜1モル当量の量含有させることにより、本発明の常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物をうることができる。
【0055】
前記ヒドラジン誘導体の量は、共重合体中に含有されるカルボニル基に対し、ヒドラジン残基0.02〜1モル当量の量、好ましくは0.05〜0.5モル当量の量である。
【0056】
前記ヒドラジン誘導体の量が、0.02モルより少ないとキャストフィルムの架橋密度が低くなり本発明の目的が達成されず、一方1モルを超えるとヒドラジン誘導体から遊離のヒドラジンが加水分解により生成し、このヒドラジンの毒性が問題となり、また未反応のヒドラジン誘導体により塗膜光沢の低下などの問題となるばあいがある。
【0057】
前記ヒドラジン誘導体は少なくとも2個のヒドラジン残基を有し、そしてとくに有利には飽和脂肪酸ジカルボン酸から導かれるものであってよい。とくに重要なものは、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸ジヒドラジドである。この種の好適なジヒドラジドは、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジドおよび/またはセバシン酸ジヒドラジドである。炭酸のポリヒドラジドたとえば炭酸ジヒドラジド、一般式:
【0058】
【化1】
【0059】
(式中、xは1〜5好ましくは1〜3の整数である)で表わされる化合物、およびビスセミカルバジド、とくに一般式:
【0060】
【化2】
【0061】
(式中、Rは2〜7個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状の脂肪族残基または6〜8個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状の炭素環状残基であり、そのようなものとしてたとえばo−、m−もしくはp−フェニレン基、トルイレン基、シクロヘキシリデン基またはメチルシクロヘキシリデン基があげられる)で表わされる脂肪族、脂環式または芳香族のビスセミカルバジドもきわめて好適である。好適に用いられるヒドラジン誘導体としては、さらに芳香族ポリカルボン酸のポリヒドラジド、1分子中に少なくとも2個、多くのばあい20〜100個のヒドラジド基を有するポリアクリル酸のポリヒドラジド、トリヒドラジドおよびテトラヒドラジドなどがあげられる。前記芳香族ポリカルボン酸のポリヒドラジドとしては、たとえばテレフタル酸またはイソフタル酸などのフタル酸のジヒドラジド、もしくはピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジドまたはテトラヒドラジドなどがあげられる。
【0062】
前記トリヒドラジドとしては、たとえばニトロトリ酢酸ヒドラジドなどがあげられる。また、前記テトラヒドラジドとしては、たとえばエチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジドなどがあげられる。
【0063】
また、そのほかに用いうるヒドラジン誘導体としては、ジ−またはトリヒドラジン−トリアジン、チオカルボヒドラジド、N,N´−ジアミノグリアニジン、ヒドラジン−ピリジン誘導体、ビス−チオセミカルバジド、アルキレンビスアクリルアミドのビスヒドラジン、ジヒドラジンアルカン、芳香族炭化水素のジヒドラジドまたはモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジドがあげられる。
【0064】
前記ヒドラジン−ピリジン誘導体としては、たとえば2−ヒドラジノピリジン−5−カルボン酸ヒドラジド、3−クロル−2−ヒドラジノピリジン−5−カルボン酸ヒドラジド、6−クロル−2−ヒドラジノピリジン−4−カルボン酸ヒドラジドまたは2,5−ジヒドラジノピリジン−4−カルボン酸ヒドラジドなどがあげられる。また、前記芳香族炭化水素のジヒドラジドとしては、たとえば1,4−ジヒドラジノベンゾール、1,3−ジヒドラジノベンゾールまたは2,3−ジヒドラジノナフタリンなどがあげられる。また前記モノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジドとしては、たとえばマレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジドまたはイタコン酸ジヒドラジドなどがあげられる。
【0065】
