JP3563922B2 - 放射線測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所、核燃料施設、病院などの放射線取扱施設で用いられる放射線測定装置に関し、特にβ線とγ線(X線を含むフォトンの意として用いる)とが混在している状態においてβ線及びγ線の線量又は線量当量を演算する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線取扱施設で従事する作業者の被曝管理上の要請から各種の線量計(線量当量計)が実用化されている。β線の線量を測定するβ線測定器においては、半導体検出器などで構成されるβセンサの検出面が例えば薄いアルミナイズドマイラで覆われている。これは静電気シールド及び光遮蔽のための部材として機能する。
【0003】
なお、特公平7−1305号公報及び特開平7−12939号公報には、互いに異なるエネルギー感度特性をもった複数のγセンサを備え、各計数値に基づいて入射γ線(X線)のエネルギーを推定し、かかる推定エネルギーに基づいて感度補正を行う放射線測定装置が開示されている。
【0004】
ところで、β線とγ線が混在している測定環境下において、上記のようにβセンサでβ線を測定しようとすると、同時にγ線の測定も行われてしまうことになる。すなわち、γ線(X線)は一般にβ線よりも透過力が強いために上記の薄いアルミナイズドマイラなどは簡単に透過してしまい、β線と共にγ線も検出される。このため、β線とγ線が混在している場所では、β線のみの線量や線量当量を演算するのが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、特開平9−21880号公報では、βセンサに混入したγ線の計数値をγセンサを利用して推定し、それをβセンサの計数値から減算することによって、β線のみの計数値を求める放射線測定装置が開示されている。この装置では、1つのβセンサと互いにエネルギー感度特性が異なる3つのγセンサとが設けられ、γセンサの計数値比から混入γ線のエネルギーが推定されている。そして、その推定エネルギーからγ線に対するβセンサの感度とγ線量とが推定され、これらによってβセンサに混入したγ線の計数値が推定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平9−21880号公報に記載された装置において、γ線とともに高エネルギーβ線が存在すると、その高エネルギーβ線がγセンサで計数されてしまい、その結果、混入γ線の計数値を見誤る可能性がある。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、β線とγ線の混在場において、β線又はγ線のみの線量や線量当量を正確に演算することができる放射線測定器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに異なるエネルギー感度特性をもった複数のβセンサと互いに異なるエネルギー感度特性をもった複数のγセンサとを有する検出部と、前記複数のγセンサの計数値を基準として、前記βセンサに混入した混入γ線の計数値を推定し、更に、前記βセンサの計数値から前記混入γ線の計数値を減算することにより仮β計数値を演算する仮β計数値演算手段と、前記複数のβセンサの計数値を基準として、前記γセンサに混入した混入β線の計数値を推定し、更に、前記γセンサの計数値から前記混入β線の計数値を減算することにより仮γ計数値を演算する仮γ計数値演算手段と、前記仮β計数値演算手段及び前記仮γ計数値演算手段の2回目以後の演算に際し、前記βセンサの計数値として前回の演算で求められた仮β計数値を利用させ、前記γセンサの計数値として前回の演算で求められた仮γ計数値を利用させる置換手段と、前記所定の判定条件が満たされた場合に、前記仮β計数値及び前記仮γ計数値を真の値とみなす判定手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の望ましい態様では、前記判定手段は、前記仮β計数値の繰り返し演算において繰り返し算出される推定γ線量が一定範囲内に収束した場合に、前記仮β計数値及び前記仮γ計数値を真の値とみなすことを特徴とする。
【0010】
