JP3563277B2 - 内燃機関用燃料供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車における内燃機関用燃料供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関用燃料供給装置(単に、燃料供給装置ともいう。)には、燃料タンクに取り付けるための合成樹脂製のブラケットと、ブラケットに組み込まれたフロートバルブを主体として構成されるフューエルカットオフバルブとを備え、燃料タンク内の燃料を内燃機関への燃料供給ラインに送給するものがある(例えば、特開平10−47188号公報参照)。
【0003】
フューエルカットオフバルブ13の周辺部の構成について、図11の断面図、図12の平面図、図13の底面図を参照して述べる。ブラケット5は、ほぼ平板形状をなしており、フューエルカットオフバルブ13のバルブハウジング14が一体成形されている。バルブハウジング14は下面を開口するほぼ円筒形状に形成されている。
【0004】
バルブハウジング14の上面を閉塞する上壁には、径方向(図11において左右方向)に延びる接続管14aが一体成形されている。なお、接続管14aの外端部(図11において右端部)に図示しないキャニスタが連通される。
【0005】
バルブハウジング14の上壁には、バルブハウジング14の内部空間部と接続管14aの管路とを連通するほぼ円筒形状のシート部50、およびシート部50と隣接するほぼ円筒形状の取り付け筒部60とが一体成形されている。シート部50の下端面には、後述するフロートバルブ25によって開閉されるテーパー孔形状の弁座51が形成されている。なお、図12のXIV−XIV線断面図が図14、図13のXV−XV線断面図が図15に示されている。
【0006】
図11に示すように、取り付け筒部60には、その下面開口からリリーフバルブ21を構成するコイルスプリング72と、弁ボールからなる弁体74が組み込まれ、さらに、弁体74によって開閉される弁座71を上端面に有するほぼ円筒形状のストッパ70が圧入されている。
【0007】
フューエルカットオフバルブ13のバルブハウジング14内には、その下面開口からシート部50の弁座51を開閉するフロートバルブ25とバランスばね26が組み込まれ、さらに、その下面開口を塞ぐ蓋板27が取り付けられている。
【0008】
上記のように構成されたリリーフバルブ組込み型のフューエルカットオフバルブ13は、通常時はフロートバルブ25がシート部50の弁座51を開くことにより燃料タンク(図示省略)内の蒸発ガスをキャニスタへ排出し、ときに車両の傾斜、転倒時においてはフロートバルブ25がシート部の弁座51を閉じることにより生燃料のキャニスタへの流出を阻止する。
【0009】
また、リリーフバルブ21は、燃料タンク内の燃料液面が上昇し、バルブハウジング14内のフロートバルブ25上の圧力上昇が大となるときに開弁し、圧力を接続管14aへ逃がすことにより、圧力が過大になることを防止するとともに、それによるフロートバルブ25の破損を防止する。また、フロートバルブ25が閉弁状態で燃料タンク内の圧力が規定以上に上昇した場合には、燃料タンクの保護のために開弁して圧力を下げる働きがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記した内燃機関用燃料供給装置では、前に述べたように、フロートバルブ25によって開閉される弁座51を有するシート部50が合成樹脂製のブラケット5に一体成形されている。さらに、シート部50の弁座51を除いた有効突出高さH(図14参照)が約3mm程度に設定されていた。前記有効突出高さHは、一般的に、小さくすることによって燃料タンク内への燃料の充填によるフロートバルブ25の閉弁位置を高い位置として、燃料充填量の増量すなわちタンク容積の有効利用を図っている。
【0011】
上記した従来例のように、シート部50の有効突出高さHが低いと、ブラケット5の樹脂成形時に生じる「ひけ」が発生しやすかった。これにより、シート部50ひいては弁座51に変形、具体的には弁座51の真円度の悪化をきたすことがあり、このため工程内での歩留まりが悪いという問題があった。なお、弁座51の真円度の悪化は、フロートバルブ25の閉弁時におけるシール性の低下を招き、燃料の洩れ量を増加させてしまうため避けなければならない。
【0012】
また、リリーフバルブ21のための取り付け筒部60をシート部50に隣接して設けているため、ブラケット5の樹脂成形時に生じる「ひけ」により取り付け筒部60にも「ひけ」による変形をきたすことがある。すると、取り付け筒部60に対するストッパ70の圧入の際に、取り付け筒部60によってストッパ70が変形させられることにより、弁座71が影響を受けてしまい、その弁座71の真円度の悪化を招くことになり、これまた工程内での歩留まりが悪化することになっている。
