JP3556464B2 - マルチモード無線機の通話断防止方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信の分野において、異なる複数の種類の無線通信システムの信号を選択的に受信することのできるマルチモード無線機の通話断防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、様々な方式の無線通信システムが混在する状況にあり、例えば、国内の陸上移動通信だけに注目した場合でも、アナログ方式とディジタル方式との違いをはじめ、利用周波数帯の割り当ての異なる多くの種類・形式の無線通信システムがある。
【0003】
このような状況において、最近では、1台の端末で、複数の無線通信システムの信号を選択的に送受信することの可能なマルチモード無線機の要望が増大しつつある。例えば、欧州のセルラーシステムであるGSM(Global System for Mobile)とDCSー1800(Digital Cellular System 1800)のマルチモード無線機などが知られている。このようなマルチモード無線機の登場の背景には、LSI技術の進歩に伴う無線機の小形化、低コスト化はもちろん、複数の無線通信システムが個々にカバーしているサービスエリアの併用による通信可能エリアの拡大等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなマルチモード無線機では、ある無線通信システムから別の無線通信システムにローミングしたユーザがたまたま不感地帯に入り込んだ場合、その位置が移動前の無線通信システムの通信可能なサービスエリア内であるにも拘らず通話断が生じるという問題があった。また、不感地帯以外にも、フェージング等によって受信強度が時間的に変動するような場所では、同様に通話断が生じやすいという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、異なる無線通信システムのサービスエリアの間をユーザが移動する際の通話断の発生確率を低減することのできるマルチモード無線機の通話断防止方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチモード無線機の通話断防止方法は、互いに異なる種類の無線通信システムである第1の無線通信システムおよび第2の無線通信システムの信号をそれぞれ受信可能なマルチモード無線機の通話断防止方法において、前記第1の無線通信システムとの通信中、該受信信号の強度を測定した結果を第1の測定結果とし、前記第1の測定結果が所定の基準値以下となったかどうか判断し、基準値以下と判断されたとき、前記第2の無線通信システムに対して回線接続を要求した後、該第2の無線通信システムからの信号を受信し、前記第2の無線通信システムからの受信信号の強度を測定した結果を第2の測定結果とし、前記第1の測定結果と前記第1の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第1の差とし、前記第2の測定結果と前記第2の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第2の差とし、前記第1の差と第2の差とを比較し、該比較の結果、前記第2の差が第1の差より大きい場合、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムでの通話に切り替えるための制御を行うことを特徴とするマルチモード無線機の通話断防止方法。
【0007】
このように本発明のマルチモード無線機の通話断防止方法は、一方の無線通信システムの信号を受信中に、この一方の無線通信システムの受信信号の強度が所定の基準値以下になったとき、この一方の無線通信システムと他方の無線通信システムとの間でのダイバーシチ、すなわち、より良好な回線接続を確保できる無線通信システムを選択してその信号のみを受信する処理を行うことで、異なる無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際の、不感地帯やフェージング等を要因とする通信断の発生を高い確率で防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態のマルチモード無線機の受信部の構成を示す図である。このマルチモード無線機は、例えばPHS(Personal Handy−phone System )とPDC(Personal Digital Cellular )の2つの無線通信システム (以下、単にシステムS1,S2と呼ぶ。)との通信に対応している。但し、無線通信システムの種類と数はこれに限定されるものではなく、組み合わせるシステムの種類と数は自由に変更することが可能である。
【0010】
図1に示すように、このマルチモード無線機は、システム(PHS)S1の受信系に対応する構成要素として、アンテナ101、フィルタ111、信号強度測定器121およびPHS用検波回路131を有し、システム(PDC)S2の受信系に対応する構成要素として、アンテナ102、フィルタ112、信号強度測定器122およびPDC用検波回路132を有する。さらに、このマルチモード無線機は、各システムS1,S2の受信系の信号強度測定器121、122により測定された信号受信強度に基づいて、システムS1/システムS2/各システムS1,S2間でのダイバーシチの3つの受信モードのなかから有効とする受信モードを切り換える制御及びスイッチ回路141が備えられている。
