JP3560057B2 - 粉末成形体の製造方法および磁石の製造方法 - Google Patents

粉末成形体の製造方法および磁石の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末成形体の製造方法および磁石の製造方法に関し、また、粉末成形に用いられる粉体プレス装置およびその駆動方法に関している。本発明はプレス方向(単軸圧力印加方向)に沿って計測したサイズがプレス方向に垂直な方向のサイズよりも大きな形状(例えば棒状または筒状)の成形体を作製する場合に特に適したプレス技術に関連する。
【0002】
【従来の技術】
粉末冶金の分野では、粉末に形状を付与するために種々の方法が用いられている。特に焼結磁石の製造技術分野では、粉体プレス装置を用いて磁石合金粉末を成形する方法が広く利用されている。
【0003】
以下、図面を参照ながら、磁石合金粉末の成形体(グリーン・コンパクト)を作製する方法の従来例を説明する。
【0004】
図1(a)〜(c)は、粉体プレス装置の動作(ウィズドローアル方式)を模式的に示す断面図である。図示されているプレス装置は、キャビティ1を形成するための貫通孔を有するダイ2と、貫通孔内において粉末を圧縮するための上パンチ3および下パンチ4とを備えている。このプレス装置は、更に、不図示の駆動装置に接続された上ラム5と下ラム6とを備えている。この構成例では、上ラム5が上パンチ3と共に上下方向に駆動され、下ラム6はダイ2と共に上下方向に駆動される。一方、下パンチ4は、プレス装置の本体部分10に対して固定された状態に置かれている。
【0005】
次に、上記構成を有するプレス装置を用いて成形体を作製する方法の従来例を説明する。
【0006】
まず、図1(a)に示されるように、下パンチ4の先端部分をダイ2の貫通孔内に挿入した状態でキャビティ1を形成し、そのキャビティ1内に原料粉末を充填する。次に、図1(b)に示されるように、上パンチ3を降下させ、その先端部分をダイ2の貫通孔内に挿入し、上パンチ3と下パンチ4との間で粉末を圧縮する(単軸方向圧縮)。この圧縮によって充填粉末の成形体7が作製される。その後、図1(c)に示されるように、成形体7をダイ2の中から外に取り出す工程(「抜き出し工程」または「押し出し工程」)が実行される。このとき、この従来例では、下パンチ4および成形体7を静止させたままでダイ2を下方に降下させる一方、上パンチ3を上方に移動させている。
【0007】
次に、図2を参照しながら、上記動作をより詳細に説明する。
【0008】
図2において、実線Aは上パンチ3の位置の時間変化を示し、実線Bはダイ2の位置の時間変化を示している、実線Cは、上パンチ3によって成形体7の上端面に与えられる圧力Pの時間変化を示している。成形体7は、上パンチ3以外にも、下パンチやダイ2から圧力を受けているが、本願明細書において、便宜上、上パンチ3が成形体7に及ぼす圧力を「成形体圧力」と表現し、その大きさを「P」で示すこととする。図2の圧力Pは、この「成形体圧力」を意味している。
【0009】
なお、図2の「S1」、「S2」、「S3」、および「S4」は、それぞれ、粉末成形工程、上パンチ3の微速上昇工程、成形体7の抜き出し工程、上パンチ3の高速上昇工程を示している。以下、これらの工程を順次説明する。
【0010】
まず、粉末成形工程S1においては粉末に大きな圧力Pを印加することによって狭い意味でのプレス成形を完了し、成形体7を形成する。ダイ2の中で圧縮された状態の成形体7を作製した後、時刻tから上パンチ3の微速上昇工程S2を開始し、上パンチ3をゆっくりと上昇させる。このとき、圧縮されていた成形体7は、弾性体として、上パンチ3の僅かの上昇に伴い圧縮方向と反対の方向へ延びる。成形体圧力PがP(>0)に達した時、上パンチ3の微速上昇は停止させられる。
【0011】
次に、時刻tにおいて、成形体7の抜き出し工程S3を開始する。成形体7の抜き出し工程S3は、上パンチ3と下パンチ4との間で成形体7を保持した状態で実行する。このとき、上下のパンチ3、4から成形体7の受ける圧力Pは、ほぼ一定の値に保たれる。
【0012】
成形体7がダイ2から完全に抜き出された後、時刻tにおいて、上パンチ3の高速上昇を開始する。すると、成形体圧力Pは急激に低下し、上パンチ3が成形体7の上端面から離れたとき、圧力Pはゼロとなる。
【0013】
上記のプレス方法は、ホールドダウンと呼ばれる方法(「粉末の成形と加工 粉からニアネットシェイプへ」日本塑性加工学会編、特開平6−81006号公報)であり、上パンチ3によって成形体7に一定の保持圧力(P)を与えつづけながら成形体7をダイ2から抜き出す点に特徴を有している。この方法によれば、成形体7の「剥離割れ」を防止することができる。成形体7の剥離割れは、成形体7がダイ2から抜き出される過程で発生する現象である。以下、図3(a)および(b)を参照しながら、剥離割れの発生メカニズムを説明する。
【0014】
図3(a)は、下降し始めたダイ2が成形体7の側面に摩擦力を与えている状態を模式的に示し、図3(b)は、ダイ2の下降が進み、成形体7の上端部分がダイ2から外側に露出した状態を示している。圧縮された成形体7は弾性体であるため、印加圧力の低下に伴って矢印Q1の方向に伸びようとする(スプリングバック現象)。このとき、上パンチ3が成形体7に及ぼす圧力P1が取り除かれ、成形体7の上端面が自由になると、成形体7がダイ2の外側へ伸びようとする。一方、成形体7の側面部分はダイ2によって強い摩擦力を受け、その結果、成形体7中に局所的な歪が生じ、クラック8が形成されてしまう。このクラック8によって剥離割れが生じる。
【0015】
このような剥離割れを防止するために、ホールドダウン法では、成形体7の抜き出し工程S3を完了するまでの間、成形体7に所定の保持圧力Pを与え続ける。このような従来のホールドダウン法は、粉末の硬度が高く、塑性変形が困難で、かつ延性のないセラミックス粉末、金属間化合物粉末等の高硬度粉末のプレス成形に採用され、充分な効果を発揮してきた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方法によれば、異方性希土類磁石を製造する場合のように成形体の圧縮密度が比較的に小さい場合に、成形体の挫屈(圧壊)が発生しやすいという問題がある。異方性磁石を製造する場合は、成形中に磁界配向を行う必要があるため、磁石粉末に潤滑剤を加えるとともに、低い成形圧力で粉末を圧縮することで成形密度を低下させており、それによって粉末粒子の配向度を向上させることが行われている。このような場合、成形体強度が低くなるため、成形体は比較的小さな圧力によっても挫屈してしまう。
【0017】
また、近年、磁石の用途が拡大するに伴い、圧縮方向(パンチの移動方向)に沿って長く伸びた形状を持つ成形体を作製する必要が生じてきている。ここで、便宜上、圧縮方向に沿って計測した成形体のサイズを「成形体の高さ」と称し、圧縮方向に垂直な方向に沿って計測した成形体の代表的なサイズを「成形体の幅」または「成形体の径」と称することとする。更に、上パンチが成形体と接触する面を「成形面」と称し、その広さを「成形面積」と称することとする。
【0018】
このような「成形体の幅」や「成形面積」が一定の場合、「成形体の高さ」が高くなる程、抜き出し時のプレス方向圧力によって成形体の挫屈が生じやすくなる。図4(a)は、成形体の高さが相対的に低い成形体に圧力P1およびP2が印加されている状態を示し、図4(b)は、成形体の高さが相対的に高い成形体に圧力P1およびP2が印加されている状態を示している。図4(a)の場合に比較して、図4(b)の場合に挫屈の問題が顕著に生じる。
【0019】
