JP3564024B2 - 記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関し、特に、インクジェット方式に従って記録を行う記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近のインクジェットプリンタはカラー記録が可能となっているため、ブラックインク以外にもイエロ、マゼンタ、シアンなど複数のインクを記録媒体に吐出する必要がある。このため、複数の記録ヘッドをそれらを搭載して移動するキャリッジの移動方向(主走査方向)に配列させたプリンタが多くなっている。また、そうでなくとも、異なる色のインク各々に対応したインク吐出ノズル列を主走査方向に複数配列し、これらのノズル列を1つの記録ヘッドとして一体化した記録ヘッドを搭載したプリンタも多くなっている。
【0003】
一方、以上のような記録ヘッドやノズル列の構成に係らず、高精細カラー記録を実現するためには、各色インクによって記録媒体上に記録されたドットを如何に正確に重ね合わせることができるかが最大の問題である。
【0004】
このようなレジストレーション合わせ(以下、簡単に“レジ合わせ”という)の問題に対して、複数の記録ヘッドを搭載したプリンタでは各色インクのドットのレジストレーションを機械的に正確に合わせるのはほとんど不可能であるため、複数の記録ヘッド各々を駆動するタイミングを自由に変えられるようにプリンタを構成して、±数10ドットピッチ程度のドット位置を主走査方向にシフトできるように電気的な調整手段を備えておき、実際の記録に先立ちレジストレーション合わせパターンを記録媒体に記録させて、ユーザがこれを目視によりレジずれ量を判断してレジ合わせをするのが一般的になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ごく一般的な比較的安価な従来のカラープリンタではヘッド駆動信号を複数の記録ヘッド各々に設けるのは以下の理由からシステムが複雑、高価になってほとんど不可能である。
【0006】
(1)記録ヘッドへの信号線が多数になる
(2)駆動タイミング回路が記録ヘッドの数だけ必要となる
そのため、普通は記録データを送信する信号以外の信号(信号線)は共通化しているプリンタがほとんどである。このようなプリンタでは複数のヘッド全ての駆動タイミングが同時であるため、レジ合わせは1ドットピッチ単位でしか調整できず、最大1/2ドットピッチのレジずれは残ってしまうという問題があった。
【0007】
一方、複数のノズル列を備えた一体型記録ヘッドにしても製造上数十μm程度までのレジ合わせが限界である。しかしながら、記録解像度600dpiの記録ヘッドではドットピッチが約42μmであるためこのずれ量は許容できないものであるという問題があった。
【0008】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、複数の記録ヘッドを或は複数の記録要素列を有した記録ヘッドを用いて記録を行う場合にも、記録ドット間の精度良いレジストレーション合わせを達成できる記録ヘッド及びその記録ヘッドを用いた記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の記録ヘッドは以下のような構成からなる。
即ち、複数の記録要素列を有し、前記複数の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に時分割駆動して記録を行うことが可能な記録ヘッドであって、前記記録要素列を被記録媒体に対して走査する走査方向の記録解像度以下の値のずらし量に基づく値を記憶する記憶回路と、前記記憶回路に記憶された前記値に従って、駆動ブロック順序を変更する変更回路と、前記変更回路によって変更された前記駆動ブロック順序に対応して遅延された複数の記録列に係る記録データを用いて、前記駆動ブロック順序で記録要素を駆動することで、他の記録要素列との間のレジストレーション合わせを行なって記録を行う記録回路とを有することを特徴とする記録ヘッドを備える。
【0010】
なお、その記録ヘッドに走査方向に間隔を置いて、例えば、第1及び第2記録要素列からなる複数の記録要素列を配し、その変更回路が複数の記録要素列の少なくとも1つの列のブロック駆動順序を変更するようにしても良い。
【0011】
ここで、前記ブロック分割は、第1及び第2の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素を並び順にN個づつブロック化することによって行っても良いし、第1及び第2の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素をM個とばしにK個づつブロック化することによって行っても良い。例えば、そのブロック分割数としては、4分割、8分割、16分割、或は、32分割などがある。
【0012】
これら第1及び第2の記録要素列夫々を構成する記録要素の並びは前記走査方向に斜交していることが望ましい。
