JP3558714B2 - 光ファイバ増幅器および光ファイバレーザ - Google Patents

光ファイバ増幅器および光ファイバレーザ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は希土類添加光ファイバを用いてなる光ファイバ増幅器およびレーザに係り、希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続部における接続損失を低減させることができるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は光ファイバ増幅器の基本構成を例示したものである。図中符号11は波長多重型(WDM型:wavelength division multiplexing)の光ファイバ型カプラ、12は増幅用ファイバ、13は光アイソレータ、14は波長選択フィルタをそれぞれ示す。増幅用ファイバ12は希土類添加光ファイバであり、例えばエルビウム添加光ファイバ(EDF)が用られる。この光ファイバ増幅器において、光ファイバ型カプラ11を介してEDF12に波長λの励起光が入射されると、EDF12のコアに添加されているエルビウム(Er)イオンが励起される。そしてこの励起状態にあるErイオンに貯えられたエネルギーは、光ファイバ型カプラ11を介してEDF12に波長λの信号光が入射されると、誘導放出により同じ波長(λ)の光に転化され増幅作用を生じる。この誘導放出によって増幅された光信号は、必要に応じて設けられた光アイソレータ13および波長選択フィルタ14を介して出射される。
このようなEDFを用いた光ファイバ増幅器に用いられる励起光は、一般的にはλ=0.98μmとλ=1.48μmの2つの波長からいずれかを選択して使用され、波長λ=1.55μmの増幅光が得られる。
また一般に、安定な動作特性を得るために、希土類添加光ファイバを用いた光増幅器には実質的に単一モード光ファイバが使用される。
【0003】
このようなEDF12を用いた光ファイバ増幅器において、Er(希土類)は通常コア中にほぼ一様に添加されており、EDF12の励起効率を高めるために、コア内での励起光パワー密度が高いことが好ましい。そのためにEDF12は、一般にコア・クラッド間の比屈折率差は1%以上と大きく、かつコア径は細く設定されている。
例えば、図2に示すようなステップ型屈折率分布を有するEDF(図2中実線は屈折率分布、破線は励起光波長におけるモードフィールド分布を示す)において、励起光強度(破線)は軸対称な分布を持ち、コアの中心から遠ざかるに連れその強度が弱くなる。
そして、EDF12では図2(a)に示すように、励起光波長λにおけるモードフィールド径がコア径よりも大きくなるように、コア径が小さく設定されている。このようにすることにより、コアに添加されているErを完全に励起させて効率良く光増幅効果を得ることができる。
【0004】
これに対して、光ファイバ型カプラ11を構成している光ファイバや、光ファイバ増幅器を構成しているEDF以外の光ファイバなどで一般に用いられている構造では、図2(b)に示すように、コア径はモードフィールド径より若干小さい程度である。仮にEDF12もこの図2(b)のような構造とした場合には、コア中心付近のErは完全に励起されるが、コアの縁近辺にあるErは励起光強度が弱いために励起不十分となってしまう。このように空間的に不均一な反転分布が形成された状態で信号光が入射されると、コアの中心部では誘導放出による光信号の増幅が生じるが、コアの縁近辺では励起されなかったErによる誘導吸収が生じ、十分な光増幅効果が得られないことになる。
【0005】
ところで、コア径2aとモードフィールド径(以下、MFDと略記する)との間には、下記数式(I)で表される関係がある。
【数1】
Figure 0003558714
ここで、Vは正規化周波数と呼ばれるもので、光ファイバ中のモード状態を示すパラメータである。これは光ファイバのコア径、コア屈折率、コアとクラッドの比屈折率差、光の波長によって決まり、下記数式(II)で計算される。
【数2】
Figure 0003558714
すなわち、図2(a)に示されるようにコア径2aに対するMFDの比(MFD/2a)が大きいEDFは、Vが小さく設定されており、図2(b)に示すような光ファイバは、Vが大きく設定されているものである。
【0006】
