JP3557710B2 - 尿サンプリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明は、尿分析に当たり住宅やオフィスその他のトイレットにおいて個人が***した尿をその場でサンプリングするための装置に関する。より詳しくは、本発明は、市販の標準型の水洗便器を備えたトイレットにおいて効率良く尿をサンプリングすることの可能な尿サンプリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人々の長寿高齢化に伴い、健康管理に関する各人の関心が高まっている。尿は個人の健康状態に関する重要な情報源であり、尿糖、尿蛋白、ウロビリノーゲン、潜血、その他の尿成分を定量分析することにより、糖尿病のようなすい臓障害や肝臓障害や腎臓障害その他の機能障害を非侵襲方式で検査することができる。そこで、家庭や職場その他のトイレットを利用して尿のサンプリングと分析を行い、個人の健康チェックを支援することの可能な、尿分析機能を備えたトイレットが提案されている。
【0003】
例えば、特開昭59−217844号、特開昭63−184057号、特開昭63−290961号、特開平1−178866号、特開平4−191660号には、洋式便器のボウル面に採尿部を形成し、ボウル面に***された尿を採尿部に集めてサンプリングすることが提案されている。採取された尿サンプルは、液体クロマトグラフ法、試験紙法、或いはポーラログラフ法により分析される。ボウル面の採尿部を利用したこのサンプリング方式の利点は、ボウル面に***された尿を放尿方向や落下位置に関係なくかなり広い面積から集めて採取することができるということである。
【0004】
しかしながら、このサンプリング方式の難点は、標準型の便器や既設の便器を利用することができず、ボウル面に採尿部が形成された尿サンプリング目的の特殊便器を必要とすることである。斯る特殊便器は、標準型の便器とは別個に特別に製造しなければならず、従って大量生産によるコストダウンが難かしいので、一般家庭や職場やオフィスに普及させるには余りに高価である。また、通常のボウル形状の標準型の便器を備えた既設のトイレットを尿分析ができるように改造する場合には、先ず既存の便器を撤去し、次に尿分析目的の特殊便器を設置しなければならないので、工事に多大な費用と手数を要すると共に、既存設備の廃棄を招く。更に、便器洗浄後にはボウル面の採尿部には洗浄水や古い尿や***物が残留し、サンプリングすべき新たな尿を希釈し或いは汚染するので、良好な検体をサンプリングできないおそれがある。
【0005】
特開昭62−187253号の第4図には、***物採取容器を支持したスイングアームを便器のボウル空間内で揺動させ、尿その他の***物を採取するようになったサンプリング装置が開示されている。***物採取容器は皿状であり、常に水平に保持されるようになっているので、試料の採取には好都合である。しかし、採取容器は水平に保持されるので、収納に際しては前後方向にかなりのスペースを要する。このため、便器のボウルの後部には検査領域兼用の特殊な収納空間が形成してある。従って、この装置においても、後部に採取容器を収納するための収納領域が形成された特製の便器をやはり必要とするので、標準型の便器を使用することができないという不便がある。
【0006】
特開昭62−187253号の他の問題点は、尿をサンプリングするに際してはスイングアームの揺動に時間を要するということである。即ち、***物採取容器は尿だけでなく大便もサンプリングするようになっているので、***物採取容器はボウル後部の収納領域から前方に揺動するようになっている。しかしながら、尿は、一般に、ボウルの中央よりも前方に落下するので、使用者が尿サンプリングの開始スイッチを押した後、ボウル後部の収納位置から尿のサンプリングに適した前方の位置まで採取容器を移動させるには時間がかかり、採尿準備の待ち時間が長くなる。
【0007】
実開平5−30764号には、便座に付加した採尿機構によって尿をサンプリングし分析装置に送って分析するようになった健康診断装置が提案されている。便座に着座した使用者から***された尿をボウル空間内の空中で受け取ってサンプリングするため、便座の下面には垂直軸線を中心として旋回可能な旋回アームの一端が取付けてあり、このアームの自由端には円筒形の縦長の採尿カップが取り付けてある。アームの回動は、手動あるいは電動で行われる。この健康診断装置は、特製の便器を必要とせず、標準型の便器を利用して尿をサンプリングすることができるという利点がある。
【0008】
しかしながら、この装置の問題点は、***された尿を効率良くサンプリングするのが困難であり、また、採尿機構が実用的でないということである。即ち、一般に、放尿方向には男女差による変動があり、男性の場合には尿柱は比較的ボウルの前方に落下し、女性の場合にはこれよりもやゝ後寄りに落下する。また、放尿方向には個人差があり、便座に着座した時の被験者の姿勢に応じてその都度方向が変動する。これらの結果、便器のボウル空間に落下する尿柱の軌跡は前後にずれると共に、左右方向にもずれる。従って、***された尿を確実にサンプリングするためには、採尿容器は出来るだけ大きく形成しなければならない。さもないと、尿柱が具合良く採尿容器に命中しない場合には、サンプリングの機会を失することになる。特に、尿分析の必要性の高い高齢者の場合には1回当たりの排尿量は少ないので、確実に採尿するためには大型の採尿容器を使用する必要がある。
【0009】
しかしながら、標準型の便器を使用して尿をサンプリングする場合には、トイレットは通常の用便の目的にも使用しなければならないので、採尿容器の非使用時には採尿容器を便座の下などの邪魔にならない場所に収納できることが望ましい。そこで、他方において、採尿容器には、充分に小型でなければならないという要請が課される。実開平5−30764号の採尿機構においては円筒形の縦長の採尿カップが使用してあるので、相反するこれらの要求を充たすのが困難である。
【0010】
また、実開平5−30764号に開示された採尿機構においては採尿カップは垂直な回転軸線を中心とする円弧状の軌跡に沿って移動せられるので、便器の中央面に沿って採尿カップを移動させることができない。従って、尿柱の落下位置の前後方向のずれに適合させるべく採尿カップを旋回させた場合には採尿容器は左右方向にずれるので、***された尿を効率良く確実に採取するのが困難である。
【0011】
