JP3556627B2 - 廃棄物粗破砕装置、廃棄物破砕・分離装置及び廃棄物細破砕装置と、廃棄物処理システム - Google Patents
廃棄物粗破砕装置、廃棄物破砕・分離装置及び廃棄物細破砕装置と、廃棄物処理システム Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃石膏ボード、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を処理するための廃棄物処理システムと、こうした廃棄物処理システムに適する廃棄物粗破砕装置、廃棄物破砕装置及び廃棄物細破砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築廃材として多量の廃石膏ボードが発生し、その処理が問題となっている。また、建築現場では、石膏ボードを取り付ける部位の寸法・形状に応じて規格サイズのものから所定の寸法・形状のものを切り出して使用する結果、切り出された残りの部分を廃石膏ボードとして処理する必要がある。こうした廃石膏ボードの処理の方法としては埋め立て処分等に頼っているのが現状である。ところが、平成11年6月15日から、こうした廃石膏ボードが管理品目に指定されることとなり、その埋め立て処分に当たっては管理処分場へ持ち込まざるを得ない状況になっている。
【0003】
このため、建築廃材として多量に発生する廃石膏ボードを、埋め立て処分に頼るのではなく、再利用によってリサイクルする技術の確立が望まれる様になってきている。
【0004】
こうした状況の中で、廃石膏ボードをクラッシャーやシュレッダーで粉砕し、心材として使用されている石膏成分を回収して石膏原料として再利用する試みが多くなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシステムで回収される石膏成分には、粉砕の過程で表面の紙板から発生する微細な紙片や紙粉が混入した状態となっており、高純度の石膏成分を回収することができないという問題があった。
【0006】
これに対し、最近では、高純度の石膏成分を回収できる様にするために、例えば、特開2000−225354号公報、特開2001−113259号公報、特開2001−137726号公報等において石膏ボードの粉砕分別処理装置が提案されている。これらの公報において提案されている装置は、圧潰ローラを用いて石膏ボードを粉砕し、石膏成分と紙成分とを分離し、これを篩いにかけて石膏成分だけを取り出す様にしている。
【0007】
しかし、これらの公報に提案される装置では、石膏成分については高純度化が進むとしても、紙成分については石膏成分が多く付着した状態の紙片として回収されることになり、石膏成分の回収率が悪いという問題がある。また、石膏成分が付着した状態の紙片は、そのまま焼却したり燃料として再利用したりすることが困難であるため、結局、最終処分場に持ち込んで処理しなければならないという問題がある。さらに、これら公報に提案される装置で回収される石膏成分は、上質の石膏原料として再利用するには粒径が大きく、再利用がし難いという問題もある。
【0008】
また、こうした圧潰ローラによる粉砕ではなく、遠心ローラミルにより石膏ボードを粉砕する様にした廃石膏ボードの処理装置も、特開2001−149911号公報において提案されている。
【0009】
しかし、この特開2001−149911号公報において提案されている装置では、石膏粉と紙片と紙粉とが混ざった状態の粉砕物となり、分別が面倒であると共に、ローラミルですり潰されることによって比較的大量に発生する紙粉が石膏粉に混ざってしまう可能性が高く、高純度の石膏成分を回収する上で十分にその目的を達成し得るものとは言えないという問題がある。
【0010】
さらに、従来提案されている他の方式の処理装置として、例えば特開平7−299371号公報において提案されたものがある。この処理装置は、石膏ボードを粉砕する前に適当な大きさに荒割りするための荒割り装置と、この荒割り装置で荒割りされたボード片を水平方向に伸びる様に配置されている粉砕部と、この粉砕部で粉砕された粉砕物を石膏成分と紙成分とに分別するための粉砕分別部とを備えたものである。
【0011】
この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、荒割り装置として、クラッシャーと、先端の尖った鋭利な下刃とで石膏ボードをせん断することにより荒割りが実行される様に構成されている。このため、荒割り装置の処理能力には限界があり、大量の石膏ボードを処理するのには適していないという問題がある。そもそも、この特開平7−299371号公報で提案されている処理装置においては、建築現場で発生する残材としての廃石膏ボードの処理を目的としており、そのため、小型の装置としてしか適用し難い構造のものを開発した経緯が同公報に明記されている。
【0012】
また、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、荒割り装置の下刃が確実なせん断を実施し得る様に先端の尖った鋭利なものとされているため、大量の廃石膏ボードを処理すると、刃先が鈍化してしまうことから、メンテナンスに手間がかかるという問題もある。
【0013】
さらに、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、粉砕部は水平方向に配置される円筒ケーシング内で回転する駆動軸に取り付けられている粉砕片で石膏ボード片をケーシング内壁に衝突させて粉砕しながら、粉砕物を徐々に入り口側から出口側へと移動させていき、時間をかけて細かな粉砕物を形成する構造となっている。この様に円筒ケーシングが水平方向に伸びる構造である結果、重力の影響を受け、上側の内壁まではね飛ばされる石膏ボード片の割合が少ない上、できるだけ小さな破片に粉砕するために円筒ケーシング内における粉砕工程に十分な時間をかけるべく設計されており、粉砕処理に時間がかかり、大量の廃石膏ボードを処理するには不向きであるという問題がある。
【0014】
また、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、その実施例の作用の記載によると、粉砕部における粉砕のメカニズムは次の様なものである。即ち、ケーシング内壁に衝突して小片化された石膏ボード片は、紙片に多くの石膏ボードが付着した状態になっており、円筒ケーシング内で時間をかけて処理することにより、石膏ボード片同士の擦れ合いや、石膏ボード片とケーシング内壁に取り付けられている凸軸との擦れ合いによって徐々に石膏成分を紙片から掻き落とす様にしたものである。このため、粉砕処理の最終段階では擦れ合いによる石膏成分の掻き落とし作用を十分に発揮させるために出口側へ行くほど移動速度を遅くする様な工夫がなされており、粉砕処理の長時間化は、そこに採用されているメカニズムからどうしても避けることができないという問題がある。
【0015】
さらに、この特開平7−299371号公報に記載された実施例によれば、粉砕部で粉砕されて回収される石膏成分は、1cm2 〜36cm2 程度とのことであり、石膏原料としてリサイクルするのに適した大きさになっていないという問題もある。
【0016】
加えて、同じく同公報の実施例の記載によれば、回収された紙成分には34.3%もの石膏成分が残存しており、石膏成分の分離が十分になされていないという問題もある。そして、この様に多量の石膏成分を含んだ紙成分は、特開2000−225354号公報、特開2001−113259号公報、特開2001−137726号公報等において提案される装置におけるのと同様に、そのまま焼却したり燃料として再利用したりすることが困難であるため、結局、最終処分場に持ち込んで処理しなければならないという問題がある。
【0017】
また、廃棄物処理におけるリサイクル原料化の要望は、廃石膏ボードだけに限らず、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール等の各種廃棄物についても存在している。例えば、廃ガラス瓶についていえば、石膏ボードと同様に、表面に紙製のラベルが貼られていることが多いことから、紙片とガラス成分とをきれいに分離する必要がある。廃塩ビ管の場合も、その周囲には泥やコンクリート塊等が付着していることが多く、塩ビ成分と付着物とをきれいに分離する必要がある。廃FRPについてもガラス繊維とプラスチック成分とをきれいに分離する必要がある。以下同様に、廃木、廃竹については泥と木や竹とをきれいに分離する必要があるし、廃漁網では付着した海草類や貝殻等と漁網を構成する合成繊維成分とをきれいに分離する必要があるし、廃農業用ビニールについても泥とビニールとをきれいに分離する必要があり、この種の要望は、さらに他の廃棄物についても存在している。
【0018】
また、これら各種の廃棄物をリサイクル原料とするためには、廃棄物の種類に応じて、最終的に回収される粉砕物の大きさを適切なものとする必要がある。
【0019】
ところが、従来の装置は、いずれも石膏ボード用としてだけしか使用することができず、特に、廃農業ビニールや廃繊維類等の様に柔らかい廃棄物を適切な大きさに粉砕することはできないという問題がある。
【0020】
そこで、本発明は、廃棄物から、リサイクル原料成分を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収できる様にすることを第1の目的とする。
【0021】
また、廃棄物からリサイクル原料を回収するための処理時間を短くし、大量の廃棄物の処理にも適用可能にすることを第2の目的とする。
【0022】
さらに、故障や破損が発生し難く、メンテナンスの容易な装置を提供することを第3の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために有効な廃棄物処理方法は、廃棄物をある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕工程と、前記粗破砕工程で得られた粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する破砕・分離工程と、該破砕・分離工程によって破砕・分離された破砕物を、前記主たる成分と他の成分とに選別する一次選別工程と、該一次選別工程で選別された前記主たる成分の破砕物を、さらに小さく細破砕する細破砕工程と、該細破砕工程で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別工程とからなる。
【0024】
この廃棄物処理方法によれば、「粗破砕」→「破砕・分離」→「一次選別」→「細破砕」→「二次選別」と順番に処理することで、従来よりも工程数は増えるものの、廃棄物を、主たる成分と他の成分とに一旦分離し、その後、主たる成分だけになった廃棄物を所望のサイズに細破砕することとなり、高純度でリサイクル原料として適した寸法にした廃棄物を高い回収率で回収することができる。即ち、「細破砕」の前に、「破砕・分離」及び「一次選別」の工程を入れることで、廃棄物を成分別に分類することが容易となり、リサイクル原料の高純度化と高い回収率とを両立させることができるのである。
【0025】
また、上記目的を達成するために有効な廃棄物処理システムは、投入された廃棄物を、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、該粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記主たる成分と他の成分とに選別する一次選別装置と、該一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、さらに小さなサイズに細破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0026】
この廃棄物処理システムによれば、次の様にして廃棄物の処理を実行することができる。まず最初に、粗破砕装置で、廃棄物をある程度の大きさを有する破片に粗破砕する。そして、こうして得られた廃棄物の粗破砕物を、破砕・分離装置に投入して、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する。この破砕・分離装置によって破砕・分離された破砕物は、続いて、一次選別装置に投入され、主たる成分と他の成分とに選別される。そして、一次選別装置で選別された主たる成分の破砕物を、細破砕装置に投入して、さらに細かいものへと細破砕する。最後に、この細破砕装置で細破砕された廃棄物を、二次選別装置に投入して、寸法に応じて選別する。
【0027】
例えば、石膏ボードを処理する場合、特に最初の粗破砕として、ボードに曲げ荷重を加えて粗破砕を実行してやれば、紙板と心材の石膏とが剥がれやすくなった状態の粗破砕物を得ることができる。従って、次に実行される破砕・分離の工程では、石膏と紙板とを互いに分離し、しかも、紙板については大きな破片のままで、石膏だけが比較的小さな破片となる様に破砕することが可能になる。そして、ここで分離された石膏成分は、さらに一次選別装置で紙成分を含まない状態に選別された上で、所望とする小さなサイズの粉末になる様に、細破砕装置による細破砕が実行され、二次選別装置でサイズに応じて選別される。この結果、本発明の廃棄物処理システムによれば、高純度の石膏を高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。
【0028】
また上記目的を達成するためになされたより具体的な廃棄物処理システムは、投入された廃棄物を水平軸を回転中心として低速回転する回転刃と固定刃とで挟み付け、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、該粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、垂直軸を回転中心として高速回転する回転体ではね飛ばして垂直方向に伸びる刃に高速で衝突させることにより、該粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とに分離しつつ、さらに小さな破片となる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記分離された主たる成分と、他の成分とに選別する一次選別装置と、該一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、垂直軸を回転中心として高速回転する回転体ではね飛ばして垂直方向に伸びる刃に高速で衝突させることにより、さらに小さなサイズに破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0029】
このより具体的な廃棄物処理システムによれば、廃棄物は、粗破砕装置、破砕・分離装置及び細破砕装置に対して、いずれも上方から連続的に投入することができ、大量の廃棄物を処理するのに適している。また、構造が単純で、故障や損傷のおそれがなく、メンテナンスが容易である。
【0030】
また、上記目的を達成するためになされたさらに具体的な廃棄物処理システムは、上部に配置される投入口と、該投入口の下方で低速で回転する回転刃と、該回転刃に対して水平方向にずれた位置に取り付けられる固定刃とを備え、前記投入口から投入された廃棄物を前記回転刃と固定刃とで挟み付け、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、前記回転体の上方から投入し、該回転体ではね飛ばして前記回転刃及び固定刃に高速で衝突させることにより、前記粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とに分離しつつ、さらに小さな破片となる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記分離された主たる成分と、他の成分とに選別する一次選別装置と、上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、前記回転体の回転力によってはね飛ばし、前記回転刃及び前記固定刃に高速で衝突させることにより、さらに小さいサイズに細破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0031】
この廃棄物処理システムによれば、廃棄物を、最初に、粗破砕装置に投入する。すると、投入された廃棄物は、粗破砕装置内で、低速で回転している回転刃に押されて固定刃との間に挟み付けられ、曲げ荷重によって押し割られる様にしてある程度の大きさを有する破片に粗破砕される。このとき、例えば、廃石膏ボードであれば、曲げ荷重によって引っ張りが作用する側の紙板が引き裂かれる様にして割れる結果、紙板は、心材の石膏部分からはがれ気味になる。
【0032】
こうして得られた粗破砕物は、続いて、破砕・分離装置に投入される。すると、この粗破砕物は、高速で回転する回転体ではね飛ばされ、回転刃及び固定刃に激しく衝突させられることにより、主たる成分と、他の成分とに分離されつつ、さらに小さな破片となる様に破砕される。ここで、石膏ボードの処理を行うに当たっては、特に、回転刃及び固定刃として、丸棒や楕円棒等の様に曲面を有するものや五角形以上の多角形棒などの様なもの等、90度以下の鋭利な角を有しないものを破砕用の刃として用いる様にするとよい。これは、粗破砕物が回転刃及び固定刃に衝突したときに、石膏ボード表面の紙板を切り刻むことなく心材の石膏部分を細かく破砕する上で有利だからである。同じく、廃塩ビ管を処理する場合も、塩ビ管は余り小さくせずにその周囲に付着している泥やコンクリート塊だけを粉々にする様に破砕する上で有利である。その他、廃農業用ビニールや、廃木、廃竹、草、廃漁網といったものを破砕するときも同様に有利となる。こうして、主たる成分と、他の成分とを、大きさが異なる状態に破砕することで、次の選別が容易に実行できる様になる。
【0033】
次に、破砕・分離装置によって破砕・分離された破砕物を、一次選別装置にかけて主たる成分と、他の成分とに選別する。ここで、一次選別装置としては、例えば、トロンメルを用いることができる。
【0034】