しかしながら、上記のようにコア径が小さく設定されているEDFと、光ファイバ増幅器を構成する他の光ファイバとの接続においてはコア径差があり、接続損失の要因となる。
したがって、これらコア径の異なる光ファイバを接続する際には、両ファイバの端面でMFDを一致させることによって接続損失を低減させることが行われている。
【0007】
MFDを一致させる技術の1つとして、コア内に含まれるドーパントを熱拡散させる技術があり、このようなドーパントとしては、コアの屈折率を増加させることができ、加熱によって拡散されやすいものが用いられ、ゲルマニウムが好ましく用いられる。
そして図3(a)に示すように、コア径が異なる2本の光ファイバを接続する際に、まず両方の光ファイバの端部をそれぞれ加熱することによってコア内に含まれているゲルマニウムを拡散させてコア径を実質的に拡大させることによってこれらのMFDを制御する。
【0008】
このとき、コア径が例えば2倍に拡大されても、コア・クラッド間の比屈折率差を維持するのに寄与していたドーパントは拡散されただけでその量は変化していないので、濃度が1/2=1/4になり、よって、コア・クラッド間の比屈折率差が1/4になる。上記数式(II)においてコア径2aが2倍になり、コア・クラッド間の比屈折率差△が1/4になるとき、Vは一定で変化しないことがわかる。
したがって、上記数式(I)においてVが一定であるので、コア径2aを拡大させればこれに比例してMFDが拡大されることがわかる。
このようにして、モードフィールド径(MFD)を整合させた光ファイバを、図3(b)に示すように、端面どうしを突き合わせた状態で融着接続を行なうことによって、MFDが整合している接続部を形成することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、コア内のドーパントを熱拡散させて実質的なコア径を拡大させ、これによって接続部におけるMFDの整合性を図る方法は、使用波長が1つである場合には有効であるが、光ファイバ増幅器のように信号光および励起光の波長の異なる2つの光が伝搬される場合に、その両方の波長におけるMFDの整合性が同時に得られず、一方の光については接続損失が大きくなってしまうことがあるという問題があった。
【0010】
すなわち、数式(II)に示されるように信号光波長λにおける正規化周波数Vと、励起光波長λにおける正規化周波数Vとは異なる値であり、したがって数式(I)より、異なる波長に対してはMFDも異なる値となる。また、λとλの差が大きいほどVとVの差は大きくなり、したがって両波長におけるMFDの差も大きくなってしまう。
さらに、図4は、数式(II)で示されるコア径2aに対するMFDの比(MFD/2a)と正規化周波数Vとの関係をグラフに示したものであるが、これより、特にVが小さく設定されているEDFにあっては、VとVの差に対してMFDの差が顕著であることがわかる。
【0011】
例えば、図1に示すようなEDFを用いてなる光ファイバ増幅器において、効果的に光増幅作用を得るためには、光ファイバ型カプラ11とEDF12との接続点Sで、信号光波長および励起光波長の両方について接続損失が小さいことが要求される。
EDF12を用いた光ファイバ増幅器に用いられる励起光は、λ=0.98μmとλ=1.48μmの2つの波長からいずれかを選択して用いられ、信号光はλ=1.55μmである。よって、λ=1.48μm、λ=1.55μmの場合は、λとλの差が比較的小さいのでVとVの差も小さく、MFD/2aはほぼ近い値となる。したがって、このときは信号光または励起光のいずれか一方の波長におけるMFDの整合性を図れば、他方の波長においてもMFDの整合性がほぼ得られる。
しかしながら、λ=0.98μm、λ=1.55μmの場合は、0.98/1.55≒63%と両波長の差が大きいので、VとVの差が大きく、MFD/2aの差も大きくなる。この場合には、一方の波長におけるMFDの整合性を図っても、他方の波長におけるMFDの整合性は得られない。このことを図4中に示す。例えば励起光波長λ=0.98μmにおいてV=2.2と小さく設定されているEDFにおいては、信号光波長λ=1.55μmにおいてはV=1.39となり、両波長におけるMFD/2aの差は0.83と大きくなってしまう(図中●で示す)。
これに対して、例えば励起光波長λ=0.98μmにおいてV=3.0と大きく設定されている通常の光ファイバにおいては、信号光波長λ=1.55μmにおいてはV=1.89となり、両波長におけるMFD/2aの差は0.4と比較的小さいものである(図中○で示す)。