更に、トイレットでの採尿は楽な姿勢で行えることが望ましい。一般に、被験者が便座に着座したときには、臀部の1部は体重により便座より下方に多少沈み込む。実開平5−30764号の装置では、旋回アームは便座に装着されていると共に垂直な回転軸線を中心として回転するようになっているので、採尿カップの旋回位置が高すぎ、採尿容器を旋回させると採尿容器が被験者の臀部(或いは、男性の場合にはペニス)にぶつかる。従って、実際には、被験者が便座から腰を浮かせながら放尿しない限り、採尿容器との干渉を避けるのは困難であろう。また、採尿カップの位置が高すぎるので、使用者の臀部や大腿部に尿のハネがかかるという不具合がある。
【0012】
使用後には尿で汚れた採尿容器やスイングアームは十分に洗浄するのが好ましい。さもないと、次回のサンプリングに際しては尿サンプルは前回の尿で汚染されるので、良好な検体を採取することができず、高精度の尿分析を行うことができない。また、尿で汚れた採尿容器やスイングアームを放置すると、不潔であり、悪臭発生の原因となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主たる目的は、従来型の標準型水洗便器を備えたトイレットにおいて効果的に尿をサンプリングすることの可能な実用的な尿サンプリング装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、標準型の便器を利用して尿をサンプリングするにあたり、非使用時に容易に収納可能な形状の採尿容器を使用しながらも、確実に尿をサンプリングすることの可能な尿サンプリング装置を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、非使用時には便座に隠蔽される位置に収納することができ、トイレットの通常の使用に支障を来すことのない尿サンプリング装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、標準型便器を備えたトイレットにおいて尿をサンプリングするに当たり、男女差や着座姿勢の変動に起因する尿柱の軌跡の前後方向或いは左右方向のバラツキに関係なく、確実かつ容易に尿を採取することの可能な尿サンプリング装置を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、被験者が安楽な普通の姿勢で放尿した時にも男女差や個人差に関係なく確実に採尿を行うことの可能な尿サンプリング装置を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、採尿容器を清潔に維持するため、使用後に採尿容器を洗浄する小型でコンパクトな洗浄装置を備えた尿サンプリング装置を提供することである。
【0019】
【発明の構成】
【課題を解決するための手段および作用の概要】
本発明の特徴は特許請求の範囲に記載した通りである。その概要を述べるに、本発明の尿サンプリング装置はスイングアームを備え、このスイングアームの一端は便器のリムの側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持されている。スイングアームの他端には採尿容器が装着されており、この採尿容器はスイングアームの揺動に伴い便器のボウル空間内で揺動せられる。本発明の採尿容器は、ほぼ平たい形状に構成されていることを特徴としている。この採尿容器は、モータのような駆動手段によってスイングアームを揺動させるとほぼ垂直な姿勢とほぼ水平な姿勢との間で揺動するようにスイングアームに取り付けてある。好ましくは、採尿容器の入口開口はスイングアームの半径方向(回転軸線に垂直な方向)に対してほぼ垂直になっている。
【0020】
このように採尿容器は平たい盆状に形成してあるので、採尿にあたりスイングアームをほぼ垂直なその最下位置に揺動させた時には採尿容器は水平になる。この状態では、採尿容器の入口開口も水平になるので、女性の場合のようにやゝ下向きに落下する尿に対して入口開口は最大の受尿面積を提供し、尿を効果的に採取することができる。また、採尿容器を水平に保持した時には、その内容量は最大になる。
【0021】
スイングアームを斜めの姿勢に揺動させると、採尿容器の入口開口も斜めの姿勢を取る。この姿勢は、男性の場合のように斜め前方寄りに落下する尿を最大の受尿面積で効果的に受け取るのに適している。
【0022】
非使用時には、スイングアームを水平な位置まで揺動させると、採尿容器は垂直な姿勢を取る。この姿勢では、採尿容器の前後方向寸法は小さくなるので、便器のリムの内側において便座に隠蔽されるような前後に狭いスペースに容易に収納することができる。このように便座に隠蔽される場所に収納すれば、トイレットの通常の使用の邪魔になることがなく、また、トイレットの通常の使用の過程で尿サンプリング装置が汚損されることがない。採尿容器を垂直に位置決めした時には、余分の尿や洗浄水のような内容物はボウルに排出される。
【0023】
好ましい実施態様においては、採尿容器は、尿溜まりとこの尿溜まりに向かって傾斜した傾斜前壁および傾斜底壁を備え、便器の横断方向に延長する長軸をもったほぼ矩形の入口開口を有する。このように横長の採尿容器を使用すれば、尿の軌跡が左右に多少ずれたとしても、尿柱は採尿容器の横方向長さの範囲内に落下することになり、効率良く尿を採取することができる。
【0024】
一実施態様においては、非使用時には、スイングアームを後方に揺動させて、採尿容器を便器のリムの後部に隣接する収納室に収納することができる。しかし、好ましい実施態様においては、スイングアームを前方に揺動させることにより採尿容器は便器のリムの前部に隣接する収納室に収納される。このように非使用時には便器の前部に設けた収納室内に採尿容器を収納し、尿のサンプリングに際してはこの収納室から出発して後下方に向かって採尿容器を揺動させるようにすれば、便器の後部から揺動させる場合に比べて採尿容器をより早く採尿位置に持ち来すことができる。従って、使用者がスタートスイッチを押してから採尿を開始できるまでの採尿準備の待ち時間を短縮することができる。また、このように採尿容器を前方に収納すれば、便器の後部にビデ装置(股間部洗浄装置)を設置することができ、トイレットを多機能にすることができる。
【0025】
収納室はリムの側部から前部(或いは後部)までリムの内縁に沿って湾曲して延長させると共に、スイングアームもリムの内縁に沿って湾曲させ、使用後にスイングアームもまたこの収納室内に収納するようにするのが好ましい。好ましくは、収納室には採尿容器に向かって指向した洗浄水噴射ノズルのような洗浄手段を配置し、洗浄水を噴射させることにより使用後に採尿容器とスイングアームを洗浄する。
【0026】
スイングアームやそれを揺動させるためのモータのような駆動手段や収納室は便座に装着することができる。他の実施態様においては、それらは便器のリムに着脱自在に取り付けたフレームに搭載することができる。
