JP3561950B2 - 多孔質セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の属する技術分野
この発明は,例えば,排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタに適用できる多孔質セラミックス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、SiCを主成分とした多孔質セラミックスは、SiC粒子と焼結助材を混合した原料を成形体に成形し、該成形体を焼成して焼結多孔体を作製する。その作製工程において、発泡材や原料粒子径の調整により気孔径及び配合量を調整している。焼結多孔体の作製としては、押し出し成形等の成形によってマクロ細孔を形成し、ハニカム形状等を有した焼結多孔体に形成したり、SiC繊維をフェルト状に固めて焼結多孔体を作製したり、或いは、SiCウィスカーのプリフォームを作製して焼結多孔体を作製する。
【0003】
また、特開平1−133988号公報には、網目状シリカウィスカー・セラミックス多孔質体複合体の製造方法が開示されている。該網目状シリカウィスカー・セラミックス多孔質体複合体の製造方法は、金属珪素粉末をセラミックス多孔体マトリックスに含浸させた成形体を、水蒸気露点25℃以下の酸素、水蒸気又は過酸化水素を含有する還元性雰囲気ガスによって焼成したものである。
【0004】
また、特開平1−197375号公報には、多孔質体及び多孔質体製造方法が開示されている。該多孔質体は、複数の孔を枠材によって形成する多孔支持枠と、前記各孔のほぼ全内周面にわたって密生し、前記各孔の全開口部を覆う針状体とを備えているものである。該多孔質体の製造方法は、複数の孔を備えた多孔支持枠を形成する耐熱性の枠材の表面に、ケイ素又はケイ素とアルミニウムとの混合物から成る原料粒子を被着し、被着後の多孔支持枠を窒素ガスを含む還元性ガス又は水蒸気を含む水素ガスのガス雰囲気中で温度1200℃〜1370℃、少なくとも1時間焼成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、SiCを主成分とした多孔質セラミックスは、SiC粒子と焼結助剤を混合した原料を成形した成形体を焼成してSiC焼結多孔体を作製する時に、発泡材や原料粒子を用いると、これらを加熱除去する際に中子が膨張し、SiC焼結多孔体に割れ、クラックが生じ易く、また、加熱時に分解したC,Oが焼結を阻害する。また、焼結多孔体として、φ50μm以下の細孔を形成するのは困難であり、気孔率50%以上の多孔体を得ることも困難である。また、焼結多孔体の作製としては、押し出し成形等の成形によってマクロ細孔を形成する場合に、マクロ細孔を独立或いは屈曲させることは困難である。
【0006】
また、SiC繊維をフェルト状に固めてSiC焼結多孔体にしたり、或いはSiCウィスカーのプリフォームを作製してSiC焼結多孔体にする場合には、それらのSiC焼結多孔体では、通電加熱が困難であり、不純物の添加等により、通電可能となっても通電加熱時に、不均一加熱による溶損が生じる。また、上記焼結多孔体では、サイズの異なる気孔径を得ることは困難である。
【0007】
そこで、この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、ディーゼルエンジンから排気される排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集し、該パティキュレートを加熱焼却できるディーゼルパティキュレートフィルタ等に適用して好ましく、排気ガスの流れ或いは加熱焼却時の熱負荷によって割れ、クラック等が発生することなく、耐熱性及び耐久性に富み、特にSiCウィスカーをSiC焼結多孔体でサンドイッチ状に積層構造に構成することによって気孔率が50%以上に構成されると共にサイズの異なる気孔径を有し、ディーゼルパティキュレートフィルタとして使用した時に、フィルタの排気ガス中の圧力損失が低く、パティキュレートの捕集効率がアップできる多孔質セラミックス及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は,上記の目的を達成するために,次のように構成されている。即ち,この発明は,SiCセラミックスを母相とした開気孔を有し且つFe化合物が分散している一対のSiC焼結多孔体と,前記一対のSiC焼結多孔体の間に前記SiC焼結多孔体の表面から成長している転化したSiCウィスカーとから積層構造に構成されていることを特徴とする多孔質セラミックスに関する。