さらに活性カルボニル基含有含フッ素系共重合体粒子の水性分散液および少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体からの混合物に、ヒドラジン誘導体1モルに対し0.0002〜0.02モルの重金属イオンを貯蔵の際の妨害となる量の遊離のヒドラジン生成防止および架橋の促進のため、重金属塩の形で添加することができる。前記重金属塩としては、水溶性重金属塩、とくに塩化物、硫酸塩または酢酸塩が優れており、銅、亜鉛、鉄、クロム、マンガン、鉛、バナジウム、コバルトおよび/またはニッケルの水溶性塩が好ましく、なかでも銅、鉄、マンガン、バナジウムおよび/またはコバルトの水溶性塩がとくに好ましい。これら水溶性塩の具体例として、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、塩化鉄(II)、塩化コバルト(II)、塩化マンガン(II)、硫酸鉛(II)、塩化ニッケル(II)、硝酸クロム、酢酸バナジルおよび硫酸クロム(II)があげられる。
【0066】
ヒドラジン誘導体および重金属イオンもしくはその塩を含有する活性カルボニル基含有含フッ素系共重合体粒子の水性分散液を製造する際には、重金属塩は好ましくはあらかじめ調製した水溶液の形で、一般に重合ののち多くのばあいヒドラジン誘導体と一緒にまたはその添加後に添加される。
【0067】
本発明の含フッ素共重合体水性分散液組成物としては、含フッ素系重合体がビニリデン系重合体であり、メタクリル酸アルキルエステルがメタクリル酸メチルであり、活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体がメタクリル酸アセトアセトキシエチルであり、ヒドラジン誘導体がアジピン酸ジヒドラジドであるものが、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性、光沢がよいの点からとくに好ましい。
【0068】
本発明の含フッ素系重合体水性分散液組成物は、水性塗料として、顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、凍結防止剤、成膜助剤など一般に水性エマルジョン型塗料に用いられている添加剤を配合することによって、またコンクリートの表面保護コーティングとして、さらに塗工紙用コーティング材などとして用いることができる。
【0069】
また本発明の含フッ素系共重合体水性分散液組成物は、建築物または構造物の外装および/または内装用水性塗料用としても用いることができる。
【0070】
本発明の水性塗料の塗装方法としては従来の公知の塗装方法が採用できる。塗装には、ハケ、ローラー、ロールコーター、エアースプレー、エアレススプレー、静電塗装機、浸漬塗装機、電着塗装機など従来公知の塗装器具を使用することができる。
【0071】
本発明の水性塗料は、鉄、アルミニウム、銅あるいはこれらの合金類などの金属に限らず、ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料、FRP、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂類、木材、繊維などの種々の基材に適用可能である。また、必要に応じて基材に予備処理や表面処理を行なってもよく、適宜アンダーコートやプレコートを施したのちに本発明の塗料組成物を塗装することができる。塗膜は塗装後、硬化剤の種類に応じて通常5〜300℃で30秒〜1週間乾燥して硬化させる。塗膜の膜厚はとくに制限されないが、通常1〜200μm、好ましくは5〜100μm、よく好ましくは10〜50μm程度である。
【0072】
かくしてえられる塗装物は密着性、耐侯性、耐薬品性に優れ、塗膜表面は潤滑性もあるので幅広い用途で使用可能である。すなわち、電気製品(電子レンジ、トースター、冷蔵庫、洗濯機、ヘアードライアー、テレビ、ビデオ、アンプ、ラジオ、電気ポット、炊飯機、ラジオカセット、カセットデッキ、コンパクトディスクプレーヤー、ビデオカメラなど)の内外装、エアーコンディショナーの室内機、室外機、吹き出口およびダクト、空気清浄機、暖房機などのエアーコンディショナーの内外装、蛍光燈、シャンデリア、反射板などの照明器具、家具、機械部品、装飾品、くし、めがねフレーム、天然繊維、合成繊維(糸状のものおよびこれらからえられる織物)、事務機器(電話機、ファクシミリ、複写機(ロールを含む)、写真機、オーバーヘッドプロジェクター、実物投影機、時計、スライド映写機、机、本棚、ロッカー、書類棚、いす、ブックエンド、電子白板など)の内外装、自動車(ホイール、ドアミラー、モール、ドアのノブ、ナンバープレート、ハンドル、インスツルメンタルパネルなど)、あるいは厨房器具類(レンジフード、流し台、調理台、包丁、まな板、水道の蛇口、ガスレンジ、換気扇など)の塗装用として、間仕切り、バスユニット、シャッター、ブラインド、カーテンレール、アコーディオンカーテン、壁、天井、床などの屋内塗装用として、外装用としては外壁、手摺り、門扉、シャッターなどの一般住宅外装、ビル外装など、窯業系サイジング材、発泡コンクリートパネル、コンクリートパネル、カーテンウォール、塩ビ鋼板やシートなどの建築用外装剤、窓ガラス、その他に広い用途を有する。