上記構成において、混入γ線の計数値を推定する場合には、γセンサの計数値の相互比によってγエネルギーが推定され、そのγエネルギーに基づいてγセンサのγ感度が推定され、γセンサの計数値とγ感度とからγ線量(推定γ線量)が推定される。そして、γエネルギーに基づいてβセンサのγ感度が推定され、βセンサのγ感度とγ線量とから混入γ線の計数値が推定される。次に、βセンサの計数値から混入γ線の計数値を減算すれば仮β計数値を求められる。なお、仮γ線量を求める場合にも同様の手法が適用される。
【0011】
1回目の演算においては、仮β計数値演算手段及び仮γ計数値演算手段は実際の計数値に基づいて演算を行うが、2回目以後の演算時には、算出された仮β計数値及び仮γ計数値に基づいて演算を行う。このように1回の測定ごとに、演算を繰り返し行うことによって、推定精度の向上を期待できる。よって、例えば繰り返し算出されるγ線量の収束を目安として誤差が少なくなったことを判定できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき図面を用いて説明する。
【0013】
図1には、本発明に係る放射線測定装置の好適な実施形態が示されており、その図1は全体構成を示すブロック図である。この放射線測定装置は、放射線取扱い施設等で従事する作業者に装着して用いられる線量計(線量当量計)を構成するものである。もちろん、この放射線測定装置をエリアサーベイメータ等の他の装置に適用させることもできる。
【0014】
図1において、検出部10は、この実施形態において、2つのβセンサ12,13と、3つのγセンサ14,16,18と、で構成される。各センサ12,13,14,16,18はそれぞれ半導体検出器で構成される。βセンサ12の放射線検出面は、アルミナイズドマイラ膜20で覆われており、これによって静電気シールド及び光遮蔽がなされている。βセンサ13の放射線検出面は、例えば2mm程度の樹脂フィルタ21で覆われている。すなわち、2つのβセンサ12,13は互いにエネルギー感度特性が異なる。
【0015】
3つのγセンサ14,16,18も、それぞれ互いに異なるエネルギー感度特性を有する。このため、各γセンサ14,16,18の放射線検出面には、互いに異なるフィルタ22,24,26が配置されている。ここで、フィルタ22は例えば厚さ1mmのエポキシ樹脂層で構成され、フィルタ24は例えば厚さ0.4mmのチタン(Ti)で構成され、フィルタ26は、例えば0.5mmの鉛(Pb)で構成される。これらのフィルタ22,24,26は、β線に対しては遮蔽作用を有し、γ線を通過させる。但し、フィルタ22及び24は高エネルギーβ線に対してある程度の感度を有する。本実施形態において、フィルタ26は高エネルギーβ線に対して実質的に感度をもっていない。
【0016】
一方、上述したβセンサ12の放射線検出面に設けられているアルミナイズドマイラ膜20はβ線及びγ線の双方を通過させる。また、フィルタ21も同様である。よって、βセンサ12においてはβ線とγ線の双方が検出され、3つのγセンサ14,16(場合により18)では、γ線及び高エネルギーβ線が検出される。
【0017】
各センサ12,13,14,16,18と演算部28との間には、センサ側から、プリアンプ30,弁別器32及びカウンタ34が設けられている。ここで、プリアンプ30はセンサから出力された信号に対して増幅を行い、弁別器32はその増幅された信号に対して所定波高値以下のノイズを除去し、カウンタ34は弁別された信号(パルス)の計数を行う。
【0018】
演算部28は、例えばマイクロコンピュータ等で構成され、その演算部28には、βセンサ12のカウント値(計数値)Cβ1 (0)と、βセンサ13のカウント値Cβ2 (0)と、γセンサ14のカウント値Cγ1 (0)と、γセンサ16のカウント値Cγ2 (0)と、γセンサ18のカウント値Cγ3 (0)と、がそれぞれ入力されている。
【0019】
また、この演算部28には、βセンサ用γ感度テーブル36、γセンサ用β感度テーブル41、βセンサ用β感度テーブル38、γセンサ用γ感度テーブル40、γエネルギー推定テーブル42、βエネルギー推定テーブル43、線量当量換算係数テーブル44、表示器46及びプリンタ48がそれぞれ接続されている。
【0020】
図2には、βセンサ用γ感度テーブル36が有する感度特性が示されている。図2に示すグラフの横軸はγ線エネルギーEγであり、縦軸はレスポンス(相対感度)を示している。このようにβセンサ12は、γ線エネルギーEγに対して異なる感度を有する。なお、図2には、βセンサのγ線に対するレスポンスが示されており、感度(絶対感度)は、このレスポンスに対してレスポンス1での感度を乗算することにより求められる。
【0021】
