JP3556728B2 - 排ガス脱硝方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、排ガス脱硝方法および装置に係り、特に発電プラント用ボイラ、ガスタービン、ゴミ焼却炉などの各種燃焼炉から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)のうち一酸化窒素(NO)の一部を二酸化窒素(NO)にあらかじめ酸化することにより、低温から効率よくアンモニア(NH)で接触還元することが可能な排ガス脱硝方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
排ガス中にアンモニア(NH)を注入した後、触媒と接触させることにより排ガス中の窒素酸化物を窒素に還元除去する接触アンモニア還元脱硝法において、排ガスにあらかじめ酸化剤を注入して含有される一酸化窒素(NO)の一部を二酸化窒素(NO)にすることによりNHとの反応性を向上させ、より低温から脱硝できるようにする試みは数多く知られている(例えば特開昭52−94863号公報、特公昭56−50613号公報、特開昭54−23068号公報など)。
【0003】
上記方法は、(1)式で示される一酸化窒素1モルおよび二酸化窒素1モルとNH2モルの反応が(2)式で示される通常の脱硝反応に較べてきわめて速いため、予めNO源を注入するか、オゾン(O)、過酸化水素(H)、硝酸(HNO)などの酸化剤を注入してNOの一部をNOに酸化((3)式〜(5)式)して運転温度の低温化を図ろうというものである。
脱硝反応
【0004】
【化1】
NO+NO+2NH → 2N+3HO (1)式
【0005】
【化2】
NO+NH+1/4O → N+3/2HO (2)式
NOの酸化反応
【0006】
【化3】
NO+O → NO+O (3)式
【0007】
【化4】
NO+H → NO+HO (4)式
【0008】
【化5】
NO+2HNO → 3NO+HO (5)式
上記のNOとNOを共存させる効果は100〜300℃で顕著であるため、古くから各種焼却炉排ガス、廃熱回収ボイラ、ガスタービンなどの燃焼器を初めとする低温脱硝への応用が試みられてきたが、広く実用されるには到っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術を実用化することの妨げになっている理由としては、脱硝率の制御が難しいことが第一にあげられる。図5はNO単独、NO単独、NOとNOとを当モルで含む各排ガスをチタン(Ti)−タングステン(W)−バナジウム(V)系触媒を用いて脱硝する場合の温度特性を示したものであるが、NOとNOが当モルの場合には効率よくNOxが除去されるが、NOまたはNO単独では除去性能が著しく低下する。このため、NOxの変動に対し酸化剤の注入量とNHの注入量を個別に制御する従来技術では、次のような多くの問題を生じる。
(A)酸化剤が不足し、排ガス中のNOの含有割合が小さいと脱硝反応速度が低下するだけでなく多量の未反応アンモニアの流出が生じる。
(B)排ガス中のNO濃度がNO濃度を超えると脱硝反応はアンモニア4モルが二酸化窒素3モルに対し反応((6)式)するようになり、NHの注入量制御が困難である。そればかりか、NOがNOを超えるとNOとNHから硝安が生成して触媒が徐々に劣化するとともに、NOを副生するようになる。
【0010】
【化6】
3NO+4NH → 7/2N+6HO (6)式
(C)NHがNO含有比率に見合わないと、NOより公害を引き起こし易い
NOが煙突から排出されるのみならず、煙色が黄変する。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑み、現在広く実用化されているNOを主体とする排ガスのアンモニア接触還元法脱硝装置と同様に、容易でかつ精度の高い脱硝率のコントロールが可能な脱硝装置を提供するとともに、上記した問題を生じない脱硝方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)窒素酸化物の大部分を一酸化窒素(NO)として含有する排ガスにアンモニアと酸化剤としてオゾンまたは過酸化水素を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素(NO2 )に転化させ、この排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元除去する排ガス脱硝方法において、排ガス流量情報と排ガス中のNOx濃度情報から必要アンモニア注入量を算出するとともに、アンモニアと酸化剤の注入量を連動させ、これらのモル比(アンモニア注入量/オゾンまたは過酸化水素注入量)が2.0±0.2モル/モルの範囲になるように制御することを特徴とする排ガス脱硝方法。
