JP3564157B2 - 使い捨て吸収性物品 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明は、使い捨て吸収性物品に関し、更に詳しくは、着用者の脚囲りを内外二重にシールする二重カフスとしてのサイドフラップを有するおむつ、トレニングパンツなどの使い捨て吸収性物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開昭６２−２５０２０１号は、二重カフスを有する使い捨て吸収性物品としての一例であるおむつを開示している。このおむつは、吸液性コアの両側縁から外側へ延出する伸縮性の第１サイドフラップ（ガスケットカフス）と、前記第１サイドフラップの上面に配置した近位縁及び遠位縁を有する伸縮性の第２サイドフラップ（バリヤカフス）とを備え、前記コアの上面を覆う透液性トップシートの上面の***物がおむつの横方向へ流動して漏れるのを防止することを意図している。前記第２サイドフラップとしては、透液性及び不透液性シートの何れでもよいとしているが、これに鑑みると、前記***物の漏れは、特に半液状又は半固形状の***物を意味しているものと思料される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記おむつでは、第２サイドフラップの近位縁が吸液性コアの側縁と第１サイドフラップの外側に位置する伸縮性のシール領域との間の第１サイドフラップの上面に接合しているから、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えた場合には、その***液が第２サイドフラップと第１サイドフラップのシール領域との間に閉じ込められ、遂には第１サイドフラップのシール領域から外側へ漏れる虞れがある。こうした虞れは、第２サイドフラップとして不透液性シートが用いられている場合に特に強いといえるが、透液性シートが用いられた場合でも、通常その透液性シートには***液に対して強力な吸収能を有する材料が用いられないから、閉じ込められた***液が第１サイドフラップのシール領域から外側へ漏れないように、その***液を第２サイドフラップが吸収することはない。
【０００４】
尤も、第２サイドフラップに透液性シートが用いられ、しかも第２サイドフラップが吸液性コアの側縁面に位置する透液性トップシートに密接している場合には、コアの吸収能で第２サイドフラップを透してコアに吸収されるといえるが、第２サイドフラップがそのように配置されてはいない。
【０００５】
因に、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えることがあり、そのために第１サイドフラップが設けられていることはいうまでもない。
【０００６】
この発明の課題は、半液状又は半固形状の***物を堰き止めることができるとともに、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えた場合、その***液を吸液性コアの側縁面からその内部へ吸収することができるように、第２サイドフラップを配置することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つは、前記課題を解決するため、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が内側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品を前提とする。
【０００８】
この発明は、前記前提において、前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明の他の一つは、前記課題を解決するため、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が外側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品を前提とする。
【００１０】
この発明は、前記前提において、前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されており、かつ、前記第１サイドフラップの上面と、前記第２サイドフラップが垂直に立ち上がったときの遠位縁の最外側縁との間の高さは、前記第２サイドフラップが外側へ倒れたとき、前記遠位縁が前記第１サイドフラップの外側縁から突出しない寸法にされていることを特徴とする。
【００１１】
好ましい実施例の一つは、前記液バリヤー性被覆シートは、前記第１サイドフラップを形成する前記トップシートと前記バックシートとの前記延出部分に接合しているとともに前記幅狭く形成されている前記トップシートの端縁から前記第１サイドフラップの外側縁まで延出している前記バックシートと、この延出した部分で弾性部材を介在して接合している。
【００１２】