【0012】
このような2つの異なる波長における接続損失の問題は、光ファイバレーザでも同様である。
希土類添加光ファイバを利得媒質とし、これに励起光を入射して得られる自然放出光を再び希土類添加光ファイバに入射させ、利得媒質に帰還をかけることによって、レーザ光の発振が得られることは知られている。
このような希土類添加光ファイバを用いた光ファイバレーザにおいても、希土類添加光ファイバとレーザを構成する他の光ファイバとの接続部において、励起光と発振光の2つの波長の異なる光が伝搬される場合には、これらの光について同時に低接続損失を達成することが要求される。
【0013】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続部において、信号光(または発振光)および励起光の両方の光について接続損失を小さく抑えることができるようにした光ファイバ増幅器およびレーザを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1記載の光ファイバ増幅器は、希土類をコアに添加した希土類添加光ファイバを利得媒質とした光ファイバ増幅器であって、励起光として用いられる光の波長をλp、信号光の波長をλsとするとき、λp/λs×100の値が80%以下であり、前記希土類添加光ファイバに、該希土類添加光ファイバとコア径が異なっていて希土類が添加されていない他の光ファイバが接続された接続部を有し、前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバとは[2aπn√(2△)]の値(ただし、2aはコア径、nはコア屈折率、△はコアクラッド間の比屈折率差を表す。)が互いに等しく、かつ前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバは、コア内に加熱により拡散されやすいドーパントを含んでなるとともに、両ファイバの接続部で該ドーパントの拡散によりコアが拡径されて両ファイバのコア径が一致されており、該接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび信号光波長におけるMFDがいずれも整合されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項2記載の光ファイバレーザは、希土類をコアに添加した希土類添加光ファイバを利得媒質とした光ファイバレーザであって、励起光として用いられる光の波長をλp、発振光の波長をλsとするとき、λp/λs×100の値が80%以下であり、前記希土類添加光ファイバに、該希土類添加光ファイバとコア径が異なっていて希土類が添加されていない他の光ファイバが接続された接続部を有し、前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバとは[2aπn√(2△)]の値(ただし、2aはコア径、nはコア屈折率、△はコアクラッド間の比屈折率差を表す。)が互いに等しく、かつ前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバは、コア内に加熱により拡散されやすいドーパントを含んでなるとともに、両ファイバの接続部で該ドーパントの拡散によりコアが拡径されて両ファイバのコア径が一致されており、該接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび発振光波長におけるMFDがいずれも整合されていることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
本発明の希土類添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器によれば、希土類添加光ファイバとこれに接続される他の光ファイバとの接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび信号光波長におけるMFDがいずれも整合されているので、接続部における信号光および励起光の接続損失を小さく抑えることができ、高効率の光増幅作用が得られる。