(2)窒素酸化物の大部分を一酸化窒素(NO)として含有する排ガスにアンモニアと酸化剤として硝酸を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素(NO 2 )に転化させ、この排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元除去する排ガス脱硝方法において、排ガス流量情報と排ガス中のNOx濃度情報から必要アンモニア注入量を算出するとともに、アンモニアと酸化剤の注入量を連動させ、これらのモル比(アンモニア注入量/硝酸注入量)が3.0±0.3モル/モルの範囲になるように制御することを特徴とする排ガス脱硝方法。
(3)一酸化窒素含有排ガスにアンモニアと酸化剤としてオゾンまたは過酸化水素を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素に転化させる手段と、転化処理した排ガスを脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を還元除去する手段とを備えた排ガス脱硝装置において、前記アンモニアと前記酸化剤の注入量の制御手段を連動させ、アンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比を2.0±0.2モル/モルの範囲に制御する手段を設けたことを特徴とする排ガス脱硝装置。
(4) 一酸化窒素含有排ガスにアンモニアと酸化剤として硝酸を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素に転化させる手段と、転化処理した排ガスを脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を還元除去する手段とを備えた排ガス脱硝装置において、前記アンモニアと前記酸化剤の注入量の制御手段を連動させ、アンモニア注入量/酸化剤注入量モル比3.0±0.3モル/モルの範囲に制御する手段を設けたことを特徴とする排ガス脱硝装置。
【0012】
【作用】
本発明のようにNHと酸化剤注入量を上記したような範囲に制御すると前述の(1)式の反応がきわめて速いため、総反応として以下に示す(7)式〜(9)式の反応により酸化剤とNHが過不足なく、かつ速やかに消費される。
【0013】
【化7】
2NH+O+2NO → 2N+3HO+O (7)式
【0014】
【化8】
2NH+H+2NO → 2N+4HO (8)式
【0015】
【化9】
3NH+HNO+2NO → 3/2N+5HO (9)式
このため、従来技術で問題となった排ガス中のNOまたはNO濃度がどちらかに偏った場合に生じる脱硝率の低下、NOのリーク、NOの副生、または触媒劣化を起こすことがない。もし排ガス中のNOを除去するに必要な量以上にNHと酸化剤が注入されたとしても、OとHの場合にはNHのリークと無害な酸素がリークするのみであり、これは通常の排煙脱硝装置と同様である。HNOを酸化剤とする場合にはNOがリークするもののNH注入量の1/3以下の注入量であるためきわめてわずかであり、その弊害は大幅に軽減されることになる。
【0016】
したがって、運転に当たっては酸化反応を意識することなくアンモニアの注入量を変化させることにより脱硝活性を設定できる。さらに、常に(7)式〜(9)式の速い反応のみを進行させることができるため、触媒使用量の低減または反応温度の低下を図ることが可能になる。
以上に示したように、本発明では常にアンモニア注入量と酸化剤注入量を一定比率で制御することにより、現在一般に用いられている脱硝装置と同様の簡便さで装置を運転することが可能になる。
【0017】
本発明で採用した手段は、排ガス中のNOx濃度に関する情報を得て、その信号によりNO酸化剤とNHとを一定比率で添加できるようにした点に特徴がある。
【0018】
【実施例】
図1に本発明の一実施例である排ガス脱硝装置の基本系統図を示す。この脱硝装置はNOx濃度測定装置9、酸化剤注入装置10、NH注入装置11、触媒反応器2とからなり、酸化剤注入装置10とNH注入装置11はNOx測定装置9からの濃度信号12と流量信号13とにより、両者の注入量のモル比が常時所定の一定割合になるように制御される。
【0019】
ここで、酸化剤とNHの注入モル比の一定量とは酸化剤の種類により、次のような範囲のものを意味する。
(A)酸化剤がOおよびHの場合
NH注入量/酸化剤注入量=2.0±0.2モル/モル