好ましい実施例の他の一つは、前記液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域にその長さ方向へ長い開口部を有し、その外周領域が前記吸収性物品を覆うとともに、前記第１サイドフラップおよび前記第２サイドフラップの長さ方向両端部に接合している。
【００１３】
【作用及び効果】
この発明に係る吸収性物品によれば、前記第２サイドフラップの前記遠位縁を外側へ乗り越えた***液、換言すると、前記遠位縁と着用者の肌との間から外側へ流動した***液は、一旦、前記コアの側縁面における前記トップシートと、前記第１サイドフラップの外側における脚囲りに対するシール領域との間に滞留するが、その滞留する***液が、前記コアの側縁面からその内部へ前記コアの吸収能で、その全量ではないにしても、吸収されるから、その滞留が比較的長時間にわたって保持されることで直接に着用者の肌を濡らして不快感を与えたり、前記第１サイドフラップから外側へ漏れる虞れが少なくなる。
【００１４】
もとより、前記コアの側縁面における前記トップシートは透液性のまま露出しているから、***液がそこから流出するということがあるが、前記第２サイドフラップの主たる目的は、半液状又は半固形状の***物を堰き止めることにあり、前述のように、***液が前記コアの側縁面から流出したとした場合でも、その全量ではないにしても、その側縁面の他の部位から再び吸収される。この場合の不利と、***液が前記コア側へ移動するのを前記第２サイドフラップによって阻止され、前記第２サイドフラップと前記第１サイドフラップのシール領域との間に閉じ込められる***液による前記不利とを比較考慮したとき、前者の不利がはるかに許容可能である。
【００１５】
しかも、前記第２サイドフラップは、その機能上、前記コアの上面に位置する前記トップシートの上面から上方へ前記遠位縁が一定高さに位置する必要があるから、前記近位縁が前記コアの上面に位置する前記トップシートの上面に接合してある場合が、前記第１サイドフラップに接合されている場合に比較して、前記第２サイドフラップの高さ（幅）が小さくてその材料が少なくて済み、コスト低下が可能である。
【００１６】
【実施例】
この発明に係る吸収性物品を、図面に示すおむつを例に取って説明すると、以下のとおりである。
【００１７】
図１及び２に示すように、おむつは、透液性トップシート１と、不透液性バックシート２と、トップ及びバックシート１，２の間に介在する吸液性コア３と、コア３の側縁から外側へのトップ及びバックシート１，２の延出部分と、後記カバーシート１５の外側領域とで形成されている第１サイドフラップ４とを備えている。カバーシート１５は、液バリヤー性被覆シートの一実施形態である。トップシート１は、その側縁よりもバックシート２の側縁が外側へ延出するように、バックシート２よりも幅が狭く形成されている。トップ及びバックシート１，２は、その少なくとも互いに重なり合う周縁部において接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合されている。トップシート１が幅狭く形成されていることにより、トップシート１の端縁から第１サイドフラップ４の外側縁まで延出しているバックシート２の外側領域とカバーシート１５の外側領域との間には、第１サイドフラップ４の長さ方向への伸縮性を付与する弾性部材５が介在している。コア３の両端からおむつ長手方向の両外側へのトップ及びバックシート１，２の延出部分で形成されているエンドフラップ６のそれらシートの間には、エンドフラップ６の幅方向への伸縮性を付与する弾性部材７が介在している。
【００１８】
おむつは、更に、近位縁８と遠位縁９とを有する実質的に透湿性で液バリヤー性の第２サイドフラップ１０を備えている。第２サイドフラップ１０は、近位縁８において、コア３の側縁面におけるトップシート１が覆われないように、コア３の側縁面近傍でコア３の上面のトップシート１の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合される。コア３の側縁面におけるトップシート１は、第１サイドフラップ４に向って延びてバックシート２と重なって第１サイドフラップ４を形成するが、コア３の側縁面に隣接する第１サイドフラップ４の部位には、カバーシート１５が設置されてあるので、近位縁８とカバーシート１５とに挟まれたコア３の側縁面は、トップシート１が露出した形の露出領域１１となっている。遠位縁９を形成する折り返し部分の内部には、第２サイドフラップ１０の長さ方向に伸縮性を付与する弾性部材１２が介在している。第２サイドフラップ１０は、その長さ方向への伸長下にその両端部１３が内側へ倒された状態で、両端部１３においてトップシート１の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合され、従って、その収縮作用によって起き上がる性向を有している。
【００１９】