【0013】
ちなみに、フューエルカットオフバルブ13内にリリーフバルブ21を組み込むことによる利点は、リリーフバルブ21とフロートバルブ25を別部品で設ける必要がなく、キャニスタ17への接続管14aを共有できることによる構造の簡素化にある。さらに、前にも述べたように、燃料タンク内の燃料液面が上昇した時、フューエルカットオフバルブ13内のフロートバルブ25上の圧力上昇が大となるが、このときリリーフバルブ21が開弁することにより、燃料タンク内圧力が過大になることを防止するとともに、フロートバルブ25の破損を防止するにも有効であること等が挙げられる。
【0014】
本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、ブラケットの樹脂成形時のひけによるシート部の弁座の変形を防止し、フューエルカットオフバルブのシール性を向上するとともに工程内での歩留まりを向上することのできる内燃機関用燃料供給装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する請求項1の発明は、
燃料タンクに取り付けるための合成樹脂製のブラケットと、
前記ブラケットに組み込まれたフロートバルブを主体として構成されるフューエルカットオフバルブと
を備え、
前記燃料タンク内の燃料を内燃機関への燃料供給ラインに送給する内燃機関用燃料供給装置であって、
前記フロートバルブによって開閉される弁座を有するシート部を前記ブラケットに一体成形し、
前記シート部の弁座を除いた有効突出高さを、前記ブラケットの樹脂成形時のひけによる該シート部の弁座への影響が回避される高さ以上に設定し、
さらに、前記フューエルカットオフバルブ内に組み込まれたリリーフバルブの弁体によって開閉される弁座を有するストッパを、前記ブラケットに一体成形された取り付け筒部に圧入し、
前記ストッパには、前記取り付け筒部内に圧入される圧入部と、前記弁座を含みかつ前記取り付け筒部に遊挿される遊挿部を設けるとともに、前記圧入部と遊挿部との間においてその圧入部の変形を吸収可能な変形吸収部を設けた
内燃機関用燃料供給装置である。
このように構成すると、シート部の弁座を除いた有効突出高さを、ブラケットの樹脂成形時のひけによる該シート部の弁座への影響が回避される高さ以上に設定したことにより、ブラケットの樹脂成形時のひけによるシート部の弁座の変形を防止して、フューエルカットオフバルブのシール性を向上するとともに工程内での歩留まりを向上することができる。
さらに、フューエルカットオフバルブ内に組み込まれたリリーフバルブの弁体によって開閉される弁座を有するストッパを、前記ブラケットに一体成形された取り付け筒部に圧入し、
前記ストッパには、前記取り付け筒部内に圧入される圧入部と、前記弁座を含みかつ前記取り付け筒部に遊挿される遊挿部を設けるとともに、前記圧入部と遊挿部との間においてその圧入部の変形を吸収可能な変形吸収部を設けている。これにより、仮に、取り付け筒部がブラケットの樹脂成形時のひけで変形した場合には、前記取り付け筒部にストッパを圧入した際の圧入部の変形が前記変形吸収部で吸収されることにより、前記変形が前記遊挿部に及ぶことを防止することができる。したがって、ストッパの弁座の変形を防止することができ、リリーフバルブのシール性を向上するとともに工程内での歩留まりの向上に有効である。
【0018】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態1について図面を参照して説明する。なお、従来例と同様の部位には同一符号を付すことにする。
【0019】
内燃機関用燃料供給装置の断面図を示した図1において、内燃機関用燃料供給装置は、ケース1に燃料ポンプ2、燃料フィルター3、プレッシャーレギュレーター4等を収容し、そのケース1にブラケット5を取り付けることによりモジュール化したもので、1モジュール単位で燃料タンク6(図は取り付け部分を示す。)に取り付けられる。
【0020】
ケース1は、合成樹脂製で、ほぼ有底円筒状をなしている。そのケース1の上面に取り付けられるブラケット5は、合成樹脂製で、ケース1の上面開口を覆うほぼ円板状をなしている。ブラケット5は、燃料タンク6の上面の開口孔6aを塞ぐようにパッキン43を介して載置される。ブラケット5の周縁部は、燃料タンク6にボルト(図示省略)により締着される押え枠板7により挟着される。燃料タンク6と押え枠板7との間には、パッキン43の圧縮率を規定範囲内に保つためのリテーナ12が介在される。
【0021】