こうして選別された主たる成分の破砕物は、さらに、細破砕装置に投入する。すると、この破砕物は、回転体の回転力によってはね飛ばされ、回転刃及び固定刃に高速で衝突し、さらに細かいものへと細破砕される。ここで、この細破砕装置においては、細破砕を効率よく実行することができる様に、回転刃及び固定刃としては、90度以下の鋭利な角又は所定広さの平面を有する棒、筒又は板としておくとよい。
【0035】
そして、最後に、細破砕装置で細破砕された廃棄物を、二次選別装置にかけて、寸法に応じて選別する。以上の様にすることで、例えば、石膏ボードの場合、主たる成分である石膏については非常に細かな粉末状にしてこれを回収することができる。そして、こうして回収された石膏粉末は、高純度であり、そのままリサイクル原料として使用することが可能である。また、粗破砕物を破砕装置で処理することで、例えば、石膏ボードの場合、紙板への石膏成分の付着をほとんどなくすることができ、高い回収率で石膏粉末を回収することができる。そして、紙板の方は、石膏成分がほとんど付着していないので、そのまま焼却処分することはもちろん、サーマル燃料としてリサイクルすることなども可能である。
【0036】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物粗破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口に続いて設けられるホッパと、該ホッパの下方において、ほぼ水平方向に伸びる様に設けられて低速で回転する回転シャフトと、該回転シャフトに対して、軸方向に所定間隔で取り付けられる回転刃と、該回転刃の間に位置する様に前記本体側に取り付けられる固定刃とを備えたもので、具体的には請求項1に記載した構成を有する。
【0037】
この本発明の廃棄物粗破砕装置によれば、投入口から投入された廃棄物は、ホッパ内に蓄積される。すると、ホッパの下方では、回転刃が低速で回転しているので、ホッパ内に蓄積された廃棄物は、順次この回転刃によって押される様にして固定刃と回転刃との間に挟み付けられる。この結果、廃棄物に対しては、回転刃の当たった部分と固定刃の当たった部分に曲げ荷重が加わり、押し曲げられる様にして破砕される。
【0038】
従って、例えば、石膏ボードの場合、曲げ荷重によって引っ張りが作用する側の紙板が引き裂かれる様にして割れ、紙板は、心材の石膏部分からはがれ気味になる。よって、後述する様な廃棄物破砕装置に対して、この廃棄物粗破砕装置で粗破砕された石膏ボード片を投入してやれば、容易に紙板と石膏成分を分離しつつ、石膏成分についての破砕を実行することができる。
【0039】
また、本発明の廃棄物粗破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、大量処理が可能である。さらに、本発明の廃棄物粗破砕装置は、その構造が単純であり、例えば、前述した特開平7−299371号公報において提案された装置の様な板バネ等を用いていないことから、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0040】
ここで、この本発明の廃棄物粗破砕装置において、前記回転シャフトに、軸方向に所定間隔で回転円盤を取り付け、前記回転刃を、該回転円盤の外周部に取り付け、前記回転円盤の間に、前記回転シャフトの軸方向に伸びる複数の支持軸を取り付けたので、以下の作用が発揮される。
【0041】
例えば、建築現場で残材として発生する幅の小さい石膏ボードを、この支持軸間で捉え、支持軸の回転力で押し曲げながら粗破砕をすることができ、どの様な状態の石膏ボードも、効率よく粗破砕することができる。また、石膏ボード以外にも、塩ビ管の様な細長いものも、上方から垂直方向に向けて投入してやり、この支持軸間で捉えて押し曲げながら粗破砕することができる。従って、こうした細長い廃棄物を水平方向に向けて投入する必要がなく、廃棄物の投入が非常に楽になるという利点がある。
【0042】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として高速で回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の第1の垂直刃と、該第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の第2の垂直刃と、前記第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃とを備えたもので、具体的には請求項2記載の構成を有する。
【0043】
この本発明の廃棄物破砕装置によれば、廃棄物は、上方から装置内に投入することができるので、投入が非常に楽である。特に、本体内では回転体が高速で回転することによって強い旋回流が生じているが、上方から投入することで、この旋回流の影響を受けずに、容易に投入が可能であり、処理速度が大幅に速くなる。そして、こうして投入された廃棄物は、回転体によってはね飛ばされ、回転体と共に回転している多数の第1の垂直刃や、この第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置されている多数の第2の垂直刃に高速で衝突し、その衝撃によって効率よく短時間で破砕することができる。また、こうして破砕された廃棄物は、第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃にも激しく衝突し、ここでも破砕が実行される。
【0044】
このとき、例えば、石膏ボードの場合、表面の紙板は、外周網刃に当たっても破れないものの、心材の石膏の部分は、外周網刃に激突することによって網の目を通過可能なサイズに破砕され網刃の外側にこぼれ落ちる。こうして、高純度の石膏成分を紙板から分離することができる。一方、紙板は、この網刃に当たって付着している石膏成分が剥がれ落ちる結果、石膏成分のほとんど残っていないものとなる。この結果、本発明の廃棄物破砕装置を用いることにより、高純度の石膏成分を、高い回収率で回収することが可能となる。
【0045】
また、本発明の廃棄物破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、迅速に大量処理を実行することが可能である。さらに、本発明の廃棄物破砕装置は、その構造が単純であり、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0046】
ここで、本発明の廃棄物破砕装置において、前記第1,第2の垂直刃を五角形以上の多角形又は曲面を有する棒、筒又は板で構成する様にするとよい。
【0047】
この様に鋭利な角を持たないもので垂直刃を構成することで、石膏ボードを処理する場合、表面の紙板は切り裂かずに、石膏部分だけを効率よく破砕することができるからである。そして、紙板は大きなサイズのままで残り、石膏成分は小さな破片となるので、この後、トロンメルの様な選別装置にかけてやれば、容易に、紙成分と石膏成分とを選別することができる。
【0048】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物細破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として高速で回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の第1の垂直刃と、該第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の第2の垂直刃と、前記回転体上に取り付けられ、前記第1の垂直刃よりも高さの低い筒状刃と、前記第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃とを備えたもので、具体的には請求項3に記載した構成を有する。
【0049】
この本発明の廃棄物細破砕装置によれば、廃棄物は、上方から装置内に投入することができるので、投入が非常に楽である。特に、本体内では回転体が高速で回転することによって強い旋回流が生じているが、上方から投入することで、この旋回流の影響を受けずに、容易に投入が可能であり、処理速度が大幅に速くなる。そして、こうして投入された廃棄物は、回転体によってはね飛ばされ、回転体と共に回転している多数の第1の垂直刃や、この第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置されている多数の第2の垂直刃に高速で衝突し、その衝撃によって効率よく短時間で細破砕を実行することができる。
【0050】
また、こうして細破砕された廃棄物は、第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃にも激しく衝突し、ここでも細破砕が実行される。このとき、外周網刃のメッシュのサイズを、回収したい廃棄物のサイズに応じて設定しておくとよい。また、本発明の廃棄物細破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、迅速に大量処理を実行することが可能である。さらに、本発明の廃棄物細破砕装置は、その構造が単純であり、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0051】
ここで、本発明の廃棄物細破砕装置においては、前記第1,第2の垂直刃を、90度以下の鋭利な角又は所定広さの平面を有する棒、筒又は板で構成する様にしておくとよい。この様に構成することで、廃棄物は鋭利な角に激突し、あるいは、平面に対して激突することで、強い衝撃を受けて容易に細破砕され得るからである。
【0052】
また、上記目的を達成するためになされた本発明のさらに他の方式の廃棄物細破砕装置は、本体に開口される投入口及び排出口と、前記本体内に設けられ、高速で回転する回転体と、該回転体の外周部に距離をあけて両端を取り付けられ、湾曲又は屈曲可能な縄跳び縄状の回転刃と、前記本体の内面に取り付けられる固定刃とを備えたものであって、具体的には請求項4に記載した構成を有する。
【0053】
この本発明のさらに他の方式の廃棄物細破砕装置によれば、投入口から装置内に投入された廃棄物は、回転体の回転に伴って外側へ伸びる様にして回転する縄跳び縄状の回転刃にたたかれると共に、外側へ向かってはね飛ばされ、固定刃に当たって、さらに破砕が進行する。ここで、固定刃の高さを前記投入口側から前記排出口側へと近付くにつれて、回転刃の先端との距離が徐々に小さくなる様にしておくとよい。この様に構成することで、装置内の破砕状況が、破砕から粉砕、粉砕から細粉砕へと徐々に変化していき、最終的に排出口から排出されるものは、所望とするサイズに調整された状態となる様に設計することができるからである。また、この廃棄物細破砕装置によれば、回転刃を上述の様に構成したので、廃棄物に当たるときに、しなってスナップの効いた状態となり、破砕は効率よく実行し、回転刃側の損傷は発生し難いという極めて有利な結果を生み出すことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0055】
一実施の形態としての廃石膏ボードリサイクルシステムの全体構成を図1に示す。図示の様に、この廃石膏ボードリサイクルシステム1は、粗破砕機10と、剥離機30と、一次選別スクリーン50と、細破砕機70と、二次選別スクリーン90とを備えると共に、さらに、剥離機30と一次選別スクリーン50との間に配置されるスクリューコンベア110と、細破砕機70と二次選別スクリーン90との間に配置されるスクリューコンベア120とを備えている。
【0056】
粗破砕機10は、原料投入口11と、粗破砕機ホッパー12と、粗破砕機固定刃受け台13と、粗破砕機固定刃14と、粗破砕機回転刃シャフト15と、粗破砕機回転円盤16と、粗破砕機回転刃17と、粗破砕機回転円盤支持軸18と、粗破砕物排出口19とを備えている。
【0057】
剥離機30は、粗破砕物投入口31と、剥離機固定刃受け台32と、剥離機固定垂直刃33aと、剥離機固定リング刃33bと、剥離機固定外周網刃34と、剥離機回転刃受け台35と、剥離機回転垂直刃36aと、剥離機回転リング刃36bと、剥離機回転補助刃37と、剥離機回転刃シャフト38と、剥離機本体ケース39と、剥離物排出口40とを備えている。
【0058】
一次選別スクリーン50は、剥離物投入口51と、分離機本体52と、細破砕物選別スクリーン53と、粗破砕物選別スクリーン54と、攪拌・掻き上げ突起刃55と、製品排出口56と、粗破砕物排出口57と、紙・異物排出口58とを備えている。
【0059】
細破砕機70は、粗破砕物投入口71と、細破砕機本体ケース72と、細破砕機固定刃受け台73と、細破砕機固定外周網刃74と、細破砕機固定垂直刃75aと、細破砕機固定リング刃75bと、細破砕機回転刃受け台76と、細破砕機回転垂直刃77aと、細破砕機回転リング刃77bと、細破砕機回転円筒刃78と、細破砕機回転補助刃79と、細破砕機回転刃シャフト80と、細破砕物排出口81とを備えている。
【0060】
二次選別スクリーン90は、細破砕物投入口91と、分離機本体92と、細破砕物選別スクリーン93と、攪拌・掻き上げ突起板94と、粗破砕物排出口95と、製品排出口96とを備えている。
【0061】
図2は、粗破砕機10の内部構造を示している。図示の様に、粗破砕機10内には、粗破砕機固定刃14は、粗破砕機固定刃受け台13に対して、長手方向に250mmピッチで等間隔に設けられている。また、粗破砕機回転刃17も、同様に、軸方向に250mmピッチで設けられている。そして、軸方向隣同士の粗破砕機回転刃17は、互いに45度回転した状態となる様に配置されている。なお、粗破砕機固定刃14及び粗破砕機回転刃17としては、鋼製の厚さ15mm程度以上の比較的板厚の大きい帯板を用いるとよい。また、粗破砕機回転円盤支持軸18として、鋼製の丸棒を用いている。なお、この回転円盤支持軸18としては、六角棒などを採用してもよい。
【0062】
図3,図4は、剥離機30の内部構造を示している。図示の様に、剥離機固定リング刃33bは、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各剥離機固定リング刃33bと剥離機固定刃受け台32との間に、多数の剥離機固定垂直刃33aが放射状に立設されている。また、剥離機回転リング刃36bも、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各剥離機回転リング刃36bと剥離機回転刃受け台35との間に、多数の剥離機回転垂直刃36aが放射状に立設されている。また、剥離機固定外周網刃34は、剥離機固定刃受け台32の外縁に上端を固定されて末広がりにハの字形に広がる様に設けられており、剥離物排出口40と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられている。さらに、剥離機回転補助刃37は、剥離機回転刃受け台35の中心部分において、同心円上に位置する様に複数本(本実施の形態では4本)が立設されている。
【0063】
ここで、剥離機固定外周網刃34は、50mm角の鋼製網によって構成されている。また、剥離機固定垂直刃33a、剥離機回転垂直刃36a及び剥離機回転補助刃37としては、鋼製の丸棒を使用している。なお、丸棒以外に、六角棒などを用いることもできる。さらに、剥離機固定リング刃33b及び剥離機回転リング刃36bとしては、鋼製のリングを使用している。
【0064】
図5は、一次選別スクリーン50の内部構造を示している。この一次選別スクリーン50は、いわゆるトロンメルと同様の構造のものである。細破砕物選別スクリーン53は、細かいメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。この細破砕物選別スクリーン53の網目は、粒径2mm以下(2mmアンダー)の細かい石膏粉末を通すことができる様になっている。また、粗破砕物選別スクリーン54は、細破砕物選別スクリーン53よりも粗めのメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。さらに、製品排出口56は、分離機本体52の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この製品排出口56からは、細破砕物選別スクリーン53の網目を通った2mmアンダーの細かい石膏粉末だけが排出される様になっている。また、粗破砕物排出口57は、細破砕物選別スクリーン53の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この粗破砕物排出口57からは、粗破砕物選別スクリーン54を通過したものの細破砕物選別スクリーン53の網目を通ることができなかった大きめの石膏の破片が排出される。そして、石膏ボードを構成している紙や異物は、この一次選別スクリーン50の後端に設けられた紙・異物排出口58から排出される様になっている。
【0065】
図6,図7は、細破砕機70の内部構造を示している。図示の様に、細破砕機固定リング刃75bは、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各細破砕機固定リング刃75bと細破砕機固定刃受け台73との間に、細破砕機固定垂直刃75aが放射状に立設されている。また、細破砕機回転リング刃77bも、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各細破砕機回転リング刃77bと細破砕機回転刃受け台76との間に、細破砕機回転垂直刃77aが放射状に立設されている。また、細破砕機固定外周網刃74は、細破砕機固定刃受け台73の外縁に上端を固定されて垂直に下方に伸びる様に取り付けられており、細破砕物排出口81と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられている。さらに、細破砕機回転円筒刃78は、大・中・小と直径の異なるもの3個が、回転垂直刃77aの内側に位置する様に同心円状に配置されている。また、細破砕機回転補助刃79は、細破砕機回転刃受け台76の中心部分において、同心円上に位置する様に複数本が立設されている。
【0067】
ここで、細破砕機固定外周網刃74は、剥離機30の外周網刃34よりも細かいメッシュの鋼製網によって構成されている。また、細破砕機固定垂直刃75a、細破砕機回転垂直刃77a及び細破砕機補助刃79としては、鋼製の四角棒を使用している。なお、四角棒ではなく、六角棒や三角棒を使用することもできる。さらに、細破砕機固定リング刃75b及び細破砕機回転リング刃77bとしては、鋼製のリングを使用している。また、細破砕機回転円筒刃78としては、高さの低い鋼製の円筒を使用している。