おむつは、更に、中央領域２０に長さ方向へ長い開口部１４を有する実質的に液バリヤー性のカバーシート１５を備えている。カバーシート１５は、その少なくとも外周領域においてトップシート１及び第２サイドフラップ１０の両端部１３の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合されている。この接合状態において、露出領域１１のほかに、両端部１３を除く両第２サイドフラップ１０の中間部が露出し、開口部１４の側縁１６がコア３の中央領域２０の中心近傍で長手方向に延びる側縁面に隣接して位置している。露出領域１１の幅寸法は、５ｍｍ以下であることが、そこからの***液の滲出を少なくするうえで好ましく、そのため、コア３が５ｍｍ以上の高さ寸法に形成される必要がある場合には、コア３の側縁部を他の領域よりも低く形成されることが好ましい。カバーシート１５が用いられることで、おむつの上面（内面）の周領域が液バリヤー性になってその周領域で***液があまり拡散することがない。また、おむつの両外側領域では不透液性バックシート２と液バリヤー性カバーシート１５がこれらの間に透液性トップシート１を介することなく直接接合しているから、バックシート２とカバーシート１５の間から***液が外側へ滲出することもない。
【００２０】
第１サイドフラップ４の上面と、第２サイドフラップ１０が垂直に立ち上がったときの遠位縁９の最外側縁との間の高さ寸法は、第１サイドフラップ４の幅寸法よりも小さいことが好ましい。この発明においては、第２サイドフラップ１０に関する既述の説明とは異なり、第２サイドフラップ１０の両端部１３が外側へ倒されて接合固定されていることも妨げないが、そうした状態において、着用中に第２サイドフラップ１０が大腿に押圧されて更に外側へ倒れた場合、遠位縁９が第１サイドフラップ４の外側縁から突出することを未然に防ぐことが好ましいからである。また、第２サイドフラップ１０の可撓性は、第１サイドフラップ４の可撓性よりも高く、かつ、前者の弾性部材１２の伸長応力は、後者の弾性部材５の伸長応力よりも低いことが好ましい。第２サイドフラップ１０の遠位縁９は、通常、着用者の大腿付け根に接触するため、第２サイドフラップ１０がしなやかに撓み、その付け根に痛み感や圧迫マークを与えないようにすることが好ましいからである。
【００２１】
図示されてないが、そして、そうされなくも自明であるように、液バリヤー性被覆シートをカバーシート１５を用いることなく、その側方領域１７を切断して得られたものに相当するシート（サイドシートと称する）が第１サイドフラップ４の当該領域に接合されてもよい。このサイドシートの内側縁又は開口部１４の側縁１６は、トップシート１の上面に接合されていても、されていなくてもよい。
【００２２】
おむつの後側ウエスト部の両側には、前側ウエスト部の外面に着脱可能な感圧性粘着テープファスナー１８が取り付けられている。ただし、おむつとしては、そうしたいわゆるオープンタイプのおむつのほか、図示されていないが、前後胴囲りの両側部が接合されているクローズタイプ又はパンツタイプのものであってもよいことはいうまでもない。
【００２３】
この発明の実施においては、この種の物品の材料として公知のもの、例えば、トップシート１には疎水性繊維製の不織布や多孔性プラスチックフィルム、バックシート２には不透液性とともに透湿性を有するプラスチックフィルム、コア３にはフラッフパルプに超吸収性ポリマー粒子が混合されたもの、第２サイドフラップ１０及びカバーシート１５には疎水性繊維製の不織布（必要に応じて撥水処理されたもの）、弾性部材５，７，１２には天然又は合成ゴム及びエラストマーが使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る実施例としての使い捨ておむつの展開平面図。
【図２】図１Ｘ−Ｘ線に沿う断面斜視部分図。
【符号の説明】
１ トップシート
２ バックシート
３ コア
４ 第１サイドフラップ
５ 弾性部材
８ 近位縁
９ 遠位縁
１０ 第２サイドフラップ
１２ 弾性部材
１４ 開口部
１５ カバーシート（液バリヤー性被覆シート）
２０ 中央領域
【産業上の利用分野】
この発明は、使い捨て吸収性物品に関し、更に詳しくは、着用者の脚囲りを内外二重にシールする二重カフスとしてのサイドフラップを有するおむつ、トレニングパンツなどの使い捨て吸収性物品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開昭６２−２５０２０１号は、二重カフスを有する使い捨て吸収性物品としての一例であるおむつを開示している。このおむつは、吸液性コアの両側縁から外側へ延出する伸縮性の第１サイドフラップ（ガスケットカフス）と、前記第１サイドフラップの上面に配置した近位縁及び遠位縁を有する伸縮性の第２サイドフラップ（バリヤカフス）とを備え、前記コアの上面を覆う透液性トップシートの上面の***物がおむつの横方向へ流動して漏れるのを防止することを意図している。前記第２サイドフラップとしては、透液性及び不透液性シートの何れでもよいとしているが、これに鑑みると、前記***物の漏れは、特に半液状又は半固形状の***物を意味しているものと思料される。