JP3558184B2 - 蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温にさらされ熱的に損傷の受けやすい例えば蓄熱型燃焼バーナの燃料ノズルを空気によって冷却する際、高温時や、非燃焼時において炉内に流れ込む冷却用空気量を抑えることにより、効率、空気比の制御性の向上と共に、低NOx性を維持した、蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば交番燃焼型バーナ(リジェネレイティブバーナ)は、排熱回収型のバーナで、バーナと蓄熱体を一体化したものを一対、炉体の両側面に配設して炉内に対向するように火炎を形成して、切り換え燃焼させるようにしたものである。かかるバーナの概略構成は、例えば図6に示すように、炉壁1にバーナタイルによって燃料を噴出するための燃料噴出口2と、この燃料噴出口2周辺に予熱空気を噴出させる空気噴出口3とを形成し、前記燃料噴出口2は、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管4に連なり、この冷却用空気供給管4に燃料ノズル5が内蔵してある。燃料ノズル5は燃料噴出口2近傍まで延在しており、前記冷却用空気供給管4を通ってきた冷却用空気と共に炉内に噴出する構造となっている。
一方、前記空気噴出口3は、蓄熱体6を充填した蓄熱室7に連なる。この蓄熱室7は、前記冷却用空気供給管4を取り囲むように形成され、燃焼用空気を、他方のバーナによる燃焼排ガスと熱交換を行った前記蓄熱体6を通過させて予熱し、炉内に噴出させるという構造となっている。
かかるバーナにおいて、冷却用空気供給管4には、常時、一定流の冷却用空気が流れている。他方のバーナの燃焼による燃焼排ガスが蓄熱室7を介して排出する際は、メインガスの供給が遮断され、パイロットガスのみが供給されて燃焼している。このパイロットガスによるパイロット炎は低温時及び燃焼切り換え時に前記冷却用空気を利用して保炎がなされるので、冷却用空気は、単に冷却用として要する量より過大な量が流れるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、前述のようにバーナの燃焼停止状態においては、冷却用空気供給管4、燃料噴出口2を介して炉内に流入する冷却用空気の量は過大であり、効率が低下する要因となり、空気比の制御も難しく、NOxの発生量が増大する。特に、インプットが絞られるときには、炉内に入る全空気量に対して冷却用空気の量の比率が高くなるために前記の欠点がさらに顕著となる(図7参照)。
本発明は、このような背景から提案されたものであって、燃料ノズルを空気によって冷却する際、高温時や、非燃焼時において炉内に流れ込む冷却用空気量を抑えることにより、効率、空気比の制御性の向上と共に、低NOx性を維持した、蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明では、請求項1において、蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、前記蓄熱室の炉壁外側に面する端面に、冷却用空気供給管を取り囲むように、前記蓄熱室に連通する燃焼用空気のための空気室を設け、この空気室と冷却用空気供給管とを連通する通孔を設けて、燃焼停止時に、燃焼排ガスを蓄熱室に取り込んで蓄熱体と熱交換を行い、空気室から排出させる際、冷却用空気供給管に流れる冷却用空気の一部を、前記通孔を介して空気室側に吸引し、炉内に流入する冷却用空気の流量を減少させるようにした蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提案する。
また本発明では、請求項2において、蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、蓄熱室と、燃料噴出口近傍の空間部に近接した、冷却用供給管の燃料ノズルの先端部側に対応する位置に通孔を設け、燃焼停止時に、蓄熱室に流れ込む燃焼排ガスによって、冷却用空気供給管を通過する冷却用空気の一部を前記通孔から蓄熱室に吸引して、炉内に流れ込む冷却用空気の量を抑えるようにした蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提案する。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を実施するための一つの実施の形態を示し、図面に基づいて、以下説明する。
図1に蓄熱型燃焼バーナ10(リジェネレイティブバーナ10)の要部を模式的に示す。
このリジェネレイティブバーナ10は、バーナと蓄熱体(後述)を一体化した構造のもので、炉体の両側面にそれぞれ配設して、切り換え燃焼させるようにしたもので、炉壁(図示省略)にバーナタイル11によって燃料を噴出するための燃料噴出口12と、この燃料噴出口12周辺に予熱空気を噴出させる空気噴出口13とを形成する構成としている。