(B)酸化剤がHNOの場合
NH注入量/酸化剤注入量=3.0±0.3モル/モル
また、酸化剤注入装置10とはオゾン発生器、過酸化水素または硝酸吹込み装置など酸化剤を排ガスに注入するための手段のほか、それら酸化剤の発生装置からの流量を制御するための制御弁、放電によるオゾン発生器の加電電圧の制御による発生量の制御などの、いわゆる制御手段をも含むものである。
【0020】
本発明の実施に必要な基本的装置構成は図1に示したとおりである。
脱硝装置はNOx測定装置9、酸化剤注入装置10、NH注入装置11、触媒反応器2とからなり、酸化剤注入装置10とNH注入装置11はNOx測定装置9からの濃度信号12と流量信号13とにより、酸化剤およびアンモニアの注入量のモル比が常時所定の一定割合になるように注入制御するように構成されている。
【0021】
ここでNOx測定装置9は、赤外線式または化学発光式などの通常のNOx濃度測定装置が用いられ、排ガス中のNOx濃度に比例した信号を発生する。一方、流量信号13は排ガス源からもらってもよいし、ピートー管、オリフィスなどで独自に計測して発生したものであってもよい。
両信号は酸化剤注入装置10およびアンモニア注入量装置11とに送られ、注入量制御信号に変換されて両者の注入量がガス量、NOx濃度の変化に追従し、かつアンモニア注入量/酸化剤注入量モル比が常に一定割合になるように制御するために用いられる。本発明のポイントは、前述したようにアンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比が常に一定割合になるように制御することにあり、したがって図2のように流量信号13とNOx濃度信号12をあらかじめ演算器14で演算処理し、アンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比が常に一定割合になるような制御信号15を発生して制御するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0022】
アンモニア注入装置11は、アンモニアガス、液化アンモニアなどのアンモニアの供給装置と流量制御弁などの制御手段とからなり、前記制御信号に比例したアンモニアを供給する。これは酸化剤注入装置においても同様であり、異なるのはアンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比が常に一定割合になるようアンモニア注入量と連動されて制御されていることである。
【0023】
酸化剤にはオゾン、硝酸、過酸化水素など排ガス中のNOをNOに酸化できる能力を有するものが用いられ、その注入量は酸化剤の種類により請求範囲に記載したアンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比になるように制御される。
また、触媒3には公知の酸化チタン系触媒、ゼオライト系触媒など通常の脱硝用触媒が用いられる。
【0024】
排ガス中に注入された酸化剤によりNOの一部は前記(3)式〜(5)式のようにNOに酸化された後、アンモニアが加えられ触媒反応器に導かれる。このときアンモニアと酸化剤とはアンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比が常に一定割合になるように制御されているため、反応速度の非常に大きい(7)式〜(9)式の反応が選択的に進行し、アンモニアと酸化剤が過不足なく消費される。
【0025】
2NH+O+2NO → 2N+3HO+O (7)式
2NH+H+2NO → 2N+4HO (8)式
3NH+HNO+2NO → 3/2N+5HO (9)式
このように、非常に速い反応のみを選択的に生じさせるため、運転温度を著しく低下させることが可能になり、100〜300℃、通常150〜250℃で触媒量の大幅な低減が図れる。また、未反応のアンモニアの流出や酸化剤により生成したNOの発生がほとんどなく、従来技術で問題となった種々の問題を生じないことは前述したとおりである。
【0026】
アンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比は、OとHを用いる場合には2、HNOを用いる場合には3にした場合に最も効率よく脱硝できるが、特許請求範囲に記載した範囲内であれば実用上充分高い効率が得られ、問題も生じない。上記モル比が大きすぎても、低すぎても脱硝率の低下や触媒劣化、NOの副生を生じるので好ましくない。
【0027】