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記おむつでは、第２サイドフラップの近位縁が吸液性コアの側縁と第１サイドフラップの外側に位置する伸縮性のシール領域との間の第１サイドフラップの上面に接合しているから、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えた場合には、その***液が第２サイドフラップと第１サイドフラップのシール領域との間に閉じ込められ、遂には第１サイドフラップのシール領域から外側へ漏れる虞れがある。こうした虞れは、第２サイドフラップとして不透液性シートが用いられている場合に特に強いといえるが、透液性シートが用いられた場合でも、通常その透液性シートには***液に対して強力な吸収能を有する材料が用いられないから、閉じ込められた***液が第１サイドフラップのシール領域から外側へ漏れないように、その***液を第２サイドフラップが吸収することはない。
【０００４】
尤も、第２サイドフラップに透液性シートが用いられ、しかも第２サイドフラップが吸液性コアの側縁面に位置する透液性トップシートに密接している場合には、コアの吸収能で第２サイドフラップを透してコアに吸収されるといえるが、第２サイドフラップがそのように配置されてはいない。
【０００５】
因に、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えることがあり、そのために第１サイドフラップが設けられていることはいうまでもない。
【０００６】
この発明の課題は、半液状又は半固形状の***物を堰き止めることができるとともに、***液が第２サイドフラップの遠位縁を外側へ乗り越えた場合、その***液を吸液性コアの側縁面からその内部へ吸収することができるように、第２サイドフラップを配置することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つは、前記課題を解決するため、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が内側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品を前提とする。
【０００８】
この発明は、前記前提において、前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されていることを特徴とする。
【０００９】
本発明の他の一つは、前記課題を解決するため、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が外側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品を前提とする。
【００１０】
この発明は、前記前提において、前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されており、かつ、前記第１サイドフラップの上面と、前記第２サイドフラップが垂直に立ち上がったときの遠位縁の最外側縁との間の高さは、前記第２サイドフラップが外側へ倒れたとき、前記遠位縁が前記第１サイドフラップの外側縁から突出しない寸法にされていることを特徴とする。
【００１１】
好ましい実施例の一つは、前記液バリヤー性被覆シートは、前記第１サイドフラップを形成する前記トップシートと前記バックシートとの前記延出部分に接合しているとともに前記幅狭く形成されている前記トップシートの端縁から前記第１サイドフラップの外側縁まで延出している前記バックシートと、この延出した部分で弾性部材を介在して接合している。
【００１２】
好ましい実施例の他の一つは、前記液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域にその長さ方向へ長い開口部を有し、その外周領域が前記吸収性物品を覆うとともに、前記第１サイドフラップおよび前記第２サイドフラップの長さ方向両端部に接合している。
【００１３】
【作用及び効果】
この発明に係る吸収性物品によれば、前記第２サイドフラップの前記遠位縁を外側へ乗り越えた***液、換言すると、前記遠位縁と着用者の肌との間から外側へ流動した***液は、一旦、前記コアの側縁面における前記トップシートと、前記第１サイドフラップの外側における脚囲りに対するシール領域との間に滞留するが、その滞留する***液が、前記コアの側縁面からその内部へ前記コアの吸収能で、その全量ではないにしても、吸収されるから、その滞留が比較的長時間にわたって保持されることで直接に着用者の肌を濡らして不快感を与えたり、前記第１サイドフラップから外側へ漏れる虞れが少なくなる。
【００１４】
もとより、前記コアの側縁面における前記トップシートは透液性のまま露出しているから、***液がそこから流出するということがあるが、前記第２サイドフラップの主たる目的は、半液状又は半固形状の***物を堰き止めることにあり、前述のように、***液が前記コアの側縁面から流出したとした場合でも、その全量ではないにしても、その側縁面の他の部位から再び吸収される。この場合の不利と、***液が前記コア側へ移動するのを前記第２サイドフラップによって阻止され、前記第２サイドフラップと前記第１サイドフラップのシール領域との間に閉じ込められる***液による前記不利とを比較考慮したとき、前者の不利がはるかに許容可能である。
