JP3555678B2 - 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置 - Google Patents

燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3555678B2
JP3555678B2 JP2000055981A JP2000055981A JP3555678B2 JP 3555678 B2 JP3555678 B2 JP 3555678B2 JP 2000055981 A JP2000055981 A JP 2000055981A JP 2000055981 A JP2000055981 A JP 2000055981A JP 3555678 B2 JP3555678 B2 JP 3555678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative pressure
pressure
fuel
time
leak
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000055981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001041116A (ja
Inventor
正彦 山口
中山  昌昭
向井  弥寿夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2000055981A priority Critical patent/JP3555678B2/ja
Priority to US09/576,224 priority patent/US6289880B1/en
Publication of JP2001041116A publication Critical patent/JP2001041116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3555678B2 publication Critical patent/JP3555678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M25/00Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture
    • F02M25/08Engine-pertinent apparatus for adding non-fuel substances or small quantities of secondary fuel to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture adding fuel vapours drawn from engine fuel reservoir
    • F02M25/0809Judging failure of purge control system

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料が蒸発して生じた燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気管にパージ(放出)する燃料蒸発ガスパージシステムのリークの有無を診断する燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料蒸発ガスパージシステムにおいては、燃料タンク内から発生する燃料蒸発ガスが大気中に漏れ出すことを防止するため、燃料タンク内の燃料蒸発ガス通路を通してキャニスタ内に吸着すると共に、このキャニスタ内に吸着されている燃料蒸発ガスを内燃機関の吸気管へパージするパージ通路の途中にパージ制御弁を設け、内燃機関の運転状態に応じてパージ制御弁の開閉を制御することによって、キャニスタから吸気管へパージする燃料蒸発ガスのパージ流量を制御するようになっている。この燃料蒸発ガスパージシステムから大気中に燃料蒸発ガスが漏れる異常が長期間放置されるのを防止するために、燃料蒸発ガスの漏れを早期に検出する必要がある。
【0003】
そこで、例えば特開平5−125997号公報に示すように、燃料タンクとキャニスタとを含むパージ系内に大気圧又は吸気管負圧を導入・密閉したときの該パージ系の圧力又はその後の圧力変化量に基づいて該パージ系のリークの有無を診断するようにしたものがある。このものでは、燃料残量(燃料タンク内の空間容積)に応じてリーク診断時の燃料タンクの内圧変化量、つまり、パージ系の圧力変化量が変化することを考慮して、リーク診断の判定条件を燃料残量に応じて変化させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、負圧導入・密閉後も燃料タンク内の燃料が蒸発して燃料蒸発ガスが増加し続けるため、負圧導入・密閉後のパージ系の圧力は、燃料蒸発ガスの発生量によって変化する。このため、上記公報のリーク診断では、燃料蒸発ガス発生量の違いによる圧力変化の影響を受けて圧力検出値がばらついてしまい、リークの誤診断が発生するおそれがある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、燃料蒸発ガス発生量と燃料残量の両方の影響を考慮したリーク診断を行うことができ、リーク診断の信頼性を高めることができる燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置によれば、パージ系内に所定負圧を導入するのに要する負圧導入時間又は負圧導入時の所定時間当たりの圧力変化量又は圧力変化率(以下これらを「負圧導入速度」という)を負圧導入速度計測手段により計測すると共に、燃料タンク内の燃料残量を燃料残量検出手段により検出する。この際、負圧導入開始後にパージ系の圧力が負圧導入開始当初の圧力から所定圧力だけ低下した時点から負圧導入速度の計測を開始し、リーク診断手段は、パージ系のリークの有無を診断する際の判定条件を、負圧導入速度と燃料残量(燃料タンク内の空間容積)とに基づいて補正し、この判定条件を用いてパージ系のリークの有無を診断する。