成形体の挫屈が発生するプレス方向圧力の大きさ、すなわち挫屈強度(または圧壊強度)は、成形体7をダイ2から抜き出す過程において、ダイ2から外側へ出た成形体7の露出部分が増加するにつれて低下する。このため、剥離割れが発生しないように保持圧力P(一定圧力)を成形体7に印加しながら成形体7の抜き出しを実行して行くと、抜き出し工程S3の初期段階では挫屈が生じなくても、抜き出し工程S3の後半段階で挫屈し、圧壊を起こすおそれがある。抜き出し工程S3の後半段階では、成形体の多くの部分が露出しており、露出部分はダイ2から解放されているため、成形体は挫屈しやすい状態にある。この場合、成形体に印加される保持圧力Pが比較的小さい場合にも、成形体の圧壊が生じ得る。このような挫屈は、成形体の高さが高いほど発生しやすい。
【0020】
図5は、成形体圧力Pについて、剥離割れが発生する圧力範囲(剥離発生領域)、および挫屈が発生する圧力範囲(挫屈発生領域)を示している。図5の例では、保持圧力Pが剥離発生領域を避ける値に設定されている。しかし、図5の場合、成形体7の抜き出しに伴って成形体7の挫屈強度が低下し、保持圧力Pが挫屈発生領域内に入ってしまう。このため、成形体7は抜き出し工程の後半で挫屈してしまうことになる。仮に、挫屈を避ける目的で保持圧力Pを低下させると、保持圧力Pが剥離領域に入ってしまうため、今度は剥離割れが発生する。このようなジレンマは、「成形体の幅」や「成形面積」に対する「成形体高さ」の比が小さい場合や、成形体強度が大きい場合には、図5に示す挫屈発生領域が上側にシフトするため、特に問題にならなかったものである。
【0021】
また、特開平10−8102号公報には、圧粉体(成形体)をダイから抜き出す際の保持圧力の大きさを、ダイから露出した圧粉体の高さに応じて制御することが記載されている。しかしながら、本発明者の実験によれば、上記公報に記載の方法によって抜き出し動作を行った場合、成形体がダイから露出し始めたときに成形体に剥離割れが生じることがあった。特に、「成形体の幅」や「成形面積」に対する「成形体高さ」の比が大きい長い成形体を抜き出す場合には、このような現象が生じることが多かった。
【0022】
このことから、成形体が露出し始めるときの保持圧力の制御を行なう必要があると考えられる。しかしながら上記公報には、成形体の露出部分の高さに基づいて、成形体が露出してからの保持圧力を制御することについては記載されているものの、成形体が露出するまでの保持圧力の制御については言及されていない。
【0023】
一方、保持圧力Pの大きさは、圧縮成形時の圧力Pに比べて格段に小さい。しかし、成形体圧力Pを高い精度で調整することは極めて難しい。従来、上パンチ3やダイ2の駆動は油圧装置によって実行されることが多かった。その場合、圧縮シリンダの油圧を検知し、その油圧の大きさから成形体7に加わる圧力Pを計算する方法が採用されてきた。この方法は、例えば特開平10−152702号公報に記載されている。
【0024】
しかし、上記方法によって検知される油圧は、上パンチ3やダイ2を駆動する際に、これらの部材が受ける機械的な抵抗負荷によって変動するため、成形体7に印加されている圧力Pを正確に求めることは困難であった。したがって、剥離や挫屈を避けるために、成形体7に実際に加わっている圧力Pを正確に検知するには、新しい方法を採用する必要がある。
【0025】
本発明は、かかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、成形体を抜き出す際に成形体の剥離割れや挫屈が生じにくい粉末成形体の製造方法および磁石の製造方法を提供することにある。
【0026】
本発明の他の目的は、粉末成形体に印加されている圧力を高い精度で検出し、それに基づいて加圧部材の動作を制御することができる粉体プレス装置およびその駆動方法を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明による粉末成形体の作製方法は、キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチとを備えた装置を用いて行う粉末成形体の作製方法であって、前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末を前記キャビティ内に充填する工程と、前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、前記第1および第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1および第2のパンチの間隔を増加させ、それによって前記圧力を減少させる工程と、前記圧力の減少が始まった後、前記圧力の減少が停止する前に、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記圧力がゼロになる前に、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き出し終る工程とを包含することを特徴とする。
【0028】
ある好ましい実施形態では、前記第1および第2のパンチの間隔増加を開始した時点から予め設定された時間が経過した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する。
【0029】
前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第1のレベルに低下した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始するようにしてもよい。
【0030】
ある好ましい実施形態では、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記第2のパンチを静止させ、前記ダイを移動させる。
【0031】
前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記ダイを静止させ、前記第2のパンチを移動させるようにしてもよい。
【0032】
ある好ましい実施形態では、前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第2のレベルに低下した時、前記第1および第2のパンチの間隔増加を停止させる。
【0033】
前記第1および第2のパンチの少なくとも一方に設けられた歪センサの出力に基づいて前記圧力を検知することが好ましい。
【0034】
ある好ましい実施形態において、前記粉末は磁石粉末である。
【0035】
ある好ましい実施形態において、前記磁石粉末は、平均粒径が5μm以下の希土類合金粉末である。
【0036】
ある好ましい実施形態において、前記磁石粉末は、合金の溶湯を急冷凝固させる工程を経て作製されたものである。
【0037】
前記粉末には潤滑剤が添加されていることが好ましい。
【0038】
本発明による磁石の製造方法は、上記何れかの粉末成形体の作製方法によって作製された成形体を用意する工程と、前記成形体を焼結する工程とを包含することを特徴とする。
【0039】
前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮するに際して、前記粉末に対して配向磁界を印加してもよい。
【0040】
前記キャビティ内における前記配向磁界の向きは、前記前記第1のパンチおよび前記第2のパンチによる成形体圧縮方向に対して垂直であることが好ましい。
【0041】