図4には、γセンサ用β感度テーブル41が有する感度特性が示されている。図4に示すグラフの横軸はβエネルギーEβであり、縦軸は感度を示している。
図1に示したβセンサ用β感度テーブル38には、βセンサ12,13のβ線に対する感度が格納されており、後述するようにβ計数値から直接的に線量を求めるためには、線量当量に換算するためのβ感度が格納される。一方、β計数値からβ線量を求め、そのβ線量からβ線の線量当量を求める場合には、線量演算のための感度と、その求められた線量から線量当量を求めるための係数とが格納される。
【0022】
γセンサ用γ感度テーブル40には、この実施形態において、各γセンサ14,16,18のγ線に対するエネルギー感度特性が格納されている。後述するように、このγ感度テーブルは、少なくともγ線量の演算に当たって利用されるγセンサについて格納しておく必要がある。
【0023】
γエネルギー推定テーブル42には、図3に示すような関数が格納されている。図3に示すグラフの横軸はγ線エネルギーEγであり、その縦軸は計数値比を示している。図3における200は、計数値Cγ2と計数値Cγ1の比を示しており、202は計数値Cγ3と計数値Cγ1の比を示している、具体的なγ線エネルギーの推定方法については、後述する。
【0024】
βエネルギー推定テーブル43には、図5に示すような関数が格納されている。図5に示すグラフの横軸はβ線エネルギーEβであり、その縦軸は計数値比を示している。図5のグラフは、センサ13の計数値をセンサ12の計数値で割った比率を示している。
【0025】
図1の線量当量換算係数テーブル44は、γ線エネルギー及びβ線エネルギーに対する線量当量換算係数を格納したものであり、その線量当量換算係数は、γ線及びβ線に関して線量当量を求める際に参酌され、この実施形態では、その線量当量換算係数テーブル44に1cm線量当量、3mm線量当量及び70μm線量当量のそれぞれの線量当量換算係数が格納されている、なお、β線による70μm線量当量とγ線による70μm線量当量は加算されて、70μm線量当量として表示器46に表示される。この他、表示器46にはγ線による1cm線量当量や同じくγ線による3mm線量当量等が表示される。
【0026】
次に、図6、図7及び図8を用いて演算部28の動作について説明する。
【0027】
図6のS101において、検出部10にて放射線が検出される。これによってβセンサ12の計数値としてCβ1 (0)が得られ、βセンサ13の計数値としてCβ2 (0)が得られ、γセンサ14,16,18の計数値としてそれぞれCγ1 (0),Cγ2 (0),Cγ3 (0)が得られる。そして、演算の都合上、以下のように、Cβ1 (0)がCβ1に置換され、Cβ2 (0)がCβ2に置換され、Cγ1 (0)がCγ1に置換され、Cγ2 (0)がCγ2に置換され、Cγ3 (0)がCγ3に置換される。
【0028】
Cβ1 (0)→Cβ1
Cβ2 (0)→Cβ2
Cγ1 (0)→Cγ1
Cγ2 (0)→Cγ2
Cγ3 (0)→Cγ3
これらの計数値は、各カウンタ34の出力として演算部28に取り込まれる。なお、図1に示した実施形態では、3つのγセンサが用いられていたが、互いにエネルギー感度特性が異なる2つ以上のγセンサを用いればγ線のエネルギーを特定することが可能である。
【0029】
S102において、γ線の計数値Cγ1,Cγ2,Cγ3の相互比に基づいて、入射したγ線のエネルギー(γエネルギー)Eγが推定される。このS102では、図1のγエネルギー推定テーブル42が参照され、すなわち図3に示した特性に基づいてγ線エネルギーEγが特定される。具体的には、例えば、いまCγ2/Cγ1が0.5であった場合に、特性曲線200上で計数値比0.5のところを見ると(204参照)、その計数値比0.5はγ線エネルギーEγが30(keV)に対応することが分かるので(206参照)、このような計数値比に基づいてγ線エネルギーEγを特定する。この場合、γ線エネルギーEγが比較的小さい場合には、特性200が利用され、一方そのγ線エネルギーEγが比較的大きい場合には特性202が利用される。なお、エネルギーが異なる複数のγ線が入射した場合には、それらの平均値としてγ線エネルギーEγが特定されることになる。
【0030】
S103では、γセンサ用γ感度テーブル40が参照され、当該γ線エネルギーEγでの各センサ14,16,18のγ感度Sγ1,Sγ2,Sγ3が特定される。 そして、S104では、γセンサ14の計数値Cγ1をγセンサ14のγ感度Sγ1で割ることによって、すなわちCγ1/Sγ1を実行して、γ線量Dγを演算する。すなわち、このS104では、検出部10に入射したγ線の線量Dγが少なくともいずれかのγ計数値を用いて演算される。