前記燃料噴出口12は、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管14に連通しており、この冷却用空気供給管14に燃料ノズル15が内蔵してある。燃料ノズル15は燃料噴出口12近傍まで延在しており、前記冷却用空気供給管14を通ってきた冷却用空気と共に炉内に噴出する構造となっている。
一方、前記空気噴出口13は、蓄熱体16を充填した蓄熱室17に連通している。この蓄熱室17は、前記冷却用空気供給管14を取り囲むように形成され、燃焼用空気を、他方のバーナによる燃焼排ガスと熱交換を行った前記蓄熱体16を通過させて予熱し、炉内に噴出させるという構造となっている。
前記バーナタイル11による燃料噴出口12近傍の空間部18、並びに空気噴出口13近傍の空間部19は、断面が絞り込み形状に形成してある。
そして、前記蓄熱室17の炉壁外側に面する端面に、冷却用空気供給管14を取り囲むように、前記蓄熱室17に連通する燃焼用空気のための空気室20を設け、この空気室20と冷却用空気供給管14とを連通する通孔21を設けて、燃焼停止時に、燃焼排ガスを蓄熱室17に取り込んで蓄熱体16と熱交換を行い、空気室20から排出させる際、冷却用空気供給管14に流れる冷却用空気の一部を、前記通孔21を介して空気室20側に吸引し、炉内に流入する冷却用空気の流量を減少させる構成としている。
【0006】
以上のようなリジェネレイティブバーナ10において、燃焼時には、燃焼用空気は、空気室20から蓄熱室17に入り、蓄熱体16と熱交換を行い、空気噴出口13から炉内に噴出する。また、前記燃焼用空気の一部は、空気室20から通孔21を介して冷却用空気供給管14側に流入し、冷却用空気と共に燃料噴出口12までもたらされ、燃料と共に炉内に噴出し、前記空気噴出口20からの予熱された空気と混合させ、燃焼が達せられる(図1参照)。
一方、燃焼停止時には、他方のバーナによる燃焼排ガスが蓄熱室17に取り込まれて蓄熱体16と熱交換を行い、空気室20から排出される。この際、冷却用空気供給管14に流れる冷却用空気の一部は、通孔21を介して空気室20側に吸引され、冷却用空気は流量が減少して燃料噴出口12までもたらされ、炉内に流入する。従って、炉内に必要以上に冷却用空気が流れ込むようなことはなく、温度が降下して効率が低下するのを抑えることができると共に、炉内の酸素濃度が高くなることはないので、NOxの生成も抑えることができる(図2参照)。
また、いずれのバーナの燃焼が行われず、給気も排気もなされていないときは、冷却用空気供給管14から通孔21を介して空気室20側に流入するだけであり、炉内に過度に冷却用空気が流れ込むことはない(図3参照)。
【0007】
さらに本発明は、図4のような構造によっても実施することができる。
ここでは、蓄熱室17と冷却用空気供給管14との間に、すなわち、燃料噴出口12近傍の空間部18側に近接した、燃料ノズル15の先端部側に対応する位置に通孔30を設けている。
【0008】
かかる構造では、燃焼時には、蓄熱室17を通過する燃焼用空気(予熱空気)は、空気噴出口13から炉内に噴出する一方、一部が蓄熱室17と冷却用空気供給管14との間の通孔30から、冷却用空気供給管14側に流れ込む。また、排気時には、蓄熱室17に流れ込む燃焼排ガスによって、冷却用空気供給管14を通過する冷却用空気の一部が吸引されて、通孔30から蓄熱室17に流れ込む。このため、冷却用空気供給管14を通過して炉内に流れ込む冷却用空気の量は減少する。従って、この排気時に、炉内への過度な冷却用空気の流れ込みを抑えて、温度の降下、空気比の変動を抑えることができ、再び、燃焼を開始する際および低温時における保炎も容易となる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、
(1)排気時(燃焼停止時)における、炉内に流れ込む低温の冷却用空気を減少させることができ、温度の降下による効率の低下を阻止することができる。
(2)冷却による熱的損傷を抑えることができると共に、保炎性を損なうことはない。
(3)空気比の制御性が向上し、NOxの発生も抑制することができる。
【0010】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造の一例を示す模式的な要部構造説明図である。
【図2】図1に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、排気時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図3】図1に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、非燃焼時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図4】本発明における蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造の別例を示す模式的な要部構造説明図である。