本発明による他の磁石の製造方法は、磁石粉末を成形するためのダイ、第1のパンチ、および第2のパンチを備えた装置を用いて行う磁石の製造方法であって、前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し、前記磁石粉末の成形体を作製する工程と、前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記第1および第2のパンチが前記成形体に与える圧力を低下させる工程と、前記圧力の減少が生じた後、前記圧力の減少が停止する前に、前記ダイの前記成形体に対する相対的移動を開始させ、前記圧力がゼロになる前に、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き取り終る工程とを包含する。
【0042】
前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し、前記磁石粉末の成形体を作製する工程においては、圧縮の方向に垂直な向きを持つ配向磁界を形成することが好ましい。
【0043】
前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し、前記磁石粉末の成形体を作製する工程において、前記配向磁界の向きに平行な方向に沿って計測したサイズが他の方向に沿って計測したサイズよりも小さな板状の成形体を作製するようにしてもよい。
【0044】
本発明による粉体プレス装置は、キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチとを備え、前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末を前記キャビティ内に充填する工程と、前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、前記第1および第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記圧力を減少させる工程と、前記圧力の減少が開始された後、前記圧力が予め設定された所定のレベルに低下する前において、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記圧力が前記所定のレベルに低下した状態において、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き取り終る工程とを実行することを特徴とする。
【0045】
ある好ましい実施形態では、前記第1および第2のパンチの間隔増加を開始した時点から予め設定された時間が経過した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する。
【0046】
前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第1のレベルに低下した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始するようにしてもよい。
【0047】
ある好ましい実施形態では、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記第2のパンチを静止させ、前記ダイを移動させる。
【0048】
前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記ダイを静止させ、前記第2のパンチを移動させるようにしてもよい。
【0049】
ある好ましい実施形態では、前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第2のレベルに低下した時、前記第1および第2のパンチの間隔増加を停止させる。
【0050】
前記第1および第2のパンチの少なくとも一方に設けられた歪センサを備え、前記歪センサの出力に基づいて前記圧力を検知することが好ましい。
【0051】
本発明による粉体プレス装置の駆動方法は、キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチとを備えた粉体プレス装置の駆動方法であって、前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末を前記キャビティ内に充填する工程と、前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、前記第1および第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記圧力を減少させる工程と、前記圧力の減少が開始された後、前記圧力が予め設定された所定のレベルに低下する前において、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記圧力が前記所定のレベルに低下した状態において、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き取り終る工程とを実行することを特徴とする。
【0052】
本発明による粉体プレス装置は、粉末を成形するためのダイ、第1のパンチ、第2のパンチを備えた粉体プレス装置であって、前記第1および第2のパンチの少なくとも一方に設けられ、前記パンチの歪を検知するセンサを備え、前記第1および第2のパンチが前記粉末に与えている圧力を前記センサの出力に基づいて求め、前記第1および第2のパンチの動作を制御する。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0054】
本実施形態で使用する粉体プレス装置は、基本的には、図1に示されている装置の構成と同様の構成を有している。このため、対応する部材には同一の参照符号を与え、図1を参照しながら、その構成や動作を説明することとする。
【0055】
本実施形態で使用するプレス装置は、図1に示されるように、キャビティ1を形成するための貫通孔を有するダイ2と、貫通孔内において粉末を圧縮するための上パンチ3および下パンチ4と、不図示の駆動装置に接続された上ラム5および下ラム6とを備えている。本実施形態でも、上ラム5が上パンチ3を上下方向に移動させ、下ラム6がダイ2を上下方向に移動させる。下パンチ4はプレス装置本体部分10に対して固定された状態に置かれる。
【0056】
次に、図6を参照する。図6は、ウィズドローアル方式の従来例を説明する際に参照した図2に対応する図面であり、本実施形態の動作を示している。図6において、実線Dは上パンチ3の位置の時間変化を示し、実線Eはダイ2の位置の時間変化を示している、実線Fは、成形体7の成形面に与えられる圧力の時間変化を示している。また図6の「S1」、「S2」、「S3」、および「S4」は、それぞれ、粉末成形工程、上パンチ3の微速上昇工程、成形体7の抜き出し工程、上パンチ3の高速上昇工程を示している。
【0057】
本実施形態で特徴的な点は、図6からわかるように、上パンチ3の微速上昇工程S2が完了する前に、成形体の抜き出し工程S3を開始していることにある。すなわち、キャビティ1への粉末充填工程や粉末の圧縮工程は、従来技術と同様にして実行する。なお、希土類合金粉末を用いて磁石を作製する場合、圧縮工程における成形圧力Pは、10MPa〜300MPaに設定される。
【0058】
以下、本実施形態に特徴的な工程のみを詳細に説明する。
【0059】
まず、粉末成形工程S1においてプレス成形を完了した後、時刻tで、上パンチ3の微速上昇工程S2を開始する。実線Dで示されるように、上パンチ3はゆっくりと上昇し、成形体7への圧力は成形圧力Pから徐々に低下する。上パンチ3が微速上昇している間、成形体7は圧縮されていた弾性体として圧縮方向と反対の方向に伸び、上パンチ3と成形体7の上端面とは接触したままである。成形体7が上パンチ3から受けていた圧力が低下しつつある時刻t(t<t)において、ダイ2を下降させ始め、成形体7の抜き出し工程S3を開始する。本実施形態では、抜き出し工程S3の開始タイミングをタイマーによって制御している。すなわち、上パンチ3の微速上昇工程S2を開始した時点からの経過時間をタイマーで計測し、その経過時間が予め設定された時間に達した時、ダイ2を降下させ始め、成形体7の抜き出し工程S3を開始させる。