【００１５】
しかも、前記第２サイドフラップは、その機能上、前記コアの上面に位置する前記トップシートの上面から上方へ前記遠位縁が一定高さに位置する必要があるから、前記近位縁が前記コアの上面に位置する前記トップシートの上面に接合してある場合が、前記第１サイドフラップに接合されている場合に比較して、前記第２サイドフラップの高さ（幅）が小さくてその材料が少なくて済み、コスト低下が可能である。
【００１６】
【実施例】
この発明に係る吸収性物品を、図面に示すおむつを例に取って説明すると、以下のとおりである。
【００１７】
図１及び２に示すように、おむつは、透液性トップシート１と、不透液性バックシート２と、トップ及びバックシート１，２の間に介在する吸液性コア３と、コア３の側縁から外側へのトップ及びバックシート１，２の延出部分と、後記カバーシート１５の外側領域とで形成されている第１サイドフラップ４とを備えている。カバーシート１５は、液バリヤー性被覆シートの一実施形態である。トップシート１は、その側縁よりもバックシート２の側縁が外側へ延出するように、バックシート２よりも幅が狭く形成されている。トップ及びバックシート１，２は、その少なくとも互いに重なり合う周縁部において接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合されている。トップシート１が幅狭く形成されていることにより、トップシート１の端縁から第１サイドフラップ４の外側縁まで延出しているバックシート２の外側領域とカバーシート１５の外側領域との間には、第１サイドフラップ４の長さ方向への伸縮性を付与する弾性部材５が介在している。コア３の両端からおむつ長手方向の両外側へのトップ及びバックシート１，２の延出部分で形成されているエンドフラップ６のそれらシートの間には、エンドフラップ６の幅方向への伸縮性を付与する弾性部材７が介在している。
【００１８】
おむつは、更に、近位縁８と遠位縁９とを有する実質的に透湿性で液バリヤー性の第２サイドフラップ１０を備えている。第２サイドフラップ１０は、近位縁８において、コア３の側縁面におけるトップシート１が覆われないように、コア３の側縁面近傍でコア３の上面のトップシート１の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合される。コア３の側縁面におけるトップシート１は、第１サイドフラップ４に向って延びてバックシート２と重なって第１サイドフラップ４を形成するが、コア３の側縁面に隣接する第１サイドフラップ４の部位には、カバーシート１５が設置されてあるので、近位縁８とカバーシート１５とに挟まれたコア３の側縁面は、トップシート１が露出した形の露出領域１１となっている。遠位縁９を形成する折り返し部分の内部には、第２サイドフラップ１０の長さ方向に伸縮性を付与する弾性部材１２が介在している。第２サイドフラップ１０は、その長さ方向への伸長下にその両端部１３が内側へ倒された状態で、両端部１３においてトップシート１の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合され、従って、その収縮作用によって起き上がる性向を有している。
【００１９】
おむつは、更に、中央領域２０に長さ方向へ長い開口部１４を有する実質的に液バリヤー性のカバーシート１５を備えている。カバーシート１５は、その少なくとも外周領域においてトップシート１及び第２サイドフラップ１０の両端部１３の上面に接着剤又は熱若しくは超音波による溶着手段によって接合されている。この接合状態において、露出領域１１のほかに、両端部１３を除く両第２サイドフラップ１０の中間部が露出し、開口部１４の側縁１６がコア３の中央領域２０の中心近傍で長手方向に延びる側縁面に隣接して位置している。露出領域１１の幅寸法は、５ｍｍ以下であることが、そこからの***液の滲出を少なくするうえで好ましく、そのため、コア３が５ｍｍ以上の高さ寸法に形成される必要がある場合には、コア３の側縁部を他の領域よりも低く形成されることが好ましい。カバーシート１５が用いられることで、おむつの上面（内面）の周領域が液バリヤー性になってその周領域で***液があまり拡散することがない。また、おむつの両外側領域では不透液性バックシート２と液バリヤー性カバーシート１５がこれらの間に透液性トップシート１を介することなく直接接合しているから、バックシート２とカバーシート１５の間から***液が外側へ滲出することもない。
【００２０】