【0011】
次に、このマルチモード無線機の受信の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0012】
本実施形態のマルチモード無線機は、PHSとPDCの2つの無線通信システムS1,S2との通信が可能であり、通常の受信モードでは、例えばシステムS1に対応するPHS受信系のみが起動されるものとする。
【0013】
システムS1の基地局から送信された信号はアンテナ101で受信され(ステップ11)、この受信信号からフィルタ111にて所望チャネルの信号が抽出され、信号強度測定器121とPHS用検波回路131にそれぞれ導入される。受信信号はPHS用検波回路131にて検波復調され、スイッチ回路141を通じてマルチモード無線機で受信処理された信号として出力される。
【0014】
一方、信号強度測定器121はシステムS1の受信信号の強度測定を行い(ステップ12)、その測定結果を制御及びスイッチ回路141に供給する。制御及びスイッチ回路141は、システムS1のサービスエリア圏外にユーザが移動したときや、サービスエリア内の不感地帯にユーザが入り込んだときなど、受信信号強度I1が所定の基準値X1以下になると(ステップ13)、システムS2の基地局に対して回線接続要求を発呼し(ステップ14)、回線が確保できたら現在有効なシステムS1(例えばPHS受信系)に加え他方のシステムS2に対応する受信系(例えばPDC受信系)を共に有効にして各システムS1,S2の間でのダイバーシチを行うように制御する(ステップ15)。
【0015】
2つのシステムS1,S2間でのダイバーシチは、各受信系の信号強度測定器121,122により測定されたそれぞれの信号強度I1,I2を比較し(ステップ16,17)、信号強度の高いほうのシステムの検波回路131あるいは132より検波復調された信号をスイッチ回路141で選択することによって行われる(ステップ18,19)。
【0016】
なお、システムS2の信号が選択された場合、アンテナ102で受信された信号からフィルタ112にて所望チャネルに対応する信号が選択され、信号強度測定器122とPDC用検波回路132にそれぞれ導入される。受信信号はPDC用検波回路132にて復調され、復調信号はスイッチ回路141を通じて出力される。このシステムS2に対応する受信系のみの有効時においても信号強度測定器122にて受信信号の強度測定が行われ、その測定結果は制御及びスイッチ回路141に導入される。制御及びスイッチ回路141は、システムS2の受信信号の強度I2が基準値X2以下になったとき、現在の有効なシステムS2の受信系に加えて他方のシステムS1の受信系を同時に有効にする。これにより、前記と同様に2つのシステムS1,S2間でのダイバーシチ受信が行われる。
【0017】
このように本実施形態のマルチモード無線機では、一方の無線通信システムの受信信号の強度を監視し、その値が予め定められた基準値以下になったとき、他方の無線通信システムの受信系を現時点で有効なシステムの受信系と共に有効にして2つのシステムの間でのダイバーシチ受信を行う。これにより、複数の無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際、例えば移動先のシステムのサービスエリア内位置が不感地帯であった場合に、移動元のシステムに対応する受信系で信号を受信できるので通話断が発生することがなくなる。
【0018】
なお、各システムS1,S2に対応する信号強度測定器121、122は、それぞれ対応する検波回路131,132の後段に配置してもよい。
【0019】
また、図3に示すように、2つのシステムS1、S2間でのダイバーシチ受信は、それぞれのシステムS1、S2に対応する受信系にて許容通信品質が保証される最低受信感度A1,A2と、測定された移動元のシステムの受信信号強度I1,I2との差D1,D2どうしを比較し(ステップ27)、その差が大きいほうのシステムの復調信号を選択するようにしてもよい(ステップ28,29)。このような最低受信感度と受信信号強度との差の大小は通信品質にほぼ対応しており、差が大きい方のシステム側の復調信号を選択することによって、受信強度の大小だけで判断する場合に比べて良好な通信品質を得ることができ、より有効なダイバーシチ受信が実現される。
【0020】
例えば、PHSの受信信号強度が−50dBm、PDCの受信信号強度が−55dBmであった場合、許容通信品質が得られるPHSの最低受信感度は−97dBm、PDCの最低受信感度は−116dBmであると仮定すると、その差Dは、PHSで47dB、PDCで61dBとなり、PDCを選択することになる。
【0021】
また、前記の実施形態では、異なる2つのシステムS1、S2の間でのダイバーシチ受信の期間、通話断を防止することを目的として、受信信号強度の高い方のシステムの信号を選択する場合について述べたが、ユーザの負担するシステム利用料金の安価を目的に、利用料金の安価な方のシステムの信号を選択するようにしてもよい。
【0022】