同様に、本発明の光ファイバレーザによれば、希土類添加光ファイバとこれに接続される他の光ファイバとの接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび発振光波長におけるMFDがいずれも整合されているので、発振光および励起光の接続損失を小さく抑えることができ、高効率のレーザ光発振作用が得られる。
具体的には、光ファイバ増幅器においても、また光ファイバレーザにおいても、希土類添加光ファイバとこれに接続される他の光ファイバとの正規化周波数を等しく設定するとともに、該希土類添加光ファイバおよびこれに接続される他の光ファイバのコア内に加熱により拡散されやすいドーパントを添加し、該ドーパントを加熱拡散せしめてコアを拡径させて接続部を形成することによって、波長の異なる光に対するMFDの整合性を同時に得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の光ファイバ増幅器は図1に示した基本構成を用いることができる。本発明の光ファイバ増幅器が、従来のものと大きく異なる点は、希土類添加光ファイバ12と光ファイバ型カプラ11との接続点Sにおいて、両ファイバの信号光波長λにおけるMFDおよび励起光波長λにおけるMFDがいずれも整合されている点である。
希土類添加光ファイバ12としては、コアに希土類、好ましくはエルビウム(Er)が添加されたものが用いられる。
【0018】
本実施例の光ファイバ増幅器においては、少なくとも希土類添加光ファイバ12と、これに接続される光ファイバ型カプラ11を構成する光ファイバとの、信号光波長λにおける正規化周波数Vおよび励起光波長λにおける正規化周波数Vがいずれも等しく設定されている。
正規化周波数Vは、上記数式(II)で計算されるもので、コア径2a、コア屈折率n、およびクラッド屈折率nを適宜調節することによって設定される。尚、光ファイバ型カプラを構成する光ファイバと希土類添加光ファイバとは、VおよびVが等しければよく、コア径、比屈折率差は相違していてよい。
すなわち、数式(II)よりV=(2aπn√2△)/λであるので、希土類添加光ファイバ12およびこれに接続される光ファイバの(2aπn√2△)の値が等しくなるように設定すれば、VもVも両ファイバ間で一致した値となる。
ここで、正規化周波数VおよびVは両ファイバ間で等しいことが望ましいが、必ずしも厳密に等しくなくてもよく、これらの差は接続損失の増大につながるので、用途等によって接続損失がその許容範囲内となるようにすればよい。
【0019】
また希土類添加光ファイバ12、これに接続される光ファイバ型カプラ11を構成する光ファイバ、および好ましくは希土類添加光ファイバ12の出射側に接続される光ファイバには、そのコア内に加熱によって拡散され易いドーパントが添加されている。ここで用いられるドーパントとしては、ゲルマニウムが好ましい。そして、このドーパントの拡散により接続部のコア径が拡大され、必要に応じてMFDが整合されている。
ここで、希土類添加光ファイバ32と光ファイバ型カプラ31の接続部では、これらの正規化周波数VおよびVがいずれも等しく設定されており、上述のように正規化周波数はドーパントの熱拡散によって変化しない。したがって、上記数式(I)より、励起光波長(λ)または信号光波長(λ)のいずれか一方の波長についてMFDを一致させれば、同時に他方の波長についてもMFDの整合性が得られる。実際には、両ファイバのコア径(2a)を実質的に一致させることにより、MFDを一致させることができる。
【0020】
希土類添加光ファイバ12と他の光ファイバとの接続は上述の図3に示すように、まず接続すべき光ファイバの端部を加熱することによって、コア内に含まれているドーパントを拡散させ、これによってコア径を実質的に拡大させる。このときの加熱温度は光ファイバを構成するガラスの組成等によって変化し得るが、1700〜2000℃程度に好ましく設定される。そして必要に応じて、接続点を伝搬する光の波長(信号光波長λまたは励起光波長λ)におけるMFDを観察しながら加熱時間を制御し、所望のMFDを得る。
このようにしてMFDが一致された接続端の端面どうしを突き合わせて、これらを周知の手法で融着接続する。
【0021】
あるいは、希土類添加光ファイバ12と他の光ファイバの接続方法として、まず融着接続を行った後に、接続部分を加熱し、コア内のドーパントを拡散させてMFDの整合性を得ることもできる。