【0068】
図8は、二次選別スクリーン90の内部構造を示している。この二次選別スクリーン90も、いわゆるトロンメルと同様の構造のものである。細破砕物選別スクリーン93は、細かいメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。この細破砕物選別スクリーン93の網目は、2mmアンダーの細かい石膏粉末を通すことができる様になっている。また、製品排出口96は、分離機本体92の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この製品排出口96からは、細破砕物選別スクリーン93の網目を通った2mmアンダーの細かい石膏粉末だけが排出される様になっている。また、粗破砕物排出口95は、細破砕物選別スクリーン93の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この粗破砕物排出口95からは、細破砕物選別スクリーン93の網目を通ることができなかった石膏粉砕片が排出される様になっている。
【0069】
次に、本実施の形態の廃石膏ボードリサイクルシステム1の作用について説明する。
【0070】
この廃石膏ボードリサイクルシステム1では、まず最初に、粗破砕機10の原料投入口11から廃石膏ボードを投入する。投入された廃石膏ボードは、ホッパー12内に溜まり、順次、回転刃17によって固定刃14に押し付けられながら、曲げ荷重を受けて押し割られる様にして割られていく。ここで、この粗破砕機10では、回転刃シャフト15は、例えば、20〜300rpm程度(より好ましくは、20〜200rpm程度、さらに好ましくは、20〜30rpm程度)の低速で回転されている。
【0071】
従って、廃石膏ボードは、衝撃によるのではなく、力で押し曲げられる様にして割られることになる。また、回転刃17及び固定刃14は、いずれもある程度の板厚を有する鋼製帯板で製造されているので、廃石膏ボードを割る作業を長時間実行しても先端が鈍化することがない。このとき、廃石膏ボードの表面及び裏面に貼り付けられている紙板は、引っ張りが作用する側で破れながら、全体として剥がれ気味になる。
【0072】
また、投入された廃石膏ボードの内、比較的幅の狭い廃石膏ボードは、回転円盤支持軸18の間に入り込み、隣合う回転円盤支持軸18同士の間に挟まれて、やはり、力で曲げられながら割られていく。こうして、廃石膏ボードは、粗破砕機10内において、衝撃によるのではなく、力で曲げられる様にして割られることにより、その表面と裏面に貼り付けられている紙板が心材の石膏板から剥がれ気味になりながら、大きな廃石膏ボードが100〜150mm角以下(150mmアンダー)の所定の大きさの破片となる様に粗く破砕されていくことになる。こうして所定の大きさの破片に破砕された廃石膏ボード(以下、「粗破砕物」という。)は、粗破砕物排出口19から排出される。
【0073】
この粗破砕物は、続いて、粗破砕物投入口31から剥離機30内へと投入される。この剥離機30は、先ほどの粗破砕機10とは異なり、高速で駆動されている。例えば、直径40cm程度の小型の機械であれば、2500〜3500rpm程度が適している。直径の大きな大量処理用の機械を用いる場合には、これよりも回転速度を下げることができ、例えば、800〜1500rpm程度とすることができる。いずれの場合も、周速度が重要であり、一定以上の周速度が得られる様に、機械の大きさに応じて回転数を設定すればよい。
【0074】
この剥離機30内に投入された粗破砕物は、高速回転する回転刃受け台35に当たると、中心から外側へと高速ではね飛ばされる。ここで、剥離機30は、回転刃受け台35を水平に配置しているので、粗破砕物は、360度いずれの方向へもはね飛ばされる。そして、はね飛ばされた粗破砕物は、剥離機30内に多数立設されている回転垂直刃36a、固定垂直刃33a及び回転補助刃37や、回転リング刃36b及び固定リング刃33bに対して高速で激突し、今度は衝撃によって砕かれることになる。
【0075】
このとき、回転垂直刃36a、固定垂直刃33a及び回転補助刃37として丸棒を用いることにより、粗破砕物の表面及び裏面に貼り付いている紙板を切ることなく、心材の石膏板だけを砕く様にして破砕が進む。この結果、紙板と石膏とが分離されながら、紙板は比較的大きな破片のままで残る一方、石膏は比較的細かな破片となって破砕が進む。
【0076】
こうして、紙板と石膏がきれいに分離されることになる。なお、最外周まではね飛ばされた粗破砕物は、固定外周網刃34に高速で衝突し、ここでも破砕される。そして、この外周網刃34の網の目を通過した破砕物が、剥離物排出口40から順次排出されていく。逆に、外周網刃34の網の目を通過できなかった破砕物は、機械の中心方向へとはね飛ばされ、再び、固定垂直刃33aや回転垂直刃36a等に衝突し、そのときの衝撃によってさらに破砕される。このときも、固定垂直刃33aや回転垂直刃36aが丸棒なので、紙板は切り刻まれることがなく、石膏だけが細かく破砕される。
【0077】
こうして剥離機30から排出された破砕物は、スクリューコンベア110により、一次選別スクリーン50へと投入される。一次選別スクリーン50では、破砕物がその大きさにより、3種類に選別される。2mmアンダーの石膏粉末は、粗破砕物選別スクリーン54及び細破砕物選別スクリーン53を通過して、製品排出口56から排出される。また、粒径が2mmよりも大きい2mmオーバーの石膏片は、粗破砕物選別スクリーン54を通過するものの細破砕物選別スクリーン53を通過することができず、粗破砕物排出口57から排出される。そして、大きな破片のままで残っている紙板は、異物(釘等の金属や木屑等)と共に、紙・異物排出口58から排出される。
【0078】
上述の様に、剥離機30では、紙板を切り刻むことなく、効率よく石膏だけを破砕し、紙板と石膏とを分離するので、製品排出口56から排出された2mmアンダーの石膏粉末は、そのままリサイクル原料として製品化することができる。また、紙・異物排出口58から排出された紙片は、回転刃受け台35の高速回転によってはね飛ばされる結果、固定垂直刃33a、回転垂直刃36a、補助刃37、固定リング刃33b、回転リング刃36b等に高速で衝突することにより、付着している石膏成分をきれいに剥離させ、石膏成分がほとんど付着していない状態になっている。従って、紙・異物排出口58から排出された紙片を回収することにより、これもまたサーマル燃料といった用途のためのリサイクル原料となる。そして、粗破砕物排出口57から排出された2mmオーバーの石膏片は、次工程へと回される。
【0079】
こうして一次選別スクリーン50で選別・回収された2mmオーバーの石膏片は、粗破砕物投入口71から細破砕機70内へと投入される。この細破砕機70も、剥離機30と同様に、高速で駆動されている。ここでも、重要なのは周速度であり、直径の小さい小型の機械ほど回転数を高く設定する。例えば、直径40cm程度の小型の機械であれば、2500〜3500rpm程度が適している。直径の大きな大量処理用の機械を用いる場合には、これよりも回転速度を下げることができ、例えば、800〜1500rpm程度とすることができる。
【0080】
この細破砕機70内に投入された2mmオーバーの石膏片は、高速回転する回転刃受け台76に当たると、中心から外側へと高速ではね飛ばされる。そして、はね飛ばされた石膏片は、細破砕機70内に無数に立設されている回転垂直刃77a、固定垂直刃75a及び回転補助刃79や、回転リング刃77b及び固定リング刃75bや、さらに、回転円筒刃78に対して高速で激突し、衝撃によって細かく砕かれることになる。
【0081】
この細破砕機70では、回転垂直刃77a、固定垂直刃75a及び回転補助刃79として比較的鋭利な角を有すると共に、平面部分も有する四角棒を用いることにより、石膏片を短時間で効率よく粉砕することができる。また、回転円筒刃78を備えることにより、剥離機30のときよりも、より多くの衝突の機会が生まれる。加えて、この回転円筒刃78があることで、大きめの石膏片は、この回転円筒刃78を乗り越えることが困難となり、細かく粉砕されて粉末状になった石膏片だけが、徐々に外周部分へと移動しつつ粉砕が進んでいく。
【0082】
またここでも、最外周まではね飛ばされた石膏片は、固定外周網刃74に高速で衝突し、さらに細かく粉砕される。そして、この外周網刃74の網の目を通過した粉末状の石膏片が、細破砕物排出口81から順次排出されていく。逆に、外周網刃74の網の目を通過できなかった石膏片は、機械の中心方向へとはね飛ばされ、再び、固定垂直刃75aや回転垂直刃77a等に衝突し、そのときの衝撃によって細かく粉砕される。このときも、固定垂直刃75aや回転垂直刃77aが四角棒なので、2mmオーバーの石膏片は短時間で効率よく粉砕される。
【0083】
こうして細破砕機70から排出された石膏粉末は、スクリューコンベア120により、二次選別スクリーン90へと投入される。二次選別スクリーン90では、2mmアンダーの石膏粉末は、細破砕物選別スクリーン93を通過して、製品排出口96から排出される。また、2mmオーバーの石膏片は、細破砕物選別スクリーン93を通過することができず、粗破砕物排出口95から排出される。
【0084】
こうして製品排出口96から排出された2mmアンダーの石膏粉末は、そのままリサイクル原料として製品化することができる。また、粗破砕物排出口95から排出された2mmオーバーの石膏粉末は、これを回収し、再び細破砕機70へと投入して再度粉砕を実行することにより、最終的には、本システムに投入された廃石膏ボードを構成するほぼ全ての石膏成分が2mmアンダーの石膏粉末となり、リサイクル原料として製品化することができる。
【0085】
なお、本発明者らが試作機として小型の装置(粗破砕機10としては250mmピッチで3枚の回転円盤16を備えたもの、剥離機30及び細破砕機70としては本体の直径が40cmのもの)を製造して試験したところによると、投入した廃石膏ボードは、細破砕機70での処理を1回実施するだけで、石膏成分のほぼ8割〜9割以上が2mmアンダーの石膏粉末となり、細破砕機70で2回以上処理する必要はほとんどなかった。
【0086】
また、本システムによれば、上述の様に、廃石膏ボードを構成する紙板と石膏成分とを効率よく分離することができ、しかも剥離機30では、紙片を細かく切り刻むことがないので、回収された2mmアンダーの石膏粉末は高純度となり、リサイクル原料としての価値が極めて高いものである。
【0087】
実際に、上述の試作機で試験した結果もこれを立証しており、回収された2mmアンダーの石膏粉末を石膏ボードメーカーに持ち込んで検査してもらったところ、紙成分をほとんど含まず、水分以外は、ほとんどが石膏成分からなる極めて高純度のリサイクル原料であることが確認できている。逆に、剥離機30で処理した状態では、紙板は、数cm平方〜十数cm平方と石膏に比べて明らかに大きなサイズのままで残り、一次選別スクリーン50による石膏成分と紙成分の選別を、極めて容易に実行することができた。また、剥離機30では、外周網刃34をハの字形に末広がりとなる構成としたので、紙成分が網刃にはりついてしまうことがなく、処理がスムーズに進行するという効果も発揮される。
【0088】
この様に、本実施の形態の廃石膏ボードリサイクルシステム1によれば、廃石膏ボードから、リサイクル原料となる高純度の石膏粉末を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。また、石膏成分の回収率は、ほぼ100%に近く、異物と共に回収される紙片は、石膏成分がほぼゼロのものとなっている。従って、回収された紙片も、サーマル燃料等の用途に適するリサイクル原料となっている。
【0089】
また、本実施の形態のシステム1によれば、廃石膏ボードから2mmアンダーの石膏粉末を回収するための処理時間が短く、大量の廃石膏ボードの処理にも適用可能である。
【0090】
なお、このシステム1は、廃石膏ボードの処理に最適であるが、これをそのまま、他の種類の廃棄物の処理に適用することもできる。
【0091】
例えば、廃石膏ボード以外の廃棄物として、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール等の各種の廃棄物を本システム1を用いて処理することで、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの破砕物に加工することができる。
【0092】
実際に、これらの廃棄物を本システム1の試作機を用いて処理したところ、いずれも所望とする大きさで高純度のリサイクル原料に加工することができた。なお、この場合、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP等の様に、複数種類の廃棄物からなり、それ自体がある程度の硬さを有するものは、廃石膏ボードと同様に、粗破砕機10、剥離機30、一次選別スクリーン50、細破砕機70、二次選別スクリーン90と順番に処理する。これに対して、廃農業ビニールや廃漁網の様な柔らかいものについては、粗破砕機10によるのではなく、あらかじめ所定の大きさに切断しておき、これを剥離機30以下の装置にかけて処理する様にするとよい。なお、単独の素材からなる廃棄物については、何らかの方法で所定の大きさにしておいて、細破砕機70に投入することで、所望の大きさのリサイクル原料に加工することが可能である。
【0093】
さらに、本実施の形態のシステム1によれば、構造が簡単で、駆動部分の故障や固定刃及び回転刃の損傷が発生し難く、メンテナンスも容易である。
【0094】
次に、参考例として、上述のシステム1の細破砕機70に代えて使用することのできる細破砕装置について説明する。この参考例の破砕装置200は、図9に示す様に、本体ケース201と、この本体ケース201に対して水平方向から廃棄物を投入する投入口202と、駆動シャフト203と、この駆動シャフト203に固定されている回転円盤204と、この回転円盤204の外周に一端を固定された動力伝達用のチェーンを用いた自在式アーム205と、この自在式アーム205の先端に取り付けられる切断・破砕刃206と、駆動部分を取り囲む様に本体ケース201内に設けられている半割り構造の円筒壁207と、この円筒壁207の内周面に固定された外周固定刃208と、円筒壁207の上部に設けられる排出口209とを備えている。
【0095】
また、この破砕装置200は、図10に示す様に、駆動シャフト203に対して、所定ピッチで複数の回転円盤204が固定されている。そして、隣合う回転円盤204同士において、自在式アーム205の取り付け位置が45度ずつずれた状態となっている。さらに、外周固定刃208は、図9から分かる様に、投入口202の近くでは高さが低くかつ厚さが大きいものとされており、排出口209に近付くに連れて、次第に高さが高くなりかつ厚さが小さくなる様に構成されている。この外周固定刃208の高さと厚さの関係は、図11に示す様に設計されている。
【0096】
即ち、図11に示す様に、投入口202の直下の位置Aを起点とし、そこから円筒壁207の最高位置Dまでの区間に対して、高さがHからHH(>H)まで徐々に高くなり、板厚がWからWW(<W)まで徐々に小さくなる様な鋼板を、外周固定刃208として採用している。そして、A−D間を円筒壁207の最も下の位置Bと高さ方向中心の位置Cとで区切った場合に、A−B間では作用として廃棄物を比較的大きな破片にする破砕が実行され、B−C間では破砕された廃棄物に対する粉砕が実行され、C−D間では粉砕されて小さくなった破片をさらに細かく粉砕する細粉砕が実行される様に各区間にそれぞれ異なる役割を持たせている。
【0097】
次に、この参考例の破砕装置200の作用について説明する。
【0098】
まず最初に、廃石膏ボードを、第1の実施の形態で説明した粗破砕機10に投入して所定の大きさに粗破砕する。そして、これをさらに剥離機30にかけて紙板と石膏片とに分離し、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を回収しておく。
【0099】
こうして加工原料の調整が済んだら、破砕装置200を駆動する。すると、駆動シャフト203の回転に伴って、自在式アーム205が遠心力で真っ直ぐに伸びた状態となって回転する。なお、このときの回転数は、300〜5000rpmと、低速域から高速域の所定の回転数になっている。こうして破砕装置200を駆動した後、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を投入口202から本体内に投入する。
【0100】
すると、石膏片は、自在式アーム205及びその先端に取り付けられている切断・破砕刃206によってたたかれて、円筒壁207に向かって高速ではね飛ばされる。石膏片をたたくとき、自在式アーム205は、従来のハンマークラッシャーの頑強なアームと異なり、それ自体がしなり、スナップをきかせた状態となる。そして、まず、図11で説明したA−B区間において、外周固定刃208に高速で衝突し、破砕が行われる。こうして破砕された石膏片は、本体中心に向かって跳ね返り、再び、自在式アーム205及び切断・破砕刃206でたたかれて外に向かってはね飛ばされる。そして、次第に小さな破片になりながら、A−B区間を通過してB−C区間に移動していく。
【0101】
このB−C区間では、外周固定刃208と切断・破砕刃206との間隔がA−B区間に比べて小さくなる結果、破砕から粉砕へと処理状態が変化する。そして、このB−C区間を通過する内に、徐々に粒径を小さくしていき、C−D区間でより一層小さな粒径へと細粉砕される。こうして細粉砕されて得られた石膏粉末は、自在アーム205の回転によって発生する旋回流に乗って、上部の排出口209から排出される。
【0102】
こうして排出口209から排出された石膏粉末は、続いて二次選別スクリーン90に投入され、2mmアンダーの高純度の石膏粉末からなるリサイクル原料として回収される。
【0103】
この様にして、この破砕装置200によっても、第1の実施の形態の細破砕機70と同様に、リサイクル原料となり得る粒径の高純度石膏粉末を、効率よく回収することができる。
【0104】