【0013】
さらに、前記変更回路による各ブロックの駆動順序の変更に従って、前記記録要素列を構成する各ブロックの記録要素への記録データの出力を遅延させる遅延回路を有することが望ましい。
【0014】
なお、前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることが望ましく、さらに、そのインクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていると良い。
【0015】
このような記録ヘッドには、第3及び第4の記録要素列を第1及び第2の記録要素列に並んで第1の方向にさらに備え、これら第1、第2、第3、及び、第4の記録要素列各々から、イエロインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを吐出してカラー記録を行うようにすることが望ましい。
【0016】
また、前記第1及び第2の記録要素列夫々を単体の記録ヘッドとして構成するようにしても良い。
【0017】
また他の発明によれば、上記構成の記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドを搭載して前記走査方向に往復走査させる走査手段と、前記記録ヘッドに記録データを出力する出力手段とを有することを特徴とする記録装置を備える。
【0018】
さらに他の発明によれば、複数の記録要素列を有する記録ヘッドの各記録要素列を構成する複数の記録要素を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に時分割駆動して記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドに、前記記録要素列が被記録媒体に対して走査される走査方向の記録解像度以下の値のずらし量に基づく値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記値に従って、駆動ブロック順序を変更する変更手段とを有し、前記変更手段によって変更された前記駆動ブロック順序に対応して遅延された複数の記録列に係る記録データを用いて、前記駆動ブロック順序で記録要素を駆動することで、他の記録要素列との間のレジストレーション合わせを行なって記録を行う記録手段を有することを特徴とする記録装置を備える。
【0019】
ここで、上記の構成の記録装置には、前記変更手段による各ブロックの駆動順序の変更に従って、前記記録要素列を構成する各ブロックの記録要素への記録データの出力を遅延させる遅延手段をさらに備えるようにしても良い。
【0020】
以上の構成により本発明は、記録装置からの特別な制御信号を送信しなくとも、メモリ回路に記憶されたずらし量に基づく値に従って、記録要素列内にあるブロックを駆動する順序を変えることにより、その記録要素列が並ぶ走査方向の記録解像度以下の値でレジストレーション調整ができるよう動作する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
<装置本体の概略説明>
図1は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0023】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0024】
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。図2はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインタフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号や記録ヘッドIJHに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インタフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドIJHを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0025】
上記制御構成の動作を説明すると、インタフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドIJHが駆動され、記録が行われる。
【0026】
なお、上述のように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとは一体的に形成されて交換可能なインクカートリッジIJCを構成しても良いが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしても良い。
【0027】
