JP3556764B2 - 回線および端末の試験方法ならびに装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加入者回線および各加入者の端末試験方式に関する。特に加入者線交換機から試験信号を送出し加入者端末から折り返し信号を返送して試験を行う折り返し試験方式あるいは試験を行ってその結果を返送する回線および端末の試験方式に関する。本発明は、通信網より発信電話番号情報が受信端末に通知され、発信電話番号情報が通話前に受信端末に表示される方式を利用する。
【0002】
【従来の技術】
現在、発信者の電話番号が着信側に通知され、この発信電話番号が受信端末に表示され着信者が発信電話番号(以下IDともいう)を確認してのちオフフックして通話を開始できる発信電話番号表示サービス(以下ID表示サービスともいう)が開始されようとしている。
【0003】
この方式の構成を図1に示す。このサービスを受けるための通信端末としては、発信電話番号情報受信機能と一般の電話機能をもつ発信電話番号情報受信電話機(ID受信電話機2)があり、また発信電話番号受信機能を有するID受信アダプタ3を一般の電話機4に接続して発信電話番号表示を行わせることもできる。
【0004】
このような発信電話番号情報の受信表示機能を有する通信端末を総称して以下ID受信端末という。
【0005】
このようなID表示サービスにおけるID情報としては、発信電話番号と、発信電話番号非通知理由と、内線指定情報とがある。この発信電話番号とは、発信者の電話番号(回線番号)であり、その情報形式としては、「0」+「市外局番」+「市内局番」+「加入者番号」とからなるものである。また発信電話番号非通知理由とは、発信電話番号を通知できない場合その理由を通知するもので、P:発信者が発信電話番号を送出することを拒否した着信であることを伝達する情報、O:提供エリア外からの着信あるいはディジタル交換機以外からの着信であることを伝達する情報、C:公衆電話からの着信であることを伝達する情報とがある。また、内線指定情報とは、ダイヤルイン等の番号情報を通信する情報である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日、加入者回線も光ファイバケーブルを用いた光化が進められており、例えば加入者線交換機が設置された局と加入者の端末とを結ぶ加入者回線の途中までを光ファイバケーブルとし、局と加入者との中間に光電変換および電光変換を行う受信および送信設備を設ける方式が検討されている。このような方式がとられると、従来は局内設備として考えられていた設備が局外に設けられることになり、1回線当たりの試験設備費が高くなるあるいは局外設備の小型化に限界がある等の問題が発生してくる。
【0007】
また、通信回線の試験において、各加入者設備の入口に設けられた回線切り分け装置により回線を切り分け、回線側のみの試験、加入者側の設備の試験を行う技術があるが、このような回線切り分け方式による回線試験を行うと回線試験方式が複雑化するきらいがある。
【0008】
本発明は、上述のID受信端末の機能に着目してなされたもので、ID受信端末の機能を用いて、局内の試験台から加入者回線および受信端末までが正常か否かを簡単に特別の試験設備を用いることなく試験ができる回線および端末の試験方法およびその装置を提供することを目的とする。また、試験も既存の設備を用いてソフトウエアの変更のみで対応することができる簡便な試験方法および通信端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、試験方法に係り、受信端末の起動を確認すると加入者線交換機から受信端末に対して通話前に発信電話番号情報が通知され、受信端末は、この加入者線交換機から送出された発信電話番号情報を通話前に表示する通信方式の回線および端末の試験方法において、加入者線交換機から、受信端末の起動を確認すると前記発信電話番号情報に代えて試験用の発信電話番号情報を含む試験コードを送信し、前記受信端末は、試験コードである旨を検出するとこの試験用の発信電話番号情報を前記加入者線交換機へ返送し、加入者線交換機側で、送出した試験用の発信電話番号情報と返送された発信電話番号情報とを照合することにより折り返し確認を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第二の観点として、発信電話番号情報に代えて、加入者線交換機から受信端末で行う試験の内容を指定する情報を含む試験コードを送信し、受信端末は、試験コードである旨を検出すると指定された試験を行ってその結果の情報を前記加入者線交換機へ返送し、加入者線交換機側は、前記受信端末から返送された試験結果の情報を認識することを特徴とする。
【0011】
この試験内容を指定する情報には、前記受信端末に接続される端末機の試験、受信端末の識別情報を返送する試験、受信端末の正常性確認試験のいずれかを指定する情報を含むことができる。
【0012】
また、本発明の別の観点は、発信電話番号情報の表示機能を有する通信端末装置に係るもので、極性反転後に加入者線交換機から送出されるリンギングとサイレントの周期が呼出信号より短い受信端末起動信号を検出する端末起動信号検出手段と、この端末起動信号検出手段で前記受信端末起動信号を検出するとデータ受信側に回路を切り換える回路切換手段と、受信端末起動信号に続いて加入者線交換機から送られてくる発信電話番号情報を受信して一時バッファ手段に格納するID受信手段と、このバッファ手段に格納された発信電話番号情報を通話前に表示する表示手段とを備えた発信電話番号表示機能を有する通信端末装置において、前記ID受信手段は、受信発信電話番号情報が試験用の発信電話番号情報を含む試験コードであるか否かを検出する手段を含み、試験コードを検出したときに、前記バッファ手段に格納された前記試験用の発信電話番号情報を加入者線交換機に返送するID返送手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
なお、前記ID受信手段は、受信発信電話番号情報が試験内容を指定する情報を含む試験コードであるか否かを検出する手段を含み、前記指定された試験内容の試験を行い、その結果の情報を加入者線交換機に返送する手段を含むように構成することができる。
【0014】