前記ブラケット5の下面には、前記ケース1の上縁部に嵌入する嵌合筒部5aが一体成形されている。ブラケット5の嵌合筒部5aとケース1の上縁部との嵌合面には、相互に係合可能な係合突起9と係合孔10とによる係合手段が円周上に複数組配置されている。本例の場合、係合突起9がブラケット5の嵌合筒部5aに形成され、また係合孔10がケース1の上縁部に形成されている。前記ケース1に対するブラケット5の取り付けに際しては、ブラケット5の嵌合筒部5aをケース1の上縁部に嵌入する。すると、ケース1の上縁部の弾性変形を利用して係合突起9が係合孔10と係合することによって、ケース1にブラケット5が取り付けられる。
【0022】
前記ケース1の中央部に燃料ポンプ2が垂立状に収納されている。燃料ポンプ2は、前記ケース1に取り付けた取り付けステー34に対しクッションラバー33を介して弾性的に支持されている。燃料ポンプ2は、その底部のポンプ入口フィルター31から前記燃料タンク6内の燃料を吸入しかつ昇圧して上端部の燃料吐出ポート32から吐出する。なお、燃料ポンプ2より引き出されたハーネス35は、後述するブラケット5のコネクタ29のターミナル28(図4参照)と電気的に接続されている。
【0023】
前記燃料ポンプ2の燃料吐出ポート32には、ほぼ円筒型の燃料フィルター3の燃料流入口38が筒状のクッションラバー39を介して接続されている。燃料フィルター3は、前記ケース1を兼用するフィルターケース(符号省略)内にフィルターエレメント40を収容している。燃料フィルター3の燃料流出口42からは、前記フィルターエレメント40を外周側から内周側に通過することによりろ過された燃料が流出する。なお燃料流出口42には、後述するブラケット5の燃料出口管11がシール状態で接続される。
【0024】
また、燃料フィルター3の上面にプレッシャーレギュレーター4が設置されている。プレッシャーレギュレーター4は、燃料フィルター3から吐出する燃料の圧力すなわち内燃機関への燃料の供給圧力を所定圧に制御する。
【0025】
次に、ブラケット5について説明する。図3にブラケットの平面図、図4に同底面図が示されている。図3および図4において、ブラケット5には、コネクタ29、燃料出口管11、バルブハウジング14等が一体成形されている。なお、ブラケット5の樹脂材料としては、例えばポリオキシルメチレン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。また、ブラケット5の樹脂成形法としては、例えば射出成形法が挙げられる。
【0026】
コネクタ29は、燃料タンク6の外部の配線側接続用コネクタ(図示省略)が接続されるターミナル28を有している。ターミナル28には、前記燃料ポンプ2のハーネス35(図1参照)が電気的に接続されている。
【0027】
前記燃料出口管11は、図1に示すように、ブラケット5を上下方向に貫通する管路を形成している。燃料出口管11の下端部は、前にも述べたように、前記燃料フィルター3の燃料流出口42とシール状態で接続されている。燃料出口管11の上端部には、エルボ型接続管45がシール状態で接続されている。エルボ型接続管45には、内燃機関におけるフューエルインジェクタのデリバリパイプ(図示省略)とつながる燃料供給ライン15が接続される。
【0028】
続いて、ブラケット5におけるフューエルカットオフバルブ13の周辺部の構成について詳述する。図2にフューエルカットオフバルブ13の周辺部の断面図、図5にフューエルカットオフバルブ13のバルブハウジング14の底面図が示されている。フューエルカットオフバルブ13のバルブハウジング14は下面を開口するほぼ円筒形状に形成されている。バルブハウジング14の内周面には、軸方向に延びる複数本の案内凸条14bが周方向に等間隔で形成されている(図5参照)。案内凸条14bは、後述するフロートバルブ25(図2参照)の上下動を案内する。
【0029】
図2に示すように、前記バルブハウジング14の上面を閉塞する上壁には、径方向(図2において左右方向)に延びる接続管14aが一体成形されている。接続管14aの一端面(図2において左端面)は、前記バルブハウジング14の側壁部とほぼ連続する壁部(符号省略)によって閉塞されている。また、接続管14aの他端部(図2において右端部)は前記バルブハウジング14の側壁部より突出しており、その先端部にはキャニスタ17と連通する接続ホース18が接続される。
【0030】
前記バルブハウジング14の上壁には、バルブハウジング14の内部空間部と前記接続管14aの管路とを連通するほぼ円筒形状のシート部50、および、前記シート部50と隣接するほぼ円筒形状の取り付け筒部60とが一体成形されている。シート部50は、バルブハウジング14の軸心部に位置している。前記シート部50の下端面には、後述するフロートバルブ25によって開閉されるテーパー孔形状の弁座51が形成されている。なお、図3のVI−VI線断面図が図6に示されている。