図3は、インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図3に示すように、境界線Kの位置でインクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCにはこれがキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
【0028】
なお、図3において、500は記録要素を構成するインク吐出口(ノズル)が配列されたインク吐出口列(記録要素列)である。図3においてはその吐出口数を説明の便宜上少なく表している。また、インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられており、そのインク吸収体によってインクが保持される。なお、記録要素はインク吐出口(ノズル)、各吐出口に連通するインク流路、各インク流路に対応して設けられたヒータなどで構成されている。
【0029】
図4はこの実施形態に従う記録ヘッドIJHをインク吐出面から眺めた図である。
【0030】
図4に示すように、記録ヘッドIJHにはキャリッジHCが移動する方向である主走査方向に、インク吐出ノズル列(以下、ノズル列という)が2列間隔を開けて並んで配列されている。これら2列のノズル列1a、1bは夫々、32個のノズル2から構成され、各列のノズルは連続して8ノズルずつを同時駆動される1ブロックとして4ブロックに分割され、ブロック毎に駆動タイミングをずらして記録動作が実行される。
【0031】
従って、記録ヘッドIJHを主走査方向に移動しながらインク吐出をした場合、もし、ノズル列が主走査方向に対して垂直に配置されているとすると、連続8ノズル毎に記録されるドット配列がずれ、その結果全ノズルで見ると大きく記録ドット列がずれて傾斜してしまうため、予めノズル列を主走査方向に斜交するように配列することで記録される全ドット配列が概ね主走査方向と垂直方向になるようにしている。
【0032】
ただし、各ブロック間のつなぎ目でのドットずれ量は、各ノズル列を4ブロックに分割して駆動しているため、図4の右側にある記録されたドットパターンが示すように、主走査方向のドットピッチの1/4となる。
【0033】
なお、最近の高精細プリンタでは1/4ピッチのずれは記録画像の高品位に維持するため許容できず、分割ブロック数を“8”または“16”とするのが一般的であるが、ここでは説明を簡略化するため分割ブロック数を“4”としている。
【0034】
図5は本発明に従う記録ヘッドIJHの論理回路の構成を示すブロック図である。
【0035】
なお、説明を簡単にするために、この図では、図4に示した2列のノズル列の内、1列分のノズルを駆動するための回路構成を示している。実際にはこの回路が2つ記録ヘッドIJHには実装される。
【0036】
一方、図6は従来の記録ヘッドの論理回路の構成を示すブロック図である。ここで、示す構成は記録ヘッドIJHと同じ32個のインク吐出ノズルを有し、これらのノズルを8個づつ4つのブロックに分割して時分割駆動する記録ヘッドの構成である。従って、図5と図6において、同じ構成要素や同じ信号には同じ参照番号や同じ参照記号を付している。
【0037】
図5〜図6に示す構成の記録ヘッドは、基本的には以下のように動作する。
【0038】
即ち、記録データ信号(IDATA)を転送クロック(DCLK)に同期して4つの直列接続された8ビットシフトレジスタ(S/R)103にシリアル転送し、その後、それらシフトレジスタに格納された記録データ信号をラッチクロック(LTCLK)に同期して4つの8ビットラッチ回路(L/T)104にラッチする。
【0039】
一方、入力された駆動ブロック信号(BENB0,1)は2→4デコーダ107でデコードされるため、駆動ブロック信号(BENB0,1)により駆動ブロック順序は決定される。そして、2→4デコーダ107から出力される駆動ブロック順序を示す信号と、入力される駆動信号(HEAT)と、4つの8ビットラッチ回路(L/T)104からの出力の3つの信号が4つの8ビットドライバ105に入力されて、これらの信号の論理積が演算され、その演算結果に基づいて、ヒータ106が駆動される。
【0040】
しかし、この実施形態に従う論理回路では、このような基本的な動作に加えて、1ノズル列に関し主走査方向に0〜+1/2ドットレジストレーションをずらせることが可能な構成となっているため、2列のノズル列を備えた記録ヘッドIJHでは、ノズル列1a,1b間で相対的に−1/2〜+1/2ビットピッチの範囲でレジ合わせができる構成となっている。
【0041】
つまり、ノズル列1bの駆動ブロック順序だけを変え、かつ記録データ信号(IDATA)をその順序変更に従ってシフトすることによって(ドットピッチ/ブロック分割数)の単位でレジ補正をしている。
【0042】
以下、そのレジ補正について詳細に説明する。
【0043】
まず、駆動ブロック順序を変える方法について説明する。
【0044】