回線および受信端末の試験を行うときは、加入者線交換機に設けられた試験台から、極性反転したのち、ID受信端末を起動させるID受信端末起動信号を送信する。ID受信端末は、このID受信端末起動信号を検出すると、直流ループを形成して応答信号を返送する。この応答信号を確認すると、試験台からテスト用の試験コードを送信する。ID受信端末は、受信したデータをバッファに一時格納するように構成されているで、この受信したデータが試験コードであると認識すると、バッファに格納された試験用のID情報を加入者線交換機に対して返送する。加入者線交換機の試験台は、この返送されたID情報と送出したID情報とを照合し、一致すればID受信端末までの回線およびID受信端末は正常であると判定する。
【0015】
また、加入者線交換機から発信電話番号情報に代えて送信されたID受信端末で行う試験の内容を指定する情報を含む試験コードを受信したときは、ID受信端末はこの試験コード内で指定された試験を行い、その結果を加入者線交換機の試験台へ返送する。これにより加入者線交換機の試験台から、ID受信端末を用いて自動的にID受信端末の下部側の回線あるいは装置の正常性や、ID受信端末の正常性あるいは回線の接続確認等の試験を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用される通信方式の構成を示すものである。図2は、第一の実施の形態で用いられるID受信端末(ID受信アダプタ)の構成例を示すブロック図である。図3は、ID受信端末を用いて試験を行う場合の動作を説明するシーケンス図である。図4は、通常の通話着信時の発信電話番号情報の通知処理の動作を示すシーケンス図である。図5は、第一の実施の形態のID受信端末の動作を説明するフローチャートである。図6は受信端末に通知されるリンギング信号を説明するためのタイムチャートである。
【0018】
この第一の実施の形態は、加入者線交換機1からID受信端末となるID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3に通話前に発信電話番号情報(発ID)が通知される方式であって、ID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)は、この加入者線交換機1から送出された発信電話番号情報を通話前に表示する端末での試験方式において、加入者線交換機1から試験を行うときに、極性反転後にID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)を起動させるID受信端末起動信号を送信し、ID受信端末の起動を確認すると試験用の発信電話番号情報を含む試験コードを送信し、ID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)は、試験コードである旨を検出すると試験用の発信電話番号情報を加入者線交換機1へ返送し、加入者線交換機1の試験台5でID受信端末に対して送出した試験用の発信電話番号情報と返送された発信電話番号情報とを照合することにより折り返し確認を行う構成であることを特徴とする。
【0019】
次にID受信端末の例としてID受信アダプタ3の構成を図2を参照して説明する。機能的にはID受信電話機2とID受信アダプタ3とに違いはなく、電話機能を一体化しているか電話用の電話機4を接続するかの相違にすぎないので、本発明の適用においてはどちらであっても相違はない。
【0020】
このID受信アダプタ3は、通信回線の極性を検出する極性検出部(REVDET)31と、リンギング信号を検出する着信検出部(IRDET)32、電話機4の受話器のオフフック、オンフックを検出するオフフック検出部(HOOKDET)33、回線を電話機4側とMODEM36側に切り換える回線切換部34と、増幅器(AMP)37と、この増幅器37を介して回線切換部34に接続されるモデム(MODEM)36と、全体の制御を行うCPU35と、情報を表示する液晶表示部(LCD/LED)38と、キー入力部(KEY)39とを備える。
【0021】
回線切換部34は、電話機側へ回線を接続するリレー接点と、増幅器側(モデム側)に回線を接続するリレー接点とを備えている。CPU35は発信電話番号情報表示のための処理制御を行うが、受信データを一時格納するバッファおよびメモリの機能も含めた構成であり、発信電話番号情報やその他発信電話番号通知サービスで送受信されるデータ(表示メッセージ等)はバッファおよびメモリに格納され、必要な情報が液晶表示される。
【0022】
以下図3ないし図6を参照して本発明の動作を説明する。
【0023】
まず、図4に通常の通話着信時の発信電話番号情報通知のシーケンスを示してその動作を説明する。
【0024】
まず、着信のときは加入者線交換機1から最初に回線の極性反転が行われる。この極性反転から0.1秒以上経過して、ID受信端末起動信号が加入者線交換機1からID受信端末に対して送出される。この場合回線のL1は電池側に接続され、L2にID受信端末起動信号が送られる。このID受信端末起動信号を受信すると、ID受信端末は回線に直流ループを形成して一次応答信号を加入者線交換機1に返送する。この一次応答信号の返送をするとID受信端末はモデムを起動してモデム信号待ち受け状態となる。加入者線交換機1での一次応答信号の待ち時間は、6秒とっている。加入者線交換機1は一次応答信号を受信すると、発信電話番号情報(発ID)をモデム信号としてID受信端末に送信する。この発信電話番号情報の送信タイミングは、一次応答信号を受信してから0.1〜3秒である。
【0025】
ID受信端末が発信電話番号情報を受信するとこの発信電話番号情報を検出してバッファに格納するとともに受信完了信号を加入者線交換機1に返送する。この受信完了信号は直流ループ断により行う。加入者線交換機1の受信完了信号の受信待ちタイミングは、発信電話番号情報の送出から7秒とっている。
【0026】
加入者線交換機1は、受信完了信号の受信から0.3秒以上を経過したのち、ID受信端末に対して呼出信号を送出する。この呼出信号をID受信端末で認識して電話機を鳴動させる。ID受信端末は呼出信号の受信によりバッファに格納されていた発信電話番号を表示する。受信者がID受信端末の表示部(ID受信アダプタの液晶表示部38)に表示された発信電話番号を見て受話器を上げてオフフックする。このオフフックを検出すると二次応答信号が加入者線交換機1に返送される。この二次応答信号は直流ループを生成することにより行われる。そこで、加入者線交換機1は、回線の極性を元へ復帰(L1,L2極性復極)することにより通信中に移行する。なお、通信の終了は一般の着信終了と同じとなる。