【0027】
本発明の上記特徴や効果、ならびに、他の特徴や利点は、以下の実施例の記載に従い明らかにする。
【0028】
【実施例】
最初に、図1から図9を参照しながら、本発明の尿サンプリング装置の第1実施例について説明する。図1はこの第1実施例に係る尿サンプリング装置を備えた尿分析ユニットをトイレットの標準型の便器に取付けたところを示し、図2は図1の尿分析ユニットのハウジングを分解したところを示す。
【0029】
これらの図面を参照するに、トイレット10は市販の標準型の水洗便器12を有し、この便器12には本発明の尿サンプリング装置を備えた尿分析ユニット14が取付けられている。便器12は、ヴォルテックス型、サイフォン型、サイフォンジェット型、ウォッシュダウン型、その他任意の形式の標準型のもので、通常のボウル(便鉢)部16と洗浄水供給部18を有する。図示した実施例では、洗浄水供給部はシスターン取付け部18からなり、この取付け部18には従来型のシスターン20が周知の態様で取付けてあるが、シスターンに代えて洗浄弁を備えた洗浄管から洗浄水を供給してもよい。
【0030】
尿分析ユニット14は、後述するように便器12に固定されるハウジング22を有し、このハウジング22には便座24が回動可能に装着される。図示した第1実施例においては、本発明の尿サンプリング装置26はこの便座24に組み込んである。ハウジング22には、また、従来型の便蓋28が開閉可能に装着してある。トイレットの側壁には、尿サンプリング装置26を初めとする尿分析ユニット14の構成要素を制御し、かつ、分析結果を出力するための制御ユニット30を設置することができる。
【0031】
尿分析ユニット14のハウジング22は、例えば図2に示したように、ハウジング基板32と、上部ケーシング34と、左右の下部ケーシング36および38とで構成することができる。ハウジング22のこれらの部品は樹脂の射出成形により製造することができ、ビスなどにより互いに一体に締結することによりハウジング22を形成する。図2に示したように、標準型の便器12にはボウル部16と洗浄水供給部18との間において1対の便座取付け穴40が設けてあり、これらの便座取付け穴40を利用してハウジング22が取付けられる。このため、ハウジング22の基板32は、実公昭63−6291号に開示されたように基板32の下面に2本のTボルト42をT溝嵌合により取付け、便座取付け穴40にこれらのTボルトを挿通し、対応するナット44を締結することにより、ボウル部16とシスターン取付け部18との間において便器12の上面46に固定される。
【0032】
図2からよく分かるように、基板32は便器12に対して横断方向に延長する中央部分とこの中央部分の両端から夫々前方へ延長する側方部分を有し、上部ケーシング34も基板32に対応する形状になっている。従って、基板32と上部ケーシング34と左右の下部ケーシング36および38は互いに協働してハウジングの中央部分22Cと左側方部分22Lと右側方部分22R(図1)を形成する。
【0033】
図2に示したように、ハウジングの左側方部分22Lには、尿サンプリング装置26によってサンプリングされた尿サンプルを分析する測定ユニット48と、尿サンプルやキャリヤ液を測定ユニット48に搬送する電動シリンジポンプ50と、キャリヤ液タンク52と、較正液タンク54を収容することができる。測定ユニット48にはポーラログラフ方式或いは吸光光度計方式のフローセルを用いることができる。ハウジング左側方部分22Lには、また、指血圧計ユニット56を配置し、被験者の左第2指に係合させることにより血圧を測定するようにしてもよい。図示した実施例では、ハウジング中央部分22Cには、洗浄ノズル58を備えた従来型のビデ装置60と、従来型の温風乾燥装置62と、オゾナイザーからなる従来型の脱臭装置64が配置してあり、尿分析ユニット14を備えたトイレット10を通常の目的で使用する際に夫々の機能を提供するようになっている。しかし、これらの追加的機能は不可欠ではなく、省略することができる。ハウジングの右側方部分22Rには、ユニット14の電源装置66やビデ装置の操作盤68を収納することができる。
【0034】
次に図3から図9を参照しながら、便座24に組込まれた尿サンプリング装置26を説明する。図3を参照するに、尿サンプリング装置26はフレーム又はケース70を備え、このフレームはビス等により便座24の下面に適宜取付けられる。フレーム70はほぼ便座の輪郭に沿って湾曲しており、便座に装着した時には概ね便座の下側に隠蔽されるようになっている。フレーム70には湾曲したスイングアーム72が回動可能に支持してあり、電動駆動機構74によって揺動されるようになっている。図4からよく分かるように、スイングアーム72の上端はスピンドル76に取付けてあり、このスピンドルは一対の軸受け78および80によってフレーム70に軸支されている。スピンドル76はベルト伝動機構を介してステッピングモータ82によって駆動される。このため、スピンドル76には被動ギヤ84が設けてあり、歯付きベルト86が係合させてある。
【0035】
図3からよく分かるように、モータ82はスイングアーム72のスピンドル76からかなり後方に引き離して配置してある。図5に示したように、便座24の下面には凹み88が形成してあり、モータ82およびベルト86の上部を収容するようになっている。このように、便座24の凹み88を利用してモータ82が収蔵されるので、フレーム70を薄くすることができ、従って、便器12のリム90の上面92と便座24の下面との間の限られた上下方向間隔のスペースにフレーム70を配置するのが可能になる。また、モータ82が後方に配置してあり、これに対応して便座24の後部の厚さの大きなところに凹み88が配置してあるので、凹み88の寸法を大きくすることができ、より大型のモータを使用することが可能になる。
【0036】
図6に示したように、モータ82の出力軸はスピンドル94にスプライン連結してあり、このスピンドルはフレーム70に固定された軸受けブロック96に一対の軸受け98および100を介して回転可能に支持されている。スピンドル94には駆動ギヤ102が設けてあり、ベルト86が係合させてある。従って、モータ82を回転させれば、スイングアーム72が回転駆動される。スイングアームを精密に位置決めするためにはベルト86の垂るみを取るのが望ましい。そこで、図3に示したように、フレーム70には上向きにばね付勢されたスライダ104が配置してあり、このスライダにはベルト86の下側ランに係合する従来型のテンションプリー(図面簡素化のため図示省略)が装着してある。モータ82とベルト伝動機構を収容する室は、フレーム70と便座24の下面との間に挟まれたパッキン106によって密封され防水される。