【0009】
また,この多孔質セラミックスにおいて,前記SiCウィスカーは絶縁性であり且つ前記SiC焼結多孔体は導電性である。更に,前記Fe化合物がFeの酸化物,珪化物,炭化物,窒化物である。そして,この多孔質セラミックスは,排気系に配置されて排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集して焼却再生されるディーゼルパティキュレートフィルタに適用して好ましいものである。
【0010】
或いは、この発明は、SiCセラミックスを母相とした開気孔を有するSiC焼結多孔体を作製し、カーボン繊維中にシリカのエアロゾル、カーボン及びFe系触媒を混合した原料粉を巻き込んで繊維混合部材を作製し、一対の前記SiC焼結多孔体の間に前記繊維混合部材を挟み込んで積層部材を作製し、前記積層部材にHを流しながら焼成して前記繊維混合部材を前記SiC焼結多孔体の表面から成長したSiCウィスカーに転化させたことを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法に関する。
【0011】
また,この多孔質セラミックスの製造方法は前記SiCセラミックスを前記母相とした前記開気孔を有する前記SiC焼結多孔体を作製する工程において,SiCとCとの混合粉末にFe酸化物を混合して混合原料を作製し,前記混合原料を造粒処理後に成形して成形体を作製し,前記成形体を脱脂した後に真空中で溶融Siに浸漬し,これを加熱焼成して焼結体を作製し,次いで,前記焼結体を真空中で加熱して前記焼結体中の残留Siを除去して前記SiC焼結多孔体を作製したものである。
【0012】
この多孔質セラミックスは,SiCセラミックスを母相とした開気孔を有し且つFe化合物が分散している一対のSiC焼結多孔体と,前記一対のSiC焼結多孔体の間に前記SiC焼結多孔体の表面から成長している転化したSiCウィスカーとから積層構造に構成されているので,前記SiCウィスカーと前記SiC焼結多孔体とは極めて強力に結合している複合構造体を構成し,熱負荷時に割れや剥離等が生じ難く,耐熱性,耐久性を向上できる。この多孔質セラミックスは,気孔径の異なる気孔率の高い多孔体を構成でき,特に,前記SiCウィスカーの気孔率は90%以上に構成することができ,多孔質セラミックス全体として高い気孔率に構成でき,例えば,排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタに適用した場合に,パティキュレートの捕集効率をアップでき,長時間にわたって圧力損失を低減できる。
【0013】
また、この多孔質セラミックスは、導電性の前記SiC焼結多孔体の間に絶縁性の前記SiCウィスカーが介在しており、通電して加熱することができ、ディーゼルパティキュレートフィルタに適用した場合に、捕集したパティキュレートを加熱焼却する時に、通電して加熱することができる。また、この多孔質セラミックスは、絶縁性の前記SiCウィスカーの両側に導電性の前記SiC焼結多孔体が位置するので、例えば、片側の前記SiC焼結多孔体のみを通電することもでき、例えば、ディーゼルパティキュレートフィルタに適用した場合には、捕集したパティキュレートの加熱焼却のため一方の前記SiC焼結多孔体から順次に加熱制御を行うことができる。
【0014】
また、この多孔質セラミックスの製造方法において、前記SiC焼結多孔体に、Feの酸化物、珪化物、炭化物等のFe化合物が分散しているので、SiCウィスカーの成長のためのFe系触媒を原料粉に添加する必要が無い。
【0015】
発明の実施の形態
以下,図面を参照して,この発明による多孔質セラミックス及びその製造方法の実施例を説明する。図1はこの発明による多孔質セラミックスの一実施例を説明する概略説明図である。
【0016】
この多孔質セラミックスは、例えば、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化装置に組み込んで使用でき、排気系に配置されて排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集して焼却再生されるディーゼルパティキュレートフィルタに適用できるものである。ディーゼルパティキュレートフィルタは、ディーゼルエンジンからの排気ガスを排気する排気系の排気通路に配置された板状フィルタが設けられている。板状フィルタは、排気ガス中のカーボン、煤、HC、黒煙等のパティキュレートを捕集し、捕集されたパティキュレートを加熱焼却するものである。板状フィルタに捕集されたパティキュレートを加熱燃焼させて焼却するため、板状フィルタに通電する手段として、電源に通じる加熱回路が設けられている。