【0027】
次に、本実施の形態の特徴とする試験動作を図3のシーケンスに基づいて説明する。本実施の形態の特徴とする点は、加入者線交換機がID受信端末起動信号に対する一時応答信号を受信すると、ID受信端末に送出される発信電話番号情報に代えて、試験コードである試験用の発信電話番号情報をID受信端末に送出し、ID受信端末が試験コードであることを認識するとこの情報を折り返し加入者線交換機1へ返送して、加入者線交換機の試験台5にて送出した試験用の発信電話番号情報と返送された情報とを照合するところにある。
【0028】
すなわち、図3に示すシーケンス図に示すように、極性反転後に加入者線交換機1から送出されるID受信端末起動信号の送出に対応してID受信端末から一次応答信号が送出されたとき、試験台5から折り返し試験用の試験コード(TESTID)を送出する。この試験コードは、例えば「TST039285673」)というような試験用であることを示す発信電話番号情報である。
【0029】
ID受信端末は、発信電話番号情報を含む全ての受信データを一度バッファに格納するように構成されているため、このバッファに格納された発信電話番号情報が試験コードであるか否かを判定する。試験コードであると判定された場合には、このバッファに格納された試験コードを加入者線交換機に対して返送する。この試験コードか否かの判定はCPU35により行う。CPU35はモデム36を介して発信電話番号情報を取得してバッファに格納するので、このバッファに格納されている発信電話番号情報が試験コードか否かを照合すればよい。そして試験コードである場合には、モデム36を介して加入者線交換機1に対して受信した試験コードを増幅器37、回線切換部34を介して加入者線交換機1に返送する。この場合バッファのデータが試験用コードであるときはメモリに格納することなく返送する。
【0030】
加入者線交換機1に設けられた試験台5では、この返送された試験コードの発信電話番号情報と送出した試験コードの発信電話番号情報とを照合して回線および端末に異常がないか否かを判定する。
【0031】
受信端末が試験コードのデータを返送し、受信完了信号を返送して(直流ループ断とし)モデムの動作を終了すれば試験動作は終了する。
【0032】
次に、ID受信端末として図2に示すID受信アダプタ3を取り上げ、そのID受信端末の動作を図5および図6を参照して説明する。
【0033】
極性検出部31は回線の極性を常時監視している。極性検出部31が極性反転を検出すると、電話機4のベルを鳴動させないように、回線切換部34のリレー接点(電話機側への接点)を動作させて電話機を切り離す。その後に到来する受信端末起動信号をIR検出部32で検出すると、回線切換部34のリレー接点(AMP側への接点)を動作させて直流ループを閉成するID受信モードにする。
【0034】
ここで、ID受信端末起動信号の検出について説明する。図6は、到来するリンギング信号の例を示したタイムチャートである。起動信号:CAR信号は、極性反転後、0.5sec周期のリンギングとサイレントとの組み合わせの信号である。呼出信号:IR信号は、極性反転後に、1secのリンギングと2secのサイレントとの組み合わせの信号である。内線呼出信号:SIR信号は、0.25secのリンギング、0.25secのサイレント、0.25secのリンギング、2.25secのサイレントの組み合わせからなる信号である。また、着信転送警告信号:TIR信号は極性反転なしの0.5secのリンギングとサイレントとの組み合わせの信号である。
【0035】
着信検出部32は、極性反転後60ms後に電話機を切り離して、リンギング信号の検出を行う。このとき、一般的な呼出信号であると判断されると電話機を鳴動させる。この判定はリンギングが700msを超えたこと、あるいは1回目のリンギングの終わりから2回目のリンギングの始めまでのサイレントが650msを超えたことの検出により判定できる。またサイレントが650msを超えることにより内線呼出信号であることも判定でき、あるいは2回目のリンギングの始めを検出したときにサイレントの状態が350ms以下であれば内線呼出信号と判定できる。また、リンギング時間/サイレント時間によりID受信端末起動信号であるか否かの確認を行う。これらの判定により、一般的な呼出信号あるいは内線呼出信号でなければ、ID受信端末起動信号と判定して、直流ループを閉成し、モデム36を受信状態にするとともに回線切換部34のモデム側のリレー接点をモデム側に切り換え、モデム信号の受信状態とする。そして到来するID情報を受信して、バッファに格納し、通常のID情報か試験コードであるか判定する。この判定により試験コードである場合には、受信した試験コードを加入者線交換機に返送し、回線切換部34の電話機側のリレー接点を復旧して電話機をスルー接続状態に戻す。また通常のID情報である場合には、発信電話番号あるいは非通知理由を液晶表示部38に表示し、データをメモリに格納する。そして、回線切換部34の増幅器37側のリレー接点を復旧させ、直流ループを開放する。その後到来する呼出信号により回線切換部34の電話機側へのリレー接点により電話機側にスルー接続する。
【0036】
次に図7および図8を参照して第二の実施の形態について説明する。図7はこの第二の実施の形態で使用するID受信アダプタの構成を示す。また図8は試験のシーケンスを示す図である。
【0037】
この第二の実施の形態は、第一の実施の形態が、加入者線交換機の試験台から試験コードとして発信者電話番号に代えて試験照合用の電話番号情報を送出し、これをID受信端末から返送(折り返す)するのに対して、ID受信端末で種々の試験を行うための試験内容を指示する情報(あるいは試験用コマンド)を含む試験コードを送出する点で異なる。
【0038】
図7では、図2の構成に加えて電話機テスト回路40が設けられている。この電話機テスト回路40は、ID受信端末から下部側の回線の状態や電話機(電話機に限らず、種々の端末機装置も含む)の状態(絶縁状態、静電容量など)をテストする機能を有する。個人ID設定回路41は、このID受信端末の固有のID番号を保持するもので、第一の実施の形態の図2の構成のID受信アダプタ3にも含まれるものであるが、試験の説明の必要上、別のブロックとして記載した。実際には、CPU35の機能の一部としてメモリ回路で構成されている。また図2で回線切換回路34で表された回路は、図7では、a、bのリレー接点回路として表現されている。