また、加入者に対するサービス待遇の面から、優先的に特定のプロバイダのシステムを選択し、そのシステムで対応できない場合に限り、他のシステムに切り替えるようにしてもよい。
【0023】
次に、本発明の第2の実施形態のマルチモード無線機について説明する。
【0024】
図4に、この第2の実施形態のマルチモード無線機の受信部の構成を示す。同図に示すように、このマルチモード無線機は、複数の無線通信システム例えばPHS、PDCの各システムの周波数帯をカバーする広帯域アンテナ201を備えている。
【0025】
各無線通信システムのダイバーシチ受信の際には、広帯域アンテナ201にて両システムの信号を受信する。広帯域アンテナ201にて受信された両システムの信号は、個々のシステムの利用周波数帯域に対応した通過帯域幅をもつ帯域フィルタ211,212に導入され、それぞれの帯域フィルタ211,212から各システムの信号が分離・抽出される。
【0026】
以降の動作は、前記第1の実施形態と同様である。すなわち、各帯域フィルタ211,212を通過した各信号は信号強度測定器221,222にそれぞれ導入され、ここで信号強度の測定が行われると共に、検波回路231,232に導入されて検波・復調される。各復調信号は、各システムに対応する信号強度測定器221,222で得られる受信信号の強度測定結果に基づいて切り替えられるスイッチ回路241を通じて出力される。
【0027】
本実施形態のマルチモード無線機は、1つの広帯域アンテナで、前記第1の実施形態と同等の効果を得ることができ、無線機の小型化に寄与することができる、という効果を生み出す。
【0028】
次に、以上の実施形態におけるダイバーシチ受信の切り替え方法の例を説明する。
【0029】
図5において、切り替え前の無線通信システムをS1、切り替え後の無線通信システムをS2とする。また、Ci,k およびUi,k は、それぞれシステムS1,S2におけるi番目のユーザのk番目の受信チャネルスロットである。システムS1の信号を受信中、その受信した信号強度が平均的に低くなり、C1,k のタイミングでシステム切り替え要求が発生した場合を考える。この場合、システムS1の信号のC1,k のタイミングはシステムS2の接続予定回路の空きチャネルU1 のm番目の受信スロットU1,m と重複しているため、システムS2のガードタイムを利用してシステムを切り替え、スロットU1,m+1 からシステムS2の通信が開始されることになる。
【0030】
本実施形態のマルチモード無線機では、このような場合、U1,m+1 の直前のシステムS1のスロットC1,k+1 の受信が完了した後にシステムの切り替えを行い、システムS2の通信が開始される。これによって、ダイバーシチ切り替え時に生じる切り替え雑音を生じることなく、滑らかにシステム切り替えを行うことが可能になる。
【0031】
なお、図4に示したマルチモード無線機において、帯域フィルタ211,212または検波回路231,232以降の部分は、受動素子や能動素子の組み合せからなる回路構成によるものに限らず、例えばDSP(Digital Signal Processor)等のディジタル信号処理回路にソフトウェアとして等価な機能を組み込んだ形態の無線機により構成してもかまわない。このようなソフトウェア無線機を用いた場合、DSP内のソフトウェアを書き換えるだけで様々な無線通信システムに対応できるという利点がある。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一方の無線通信システムの信号を受信中に、この一方の無線通信システムの受信信号の強度が所定の基準値以下になったとき、この一方の無線通信システムと他方の無線通信システムとの間でのダイバーシチ、すなわち、より良好な回線接続を確保できる無線通信システムを選択してその信号のみを受信する処理を行うことで、異なる無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際の、不感地帯やフェージング等を要因とする通信断の発生を高い確率で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマルチモード無線機の受信部の構成を示す図
【図2】図1のマルチモード無線機の受信動作を示すフローチャート
【図3】図1のマルチモード無線機の他の受信動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係るマルチモード無線機の受信部の構成を示す図
【図5】本発明のダイバーシチ受信における切り替え方法を示す図
【符号の説明】
101,102 アンテナ
111,112 フィルタ
121,122 信号強度測定器
131 PHS用検波回路
132 PDC用検波回路
141 制御及びスイッチ回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信の分野において、異なる複数の種類の無線通信システムの信号を選択的に受信することのできるマルチモード無線機の通話断防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、様々な方式の無線通信システムが混在する状況にあり、例えば、国内の陸上移動通信だけに注目した場合でも、アナログ方式とディジタル方式との違いをはじめ、利用周波数帯の割り当ての異なる多くの種類・形式の無線通信システムがある。