また、排ガス中のNOに対するNH注入モル比はO、Hでは1以下、HNOでは1.5以下に制御することが好ましいが、排ガス中に当初からNOを含有する場合にはそれに応じて増減してもよい。
本発明は特に低温度において顕著な効果を発揮するが、装置の腐食等の理由で排ガスを余熱する設備を有してもよい。また、ガスタービンの起動時における低温排ガスの浄化方法として、本発明の思想に基づくアンモニア注入量/酸化剤注入量を一定値に制御する方法を不定期に採用する場合にも触媒量を低減できる効果が得られる。
【0028】
本発明の思想によれば、図1および図2に示した範囲にとどまらず、図3〜4のように必要に応じて他の排ガス浄化用機器、もしくは余熱装置を配したもの、または酸化剤、アンモニアの注入を燃焼器出口の高温度ゾーンに配するなどの変更があっても同様の効果が得られ、本発明の範囲内である。
図3は燃焼器1と触媒反応器2の間に集塵装置16を設けた場合の例であり、ゴミ焼却炉排ガスなどの煤塵の多い排ガス処理に適する。さらに、図4は排ガスラインに熱交換器または熱回収器17を配する場合の一例であり、酸化剤を熱回収器17の前流または熱回収伝熱管群の間に注入して、酸化剤によるNOの酸化を促進するよう工夫したものである。なお、図1〜4の実施例では酸化剤を注入した後の下流域にてアンモニアを注入する例を示しているが、酸化剤による一酸化窒素の二酸化窒素への酸化反応は急速に行われるので、アンモニアと酸化剤を同一個所で同時に注入しても差し支えない。
【0029】
以下、本発明の実施例による具体的データを従来の脱硝装置のデータと対比してさらに詳細に説明する。
実施例1
図1の系統を有する小型反応装置に表1の組成のガスを流し、脱硝反応を行わせた。酸化剤にはオゾン生成器から発生させたO濃度として1000ppmのガスを、また脱硝用還元剤として2%のアンモニアガスを用い、各々流量コントロール弁に接続し、両者の信号がNH/Oモル比が常に2になるように連動した。また、脱硝反応器にはTi−W−V系触媒(Ti/W/V原子比=95/4/5、厚さ1mm)の板状触媒を4mmピッチで配した触媒構造体を用い、表2のような条件に維持した。
【0030】
【表1】
Figure 0003556728
【0031】
【表2】
Figure 0003556728
本条件下で、NH/NO比を0.4〜1.4mol/molの間で変化させ、そのときのNOxの減少率、触媒層出口のNO濃度を測定するとともに煙色の変化を調べた。
比較例1および比較例2
実施例1と同様の装置を用い、O/NOモル比が各々0.4と0.6になるようにオゾンを一定値で注入した以外は実施例1と同様にして、NH/NOモル比を0.4〜1.4の間で変化させてNOxの減少率、触媒層出口のNO濃度を測定するとともに煙色の変化を調べた。
【0032】
実施例1と比較例1および比較例2から得られた結果を対比して表3にまとめて示す。
【0033】
【表3】
Figure 0003556728
実施例1では、NH/NOモル比に対応した脱硝率が得られ、NH/NO比が0.8以上では高い高率が得られた。また、いずれのNH/NO比でもNOの副生はなく、煙色の変化もなかった。
【0034】
一方、比較例1では脱硝率が一定以上高くならないだけでなく、NH/NO比の小さい条件ではNOの副生と煙色が黄色に変化した。
また、比較例2の場合にも同様に高い脱硝率が得られず、すべてのNH/NO比でNOの副生と排ガスの着色が見られた。さらに、高NH/NO比領域に長く保持すると脱硝性能が徐々に低下する現象も観察された。
実施例2
実施例1のオゾン生成器および流量コントロール弁に代えて15%硝酸を流量制御可能な定量ポンプとその出口に設けた外熱式蒸発器を用いて酸化剤として注入し、NH/HNO注入モル比が常に3になるように制御した。本装置を用いたほかは実施例1と同様にして、NH/NOモル比を0.4〜1.4の間で変化させた場合のNOxの減少率、触媒層出口のNO濃度を測定するとともに煙色の変化を調べた。
比較例3および比較例4
実施例2と同様の装置を用い、HNO/NOモル比が各々0.2と1.0になるように硝酸水溶液を一定値で注入した以外は実施例2と同様にして、NH/NOモル比を0.4〜1.4の間で変化させてNOxの減少率、触媒層出口のNO濃度を測定するとともに煙色の変化を調べた。
【0035】
実施例2と比較例3および比較例4の結果を表4にまとめて示す。
【0036】
【表4】
Figure 0003556728
実施例2の場合にも実施例1同様高い脱硝率が得られただげでなく、NOの副生や排ガスの着色現象は全く見られなかった。
【0037】
これに対し、比較例3および比較例4では高い脱硝率が得られないだけでなく、NO副生および排ガスが黄色に強く着色する現象が見られた。さらにNH/NO比の高い条件では反応管壁に硝安が析出し、実用上大きな問題になることが明らかになった。