第１サイドフラップ４の上面と、第２サイドフラップ１０が垂直に立ち上がったときの遠位縁９の最外側縁との間の高さ寸法は、第１サイドフラップ４の幅寸法よりも小さいことが好ましい。この発明においては、第２サイドフラップ１０に関する既述の説明とは異なり、第２サイドフラップ１０の両端部１３が外側へ倒されて接合固定されていることも妨げないが、そうした状態において、着用中に第２サイドフラップ１０が大腿に押圧されて更に外側へ倒れた場合、遠位縁９が第１サイドフラップ４の外側縁から突出することを未然に防ぐことが好ましいからである。また、第２サイドフラップ１０の可撓性は、第１サイドフラップ４の可撓性よりも高く、かつ、前者の弾性部材１２の伸長応力は、後者の弾性部材５の伸長応力よりも低いことが好ましい。第２サイドフラップ１０の遠位縁９は、通常、着用者の大腿付け根に接触するため、第２サイドフラップ１０がしなやかに撓み、その付け根に痛み感や圧迫マークを与えないようにすることが好ましいからである。
【００２１】
図示されてないが、そして、そうされなくも自明であるように、液バリヤー性被覆シートをカバーシート１５を用いることなく、その側方領域１７を切断して得られたものに相当するシート（サイドシートと称する）が第１サイドフラップ４の当該領域に接合されてもよい。このサイドシートの内側縁又は開口部１４の側縁１６は、トップシート１の上面に接合されていても、されていなくてもよい。
【００２２】
おむつの後側ウエスト部の両側には、前側ウエスト部の外面に着脱可能な感圧性粘着テープファスナー１８が取り付けられている。ただし、おむつとしては、そうしたいわゆるオープンタイプのおむつのほか、図示されていないが、前後胴囲りの両側部が接合されているクローズタイプ又はパンツタイプのものであってもよいことはいうまでもない。
【００２３】
この発明の実施においては、この種の物品の材料として公知のもの、例えば、トップシート１には疎水性繊維製の不織布や多孔性プラスチックフィルム、バックシート２には不透液性とともに透湿性を有するプラスチックフィルム、コア３にはフラッフパルプに超吸収性ポリマー粒子が混合されたもの、第２サイドフラップ１０及びカバーシート１５には疎水性繊維製の不織布（必要に応じて撥水処理されたもの）、弾性部材５，７，１２には天然又は合成ゴム及びエラストマーが使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る実施例としての使い捨ておむつの展開平面図。
【図２】図１Ｘ−Ｘ線に沿う断面斜視部分図。
【符号の説明】
１ トップシート
２ バックシート
３ コア
４ 第１サイドフラップ
５ 弾性部材
８ 近位縁
９ 遠位縁
１０ 第２サイドフラップ
１２ 弾性部材
１４ 開口部
１５ カバーシート（液バリヤー性被覆シート）
２０ 中央領域
Claims (4)
- 透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が内側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品において、
前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されていることを特徴とする前記吸収性物品。 - 透液性トップシートと、不透液性バックシートと、前記トップ及びバックシートの間に介在する吸液性コアと、前記コアの側縁から外側への前記トップ及びバックシートの延出部分で形成されている伸縮性の第１サイドフラップと、前記コアの側縁近傍と前記第１サイドフラップの外側縁との間に配置されていて近位縁と遠位縁とを有し、長さ方向両端部が外側へ倒された状態で固定されている伸縮性の第２サイドフラップとを含む使い捨て吸収性物品において、
前記第２サイドフラップは、実質的に液バリヤー性を有し、前記第２サイドフラップの前記近位縁において前記コアの側縁近傍で該コアを覆う前記トップシートの上面に接合されており、前記第１サイドフラップは、該第１サイドフラップを形成する前記トップシートが、該第１サイドフラップを形成する前記バックシ ートより幅狭く形成されているとともに、該第１サイドフラップの上面を覆うように設けられた液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域における前記コアの側縁面で前記トップシートが露出するように設置されており、かつ、前記第１サイドフラップの上面と、前記第２サイドフラップが垂直に立ち上がったときの遠位縁の最外側縁との間の高さは、前記第２サイドフラップが外側へ倒れたとき、前記遠位縁が前記第１サイドフラップの外側縁から突出しない寸法にされていることを特徴とする前記吸収性物品。 - 前記液バリヤー性被覆シートは、前記第１サイドフラップを形成する前記トップシートと前記バックシートとの前記延出部分に接合しているとともに前記幅狭く形成されている前記トップシートの端縁から前記第１サイドフラップの外側縁まで延出している前記バックシートと、この延出した部分で弾性部材を介在して接合している請求項１または２記載の吸収性物品。
- 前記液バリヤー性被覆シートは、前記吸収性物品の中央領域にその長さ方向へ長い開口部を有し、その外周領域が前記吸収性物品を覆うとともに、前記第１サイドフラップおよび前記第２サイドフラップの長さ方向両端部に接合している請求項１ないし３のいずれかに記載の吸収性物品。
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