【0003】
このような状況において、最近では、1台の端末で、複数の無線通信システムの信号を選択的に送受信することの可能なマルチモード無線機の要望が増大しつつある。例えば、欧州のセルラーシステムであるGSM(Global System for Mobile)とDCSー1800(Digital Cellular System 1800)のマルチモード無線機などが知られている。このようなマルチモード無線機の登場の背景には、LSI技術の進歩に伴う無線機の小形化、低コスト化はもちろん、複数の無線通信システムが個々にカバーしているサービスエリアの併用による通信可能エリアの拡大等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなマルチモード無線機では、ある無線通信システムから別の無線通信システムにローミングしたユーザがたまたま不感地帯に入り込んだ場合、その位置が移動前の無線通信システムの通信可能なサービスエリア内であるにも拘らず通話断が生じるという問題があった。また、不感地帯以外にも、フェージング等によって受信強度が時間的に変動するような場所では、同様に通話断が生じやすいという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、異なる無線通信システムのサービスエリアの間をユーザが移動する際の通話断の発生確率を低減することのできるマルチモード無線機の通話断防止方法の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のマルチモード無線機の通話断防止方法は、互いに異なる種類の無線通信システムである第1の無線通信システムおよび第2の無線通信システムの信号をそれぞれ受信可能なマルチモード無線機の通話断防止方法において、前記第1の無線通信システムとの通信中、該受信信号の強度を測定した結果を第1の測定結果とし、前記第1の測定結果が所定の基準値以下となったかどうか判断し、基準値以下と判断されたとき、前記第2の無線通信システムに対して回線接続を要求した後、該第2の無線通信システムからの信号を受信し、前記第2の無線通信システムからの受信信号の強度を測定した結果を第2の測定結果とし、前記第1の測定結果と前記第1の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第1の差とし、前記第2の測定結果と前記第2の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第2の差とし、前記第1の差と第2の差とを比較し、該比較の結果、前記第2の差が第1の差より大きい場合、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムでの通話に切り替えるための制御を行うことを特徴とするマルチモード無線機の通話断防止方法。
【0007】
このように本発明のマルチモード無線機の通話断防止方法は、一方の無線通信システムの信号を受信中に、この一方の無線通信システムの受信信号の強度が所定の基準値以下になったとき、この一方の無線通信システムと他方の無線通信システムとの間でのダイバーシチ、すなわち、より良好な回線接続を確保できる無線通信システムを選択してその信号のみを受信する処理を行うことで、異なる無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際の、不感地帯やフェージング等を要因とする通信断の発生を高い確率で防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の第1の実施形態のマルチモード無線機の受信部の構成を示す図である。このマルチモード無線機は、例えばPHS(Personal Handy−phone System )とPDC(Personal Digital Cellular )の2つの無線通信システム (以下、単にシステムS1,S2と呼ぶ。)との通信に対応している。但し、無線通信システムの種類と数はこれに限定されるものではなく、組み合わせるシステムの種類と数は自由に変更することが可能である。
【0010】
図1に示すように、このマルチモード無線機は、システム(PHS)S1の受信系に対応する構成要素として、アンテナ101、フィルタ111、信号強度測定器121およびPHS用検波回路131を有し、システム(PDC)S2の受信系に対応する構成要素として、アンテナ102、フィルタ112、信号強度測定器122およびPDC用検波回路132を有する。さらに、このマルチモード無線機は、各システムS1,S2の受信系の信号強度測定器121、122により測定された信号受信強度に基づいて、システムS1/システムS2/各システムS1,S2間でのダイバーシチの3つの受信モードのなかから有効とする受信モードを切り換える制御及びスイッチ回路141が備えられている。
【0011】
次に、このマルチモード無線機の受信の動作を図2のフローチャートを参照して説明する。
【0012】
本実施形態のマルチモード無線機は、PHSとPDCの2つの無線通信システムS1,S2との通信が可能であり、通常の受信モードでは、例えばシステムS1に対応するPHS受信系のみが起動されるものとする。
【0013】