実施例3
実施例1のオゾン生成器および流量コントロール弁に代えて10%過酸化水素水を流量制御可能な定量ポンプとその出口に設けた外熱式蒸発器を用いて酸化剤として注入し、NH/H注入モル比が常に2になるように制御した。本装置を用いたほかは実施例1と同様にして、NH/NOモル比を0.4〜1.4の間で変化させた場合のNOxの減少率、触媒層出口のNO濃度を測定するとともに煙色の変化を調べた。本例の場合にも実施例1および2と同様、高い脱硝率が得られただけでなく、脱硝装置の運用上問題になるNO副生や排ガスの着色現象は見られない優れた特性を示した。
【0038】
【発明の効果】
本発明によればNO副生やNOの残存による排ガスの着色といった実用の妨げとなる問題を生じることなく低温排ガスを効率よく脱硝することが可能になる。さらにNH/NOモル比の大きな変化に対しても問題なく対応できるため、負荷変動やNOx濃度の変化にも容易に追従できる。
【0039】
これにより近年需要の増大しているゴミ焼却炉排ガスを初めとする各種低温排ガスを余熱することなく効率よく脱硝することができるようになるので、産業的、社会的価値も著しく高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す脱硝装置の構成図。
【図2】実施例の他の実施例を示す脱硝装置の構成図。
【図3】本発明の他の実施態様を説明する図。
【図4】本発明の他の実施態様を説明する図。
【図5】従来技術の問題点を説明するための図。
【符号の説明】
1…排ガス源、2…触媒反応器、3…触媒、4、5…排気管、6…NOxサンプリング管、7…酸化剤注入ライン、8…アンモニア注入ライン、9…NOx濃度計、10…酸化剤注入装置、11…アンモニア注入装置、12…NOx濃度信号、13…流量信号、14…演算器、15…注入量制御信号。

Claims (4)

  1. 窒素酸化物の大部分を一酸化窒素(NO)として含有する排ガスにアンモニアと酸化剤としてオゾンまたは過酸化水素を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素(NO2 )に転化させ、この排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元除去する排ガス脱硝方法において、排ガス流量情報と排ガス中のNOx濃度情報から必要アンモニア注入量を算出するとともに、アンモニアと酸化剤の注入量を連動させ、これらのモル比(アンモニア注入量/オゾンまたは過酸化水素注入量)が2.0±0.2モル/モルの範囲になるように制御することを特徴とする排ガス脱硝方法。
  2. 窒素酸化物の大部分を一酸化窒素(NO)として含有する排ガスにアンモニアと酸化剤として硝酸を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素(NO 2 )に転化させ、この排ガスを脱硝触媒と接触させて排ガス中の窒素酸化物を還元除去する排ガス脱硝方法において、排ガス流量情報と排ガス中のNOx濃度情報から必要アンモニア注入量を算出するとともに、アンモニアと酸化剤の注入量を連動させ、これらのモル比(アンモニア注入量/硝酸注入量)が3.0±0.3モル/モルの範囲になるように制御することを特徴とする排ガス脱硝方法。
  3. 一酸化窒素含有排ガスにアンモニアと酸化剤としてオゾンまたは過酸化水素を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素に転化させる手段と、転化処理した排ガスを脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を還元除去する手段とを備えた排ガス脱硝装置において、前記アンモニアと前記酸化剤の注入量の制御手段を連動させ、アンモニア注入量/酸化剤注入量のモル比を2.0±0.2モル/モルの範囲に制御する手段を設けたことを特徴とする排ガス脱硝装置。
  4. 一酸化窒素含有排ガスにアンモニアと酸化剤として硝酸を注入して一酸化窒素の一部を二酸化窒素に転化させる手段と、転化処理した排ガスを脱硝触媒と接触させて窒素酸化物を還元除去する手段とを備えた排ガス脱硝装置において、前記アンモニアと前記酸化剤の注入量の制御手段を連動させ、アンモニア注入量/酸化剤注入量モル比3.0±0.3モル/モルの範囲に制御する手段を設けたことを特徴とする排ガス脱硝装置。
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