【0031】
図6に示すように、前記シート部50の弁座51を除いた有効突出高さHは、5mm以上、例えば6mmに設定されている。前記有効突出高さHは、従来例(図14参照)の約3mmと比べて大きいものとなっている。さらに、前記ブラケット5におけるシート部50を含む周辺部がシート部50の反突出方向へ凹設されることにより、前記シート部50の回りに肉盗み部52が設けられている。前記肉盗み部52の深さdは、例えば3.5mmに設定されており、ブラケット5の下面に対する弁座51の位置が従来例(図14参照)とほぼ同等の位置とされている。
【0032】
前記シート部50に隣接する取り付け筒部60は、図2に示すように、前記バルブハウジング14の側壁部を共用するほぼ円筒形状に形成されている。図5のVII−VII線断面図を示した図7において、取り付け筒部60の内周面は、小径孔60a、中径孔60bおよび大径孔60cを有する下方広がり状の段付き孔形状に形成されている。前記中径孔60bが後述するストッパ70の圧入部702が圧入される取り付け孔(中径孔60bと同一符号を付す。)60bとなっている。小径孔60aの内周面には、軸方向に延びる複数本の案内凸条61が周方向に等間隔で形成されている。案内凸条61は、後述する弁体74(図2参照)の上下動を案内する。また、前記接続管14aの管路上壁面には、前記取り付け筒部60と同一軸線上に位置する円環形状のばね受け溝部19が形成されている。
【0033】
図2に示すように、前記取り付け筒部60内には、その下面開口からリリーフバルブ21を構成するコイルスプリング72と、弁ボールからなる弁体74が組み込まれ、さらに、前記弁体74によって開閉される弁座71を上端面に有するほぼ円筒形状のストッパ70が圧入されている。なお、ストッパ70とコイルスプリング72と弁体74を主体としてリリーフバルブ21が構成されている。
【0034】
詳しくは、前記コイルスプリング72は、その上端部が前記ばね受け溝部19に嵌入されているとともに、その下端面が弁体74に弾性をもって当接されている。また、前記弁体74は、前記取り付け筒部60の小径孔60a(図7参照)内において上下動可能であり、常には前記コイルスプリング72の付勢によってストッパ70の弁座71に当接して閉弁状態に保たれる。なお前記弁体74は、バルブハウジング14内の後述するフロートバルブ25上の圧力上昇が大となるとき、あるいは燃料タンク6内の圧力が規定以上に上昇するときに、前記コイルスプリング72の付勢に抗して押し上げられることにより開弁して前記圧力を接続管14aへ逃がす。
【0035】
ストッパ70の断面図を示した図8において、ストッパ70の外周面は、小径面70a、中径面70bおよび大径面70cを有する下方広がり状の段付き面形状に形成されている。前記弁座71および小径面70aを含む円筒部分が前記取り付け筒部60の取り付け孔60bに遊挿される遊挿部701とされている。また、前記中径面70bを含む円筒部が前記取り付け筒部60の取り付け孔60bに圧入される圧入部702とされている。また、前記大径面70cを含む円筒部が前記取り付け筒部60の大径孔60cに嵌入したときにその大径孔60cの上端面に当接されるフランジ部703とされている。さらに、前記圧入部702と遊挿部701との間には、その外周面に環状の切り欠き溝70dを形成することによって、変形しやすい変形吸収部704が設けられている。
【0036】
前記ストッパ70は、前にも述べたように、前記取り付け筒部60内に挿入されて圧入部702が取り付け筒部60の取り付け孔60bに圧入されることによって取り付け筒部60に挿着されている。
【0037】
図2において、前記バルブハウジング14内には、その下面開口から前記シート部50の弁座51を開閉するフロートバルブ25とバランスばね26が組み込まれ、さらに、その下面開口を塞ぐ蓋板27が取り付けられている。なお、フロートバルブ25とバランスばね26とシート部50を主体としてフューエルカットオフバルブ13が構成されている。
【0038】
詳しくは、フロートバルブ25は、ほぼ円柱形状をなしており、その上端部に前記シート部50の弁座51を開閉可能なほぼ円錐形状の弁部25aを有している。フロートバルブ25は、通常時は、シート部50の弁座51を開くことにより燃料タンク6内の蒸発ガスをシート部50、接続管14a、接続ホース18を通じてキャニスタ17へ排出し、車両の傾斜、転倒時においてはシート部50の弁座51を閉じることにより生燃料のキャニスタ17への流出を阻止する。なお、フロートバルブ25には空洞部25bが適宜形成されている。