【0073】
【実施例】
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0074】
合成例1(シード粒子の合成例、以下の合成例も同じ)
内容量1リットルの撹拌機付耐圧反応容器に、脱イオン水500ミリリットル、パーフルオロオクタン酸アンモニウム塩0.5gおよびCH2=CF−CF2−OCF(CF3)CF2O−CF(CF3)COOHで示される構造の反応性乳化剤0.5gを仕込み、チッ素圧入、脱気を繰返し、残存空気を除去したのち、VdF/TFE/CTFEの74/14/12モル%比の単量体混合物にて、60℃で8kgf/cm2まで加圧した。つぎに、酢酸エチル1.5gを圧入し、さらに過硫酸アンモニウム0.2gを仕込み、槽内圧力が8kgf/cm2となるように該混合モノマーを連続供給し、45時間反応を行なったのち、槽内を常温、常圧に戻し反応の終了とした。
【0075】
この水性分散液について以下の項目について測定した。
【0076】
固形分濃度:150℃真空乾燥器中で1時間乾燥し、乾燥後の重量を乾燥前の水性分散液重量に対する百分率で表わした。
平均粒子径:レーザー光散乱粒径測定装置(大塚電子ELS−3000)により測定した。
【0077】
結果を表1に示す。
【0078】
合成例2〜5
合成例1において、単量体混合物の組成を表1に示す組成に変更したほかは、合成例1と同様の方法により、合成例2〜5の水性分散液をえ、合成例1と同様の測定を行った。結果を表1に示す。
【0079】
合成例6
200ミリリットルのステンレス型撹拌機付きオートクレーブに表1に示す組成のシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)20.0gとエチルビニルエーテル(EVE)11.4gおよび親水性部位を有するマクロモノマー(PKAS003、日本油脂型)4.5g、イオン交換水66.1g、パーフルオロオクタン酸アンモニウム(乳化剤)0.35g、炭酸カリウム(K2CO3)0.35g、亜硫酸水素ナトリウム(NaHSO3)0.02g、過硫酸アンモニウム(開始剤)0.08gを仕込み、氷で冷却してチッ素ガスを3.5kg/cm2になるように加圧し脱気する。この加圧脱気を2回繰り返したのち、10mmHgまで脱気して溶存酸素を除去したのち、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)38.0gを仕込み、30℃で12時間反応を行ない、合成例6の水性分散液をえ、合成例1と同様の測定を行なった。結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
実施例1
撹拌翼、冷却管、温度計を備えた内容量200ミリリットルの四つ口フラスコに、合成例1でえられた水性分散液70gを仕込み、これにJS2(三洋化成工業(株)製)を該水性分散液の固形分に対して0.5重量%添加した。撹拌下に水浴中で加温し、槽温が80℃に達したところで、メタクリル酸メチル(以下、MMAと記す)10g、メタクリル酸アセトアセトキシエチル(以下、AAEMと記す)1.2g、RS30(三洋化成工業(株)製)1.5gおよびチオグリコール酸イソオクチルエステル0.3gをJS2(三洋化成工業(株)製)の0.5重量%水溶液で乳化したエマルジョンを1時間かけて滴下した。直後に、過硫酸アンモニウムの2重量%水溶液1ミリリットルを添加し反応を開始した。反応開始後3時間後に、槽内温度を85℃に上げ、1時間保持したのち冷却し、アンモニア水でpHを7に調整したのち、この水性分散液に、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液をAAEMの活性カルボニル基に対してヒドラジン残基1.0モル当量の量加え、300メッシュの金網で濾過して青白色の含フッ素系共重合体の水性分散液組成物をえた。
【0082】
この水性分散液組成物についてつぎの試験を行なった。
【0083】
(1)水性分散液組成物特性評価
固形分濃度および平均粒子径:前記と同じ方法により測定した。
最低成膜温度(MET):熱勾配試験装置(理学工業(株)製)にて連続な膜になった最低温度を測定した。
【0084】
(2)塗膜特性評価
実施例1でえられた水性分散液組成物の固形分100部に対して、充填剤として酸化チタン(商品名CR90(石原産業(株)製)50部、分散剤としてノブコスバースSN5027(サンノブコ(株)製)2部、凍結防止剤としてエチレングリコール1部、消泡剤としてFSアンチフォーム013B(日本乳化剤(株)製)0.5部、増粘剤としてUH420(旭電化工業(株)製)0.5部、成膜助剤としてテキサノールCS12(チッソ(株)製)10部およびブチルカルビトールアセテート5部を加え、ディスパー撹拌機を用いて充分混合し、塗料を調製した。