また、この破砕装置200においては、回転速度と廃棄物の送り込み速度とを調整することで、好みの粒径のリサイクル原料を得るのが容易である。例えば、スレートやサイディングボードの廃材を処理する様な場合、リサイクル原料としては、あまりにも細かい粉末では都合が悪い。そこで、この様な廃棄物を処理するときには、回転速度を小さくすると共に廃棄物の送り込み速度を大きくしてやることで、ある程度の大きさの粉砕物を得ることができる。逆に、回転速度を大きくして廃棄物の送り込み速度を小さくしてやると破砕の効率がアップし、粒径の小さな粉末状のリサイクル原料を得ることができる。
【0105】
さらに、この破砕装置200の構造的な特徴としては、前述の様に、投入口202付近では外周固定刃208の高さを小さくすることで、廃棄物の投入がし易く、大量の廃棄物を送り込むことができる様になっている。そして、外周固定刃208の高さを、上部の排出口209に近付くに連れて徐々に大きくすることで、粒径を小さくした粉砕物を得ることができる様になっている。
【0106】
加えて、この破砕装置200に対して、廃石膏ボード以外の廃棄物として、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を投入してやれば、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの破砕物(粉砕物)に効率よく加工することができる。
【0107】
実際に、この効果を確かめるために、直径20cmの円筒壁207を有する試作機を作成し、廃石膏ボードを始めとする各種の廃棄物を投入して実験を行ったところ、いずれの廃棄物も、所望とする大きさの破砕物(粉砕物)に加工することができた。なお、この場合、投入する廃棄物の種類に応じて、装置の回転速度と廃棄物の投入速度とを調整することで、最終的に得られる破砕物(粉砕物)の大きさを調整した。
【0108】
また、この破砕装置200は、上述の様に、自在式アーム205を採用したことにより、廃棄物をたたくときにアームがしなってスナップを効かせることができ、破砕・粉砕が効果的に実行されると共に、アーム側に損傷が発生し難いという効果があることも確認できた。
【0109】
さらに、この破砕装置200では、円筒壁207を半割り構造としたことにより、外周固定刃208の取り替えや、自在アーム205の取り替えを容易に実行することができるという効果もあり、アーム自体の損傷する確率の低下と共に、メンテナンスの容易化が達成される。
【0110】
なお、この破砕装置200においては、図10に示した様に、切断・破砕刃206としては、先端の形状を変えた角刃、尖刃、丸刃、凹凸刃等の種々の形状のものを用いることができる。これらの例の中では、角刃及び凹凸刃が、最も効率よく廃棄物の破砕・粉砕を実行することができる。逆に、あまり切り刻みたくないものについては、丸刃が好適である。さらに、丸刃の場合には、破砕・粉砕の効率は若干低下するものの刃の損傷が少ないという利点がある。
【0111】
また、第1の実施の形態の細破砕機70と比較した場合、この破砕装置200の方が、回収する廃棄物の粒径の調整が容易であるという利点がある。なお、細破砕機70においても、回転速度を調整し、廃棄物の投入量を調整することで、粒径の調整は可能である。
【0112】
一方、この破砕装置200では、投入口202に対して、自在式アーム205の回転により発生する強い風が吹き出すことから、第1の実施の形態の水平回転型の細破砕機70に比べて廃棄物が若干投入し難いという短所がある。即ち、細破砕機70では、回転刃受け台76の中心付近に向かって上方から廃棄物を投入する構造となっている結果、ちょうど台風の目に対して廃棄物を投入する様な状態となり、装置内で発生する風の影響を受けずに、廃棄物を大量に投入することが容易であるという利点がある。
【0113】
なお、この参考例の破砕装置200の特徴として、自在式アーム205の長さを調整することで、駆動時に発生する風の強さを調整することができる。例えば、廃農業ビニールなどの軽い廃棄物を処理する場合には、チェーンの長さを短くすることで風力を低下させ、廃棄物の投入を容易にすることができる。
【0114】
次に、第2の実施の形態として、参考例と同様に、上述したリサイクルシステム1の細破砕機70に代えて使用することのできる細破砕装置について説明する。この第2の実施の形態の破砕装置300は、図12に示す様に、水平に配置される円筒状の本体ケース301と、この本体ケース301に対して一方の端の上部から廃棄物を投入する投入口302と、駆動シャフト303と、この駆動シャフト303に固定されている回転円盤304と、この回転円盤304の外周に両端を固定されて縄跳びの縄状になっているチェーン刃305と、本体ケース301の内周面に固定された外周固定刃306と、投入口302と反対側の端部において本体ケース301の下側に設けられる排出口307とを備えている。
【0115】
この破砕装置300は、図13に示す様に、駆動シャフト303に対して、所定ピッチで多数の回転円盤304が固定されている。そして、隣合う回転円盤304同士において、チェーン刃305の取り付け位置が90度ずつずれた状態となっている。さらに、外周固定刃306は、図12,図14から分かる様に、投入口302の近くでは高さが低いものとされており、排出口307に近付くに連れて、次第に高さが高くなる様に構成されている。
【0116】
次に、この第2の実施の形態の破砕装置300の作用について説明する。
【0117】
まず最初に、廃石膏ボードを、第1の実施の形態で説明した粗破砕機10に投入して所定の大きさに粗破砕する。そして、これをさらに剥離機30にかけて紙板と石膏片とに分離し、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を回収しておく。
【0118】
こうして加工原料の調整が済んだら、破砕装置300を駆動する。すると、駆動シャフト303の回転に伴って、チェーン刃305が遠心力で真っ直ぐに伸びた状態となって回転する。なお、このときの回転数は、300〜5000rpmと、低速域から高速域の所定の回転数になっている。こうして破砕装置300を駆動した後、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を投入口302から本体内に投入する。
【0119】
すると、石膏片は、チェーン刃305によってたたかれて、本体ケース301の内壁面に向かって高速ではね飛ばされる。石膏片をたたくとき、チェーン刃305は、従来のハンマークラッシャーの頑強なアームと異なり、それ自体がしなり、スナップをきかせた状態となる。そして、参考例と同様に、投入口302の付近で、破砕され、本体ケース301内を排出口307に向かって移動していく間に、徐々に、破砕から粉砕、粉砕から細粉砕と処理状態が変化していき、排出口307から排出される。
【0120】
こうして排出口307から排出された石膏粉末は、続いて二次選別スクリーン90に投入され、2mmアンダーの高純度の石膏粉末からなるリサイクル原料として回収される。
【0121】
この様にして、この破砕装置300によっても、第1の実施の形態の細破砕機70と同様に、リサイクル原料となり得る粒径の高純度石膏粉末を、効率よく回収することができる。
【0122】
なお、この破砕装置300においては、図12に示した様に、チェーン刃305としては、丸棒や角棒を採用することができる。また、図14に示した様に、外周固定刃306としては、帯板、丸棒、角棒等を採用することができる。
【0123】
加えて、この破砕装置300においても、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を投入してやれば、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの粉砕物に効率よく加工することができる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。
【0125】
例えば、剥離機30や細破砕機70の垂直刃33a,36a,75a,77aは棒ではなくパイプや板で構成することもできる。また、破砕装置200の自在式アーム205や破砕装置300のチェーン刃305を、鋼製ワイヤなどで代用することもできる。さらに、破砕装置200では、円筒壁207の中心と回転シャフト203の中心をずらすことで、固定刃208の高さは一定にしておいて、図11に点線で示した様な関係のアーム先端と固定刃との距離を設ける様にしてもよい。加えて、本発明の廃棄物処理方法を実行するについては、上述した実施の形態の装置構成にこだわる必要はなく、請求項に記載した様な工程を採り得るものであれば、どの様な機器を用いて廃棄物の処理を実行する様にしても構わない。
【0126】
また、破砕装置300において、投入口を本体の上部にそのほぼ全体に渡って開口する様な大きなものとしておき、排出口を本体の下部にそのほぼ全体に渡って開口する様な大きなものとしておき、駆動シャフト303の回転数を低速にして、スレートやサイディングボード等の粗破砕を行うための装置として使用してもよい。この様に構成することで、大量の廃棄物を迅速に粗破砕することができるという効果が発揮される。また、破砕装置300において、実施の形態で説明した外周固定刃306に変えて、本体ケース301の軸方向に伸びる固定刃を設けてもよいし、この様な軸方向に伸びる固定刃を外周固定刃306と共に設ける様にしてもよい。
【0127】
同じく、破砕装置200についても、回転速度を低くすることで、スレートやサイディングボード等の粗破砕を行うための装置として使用することができる。また、破砕装置200において、排出口209を下方に設けておき、比較的大きな破片の状態の破砕物を効率よく取り出せる様にしても構わない。この破砕装置200では、排出口209の位置により、取り出したい破砕物のサイズを自由に設定できるという効果があるのである。なお、破砕装置200の外周固定刃208は、全て、高さも板厚も同じものとしても構わない。損傷し難い破砕装置としての効果は変わらず、また、大量処理に適している点も変わりないからである。
【0128】
この様に、破砕装置200及び破砕装置300は、細破砕以外に、粗破砕や、中程度の破砕など、各種用途に適用が可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明によれば、廃棄物から、リサイクル原料成分を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。また、廃棄物からリサイクル原料を回収するための処理時間を短くし、大量の廃棄物の処理にも適用可能にすることができる。さらに、故障や破損が発生し難く、メンテナンスの容易な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての廃棄物処理システムの構成図である。
【図2】第1の実施の形態における粗破砕機の内部構造を示し、(A)は平面図、(B)及び(C)は斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における剥離機の内部構造を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における剥離機の内部構造を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態における一次選別スクリーンの内部構造を示し、(A)は縦断面図、(B)は斜視図である。
【図6】第1の実施の形態における細破砕機の内部構造を示す説明図である。
【図7】第1の実施の形態における細破砕機の内部構造を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態における二次選別スクリーンの内部構造を示し、(A)は縦断面図、(B)は斜視図である。
【図9】参考例としての細破砕装置を示し、(A)は正面から見た断面図、(B)及び(C)は側面から見た断面図である。
【図10】参考例における細破砕装置の内部構造を示し、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は切断・破砕刃の刃の形状を示す斜視図である。
【図11】参考例における細破砕装置の固定刃の高さ及び板厚の関係を示す説明図である。
【図12】第2の実施の形態としての細破砕装置を示す断面図及びそこに採用されるチェーン刃の形状を示す平面図及び斜視図である。
【図13】第2の実施の形態における細破砕装置の内部構造を示す斜視図である。
【図14】第2の実施の形態における細破砕装置の内部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・廃石膏ボードリサイクルシステム、10・・・粗破砕機、11・・・原料投入口、12・・・粗破砕機ホッパー、13・・・粗破砕機固定刃受け台、14・・・粗破砕機固定刃、15・・・粗破砕機回転刃シャフト、16・・・粗破砕機回転円盤、17・・・粗破砕機回転刃、18・・・粗破砕機回転円盤支持軸、19・・・粗破砕物排出口、30・・・剥離機、31・・・粗破砕物投入口、32・・・剥離機固定刃受け台、33a・・・剥離機固定垂直刃、33b・・・剥離機固定リング刃、34・・・剥離機固定外周網刃、35・・・剥離機回転刃受け台、36a・・・剥離機回転垂直刃、36b・・・剥離機回転リング刃、37・・・剥離機回転補助刃、38・・・剥離機回転刃シャフト、39・・・剥離機本体ケース、40・・・剥離物排出口、50・・・一次選別スクリーン、51・・・剥離物投入口、52・・・分離機本体、53・・・細破砕物選別スクリーン、54・・・粗破砕物選別スクリーン、55・・・攪拌・掻き上げ突起刃、56・・・製品排出口、57・・・粗破砕物排出口、58・・・紙・異物排出口、70・・・細破砕機、71・・・粗破砕物投入口、72・・・細破砕機本体ケース、73・・・細破砕機固定刃受け台、74・・・細破砕機固定外周網刃、75a・・・細破砕機固定垂直刃、75b・・・細破砕機固定リング刃、76・・・細破砕機回転刃受け台、77a・・・細破砕機回転垂直刃、77b・・・細破砕機回転リング刃、78・・・細破砕機回転円筒刃、79・・・細破砕機回転補助刃、80・・・細破砕機回転刃シャフト、81・・・細破砕物排出口、
90・・・二次選別スクリーン、91・・・細破砕物投入口、92・・・分離機本体、93・・・細破砕物選別スクリーン、94・・・攪拌・掻き上げ突起板、95・・・粗破砕物排出口、96・・・製品排出口、110・・・スクリューコンベア、120・・・スクリューコンベア、200・・・破砕装置、201・・・本体ケース、202・・・投入口、203・・・駆動シャフト、204・・・回転円盤、205・・・自在式アーム、206・・・切断・破砕刃、207・・・円筒壁、208・・・外周固定刃、209・・・排出口、300・・・破砕装置、301・・・本体ケース、302・・・投入口、303・・・駆動シャフト、304・・・回転円盤、305・・・チェーン刃、306・・・外周固定刃、307・・・排出口。
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃石膏ボード、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を処理するための廃棄物処理システムと、こうした廃棄物処理システムに適する廃棄物粗破砕装置、廃棄物破砕装置及び廃棄物細破砕装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、建築廃材として多量の廃石膏ボードが発生し、その処理が問題となっている。また、建築現場では、石膏ボードを取り付ける部位の寸法・形状に応じて規格サイズのものから所定の寸法・形状のものを切り出して使用する結果、切り出された残りの部分を廃石膏ボードとして処理する必要がある。こうした廃石膏ボードの処理の方法としては埋め立て処分等に頼っているのが現状である。ところが、平成11年6月15日から、こうした廃石膏ボードが管理品目に指定されることとなり、その埋め立て処分に当たっては管理処分場へ持ち込まざるを得ない状況になっている。
【0003】
このため、建築廃材として多量に発生する廃石膏ボードを、埋め立て処分に頼るのではなく、再利用によってリサイクルする技術の確立が望まれる様になってきている。
【0004】
こうした状況の中で、廃石膏ボードをクラッシャーやシュレッダーで粉砕し、心材として使用されている石膏成分を回収して石膏原料として再利用する試みが多くなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のシステムで回収される石膏成分には、粉砕の過程で表面の紙板から発生する微細な紙片や紙粉が混入した状態となっており、高純度の石膏成分を回収することができないという問題があった。
【0006】
これに対し、最近では、高純度の石膏成分を回収できる様にするために、例えば、特開2000−225354号公報、特開2001−113259号公報、特開2001−137726号公報等において石膏ボードの粉砕分別処理装置が提案されている。これらの公報において提案されている装置は、圧潰ローラを用いて石膏ボードを粉砕し、石膏成分と紙成分とを分離し、これを篩いにかけて石膏成分だけを取り出す様にしている。
【0007】
しかし、これらの公報に提案される装置では、石膏成分については高純度化が進むとしても、紙成分については石膏成分が多く付着した状態の紙片として回収されることになり、石膏成分の回収率が悪いという問題がある。また、石膏成分が付着した状態の紙片は、そのまま焼却したり燃料として再利用したりすることが困難であるため、結局、最終処分場に持ち込んで処理しなければならないという問題がある。さらに、これら公報に提案される装置で回収される石膏成分は、上質の石膏原料として再利用するには粒径が大きく、再利用がし難いという問題もある。
【0008】
また、こうした圧潰ローラによる粉砕ではなく、遠心ローラミルにより石膏ボードを粉砕する様にした廃石膏ボードの処理装置も、特開2001−149911号公報において提案されている。
【0009】
しかし、この特開2001−149911号公報において提案されている装置では、石膏粉と紙片と紙粉とが混ざった状態の粉砕物となり、分別が面倒であると共に、ローラミルですり潰されることによって比較的大量に発生する紙粉が石膏粉に混ざってしまう可能性が高く、高純度の石膏成分を回収する上で十分にその目的を達成し得るものとは言えないという問題がある。