【0031】
もちろん、3つのγセンサ14,16,18の各計数値Cγ1,Cγ2,Cγ3の全てを用いてγ線量Dγを演算することもできる。この場合には、重み付け係数をそれぞれa1,a2,a3として、各センサの計数値及び感度から求める線量に対して重み付け加算を行ってγ線量Dγを求める。
【0032】
S105では、S102で求められた入射γ線のエネルギーEγに基づいて、βセンサ12,13における当該γエネルギーEγでのγ感度Sβ1(γ),Sβ2(γ)を特定する。具体的には、図1のβセンサ用γ感度テーブル36が参照され、すなわち図2に示した感度特性が参照されてγ感度Sβ1(γ),Sβ2(γ)が特定される。なお、上述したようにβセンサのγ感度がレスポンスとして表されている場合には、そのレスポンスに所定の係数を乗算することによって感度(絶対感度)を算出する。
【0033】
なお、このS105は、S103やS104と平行して実行させることもでき、図においては便宜上一連のステップとして示されている。
【0034】
S106では、βセンサ12,13に入射したγ線(混入γ線)の計数値Cβ1(γ),Cβ2(γ)を推定する。具体的には、S104で求められて入射γ線の線量DγにS105で求められたβセンサ12,13のγ感度Sβ1(γ),Sβ2(γ)を乗算することによって混入γ線の計数値Cβ1(γ),Cβ2(γ)を推定する。
【0035】
S107では、以上のようにして混入γ線の寄与量がCβ1(γ),Cβ2(γ)として求められたので、実際にβセンサ12,13で求められた計数値Cβ1 (0),Cβ2 (0)から、推定された混入γ線の計数値Cβ1(γ),Cβ2(γ)を減算して、β線のみの仮の計数値Cβ1’,Cβ2’を推定する。
【0036】
Cβ1’=Cβ1 (0)−Cβ1(γ)
Cβ2’=Cβ2 (0)−Cβ2(γ)
すなわち、γ線のエネルギーと線量とが上述のようにして算出されたので、そのγ線のエネルギーと線量とからβセンサ12,13におけるγ線による計数値分を推定して、それをβセンサ12,13のトータルの計数値から減算することにより、β線のみの計数値Cβ1’,Cβ2’を求めている。
【0037】
以上のS101〜S107の工程によって、特開平9−21880号に開示された手法と同様の手法で、β線のみの計数値Cβ1’,Cβ2’が推定されているが、高エネルギーβ線が存在している場合、混入γ線の線量の推定に誤差が多くなる。 そこで、本実施形態では、S109〜S114において、γ線のみの計数値Cγ1’,Cγ2’,Cγ3’を推定している。S109〜S114は、混入β線を除外する手法に関し、S102〜S107と同様の処理を行うものである。
【0038】
S109において、βセンサの計数値Cβ1’,Cβ2’の比に基づいて、入射したβ線の平均エネルギー(βエネルギー)Eβが推定される。このS109では、図1のβエネルギー推定テーブル43が参照され、すなわち図5に示した特性に基づいてβ線エネルギーEβが特定される。
【0039】
S110では、βセンサ用β感度テーブル38が参照され、当該β線エネルギーEβでの各センサ12,13のβ感度Sβ1,Sβ2が特定される。
【0040】
S111では、βセンサ12の計数値Cβ1’(S107参照)をβセンサ12のβ感度Sβ1で割ることによって、すなわちCβ1’/Sβ1を実行して、β線量Dβを演算する。すなわち、検出部10に入射したβ線の線量Dβが少なくともいずれかのβ計数値を用いて演算される。
【0041】
もちろん、2つのβセンサ12,13の各計数値Cβ1’,Cβ2’の全てを用いてβ線量Dβを演算することもできる。この場合には、重み付け係数をそれぞれb1,b2として、各センサの計数値及び感度から求める線量に対して重み付け加算を行ってβ線量Dβを求める。
【0042】
S112では、S109で求められた入射β線のエネルギーEβに基づいて、γセンサ14,16,18における当該βエネルギーEβでの感度Sγ1(β),Sγ2(β),Sγ3(β)を特定する。具体的には、図1のγセンサ用β感度テーブル41が参照され、すなわち図4に示した感度特性が参照されてβ感度Sγ1(β),Sγ2(β),Sγ3(β)が特定される。
【0043】