図5に示すヒューズ108はレジずれ量を設定するためのヒューズである。この実施形態では4ブロック時分割駆動を行う記録ヘッドを用いるので、ブロック分割数に対応して4つの段階を表現するために2ビットを表現することができるよう、2つのヒューズが備えられている。図4に示す2つのノズル列間のレジずれ量は予め、記録ヘッドの製造工程で測定され、その測定値にしたがってレーザトリミングでヒューズ108を切断することで2ビットで表現される値が設定される。
【0045】
このレジずれ量を表現する信号と駆動ブロック信号(BENB0,1)とは、図5に示されるようにブロックエンコーダ109に入力され、図7の表が示す関係に従って、ブロック選択信号(BLK0,1)に変換される。そして、ブロック選択信号(BLK0,1)が2→4デコーダ107に入力されてデコードされ、図8に示すような駆動ブロック順序に変換されることになる。
【0046】
図7は駆動ブロック信号(BENB0,1)に対応したブロック選択信号(BLK0,1)の変換表である。図7に示すように、駆動ブロック信号(BENB0,1)計2ビットで4つの量(0〜3)が表現され、±0、±1/4、±1/2の3つのレジずれ量との関係から2ビットのブロック選択信号(BLK0,1)が決定される。
【0047】
図8は記録ヘッドIJHで扱う各種制御信号のタイムチャートである。
【0048】
図8において、(A)は通常の駆動ブロック順序を示している。即ち、2ビットのブロック選択信号(BLK0,1)の値は“0”→“1”→“2”→“3”→……とサイクリックに入れ代わり、これに応じて、32個のヒータが8個ずつ、ブロック0→ブロック1→ブロック2→ブロック3→……と順に駆動されていく。しかしながら、レジづれ量に応じて、図8の(B)(C)において、ブロック選択信号(BLK0,1)の値に示されるように駆動ブロック順序が変更されることになる。
【0049】
次にレジずれ補正時の記録データ信号(IDATA)のずれを補正する方法について説明する。
【0050】
ヒューズ108の状態は2→4デコーダ110によって、図7が示すように、レジずれ量に従って、0、±1/4、±1/2の3つの状態を表わす信号にデコードされて、図5に示すトライステートバッファ111−1〜3および112−1〜3に入力される。
【0051】
ここで、レジずれ=0の場合には、いずれのヒューズも切断されておらずトライステートバッファ111−3が導通し、トライステートバッファ112−3が遮断となるため、記録データ信号(IDATA)は直接、8ビットシフトレジスタ(S/R)103B−3に入力され、転送クロック(DCLK)に従って、8ビットシフトレジスタ103B−2、8ビットシフトレジスタ103B−1、8ビットシフトレジスタ103B−0とシフトされる。このようにして、シフトされた記録データ信号はラッチクロック(LTCLK)の入力に従って4つの8ビットラッチ回路(L/T)104に直接入力されるので、図8(A)に示されているように、同一カラムの記録データ信号であるN0、N1、N2、N3が4つの8ビットラッチ回路(L/T)104にラッチされることになる。
【0052】
一方、レジずれ=±1/4の場合には、ヒューズ108の一方が切断されることでヒューズからは(0,1)の信号が出力され、トライステートバッファ111−2が導通、トライステートバッファ112−2が遮断となるため、記録データ信号(IDATA)は8ビットシフトレジスタ103A−3、8ビットシフトレジスタ103B−2、8ビットシフトレジスタ103B−1、8ビットシフトレジスタ103B−0そして8ビットシフトレジスタ103B−3とシフトされる。
【0053】
この場合には、8ビットシフトレジスタ103A−3が新たに転送経路に加わるため、1カラムのデータ転送で記録ヘッド内に供給される最後のデータは8ビットシフトレジスタ103A−3に保持されることになり、次のカラムのデータ転送クロックによって8ビットシフトレジスタ103B−3に供給されることになる。
【0054】
従って、シフトレジスタからラッチ104への出力として具体的には、8ビットシフトレジスタ103B−0〜2からは、同一カラムの記録データ信号であるN0、N1、N2が出力されるが、8ビットシフトレジスタ103B−3からは1カラム前の記録データ信号である(N−1)3が出力される。
【0055】
同様に、レジずれ=±1/2の場合には、ヒューズ108のもう一方が切断されることでヒューズからは(1,0)の信号が出力され、トライステートバッファ111−1が導通、トライステートバッファ112−1が遮断となるので、4つの8ビットシフトレジスタからラッチ104へ出力される記録データ信号は同一カラムのN0、N1、1カラム前の(N−1)2、(N−1)3となる。
【0056】
以上のようにして、レジずれに従って、シフトレジスタから出力される記録データ信号についても、ずれ補正が行われる。
【0057】
次に、以上のような構成の装置において実行されるレジずれの補正について、図9〜図10に示す実際に記録されたドットの並びを参照して説明する。
【0058】
図9は図4で示したノズル配列をもつ記録ヘッドIJHを用いて記録媒体に対してインク吐出を行う場合に、インク液滴の記録媒体上での付着位置を主走査方向にずらしてレジ調整を行うときのドット配列を示した図である。