【図5】図4に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、排気時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図6】現行にかかる蓄熱型燃焼バーナの概略構造を示した、模式的な要部系統説明図である。
【図7】バーナ出力と、炉内に入る全空気量に対する冷却用空気の量の比率との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10 リジェネレイティブバーナ
11 バーナタイル
12 燃料噴出口
13 空気噴出口
14 冷却用空気供給管
15 燃料ノズル
16 蓄熱体
17 蓄熱室
18、19 空間部
20 空気室
21、30 通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温にさらされ熱的に損傷の受けやすい例えば蓄熱型燃焼バーナの燃料ノズルを空気によって冷却する際、高温時や、非燃焼時において炉内に流れ込む冷却用空気量を抑えることにより、効率、空気比の制御性の向上と共に、低NOx性を維持した、蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば交番燃焼型バーナ(リジェネレイティブバーナ)は、排熱回収型のバーナで、バーナと蓄熱体を一体化したものを一対、炉体の両側面に配設して炉内に対向するように火炎を形成して、切り換え燃焼させるようにしたものである。かかるバーナの概略構成は、例えば図6に示すように、炉壁1にバーナタイルによって燃料を噴出するための燃料噴出口2と、この燃料噴出口2周辺に予熱空気を噴出させる空気噴出口3とを形成し、前記燃料噴出口2は、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管4に連なり、この冷却用空気供給管4に燃料ノズル5が内蔵してある。燃料ノズル5は燃料噴出口2近傍まで延在しており、前記冷却用空気供給管4を通ってきた冷却用空気と共に炉内に噴出する構造となっている。
一方、前記空気噴出口3は、蓄熱体6を充填した蓄熱室7に連なる。この蓄熱室7は、前記冷却用空気供給管4を取り囲むように形成され、燃焼用空気を、他方のバーナによる燃焼排ガスと熱交換を行った前記蓄熱体6を通過させて予熱し、炉内に噴出させるという構造となっている。
かかるバーナにおいて、冷却用空気供給管4には、常時、一定流の冷却用空気が流れている。他方のバーナの燃焼による燃焼排ガスが蓄熱室7を介して排出する際は、メインガスの供給が遮断され、パイロットガスのみが供給されて燃焼している。このパイロットガスによるパイロット炎は低温時及び燃焼切り換え時に前記冷却用空気を利用して保炎がなされるので、冷却用空気は、単に冷却用として要する量より過大な量が流れるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、前述のようにバーナの燃焼停止状態においては、冷却用空気供給管4、燃料噴出口2を介して炉内に流入する冷却用空気の量は過大であり、効率が低下する要因となり、空気比の制御も難しく、NOxの発生量が増大する。特に、インプットが絞られるときには、炉内に入る全空気量に対して冷却用空気の量の比率が高くなるために前記の欠点がさらに顕著となる(図7参照)。
本発明は、このような背景から提案されたものであって、燃料ノズルを空気によって冷却する際、高温時や、非燃焼時において炉内に流れ込む冷却用空気量を抑えることにより、効率、空気比の制御性の向上と共に、低NOx性を維持した、蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明では、請求項1において、蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、前記蓄熱室の炉壁外側に面する端面に、冷却用空気供給管を取り囲むように、前記蓄熱室に連通する燃焼用空気のための空気室を設け、この空気室と冷却用空気供給管とを連通する通孔を設けて、燃焼停止時に、燃焼排ガスを蓄熱室に取り込んで蓄熱体と熱交換を行い、空気室から排出させる際、冷却用空気供給管に流れる冷却用空気の一部を、前記通孔を介して空気室側に吸引し、炉内に流入する冷却用空気の流量を減少させるようにした蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提案する。
また本発明では、請求項2において、蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、蓄熱室と、燃料噴出口近傍の空間部に近接した、冷却用供給管の燃料ノズルの先端部側に対応する位置に通孔を設け、燃焼停止時に、蓄熱室に流れ込む燃焼排ガスによって、冷却用空気供給管を通過する冷却用空気の一部を前記通孔から蓄熱室に吸引して、炉内に流れ込む冷却用空気の量を抑えるようにした蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を提案する。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造を実施するための一つの実施の形態を示し、図面に基づいて、以下説明する。