【0060】
このように本実施形態では、成形体7に加わる圧力Pが減少し始めた後に抜き出し工程S3を開始させるが、この工程S3の開始タイミングが遅過ぎると、圧力Pの減少が進み過ぎ、それによって剥離割れの発生するおそれがある。このため、抜き出し工程S3は、成形体圧力が低下し過ぎないうちに開始する必要がある。このタイミング制御は、本実施形態ではタイマーを用いて実行しているが、他の方法、例えば、成形体圧力Pを検知することによって行ってもよい。
【0061】
本実施形態では、成形体7の抜き出し工程S3を開始する時点(t)での上パンチ3と下パンチ4との間隔は、成形体7の一部がダイ2の外側に露出し始める時点における間隔よりも狭くなっており、時刻tにおける成形体圧力Pは、成形体7の剥離割れを防ぐに十分な大きさを持つように調整される。
【0062】
本実施形態では、抜き出し工程S3を実行している間も、上パンチ3の微速度上昇工程S2が進行しているため、その間、上パンチ3と下パンチ4との間隔はすこしずつ増加し、圧力Pも低下する。このため、成形体7のうちダイ2から外側に出た部分の高さが高くなるにつれて、成形体に加わる圧力Pが低下してゆく。その結果、プレス方向に長い形状の成形体であっても、挫屈を招かぬようにして抜き出すことが可能になる。本実施形態では、従来技術では成形困難であった、高さ80mm以上の長い形状の成形体を、圧壊・挫屈なく抜き出すことが可能となる。
【0063】
成形体7の抜き出し工程S3が完了した後、時刻tにおいて、上パンチ3の高速上昇工程S4を開始する。
【0064】
本実施形態では、抜き出し工程S3が完了する時刻(t)における成形体圧力Pはゼロより大きい値であるが、その大きさは、抜き出し工程S3の開始時刻tにおける成形体圧力Pに比較して充分に小さい。
【0065】
成形体7の剥離割れは、成形体7の上端部がダイ2から外側に露出した直後に生じやすい。これは、成形体7の上端部の強度が他の部分に比べて相対的に小さいためと考えられる。また、成形体7の抜き出し工程S3を開始したとき、すなわち、本実施形態の場合は、ダイ2を下方に降下させ始めたとき、上パンチ3が成形体7を押す力が一時的に弱まってしまう。これは、ダイ2と成形体7の側面との間に存在する静止摩擦によって成形体7が下方に一瞬押し下げられるために生じると考えられる。従来例によれば、抜き出し工程S3の開始時に上記の理由で上パンチ3が成形体7を押す力が弱まると、成形体7に加わる圧力Pが図5の剥離発生領域内へ一時的に低下してしまい、その結果、剥離割れの生じる可能性が強い。しかし、本実施形態によれば、抜き出し工程S3の開始時(t)における成形体圧力Pを剥離割れが発生するレベルよりも充分に高く設定できるため、抜き出し工程S3の開始に伴う一時的な圧力低下が生じても、剥離割れの発生を回避することができる。
【0066】
また、本発明者の実験によれば、本実施形態のように上パンチ3を上昇させながら(すなわち、成形体7に加わる圧力Pを減少させながら)ダイ2の降下を開始させるようにすれば、上記上パンチ3がダイ内の成形体7を押す力が一時的に弱まる現象を緩和することができることがわかった。上パンチ3が停止した状態でダイ2の降下を開始させた場合、ダイ内の成形体に加わる圧力は急激に低下するのに対し、上パンチ3を上昇させつつダイ2の降下を開始した場合、成形体に加わる圧力はより緩やかに低下する。従って、本実施形態によれば、成形体が露出し始める時点において成形体圧力が急激に低下している可能性は少なく、剥離割れの発生を適切に防止することができる。
【0067】
なお、図6では、実線D、E、およびFは何れも直線的に記載されているが、これらは曲線であってもよい。実際、上パンチ3を一定速度で微速上昇させた場合でも、成形体7の持つ弾性体としての性質から、成形体圧力Pは曲線的に減少する。
【0068】
次に、図7(a)および(b)を参照しながら、本実施形態の動作を従来例の動作と比較する。図7(a)は、従来例におけるダイ2、上パンチ3、および下パンチ4の上下方向動作を示す模式断面図である。これに対して、図7(b)は、本実施形態におけるダイ2、上パンチ3、および下パンチ4の上下方向動作を示す模式断面図である。図7(a)および(b)における太い実線は上パンチ3の下端面の位置が時間的にどのように変化するかを示しており、太い破線はダイ2の上端面の位置が時間的にどのように変化するかを示している。
【0069】
図7(a)の場合、上パンチ3は、例えば3秒間、微速上昇を行い、その後、例えば6秒間で成形体7の抜き出し(ダイ2の降下)が完了する。微速上昇時、上パンチ3を例えば1mm/秒程度の速度で上昇させる。成形体の抜き出し時、ダイを例えば20mm/秒の速度で下降させる。
【0070】
これに対して、図7(b)の場合、上パンチ3は、例えば9秒間、微速上昇を行う。成形体7の抜き出し(ダイ2の降下)は、上パンチ3の微速上昇開始時点から例えば3秒が経過した時点で開始し、その後、例えば6秒間で完了させる。微速上昇時の最初の3秒間、上パンチ3は例えば0.5mm/秒程度の速度で上昇させられ、次の6秒間(成形体7の抜き出し時)は、例えば0.3mm/秒程度の速度で上昇させられる。成形体7の抜き出し時に、ダイ2は例えば20mm/秒の速度で下降させられる。
【0071】
図7(a)および(b)から明らかなように、何れの場合も、ダイ2が下降することによって成形体7の抜き出しが行われている。しかし、図7(a)の場合は、上パンチ3の微速上昇期間とダイ2の降下期間とが重複していないのに対して、図7(b)の場合、上パンチ3の微速上昇期間とダイ2の降下期間とが重複している。
【0072】
本実施形態では、ダイ2の降下によって成形体7の抜き出しを行っているが、本発明はこれに限定されるものではない。成形体7の抜き出しは、成形体7に対してダイ2を相対的に移動させれば行えることであるため、ダイ2を固定し、下パンチ4を上昇させてもよい。
【0073】
以下、図8(a)および(b)を参照しながら、ダイ2を固定する方式の実施形態を説明する。
【0074】
図8(a)は、成形体7の抜き出し時に、上パンチ3と下パンチ4とを同一の速度で上昇させる従来例を示している。下パンチ4の上昇に伴って、成形体7はダイ2から抜き出されるが、この間、上パンチ3と下パンチ4との間隔は一定に保たれ、成形体圧力Pは保持圧力Pに維持されている。このため、成形体圧力Pは、図2の実線Cに示されるように変化することになる。
【0075】
これに対して、図8(b)は、本発明の実施形態の動作を示すものである。この場合は、成形体7の抜き出し時において、上パンチ3と下パンチ4とが異なる速度で上昇している。より詳細に説明すれば、この実施形態における上パンチ3の上昇速度は、下パンチ4の上昇速度よりも大きくなるように制御されている。その結果、上パンチ3と下パンチ4との間隔は少しずつ増加する。このため、成形体圧力Pは図6の実線Fに示されるように変化し、最初の実施形態について説明した効果と同様の効果が発揮される。
【0076】
なお、図8(b)の場合、成形体抜き出し工程中における上パンチ3の上昇速度(例えば約20mm/秒)は、抜き出し工程の開始前における上パンチ3の上昇速度(例えば約1mm/秒)に比べて非常に速い速度に設定され得る。このため、本明細書における「微速上昇」とは、上パンチ3が高速度で上昇している場合でも、下パンチ4に対する上パンチ3の相対速度が比較的遅い場合を含むものとする。そして本明細書では、上パンチ3および下パンチ4が成形体7と接触しながら、その間隔(上パンチ3と下パンチ4との間隔)を広げる動作を全て「微速上昇」と定義することとする。
【0077】