システムS1の基地局から送信された信号はアンテナ101で受信され(ステップ11)、この受信信号からフィルタ111にて所望チャネルの信号が抽出され、信号強度測定器121とPHS用検波回路131にそれぞれ導入される。受信信号はPHS用検波回路131にて検波復調され、スイッチ回路141を通じてマルチモード無線機で受信処理された信号として出力される。
【0014】
一方、信号強度測定器121はシステムS1の受信信号の強度測定を行い(ステップ12)、その測定結果を制御及びスイッチ回路141に供給する。制御及びスイッチ回路141は、システムS1のサービスエリア圏外にユーザが移動したときや、サービスエリア内の不感地帯にユーザが入り込んだときなど、受信信号強度I1が所定の基準値X1以下になると(ステップ13)、システムS2の基地局に対して回線接続要求を発呼し(ステップ14)、回線が確保できたら現在有効なシステムS1(例えばPHS受信系)に加え他方のシステムS2に対応する受信系(例えばPDC受信系)を共に有効にして各システムS1,S2の間でのダイバーシチを行うように制御する(ステップ15)。
【0015】
2つのシステムS1,S2間でのダイバーシチは、各受信系の信号強度測定器121,122により測定されたそれぞれの信号強度I1,I2を比較し(ステップ16,17)、信号強度の高いほうのシステムの検波回路131あるいは132より検波復調された信号をスイッチ回路141で選択することによって行われる(ステップ18,19)。
【0016】
なお、システムS2の信号が選択された場合、アンテナ102で受信された信号からフィルタ112にて所望チャネルに対応する信号が選択され、信号強度測定器122とPDC用検波回路132にそれぞれ導入される。受信信号はPDC用検波回路132にて復調され、復調信号はスイッチ回路141を通じて出力される。このシステムS2に対応する受信系のみの有効時においても信号強度測定器122にて受信信号の強度測定が行われ、その測定結果は制御及びスイッチ回路141に導入される。制御及びスイッチ回路141は、システムS2の受信信号の強度I2が基準値X2以下になったとき、現在の有効なシステムS2の受信系に加えて他方のシステムS1の受信系を同時に有効にする。これにより、前記と同様に2つのシステムS1,S2間でのダイバーシチ受信が行われる。
【0017】
このように本実施形態のマルチモード無線機では、一方の無線通信システムの受信信号の強度を監視し、その値が予め定められた基準値以下になったとき、他方の無線通信システムの受信系を現時点で有効なシステムの受信系と共に有効にして2つのシステムの間でのダイバーシチ受信を行う。これにより、複数の無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際、例えば移動先のシステムのサービスエリア内位置が不感地帯であった場合に、移動元のシステムに対応する受信系で信号を受信できるので通話断が発生することがなくなる。
【0018】
なお、各システムS1,S2に対応する信号強度測定器121、122は、それぞれ対応する検波回路131,132の後段に配置してもよい。
【0019】
また、図3に示すように、2つのシステムS1、S2間でのダイバーシチ受信は、それぞれのシステムS1、S2に対応する受信系にて許容通信品質が保証される最低受信感度A1,A2と、測定された移動元のシステムの受信信号強度I1,I2との差D1,D2どうしを比較し(ステップ27)、その差が大きいほうのシステムの復調信号を選択するようにしてもよい(ステップ28,29)。このような最低受信感度と受信信号強度との差の大小は通信品質にほぼ対応しており、差が大きい方のシステム側の復調信号を選択することによって、受信強度の大小だけで判断する場合に比べて良好な通信品質を得ることができ、より有効なダイバーシチ受信が実現される。
【0020】
例えば、PHSの受信信号強度が−50dBm、PDCの受信信号強度が−55dBmであった場合、許容通信品質が得られるPHSの最低受信感度は−97dBm、PDCの最低受信感度は−116dBmであると仮定すると、その差Dは、PHSで47dB、PDCで61dBとなり、PDCを選択することになる。
【0021】
また、前記の実施形態では、異なる2つのシステムS1、S2の間でのダイバーシチ受信の期間、通話断を防止することを目的として、受信信号強度の高い方のシステムの信号を選択する場合について述べたが、ユーザの負担するシステム利用料金の安価を目的に、利用料金の安価な方のシステムの信号を選択するようにしてもよい。
【0022】
また、加入者に対するサービス待遇の面から、優先的に特定のプロバイダのシステムを選択し、そのシステムで対応できない場合に限り、他のシステムに切り替えるようにしてもよい。
【0023】
次に、本発明の第2の実施形態のマルチモード無線機について説明する。
【0024】
図4に、この第2の実施形態のマルチモード無線機の受信部の構成を示す。同図に示すように、このマルチモード無線機は、複数の無線通信システム例えばPHS、PDCの各システムの周波数帯をカバーする広帯域アンテナ201を備えている。
【0025】