【0010】
さらに、従来提案されている他の方式の処理装置として、例えば特開平7−299371号公報において提案されたものがある。この処理装置は、石膏ボードを粉砕する前に適当な大きさに荒割りするための荒割り装置と、この荒割り装置で荒割りされたボード片を水平方向に伸びる様に配置されている粉砕部と、この粉砕部で粉砕された粉砕物を石膏成分と紙成分とに分別するための粉砕分別部とを備えたものである。
【0011】
この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、荒割り装置として、クラッシャーと、先端の尖った鋭利な下刃とで石膏ボードをせん断することにより荒割りが実行される様に構成されている。このため、荒割り装置の処理能力には限界があり、大量の石膏ボードを処理するのには適していないという問題がある。そもそも、この特開平7−299371号公報で提案されている処理装置においては、建築現場で発生する残材としての廃石膏ボードの処理を目的としており、そのため、小型の装置としてしか適用し難い構造のものを開発した経緯が同公報に明記されている。
【0012】
また、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、荒割り装置の下刃が確実なせん断を実施し得る様に先端の尖った鋭利なものとされているため、大量の廃石膏ボードを処理すると、刃先が鈍化してしまうことから、メンテナンスに手間がかかるという問題もある。
【0013】
さらに、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、粉砕部は水平方向に配置される円筒ケーシング内で回転する駆動軸に取り付けられている粉砕片で石膏ボード片をケーシング内壁に衝突させて粉砕しながら、粉砕物を徐々に入り口側から出口側へと移動させていき、時間をかけて細かな粉砕物を形成する構造となっている。この様に円筒ケーシングが水平方向に伸びる構造である結果、重力の影響を受け、上側の内壁まではね飛ばされる石膏ボード片の割合が少ない上、できるだけ小さな破片に粉砕するために円筒ケーシング内における粉砕工程に十分な時間をかけるべく設計されており、粉砕処理に時間がかかり、大量の廃石膏ボードを処理するには不向きであるという問題がある。
【0014】
また、この特開平7−299371号公報に提案される処理装置においては、その実施例の作用の記載によると、粉砕部における粉砕のメカニズムは次の様なものである。即ち、ケーシング内壁に衝突して小片化された石膏ボード片は、紙片に多くの石膏ボードが付着した状態になっており、円筒ケーシング内で時間をかけて処理することにより、石膏ボード片同士の擦れ合いや、石膏ボード片とケーシング内壁に取り付けられている凸軸との擦れ合いによって徐々に石膏成分を紙片から掻き落とす様にしたものである。このため、粉砕処理の最終段階では擦れ合いによる石膏成分の掻き落とし作用を十分に発揮させるために出口側へ行くほど移動速度を遅くする様な工夫がなされており、粉砕処理の長時間化は、そこに採用されているメカニズムからどうしても避けることができないという問題がある。
【0015】
さらに、この特開平7−299371号公報に記載された実施例によれば、粉砕部で粉砕されて回収される石膏成分は、1cm2 〜36cm2 程度とのことであり、石膏原料としてリサイクルするのに適した大きさになっていないという問題もある。
【0016】
加えて、同じく同公報の実施例の記載によれば、回収された紙成分には34.3%もの石膏成分が残存しており、石膏成分の分離が十分になされていないという問題もある。そして、この様に多量の石膏成分を含んだ紙成分は、特開2000−225354号公報、特開2001−113259号公報、特開2001−137726号公報等において提案される装置におけるのと同様に、そのまま焼却したり燃料として再利用したりすることが困難であるため、結局、最終処分場に持ち込んで処理しなければならないという問題がある。
【0017】
また、廃棄物処理におけるリサイクル原料化の要望は、廃石膏ボードだけに限らず、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール等の各種廃棄物についても存在している。例えば、廃ガラス瓶についていえば、石膏ボードと同様に、表面に紙製のラベルが貼られていることが多いことから、紙片とガラス成分とをきれいに分離する必要がある。廃塩ビ管の場合も、その周囲には泥やコンクリート塊等が付着していることが多く、塩ビ成分と付着物とをきれいに分離する必要がある。廃FRPについてもガラス繊維とプラスチック成分とをきれいに分離する必要がある。以下同様に、廃木、廃竹については泥と木や竹とをきれいに分離する必要があるし、廃漁網では付着した海草類や貝殻等と漁網を構成する合成繊維成分とをきれいに分離する必要があるし、廃農業用ビニールについても泥とビニールとをきれいに分離する必要があり、この種の要望は、さらに他の廃棄物についても存在している。
【0018】
また、これら各種の廃棄物をリサイクル原料とするためには、廃棄物の種類に応じて、最終的に回収される粉砕物の大きさを適切なものとする必要がある。
【0019】
ところが、従来の装置は、いずれも石膏ボード用としてだけしか使用することができず、特に、廃農業ビニールや廃繊維類等の様に柔らかい廃棄物を適切な大きさに粉砕することはできないという問題がある。
【0020】
そこで、本発明は、廃棄物から、リサイクル原料成分を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収できる様にすることを第1の目的とする。
【0021】
また、廃棄物からリサイクル原料を回収するための処理時間を短くし、大量の廃棄物の処理にも適用可能にすることを第2の目的とする。
【0022】
さらに、故障や破損が発生し難く、メンテナンスの容易な装置を提供することを第3の目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために有効な廃棄物処理方法は、廃棄物をある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕工程と、前記粗破砕工程で得られた粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する破砕・分離工程と、該破砕・分離工程によって破砕・分離された破砕物を、前記主たる成分と他の成分とに選別する一次選別工程と、該一次選別工程で選別された前記主たる成分の破砕物を、さらに小さく細破砕する細破砕工程と、該細破砕工程で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別工程とからなる。
【0024】
この廃棄物処理方法によれば、「粗破砕」→「破砕・分離」→「一次選別」→「細破砕」→「二次選別」と順番に処理することで、従来よりも工程数は増えるものの、廃棄物を、主たる成分と他の成分とに一旦分離し、その後、主たる成分だけになった廃棄物を所望のサイズに細破砕することとなり、高純度でリサイクル原料として適した寸法にした廃棄物を高い回収率で回収することができる。即ち、「細破砕」の前に、「破砕・分離」及び「一次選別」の工程を入れることで、廃棄物を成分別に分類することが容易となり、リサイクル原料の高純度化と高い回収率とを両立させることができるのである。
【0025】
また、上記目的を達成するために有効な廃棄物処理システムは、投入された廃棄物を、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、該粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記主たる成分と他の成分とに選別する一次選別装置と、該一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、さらに小さなサイズに細破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0026】
この廃棄物処理システムによれば、次の様にして廃棄物の処理を実行することができる。まず最初に、粗破砕装置で、廃棄物をある程度の大きさを有する破片に粗破砕する。そして、こうして得られた廃棄物の粗破砕物を、破砕・分離装置に投入して、主たる成分と、他の成分とが異なる大きさとなる様に破砕する。この破砕・分離装置によって破砕・分離された破砕物は、続いて、一次選別装置に投入され、主たる成分と他の成分とに選別される。そして、一次選別装置で選別された主たる成分の破砕物を、細破砕装置に投入して、さらに細かいものへと細破砕する。最後に、この細破砕装置で細破砕された廃棄物を、二次選別装置に投入して、寸法に応じて選別する。
【0027】
例えば、石膏ボードを処理する場合、特に最初の粗破砕として、ボードに曲げ荷重を加えて粗破砕を実行してやれば、紙板と心材の石膏とが剥がれやすくなった状態の粗破砕物を得ることができる。従って、次に実行される破砕・分離の工程では、石膏と紙板とを互いに分離し、しかも、紙板については大きな破片のままで、石膏だけが比較的小さな破片となる様に破砕することが可能になる。そして、ここで分離された石膏成分は、さらに一次選別装置で紙成分を含まない状態に選別された上で、所望とする小さなサイズの粉末になる様に、細破砕装置による細破砕が実行され、二次選別装置でサイズに応じて選別される。この結果、本発明の廃棄物処理システムによれば、高純度の石膏を高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。
【0028】
また上記目的を達成するためになされたより具体的な廃棄物処理システムは、投入された廃棄物を水平軸を回転中心として低速回転する回転刃と固定刃とで挟み付け、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、該粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、垂直軸を回転中心として高速回転する回転体ではね飛ばして垂直方向に伸びる刃に高速で衝突させることにより、該粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とに分離しつつ、さらに小さな破片となる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記分離された主たる成分と、他の成分とに選別する一次選別装置と、該一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、垂直軸を回転中心として高速回転する回転体ではね飛ばして垂直方向に伸びる刃に高速で衝突させることにより、さらに小さなサイズに破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0029】
このより具体的な廃棄物処理システムによれば、廃棄物は、粗破砕装置、破砕・分離装置及び細破砕装置に対して、いずれも上方から連続的に投入することができ、大量の廃棄物を処理するのに適している。また、構造が単純で、故障や損傷のおそれがなく、メンテナンスが容易である。
【0030】
また、上記目的を達成するためになされたさらに具体的な廃棄物処理システムは、上部に配置される投入口と、該投入口の下方で低速で回転する回転刃と、該回転刃に対して水平方向にずれた位置に取り付けられる固定刃とを備え、前記投入口から投入された廃棄物を前記回転刃と固定刃とで挟み付け、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、前記回転体の上方から投入し、該回転体ではね飛ばして前記回転刃及び固定刃に高速で衝突させることにより、前記粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とに分離しつつ、さらに小さな破片となる様に破砕する破砕・分離装置と、該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記分離された主たる成分と、他の成分とに選別する一次選別装置と、上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、前記回転体の回転力によってはね飛ばし、前記回転刃及び前記固定刃に高速で衝突させることにより、さらに小さいサイズに細破砕する細破砕装置と、該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置とを備えている。
【0031】
この廃棄物処理システムによれば、廃棄物を、最初に、粗破砕装置に投入する。すると、投入された廃棄物は、粗破砕装置内で、低速で回転している回転刃に押されて固定刃との間に挟み付けられ、曲げ荷重によって押し割られる様にしてある程度の大きさを有する破片に粗破砕される。このとき、例えば、廃石膏ボードであれば、曲げ荷重によって引っ張りが作用する側の紙板が引き裂かれる様にして割れる結果、紙板は、心材の石膏部分からはがれ気味になる。
【0032】
こうして得られた粗破砕物は、続いて、破砕・分離装置に投入される。すると、この粗破砕物は、高速で回転する回転体ではね飛ばされ、回転刃及び固定刃に激しく衝突させられることにより、主たる成分と、他の成分とに分離されつつ、さらに小さな破片となる様に破砕される。ここで、石膏ボードの処理を行うに当たっては、特に、回転刃及び固定刃として、丸棒や楕円棒等の様に曲面を有するものや五角形以上の多角形棒などの様なもの等、90度以下の鋭利な角を有しないものを破砕用の刃として用いる様にするとよい。これは、粗破砕物が回転刃及び固定刃に衝突したときに、石膏ボード表面の紙板を切り刻むことなく心材の石膏部分を細かく破砕する上で有利だからである。同じく、廃塩ビ管を処理する場合も、塩ビ管は余り小さくせずにその周囲に付着している泥やコンクリート塊だけを粉々にする様に破砕する上で有利である。その他、廃農業用ビニールや、廃木、廃竹、草、廃漁網といったものを破砕するときも同様に有利となる。こうして、主たる成分と、他の成分とを、大きさが異なる状態に破砕することで、次の選別が容易に実行できる様になる。
【0033】
次に、破砕・分離装置によって破砕・分離された破砕物を、一次選別装置にかけて主たる成分と、他の成分とに選別する。ここで、一次選別装置としては、例えば、トロンメルを用いることができる。
【0034】
こうして選別された主たる成分の破砕物は、さらに、細破砕装置に投入する。すると、この破砕物は、回転体の回転力によってはね飛ばされ、回転刃及び固定刃に高速で衝突し、さらに細かいものへと細破砕される。ここで、この細破砕装置においては、細破砕を効率よく実行することができる様に、回転刃及び固定刃としては、90度以下の鋭利な角又は所定広さの平面を有する棒、筒又は板としておくとよい。
【0035】
そして、最後に、細破砕装置で細破砕された廃棄物を、二次選別装置にかけて、寸法に応じて選別する。以上の様にすることで、例えば、石膏ボードの場合、主たる成分である石膏については非常に細かな粉末状にしてこれを回収することができる。そして、こうして回収された石膏粉末は、高純度であり、そのままリサイクル原料として使用することが可能である。また、粗破砕物を破砕装置で処理することで、例えば、石膏ボードの場合、紙板への石膏成分の付着をほとんどなくすることができ、高い回収率で石膏粉末を回収することができる。そして、紙板の方は、石膏成分がほとんど付着していないので、そのまま焼却処分することはもちろん、サーマル燃料としてリサイクルすることなども可能である。
【0036】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物粗破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口に続いて設けられるホッパと、該ホッパの下方において、ほぼ水平方向に伸びる様に設けられて低速で回転する回転シャフトと、該回転シャフトに対して、軸方向に所定間隔で取り付けられる回転刃と、該回転刃の間に位置する様に前記本体側に取り付けられる固定刃とを備えたもので、具体的には請求項1に記載した構成を有する。
【0037】
この本発明の廃棄物粗破砕装置によれば、投入口から投入された廃棄物は、ホッパ内に蓄積される。すると、ホッパの下方では、回転刃が低速で回転しているので、ホッパ内に蓄積された廃棄物は、順次この回転刃によって押される様にして固定刃と回転刃との間に挟み付けられる。この結果、廃棄物に対しては、回転刃の当たった部分と固定刃の当たった部分に曲げ荷重が加わり、押し曲げられる様にして破砕される。
【0038】
従って、例えば、石膏ボードの場合、曲げ荷重によって引っ張りが作用する側の紙板が引き裂かれる様にして割れ、紙板は、心材の石膏部分からはがれ気味になる。よって、後述する様な廃棄物破砕装置に対して、この廃棄物粗破砕装置で粗破砕された石膏ボード片を投入してやれば、容易に紙板と石膏成分を分離しつつ、石膏成分についての破砕を実行することができる。
【0039】
また、本発明の廃棄物粗破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、大量処理が可能である。さらに、本発明の廃棄物粗破砕装置は、その構造が単純であり、例えば、前述した特開平7−299371号公報において提案された装置の様な板バネ等を用いていないことから、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0040】
ここで、この本発明の廃棄物粗破砕装置において、前記回転シャフトに、軸方向に所定間隔で回転円盤を取り付け、前記回転刃を、該回転円盤の外周部に取り付け、前記回転円盤の間に、前記回転シャフトの軸方向に伸びる複数の支持軸を取り付けたので、以下の作用が発揮される。
【0041】
例えば、建築現場で残材として発生する幅の小さい石膏ボードを、この支持軸間で捉え、支持軸の回転力で押し曲げながら粗破砕をすることができ、どの様な状態の石膏ボードも、効率よく粗破砕することができる。また、石膏ボード以外にも、塩ビ管の様な細長いものも、上方から垂直方向に向けて投入してやり、この支持軸間で捉えて押し曲げながら粗破砕することができる。従って、こうした細長い廃棄物を水平方向に向けて投入する必要がなく、廃棄物の投入が非常に楽になるという利点がある。