【0059】
また、図10は図9に示したドット配列の部分拡大図である。
【0060】
なお、記録ヘッドIJHではノズル列1a,1bのヒータを駆動する信号は共通化されているため、各ノズル列からのインク吐出は同時タイミングで常に行われることとしている。そのため、2つのノズル列の主走査方向に関する対応ドット間距離がドットピッチの整数倍になっていれば、各々のノズルから吐出したインク液滴によって記録されるドットが記録媒体上で丁度重なるようになる。
【0061】
ここでは、説明を簡単にするため、ノズル列1a,1bの2つのノズル列からインクを吐出して記録した対応ドットの主走査方向の距離が丁度ドットピッチのm倍(mは正の整数)であったとする。図9〜図10において、○はノズル列1aからのインクで記録したドットを表し、●またはハッチングの黒丸はノズル列1bからのインクで記録したドットを表す。
【0062】
図9と図10の(A)(B)(C)はそれぞれ、ノズル列1bから吐出されるインクによって記録がなされた後、ノズル列1aがmドットピッチ移動したタイミングでインクを吐出して記録した場合に、記録媒体に記録されるドット配列を示しており、前述した図8(A)(B)(C)は、夫々に対応するノズル列1bからのインク吐出を生じさせる駆動信号のタイミングチャートである。
【0063】
図9(A)及び図10(A)は、ノズル列1a、1bから吐出したインクによって記録されたドットが丁度重なっている場合を示している。これは、ノズル列1a,1bの距離がドットピッチの整数倍(m倍)でかつ、ノズル列1a、1bの駆動ブロック(BLK0〜1)の順序が両方とも同じであるからである。
【0064】
すなわち、図8(A)に示されるようにブロック駆動順序がブロック0→ブロック1→ブロック2→ブロック3となると、図10(A)に示されるように、最初にブロック0の8ノズルが同時吐出してから、順次、ブロック1→ブロック2→ブロック3の各8ノズルからインクが吐出するようになるからである。
【0065】
次に、図9(B)及び図10(B)は、ノズル列1bの駆動ブロック順序だけを図8(B)に示したようにブロック3→ブロック0→ブロック1→ブロック2としたときの、ドット配列を表した図である。このとき、ノズル列1aによって記録されたドット位置は駆動ブロック順序が同じため図9(A)や図10(A)に示すそれと同位置となるが、ノズル列1bからのインク吐出では、最初にブロック3が駆動されるため一番下のブロック3からのインクが吐出された後でブロック0→ブロック1→ブロック2と順次駆動されてインクが吐出される。そのため、図9(B)や図10(B)に示されるように、ノズル列1bによって記録されたドット●がノズル列1aによって記録されたドット○に対して主走査方向に+1/4ドットピッチをずれることになる。
【0066】
また、図9(C)及び図10(C)は図8(C)で示されるようにノズル列1bの駆動ブロック順序だけをブロック1→ブロック2→ブロック3→ブロック0としたときのドット配列を表した図である。このときは、ブロック1の8ノズルがインク吐出してからブロック2→ブロック3→ブロック0と順次駆動されてインクが吐出されるため、図10(C)で示されるようにノズル列1aによって記録されるドットに対してノズル列1bによって記録されるドットが主走査方向に−1/4ドットピッチずれることになる。
【0067】
図9(B)に示した例では、+1/4ドットずれを説明したが同様にして駆動ブロック順序をブロック2→ブロック3→ブロック0→ブロック1とすれば+1/2ドットピッチ、さらに、ブロック1→ブロック2→ブロック3→ブロック0とすれば+3/4ドットピッチずれる。
【0068】
同様に、図9(C)に示した例では、駆動ブロック順序をブロック2→ブロック3→ブロック0→ブロック1とすれば−1/2ドットピッチ、さらに、ブロック3→ブロック0→ブロック1→ブロック2とすれば−3/4ドットピッチずれる。
【0069】
次に上記のようなレジずれ補正を行ったときに生ずる画像のずれについて説明する。
【0070】
図9(A)に示した例では、ノズル列1a、1bによって記録されるドットはすべて重なっているため同一カラムの画像を記録している。すなわち、図8(A)では記録データ信号(IDATA)のN0〜3がそれぞれブロック0〜3に対応した各8ノズルによって記録される。しかし、図9(B)に示した例では、ノズル列1aによって記録されたドットは同一(N)カラムの記録データ信号に基づいているが、ノズル1b列によって記録されたドットはブロック0〜2で用いられる記録データ信号は同一カラムのもの(N0〜2)であるが、ブロック3で用いられる記録データ信号は1カラム前(N−1)の(N−1)3となる。また、図9(C)に示した例では、ブロック1〜3で用いられる記録データ信号は同一カラムのもの(N1〜N3)となるが、ブロック0で用いられる記録データ信号は1カラム後(N+1)の(N+1)0になる。
【0071】