この場合には、希土類添加光ファイバ12と他の光ファイバにおけるドーパントの熱拡散係数を変えておくことが必要である。例えば、希土類添加光ファイバのコアにゲルマニウムを添加するとともに、クラッドにフッ素を添加しておく。一方、他の光ファイバのコアにはゲルマニウムを添加し、クラッドはドーパントを含まないシリカとする。このように、クラッドの組成を違えておくことによって、コア内のドーパントの熱拡散係数が異なるものとなる。ここでは、希土類添加光ファイバ12のほうが、大きな熱拡散係数をもつので、加熱時間を適宜設定することによって、融着接続された希土類添加光ファイバと他の光ファイバのドーパントを同時に加熱拡散させて接続部におけるMFDを一致させることができる。
【0022】
このようにして、本実施例では希土類添加光ファイバ12と光ファイバ型カプラ11の接続点Sでは、信号光および励起光の両方の波長におけるMFDが整合されている。したがって、励起光および信号光を効率よく希土類添加光ファイバに入射することができる。
また希土類添加光ファイバ12とその出射側に接続される光ファイバの接続点Sにおいては、コア内のドーパントの熱拡散によって、信号光波長についてのみMFDの整合性が満たされており、希土類添加光ファイバで励起された信号光の接続損失を抑えて効率よく出射することができる。したがって、この接続点Sについては、特に正規化周波数Vを等しく設定する必要はない。
【0023】
このような光ファイバ増幅器にあっては、信号光波長についても励起光波長についても、接続損失が小さく抑えられているので、信号光波長に対する励起光波長の比(λ/λ×100)が80%以下と、これらの波長が離れている場合にも、高効率の光増幅作用を得ることができる。
【0024】
図5は本発明の光ファイバ増幅器の第2の構成例を示したものである。この例では、希土類添加光ファイバ22の一方から信号光が入射され、他方から光ファイバ型カプラ21を介して励起光が入射されるように構成されている。また希土類添加光ファイバ22から出射される増幅された信号光は、光ファイバ型カプラ21および好ましく設けられたアイソレータ23を介して出力されるようになっている。
この光ファイバ増幅器においては、希土類添加光ファイバ22と光ファイバ型カプラ21の接続点Sにおいて、両ファイバ間で信号光波長および励起光波長における正規化周波数が等しく設定されている。またこれらの接続に際して、コア内のドーパントの熱拡散により、両ファイバの接続端面のMFDが一致するように形成されている。
また希土類添加光ファイバ22と信号光源との接続点S、および光ファイバ型カプラ21光アイソレータ23との接続点Sでは、コア内のドーパントの熱拡散により、両ファイバの信号光波長におけるMFDが一致するように形成されており、光ファイバ型カプラ21と励起光源との接続点Sでは、同様にして両ファイバの励起光波長におけるMFDが一致するように形成されている。
接続点S以外では特に接続される両ファイバの正規化周波数Vを等しく設定する必要はない。
【0025】
このような光ファイバ増幅器にあっては、信号光波長についても励起光波長についても、各接続点における接続損失が小さく抑えられており、効率よく光増幅作用を得ることができる。
【0026】
(実施例1)
希土類添加光ファイバ22として、下記表1に示すパラメータを有するエルビウム添加光ファイバ(EDF)を用いて図5に示す構成の光ファイバ増幅器を作製した。この希土類添加光ファイバ22に接続されるWDM型光ファイバカプラ21の光ファイバAは、下記表1に示すように、EDFとは異なるコア径、比屈折率差を有し、励起光波長におけるVおよび信号光波長におけるVがいずれもEDFのものと等しくなるように形成した。
このEDFと光ファイバAとの接続点Sにおいて、励起光波長λ=0.98μmおよび信号光波長λ=1.55μmにおける接続損失を測定したところ、下記表1に示すように、いずれの波長においても小さい値であった。
また上記S以外の接続点S、S、およびSにおける接続損失はいずれも0.1dB以下に抑えられていた。
【0027】
【表1】
Figure 0003558714
【0028】
さらに、この光ファイバ増幅器に、励起光として波長0.98μmのレーザ光を入射させ、かつ信号光として1.55μmの光を入射させて、増幅された信号光(波長1.55μm)を得た。このときの励起光パワーに対する飽和出力光の比率(変換効率)を調べた。信号光の入力を−5dBm、励起光パワーを60mWとしたとき、変換効率53%であった。
尚、この変換効率は、図5中点Sにおける励起光入射パワーに対する点Sにおける信号光出力パワーを測定したものであって、アイソレータ23等での損失は含まれていない。