【0037】
スイングアーム72の下端108には採尿容器110が設けてある。図7からよく分かるように、スイングアーム72の下端108はスピンドル76、即ち、スイングアーム72の回転軸線を通る半径方向面72Aに対して後方に向けて段違い状にオフセットしてあり、スイングアーム72を最も後方に回動させた極端位置において採尿容器110を出来るだけ後方に位置決めするようになっている。このように後方にオフセットしてあるので、短いスイングアームを使用しながらも、女性の場合のように比較的後方に落下する尿柱に採尿容器を適合させることができる。
【0038】
図8からよく分かるように、採尿容器110は、便器12に対して横断方向に延長する長軸をもったほぼ矩形の入口開口112を有する浅い船底形を呈し、その底部には尿溜まり114が形成されている。採尿容器110には尿溜まり114の底に向かって開口するL字形の採尿管116が設けてある。尿溜まり114に尿が溜まったことを検知するため、一対の被覆された上部電極118および下部電極120が尿溜まりの中に突出させてある。表面張力や表面の濡れによって電極取付け部122の側壁やこれらの電極に付着する尿や洗浄水の残留滴によってこれらの電極が不本意に短絡し、尿の集積が誤検知されるのを防止するため、これらの電極は、先端部のみを露出させ、残部は絶縁材で被覆してあると共に、一方の電極120は短く、他方の電極118は長くしてある。このように、不本意な短絡が防止されるので、電極を互いに接近して配置することが可能となり、尿溜まり114の寸法を小さくし、採尿管116による吸引効率を向上させることができる。
【0039】
図示した実施例では、採尿容器110は、直立した環状側壁124と、底壁126と、底壁126に向かって後方に傾斜した前壁128と、底壁126に向かって左方に傾斜した右壁130を有し、全体ではほぼ平たい形状になっている。環状側壁124の後部右側部分124Aは、後述する理由により、図7および図8に示したように前方に傾斜させてある。
【0040】
採尿容器110の入口開口112はステンレス鋼などからなる金網132によって覆われており、採尿容器110に降り注がれた尿が反射飛散したり異物が侵入したりするのを防止するようになっている。L字管116はスイングアーム72の中空内部を延長する可撓性チューブ134に接続されている。このチューブ134はスピンドル76の中空内部を延長して図4に示したようにスピンドル76の窓136から後方に導かれ、シリンジポンプ50に接続される。同様に、尿検知電極118および120もスイングアームとスピンドル76の中空内部を延長するリード線138および140に夫々接続されている。これらのリード線は尿分析ユニット14の制御回路に接続される。
【0041】
図3に示したように、採尿装置26のフレーム70は便座24の輪郭にほぼ沿って便座の左後部から便座の前部まで延長している。図3および図9からよく分かるように、非使用時に採尿容器110とスイングアーム72を収納するため、ボウル16に向かって下向きに開口したチャンネル形状の収納洗浄室142を形成する収納ケース144が設けてある。この収納ケース144は例えばフレーム70と一体形成することができる。この収納ケース144は、便器12のリム90の側部から前部にかけてリム90の輪郭に沿って湾曲して延長しており、リム90の内側に配置されるようになっている。
【0042】
図3に示したように収納洗浄室142には噴射ノズル146が指向させてあり、図9に実線で示した位置に収納された採尿容器110に圧力水を噴射して、使用後に採尿容器110とスイングアーム72を洗浄するようになっている。噴射ノズル146はフレーム70に取り付けた取り付けブロック148に固定することができ、収納洗浄室142内に収納された採尿容器110の鉛直方向中心よりもやや高くなるような位置に配置することができる。噴射ノズル146には電磁弁(図示せず)を介して水道管に接続されたホース150から圧力水を供給することができる。チャンネル形状の収納ケース144は後方に向かって寸法が小さくなり、排水樋152を形成している。
【0043】
非使用時には、採尿容器110は図9に実線で示したように収納洗浄室142内に収納されており、この状態で便座24は尿サンプリング装置26と共に回動させることができる。使用位置においては、便座24はクッション付きの脚部154(図5にはその2つが示してあり、図示しない他の2つはフレーム70の下面に配置されている)によって便器のリム90の上面92に支持される。
【0044】
採尿容器110はほぼ偏平に形成されているので、図9に実線で示したように収納洗浄室142内にほぼ垂直な姿勢で収納した時には、前後方向に狭い収納洗浄室142内に容易に収納することができる。従って、収納洗浄室142の前後方向寸法を小さくすることにより収納洗浄室142を便座24の下に出来るだけ隠蔽し、外観の良い便座を提供することができる。
【0045】
尿のサンプリングと分析にあたり、被験者が便座24に着座し、制御ユニット30に設けられたスタートスイッチ30Aを押すと、モータ82が回転してスイングアーム72を回動させる。一般に、放尿方向には男女差があり、男性の場合には尿柱は比較的前方に落下し、女性の場合には後方に落下する傾向にある。更に、放尿方向には個人差もある。従って、使用者が男性の場合には、採尿容器110が図9に仮想線で示した位置Aの近傍に位置決めされるようにスイングアームを予め回動させ、使用者の指令に応じて位置を微調整できるようにすることができる。
【0046】
使用者は適切な位置に採尿容器110が持ち来された時に採尿容器110に向かって放尿することができる。位置A又はその近傍では、採尿容器110の入口開口は前方に傾斜しているので、ペニスから前方に発射されボウル16の比較的前方に落下するような軌跡156に沿って飛来する尿柱は採尿容器110の入口開口112にほぼ垂直に交わるであろう。従って、採尿容器110はその開口面積をフルに利用して尿を受け取ることができる。
【0047】
採尿容器110は横長の入口開口112を有するので、放尿方向が左右に多少ずれたとしても、尿柱が入口開口の横方向広がりの範囲内に落下する確率が高く、効率良く尿を採取することができる。
【0048】
採尿容器の傾斜した前壁128に落下した尿飛沫は後方の尿溜まり114に向かって流れ、図9にハッチング領域で示したように尿溜まりに集積する。このようにしてサンプリングされた尿は、シリンジポンプ50によりL字形採尿管116と可撓性チューブ134を介して吸引され、キャリヤ液タンク52内のキャリヤ液と共に測定ユニット48に搬送して、定量分析に付される。