図1に蓄熱型燃焼バーナ10(リジェネレイティブバーナ10)の要部を模式的に示す。
このリジェネレイティブバーナ10は、バーナと蓄熱体(後述)を一体化した構造のもので、炉体の両側面にそれぞれ配設して、切り換え燃焼させるようにしたもので、炉壁(図示省略)にバーナタイル11によって燃料を噴出するための燃料噴出口12と、この燃料噴出口12周辺に予熱空気を噴出させる空気噴出口13とを形成する構成としている。
前記燃料噴出口12は、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管14に連通しており、この冷却用空気供給管14に燃料ノズル15が内蔵してある。燃料ノズル15は燃料噴出口12近傍まで延在しており、前記冷却用空気供給管14を通ってきた冷却用空気と共に炉内に噴出する構造となっている。
一方、前記空気噴出口13は、蓄熱体16を充填した蓄熱室17に連通している。この蓄熱室17は、前記冷却用空気供給管14を取り囲むように形成され、燃焼用空気を、他方のバーナによる燃焼排ガスと熱交換を行った前記蓄熱体16を通過させて予熱し、炉内に噴出させるという構造となっている。
前記バーナタイル11による燃料噴出口12近傍の空間部18、並びに空気噴出口13近傍の空間部19は、断面が絞り込み形状に形成してある。
そして、前記蓄熱室17の炉壁外側に面する端面に、冷却用空気供給管14を取り囲むように、前記蓄熱室17に連通する燃焼用空気のための空気室20を設け、この空気室20と冷却用空気供給管14とを連通する通孔21を設けて、燃焼停止時に、燃焼排ガスを蓄熱室17に取り込んで蓄熱体16と熱交換を行い、空気室20から排出させる際、冷却用空気供給管14に流れる冷却用空気の一部を、前記通孔21を介して空気室20側に吸引し、炉内に流入する冷却用空気の流量を減少させる構成としている。
【0006】
以上のようなリジェネレイティブバーナ10において、燃焼時には、燃焼用空気は、空気室20から蓄熱室17に入り、蓄熱体16と熱交換を行い、空気噴出口13から炉内に噴出する。また、前記燃焼用空気の一部は、空気室20から通孔21を介して冷却用空気供給管14側に流入し、冷却用空気と共に燃料噴出口12までもたらされ、燃料と共に炉内に噴出し、前記空気噴出口20からの予熱された空気と混合させ、燃焼が達せられる(図1参照)。
一方、燃焼停止時には、他方のバーナによる燃焼排ガスが蓄熱室17に取り込まれて蓄熱体16と熱交換を行い、空気室20から排出される。この際、冷却用空気供給管14に流れる冷却用空気の一部は、通孔21を介して空気室20側に吸引され、冷却用空気は流量が減少して燃料噴出口12までもたらされ、炉内に流入する。従って、炉内に必要以上に冷却用空気が流れ込むようなことはなく、温度が降下して効率が低下するのを抑えることができると共に、炉内の酸素濃度が高くなることはないので、NOxの生成も抑えることができる(図2参照)。
また、いずれのバーナの燃焼が行われず、給気も排気もなされていないときは、冷却用空気供給管14から通孔21を介して空気室20側に流入するだけであり、炉内に過度に冷却用空気が流れ込むことはない(図3参照)。
【0007】
さらに本発明は、図4のような構造によっても実施することができる。
ここでは、蓄熱室17と冷却用空気供給管14との間に、すなわち、燃料噴出口12近傍の空間部18側に近接した、燃料ノズル15の先端部側に対応する位置に通孔30を設けている。
【0008】
かかる構造では、燃焼時には、蓄熱室17を通過する燃焼用空気(予熱空気)は、空気噴出口13から炉内に噴出する一方、一部が蓄熱室17と冷却用空気供給管14との間の通孔30から、冷却用空気供給管14側に流れ込む。また、排気時には、蓄熱室17に流れ込む燃焼排ガスによって、冷却用空気供給管14を通過する冷却用空気の一部が吸引されて、通孔30から蓄熱室17に流れ込む。このため、冷却用空気供給管14を通過して炉内に流れ込む冷却用空気の量は減少する。従って、この排気時に、炉内への過度な冷却用空気の流れ込みを抑えて、温度の降下、空気比の変動を抑えることができ、再び、燃焼を開始する際および低温時における保炎も容易となる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によれば、
(1)排気時(燃焼停止時)における、炉内に流れ込む低温の冷却用空気を減少させることができ、温度の降下による効率の低下を阻止することができる。
(2)冷却による熱的損傷を抑えることができると共に、保炎性を損なうことはない。
(3)空気比の制御性が向上し、NOxの発生も抑制することができる。
【0010】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造の一例を示す模式的な要部構造説明図である。