S113では、γセンサ14,16,18に入射した高エネルギーβ線(混入β線)の計数値Cγ1(β),Cγ2(β),Cγ3(β)を推定する。具体的には、S111で求められた入射β線の線量DβにS110で求められたγセンサ14,16,18の感度Sγ1,Sγ2,Sγ3を乗算することによって、混入β線の計数値Cγ1(β),Cγ2(β),Cγ3(β)を推定する。
【0044】
S114では、以上のようにして混入β線の寄与量がCγ1(β),Cγ2(β),Cγ3(β)として求められたので、以下のように、実際にγセンサ14,16,18で求められた計数値Cγ1 (0),Cγ2 (0),Cγ3 (0)から、推定された混入β線の計数値Cγ1(β),Cγ2(β),Cγ3(β)を減算して、γ線のみの計数値Cγ1’,Cγ2’,Cγ3’を推定する。
【0045】
Cγ1’=Cγ1 (0)−Cγ1(β)
Cγ2’=Cγ2 (0)−Cγ2(β)
Cγ3’=Cγ3 (0)−Cγ3(β)
図8に示すS116では、上記のように今回演算されたDγと前回演算されたDγとを比較して、演算精度を推定する。ちなみに、上記演算は少なくとも2回実行され、1回目の演算時にはDγ=0である。
【0046】
それらの差分が一定範囲内に入っている場合には、S117において一致を判定する。一方、S117において、一致判定が得られなければ、S119において、計数値が置換される。具体的には、以下のような置換が行われる。
【0047】
Cγ1’→Cγ1
Cγ2’→Cγ2
Cγ3’→Cγ3
その置き換え後に、上記のS102からの各工程が繰り返し実行される。
【0048】
そして、上記の繰り返しにより、S117において一致判定が得られる場合、あるいは所定の上限回数まで演算が実行された場合、その時点のDγ及びDβを利用して線量当量が演算される。上記のような繰り返し演算によれば、次第に誤差分を小さくして真の値に近い値を得ることができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、β線とγ線が混在している状況において、γ線やβ線の線量や線量当量を正確に演算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放射線測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】βセンサのγ感度を示す特性図である。
【図3】各γセンサの計数値比をγ線エネルギーとの関係で示す特性図である。
【図4】各γセンサのβ感度を示す特性図である。
【図5】各βセンサの計数値比をβ線エネルギーとの関係で示す特性図である。
【図6】装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 検出部、12,13 βセンサ、14,16,18 γセンサ、28 演算部、36 βセンサ用γ感度テーブル、38 βセンサ用β感度テーブル、40 γセンサ用γ感度テーブル、41 γセンサ用β感度テーブル、42 γエネルギー推定テーブル、43 βエネルギー推定テーブル。
Claims (2)
- 互いに異なるエネルギー感度特性をもった複数のβセンサと互いに異なるエネルギー感度特性をもった複数のγセンサとを有する検出部と、
前記複数のγセンサの計数値を基準として、前記βセンサに混入した混入γ線の計数値を推定し、更に、前記βセンサの計数値から前記混入γ線の計数値を減算することにより仮β計数値を演算する仮β計数値演算手段と、
前記複数のβセンサの計数値を基準として、前記γセンサに混入した混入β線の計数値を推定し、更に、前記γセンサの計数値から前記混入β線の計数値を減算することにより仮γ計数値を演算する仮γ計数値演算手段と、
前記仮β計数値演算手段及び前記仮γ計数値演算手段の2回目以後の演算に際し、前記βセンサの計数値として前回の演算で求められた仮β計数値を利用させ、前記γセンサの計数値として前回の演算で求められた仮γ計数値を利用させる置換手段と、
前記所定の判定条件が満たされた場合に、前記仮β計数値及び前記仮γ計数値を真の値とみなす判定手段と、
を含むことを特徴とする放射線測定装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記判定手段は、前記仮β計数値の繰り返し演算において繰り返し算出される推定γ線量が一定範囲内に収束した場合に、前記仮β計数値及び前記仮γ計数値を真の値とみなすことを特徴とする放射線測定装置。
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