以上説明してきたように、本発明にとって重要な点は、ダイ2、上パンチ3、および下パンチ4の間の相対的位置関係を前述のように制御することにある。したがって、図7(b)の動作と図8(b)の動作とを組み合わせ、ダイ2を下降させながら、上パンチ3および下パンチ4を上昇させるようにしてもよい。また、プレス装置を90°回転させ、パンチなどを水平方向に駆動するような構成を採用しても良い。
【0078】
次に、図9を参照する。図9は、成形体7の抜き出し工程S3の途中、時刻tにおいて、成形体圧力Pがゼロに低下してしまった場合を示している。成形体7の抜き出しが完了していない状態で、成形体圧力Pがゼロになると、成形体7に剥離割れの生じる可能性がある。図11(a)および(b)は、図9に示す圧力変化が生じた場合における上パンチ3および成形体7等の位置関係を示している。図11(a)の状態では、成形体7は上パンチ3と下パンチ4とに挟まれており、成形体圧力Pはゼロになっていない。その後、図11(b)に示されるように、成形体7の抜き出しが完了していないうちに、上パンチ3が成形体7の上端面から離れてしまうと、成形体圧力Pがゼロになってしまう。このとき、成形体7の上端面は自由端となり、成形体7のスプリングバックを抑える力がなくなる。一方、成形体7の一部はダイ2によって強い摩擦力を受けているため、その部分の成形体7は自由な体積変化を生じさせない。このため、成形体7の中で局所的な歪が大きくなり、クラック8が発生してしまう可能性がある。
【0079】
このようなクラック8の発生を防止するために、成形体7の抜き出しが完了するまで、上パンチ3が成形体7に及ぼす圧力Pを一定レベル以上に確保することが好ましい。図10は、抜き出し工程S3の途中で、成形体圧力Pが予め設定されたレベルPに低下したとき、圧力PがPを下回らないようにプレス装置を制御した実施形態における圧力変化を示している。
【0080】
このような圧力変化を実現するためには、成形体7の抜き出し工程S3の工程中に成形体圧力Pを検知し、検知した成形体圧力Pが予め設定されたレベルPに低下したときは、上パンチ3および/または下パンチ4の動作を制限して、パンチ間隔の増加を停止すればよい。このような制御を実現できれば、上パンチ3の微速上昇によって成形体圧力Pが設定レベルPに到達する時刻がt41〜t43のように変動したとしても、剥離割れを確実に防止することが可能になる。
【0081】
上記の制御を実現するには、成形体圧力Pをリアルタイムで、しかも高い精度で検知する必要がある。圧力Pは成形圧力Pに比較して極めて小さいため、油圧シリンダーによってパンチやダイを駆動する場合、その油圧を検知して成形体圧力Pを計算する方法では、成形体圧力Pが圧力Pにまで低下したか否かを的確に検出することは困難である。
【0082】
そこで、本実施形態では、上パンチ3に歪センサ(歪ゲージ)を接着剤を介して固着させ、上パンチ3の歪の大きさに基づいて成形体圧力Pを検知する方法を採用している。歪センサは、好ましくはパンチ先端部の側面において固定されている。歪センサを用いれば、プレス時におけるパンチ先端の歪を正確に測定することができるため、成形体に加えられる圧力をリアルタイムで且つ高い精度で検出することが可能である。歪センサとしては、例えば、東京測器研究所社製の歪ゲージ(FCA−3−11−1L)を用いることができる。また、歪センサの数は多いほど、正確な圧力を求めるのに有効である。本実施形態では、4ゲージ法を採用し、4個の歪センサをパンチ側面に貼付し、2方向(例えば、軸方向およびこれに垂直な方向)における上パンチの歪の大きさを測定している。なお、歪センサは上パンチ3および/または下パンチ4の側面に設けても良い。
【0083】
以下、図12を参照しながら、このような圧力検知・制御方法の一具体例を説明する。図12において、実線Kは、上パンチ3が成形体7に与える圧力Pの時間変化を示している。実線LおよびMは、ダイ2および上パンチ3の動作制御に用いる信号の時間変化を示している。これらの信号は、歪センサに接続された制御信号出力部から出力される。実線Nは上パンチ3の位置の時間変化を示し、実線Oはダイ2の位置の時間変化を示している。
【0084】
まず、時刻t10からt20までは、ダイ2および上パンチ3は停止している。時刻t20からt30においては、ダイ2が静止した状態にあり、上パンチ3だけが下降する。時刻t30からt40においては、ダイ2を降下させながら、ダイ2の降下速度の2倍の速度で上パンチ3を降下させる。その結果、ダイ2は充填粉末の側部に下方に向かう摩擦力を与え、充填粉末が下パンチ4に押しつけられることになる。これは、成形体7に対して、上パンチ3を降下するとともに、下パンチ4を上昇させた場合と同様の圧力効果を及ぼし、成形体中の密度ばらつきを低減する上で有効である。
【0085】
時刻tから上パンチの微速上昇工程S2が開始し、圧力Pが実線Kに示されるように単調に減少する。圧力Pの減少に伴って上パンチ3の歪も減少し、この歪の減少は上パンチ3に取りつけられたセンサによって検知される。
【0086】
本実施形態では、上パンチ3の歪の絶対値が予め設定された第1の圧力レベルPに相当する歪の絶対値を超えるとき、出力信号LがON状態になるように制御信号出力部が設定されている。また、上パンチ3の歪の絶対値が、予め設定された第2の圧力レベルPに相当する歪の絶対値よりも小さいとき、出力信号MがON状態になるように制御信号出力部が設定されている。このような設定を行えば、微速上昇に伴って成形体圧力Pが第1の圧力レベルPにまで低下した時点を信号Lの状態変化によって検知することができる。同様に、成形体圧力Pが更に低下し、第2の圧力レベルPにまで低下した時点は信号Mの状態変化によって検知できる。
【0087】
図12の例では、信号LがON状態からOFF状態へ変化した時、ダイ2の下降を開始させ、信号MがOFF状態からON状態へ変化した時、上パンチ3の微速上昇を停止させる。このような圧力Pの変化に基づく微妙な動作制御は、上パンチ3の歪を直接的かつリアルタイムに実測することで正確に実現することが可能となる。
【0088】
また、上述のような歪センサを用いれば、キャビティ内に充填される粉末の量にバラツキが生じた場合にも、粉末に対して所定の成形圧力Pcを印加することが可能となる。従って、所望の成形密度を有する成形体を作製することができるという利点も得られる。
【0089】
なお、本実施形態では、図12に示されるような信号L、Mを用いて成形体圧力Pが予め設定したレベルに達したか否かを検知したが、これは一例に過ぎず、他の信号を出力するような構成を採用しても良い。
【0090】
また、本実施形態では、歪センサを用いてキャビティ内の粉末(または成形体)に印加される圧力を直接的に測定し、この測定結果に基づいて成形体に印加する圧力を制御する方法を説明したが、粉末の充填量のバラツキが小さい場合には、上パンチ3の位置やダイ2の位置の変化を精度良く測定することができる位置センサを用いて成形体への印加圧力の制御を行なうことも可能である。この場合、微速上昇に伴って上パンチ3の位置が第1の位置レベルに到達したときにダイ2の降下動作を開始させ、その後、更なる微速上昇によって上パンチ3の位置が第2の位置レベルに到達したときに上パンチ3の微速上昇を停止させるようにすればよい。
【0091】
次に、成形体の剥離割れと粉末粒度分布との関係を説明する。
【0092】
近年、インゴット鋳造法によってR−Fe−B系合金の粉末を作製すると、結晶粒が粗大化するという問題やα−Feの残留・偏析が生じるという問題があるため、インゴット鋳造法に代わるものとしてストリップキャスト法で代表される急冷法(冷却速度10〜10℃/sec)が注目されている。ストリップキャスト法によれば、結晶組織が微細化し、上記問題を解決することができる。ストリップキャスト法によるR−Fe−B系合金の製造方法の詳細は、例えば米国特許第5,383,978号に開示されている。なお、図13に示すように、ストリップキャスト法によって形成されたR−Fe−B系合金粉末は、角張った形状を有している。