【図2】図1に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、排気時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図3】図1に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、非燃焼時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図4】本発明における蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造の別例を示す模式的な要部構造説明図である。
【図5】図4に示す蓄熱型燃焼バーナにおいて、排気時における作用を示した模式的な要部構造説明図である。
【図6】現行にかかる蓄熱型燃焼バーナの概略構造を示した、模式的な要部系統説明図である。
【図7】バーナ出力と、炉内に入る全空気量に対する冷却用空気の量の比率との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
10 リジェネレイティブバーナ
11 バーナタイル
12 燃料噴出口
13 空気噴出口
14 冷却用空気供給管
15 燃料ノズル
16 蓄熱体
17 蓄熱室
18、19 空間部
20 空気室
21、30 通孔
Claims (2)
- 蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、前記蓄熱室の炉壁外側に面する端面に、冷却用空気供給管を取り囲むように、前記蓄熱室に連通する燃焼用空気のための空気室を設け、この空気室と冷却用空気供給管とを連通する通孔を設けて、燃焼停止時に、燃焼排ガスを蓄熱室に取り込んで蓄熱体と熱交換を行い、空気室から排出させる際、冷却用空気供給管に流れる冷却用空気の一部を、前記通孔を介して空気室側に吸引し、炉内に流入する冷却用空気の流量を減少させることを特徴とする蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造。
- 蓄熱型燃焼バーナにおいて、炉壁にバーナタイルにより燃料を噴出するための燃料噴出口と共に空気噴出口を形成し、前記燃料噴出口に、冷却用空気を通過させる冷却用空気供給管を連通すると共にこの冷却用空気供給管に燃料ノズルを内蔵し、前記冷却用空気供給管を取り囲むように、蓄熱体を充填した蓄熱室を形成して空気噴出口と連通させ、燃焼用空気を、燃焼停止時に燃焼排ガスを前記蓄熱室に取り込んで熱交換を行った蓄熱体に通過させて予熱すると共に炉内に噴出させる構造とし、蓄熱室と、燃料噴出口近傍の空間部に近接した、冷却用供給管の燃料ノズルの先端部側に対応する位置に通孔を設け、燃焼停止時に、蓄熱室に流れ込む燃焼排ガスによって、冷却用空気供給管を通過する冷却用空気の一部を前記通孔から蓄熱室に吸引して、炉内に流れ込む冷却用空気の量を抑えることを特徴とする蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造。
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JP32773195A JP3558184B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32773195A JP3558184B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09166317A JPH09166317A (ja) | 1997-06-24 |
JP3558184B2 true JP3558184B2 (ja) | 2004-08-25 |
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ID=18202364
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JP32773195A Expired - Fee Related JP3558184B2 (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 蓄熱型燃焼バーナにおける空気流量の調節構造 |
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JP7220971B2 (ja) * | 2022-08-31 | 2023-02-13 | 中外炉工業株式会社 | 燃焼設備の燃焼制御方法 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP32773195A patent/JP3558184B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09166317A (ja) | 1997-06-24 |
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