【0017】
この多孔質セラミックスは,SiCセラミックスを母相とした開気孔を有し且つFe化合物が分散している一対のSiC焼結多孔体1,2と,一対のSiC焼結多孔体1,2の間にSiC焼結多孔体1,2の表面から成長している転化したSiCウィスカー3とから積層構造に構成されている。SiCウィスカー3は絶縁性の材料であり,SiC焼結多孔体1,2は導電性の材料に作製されている。SiC焼結多孔体1,2には,Fe酸化物,Fe珪化物,Fe炭化物或いはFe窒化物のFe化合物が分散している。
【0018】
この発明による多孔質セラミックスの製造方法については、まず、SiCセラミックスを母相とした開気孔を有するSiC焼結多孔体を作製する。SiC焼結多孔体を作製する工程では、SiCとCの混合粉末にFe酸化物を混合して混合原料を作製し、混合原料を造粒処理した後に、粒状物を成形して成形体を作製する。該成形体を脱脂した後に、真空中で溶融Siに浸漬し、これを加熱焼成して焼結体を作製する。更に、焼結体を真空中で加熱して焼結体中の残留Siを除去してSiC焼結多孔体1,2を作製する。一方、カーボン繊維中にシリカのエアロゾル、カーボン及びFe系触媒を混合した原料粉を巻き込んで繊維混合部材を作製する。そこで、一対のSiC焼結多孔体の間に、繊維混合部材を挟み込んで積層部材を作製する。積層部材の一方の側から該積層部材にHを流しながら焼成し、繊維混合部材をSiC焼結多孔体の表面から成長したSiCウィスカーに転化させたものである。
【0019】
この発明による多孔質セラミックスの製造方法の実施例を説明する。
〔実施例1〕
この多孔質セラミックスの製造方法において,SiCとAl2 3 とを所定量配合し,メタノール及びバインダを加えて,ボールミルにて24時間混合して混合物を作った。次いで,混合物をスプレードライヤにて造粒処理を行って造粒物を作製した。これらの造粒物を原料として成形して成形体を作製し,成形体を焼成してSiC焼結多孔体1,2を作製し,SiC焼結多孔体1,2からφ100mm(径)×t5mm(厚さ)の円盤状のSiC焼結多孔体を2枚作製した。一方,カーボン繊維の中にシリカのエアロゾル,カーボン,Fe系触媒を混合した原料粉を巻き込んで繊維混合部材を作製した。そこで,上記繊維混合部材を2枚の上記SiC焼結多孔体1と2の間に挟んで積層部材を作製した。次いで,該積層部材を焼成炉の中に設置し,一方のSiC焼結多孔体1の側からH2 を流しながら1450℃に昇温して原料粉を転化させてSiC焼結多孔体1と2との間にSiCウィスカー3を成長させて複合焼結体を作製した。その後,複合焼結体を十分に冷却して焼成炉から取り出した。この複合焼結体は,図1に示すように,SiC焼結多孔体1,2の間にSiCウィスカー3が成長したサンドイッチ状の多孔体であった(本発明品Aという)。
【0020】
〔実施例2〕
この多孔質セラミックスの製造方法において,SiCとCとの混合粉末にFe酸化物を所定量(0.5wt%以上)を加え,メタノール及びバインダを加えて,ボールミルにて24時間混合して混合物を作った。次いで,混合物をスプレードライヤにて造粒処理を行って造粒物を作製した。これらの造粒物を原料として成形して成形体を作製し,成形体を脱脂した後,成形体に真空中(20Pa)で溶融Siに浸漬させ,1600℃まで加熱焼成して焼結体とした。更に,焼結体中の残留Siを除去するために,真空中(20Pa)で1700℃まで加熱し,SiC焼結多孔体を作製した。次いで,該SiC焼結多孔体からφ100mm(径)×t5mm(厚さ)の円盤状のSiC焼結多孔体を2枚作製した。一方,カーボン繊維の中にシリカのエアロゾル,カーボンを混合した原料粉を巻き込んで繊維混合部材を作製した。そこで,上記繊維混合部材を2枚の上記SiC焼結多孔体の間に挟んで積層部材を作製した。次いで,該積層部材を焼成炉の中に設置し,一方のSiC焼結多孔体の側からH2 を流しながら1450℃に昇温して原料粉を転化させてSiC焼結多孔体の間にSiCウィスカーを成長させて複合焼結体を作製した。その後,複合焼結体を十分に冷却して焼成炉から取り出してSiC焼結多孔体を作製した。SiC焼結多孔体は,Fe化合物が分散しているので,SiCウィスカーの生成のためのFe系触媒を原料粉に転化する必要がなかった(本発明品Bという)。
【0021】
実施例1で作製した本発明品Aと実施例2で作製した本発明品BとのSiC焼結多孔体は、50μm以上であり、SiCウィスカー部の気孔径は1〜40μm程度であり、また、SiCウィスカーの気孔率は90%以上であった。