【0042】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として高速で回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の第1の垂直刃と、該第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の第2の垂直刃と、前記第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃とを備えたもので、具体的には請求項2記載の構成を有する。
【0043】
この本発明の廃棄物破砕装置によれば、廃棄物は、上方から装置内に投入することができるので、投入が非常に楽である。特に、本体内では回転体が高速で回転することによって強い旋回流が生じているが、上方から投入することで、この旋回流の影響を受けずに、容易に投入が可能であり、処理速度が大幅に速くなる。そして、こうして投入された廃棄物は、回転体によってはね飛ばされ、回転体と共に回転している多数の第1の垂直刃や、この第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置されている多数の第2の垂直刃に高速で衝突し、その衝撃によって効率よく短時間で破砕することができる。また、こうして破砕された廃棄物は、第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃にも激しく衝突し、ここでも破砕が実行される。
【0044】
このとき、例えば、石膏ボードの場合、表面の紙板は、外周網刃に当たっても破れないものの、心材の石膏の部分は、外周網刃に激突することによって網の目を通過可能なサイズに破砕され網刃の外側にこぼれ落ちる。こうして、高純度の石膏成分を紙板から分離することができる。一方、紙板は、この網刃に当たって付着している石膏成分が剥がれ落ちる結果、石膏成分のほとんど残っていないものとなる。この結果、本発明の廃棄物破砕装置を用いることにより、高純度の石膏成分を、高い回収率で回収することが可能となる。
【0045】
また、本発明の廃棄物破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、迅速に大量処理を実行することが可能である。さらに、本発明の廃棄物破砕装置は、その構造が単純であり、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0046】
ここで、本発明の廃棄物破砕装置において、前記第1,第2の垂直刃を五角形以上の多角形又は曲面を有する棒、筒又は板で構成する様にするとよい。
【0047】
この様に鋭利な角を持たないもので垂直刃を構成することで、石膏ボードを処理する場合、表面の紙板は切り裂かずに、石膏部分だけを効率よく破砕することができるからである。そして、紙板は大きなサイズのままで残り、石膏成分は小さな破片となるので、この後、トロンメルの様な選別装置にかけてやれば、容易に、紙成分と石膏成分とを選別することができる。
【0048】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の廃棄物細破砕装置は、本体の上部に開口される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として高速で回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の第1の垂直刃と、該第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の第2の垂直刃と、前記回転体上に取り付けられ、前記第1の垂直刃よりも高さの低い筒状刃と、前記第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃とを備えたもので、具体的には請求項3に記載した構成を有する。
【0049】
この本発明の廃棄物細破砕装置によれば、廃棄物は、上方から装置内に投入することができるので、投入が非常に楽である。特に、本体内では回転体が高速で回転することによって強い旋回流が生じているが、上方から投入することで、この旋回流の影響を受けずに、容易に投入が可能であり、処理速度が大幅に速くなる。そして、こうして投入された廃棄物は、回転体によってはね飛ばされ、回転体と共に回転している多数の第1の垂直刃や、この第1の垂直刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置されている多数の第2の垂直刃に高速で衝突し、その衝撃によって効率よく短時間で細破砕を実行することができる。
【0050】
また、こうして細破砕された廃棄物は、第1,第2の垂直刃の周囲を取り囲む様に配置されるメッシュ状の外周網刃にも激しく衝突し、ここでも細破砕が実行される。このとき、外周網刃のメッシュのサイズを、回収したい廃棄物のサイズに応じて設定しておくとよい。また、本発明の廃棄物細破砕装置によれば、廃棄物は上方から連続的に投入することができ、迅速に大量処理を実行することが可能である。さらに、本発明の廃棄物細破砕装置は、その構造が単純であり、故障や損傷のおそれが小さく、メンテナンスも容易である。
【0051】
ここで、本発明の廃棄物細破砕装置においては、前記第1,第2の垂直刃を、90度以下の鋭利な角又は所定広さの平面を有する棒、筒又は板で構成する様にしておくとよい。この様に構成することで、廃棄物は鋭利な角に激突し、あるいは、平面に対して激突することで、強い衝撃を受けて容易に細破砕され得るからである。
【0052】
また、上記目的を達成するためになされた本発明のさらに他の方式の廃棄物細破砕装置は、本体に開口される投入口及び排出口と、前記本体内に設けられ、高速で回転する回転体と、該回転体の外周部に距離をあけて両端を取り付けられ、湾曲又は屈曲可能な縄跳び縄状の回転刃と、前記本体の内面に取り付けられる固定刃とを備えたものであって、具体的には請求項4に記載した構成を有する。
【0053】
この本発明のさらに他の方式の廃棄物細破砕装置によれば、投入口から装置内に投入された廃棄物は、回転体の回転に伴って外側へ伸びる様にして回転する縄跳び縄状の回転刃にたたかれると共に、外側へ向かってはね飛ばされ、固定刃に当たって、さらに破砕が進行する。ここで、固定刃の高さを前記投入口側から前記排出口側へと近付くにつれて、回転刃の先端との距離が徐々に小さくなる様にしておくとよい。この様に構成することで、装置内の破砕状況が、破砕から粉砕、粉砕から細粉砕へと徐々に変化していき、最終的に排出口から排出されるものは、所望とするサイズに調整された状態となる様に設計することができるからである。また、この廃棄物細破砕装置によれば、回転刃を上述の様に構成したので、廃棄物に当たるときに、しなってスナップの効いた状態となり、破砕は効率よく実行し、回転刃側の損傷は発生し難いという極めて有利な結果を生み出すことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0055】
一実施の形態としての廃石膏ボードリサイクルシステムの全体構成を図1に示す。図示の様に、この廃石膏ボードリサイクルシステム1は、粗破砕機10と、剥離機30と、一次選別スクリーン50と、細破砕機70と、二次選別スクリーン90とを備えると共に、さらに、剥離機30と一次選別スクリーン50との間に配置されるスクリューコンベア110と、細破砕機70と二次選別スクリーン90との間に配置されるスクリューコンベア120とを備えている。
【0056】
粗破砕機10は、原料投入口11と、粗破砕機ホッパー12と、粗破砕機固定刃受け台13と、粗破砕機固定刃14と、粗破砕機回転刃シャフト15と、粗破砕機回転円盤16と、粗破砕機回転刃17と、粗破砕機回転円盤支持軸18と、粗破砕物排出口19とを備えている。
【0057】
剥離機30は、粗破砕物投入口31と、剥離機固定刃受け台32と、剥離機固定垂直刃33aと、剥離機固定リング刃33bと、剥離機固定外周網刃34と、剥離機回転刃受け台35と、剥離機回転垂直刃36aと、剥離機回転リング刃36bと、剥離機回転補助刃37と、剥離機回転刃シャフト38と、剥離機本体ケース39と、剥離物排出口40とを備えている。
【0058】
一次選別スクリーン50は、剥離物投入口51と、分離機本体52と、細破砕物選別スクリーン53と、粗破砕物選別スクリーン54と、攪拌・掻き上げ突起刃55と、製品排出口56と、粗破砕物排出口57と、紙・異物排出口58とを備えている。
【0059】
細破砕機70は、粗破砕物投入口71と、細破砕機本体ケース72と、細破砕機固定刃受け台73と、細破砕機固定外周網刃74と、細破砕機固定垂直刃75aと、細破砕機固定リング刃75bと、細破砕機回転刃受け台76と、細破砕機回転垂直刃77aと、細破砕機回転リング刃77bと、細破砕機回転円筒刃78と、細破砕機回転補助刃79と、細破砕機回転刃シャフト80と、細破砕物排出口81とを備えている。
【0060】
二次選別スクリーン90は、細破砕物投入口91と、分離機本体92と、細破砕物選別スクリーン93と、攪拌・掻き上げ突起板94と、粗破砕物排出口95と、製品排出口96とを備えている。
【0061】
図2は、粗破砕機10の内部構造を示している。図示の様に、粗破砕機10内には、粗破砕機固定刃14は、粗破砕機固定刃受け台13に対して、長手方向に250mmピッチで等間隔に設けられている。また、粗破砕機回転刃17も、同様に、軸方向に250mmピッチで設けられている。そして、軸方向隣同士の粗破砕機回転刃17は、互いに45度回転した状態となる様に配置されている。なお、粗破砕機固定刃14及び粗破砕機回転刃17としては、鋼製の厚さ15mm程度以上の比較的板厚の大きい帯板を用いるとよい。また、粗破砕機回転円盤支持軸18として、鋼製の丸棒を用いている。なお、この回転円盤支持軸18としては、六角棒などを採用してもよい。
【0062】
図3,図4は、剥離機30の内部構造を示している。図示の様に、剥離機固定リング刃33bは、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各剥離機固定リング刃33bと剥離機固定刃受け台32との間に、多数の剥離機固定垂直刃33aが放射状に立設されている。また、剥離機回転リング刃36bも、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各剥離機回転リング刃36bと剥離機回転刃受け台35との間に、多数の剥離機回転垂直刃36aが放射状に立設されている。また、剥離機固定外周網刃34は、剥離機固定刃受け台32の外縁に上端を固定されて末広がりにハの字形に広がる様に設けられており、剥離物排出口40と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられている。さらに、剥離機回転補助刃37は、剥離機回転刃受け台35の中心部分において、同心円上に位置する様に複数本(本実施の形態では4本)が立設されている。
【0063】
ここで、剥離機固定外周網刃34は、50mm角の鋼製網によって構成されている。また、剥離機固定垂直刃33a、剥離機回転垂直刃36a及び剥離機回転補助刃37としては、鋼製の丸棒を使用している。なお、丸棒以外に、六角棒などを用いることもできる。さらに、剥離機固定リング刃33b及び剥離機回転リング刃36bとしては、鋼製のリングを使用している。
【0064】
図5は、一次選別スクリーン50の内部構造を示している。この一次選別スクリーン50は、いわゆるトロンメルと同様の構造のものである。細破砕物選別スクリーン53は、細かいメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。この細破砕物選別スクリーン53の網目は、粒径2mm以下(2mmアンダー)の細かい石膏粉末を通すことができる様になっている。また、粗破砕物選別スクリーン54は、細破砕物選別スクリーン53よりも粗めのメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。さらに、製品排出口56は、分離機本体52の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この製品排出口56からは、細破砕物選別スクリーン53の網目を通った2mmアンダーの細かい石膏粉末だけが排出される様になっている。また、粗破砕物排出口57は、細破砕物選別スクリーン53の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この粗破砕物排出口57からは、粗破砕物選別スクリーン54を通過したものの細破砕物選別スクリーン53の網目を通ることができなかった大きめの石膏の破片が排出される。そして、石膏ボードを構成している紙や異物は、この一次選別スクリーン50の後端に設けられた紙・異物排出口58から排出される様になっている。
【0065】
図6,図7は、細破砕機70の内部構造を示している。図示の様に、細破砕機固定リング刃75bは、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各細破砕機固定リング刃75bと細破砕機固定刃受け台73との間に、細破砕機固定垂直刃75aが放射状に立設されている。また、細破砕機回転リング刃77bも、大・中・小と直径の異なるもの3個が同心円状に配置されている。そして、各細破砕機回転リング刃77bと細破砕機回転刃受け台76との間に、細破砕機回転垂直刃77aが放射状に立設されている。また、細破砕機固定外周網刃74は、細破砕機固定刃受け台73の外縁に上端を固定されて垂直に下方に伸びる様に取り付けられており、細破砕物排出口81と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられている。さらに、細破砕機回転円筒刃78は、大・中・小と直径の異なるもの3個が、回転垂直刃77aの内側に位置する様に同心円状に配置されている。また、細破砕機回転補助刃79は、細破砕機回転刃受け台76の中心部分において、同心円上に位置する様に複数本が立設されている。
【0067】
ここで、細破砕機固定外周網刃74は、剥離機30の外周網刃34よりも細かいメッシュの鋼製網によって構成されている。また、細破砕機固定垂直刃75a、細破砕機回転垂直刃77a及び細破砕機補助刃79としては、鋼製の四角棒を使用している。なお、四角棒ではなく、六角棒や三角棒を使用することもできる。さらに、細破砕機固定リング刃75b及び細破砕機回転リング刃77bとしては、鋼製のリングを使用している。また、細破砕機回転円筒刃78としては、高さの低い鋼製の円筒を使用している。
【0068】
図8は、二次選別スクリーン90の内部構造を示している。この二次選別スクリーン90も、いわゆるトロンメルと同様の構造のものである。細破砕物選別スクリーン93は、細かいメッシュからなる網目を有する円筒により構成されている。この細破砕物選別スクリーン93の網目は、2mmアンダーの細かい石膏粉末を通すことができる様になっている。また、製品排出口96は、分離機本体92の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この製品排出口96からは、細破砕物選別スクリーン93の網目を通った2mmアンダーの細かい石膏粉末だけが排出される様になっている。また、粗破砕物排出口95は、細破砕物選別スクリーン93の出口側に複数個開口された状態で設けられている。この粗破砕物排出口95からは、細破砕物選別スクリーン93の網目を通ることができなかった石膏粉砕片が排出される様になっている。
【0069】
次に、本実施の形態の廃石膏ボードリサイクルシステム1の作用について説明する。
【0070】
この廃石膏ボードリサイクルシステム1では、まず最初に、粗破砕機10の原料投入口11から廃石膏ボードを投入する。投入された廃石膏ボードは、ホッパー12内に溜まり、順次、回転刃17によって固定刃14に押し付けられながら、曲げ荷重を受けて押し割られる様にして割られていく。ここで、この粗破砕機10では、回転刃シャフト15は、例えば、20〜300rpm程度(より好ましくは、20〜200rpm程度、さらに好ましくは、20〜30rpm程度)の低速で回転されている。
【0071】
従って、廃石膏ボードは、衝撃によるのではなく、力で押し曲げられる様にして割られることになる。また、回転刃17及び固定刃14は、いずれもある程度の板厚を有する鋼製帯板で製造されているので、廃石膏ボードを割る作業を長時間実行しても先端が鈍化することがない。このとき、廃石膏ボードの表面及び裏面に貼り付けられている紙板は、引っ張りが作用する側で破れながら、全体として剥がれ気味になる。
【0072】
また、投入された廃石膏ボードの内、比較的幅の狭い廃石膏ボードは、回転円盤支持軸18の間に入り込み、隣合う回転円盤支持軸18同士の間に挟まれて、やはり、力で曲げられながら割られていく。こうして、廃石膏ボードは、粗破砕機10内において、衝撃によるのではなく、力で曲げられる様にして割られることにより、その表面と裏面に貼り付けられている紙板が心材の石膏板から剥がれ気味になりながら、大きな廃石膏ボードが100〜150mm角以下(150mmアンダー)の所定の大きさの破片となる様に粗く破砕されていくことになる。こうして所定の大きさの破片に破砕された廃石膏ボード(以下、「粗破砕物」という。)は、粗破砕物排出口19から排出される。
【0073】
この粗破砕物は、続いて、粗破砕物投入口31から剥離機30内へと投入される。この剥離機30は、先ほどの粗破砕機10とは異なり、高速で駆動されている。例えば、直径40cm程度の小型の機械であれば、2500〜3500rpm程度が適している。直径の大きな大量処理用の機械を用いる場合には、これよりも回転速度を下げることができ、例えば、800〜1500rpm程度とすることができる。いずれの場合も、周速度が重要であり、一定以上の周速度が得られる様に、機械の大きさに応じて回転数を設定すればよい。
【0074】
この剥離機30内に投入された粗破砕物は、高速回転する回転刃受け台35に当たると、中心から外側へと高速ではね飛ばされる。ここで、剥離機30は、回転刃受け台35を水平に配置しているので、粗破砕物は、360度いずれの方向へもはね飛ばされる。そして、はね飛ばされた粗破砕物は、剥離機30内に多数立設されている回転垂直刃36a、固定垂直刃33a及び回転補助刃37や、回転リング刃36b及び固定リング刃33bに対して高速で激突し、今度は衝撃によって砕かれることになる。