【0085】
低温成膜性:えられた塗料および水性アクリルシーラー モビニール940(ヘキスト合成製)を塗布したスレート板を5℃の恒温槽中に12hr放置後、40μmの塗膜厚さになるようにアプリケーターを用いて伸展し、5℃恒温槽中で24hr乾燥し、塗膜形成時クラックの発生を目視にてつぎの基準で判定した。
A・・・全く以上がないもの。
B・・・一部クラックが見られるもの。
C・・・全面クラック。
【0086】
光沢 :えられた塗料をガラス板状にアプリケーターを用いて、20μmの塗膜厚さになるように伸展し、室温で4週間乾燥後、光沢計(スガ試験器(株)製)を用いて反射角60°の光沢を測定した。
【0087】
鉛筆硬度:前記ガラス板上にえられた塗膜をJISK5400鉛筆硬度試験により塗膜硬度を測定した。
【0088】
密着性:実施例1の水性分散液を用いて、前記調製した塗料を、水性アクリルシーラー モビニール940(ヘキスト合成製)を塗布したスレート板上に40μmの塗膜厚さになるようにアプリケーターを用いて伸展し、室温で二週間乾燥した後JIS K 5400に基づき、2mm間隔25コマのマス目を作り、テープ剥離試験を行ない残ったマス目の数を示した。
【0089】
カーボン汚染性:密着性と同様に試験板を作製し、試験板に3%濃度でイオン交換水に分散したカーボンをエアレススプレーガンで均一に塗布。60℃で2hr乾燥後、流水下で塗膜表面のカーボンを刷毛で洗浄し、乾燥後の塗板のΔEを測定した。
ΔEは塗板の色差を表し、スガ試験機(株)製の色差計により測定される。これをつぎの基準で判定した。
A・・・ΔE<5のもの。
B・・・ΔEが5〜10のもの。
C・・・ΔEが10〜20のもの。
D・・・ΔE>20のもの。
【0090】
耐沸水性:沸騰水中に6時間浸漬したのちの塗面の変化状態を目視によりつぎの基準で判定した。
A・・・変化なし。
B・・・ブリスター発生。
C・・・塗膜にツヤびけ。
【0091】
耐溶剤性:水性分散液から作製したフィルムをキシレン中に25℃で1日間浸漬したのちの溶剤の吸収量を、もとのフィルムに対する重量変化として測定し、フィルム重量に対する百分率で表わした。
A・・・溶剤吸収率100重量%未満のもの。
B・・・溶剤吸収率100重量%以上、200重量%未満のもの。
C・・・溶剤吸収率200重量%以上(フィルム溶解のばあいを含む)
のもの。
【0092】
耐侯性(促進耐侯性試験):アルミ板上にアプリケーターで20μm厚に塗布した前記光沢測定に用いた試験板をアイスーパーUVテスター(SUV)(岩崎電気(株)製)で1000hr暴露後、光沢を測定し、初期光沢に対する百分率を光沢保持率(%)で表わした。また、密着試験時に作製した(1)アクリルシーラー、(2)弾性アクリルシーラーを塗布した塗板をSUVに1000hr暴露後、密着性(表3中、促進耐侯性試験後の密着性と記す)を前記と同様の方法により測定した。
【0093】
結果を表2および表3に示す。
【0094】
実施例2〜7
表2に示される合成例の水性分散液、単量体混合物およびヒドラジン誘導体を用いて、実施例1と同様の方法により水性分散液組成物をえ、これを実施例1と同じ方法で評価した。結果を表2および表3に示す。
【0095】
比較例1
撹拌翼、冷却管、温度計を備えた内容量200ミリリットルの四つ口フラスコに、JS2(三洋化成工業(株)製)の0.5重量%水溶液45gを仕込んだ。撹拌下に水浴中で加温し、槽温が80℃に達したところで、メタクリル酸メチル50g、メタクリル酸アセトアセトキシエチル6.0g、RS30(三洋化成工業(株)製)7.5gおよびチオグリコール酸イソオクチルエステル1.5gをJS2(三洋化成工業(株)製)の0.5重量%水溶液20gで乳化したエマルジョンを1時間かけて滴下した。直後に、過硫酸アンモニウムの2重量%水溶液1ミリリットルを添加し反応を開始した。反応開始後3時間後に、槽内温度を85℃に上げ、1時間保持したのち冷却し、アンモニア水でpHを7に調整したのち、この水性分散液に、10%アジピン酸ジヒドラジド水溶液をAAEMの活性カルボニル基に対してヒドラジン残基1.0モル当量の量加え、300メッシュの金網で濾過して青白色の含フッ素系共重合体の水性分散液組成物をえた。
【0096】
この水性分散液組成物について、実施例1と同様にして、塗料化まで行ない評価した結果を表2および表3に示す。
【0097】
比較例2〜7
表2に示される合成例番号の水性分散液、単量体混合物ヒドラジン誘導体を用いて実施例1と同様にして、塗料化まで行ない評価した結果を表2および表3に示す。
【0098】