【0022】
次いで,本発明品A及び本発明品Bと従来の多孔体とを比較するため,比較例CとしてSiCハニカムの多孔体,比較例DとしてSiCウィスカープリフォームの多孔体,及び比較例EとしてTiB2 を添加したSiCウィスカープリフォームの多孔体をそれぞれ作製した。
【0023】
次に、本発明品A、本発明品B、比較品C、比較品D及び比較品Eの材料からディーゼルパティキュレートフィルタに作製し、各フィルタをディーゼルエンジンの排気系に接続し、各フィルタについて捕集時間(分)に対する圧力損失(mmHg)の性能試験を行った。その結果を、図2のグラフに示す。図2から分かるように、捕集時間(分)に対する圧力損失(mmHg)は、本発明品A、本発明品Bは比較品C、比較品D及び比較品Eに比較して圧力損失は小さく、比較品Cの圧力損失が最も大きく上昇した。各フィルタでのパティキュレートの捕集後に、各フィルタを通電加熱し、捕集されたパティキュレートを加熱して焼却する処理を行って各フィルタの再生を試みた。その結果、本発明品Aと本発明品Bとのフィルタは完全に再生できたが、比較品Cのフィルタでは70%の再生効率であり且つ多孔体の一部に割れが発生した。また、比較品Dのフィルタは導電性がなく、フィルタの再生処理は行われなかった。更に、比較品Eのフィルタは、再生中にTiBが酸化して導電性を失ってしまった。
【0024】
図1に示す多孔質セラミックスによって作製した本発明品Aと本発明品Bとのディーゼルパティキュレートフィルタは、図1に示すように、外側に位置するSiC焼結多孔体1,2が導電性を示すので、中央のSiCウィスカー3は外側から加熱するものとなり、SiCウィスカー3には導電性を必要としない。特に、フィルタでは、排気ガスの入口側即ち排気ガス流れの上流側のフィルタに多くのパティキュレートが捕集される傾向にあるため、外側のSiC焼結多孔体1及び2のみの加熱で有効であると考えられる。また、フィルタの加熱処理では、両側のSiC焼結多孔体1,2を同時に加熱してもよく、又はいずれか一方、例えば、排気ガスながれの上流側のSiC焼結多孔体1又は2を加熱した後、他方のものを加熱してフィルタに捕集したパティキュレートを加熱焼却することが可能である。
【0025】
次に、上記のようにして作製したSiC焼結多孔体である導電性SiC多孔体について、気孔率を55%にコントロールし且つ気孔サイズを変化させた多孔体によってフィルタF、フィルタG及びフィルタHを作製した。更に、気孔率を55%にコントロールし且つ気孔サイズを変化させたSiC焼結多孔体を基体として中間にSiCウィスカーを配置したフィルタI、フィルタJ及びフィルタKを作製した。これらのフィルタF〜Kは、表1の条件を有しているものである。
【表1】
Figure 0003561950
【0026】
これらのフィルタF〜Kをディーゼルエンジンの排気系に接続し、各フィルタについて、捕集時間(分)に対する圧力損失(mmHg)の性能試験を行い、その結果を図3のグラフに示す。また、捕集時間(分)に対する捕集効率(%)の性能試験を行い、その結果を図4のグラフに示す。図3及び図4から分かるように、30分後の試験結果について、気孔サイズが65μmのフィルタG及び気孔サイズ90μmのフィルタHは、捕集効率が35%程度であり、他のフィルタF、フィルタI、フィルタJ及びフィルタKに比較して低い値となった。また、気孔サイズ40μmのフィルタFは、捕集効率50%を超えない時点から急激に圧力が上昇した。更に、フィルタI、フィルタJ及びフィルタKは、他のフィルタF、フィルタG及びフィルタHによりガス流れ方向の厚さtが1/3であるにもかかわらず、捕集効率70%以上であり、圧力上昇分も小さい値であった。但し、外側のSiC焼結多孔体の気孔サイズの大きさが40μmのものでは、圧力増加が大きかった。このことは、フィルタの表面では、比較的に大きな粒子のパティキュレートが捕集され、小さな粒子のパティキュレートは、内部のSiCウィスカーによって捕集されるためと考えられる。また、内部のSiCウィスカーは気孔率が90%と大きいため、圧力増加も小さいものと考えられる。
【0027】
【発明の効果】
この発明による多孔質セラミックス及びその製造方法は、上記のように構成されており、次のような効果を有する。即ち、この多孔質セラミックスは、絶縁性のSiCウィスカーを、導電性のSiC焼結多孔体で挟んだ状態のサンドイッチ構造に構成されているので、気孔径の異なるフィルタを容易に作製することができる。しかも、内部のSiCウィスカーの気孔率を90%以上に構成することができ、多孔質セラミックス全体として高気孔率のフィルタを作製することができる。