【0075】
このとき、回転垂直刃36a、固定垂直刃33a及び回転補助刃37として丸棒を用いることにより、粗破砕物の表面及び裏面に貼り付いている紙板を切ることなく、心材の石膏板だけを砕く様にして破砕が進む。この結果、紙板と石膏とが分離されながら、紙板は比較的大きな破片のままで残る一方、石膏は比較的細かな破片となって破砕が進む。
【0076】
こうして、紙板と石膏がきれいに分離されることになる。なお、最外周まではね飛ばされた粗破砕物は、固定外周網刃34に高速で衝突し、ここでも破砕される。そして、この外周網刃34の網の目を通過した破砕物が、剥離物排出口40から順次排出されていく。逆に、外周網刃34の網の目を通過できなかった破砕物は、機械の中心方向へとはね飛ばされ、再び、固定垂直刃33aや回転垂直刃36a等に衝突し、そのときの衝撃によってさらに破砕される。このときも、固定垂直刃33aや回転垂直刃36aが丸棒なので、紙板は切り刻まれることがなく、石膏だけが細かく破砕される。
【0077】
こうして剥離機30から排出された破砕物は、スクリューコンベア110により、一次選別スクリーン50へと投入される。一次選別スクリーン50では、破砕物がその大きさにより、3種類に選別される。2mmアンダーの石膏粉末は、粗破砕物選別スクリーン54及び細破砕物選別スクリーン53を通過して、製品排出口56から排出される。また、粒径が2mmよりも大きい2mmオーバーの石膏片は、粗破砕物選別スクリーン54を通過するものの細破砕物選別スクリーン53を通過することができず、粗破砕物排出口57から排出される。そして、大きな破片のままで残っている紙板は、異物(釘等の金属や木屑等)と共に、紙・異物排出口58から排出される。
【0078】
上述の様に、剥離機30では、紙板を切り刻むことなく、効率よく石膏だけを破砕し、紙板と石膏とを分離するので、製品排出口56から排出された2mmアンダーの石膏粉末は、そのままリサイクル原料として製品化することができる。また、紙・異物排出口58から排出された紙片は、回転刃受け台35の高速回転によってはね飛ばされる結果、固定垂直刃33a、回転垂直刃36a、補助刃37、固定リング刃33b、回転リング刃36b等に高速で衝突することにより、付着している石膏成分をきれいに剥離させ、石膏成分がほとんど付着していない状態になっている。従って、紙・異物排出口58から排出された紙片を回収することにより、これもまたサーマル燃料といった用途のためのリサイクル原料となる。そして、粗破砕物排出口57から排出された2mmオーバーの石膏片は、次工程へと回される。
【0079】
こうして一次選別スクリーン50で選別・回収された2mmオーバーの石膏片は、粗破砕物投入口71から細破砕機70内へと投入される。この細破砕機70も、剥離機30と同様に、高速で駆動されている。ここでも、重要なのは周速度であり、直径の小さい小型の機械ほど回転数を高く設定する。例えば、直径40cm程度の小型の機械であれば、2500〜3500rpm程度が適している。直径の大きな大量処理用の機械を用いる場合には、これよりも回転速度を下げることができ、例えば、800〜1500rpm程度とすることができる。
【0080】
この細破砕機70内に投入された2mmオーバーの石膏片は、高速回転する回転刃受け台76に当たると、中心から外側へと高速ではね飛ばされる。そして、はね飛ばされた石膏片は、細破砕機70内に無数に立設されている回転垂直刃77a、固定垂直刃75a及び回転補助刃79や、回転リング刃77b及び固定リング刃75bや、さらに、回転円筒刃78に対して高速で激突し、衝撃によって細かく砕かれることになる。
【0081】
この細破砕機70では、回転垂直刃77a、固定垂直刃75a及び回転補助刃79として比較的鋭利な角を有すると共に、平面部分も有する四角棒を用いることにより、石膏片を短時間で効率よく粉砕することができる。また、回転円筒刃78を備えることにより、剥離機30のときよりも、より多くの衝突の機会が生まれる。加えて、この回転円筒刃78があることで、大きめの石膏片は、この回転円筒刃78を乗り越えることが困難となり、細かく粉砕されて粉末状になった石膏片だけが、徐々に外周部分へと移動しつつ粉砕が進んでいく。
【0082】
またここでも、最外周まではね飛ばされた石膏片は、固定外周網刃74に高速で衝突し、さらに細かく粉砕される。そして、この外周網刃74の網の目を通過した粉末状の石膏片が、細破砕物排出口81から順次排出されていく。逆に、外周網刃74の網の目を通過できなかった石膏片は、機械の中心方向へとはね飛ばされ、再び、固定垂直刃75aや回転垂直刃77a等に衝突し、そのときの衝撃によって細かく粉砕される。このときも、固定垂直刃75aや回転垂直刃77aが四角棒なので、2mmオーバーの石膏片は短時間で効率よく粉砕される。
【0083】
こうして細破砕機70から排出された石膏粉末は、スクリューコンベア120により、二次選別スクリーン90へと投入される。二次選別スクリーン90では、2mmアンダーの石膏粉末は、細破砕物選別スクリーン93を通過して、製品排出口96から排出される。また、2mmオーバーの石膏片は、細破砕物選別スクリーン93を通過することができず、粗破砕物排出口95から排出される。
【0084】
こうして製品排出口96から排出された2mmアンダーの石膏粉末は、そのままリサイクル原料として製品化することができる。また、粗破砕物排出口95から排出された2mmオーバーの石膏粉末は、これを回収し、再び細破砕機70へと投入して再度粉砕を実行することにより、最終的には、本システムに投入された廃石膏ボードを構成するほぼ全ての石膏成分が2mmアンダーの石膏粉末となり、リサイクル原料として製品化することができる。
【0085】
なお、本発明者らが試作機として小型の装置(粗破砕機10としては250mmピッチで3枚の回転円盤16を備えたもの、剥離機30及び細破砕機70としては本体の直径が40cmのもの)を製造して試験したところによると、投入した廃石膏ボードは、細破砕機70での処理を1回実施するだけで、石膏成分のほぼ8割〜9割以上が2mmアンダーの石膏粉末となり、細破砕機70で2回以上処理する必要はほとんどなかった。
【0086】
また、本システムによれば、上述の様に、廃石膏ボードを構成する紙板と石膏成分とを効率よく分離することができ、しかも剥離機30では、紙片を細かく切り刻むことがないので、回収された2mmアンダーの石膏粉末は高純度となり、リサイクル原料としての価値が極めて高いものである。
【0087】
実際に、上述の試作機で試験した結果もこれを立証しており、回収された2mmアンダーの石膏粉末を石膏ボードメーカーに持ち込んで検査してもらったところ、紙成分をほとんど含まず、水分以外は、ほとんどが石膏成分からなる極めて高純度のリサイクル原料であることが確認できている。逆に、剥離機30で処理した状態では、紙板は、数cm平方〜十数cm平方と石膏に比べて明らかに大きなサイズのままで残り、一次選別スクリーン50による石膏成分と紙成分の選別を、極めて容易に実行することができた。また、剥離機30では、外周網刃34をハの字形に末広がりとなる構成としたので、紙成分が網刃にはりついてしまうことがなく、処理がスムーズに進行するという効果も発揮される。
【0088】
この様に、本実施の形態の廃石膏ボードリサイクルシステム1によれば、廃石膏ボードから、リサイクル原料となる高純度の石膏粉末を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。また、石膏成分の回収率は、ほぼ100%に近く、異物と共に回収される紙片は、石膏成分がほぼゼロのものとなっている。従って、回収された紙片も、サーマル燃料等の用途に適するリサイクル原料となっている。
【0089】
また、本実施の形態のシステム1によれば、廃石膏ボードから2mmアンダーの石膏粉末を回収するための処理時間が短く、大量の廃石膏ボードの処理にも適用可能である。
【0090】
なお、このシステム1は、廃石膏ボードの処理に最適であるが、これをそのまま、他の種類の廃棄物の処理に適用することもできる。
【0091】
例えば、廃石膏ボード以外の廃棄物として、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール等の各種の廃棄物を本システム1を用いて処理することで、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの破砕物に加工することができる。
【0092】
実際に、これらの廃棄物を本システム1の試作機を用いて処理したところ、いずれも所望とする大きさで高純度のリサイクル原料に加工することができた。なお、この場合、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP等の様に、複数種類の廃棄物からなり、それ自体がある程度の硬さを有するものは、廃石膏ボードと同様に、粗破砕機10、剥離機30、一次選別スクリーン50、細破砕機70、二次選別スクリーン90と順番に処理する。これに対して、廃農業ビニールや廃漁網の様な柔らかいものについては、粗破砕機10によるのではなく、あらかじめ所定の大きさに切断しておき、これを剥離機30以下の装置にかけて処理する様にするとよい。なお、単独の素材からなる廃棄物については、何らかの方法で所定の大きさにしておいて、細破砕機70に投入することで、所望の大きさのリサイクル原料に加工することが可能である。
【0093】
さらに、本実施の形態のシステム1によれば、構造が簡単で、駆動部分の故障や固定刃及び回転刃の損傷が発生し難く、メンテナンスも容易である。
【0094】
次に、参考例として、上述のシステム1の細破砕機70に代えて使用することのできる細破砕装置について説明する。この参考例の破砕装置200は、図9に示す様に、本体ケース201と、この本体ケース201に対して水平方向から廃棄物を投入する投入口202と、駆動シャフト203と、この駆動シャフト203に固定されている回転円盤204と、この回転円盤204の外周に一端を固定された動力伝達用のチェーンを用いた自在式アーム205と、この自在式アーム205の先端に取り付けられる切断・破砕刃206と、駆動部分を取り囲む様に本体ケース201内に設けられている半割り構造の円筒壁207と、この円筒壁207の内周面に固定された外周固定刃208と、円筒壁207の上部に設けられる排出口209とを備えている。
【0095】
また、この破砕装置200は、図10に示す様に、駆動シャフト203に対して、所定ピッチで複数の回転円盤204が固定されている。そして、隣合う回転円盤204同士において、自在式アーム205の取り付け位置が45度ずつずれた状態となっている。さらに、外周固定刃208は、図9から分かる様に、投入口202の近くでは高さが低くかつ厚さが大きいものとされており、排出口209に近付くに連れて、次第に高さが高くなりかつ厚さが小さくなる様に構成されている。この外周固定刃208の高さと厚さの関係は、図11に示す様に設計されている。
【0096】
即ち、図11に示す様に、投入口202の直下の位置Aを起点とし、そこから円筒壁207の最高位置Dまでの区間に対して、高さがHからHH(>H)まで徐々に高くなり、板厚がWからWW(<W)まで徐々に小さくなる様な鋼板を、外周固定刃208として採用している。そして、A−D間を円筒壁207の最も下の位置Bと高さ方向中心の位置Cとで区切った場合に、A−B間では作用として廃棄物を比較的大きな破片にする破砕が実行され、B−C間では破砕された廃棄物に対する粉砕が実行され、C−D間では粉砕されて小さくなった破片をさらに細かく粉砕する細粉砕が実行される様に各区間にそれぞれ異なる役割を持たせている。
【0097】
次に、この参考例の破砕装置200の作用について説明する。
【0098】
まず最初に、廃石膏ボードを、第1の実施の形態で説明した粗破砕機10に投入して所定の大きさに粗破砕する。そして、これをさらに剥離機30にかけて紙板と石膏片とに分離し、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を回収しておく。
【0099】
こうして加工原料の調整が済んだら、破砕装置200を駆動する。すると、駆動シャフト203の回転に伴って、自在式アーム205が遠心力で真っ直ぐに伸びた状態となって回転する。なお、このときの回転数は、300〜5000rpmと、低速域から高速域の所定の回転数になっている。こうして破砕装置200を駆動した後、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を投入口202から本体内に投入する。
【0100】
すると、石膏片は、自在式アーム205及びその先端に取り付けられている切断・破砕刃206によってたたかれて、円筒壁207に向かって高速ではね飛ばされる。石膏片をたたくとき、自在式アーム205は、従来のハンマークラッシャーの頑強なアームと異なり、それ自体がしなり、スナップをきかせた状態となる。そして、まず、図11で説明したA−B区間において、外周固定刃208に高速で衝突し、破砕が行われる。こうして破砕された石膏片は、本体中心に向かって跳ね返り、再び、自在式アーム205及び切断・破砕刃206でたたかれて外に向かってはね飛ばされる。そして、次第に小さな破片になりながら、A−B区間を通過してB−C区間に移動していく。
【0101】
このB−C区間では、外周固定刃208と切断・破砕刃206との間隔がA−B区間に比べて小さくなる結果、破砕から粉砕へと処理状態が変化する。そして、このB−C区間を通過する内に、徐々に粒径を小さくしていき、C−D区間でより一層小さな粒径へと細粉砕される。こうして細粉砕されて得られた石膏粉末は、自在アーム205の回転によって発生する旋回流に乗って、上部の排出口209から排出される。
【0102】
こうして排出口209から排出された石膏粉末は、続いて二次選別スクリーン90に投入され、2mmアンダーの高純度の石膏粉末からなるリサイクル原料として回収される。
【0103】
この様にして、この破砕装置200によっても、第1の実施の形態の細破砕機70と同様に、リサイクル原料となり得る粒径の高純度石膏粉末を、効率よく回収することができる。
【0104】
また、この破砕装置200においては、回転速度と廃棄物の送り込み速度とを調整することで、好みの粒径のリサイクル原料を得るのが容易である。例えば、スレートやサイディングボードの廃材を処理する様な場合、リサイクル原料としては、あまりにも細かい粉末では都合が悪い。そこで、この様な廃棄物を処理するときには、回転速度を小さくすると共に廃棄物の送り込み速度を大きくしてやることで、ある程度の大きさの粉砕物を得ることができる。逆に、回転速度を大きくして廃棄物の送り込み速度を小さくしてやると破砕の効率がアップし、粒径の小さな粉末状のリサイクル原料を得ることができる。
【0105】
さらに、この破砕装置200の構造的な特徴としては、前述の様に、投入口202付近では外周固定刃208の高さを小さくすることで、廃棄物の投入がし易く、大量の廃棄物を送り込むことができる様になっている。そして、外周固定刃208の高さを、上部の排出口209に近付くに連れて徐々に大きくすることで、粒径を小さくした粉砕物を得ることができる様になっている。
【0106】
加えて、この破砕装置200に対して、廃石膏ボード以外の廃棄物として、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を投入してやれば、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの破砕物(粉砕物)に効率よく加工することができる。
【0107】
実際に、この効果を確かめるために、直径20cmの円筒壁207を有する試作機を作成し、廃石膏ボードを始めとする各種の廃棄物を投入して実験を行ったところ、いずれの廃棄物も、所望とする大きさの破砕物(粉砕物)に加工することができた。なお、この場合、投入する廃棄物の種類に応じて、装置の回転速度と廃棄物の投入速度とを調整することで、最終的に得られる破砕物(粉砕物)の大きさを調整した。
【0108】
また、この破砕装置200は、上述の様に、自在式アーム205を採用したことにより、廃棄物をたたくときにアームがしなってスナップを効かせることができ、破砕・粉砕が効果的に実行されると共に、アーム側に損傷が発生し難いという効果があることも確認できた。
【0109】
さらに、この破砕装置200では、円筒壁207を半割り構造としたことにより、外周固定刃208の取り替えや、自在アーム205の取り替えを容易に実行することができるという効果もあり、アーム自体の損傷する確率の低下と共に、メンテナンスの容易化が達成される。
【0110】
なお、この破砕装置200においては、図10に示した様に、切断・破砕刃206としては、先端の形状を変えた角刃、尖刃、丸刃、凹凸刃等の種々の形状のものを用いることができる。これらの例の中では、角刃及び凹凸刃が、最も効率よく廃棄物の破砕・粉砕を実行することができる。逆に、あまり切り刻みたくないものについては、丸刃が好適である。さらに、丸刃の場合には、破砕・粉砕の効率は若干低下するものの刃の損傷が少ないという利点がある。
【0111】
また、第1の実施の形態の細破砕機70と比較した場合、この破砕装置200の方が、回収する廃棄物の粒径の調整が容易であるという利点がある。なお、細破砕機70においても、回転速度を調整し、廃棄物の投入量を調整することで、粒径の調整は可能である。
【0112】
一方、この破砕装置200では、投入口202に対して、自在式アーム205の回転により発生する強い風が吹き出すことから、第1の実施の形態の水平回転型の細破砕機70に比べて廃棄物が若干投入し難いという短所がある。即ち、細破砕機70では、回転刃受け台76の中心付近に向かって上方から廃棄物を投入する構造となっている結果、ちょうど台風の目に対して廃棄物を投入する様な状態となり、装置内で発生する風の影響を受けずに、廃棄物を大量に投入することが容易であるという利点がある。
【0113】
なお、この参考例の破砕装置200の特徴として、自在式アーム205の長さを調整することで、駆動時に発生する風の強さを調整することができる。例えば、廃農業ビニールなどの軽い廃棄物を処理する場合には、チェーンの長さを短くすることで風力を低下させ、廃棄物の投入を容易にすることができる。