各無線通信システムのダイバーシチ受信の際には、広帯域アンテナ201にて両システムの信号を受信する。広帯域アンテナ201にて受信された両システムの信号は、個々のシステムの利用周波数帯域に対応した通過帯域幅をもつ帯域フィルタ211,212に導入され、それぞれの帯域フィルタ211,212から各システムの信号が分離・抽出される。
【0026】
以降の動作は、前記第1の実施形態と同様である。すなわち、各帯域フィルタ211,212を通過した各信号は信号強度測定器221,222にそれぞれ導入され、ここで信号強度の測定が行われると共に、検波回路231,232に導入されて検波・復調される。各復調信号は、各システムに対応する信号強度測定器221,222で得られる受信信号の強度測定結果に基づいて切り替えられるスイッチ回路241を通じて出力される。
【0027】
本実施形態のマルチモード無線機は、1つの広帯域アンテナで、前記第1の実施形態と同等の効果を得ることができ、無線機の小型化に寄与することができる、という効果を生み出す。
【0028】
次に、以上の実施形態におけるダイバーシチ受信の切り替え方法の例を説明する。
【0029】
図5において、切り替え前の無線通信システムをS1、切り替え後の無線通信システムをS2とする。また、Ci,k およびUi,k は、それぞれシステムS1,S2におけるi番目のユーザのk番目の受信チャネルスロットである。システムS1の信号を受信中、その受信した信号強度が平均的に低くなり、C1,k のタイミングでシステム切り替え要求が発生した場合を考える。この場合、システムS1の信号のC1,k のタイミングはシステムS2の接続予定回路の空きチャネルU1 のm番目の受信スロットU1,m と重複しているため、システムS2のガードタイムを利用してシステムを切り替え、スロットU1,m+1 からシステムS2の通信が開始されることになる。
【0030】
本実施形態のマルチモード無線機では、このような場合、U1,m+1 の直前のシステムS1のスロットC1,k+1 の受信が完了した後にシステムの切り替えを行い、システムS2の通信が開始される。これによって、ダイバーシチ切り替え時に生じる切り替え雑音を生じることなく、滑らかにシステム切り替えを行うことが可能になる。
【0031】
なお、図4に示したマルチモード無線機において、帯域フィルタ211,212または検波回路231,232以降の部分は、受動素子や能動素子の組み合せからなる回路構成によるものに限らず、例えばDSP(Digital Signal Processor)等のディジタル信号処理回路にソフトウェアとして等価な機能を組み込んだ形態の無線機により構成してもかまわない。このようなソフトウェア無線機を用いた場合、DSP内のソフトウェアを書き換えるだけで様々な無線通信システムに対応できるという利点がある。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、一方の無線通信システムの信号を受信中に、この一方の無線通信システムの受信信号の強度が所定の基準値以下になったとき、この一方の無線通信システムと他方の無線通信システムとの間でのダイバーシチ、すなわち、より良好な回線接続を確保できる無線通信システムを選択してその信号のみを受信する処理を行うことで、異なる無線通信システムのサービスエリア間をユーザが移動する際の、不感地帯やフェージング等を要因とする通信断の発生を高い確率で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマルチモード無線機の受信部の構成を示す図
【図2】図1のマルチモード無線機の受信動作を示すフローチャート
【図3】図1のマルチモード無線機の他の受信動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係るマルチモード無線機の受信部の構成を示す図
【図5】本発明のダイバーシチ受信における切り替え方法を示す図
【符号の説明】
101,102 アンテナ
111,112 フィルタ
121,122 信号強度測定器
131 PHS用検波回路
132 PDC用検波回路
141 制御及びスイッチ回路
Claims (1)
- 互いに異なる種類の無線通信システムである第1の無線通信システムおよび第2の無線通信システムの信号をそれぞれ受信可能なマルチモード無線機の通話断防止方法において、
前記第1の無線通信システムとの通信中、該受信信号の強度を測定した結果を第1の測定結果とし、前記第1の測定結果が所定の基準値以下となったかどうか判断し、
基準値以下と判断されたとき、前記第2の無線通信システムに対して回線接続を要求した後、該第2の無線通信システムからの信号を受信し、
前記第2の無線通信システムからの受信信号の強度を測定した結果を第2の測定結果とし、前記第1の測定結果と前記第1の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第1の差とし、前記第2の測定結果と前記第2の無線通信システムでの許容通信品質が保証される受信感度との差を測定した結果を第2の差とし、前記第1の差と第2の差とを比較し、
該比較の結果、前記第2の差が第1の差より大きい場合、前記第1の無線通信システムから前記第2の無線通信システムでの通話に切り替えるための制御を行うことを特徴とするマルチモード無線機の通話断防止方法。
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