【0049】
尿サンプルの吸引は、電極118および120からの信号により尿溜まり114内に上部電極118のレベルまで尿が集積したことが検出された時に自動的に行うことができる。L字形採尿管116は尿溜まり114の底部に開口しているので、気泡を取り込むことなく尿サンプルが吸引される。
【0050】
測定ユニット48は、例えば、グルコース酸化酵素の固定化膜を備えたポーラログラフ・フローセルからなり、尿中のグルコース含有量に応じた信号を制御ユニット30に出力する。制御ユニット30は測定ユニット48からの信号に基づいてグルコース濃度を演算し、表示部30Bに表示し、被験者の指令に応じてプリンタ30Cに出力する。
【0051】
女性の場合には、図9に矢印158で示したように、尿柱は男性の場合より後方にほぼ下向きに落下する傾向にある。従って、使用者が女性の場合には採尿容器110は仮想線で示した位置Bの近傍にほぼ水平に位置決めすることができる。この位置では、採尿容器110の入口開口112はほぼ水平な姿勢を取るので、入口開口はほぼ下向きに落下する尿柱に対して垂直になる。従って、女性被験者から***された尿を効果的に回収する。傾斜した前壁128と右壁130は採尿容器110に降り注がれた尿を尿溜まり114に流れるように指向させる。回収された尿は図9にハッチング領域で示したように尿溜まりに集積し、採尿管116から吸引される。採尿容器110は使用者の指令に応じ極端位置Cまで移動させても良い。
【0052】
採尿が終わると、スイングアーム72を回動させることにより採尿容器110は図9に実線で示した位置に戻される。次に、電磁弁を作動させることにより洗浄水がノズル146から噴射される。噴射された洗浄水はスプレー或いはミストを形成し、チャンネル形状の収納洗浄室142に沿って進行しながら、採尿容器110の外部を洗浄すると共に、スイングアーム72の表面を洗浄する。噴射ノズル146は採尿容器110の中心よりも高めに配置してあるので、採尿容器110とスイングアーム72にかかった洗浄水は流下しながらそれらを洗浄する。スプレーの一部は洗浄室142の内壁によって前方に反射され、今や垂直な姿勢になっている採尿容器110の金網132を通過して採尿容器の内部に進入し、採尿容器の内部を洗浄する。金網132はやや前方に傾斜させておくのが好ましい。そうすれば、洗浄水が金網132を通過しやすい。
【0053】
洗浄時には採尿容器110は垂直な姿勢になっているので、採尿容器の内部に進入した洗浄水は速やかに排出される。収納洗浄室142は下方に開口しているので、使用済みの洗浄水はボウル16内に落下する。
【0054】
採尿容器の側壁124の後部右側部分124Aは前方に傾斜させてあるので、採尿容器の内部に進入した洗浄水は側壁部分124Aによって採尿管116や電極118および120に向かって流れるべく案内され、それらを効果的に洗浄する。また、このように洗浄水は採尿管116に向かって集められるので、シリンジポンプ50により採尿管116から洗浄水を吸引させれば、採尿管116と搬送チューブ134の内部を洗浄することができる。
【0055】
異物の侵入を防止するためには、金網132の網目は出来るだけ細かくするのが好ましく、少なくとも採尿管116の内径よりも小さくする必要がある。しかし、網目を細かくすればするだけ、洗浄水のスプレーを通過させるのが困難になる。しかし、傾斜した側壁部分124Aがあるので、採尿容器の内側に進入した限られた量の洗浄水を最大限に利用することができる。図8に示したように、ノズル146に面する採尿容器110の周壁124に切欠き160を設ければ、採尿容器の内部の洗浄を促進することができる。
【0056】
尿サンプリング装置26は便座24に装着されているので、トイレットの通常の使用時や清掃の際にはサンプリング装着26と共に便座24を回動させることができる。便座を跳ね上げた時には、洗浄水の残留滴は排水樋152によってフレーム70の後部まで案内され、ボウルの後部に落下する。
【0057】
図10および図11には本発明の尿サンプリング装置の第2実施例を示す。前述した第1実施例の構成要素と共通する構成要素は同じ参照番号で示し、説明は省略する。第1実施例との主な相違点は、収納洗浄室142を便器12のリム90の後部の内側に配置し、非使用時にはスイングアーム72を後方に揺動させるようにしたことである。
【0058】
この実施例においても、サンプリング装置26のフレーム70は便座24に装着してある。収納洗浄室142を形成する収納ケース144は便器のリム90の側部から後部にかけてリム90の内縁に沿って湾曲して延長しており、第1実施例と同様にフレーム70と一体形成されている。リム後部の収納洗浄室142からボウル前部の採尿位置Aまで採尿容器110を回動させるため、スイングアーム72はやや長くしてあると共に、その回転軸線はボウル16のほぼ中央部の上方に配置してある。従って、スイングアーム72は直接にモータ82に連結することができる。この実施例の使用と作動の態様は、スイングアーム72が後方に揺動される点を除き、前述した第1実施例と基本的に同様である。
【0059】
図12には本発明の尿サンプリング装置の第3実施例を示す。同様に、第1実施例の構成要素と共通する構成要素は同じ参照番号で示し、説明は省略する。この実施例は、尿分析ユニット14を便器のリム90に引っ掛けて使用するように構成したことを特徴としており、尿サンプリング装置26はこの尿分析ユニット14に装着してある。
【0060】
図12を参照するに、尿分析ユニット14はハウジング180を有し、このハウジングは互いにスナップ嵌めされた上下2つの半体で形成することができる。ハウジング180にはフックとして作用する垂直ラグ182が形成してあり、ハウジングを便器のリム90の側部に鉤掛けできるようになっている。
【0061】
ハウジング180内には、第1実施例と同様のポーラログラフ・セルなどからなる測定ユニット(図示せず)、電動シリンジポンプ50、キャリヤ液タンク52、較正液タンク(図示せず)、制御演算回路(図示せず)、および採尿容器洗浄水の供給を制御するための電磁弁(図示せず)が収蔵してある。スタートスイッチ30Aと分析結果を表示する表示部30Bはハウジング180の上面に設けることができる。
【0062】