【0039】
次に図8を参照して、この第二の実施の形態を説明する。
【0040】
利用者からの苦情や故障申告等により、ID受信端末の試験を行うときは、試験台から、第一の実施の形態と同じく、回線の極性反転を行ったのち発信電話番号表示サービスと同様のID受信端末起動信号を送出する。このID受信起動信号を着信検出部(IRDET)32が検出する。ID受信端末は、極性反転の検出により、接点aが切り離され、接点bが接続されて電話機側を切り離し、増幅器37を介してモデム36側に回線が接続される。ID受信端末起動信号を受信すると、直流ループを形成して一次応答信号が加入者線交換機に返送される。この一次応答信号を受信すると、試験台から試験コードをID受信端末に対して送出する。
【0041】
この試験コードが第一の実施の形態と異なる。本実施の形態の試験コードは、ID受信端末が行う試験の種別を指定する符号(コマンド)を含んだものである。例えば、試験コードとして、「TST001」は、ID受信端末の下部側の状態を試験するための「電話機側テスト」、「TST002」は電話番号とおりのID受信端末であるかの確認をするための「回線の接続確認」、「TST003」は「ID受信端末の正常性確認」のようにID受信端末で行う試験の種別を指定するものとする。第一の実施の形態では、試験コードは折り返し用の電話番号を含むものであったが、この第二の実施の形態では、折り返し用の電話番号ではなく、ID受信端末で行う試験の内容(種別)を指定する。
【0042】
ID受信端末は、試験コードを検出し、指定された試験の内容を識別すると、ID受信端末は対応する試験を行い、その結果を加入者線交換機の試験台に返送する。
【0043】
例えば、電話機側テストを指定する「TST001」を検出したときは、プログラム制御により、電話機テスト回路40を動作させ、ID受信端末側から、電話機側の回線の状態および電話機の正常性をテストする。この正常性のテストでは、絶縁抵抗、静電容量テストを行う。この結果を、モデム信号により試験台へ送信する。この試験結果情報の送信は、例えば、「TST001GOOD+個人ID番号」あるいは「TST001NG+個人ID番号」のようなものとする。また、電話回線張替工事による正常性確認をするときは、試験台から試験コード「TST002」を送信し、ID受信端末は、この試験コードの「回線の接続確認」を指定することを認識すると、モデム信号により、試験台に「TST002+個人ID番号」の信号を返送する。加入者線交換機の試験台は、この返送信号により対応するID受信端末に回線が接続されたことを確認することができる。
【0044】
このように、試験台から、ID受信端末に対して、発信電話番号情報に代えて試験コードの信号を送信し、ID受信端末は、この試験コードで指定された試験を行ってその結果を返送するので、発信電話番号表示機能付き受信端末を利用して、必要な試験を行うことができる。またID受信端末で試験コードで指定される複数の試験を行ってその結果を返送するので、試験台から必要な試験をいつでも行うことができる。このID受信端末で行う試験は、発信電話番号表示機能付きの受信端末を利用することで行うことができるため、ソフトウエアの入れ替え等、ハードウエアの変更なしにソフトウエアの入れ替え等で対応できる部分が大きいため、安価な試験システムを構築することが可能である。
【0045】
【発明の効果】
このように、本発明では、発信電話番号情報表示機能付きサービスを利用して回線および受信端末の試験を行うことができる。この試験のための設備として特別なものは必要ではなく、受信端末側には試験コードを認識して受信試験コードを加入者線交換機に返送するための処理機能あるいは試験コードを認識してそこで指定された試験を行って結果の情報を返送する試験処理機能をもたせればよい。また加入者線交換機側では、特に試験設備を必要とせず、この試験コードを送出して返送された試験コードとの照合をとって試験を行うためのソフトウエアや受信端末から返送された試験結果を認識する機能を発信電話番号情報通知サービス処理用ソフトウエアに加えて備えていればよいだけである。また、試験コマンドによりID受信端末で試験を行うときは簡単にその試験の結果を得ることができ、ID受信端末のハードウエアに対する負荷も従来の試験装置にソフトウエアの処理を加えることでよいため、ハードウエアに対する負荷が小さい。。
【0046】
したがって、既存設備をそのまま用いて受信端末での折り返し試験あるいは指定された試験を行うことができ、その試験設備のための負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発信電話番号情報通知サービスの通信方式およびその試験の構成を示す図。
【図2】ID受信アダプタの構成を示すブロック図。
【図3】ID受信端末の試験動作を説明するシーケンス図。
【図4】ID受信端末での発信電話番号通知表示の動作を説明するシーケンス図。
【図5】ID受信端末の動作を説明するフローチャート。
【図6】回線から到来するリンギング信号を示すタイムチャート。
【図7】ID受信アダプタの別の構成例を示す図。
【図8】ID受信端末の試験動作を説明するシーケンス図。
【符号の説明】
1 加入者線交換機
2 ID受信電話機
3 ID受信アダプタ
4 電話機
5 試験台
31 極性検出部(REVDET)
32 着信検出部(IRDET)
33 オフフック検出部(HOOKDET)
34 回線切換部
35 CPU
36 モデム
37 増幅器
38 液晶表示部
39 キー入力部
40 電話機テスト回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、加入者回線および各加入者の端末試験方式に関する。特に加入者線交換機から試験信号を送出し加入者端末から折り返し信号を返送して試験を行う折り返し試験方式あるいは試験を行ってその結果を返送する回線および端末の試験方式に関する。本発明は、通信網より発信電話番号情報が受信端末に通知され、発信電話番号情報が通話前に受信端末に表示される方式を利用する。
【0002】
【従来の技術】
現在、発信者の電話番号が着信側に通知され、この発信電話番号が受信端末に表示され着信者が発信電話番号(以下IDともいう)を確認してのちオフフックして通話を開始できる発信電話番号表示サービス(以下ID表示サービスともいう)が開始されようとしている。