【0039】
バランスばね26には、フロートバルブ25の閉弁動作を適正化する付勢力が付与されている。また、蓋板27の上面には、前記バルブハウジング14の下縁部に嵌入する突起部27aが一体成形されている。蓋板27の突起部27aとバルブハウジング14の下縁部との嵌合面には、相互に係合可能な係合突起80と係合孔81とによる係合手段が円周上に複数組配置されている。本例の場合、係合突起80が蓋板27の突起部27aに形成され、また係合孔81がバルブハウジング14の下縁部に形成されている。前記バルブハウジング14に対する蓋板27の取り付けに際しては、蓋板27の突起部27aをバルブハウジング14の下縁部に嵌入する。すると、バルブハウジング14の下縁部の弾性変形を利用して係合突起80が係合孔81と係合することによって、バルブハウジング14に蓋板27が取り付けられる。
【0040】
上記内燃機関用燃料供給装置において、エンジンの運転にともない、燃料ポンプ2が作動すると、燃料タンク6内の燃料がポンプ入口フィルター31を通して吸入し昇圧される。そして燃料ポンプ2の燃料吐出ポート32から吐出する燃料は、燃料フィルター3のフィルターエレメント40を通して燃料流出口42、ブラケット5の燃料出口管11、エルボ型接続管45を通じ、燃料供給ライン15へと送給される。その送給される燃料の圧力は、プレッシャーレギュレーター4によって常に一定になるように調整される。なお、燃料の流れを図1に矢印で示した。
【0041】
また、リリーフバルブ組込み型のフューエルカットオフバルブ13は、前にも述べたように、通常時はフロートバルブ25がシート部50の弁座51を開くことにより燃料タンク6内の蒸発ガスをキャニスタ17へ排出し、ときに車両の傾斜、転倒時においてはフロートバルブ25がシート部50の弁座51を閉じることにより生燃料のキャニスタ17への流出を阻止する。
【0042】
また、前記リリーフバルブ21は、前にも述べたように、燃料タンク6内の燃料液面が上昇し、バルブハウジング14内のフロートバルブ25上の圧力上昇が大となるときに開弁し、前記圧力を接続管14aへ逃がすことにより、前記圧力が過大になることを防止するとともに、それによるフロートバルブ25の破損を防止する。また、フロートバルブ25が閉弁状態で燃料タンク6内の圧力が規定以上に上昇した場合には、燃料タンク6の保護のために開弁して圧力を下げる働きがある。
【0043】
上記内燃機関用燃料供給装置によれば、ブラケット5に一体成形されるシート部50の弁座51を除いた有効突出高さH(図6参照)を5mm以上、例えば6mmに設定している。これにより、ブラケット5の樹脂成形時のひけがシート部50の弁座51へ影響を及ぼすことを回避できることにより、シート部50の弁座51の変形を防止して、フューエルカットオフバルブ13のシール性を向上するとともに工程内での歩留まりを向上することができる。なお、前記有効突出高さHは、種々の試験結果に基づいて、4mm以下であるとブラケット5の樹脂成形時に生じる「ひけ」が発生しやく、5mm以上であると前記「ひけ」がほとんど発生しないことが確認された。
【0044】
また、図6に示すように、ブラケット5におけるシート部50を含む周辺部をシート部50の反突出方向(図6において上方)へ凹設し、前記シート部50の回りに肉盗み部52を設けている。これにより、シート部50の有効突出高さHを高く設定すると同時に、弁座51の位置を高い位置とすることができ、タンク容積の有効利用を図ることができる。また、ブラケット5にシート部50と隣接して取り付け筒部60を一体成形する場合に、シート部50と取り付け筒部60との間に肉盗み部52が設けられることにより、シート部50と取り付け筒部60との相互間に生ずるひけの発生も防止することができる。
【0045】
また、フューエルカットオフバルブ13内に組み込まれたリリーフバルブ21の弁体74によって開閉される弁座71を有しかつ前記ブラケット5に一体成形された取り付け筒部60に圧入されるストッパ70に、前記取り付け筒部60に圧入される圧入部702と、前記弁座71を含みかつ前記取り付け筒部60に遊挿される遊挿部701を設けるとともに、前記圧入部702と遊挿部701との間にその圧入部702の変形を吸収可能な変形吸収部704を設けている(図8参照)。これにより、仮に、取り付け筒部60がブラケット5の樹脂成形時のひけで変形した場合には、前記取り付け筒部60にストッパ70を圧入した際に、前記圧入部702に変形をきたすが、その圧入部702の変形が変形吸収部704で吸収されることにより、前記変形が遊挿部701に及ぶことを防止することができる。したがって、ストッパ70の弁座71の変形を防止することができ、リリーフバルブ21のシール性を向上するとともに工程内での歩留まりの向上に有効である。