なお、比較例2はエチレン性不飽和単量体およびヒドラジン誘導体を用いないで水性分散液組成物にしたものであり、比較例3はエチレン性不飽和単量体を用いないで水性分散液組成物にしたのもで、比較例4はアジピン酸ジヒドラジドをAAEMの活性カルボニル基に対してヒドラジン残基のモル当量が1よりも高なる量を加え、水性分散液組成物にしたものであり、比較例5は単量体の量を含フッ素系共重合体100部に対し20部より少なくして水性分散液組成物にしたものであり、比較例6は単量体の量を含フッ素系共重合体100重量部に対し100重量部よりも多くして水性分散液組成物にしたものであり、比較例7はヒドラジン誘導体を用いないほかは実施例1と同じ方法にて水性分散液組成物にしたものである。
比較例8〜12
表2に示される合成例の水性分散液、単量体混合物およびヒドラジン誘導体を用いて、実施例1と同様の方法により水性分散液組成物をえ、これを実施例1と同じ方法で評価した。結果を表2および表3に示す。
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【発明の効果】
本発明の含フッ素系重合体水性分散液組成物によれば低温成膜性、塗装外観、塗装強度、耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性および基材密着性に優れた塗膜を提供することができる。
【0102】
また本発明の含フッ素系重合体水性分散液組成物を含有している水性塗料によれば低温成膜性、塗装外観、塗装強度、耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性および基材密着性に優れた塗膜を提供することができる。
【0103】
さらに本発明の前記水性塗料を塗装してえられる塗装物品は、低温成膜性、塗装外観、塗装強度、耐汚染性、耐沸水性、耐溶剤性、耐侯性および基材密着性に優れた塗膜を有しており、前記多くの用途に用いられうる。
Claims (7)
- (A)(a)フッ化ビニリデン70〜95モル%およびクロロトリフルオロエチレン30〜5モル%を含有している単量体混合物を重合してえられる含フッ素系重合体の粒子100重量部の存在下に、(b)アルキル基の炭素数が1〜18のアクリル酸アルキルエステルおよび/または(c)アルキル基の炭素数が1〜18のメタクリル酸アルキルエステルならびに(d)これらのエステルとの共重合が可能なエチレン性不飽和単量体を含有している単量体混合物20〜99重量部を水性媒体中において乳化重合してえられ、かつ該乳化重合してえられる共重合体の粒子の平均粒子径が0.05〜3μmであり、該エチレン性不飽和単量体中に活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体が該単量体混合物の0.1〜20重量%含有されている含フッ素系共重合体水性分散液、および
(B)少なくとも2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を必須の成分として含有し、該ヒドラジン誘導体の量が前記活性カルボニル基に対してヒドラジン残基0.02〜1モル当量の量である
常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物。 - 前記単量体混合物の水性媒体中における乳化重合を、親水性部位を有するフッ素系反応性乳化剤およびフッ素系乳化剤をそれぞれ水に対して0.01〜1.0重量%および0.1〜1.0重量%存在させて行なう請求項1記載の組成物。
- 前記活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体が、前記単量体混合物の1〜10重量%含有されている請求項1または2記載の組成物。
- 前記活性カルボニル基を有するエチレン性不飽和単量体がメタクリル酸アセトアセトキシエチルである請求項1ないし3のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物を含有している水性塗料。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物を含有している建築物または構造物の外装および/または内装用水性塗料。
- 請求項5または6記載の水性塗料を塗装してえられる塗装物品。
Priority Applications (1)
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JP32908295A JP3564587B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP32908295A JP3564587B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | 常温架橋性を有する含フッ素系共重合体水性分散液組成物 |
Publications (2)
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