【0114】
次に、第2の実施の形態として、参考例と同様に、上述したリサイクルシステム1の細破砕機70に代えて使用することのできる細破砕装置について説明する。この第2の実施の形態の破砕装置300は、図12に示す様に、水平に配置される円筒状の本体ケース301と、この本体ケース301に対して一方の端の上部から廃棄物を投入する投入口302と、駆動シャフト303と、この駆動シャフト303に固定されている回転円盤304と、この回転円盤304の外周に両端を固定されて縄跳びの縄状になっているチェーン刃305と、本体ケース301の内周面に固定された外周固定刃306と、投入口302と反対側の端部において本体ケース301の下側に設けられる排出口307とを備えている。
【0115】
この破砕装置300は、図13に示す様に、駆動シャフト303に対して、所定ピッチで多数の回転円盤304が固定されている。そして、隣合う回転円盤304同士において、チェーン刃305の取り付け位置が90度ずつずれた状態となっている。さらに、外周固定刃306は、図12,図14から分かる様に、投入口302の近くでは高さが低いものとされており、排出口307に近付くに連れて、次第に高さが高くなる様に構成されている。
【0116】
次に、この第2の実施の形態の破砕装置300の作用について説明する。
【0117】
まず最初に、廃石膏ボードを、第1の実施の形態で説明した粗破砕機10に投入して所定の大きさに粗破砕する。そして、これをさらに剥離機30にかけて紙板と石膏片とに分離し、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を回収しておく。
【0118】
こうして加工原料の調整が済んだら、破砕装置300を駆動する。すると、駆動シャフト303の回転に伴って、チェーン刃305が遠心力で真っ直ぐに伸びた状態となって回転する。なお、このときの回転数は、300〜5000rpmと、低速域から高速域の所定の回転数になっている。こうして破砕装置300を駆動した後、一次選別スクリーン50で分別した2mmオーバーの石膏片を投入口302から本体内に投入する。
【0119】
すると、石膏片は、チェーン刃305によってたたかれて、本体ケース301の内壁面に向かって高速ではね飛ばされる。石膏片をたたくとき、チェーン刃305は、従来のハンマークラッシャーの頑強なアームと異なり、それ自体がしなり、スナップをきかせた状態となる。そして、参考例と同様に、投入口302の付近で、破砕され、本体ケース301内を排出口307に向かって移動していく間に、徐々に、破砕から粉砕、粉砕から細粉砕と処理状態が変化していき、排出口307から排出される。
【0120】
こうして排出口307から排出された石膏粉末は、続いて二次選別スクリーン90に投入され、2mmアンダーの高純度の石膏粉末からなるリサイクル原料として回収される。
【0121】
この様にして、この破砕装置300によっても、第1の実施の形態の細破砕機70と同様に、リサイクル原料となり得る粒径の高純度石膏粉末を、効率よく回収することができる。
【0122】
なお、この破砕装置300においては、図12に示した様に、チェーン刃305としては、丸棒や角棒を採用することができる。また、図14に示した様に、外周固定刃306としては、帯板、丸棒、角棒等を採用することができる。
【0123】
加えて、この破砕装置300においても、廃ガラス瓶、廃塩ビ管、廃FRP、廃木、廃竹、ベニヤ、草、廃農業ビニール、廃漁網、廃繊維類、紙屑、段ボール、瓦、スレート、サイディングボード等の各種の廃棄物を投入してやれば、これらもリサイクル原料として有効利用可能な大きさの粉砕物に効率よく加工することができる。
【0124】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明はこれに限られるものではない。
【0125】
例えば、剥離機30や細破砕機70の垂直刃33a,36a,75a,77aは棒ではなくパイプや板で構成することもできる。また、破砕装置200の自在式アーム205や破砕装置300のチェーン刃305を、鋼製ワイヤなどで代用することもできる。さらに、破砕装置200では、円筒壁207の中心と回転シャフト203の中心をずらすことで、固定刃208の高さは一定にしておいて、図11に点線で示した様な関係のアーム先端と固定刃との距離を設ける様にしてもよい。加えて、本発明の廃棄物処理方法を実行するについては、上述した実施の形態の装置構成にこだわる必要はなく、請求項に記載した様な工程を採り得るものであれば、どの様な機器を用いて廃棄物の処理を実行する様にしても構わない。
【0126】
また、破砕装置300において、投入口を本体の上部にそのほぼ全体に渡って開口する様な大きなものとしておき、排出口を本体の下部にそのほぼ全体に渡って開口する様な大きなものとしておき、駆動シャフト303の回転数を低速にして、スレートやサイディングボード等の粗破砕を行うための装置として使用してもよい。この様に構成することで、大量の廃棄物を迅速に粗破砕することができるという効果が発揮される。また、破砕装置300において、実施の形態で説明した外周固定刃306に変えて、本体ケース301の軸方向に伸びる固定刃を設けてもよいし、この様な軸方向に伸びる固定刃を外周固定刃306と共に設ける様にしてもよい。
【0127】
同じく、破砕装置200についても、回転速度を低くすることで、スレートやサイディングボード等の粗破砕を行うための装置として使用することができる。また、破砕装置200において、排出口209を下方に設けておき、比較的大きな破片の状態の破砕物を効率よく取り出せる様にしても構わない。この破砕装置200では、排出口209の位置により、取り出したい破砕物のサイズを自由に設定できるという効果があるのである。なお、破砕装置200の外周固定刃208は、全て、高さも板厚も同じものとしても構わない。損傷し難い破砕装置としての効果は変わらず、また、大量処理に適している点も変わりないからである。
【0128】
この様に、破砕装置200及び破砕装置300は、細破砕以外に、粗破砕や、中程度の破砕など、各種用途に適用が可能である。
【0129】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明によれば、廃棄物から、リサイクル原料成分を、高い回収率で、しかもリサイクルに適した大きさで回収することができる。また、廃棄物からリサイクル原料を回収するための処理時間を短くし、大量の廃棄物の処理にも適用可能にすることができる。さらに、故障や破損が発生し難く、メンテナンスの容易な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態としての廃棄物処理システムの構成図である。
【図2】第1の実施の形態における粗破砕機の内部構造を示し、(A)は平面図、(B)及び(C)は斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における剥離機の内部構造を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における剥離機の内部構造を示す斜視図である。
【図5】第1の実施の形態における一次選別スクリーンの内部構造を示し、(A)は縦断面図、(B)は斜視図である。
【図6】第1の実施の形態における細破砕機の内部構造を示す説明図である。
【図7】第1の実施の形態における細破砕機の内部構造を示す斜視図である。
【図8】第1の実施の形態における二次選別スクリーンの内部構造を示し、(A)は縦断面図、(B)は斜視図である。
【図9】参考例としての細破砕装置を示し、(A)は正面から見た断面図、(B)及び(C)は側面から見た断面図である。
【図10】参考例における細破砕装置の内部構造を示し、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は切断・破砕刃の刃の形状を示す斜視図である。
【図11】参考例における細破砕装置の固定刃の高さ及び板厚の関係を示す説明図である。
【図12】第2の実施の形態としての細破砕装置を示す断面図及びそこに採用されるチェーン刃の形状を示す平面図及び斜視図である。
【図13】第2の実施の形態における細破砕装置の内部構造を示す斜視図である。
【図14】第2の実施の形態における細破砕装置の内部構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・廃石膏ボードリサイクルシステム、10・・・粗破砕機、11・・・原料投入口、12・・・粗破砕機ホッパー、13・・・粗破砕機固定刃受け台、14・・・粗破砕機固定刃、15・・・粗破砕機回転刃シャフト、16・・・粗破砕機回転円盤、17・・・粗破砕機回転刃、18・・・粗破砕機回転円盤支持軸、19・・・粗破砕物排出口、30・・・剥離機、31・・・粗破砕物投入口、32・・・剥離機固定刃受け台、33a・・・剥離機固定垂直刃、33b・・・剥離機固定リング刃、34・・・剥離機固定外周網刃、35・・・剥離機回転刃受け台、36a・・・剥離機回転垂直刃、36b・・・剥離機回転リング刃、37・・・剥離機回転補助刃、38・・・剥離機回転刃シャフト、39・・・剥離機本体ケース、40・・・剥離物排出口、50・・・一次選別スクリーン、51・・・剥離物投入口、52・・・分離機本体、53・・・細破砕物選別スクリーン、54・・・粗破砕物選別スクリーン、55・・・攪拌・掻き上げ突起刃、56・・・製品排出口、57・・・粗破砕物排出口、58・・・紙・異物排出口、70・・・細破砕機、71・・・粗破砕物投入口、72・・・細破砕機本体ケース、73・・・細破砕機固定刃受け台、74・・・細破砕機固定外周網刃、75a・・・細破砕機固定垂直刃、75b・・・細破砕機固定リング刃、76・・・細破砕機回転刃受け台、77a・・・細破砕機回転垂直刃、77b・・・細破砕機回転リング刃、78・・・細破砕機回転円筒刃、79・・・細破砕機回転補助刃、80・・・細破砕機回転刃シャフト、81・・・細破砕物排出口、
90・・・二次選別スクリーン、91・・・細破砕物投入口、92・・・分離機本体、93・・・細破砕物選別スクリーン、94・・・攪拌・掻き上げ突起板、95・・・粗破砕物排出口、96・・・製品排出口、110・・・スクリューコンベア、120・・・スクリューコンベア、200・・・破砕装置、201・・・本体ケース、202・・・投入口、203・・・駆動シャフト、204・・・回転円盤、205・・・自在式アーム、206・・・切断・破砕刃、207・・・円筒壁、208・・・外周固定刃、209・・・排出口、300・・・破砕装置、301・・・本体ケース、302・・・投入口、303・・・駆動シャフト、304・・・回転円盤、305・・・チェーン刃、306・・・外周固定刃、307・・・排出口。
Claims (5)
- (1−1) 原料投入口11と、
(1−2) ホッパー12と、
(1−3) 固定刃受け台13と、
(1−4) 固定刃受け台13に取り付けられた固定刃14と、
(1−5) 回転刃シャフト15と、
(1−6) 前記回転刃シャフト15に所定間隔で取り付けられた回転円盤16と、
(1−7) 前記回転円盤16に取り付けられた回転刃17と、
(1−8) 前記回転円盤16を支持する様に前記回転刃シャフト15と平行に設けられた回転円盤支持軸18と、
(1−9) 排出口19とを備え、
(1−10) 前記固定刃14は、前記固定刃受け台13に対して、長手方向に等間隔に設けられ、
(1−11) 前記回転円盤16は、前記固定刃14の間に位置する様に配置され、
(1−12) 前記回転刃17は、軸方向隣同士の回転刃17,17が、互いに45度回転した状態となる様に配置され、
(1−13) 前記回転円盤支持軸18は、前記回転円盤16の間に、前記回転シャフト15の軸方向に伸びる様に複数取り付けられ、
(1−14) 幅の大きいものは前記回転刃17と前記固定刃14とで捉えて押し曲げながら粗破砕し、幅の小さいものや細長いものは前記回転円盤支持軸18間で捉えて押し曲げながら粗破砕することができる様に、前記原料投入口11から前記回転円盤支持軸18間にも原料を投入可能な様に構成されていること
を特徴とする粗破砕装置。 - (2−1) 粗破砕物投入口31と、
(2−2) 固定刃受け台32と、
(2−3) 前記固定刃受け台32に取り付けられた固定垂直刃33aと、
(2−4) 前記固定垂直刃33aの下端同士を連絡する様に取り付けられた固定リング刃33bと、
(2−5) 前記固定刃受け台32に取り付けられた固定外周網刃34と、
(2−6) 前記固定刃受け台32の下方に配置された回転刃受け台35と、
(2−7) 前記回転刃受け台35に取り付けられた回転垂直刃36aと、
(2−8) 前記回転垂直刃36aの上端同士を連絡する様に取り付けられた回転リング刃36bと、
(2−9) 前記回転刃受け台35を回転させる回転刃シャフト38と、
(2−10) 本体ケース39と、
(2−11) 排出口40とを備え、
(2−12) 前記固定リング刃33bは、直径の異なるものが同心円状に配置され、
(2−13) 前記各固定リング刃33bと前記固定刃受け台32との間に、多数の前記固定垂直刃33aが放射状に立設され、
(2−14) 前記回転リング刃36bも、直径の異なるものが同心円状に配置され、
(2−15) 前記各回転リング刃36bと前記回転刃受け台35との間に、多数の前記回転垂直刃36aが放射状に立設され、
(2−16) 前記固定外周網刃34は、前記固定刃受け台32の外縁に上端を固定されて末広がりにハの字形に広がる様に、前記排出口40と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられていること
を特徴とする破砕・分離装置。 - (3−1) 投入口71と、
(3−2) 本体ケース72と、
(3−3) 固定刃受け台73と、
(3−4) 前記固定刃受け台73に取り付けられた固定外周網刃74と、
(3−5) 前記固定刃受け台73に取り付けられた固定垂直刃75aと、
(3−6) 前記固定垂直刃75aの下端同士を連絡する様に取り付けられた固定リング刃75bと、
(3−7) 前記固定刃受け台73の下方に配置された回転刃受け台76と、
(3−8) 前記回転刃受け台76に回転垂直刃77aと、
(3−9) 前記回転刃垂直刃77aの上端同士を連結する様に取り付けられた回転リング刃77bと、
(3−10) 前記回転刃受け台76に取り付けられた回転円筒刃78と、
(3−11) 前記回転刃受け台76を回転させる回転刃シャフト80と、
(3−12) 排出口81とを備え、
(3−13) 前記固定リング刃75aは、直径の異なるものが同心円状に配置され、
(3−14) 前記各固定リング刃75bと前記固定刃受け台73との間に、前記固定垂直刃75aが放射状に立設され、
(3−15) 前記回転リング刃77bも、直径の異なるものが同心円状に配置され、
(3−16) 前記各回転リング刃77bと前記回転刃受け台76との間に、前記回転垂直刃77aが放射状に立設され、
(3−17) 前記固定外周網刃74は、前記固定刃受け台72の外縁に上端を固定されて垂直に下方に伸びる様に、前記排出口81と重なる部分を除いて、固定刃全体を被う様に取り付けられ、
(3−18) 前記回転円筒刃78は、前記回転垂直刃77aよりも高さが低く、直径の異なるものが、前記回転垂直刃77aの内側に位置する様に同心円状に配置されていること
を特徴とする細破砕装置。 - (4−1) 水平に配置される円筒状の本体ケース301と、
(4−2) 前記本体ケース301に対して一方の端の上部から廃棄物を投入する投入口302と、
(4−3) 駆動シャフト303と、
(4−4) 前記駆動シャフト303に固定されている回転円盤304と、
(4−5) 前記回転円盤304の外周に距離をあけて両端を固定されることにより縄跳び縄状になっているチェーン刃305と、
(4−6) 前記本体ケース301の内周面に固定された外周固定刃306と、
(4−7) 前記投入口302と反対側の端部において前記本体ケース301の下側に設けられる排出口307とを備え、
(4−8) 前記回転円盤304は、前記駆動シャフト303に対して、所定ピッチで多数固定され、
(4−9) 隣合う前記回転円盤304同士において、前記チェーン刃305の取り付け位置が90度ずつずれた状態となっており、
(4−10) 前記外周固定刃306は、前記投入口302の近くでは高さが低いものとされ、前記排出口307に近付くに連れて、次第に高さが高くなる様に構成されていること
を特徴とする細破砕装置。 - 上部に配置される投入口と、該投入口の下方で低速で回転する回転刃と、該回転刃に対 して水平方向にずれた位置に取り付けられる固定刃とを備え、前記投入口から投入された廃棄物を前記回転刃と固定刃とで挟み付け、ある程度の大きさを有する破片に粗破砕する粗破砕装置と、
上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記粗破砕装置で粗破砕して得られた廃棄物の粗破砕物を、前記回転体の上方から投入し、該回転体ではね飛ばして前記回転刃及び固定刃に高速で衝突させることにより、前記粗破砕物を、主たる成分と、他の成分とに分離しつつ、さらに小さな破片となる様に破砕する破砕・分離装置と、
該破砕・分離装置によって破砕・分離された廃棄物の破砕物を、前記分離された主たる成分と、他の成分とに選別する一次選別装置と、
上部に配置される投入口と、該投入口の下方に設けられると共に垂直軸を回転中心として回転する回転体と、該回転体上に立設される多数の回転刃と、該回転刃の回転経路とずらして上方から下方に伸びる様に配置される多数の固定刃とを備え、前記一次選別装置で選別された前記主たる成分の破砕物を、前記回転体の回転力によってはね飛ばし、前記回転刃及び前記固定刃に高速で衝突させることにより、さらに小さいサイズに細破砕する細破砕装置と、
該細破砕装置で細破砕された廃棄物を、寸法に応じて選別する二次選別装置と
を備えている廃棄物処理システムであって、
前記粗破砕装置として請求項1記載の粗破砕装置を備え、前記破砕・分離装置として請求項2記載の破砕・分離装置を備え、前記細破砕装置として請求項3又は4のいずれか記載の細破砕装置を備えていることを特徴とする廃棄物処理システム。
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