ハウジング180の上部には採尿容器110を担持したスイングアーム72が軸支してあり、ハウジング内に収蔵されたモータ(図示せず)により揺動されるようになっている。収納洗浄室142を形成する収納ケース144はハウジング180と一体成形することができ、その荷重の一部はリム90に支承される。図示した実施例においては、この収納ケース144は第1実施例と同様にリム90の側部から前部にわたって延長させてあり、非使用時に採尿容器110をリム90の前部の内側に収納するように構成されている。しかし、図10および図11に示した第2実施例のように採尿容器110をリム90の後部の内側に収納するように構成してもよい。
【0063】
この第3実施例に係る尿サンプリング装置26の使用と作動の態様は、第1実施例について前述したところと基本的に同様である。この尿分析ユニット14は自己完結型のユニットになっているので、洗浄水供給ホース150を水道管に接続するだけで極めて簡単に便器に取付けることができ、非使用時には容易に取り外して適当な場所に保管することができる。
【0064】
以上には本発明の特定の実施例を記載したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことができる。例えば、採尿位置において受尿面積が大きくなり、収納位置において前後方向寸法が小さくなる限り、採尿容器110の形状は適宜変更することができる。また、スイングアーム72や収納洗浄室142や洗浄ノズル146の形状は変更することができ、スイングアームは手動で揺動させてもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明の種々の特徴と効果については既に随所で述べた。ここに要点を示せば、ほぼ平たい採尿容器110を使用し、スイングアーム72と一体的に回動させるようにしたので、尿柱の軌跡に対して採尿容器110は常に最大の受尿面積を提供する。従って、確実に採尿を行うことができる。非使用時にはスイングアームの揺動に伴い採尿容器は垂直に保持されるので、狭い収納洗浄室142に容易に収納することができる。
【0066】
収納洗浄室を便器のリムの前部の近傍に配置した実施態様においては、採尿容器を迅速に採尿位置に揺動させることができるので、採尿準備の待ち時間を短縮することができる。
【0067】
収納洗浄室とスイングアームを便器のリムの輪郭に合わせて湾曲させた場合には、非使用時には尿サンプリング装置の構成要素はほぼ便座の下方に隠蔽されるので、トイレットを通常の目的で使用する場合に使い勝手が良い。
【0068】
収納洗浄室に洗浄水噴射装置を設け、採尿容器とスイングアームを一挙に洗浄するようにした場合には、尿サンプリング装置を清潔に維持することができ、悪臭の発生を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係る尿サンプリング装置を備えた尿分析ユニットを便器に取付けたところを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示した尿分析ユニットのハウジングの分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示した尿サンプリング装置の斜視図で、収納洗浄室は1部切欠いて示してある。
【図4】図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、便座を裏返したところを示す斜視図である。
【図6】図6は、図3のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図7は、図3に示したスイングアームの側面図である。
【図8】図8は、図3に示した採尿容器の拡大斜視図で、1部切欠いて示してある。
【図9】図9は、図3のIX−IX線に沿った断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施例に係る尿サンプリング装置の1部切欠き斜視図である。
【図11】図11は、図10のXI−XI線に沿った断面図である。
【図12】図12は、本発明の第3実施例に係る尿サンプリング装置を備えた尿分析ユニットを便器に取付けたところを示す1部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
12: 標準型便器
16: 便器のボウル
24: 便座
26: 尿サンプリング装置
70: 尿サンプリング装置のフレーム
72: スイングアーム
90: 便器のリム
110: 採尿容器
144: 収納洗浄室
Claims (40)
- 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備えたスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの前部に近接する休止位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器は、リムの前部に近接する前記休止位置においてほぼ垂直な姿勢に保持され、スイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持されるようにスイングアームに担持されていることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 前記採尿容器は便器の横断方向に延長する長軸をもったほぼ矩形の入口開口を有する請求項1に基づく尿サンプリング装置。
- 前記入口開口はスイングアームの前記回転軸線に垂直な線に対してほぼ垂直に延長している請求項2に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は尿溜まりと低い周辺側壁を備え、前記側壁の一部は前記尿溜まりに向かって傾斜している請求項2に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は、その後部に位置する尿溜まりと、前記尿溜まりに向かって傾斜した傾斜前壁を備え、傾斜前壁に注がれた尿が前記尿溜まりに向かって流れるようになっている請求項1から4のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は、尿溜まりと、前記尿溜まりの側方に位置し該尿溜まりに向かって傾斜した傾斜底壁を備え、傾斜底壁に注がれた尿が尿溜まりに向かって流れるようになっている請求項1から5のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記尿溜まりに尿が集積したことを検出するための1対の電極を備え、前記電極の少なくとも一方はその先端部のみが露出させてあり、前記露出先端部は採尿容器の側壁から離間してある請求項4から6のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- スイングアームの前記第2端部はスイングアームの前記回転軸線に対して後方にオフセットしてあり、採尿容器を後方にオフセットして支持している請求項1から7のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は前記休止位置においてリムの内側に保持されることを特徴とする請求項1から8のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は前記休止位置において便座の前部に少なくとも部分的に隠蔽される請求項9に基づく尿サンプリング装置。