【0003】
この方式の構成を図1に示す。このサービスを受けるための通信端末としては、発信電話番号情報受信機能と一般の電話機能をもつ発信電話番号情報受信電話機(ID受信電話機2)があり、また発信電話番号受信機能を有するID受信アダプタ3を一般の電話機4に接続して発信電話番号表示を行わせることもできる。
【0004】
このような発信電話番号情報の受信表示機能を有する通信端末を総称して以下ID受信端末という。
【0005】
このようなID表示サービスにおけるID情報としては、発信電話番号と、発信電話番号非通知理由と、内線指定情報とがある。この発信電話番号とは、発信者の電話番号(回線番号)であり、その情報形式としては、「0」+「市外局番」+「市内局番」+「加入者番号」とからなるものである。また発信電話番号非通知理由とは、発信電話番号を通知できない場合その理由を通知するもので、P:発信者が発信電話番号を送出することを拒否した着信であることを伝達する情報、O:提供エリア外からの着信あるいはディジタル交換機以外からの着信であることを伝達する情報、C:公衆電話からの着信であることを伝達する情報とがある。また、内線指定情報とは、ダイヤルイン等の番号情報を通信する情報である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日、加入者回線も光ファイバケーブルを用いた光化が進められており、例えば加入者線交換機が設置された局と加入者の端末とを結ぶ加入者回線の途中までを光ファイバケーブルとし、局と加入者との中間に光電変換および電光変換を行う受信および送信設備を設ける方式が検討されている。このような方式がとられると、従来は局内設備として考えられていた設備が局外に設けられることになり、1回線当たりの試験設備費が高くなるあるいは局外設備の小型化に限界がある等の問題が発生してくる。
【0007】
また、通信回線の試験において、各加入者設備の入口に設けられた回線切り分け装置により回線を切り分け、回線側のみの試験、加入者側の設備の試験を行う技術があるが、このような回線切り分け方式による回線試験を行うと回線試験方式が複雑化するきらいがある。
【0008】
本発明は、上述のID受信端末の機能に着目してなされたもので、ID受信端末の機能を用いて、局内の試験台から加入者回線および受信端末までが正常か否かを簡単に特別の試験設備を用いることなく試験ができる回線および端末の試験方法およびその装置を提供することを目的とする。また、試験も既存の設備を用いてソフトウエアの変更のみで対応することができる簡便な試験方法および通信端末装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の観点は、試験方法に係り、受信端末の起動を確認すると加入者線交換機から受信端末に対して通話前に発信電話番号情報が通知され、受信端末は、この加入者線交換機から送出された発信電話番号情報を通話前に表示する通信方式の回線および端末の試験方法において、加入者線交換機から、受信端末の起動を確認すると前記発信電話番号情報に代えて試験用の発信電話番号情報を含む試験コードを送信し、前記受信端末は、試験コードである旨を検出するとこの試験用の発信電話番号情報を前記加入者線交換機へ返送し、加入者線交換機側で、送出した試験用の発信電話番号情報と返送された発信電話番号情報とを照合することにより折り返し確認を行うことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第二の観点として、発信電話番号情報に代えて、加入者線交換機から受信端末で行う試験の内容を指定する情報を含む試験コードを送信し、受信端末は、試験コードである旨を検出すると指定された試験を行ってその結果の情報を前記加入者線交換機へ返送し、加入者線交換機側は、前記受信端末から返送された試験結果の情報を認識することを特徴とする。
【0011】
この試験内容を指定する情報には、前記受信端末に接続される端末機の試験、受信端末の識別情報を返送する試験、受信端末の正常性確認試験のいずれかを指定する情報を含むことができる。
【0012】
また、本発明の別の観点は、発信電話番号情報の表示機能を有する通信端末装置に係るもので、極性反転後に加入者線交換機から送出されるリンギングとサイレントの周期が呼出信号より短い受信端末起動信号を検出する端末起動信号検出手段と、この端末起動信号検出手段で前記受信端末起動信号を検出するとデータ受信側に回路を切り換える回路切換手段と、受信端末起動信号に続いて加入者線交換機から送られてくる発信電話番号情報を受信して一時バッファ手段に格納するID受信手段と、このバッファ手段に格納された発信電話番号情報を通話前に表示する表示手段とを備えた発信電話番号表示機能を有する通信端末装置において、前記ID受信手段は、受信発信電話番号情報が試験用の発信電話番号情報を含む試験コードであるか否かを検出する手段を含み、試験コードを検出したときに、前記バッファ手段に格納された前記試験用の発信電話番号情報を加入者線交換機に返送するID返送手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
なお、前記ID受信手段は、受信発信電話番号情報が試験内容を指定する情報を含む試験コードであるか否かを検出する手段を含み、前記指定された試験内容の試験を行い、その結果の情報を加入者線交換機に返送する手段を含むように構成することができる。
【0014】
回線および受信端末の試験を行うときは、加入者線交換機に設けられた試験台から、極性反転したのち、ID受信端末を起動させるID受信端末起動信号を送信する。ID受信端末は、このID受信端末起動信号を検出すると、直流ループを形成して応答信号を返送する。この応答信号を確認すると、試験台からテスト用の試験コードを送信する。ID受信端末は、受信したデータをバッファに一時格納するように構成されているで、この受信したデータが試験コードであると認識すると、バッファに格納された試験用のID情報を加入者線交換機に対して返送する。加入者線交換機の試験台は、この返送されたID情報と送出したID情報とを照合し、一致すればID受信端末までの回線およびID受信端末は正常であると判定する。
【0015】