なお、以上説明した実施形態において用いた記録ヘッドでは2つのノズル列を1モジュール内に作り込むため、機械的なレジずれ量は±1/2ドットピッチ内に収めることが可能である。
【0072】
従って、以上で説明した実施形態に従えば、電気制御によるレジずれ補正でレジずれ量をほとんど0にすることができる。
【0073】
しかし、1組の独立した記録ヘッドを主走査方向に並べた構成を採用したプリンタなどではレジずれ量が1ドットピッチ以上となるのが普通である。このときにはまず従来のように記録データ信号をレジずれ量に相当するカラム数だけシフトして転送することでドットピッチ単位で補正を行い、さらに、ドットピッチ以下の補正に以上説明した電気制御によるレジずれ補正を適用すればよい。
【0074】
図11は本発明ではない、1つの長い(ノズル数の多い)ノズル列1を備えた記録ヘッドの参考例である。
【0075】
また、以上説明した実施形態では、1列のノズル列を構成する32個のノズルをその並び順に8個ずつ4つのブロックに分割し、各ブロック毎に時分割駆動した例について説明したが時分割駆動の方法は本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、図12に示すように、32個のノズルを8ノズルおきに4個ずつ8つのブロックに分割し、各ブロックを順に駆動する、即ち、8ノズルおきに合計4ノズルが同時に駆動されるように時分割駆動しても良い。
【0076】
この場合も、記録ヘッドを矢印方向(主走査方向)に移動しながら記録動作を実行するとき、そのノズル列を主走査方向に垂直にすると、図4で説明した記録ヘッドIJHと同様に、記録されるドット配列が傾斜してしまうことを考慮し、予め記録ヘッドを主走査方向に関して傾斜させることによって、記録されるドット配列を主走査方向と垂直になるようにしている。
【0077】
このような時分割駆動をする記録ヘッドでは、図4に示したような各ブロックのつなぎ目でのドットずれは発生しないが、例えば、縦罫線は一回の記録動作で記録されるのではなく、図12に示すように、8ノズルから構成される各グループ毎に別々のカラムでの駆動タイミングで記録されることになる。
【0078】
図13は図12に示した時分割駆動を行う記録ヘッドで記録されるドット位置を主走査方向にずらしてレジ調整を行うときのドット配列を示した図である。図9と同様に、図13において、(A)はずらし量=0のとき、(B)はずらし量=+1/8ドットピッチ、(C)はずらし量=−1/8ドットピッチの場合のドット配列を表している。
【0079】
図13において、(A)の駆動ブロック順序はグループ0→グループ1→グループ2→グループ3→グループ4→グループ5→グループ6→グループ7→……、(B)はグループ7→グループ0→グループ1→グループ2→グループ3→グループ4→グループ5→グループ6→……、(C)はグループ1→グループ2→グループ3→グループ4→グループ5→グループ6→グループ7→グループ0→……である。
【0080】
一方、記録データ信号のずれ補正について、記録データ信号のずれ補正をプリンタ内で行って、シフトしたデータを記録ヘッドに送信するようにしても良いし、さらに、そのずれ補正をプリンタにデータを転送するホストのプリンタドライバで実現しても良いが、以上説明した実施形態のように記録ヘッド内の論理回路に記録データ信号のシフト機能を設けた場合には、プリンタ側やホスト側でのデータのずれ補正を行わなくとも、この補正を記録ヘッド内で行うことが可能なので、同じ装置に対して交換使用される記録ヘッドを用いる場合には、本発明は特に有効であるといえる。
【0081】
さらに、以上説明した実施形態では、駆動ブロック信号を全ノズル列に対して共通信号としているが、駆動ブロック順序の変更をプリンタで実現して、各ノズル列に別々の信号を送信するようにしても良い。
【0082】
さらにまた、以上説明した実施形態では、説明を簡単にするために、2列のノズル列を有した記録ヘッドについて説明した、例えば、キャリッジ方向に4列のノズル列をもった記録ヘッド、或は、4つの記録ヘッドをキャリッジ移動方向に並べた構成に本発明を適用することができることは言うまでもない。この場合、4つのノズル列或は4つの記録ヘッドからシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックインクを夫々吐出させることでカラー記録が実現できる。そして、本発明を適用することによって、4つのインクによって記録されるドットの微妙なレジ調整が行われ、色再現性に優れた高品位なカラー画像を記録することができる。
【0083】
これに加えて、同系色の濃度の異なるインクを吐出するためにさらに多くのノズル列や記録ヘッドを備えた場合にも本発明は適用することができ、この場合にはさらに階調表現性に優れた高品位なカラー画像を記録することができる。
【0084】
以上説明した実施形態では、記録要素列(ノズル列)を2列設けたものを例として説明したが1列の記録要素列をもつ構成でも良い。ただし、本発明は特に、複数の記録要素列間での相対的な位置の調整に有効である。