【0028】
また、この多孔質セラミックスは、SiC焼結多孔体を基体として内部のSiCウィスカーを基体表面から成長させているので、SiC焼結多孔体とSiCウィスカーとの結合状態が極めて強固な複合構造体が作製され、しかも、SiC焼結多孔体とSiCウィスカーとは同種のセラミックスであるので、加熱時の熱負荷等で割れが発生したり、剥離現象が発生することがない。
【0029】
また、この多孔質セラミックスは、SiCウィスカーを内部に配置され、両側に導電性のSiC焼結多孔体を配置されているので、加熱処理時に、片側のSiC焼結多孔体から順次に加熱制御することもでき、或いは両側のSiC焼結多孔体を同時に加熱制御することもできる。また、この多孔質セラミックスは、気孔率が大きく、加熱時の体積が小さいため、加熱時に破損するようなことはない。更に、焼成時にSiCウィスカーの原料中に添加材を加える必要がなく、SiCの耐高温酸化性が低減するようなことはない。
【0030】
この多孔質セラミックスは、ディーゼルエンジンから排気される排気ガス中に含まれるカーボン、すす、スモーク等のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタに適用して極めて効率的にパティキュレートを捕集することができる。ディーゼルパティキュレートフィルタに適用した場合に、多孔質セラミックスのフィルタは短時間で加熱することができ、パティキュレートは直ちに加熱焼却され、前記フィルタは短時間で再生される。しかも、熱応力による前記フィルタの溶損を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による多孔質セラミックスの一実施例を示す概略説明図である。
【図2】本発明品と比較品とのフィルタの捕集時間に対する圧力損失をそれぞれ示すグラフである。
【図3】この多孔質セラミックスについて、気孔サイズ及び気孔率が異なるフィルタの捕集時間に対する圧力損失をそれぞれ示すグラフである。
【図4】この多孔質セラミックスについて、気孔サイズ及び気孔率が異なるフィルタの捕集時間に対する捕集効率をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
1 SiC焼結多孔体
2 SiC焼結多孔体
3 SiCウィスカー

Claims (6)

  1. SiCセラミックスを母相とした開気孔を有し且つFe化合物が分散している一対のSiC焼結多孔体と,前記一対のSiC焼結多孔体の間に前記SiC焼結多孔体の表面から成長している転化したSiCウィスカーとから積層構造に構成されていることを特徴とする多孔質セラミックス。
  2. 記SiCウィスカーは絶縁性であり且つ前記SiC焼結多孔体は導電性であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス。
  3. 前記Fe化合物がFeの酸化物,珪化物,炭化物,窒化物であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス。
  4. ディーゼルエンジンの排気系に配置された排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集して焼却再生されるディーゼルパティキュレートフィルタに適用できることを特徴とする請求項1に記載の多孔質セラミックス。
  5. SiCセラミックスを母相とした開気孔を有するSiC焼結多孔体を作製し,カーボン繊維中にシリカのエアロゾル,カーボン及びFe系触媒を混合した原料粉を巻き込んで繊維混合部材を作製し,一対の前記SiC焼結多孔体の間に前記繊維混合部材を挟み込んで積層部材を作製し,前記積層部材にH2 を流しながら焼成して前記繊維混合部材を前記SiC焼結多孔体の表面から成長したSiCウィスカーに転化させたことを特徴とする多孔質セラミックスの製造方法。
  6. 前記SiCセラミックスを前記母相とした前記開気孔を有する前記SiC焼結多孔体を作製する工程において,SiCとCとの混合粉末にFe酸化物を混合して混合原料を作製し,前記混合原料を造粒処理後に成形して成形体を作製し,前記成形体を脱脂した後に真空中で溶融Siに浸漬し,これを加熱焼成して焼結体を作製し,次いで,前記焼結体を真空中で加熱して前記焼結体中の残留Siを除去して前記SiC焼結多孔体を作製したことを特徴とする請求項5に記載の多孔質セラミックスの製造方法。
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