【0046】
〔実施の形態2〕
実施の形態2について図9および図10を参照して説明する。実施の形態2は、従来例の一部を変更したものであるからその変更部分について詳述する。図9はフューエルカットオフバルブの周辺部の平面図、図10は図9のX−X線断面図である。実施の形態2は、従来例におけるブラケット5に一体成形されるシート部50の弁座51を除いた有効突出高さHを5mm以上、例えば6mmに設定したものである。このように構成した場合でも、ブラケット5の樹脂成形時のひけがシート部50の弁座51へ影響を及ぼすことを回避できることにより、シート部50の弁座51の変形を防止して、フューエルカットオフバルブ13のシール性を向上するとともに工程内での歩留まりを向上することができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、ストッパ70の圧入部702と遊挿部701との間の外周面に形成した切り欠き溝70dは、周方向に連続するものに限らず、周方向に断続的に形成してもよいし、あるいは径方向に貫通する孔形状としても良い。
【0048】
【発明の効果】
本発明の内燃機関用燃料供給装置によると、ブラケットの樹脂成形時のひけによるシート部の弁座の変形を防止して、フューエルカットオフバルブのシール性を向上するとともに工程内での歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す燃料供給装置の断面図である。
【図2】フューエルカットオフバルブの周辺部の断面図である。
【図3】ブラケットの平面図である。
【図4】ブラケットの底面図である。
【図5】フューエルカットオフバルブのバルブハウジングの底面図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】図5のVII−VII線断面図である。
【図8】ストッパの断面図である。
【図9】実施の形態2を示すフューエルカットオフバルブの周辺部の平面図である。
【図10】図9のX−X線断面図である。
【図11】従来例を示すフューエルカットオフバルブの周辺部の断面図である。
【図12】フューエルカットオフバルブのバルブハウジングの平面図である。
【図13】同、底面図である。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図である。
【図15】図13のXV−XV線断面図である。
【符号の説明】
5 ブラケット
6 燃料タンク
13 フューエルカットオフバルブ
15 燃料供給ライン
21 リリーフバルブ
25 フロートバルブ
50 シート部
51 弁座
52 肉盗み部
70 ストッパ
701 遊挿部
702 圧入部
704 変形吸収部
71 弁座
74 弁体
H 有効突出高さ
Claims (1)
- 燃料タンクに取り付けるための合成樹脂製のブラケットと、
前記ブラケットに組み込まれたフロートバルブを主体として構成されるフューエルカットオフバルブと
を備え、
前記燃料タンク内の燃料を内燃機関への燃料供給ラインに送給する内燃機関用燃料供給装置であって、
前記フロートバルブによって開閉される弁座を有するシート部を前記ブラケットに一体成形し、
前記シート部の弁座を除いた有効突出高さを、前記ブラケットの樹脂成形時のひけによる該シート部の弁座への影響が回避される高さ以上に設定し、
さらに、前記フューエルカットオフバルブ内に組み込まれたリリーフバルブの弁体によって開閉される弁座を有するストッパを、前記ブラケットに一体成形された取り付け筒部に圧入し、
前記ストッパには、前記取り付け筒部内に圧入される圧入部と、前記弁座を含みかつ前記取り付け筒部に遊挿される遊挿部を設けるとともに、前記圧入部と遊挿部との間においてその圧入部の変形を吸収可能な変形吸収部を設けた
内燃機関用燃料供給装置。
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JP33317398A JP3563277B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 内燃機関用燃料供給装置 |
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JP33317398A JP3563277B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | 内燃機関用燃料供給装置 |
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