- 前記支持手段は便座に装着されたフレームからなり、前記フレームは実質的に便座に隠蔽されるような形状を有する請求項1から10のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記駆動手段は、スイングアームの前記回転軸線よりも後方に配置されたモータと該モータの回転を前記スイングアームに伝達する伝動機構を備えてなり、前記便座は下方に開口した凹みを備え、前記モータの少なくとも一部は便座の前記凹みに収容されている請求項11に基づく尿サンプリング装置。
- 前記伝動機構はベルト伝動機構を有する請求項12に基づく尿サンプリング装置。
- 前記支持手段は便器のリムに着脱自在に装着されたフレームからなる請求項1から10のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記休止位置において採尿容器とスイングアームを洗浄する洗浄手段を更に備えている請求項1から14のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記洗浄手段は休止位置における採尿容器の側方に配置され採尿容器に向かって指向した洗浄水噴射ノズルからなり、前記採尿容器の側壁には洗浄水を受け入れる開口が設けてある請求項15に基づく尿サンプリング装置。
- 前記洗浄手段は休止位置における採尿容器の側方に配置され採尿容器に向かって指向した洗浄水噴射ノズルからなり、前記噴射ノズルは休止位置における採尿容器の鉛直方向中心よりも高い位置に配置されている請求項15に基づく尿サンプリング装置。
- 前記洗浄手段は休止位置における採尿容器の側方に配置され採尿容器に向かって指向した洗浄水噴射ノズルからなり、前記採尿容器の入口開口は網によって覆われており、前記網は採尿容器の休止位置において前方に傾斜するようになっている請求項15に基づく尿サンプリング装置。
- 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備え便器のリムの形状に対応して湾曲したスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持するフレームと、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの前記側部とリムの前部との間の角度範囲にわたって便器のリムの形状に対応して湾曲して延長する下方に開口した溝形の収納室を備え該リムに近接して該リムの内側に保持される収納部材と、前記収納室内の収納位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器は前記収納位置において前記収納室内にほぼ垂直な姿勢に保持されると共にスイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持され、前記スイングアームおよび採尿容器は非使用時には前記収納室内にほぼ格納されることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 前記フレームは便座に装着されており、前記フレームは実質的に便座に隠蔽されるような形状を有する請求項19に基づく尿サンプリング装置。
- 前記フレームは便器のリムに着脱自在に装着されており、前記フレームは便座を水平位置にした時に便座にほぼ隠蔽されるようになっている請求項19に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器とスイングアームが前記収納室内に収納された時に採尿容器とスイングアームに洗浄水を噴射する洗浄手段を備え、使用済みの洗浄水は便器のボウルに落下するようになっている請求項19から21のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備え便器のリムの形状に対応して湾曲したスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持するフレームと、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの前記側部とリムの前部との間の角度範囲にわたって便器のリムの形状に対応して湾曲して延長する下方に開口した溝形の収納洗浄室を備え該リムに近接して該リムの内側に保持される収納部材と、前記収納洗浄室内に位置する収納位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段と、前記採尿容器とスイングアームが前記収納洗浄室内に収納された時に採尿容器とスイングアームに洗浄水を噴射する洗浄手段を備え、前記採尿容器は前記休止位置において前記収納洗浄室内にほぼ垂直な姿勢に保持されると共にスイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持され、前記スイングアームと採尿容器は使用後は前記収納洗浄室内に収納され前記洗浄手段から噴射された洗浄水によって洗浄されることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 前記収納洗浄室は使用済みの洗浄水が便器のボウルに落下するように構成されている請求項23に基づく尿サンプリング装置。
- 便座を立てたときに前記収納洗浄室に残留する洗浄水をボウルに落下させる手段を備えている請求項24に基づく尿サンプリング装置。