【0093】
ストリップキャスト法によって作製した合金粉末の粒度分布を図14に示す。図14は、レーザ方式粒度分布計による測定結果を示すグラフであり、横軸は粒径(Particle Size)であり、縦軸は与えられた値以下の粒径を有する粒子の累積計測割合(Frequency)である。図14に示される曲線Aはストリップキャスト法によって作製した粉末についてのものである。比較のため、従来のインゴット鋳造法によって作製した粉末についての粒度分布を曲線Bによって示す。
【0094】
図14からわかるように、ストリップキャスト法による粉末は、インゴット鋳造法による粉末に比較して平均粒径が小さく、かつ、粒径ばらつきも小さい(粒径分布の幅が狭い)。より詳細には、本実施例で使用する粉末粒子の粒径D50は4.5μm以下であり、粒径D99は15.0μm以下となっている。ここで、D50は、体積比で50%の粒子の粒径がその値以下となる数値のことであり、D99とは体積比で99%の粒子の粒径がその値以下となる数値のことである。なお、粒径の組成比依存性がなければ、体積比は重量比に等しい。
【0095】
曲線Aで示されるような粒度分布を持つ粉末は、曲線Bで示されるような粒度分布を持つ粉末よりも、粒径分布の幅が狭いため、圧縮時に成形体がしまりにくく、スプリングバックしやすい性質を持っている。このため、ストリップキャスト法による粉末を用いて磁石を製造する場合は、図5に示す剥離発生領域の圧力が高くなり、従来の方法では、成形体の剥離と挫屈の両方を避けることが不可能になる。
【0096】
以上のことから明らかなように、ストリップキャスト法による合金の粉末を用いて成形体を作製する場合に、本発明の成形体作製方法は特に顕著な効果を発揮する。
【0097】
このように本発明は、棒状成形体や筒状成形体のような形状を持つ成形体であっても、成形体の剥離および挫屈をうまく避けながら歩留まり良く製造することができるので、軸方向に長くのびたラジアル配向磁石を製造する場合にも好適である。
【0098】
なお、従来、薄板磁石をプレス成形によって製造する場合、板厚方向に対して平行な方向にパンチを駆動していた。その場合、配向磁界の向きは、パンチが動く方向(プレス方向)に平行であった。しかしながら、配向磁界の向きは、プレス方向に対して平行な場合よりも垂直な場合の方が優れた磁石特性が得られることが知られている。このため、板厚方向および配向磁界の向きをプレス方向に対して垂直にして成形を行うことが望まれる。従来の成形体作製方法を用いて、このような成形を行うと、成形体の抜き出し時に挫屈しやすい配置をとるため、挫屈強度が低下し、容易に圧壊してしまうことになる。しかし、本発明によれば、このように挫屈しやすい配置で薄い板状の成形体を作製したとしても、抜き出し時の圧力制御を最適化することによって挫屈を避けることが可能であり、従来方式によっては得られなかったような優れた磁気特性を持った薄板磁石を製造することが可能になる。
【0099】
(実施例)
以下、本発明による磁石の製造方法について、その実施例を説明する。
【0100】
まず、公知の方法を用いて形成した希土類磁石の粉末を用意した。ここでは、まず、ストリップキャスト法を用いてR−Fe−B系希土類磁石合金の鋳片を作製した。具体的には、まず、Nd:30wt%、B:1.0wt%、Dy:1.2wt%、Al:0.2wt%、Co:0.9wt%、残部Feおよび不可避不純物からなる組成の合金を高周波溶解によって溶融し、合金溶湯を形成した。この合金溶湯を1350℃に保持した後、単ロール法によって、合金溶湯を急冷し、厚さ0.3mmのフレーク状合金鋳塊を得た。このときの急冷条件は、ロール周速度約1m/秒、冷却速度500℃/秒、過冷却200℃とした。
【0101】
このようにして作製した急冷凝固合金を水素吸蔵法によって粗粉砕した後、ジェットミルを用いて窒素ガス雰囲気中で微粉砕し、平均粒径が約3.5μmの合金粉末を得た。
【0102】
次に、この合金粉末に対して、ロッキングミキサー内で潤滑剤を0.3wt%添加・混合し、潤滑剤で合金粉末粒子の表面を被覆した。潤滑剤としては、脂肪酸エステルを石油系溶剤で希釈したものを用いることが好ましい。本実施例では、脂肪酸エステルとしてカプロン酸メチルを用い、石油系溶剤としてはイソパラフィンを用いた。カプロン酸メチルとイソパラフィンの重量比は、例えば1:9とした。このような液体潤滑剤は、粉末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効果を発揮するとともに、配向の乱れを抑制する機能を発揮する。
【0103】
なお、潤滑剤の種類は上記のものに限定されるわけではない。脂肪酸エステルとしては、カプロン酸メチル以外に、例えば、カプリル酸メチル、ラウリル酸メチル、ラウリン酸メチルなどを用いても良い。溶剤としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微粉砕前、微粉砕中、微粉砕後の何れであっても良い。液体潤滑剤に代えて、あるいは液体潤滑剤とともに、ステアリン酸亜鉛などの固体潤滑剤を用いても良い。
【0104】
次に、この粉末を図1に示すような構成を備えたプレス装置のキャビティに充填し、図6に示すような動作を実行して成形体を作製した。なお、キャビティから成形体を抜き出し易くするため、ダイの貫通孔や上パンチおよび下パンチの先端部などの粉末と接触する部分に上記液体潤滑剤を粉末充填前に予め塗布しておいても良い。
【0105】
作製した成形体のサイズは70mm×118mm×80.7mm(高さ)とした。成形密度は4.3g/cm、成形圧力は約70MPa、充填量2870gとした。成形時にはプレス方向に垂直な向きを持った配向磁界を印加した。
【0106】
本実施例では、図6における時刻tから時刻tまでの時間間隔をタイマーによって計測し、時刻tから予め設定された時間TSETが経過したときに、成形体の抜き出し工程S3を開始した。設定時間TSET(=t−t)を下記の表1に示すように6.0秒から9.0秒まで変化させ、成形体の成形性を評価した。評価結果を表1の最右欄に示す。
【0107】
【表1】
Figure 0003560057
【0108】
本実施例の場合、上パンチの微速上昇は約15秒間継続的に実行し、成形体の抜き出し工程は約9秒間継続的に実行した。抜き出し工程を完了し、上パンチの高速上昇を開始する時点(t)における成形体圧力Pは、測定限界以下の小さな値であった。
【0109】
表1からわかるように、試料2および3については、剥離や圧壊は観察されず、良好な成形性が示された。これに対して、試料1の場合、成形体に圧壊が発生した。この圧壊は、抜き出し工程の開始タイミングが早すぎたために、成形体への圧力Pが充分に低下しないうちに成形体の大部分または全部がダイから抜き出されてしまったために生じたものと考えられる。また、試料4では剥離が発生した。これは、抜き出し工程の開始タイミングが遅すぎたため、抜き出し工程開始時における成形体圧力P(=P)が低くなりすぎ、成形体のスプリングバックを充分に抑制できなかったものと考えられる。
【0110】
比較のため、図2に示すような従来の動作で成形体を作製した場合の成形性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
Figure 0003560057
【0112】
この比較例では、成形体の抜き出しは上パンチの微速上昇を停止した後に開始した。試料5、6、および7は、それぞれ、上パンチの微速上昇距離を1.260mm、1.395mm、および1.530mmと変化させて作製した。
【0113】