【0029】
(比較例1)
希土類添加光ファイバ22に接続されるWDM型光ファイバカプラ21の光ファイバとして、上記表1に示すパラメータを有する光ファイバBを用いた以外は同様にして光ファイバ増幅器を構成した。
このEDFと光ファイバBとの接続点Sについて、上記実施例1と同様にして接続損失を測定したところ、上記表1に示すように大きい値となった。
また上記実施例1と同様にして、励起光パワーに対する飽和出力光の比率(変換効率)を調べたところ38%であった。
上記実施例1および比較例1の結果より、本発明によれば希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続部における接続損失を抑えて、高効率の光ファイバ増幅器が得られることが認められた。
【0030】
図6は本発明の光ファイバレーザの一例として、リング共振型光ファイバレーザの構成例を示したものである。図中符号31はWDM型の光ファイ型バカプラ、32は希土類添加光ファイバ、33は光アイソレータをそれぞれ示す。励起光(波長λ)は、光ファイバ型カプラ31を介して希土類添加光ファイバ32からなるリング型共振器に入射され、希土類添加光ファイバ32を励起する。励起された希土類添加光ファイバ32は、波長λの自然放出光を発光し、この波長λの光を光ファイバ型カプラ31を介して再びリング型共振器32へ入射させ、希土類添加光ファイバ32に光帰還をかけることによって、波長λの発振光が得られる。そして、ここで発振された発振光(波長λ)は、その一部が光ファイバ型カプラ31を介して取り出されるようになっている。
【0031】
この光ファイバレーザにおいては、少なくとも光ファイバ型カプラ31と希土類添加光ファイバ32との接続点Sにおいて、励起光と発振光の2つの波長の異なる光について、同時にMFDの整合性が得られるように構成されている。
すなわち、少なくとも希土類添加光ファイバ32と、これに接続される光ファイバカプラ31を構成する光ファイバとは、励起光波長λにおける正規化周波数Vおよび発振光波長λにおける正規化周波数Vおよびがいずれも等しく設定されている。
また希土類添加光ファイバ32、これに接続される光ファイバ型カプラ31を構成する光ファイバには、そのコア内に、加熱によって拡散され易いドーパントが添加されている。そして、接続端部を加熱することによってドーパントを拡散させて、希土類添加光ファイバ32と、これに接続される光ファイバとの接続端におけるMFDが一致するように形成されている。
希土類添加光ファイバ32のコアに添加される希土類は各種のものを用いることができ、希土類の種類によって異なる波長の発振光が得られる。
希土類添加光ファイバ32と光ファイバ型カプラ31との接続は上述の光ファイバ増幅器の場合と同様にして行なうことができる。
【0032】
このように形成された、希土類添加光ファイバ32と光ファイバ型カプラ31の接続点Sでは、これらの正規化周波数VおよびVが等しく設定されていることから、励起光波長(λ)または発振光波長(λ)のいずれか一方の波長についてMFDを一致させれば、同時に他方の波長についてもMFDの整合性が得られる。
したがって、励起光および発振光が効率よく希土類添加光ファイバに入射される。
このような光ファイバレーザにあっては、励起光波長についても、発振光波長についても、接続損失を小さく抑えることができるので、励起光波長と発振光波長とが離れている場合にも、高効率のレーザ光発振作用を得ることができる。
【0033】
尚、本発明の希土類添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器および光ファイバレーザは上記の構成に限らず、各種の構成が可能である。そして、希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続点であって、波長の異なる複数の光が同時に伝搬される点について、正規化周波数Vを等しく設定するとともに、ドーパントの加熱拡散によりMFDを一致させて、両方の波長についてMFDを同時に整合させることが有効である。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の希土類添加光ファイバを用いた光ファイバ増幅器は、希土類添加光ファイバとこれに接続される他の光ファイバとの接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび信号光波長におけるMFDがいずれも整合されているものである。