- 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備えたスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持されたほぼ平たい盆状の採尿容器と、便器のリムの前部に近接する休止位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器は、リムの前部に近接する前記休止位置においてほぼ垂直な姿勢に保持されるようにスイングアームに装着されていることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備えたスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持されたほぼ平たい盆状の採尿容器と、便器のリムの前部に近接する休止位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器はスイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持されるようにスイングアームに装着されていることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備えたスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持されたほぼ平たい盆状の採尿容器と、便器のリムの前部に近接する休止位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器はスイングアームがほぼ垂直に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持されるようにスイングアームに装着されていることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備えたスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの後部に近接する休止位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器は、リムの後部に近接する前記休止位置においてほぼ垂直な姿勢に保持され、スイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持されるようにスイングアームに担持されていることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備え便器のリムの形状に対応して湾曲したスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの前記側部とリムの後部との間の角度範囲にわたって便器のリムの形状に対応して湾曲して延長する下方に開口した溝形の収納室を備え該リムに近接して該リムの内側に保持される収納部材と、前記収納室内の収納位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段とを備え、前記採尿容器は前記収納位置において前記収納室内にほぼ垂直な姿勢に保持されると共にスイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持され、前記スイングアームおよび採尿容器は非使用時には前記収納室内にほぼ格納されることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 標準型の便器を備えたトイレットにおいて便座に着座した個人から***された尿をサンプリングするための装置であって:
第1端部と第2端部とを備え便器のリムの形状に対応して湾曲したスイングアームと、スイングアームの前記第1端部を便器のリムの側部に隣接し該リム側部の上方に位置する水平な回転軸線を中心として回動可能に支持する支持手段と、スイングアームの前記第2端部に担持された比較的平たい採尿容器と、便器のリムの前記側部とリムの後部との間の角度範囲にわたって便器のリムの形状に対応して湾曲して延長する下方に開口した溝形の収納洗浄室を備え該リムに近接して該リムの内側に保持される収納部材と、前記収納洗浄室内に位置する収納位置と便器のボウル空間内に位置する採尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記スイングアームを回動させる駆動手段と、前記採尿容器とスイングアームが前記収納洗浄室内に収納された時に採尿容器とスイングアームに洗浄水を噴射する洗浄手段を備え、前記採尿容器は前記収納位置において前記収納洗浄室内にほぼ垂直な姿勢に保持されると共にスイングアームがその最下位置に揺動したときにほぼ水平な姿勢に保持され、前記スイングアームと採尿容器は使用後は前記収納洗浄室内に収納され前記洗浄手段から噴射された洗浄水によって洗浄されることを特徴とする尿サンプリング装置。 - 前記採尿容器は便器の横断方向に延長する長軸をもったほぼ矩形の入口開口を有する請求項29から31のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記入口開口はスイングアームの前記回転軸線に垂直な線に対してほぼ垂直に延長している請求項32に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は尿溜まりと低い周辺側壁を備え、前記側壁の一部は前記尿溜まりに向かって傾斜している請求項32に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は、その後部に位置する尿溜まりと、前記尿溜まりに向かって傾斜した傾斜前壁を備え、前記傾斜前壁に注がれた尿が前記尿溜まりに向かって流れるようになっている請求項32に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は、尿溜まりと、前記尿溜まりの側方に位置し該尿溜まりに向かって傾斜した傾斜底壁を備え、前記傾斜底壁に注がれた尿が尿溜まりに向かって流れるようになっている請求項32に基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は非使用時にはリムの内側に保持されることを特徴とする請求項29から36のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記採尿容器は非使用時に便座の後部に少なくとも部分的に隠蔽される請求項37に基づく尿サンプリング装置。
- 前記支持手段は便座に装着されたフレームからなり、前記フレームは実質的に便座に隠蔽されるような形状を有する請求項29から38のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
- 前記支持手段は便器のリムに着脱自在に装着されている請求項29から38のいづれかに基づく尿サンプリング装置。
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