表2からわかるように、上パンチの微速上昇距離が比較的に小さな試料5の場合は、抜き出し工程の間に成形体に加わる圧力(保持圧力P)が大きくなりすぎるため、圧壊が生じた。一方、上パンチの微速上昇距離が比較的に大きな試料7の場合は、抜き出し工程の間に成形体に加わる圧力(保持圧力P)が小さすぎるため、剥離が生じた。更に、上パンチの微速上昇距離を試料5と試料7の中間範囲に設定した試料6の場合は、剥離と圧壊の両方が発生してしまった。
【0114】
このように、従来の方法によれば、抜き出し工程の開始時から完了時に至るまでほぼ一定の保持圧力Pが成形体に与えられているため、成形体の高さが高い場合や成形密度が低い場合には、成形性の良好な成形体を作製することが不可能になってしまう。
【0115】
次に、上記方法で作製した成形体を、1000℃〜1100℃で2時間〜8時間、焼結することによって焼結磁石を製造した。試料2および3の磁石特性は良好であった。
【0116】
なお、上記実施例では、成形密度を4.3g/cmとしたが、本発明の効果は、成形密度が3.8g/cm以上5.0g/cm以下の範囲にある場合や、「成形体の高さL/成形面の最小寸法D」の比率(L/D)が0.5以上の形状を持つ場合に、特に顕著な効果を発揮すると考えられる。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、プレスされた成形体をダイから抜き出す際に成形体圧力を最適化できるので、成形体の剥離や圧壊を効率的に避けることができる。そのため、棒状成形体や筒状成形体のように成形体の高さが成形面積に対して高い形状を持つ成形体であっても、歩留まり良く製造することが可能になる。特に、異方性磁石を作製する場合などは成形密度を比較的小さくしたり、スプリングバックしやい粒度分布を持つ粉末を用いるため、剥離や圧壊が生じやすいという問題があったが、本発明によれば、このような問題を簡単に解決することができる。
【0118】
本発明の粉体プレス装置によれば、パンチが成形体に及ぼす圧力を正確に検出することができるため、ダイから成形体を抜き出す際に必要となる微妙な圧力制御が実行可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)から(c)は、粉体プレス装置の動作を示す工程断面図である。
【図2】粉体プレス装置の従来の動作を示す図である。図中、横軸は時間を示し、縦軸は上パンチの位置(実線A)、ダイの位置(実線B)、および成形体に加わる圧力(実線C)を示している。
【図3】(a)は、ダイ2が下降し、成形体7の側面に摩擦力を与えている状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、ダイ2の下降が進み、成形体4の上端部分がダイ2から外側にでてくる状態を示す断面図である。
【図4】(a)は、成形高さが比較的低い成形体に圧力P1およびP2が加えられている状態を示す断面図であり、(b)は、成形高さが比較的高い成形体に圧力P1およびP2が印加されている状態を示す断面図である。
【図5】従来方法において上パンチ3が成形体7に及ぼす圧力の時間的変化と、剥離割れや挫屈が発生する圧力との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における粉体プレス装置の動作を示す図である。図中、横軸は時間を示し、縦軸は上パンチの位置(実線D)、ダイの位置(実線E)、および成形体に加わる圧力(実線F)を示している。
【図7】(a)は、従来例におけるダイ2、上パンチ3、および下パンチ4の上下方向動作を示す模式断面図であり、(b)は、本発明の実施形態におけるダイ2、上パンチ3、および下パンチ4の上下方向動作を示す模式断面図である。
【図8】(a)は、成形体7の抜き出し時にダイ2を静止させ、上パンチ3と下パンチ4とを上昇させる従来例の動作を示す断面図であり、(b)は、成形体7の抜き出し時にダイ2を静止させ、上パンチ3を下パンチ4よりも速い速度で上昇させる本発明の実施形態における動作を示す断面図である。
【図9】成形体の抜き出し工程S3の途中、時刻tにおいて、成形体圧力Pがゼロに低下してしまった場合を示す図である。
【図10】抜き出し工程S3の途中で、成形体圧力Pが予め設定されたレベルPに低下したとき、圧力PがPを下回らないようにプレス装置を制御した場合の圧力変化を示す図である。
【図11】(a)は、図9に示す圧力変化が生じた場合の時刻t〜tにおける上パンチ3および成形体7等の位置関係を示す断面図であり、(b)は、図9に示す圧力変化が生じた場合の時刻t〜tにおける上パンチ3および成形体7等の位置関係を示す断面図である。
【図12】成形体に加わる圧力の変化をパンチに設けた歪センサを用いて検知し、制御する本発明の実施形態において、成形体に加わる圧力P(実線K)、圧力検知回路の出力(実線L、M)、上パンチ3の位置(実線N)、ダイ2の位置(実線O)の時間変化を示す図である。
【図13】ストリップキャスト法を用いて作製されたR−Fe−B系合金粉末の拡大写真である。
【図14】インゴット鋳造法によって作製した希土類磁石合金の粉末粒度分布(B)およびストリップキャスト法によって作製した希土類磁石合金の粉末粒度分布(A)を示すグラフである。
【符号の説明】
1 キャビティ
2 ダイ
3 上パンチ3
4 下パンチ
5 上ラム
6 下ラム
7 成形体
8 クラック
S1 粉末成形工程
S2 上パンチ3の微速上昇工程
S3 成形体の抜き出し工程
S4 上パンチ3の高速上昇工程
P、P1 上パンチ3が成形体7の上端面に及ぼしている圧力
P2 下パンチ4が成形体7の下端面に及ぼしている圧力
保持圧

Claims (25)

  1. キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチとを備えた装置を用いて行う粉末成形体の作製方法であって、
    前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末を前記キャビティ内に充填する工程と、
    前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、
    前記第1および第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1および第2のパンチの間隔を増加させ、それによって前記圧力を単調に減少させる工程と、
    前記圧力の減少が始まった後、前記圧力がゼロに低下する前に、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を行ないながら前記圧力を更に減少させる工程と、
    前記圧力がゼロになる前に、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き出し終る工程と
    前記圧力をゼロにする工程と、
    を包含する粉末成形体の作製方法。
  2. 前記第1および第2のパンチの間隔増加を開始した時点から予め設定された時間が経過した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する請求項1に記載の粉末成形体の作製方法。
  3. 前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第1のレベルに低下した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する請求項1に記載の粉末成形体の作製方法。
  4. 前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記第2のパンチを静止させ、前記ダイを移動させる請求項1から3の何れかに記載の粉末成形体の作製方法。