【0085】
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0086】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0087】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0088】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0089】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0091】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0092】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0093】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0094】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0095】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0096】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0097】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インタフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0098】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0099】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0100】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0101】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0102】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録装置からの特別な制御信号を送信しなくとも、メモリ回路に記憶されたずらし量に基づく値に従って、記録要素列内にあるブロックを駆動する順序を変えることにより、その記録要素列が並ぶ走査方向の記録解像度以下の値でレジストレーション調整ができるので、レジストレーションずれをほとんど無くすことができるという効果がある。
【0104】
これにより、記録される画像を品質を高品位にすることができる。
【0105】
特に、複数の記録要素列を有する記録ヘッドの場合、その製造上のレジ合わせ精度を緩和することができるという利点もある。さらには、記録ヘッド内でレジストレーション合わせが完結するので、記録ヘッドを搭載する記録装置側でのレジ合わせ機能が不要となり、装置構成の簡略化に資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】インクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】インクタンクとヘッドとが分離可能なインクカートリッジIJCの構成を示す外観斜視図である。
【図4】記録ヘッドIJHをインク吐出面から眺めた図である。
【図5】記録ヘッドIJHの論理回路の構成を示すブロック図である。
【図6】従来の記録ヘッドの論理回路の構成を示すブロック図である。
【図7】駆動ブロック信号(BENB0,1)をレジずれ量に従ってブロック選択信号(BLK0,1)に変換するときの変換表である。
【図8】記録ヘッドIJHで扱う各種制御信号のタイムチャートである。
【図9】インク液滴の記録媒体上での付着位置を主走査方向にずらしてレジ調整を行うときのドット配列を示した図である。
【図10】図9に示したドット配列の部分拡大図である。
【図11】1つの長い(ノズル数の多い)ノズル列を備えた記録ヘッドのノズル配置面を示す図である。
【図12】32個のノズルを8ノズルおきに4個ずつ8つのブロックに分割して、ブロック毎に時分割駆動して記録されるドットを示す図である。
【図13】図12に示した時分割駆動を行う記録ヘッドで記録されるドット位置を主走査方向にずらしてレジ調整を行うときのドット配列を示した図である。
【符号の説明】
IJH 記録ヘッド
1、1a、1b ノズル列
2 ノズル
103、103A−2〜3、103B−0〜3 8ビットシフトレジスタ(S/R)
104 8ビットラッチ回路(L/T)
105 8ビットドライバ
106 駆動ヒータ
107、110 2→4デコーダ
108 ヒューズ
109 ブロックエンコーダ