また、加入者線交換機から発信電話番号情報に代えて送信されたID受信端末で行う試験の内容を指定する情報を含む試験コードを受信したときは、ID受信端末はこの試験コード内で指定された試験を行い、その結果を加入者線交換機の試験台へ返送する。これにより加入者線交換機の試験台から、ID受信端末を用いて自動的にID受信端末の下部側の回線あるいは装置の正常性や、ID受信端末の正常性あるいは回線の接続確認等の試験を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明が適用される通信方式の構成を示すものである。図2は、第一の実施の形態で用いられるID受信端末(ID受信アダプタ)の構成例を示すブロック図である。図3は、ID受信端末を用いて試験を行う場合の動作を説明するシーケンス図である。図4は、通常の通話着信時の発信電話番号情報の通知処理の動作を示すシーケンス図である。図5は、第一の実施の形態のID受信端末の動作を説明するフローチャートである。図6は受信端末に通知されるリンギング信号を説明するためのタイムチャートである。
【0018】
この第一の実施の形態は、加入者線交換機1からID受信端末となるID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3に通話前に発信電話番号情報(発ID)が通知される方式であって、ID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)は、この加入者線交換機1から送出された発信電話番号情報を通話前に表示する端末での試験方式において、加入者線交換機1から試験を行うときに、極性反転後にID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)を起動させるID受信端末起動信号を送信し、ID受信端末の起動を確認すると試験用の発信電話番号情報を含む試験コードを送信し、ID受信端末(ID受信電話機2あるいはID受信アダプタ3)は、試験コードである旨を検出すると試験用の発信電話番号情報を加入者線交換機1へ返送し、加入者線交換機1の試験台5でID受信端末に対して送出した試験用の発信電話番号情報と返送された発信電話番号情報とを照合することにより折り返し確認を行う構成であることを特徴とする。
【0019】
次にID受信端末の例としてID受信アダプタ3の構成を図2を参照して説明する。機能的にはID受信電話機2とID受信アダプタ3とに違いはなく、電話機能を一体化しているか電話用の電話機4を接続するかの相違にすぎないので、本発明の適用においてはどちらであっても相違はない。
【0020】
このID受信アダプタ3は、通信回線の極性を検出する極性検出部(REVDET)31と、リンギング信号を検出する着信検出部(IRDET)32、電話機4の受話器のオフフック、オンフックを検出するオフフック検出部(HOOKDET)33、回線を電話機4側とMODEM36側に切り換える回線切換部34と、増幅器(AMP)37と、この増幅器37を介して回線切換部34に接続されるモデム(MODEM)36と、全体の制御を行うCPU35と、情報を表示する液晶表示部(LCD/LED)38と、キー入力部(KEY)39とを備える。
【0021】
回線切換部34は、電話機側へ回線を接続するリレー接点と、増幅器側(モデム側)に回線を接続するリレー接点とを備えている。CPU35は発信電話番号情報表示のための処理制御を行うが、受信データを一時格納するバッファおよびメモリの機能も含めた構成であり、発信電話番号情報やその他発信電話番号通知サービスで送受信されるデータ(表示メッセージ等)はバッファおよびメモリに格納され、必要な情報が液晶表示される。
【0022】
以下図3ないし図6を参照して本発明の動作を説明する。
【0023】
まず、図4に通常の通話着信時の発信電話番号情報通知のシーケンスを示してその動作を説明する。
【0024】
まず、着信のときは加入者線交換機1から最初に回線の極性反転が行われる。この極性反転から0.1秒以上経過して、ID受信端末起動信号が加入者線交換機1からID受信端末に対して送出される。この場合回線のL1は電池側に接続され、L2にID受信端末起動信号が送られる。このID受信端末起動信号を受信すると、ID受信端末は回線に直流ループを形成して一次応答信号を加入者線交換機1に返送する。この一次応答信号の返送をするとID受信端末はモデムを起動してモデム信号待ち受け状態となる。加入者線交換機1での一次応答信号の待ち時間は、6秒とっている。加入者線交換機1は一次応答信号を受信すると、発信電話番号情報(発ID)をモデム信号としてID受信端末に送信する。この発信電話番号情報の送信タイミングは、一次応答信号を受信してから0.1〜3秒である。
【0025】
ID受信端末が発信電話番号情報を受信するとこの発信電話番号情報を検出してバッファに格納するとともに受信完了信号を加入者線交換機1に返送する。この受信完了信号は直流ループ断により行う。加入者線交換機1の受信完了信号の受信待ちタイミングは、発信電話番号情報の送出から7秒とっている。
【0026】
加入者線交換機1は、受信完了信号の受信から0.3秒以上を経過したのち、ID受信端末に対して呼出信号を送出する。この呼出信号をID受信端末で認識して電話機を鳴動させる。ID受信端末は呼出信号の受信によりバッファに格納されていた発信電話番号を表示する。受信者がID受信端末の表示部(ID受信アダプタの液晶表示部38)に表示された発信電話番号を見て受話器を上げてオフフックする。このオフフックを検出すると二次応答信号が加入者線交換機1に返送される。この二次応答信号は直流ループを生成することにより行われる。そこで、加入者線交換機1は、回線の極性を元へ復帰(L1,L2極性復極)することにより通信中に移行する。なお、通信の終了は一般の着信終了と同じとなる。
【0027】
次に、本実施の形態の特徴とする試験動作を図3のシーケンスに基づいて説明する。本実施の形態の特徴とする点は、加入者線交換機がID受信端末起動信号に対する一時応答信号を受信すると、ID受信端末に送出される発信電話番号情報に代えて、試験コードである試験用の発信電話番号情報をID受信端末に送出し、ID受信端末が試験コードであることを認識するとこの情報を折り返し加入者線交換機1へ返送して、加入者線交換機の試験台5にて送出した試験用の発信電話番号情報と返送された情報とを照合するところにある。
【0028】
すなわち、図3に示すシーケンス図に示すように、極性反転後に加入者線交換機1から送出されるID受信端末起動信号の送出に対応してID受信端末から一次応答信号が送出されたとき、試験台5から折り返し試験用の試験コード(TESTID)を送出する。この試験コードは、例えば「TST039285673」)というような試験用であることを示す発信電話番号情報である。