  5. 前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記ダイを静止させ、前記第2のパンチを移動させる請求項1から3の何れかに記載の粉末成形体の作製方法。
  6. 前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第2のレベルに低下した時、前記第1および第2のパンチの間隔増加を停止させる請求項3に記載の粉末成形体の作製方法。
  7. 前記第1および第2のパンチの少なくとも一方に設けられた歪センサの出力に基づいて前記圧力を検知する請求項1から6の何れかに記載の粉末成形体の作製方法。
  8. 前記粉末が磁石粉末であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の粉末成形体の作製方法。
  9. 前記磁石粉末は、平均粒径が5μm以下の希土類合金粉末である請求項8に記載の粉末成形体の作製方法。
  10. 前記磁石粉末は合金の溶湯を急冷凝固させる工程を経て作製されたものであることを特徴とする請求項9に記載の粉末成形体の作製方法。
  11. 前記粉末には潤滑剤が添加されている請求項8に記載の粉末成形体の作製方法。
  12. 請求項1から11の何れかに記載の粉末成形体の作製方法によって作製された成形体を用意する工程と、
    前記成形体を焼結する工程と、
    を包含する磁石の製造方法。
  13. 前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮するに際して、前記粉末に対して配向磁界を印加する請求項12に記載の磁石の製造方法。
  14. 前記キャビティ内における前記配向磁界の向きは、前記第1のパンチおよび前記第2のパンチによる成形体の圧縮方向に対して垂直であることを特徴とする請求項13に記載の磁石の製造方法。
  15. 磁石粉末を成形するためのダイ、第1のパンチ、および第2のパンチを備えた装置を用いて行う磁石の製造方法であって、
    前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し、前記磁石粉末の成形体を作製する工程と、
    前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記第1および第2のパンチが前記成形体に与える圧力を単調に低下させる工程と、
    前記圧力の減少が生じた後、前記圧力がゼロに低下する前に、前記ダイの前記成形体に対する相対的移動を開始させ、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を行ないながら前記圧力を更に減少させる工程と、
    前記圧力がゼロになる前に、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き出し終る工程と
    前記圧力をゼロにする工程と、
    を包含する磁石の製造方法。
  16. 前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し、前記磁石粉末の成形体を作製する工程において圧縮の方向に垂直な向きを持つ配向磁界を形成することを特徴とする請求項15に記載の磁石の製造方法。
  17. 前記第1および前記第2のパンチによって前記磁石粉末を圧縮し前記磁石粉末の成形体を作製する工程において、前記配向磁界の向きに平行な方向に沿って計測したサイズが他の方向に沿って計測したサイズよりも小さな板状の成形体を作製することを特徴とする請求項16に記載の磁石の製造方法。
  18. キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチと、前記第1および第2のパンチを上下方向に駆動する駆動装置とを備え、
    前記駆動装置は、
    前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末前記キャビティ内に充填された後、前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、
    前記第1および前記第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記圧力を減少させる工程と、
    前記圧力の減少が開始された後、前記圧力が予め設定された所定のレベルに低下する前において、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記圧力が前記所定のレベルに低下した状態において、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き取り終る工程と
    を実行する粉体プレス装置。
  19. 前記駆動装置は、前記第1および第2のパンチの間隔増加を開始した時点から予め設定された時間が経過した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する請求項18に記載の粉体プレス装置。
  20. 前記駆動装置は、前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第1のレベルに低下した時、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始する請求項18に記載の粉体プレス装置。
  21. 前記駆動装置は、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記第2のパンチを静止させ、前記ダイを移動させる請求項18から20の何れかに記載の粉体プレス装置。
  22. 前記駆動装置は、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を実行している間、前記ダイを静止させ、前記第2のパンチを移動させる請求項18から20の何れかに記載の粉体プレス装置。
  23. 前記駆動装置は、前記第1および第2のパンチの間隔を増加させることによって前記圧力が予め設定された第2のレベルに低下した時、前記第1および第2のパンチの間隔増加を停止させる請求項20に記載の粉体プレス装置。
  24. 前記第1および第2のパンチの少なくとも一方に設けられた歪センサを備え、前記歪センサの出力に基づいて前記圧力を検知する請求項18から23の何れかに記載の粉体プレス装置。
  25. キャビティを形成するための貫通孔を有するダイと、前記貫通孔内において粉末を圧縮するための第1および第2のパンチと、前記第1および第2のパンチを上下方向に駆動する駆動装置とを備えた粉体プレス装置の駆動方法であって、前記駆動装置により、
    前記第2のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入した状態で前記粉末を前記キャビティ内に充填する工程と、
    前記第1のパンチの少なくとも先端部分を前記ダイの貫通孔内に挿入し、前記第1のパンチと前記第2のパンチとの間で前記粉末を圧縮することによって、前記粉末の成形体を作製する工程と、
    前記第1および第2のパンチによって前記成形体に圧力を与えながら前記第1のパンチと第2のパンチとの間隔を拡大し、それによって前記圧力を減少させる工程と、
    前記圧力の減少が開始された後、前記圧力が予め設定された所定のレベルに低下する前において、前記成形体に対する前記ダイの相対的移動を開始させ、前記圧力が前記所定のレベルに低下した状態において、前記成形体を前記ダイの貫通孔から抜き出し終る工程とを実行する粉体プレス装置の駆動方法。
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