したがって、希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続部において、信号光および励起光の両方の光について接続損失を小さく抑えることができる。
よって、信号光波長に対する励起光波長の比(λ/λ×100)が80%以下と、これらの波長が離れている場合にも、高効率の光増幅作用を得ることができる。
【0035】
また本発明の希土類添加光ファイバを用いた光ファイバレーザは、希土類添加光ファイバとこれに接続される他の光ファイバとの接続部で、両ファイバの励起光波長におけるMFDおよび発振光波長におけるMFDがいずれも整合されているものである。
したがって、希土類添加光ファイバと他の光ファイバとの接続部において、信号光および発振光の両方の光について接続損失を小さく抑えることができる。
よって、発振光波長に対する励起光波長の比(λ/λ×100)が80%以下と、これらの波長が離れている場合にも、高効率のレーザ光発振作用を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ増幅器の例を示した概略構成図である。
【図2】希土類添加光ファイバおよび他の光ファイバにおけるコア径とモードフィールド径を示す説明図である。
【図3】コア径が異なる光ファイバの融着接続の例を示す工程図である。
【図4】コア径に対するモードフィールド径の比と正規化周波数との関係を示したグラフである。
【図5】光ファイバ増幅器の他の例を示した概略構成図である。
【図6】光ファイバレーザの例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
11,21,31……光ファイバ型カプラ
12,22,32……希土類添加光ファイバ

Claims (2)

  1. 希土類をコアに添加した希土類添加光ファイバを利得媒質とした光ファイバ増幅器であって、
    励起光として用いられる光の波長をλp、信号光の波長をλsとするとき、λp/λs×100の値が80%以下であり、
    前記希土類添加光ファイバに、該希土類添加光ファイバとコア径が異なっていて希土類が添加されていない他の光ファイバが接続された接続部を有し、
    前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバとは[2aπn√(2△)]の値(ただし、2aはコア径、nはコア屈折率、△はコアクラッド間の比屈折率差を表す。)が互いに等しく、かつ
    前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバは、コア内に加熱により拡散されやすいドーパントを含んでなるとともに、両ファイバの接続部で該ドーパントの拡散によりコアが拡径されて両ファイバのコア径が一致されており、
    該接続部で、両ファイバの励起光波長におけるモードフィールド径および信号光波長におけるモードフィールド径がいずれも整合されていることを特徴とする光ファイバ増幅器。
  2. 希土類をコアに添加した希土類添加光ファイバを利得媒質とした光ファイバレーザであって、
    励起光として用いられる光の波長をλp、発振光の波長をλsとするとき、λp/λs×100の値が80%以下であり、
    前記希土類添加光ファイバに、該希土類添加光ファイバとコア径が異なっていて希土類が添加されていない他の光ファイバが接続された接続部を有し、
    前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバとは[2aπn√(2△)]の値(ただし、2aはコア径、nはコア屈折率、△はコアクラッド間の比屈折率差を表す。)が互いに等しく、かつ
    前記希土類添加光ファイバと前記他の光ファイバは、コア内に加熱により拡散されやすいドーパントを含んでなるとともに、両ファイバの接続部で該ドーパントの拡散によりコアが拡径されて両ファイバのコア径が一致されており、
    該接続部で、両ファイバの励起光波長におけるモードフィールド径および発振光波長におけるモードフィールド径がいずれも整合されていることを特徴とする光ファイバレーザ。
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