111−1〜3、112−1〜3 トライステートバッファ
Claims (15)
- 複数の記録要素列を有し、前記複数の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に時分割駆動して記録を行うことが可能な記録ヘッドであって、
前記記録要素列を被記録媒体に対して走査する走査方向の記録解像度以下の値のずらし量に基づく値を記憶する記憶回路と、
前記記憶回路に記憶された前記値に従って、駆動ブロック順序を変更する変更回路と、
前記変更回路によって変更された前記駆動ブロック順序に対応して遅延された複数の記録列に係る記録データを用いて、前記駆動ブロック順序で記録要素を駆動することで、他の記録要素列との間のレジストレーション合わせを行なって記録を行う記録回路とを有することを特徴とする記録ヘッド。 - 前記記録ヘッドには、前記走査方向に間隔を置いて複数の記録要素列が配されており、前記変更回路は前記複数の記録要素列の少なくとも1つの列の駆動ブロック順序を変更する回路であることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記複数の記録要素列は第1及び第2記録要素列を有することを特徴とする請求項2に記載の記録ヘッド。
- 前記ブロック分割は、前記第1及び第2の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素を並び順にN個づつブロック化することによって行うことを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記ブロック分割は、前記第1及び第2の記録要素列夫々を構成する複数の記録要素をM個とばしにK個づつブロック化することによって行うことを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記ブロック分割は、4分割、8分割、16分割、或は32分割を含むことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
- 前記第1及び第2の記録要素列夫々を構成する記録要素の並びは前記走査方向に斜交していることを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。
- 前記変更回路による駆動ブロック順序の変更に従って、前記記録要素列を構成する記録要素への記録データの出力を遅延させる遅延回路をさらに有することを特徴とする請求項1或いは3に記載の記録ヘッド。
- 前記記録ヘッドは、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の記録ヘッド。
- 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えていることを特徴とする請求項9に記載の記録ヘッド。
- 第3及び第4の記録要素列を前記第1及び第2の記録要素列に並んでさらに備え、
前記第1、第2、第3、及び、第4の記録要素列各々から、イエロインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクを吐出してカラー記録を行うことを特徴とする請求項3に記載の記録ヘッド。 - 前記第1及び第2の記録要素列夫々を単体の記録ヘッドとして構成したことを特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載の記録ヘッド。
- 請求項1乃至12のいずれかに記載の記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドを搭載して前記複数の記録要素列が並ぶ方向に往復走査させる走査手段と、
前記記録ヘッドに記録データを出力する出力手段とを有することを特徴とする記録装置。 - 複数の記録要素列を有する記録ヘッドの各記録要素列を構成する複数の記録要素を複数のブロックに分割し、各ブロック毎に時分割駆動して記録を行う記録装置であって、
前記記録ヘッドに、前記記録要素列が被記録媒体に対して走査される走査方向の記録解像度以下の値のずらし量に基づく値を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記値に従って、駆動ブロック順序を変更する変更手段とを有し、
前記変更手段によって変更された前記駆動ブロック順序に対応して遅延された複数の記録列に係る記録データを用いて、前記駆動ブロック順序で記録要素を駆動することで、他の記録要素列との間のレジストレーション合わせを行なって記録を行う記録手段を有することを特徴とする記録装置。 - 前記記録ヘッドは、前記変更回路による駆動ブロック順序の変更に従って、前記記録要素列を構成する各ブロックの記録要素への記録データの出力を遅延させる遅延回路をさらに有することを特徴とする請求項14に記載の記録装置。
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