【0029】
ID受信端末は、発信電話番号情報を含む全ての受信データを一度バッファに格納するように構成されているため、このバッファに格納された発信電話番号情報が試験コードであるか否かを判定する。試験コードであると判定された場合には、このバッファに格納された試験コードを加入者線交換機に対して返送する。この試験コードか否かの判定はCPU35により行う。CPU35はモデム36を介して発信電話番号情報を取得してバッファに格納するので、このバッファに格納されている発信電話番号情報が試験コードか否かを照合すればよい。そして試験コードである場合には、モデム36を介して加入者線交換機1に対して受信した試験コードを増幅器37、回線切換部34を介して加入者線交換機1に返送する。この場合バッファのデータが試験用コードであるときはメモリに格納することなく返送する。
【0030】
加入者線交換機1に設けられた試験台5では、この返送された試験コードの発信電話番号情報と送出した試験コードの発信電話番号情報とを照合して回線および端末に異常がないか否かを判定する。
【0031】
受信端末が試験コードのデータを返送し、受信完了信号を返送して(直流ループ断とし)モデムの動作を終了すれば試験動作は終了する。
【0032】
次に、ID受信端末として図2に示すID受信アダプタ3を取り上げ、そのID受信端末の動作を図5および図6を参照して説明する。
【0033】
極性検出部31は回線の極性を常時監視している。極性検出部31が極性反転を検出すると、電話機4のベルを鳴動させないように、回線切換部34のリレー接点(電話機側への接点)を動作させて電話機を切り離す。その後に到来する受信端末起動信号をIR検出部32で検出すると、回線切換部34のリレー接点(AMP側への接点)を動作させて直流ループを閉成するID受信モードにする。
【0034】
ここで、ID受信端末起動信号の検出について説明する。図6は、到来するリンギング信号の例を示したタイムチャートである。起動信号:CAR信号は、極性反転後、0.5sec周期のリンギングとサイレントとの組み合わせの信号である。呼出信号:IR信号は、極性反転後に、1secのリンギングと2secのサイレントとの組み合わせの信号である。内線呼出信号:SIR信号は、0.25secのリンギング、0.25secのサイレント、0.25secのリンギング、2.25secのサイレントの組み合わせからなる信号である。また、着信転送警告信号:TIR信号は極性反転なしの0.5secのリンギングとサイレントとの組み合わせの信号である。
【0035】
着信検出部32は、極性反転後60ms後に電話機を切り離して、リンギング信号の検出を行う。このとき、一般的な呼出信号であると判断されると電話機を鳴動させる。この判定はリンギングが700msを超えたこと、あるいは1回目のリンギングの終わりから2回目のリンギングの始めまでのサイレントが650msを超えたことの検出により判定できる。またサイレントが650msを超えることにより内線呼出信号であることも判定でき、あるいは2回目のリンギングの始めを検出したときにサイレントの状態が350ms以下であれば内線呼出信号と判定できる。また、リンギング時間/サイレント時間によりID受信端末起動信号であるか否かの確認を行う。これらの判定により、一般的な呼出信号あるいは内線呼出信号でなければ、ID受信端末起動信号と判定して、直流ループを閉成し、モデム36を受信状態にするとともに回線切換部34のモデム側のリレー接点をモデム側に切り換え、モデム信号の受信状態とする。そして到来するID情報を受信して、バッファに格納し、通常のID情報か試験コードであるか判定する。この判定により試験コードである場合には、受信した試験コードを加入者線交換機に返送し、回線切換部34の電話機側のリレー接点を復旧して電話機をスルー接続状態に戻す。また通常のID情報である場合には、発信電話番号あるいは非通知理由を液晶表示部38に表示し、データをメモリに格納する。そして、回線切換部34の増幅器37側のリレー接点を復旧させ、直流ループを開放する。その後到来する呼出信号により回線切換部34の電話機側へのリレー接点により電話機側にスルー接続する。
【0036】
次に図7および図8を参照して第二の実施の形態について説明する。図7はこの第二の実施の形態で使用するID受信アダプタの構成を示す。また図8は試験のシーケンスを示す図である。
【0037】
この第二の実施の形態は、第一の実施の形態が、加入者線交換機の試験台から試験コードとして発信者電話番号に代えて試験照合用の電話番号情報を送出し、これをID受信端末から返送(折り返す)するのに対して、ID受信端末で種々の試験を行うための試験内容を指示する情報(あるいは試験用コマンド)を含む試験コードを送出する点で異なる。
【0038】
図7では、図2の構成に加えて電話機テスト回路40が設けられている。この電話機テスト回路40は、ID受信端末から下部側の回線の状態や電話機(電話機に限らず、種々の端末機装置も含む)の状態(絶縁状態、静電容量など)をテストする機能を有する。個人ID設定回路41は、このID受信端末の固有のID番号を保持するもので、第一の実施の形態の図2の構成のID受信アダプタ3にも含まれるものであるが、試験の説明の必要上、別のブロックとして記載した。実際には、CPU35の機能の一部としてメモリ回路で構成されている。また図2で回線切換回路34で表された回路は、図7では、a、bのリレー接点回路として表現されている。
【0039】
次に図8を参照して、この第二の実施の形態を説明する。
【0040】
利用者からの苦情や故障申告等により、ID受信端末の試験を行うときは、試験台から、第一の実施の形態と同じく、回線の極性反転を行ったのち発信電話番号表示サービスと同様のID受信端末起動信号を送出する。このID受信起動信号を着信検出部(IRDET)32が検出する。ID受信端末は、極性反転の検出により、接点aが切り離され、接点bが接続されて電話機側を切り離し、増幅器37を介してモデム36側に回線が接続される。ID受信端末起動信号を受信すると、直流ループを形成して一次応答信号が加入者線交換機に返送される。この一次応答信号を受信すると、試験台から試験コードをID受信端末に対して送出する。
【0041】
この試験コードが第一の実施の形態と異なる。本実施の形態の試験コードは、ID受信端末が行う試験の種別を指定する符号(コマンド)を含んだものである。例えば、試験コードとして、「TST001」は、ID受信端末の下部側の状態を試験するための「電話機側テスト」、「TST002」は電話番号とおりのID受信端末であるかの確認をするための「回線の接続確認」、「TST003」は「ID受信端末の正常性確認」のようにID受信端末で行う試験の種別を指定するものとする。第一の実施の形態では、試験コードは折り返し用の電話番号を含むものであったが、この第二の実施の形態では、折り返し用の電話番号ではなく、ID受信端末で行う試験の内容(種別)を指定する。
【0042】
ID受信端末は、試験コードを検出し、指定された試験の内容を識別すると、ID受信端末は対応する試験を行い、その結果を加入者線交換機の試験台に返送する。
【0043】
例えば、電話機側テストを指定する「TST001」を検出したときは、プログラム制御により、電話機テスト回路40を動作させ、ID受信端末側から、電話機側の回線の状態および電話機の正常性をテストする。この正常性のテストでは、絶縁抵抗、静電容量テストを行う。この結果を、モデム信号により試験台へ送信する。この試験結果情報の送信は、例えば、「TST001GOOD+個人ID番号」あるいは「TST001NG+個人ID番号」のようなものとする。また、電話回線張替工事による正常性確認をするときは、試験台から試験コード「TST002」を送信し、ID受信端末は、この試験コードの「回線の接続確認」を指定することを認識すると、モデム信号により、試験台に「TST002+個人ID番号」の信号を返送する。加入者線交換機の試験台は、この返送信号により対応するID受信端末に回線が接続されたことを確認することができる。
【0044】
このように、試験台から、ID受信端末に対して、発信電話番号情報に代えて試験コードの信号を送信し、ID受信端末は、この試験コードで指定された試験を行ってその結果を返送するので、発信電話番号表示機能付き受信端末を利用して、必要な試験を行うことができる。またID受信端末で試験コードで指定される複数の試験を行ってその結果を返送するので、試験台から必要な試験をいつでも行うことができる。このID受信端末で行う試験は、発信電話番号表示機能付きの受信端末を利用することで行うことができるため、ソフトウエアの入れ替え等、ハードウエアの変更なしにソフトウエアの入れ替え等で対応できる部分が大きいため、安価な試験システムを構築することが可能である。
【0045】
【発明の効果】
このように、本発明では、発信電話番号情報表示機能付きサービスを利用して回線および受信端末の試験を行うことができる。この試験のための設備として特別なものは必要ではなく、受信端末側には試験コードを認識して受信試験コードを加入者線交換機に返送するための処理機能あるいは試験コードを認識してそこで指定された試験を行って結果の情報を返送する試験処理機能をもたせればよい。また加入者線交換機側では、特に試験設備を必要とせず、この試験コードを送出して返送された試験コードとの照合をとって試験を行うためのソフトウエアや受信端末から返送された試験結果を認識する機能を発信電話番号情報通知サービス処理用ソフトウエアに加えて備えていればよいだけである。また、試験コマンドによりID受信端末で試験を行うときは簡単にその試験の結果を得ることができ、ID受信端末のハードウエアに対する負荷も従来の試験装置にソフトウエアの処理を加えることでよいため、ハードウエアに対する負荷が小さい。。
【0046】
したがって、既存設備をそのまま用いて受信端末での折り返し試験あるいは指定された試験を行うことができ、その試験設備のための負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発信電話番号情報通知サービスの通信方式およびその試験の構成を示す図。
【図2】ID受信アダプタの構成を示すブロック図。
【図3】ID受信端末の試験動作を説明するシーケンス図。
【図4】ID受信端末での発信電話番号通知表示の動作を説明するシーケンス図。
【図5】ID受信端末の動作を説明するフローチャート。
【図6】回線から到来するリンギング信号を示すタイムチャート。
【図7】ID受信アダプタの別の構成例を示す図。
【図8】ID受信端末の試験動作を説明するシーケンス図。
【符号の説明】
1 加入者線交換機
2 ID受信電話機
3 ID受信アダプタ
4 電話機
5 試験台
31 極性検出部(REVDET)
32 着信検出部(IRDET)
33 オフフック検出部(HOOKDET)
34 回線切換部
35 CPU
36 モデム
37 増幅器
38 液晶表示部
39 キー入力部
40 電話機テスト回路
Claims (2)
- 受信端末の起動を確認すると加入者線交換機から受信端末に対して通話前に発信電話番号情報が通知され、受信端末は、この加入者線交換機から送出された発信電話番号情報を通話前に表示する通信方式の回線および端末の試験方法において、加入者線交換機から、受信端末の起動を確認すると前記発信電話番号情報に代えて試験用の発信電話番号情報を含む試験コードを送信し、前記受信端末は、試験コードである旨を検出するとこの試験用の発信電話番号情報を前記加入者線交換機へ返送し、加入者線交換機側で、送出した試験用の発信電話番号情報と返送された発信電話番号情報とを照合することにより折り返し確認を行うことを特徴とする回線および端末の試験方法。
- 極性反転後に加入者線交換機から送出されるリンギングとサイレントの周期が呼出信号より短い受信端末起動信号を検出する端末起動信号検出手段と、この端末起動信号検出手段で前記受信端末起動信号を検出するとデータ受信側に回路を切り換える回路切換手段と、受信端末起動信号に続いて加入者線交換機から送られてくる発信電話番号情報を受信して一時バッファ手段に格納するID受信手段と、このバッファ手段に格納された発信電話番号情報を通話前に表示する表示手段とを備えた発信電話番号表示機能を有する通信端末装置において、前記ID受信手段は、受信発信電話番号情報が試験用の発信電話番号情報を含む試験コードであるか否かを検出する手段を含み、試験コードを検出したときに、前記バッファ手段に格納された前記試験用の発信電話番号情報を加入者線交換機に返送するID返送手段を備えたことを特徴とする通信端末装置。
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