【0007】
この場合、負圧導入時の燃料蒸発ガス発生量が多くなるほど、負圧導入速度が遅くなるため、負圧導入速度は、燃料蒸発ガス発生量を反映したパラメータとなる。従って、負圧導入速度と燃料残量とに基づいてリーク診断の判定条件を補正すれば、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量と燃料残量に応じた適正な判定条件でリーク診断を精度良く行うことができ、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量や燃料残量の違いによるリークの誤診断を防止することができて、リーク診断の信頼性を高めることができる。
【0008】
尚、燃料タンク内に燃料温度センサを設け、この燃料温度センサの検出値に基づいて燃料蒸発ガス発生量を推定する方法が知られているが、この場合、燃料温度センサを新たに設ける必要があり、コストアップする欠点がある。しかも、燃料蒸発ガス発生量は、同じ燃料温度でも燃料の揮発性(燃料性状)によって異なるため、燃料温度のみでは燃料蒸発ガス発生量を精度良く推定することができない。
【0009】
その点、本発明では、燃料蒸発ガス発生量に応じて変化する負圧導入速度を、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量の代用情報として用いるので、燃料温度センサを新たに設ける必要がなく、低コスト化できると共に、揮発性の異なる燃料を用いても、その影響を受けずに、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量をリーク診断の判定条件に精度良く反映させることができる。
【0010】
ところで、同じ燃料残量、同じ燃料蒸発ガス発生量の状態でも、パージ制御弁の個体差(特に応答遅れの違い)によって、負圧導入開始指令を出力してから実際にパージ制御弁が開弁するまでの応答遅れ時間に差が生じることがある。従って、負圧導入開始指令を出力した時点から直ちに負圧導入速度の計測を開始すると、パージ制御弁の個体差による応答遅れ時間の違いによって負圧導入速度の計測値が変化してしまう。
【0011】
この対策として、請求項のように、負圧導入開始後にパージ系の圧力が負圧導入開始当初の圧力から所定圧力だけ低下した時点から負圧導入速度の計測を開始するようにしたり、或は、請求項のように、負圧導入開始後にパージ系の圧力が所定の計測開始圧力まで低下した時点から負圧導入速度の計測を開始するようにしても良い。これらいずれの場合でも、実際にパージ制御弁が開弁してから負圧導入速度の計測を開始するので、パージ制御弁の個体差によって応答遅れ時間に違いがあったとしても、その影響を受けずに、同じ基準で負圧導入速度を計測することができる。
【0012】
また、負圧導入時には吸気管負圧をパージ系内に導入するため、吸気管負圧が変化すると負圧導入速度が変化してしまう。従って、吸気管負圧が比較的大きく変化する過渡運転状態で、負圧導入を行うと、吸気管負圧の変化によって負圧導入速度の計測値が変化してしまう。
【0013】
そこで、請求項のように、内燃機関の定常運転中又はアイドル運転中に負圧導入速度を計測するようにすると良い。定常運転中やアイドル運転中は、吸気管負圧がほぼ一定又は変化が少ないため、吸気管負圧の変化の影響を受けずに、負圧導入速度を精度良く測定することができる。
【0014】
また、請求項のように、負圧導入時の吸気管圧力に基づいて前記判定条件を補正又は変更するようにしても良い。このようにすれば、負圧導入時の吸気管圧力の変化によって負圧導入速度の計測値が変化するのに対応して、判定条件を修正することができ、常に負圧導入時の吸気管圧力に応じた適正な判定条件でリーク診断を精度良く行うことができる。これにより、負圧導入時の吸気管圧力の変化によるリークの誤診断を防止することができて、リーク診断の信頼性を高めることができる。
【0015】
或は、請求項のように、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンクの内圧とに基づいて前記判定条件を補正又は変更するようにしても良い。つまり、吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧が大きくなるほど、負圧導入時にパージ制御弁を通過する空気流量が増加するため、吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧によって負圧導入速度が変化する。従って、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンクの内圧とに基づいて判定条件を補正又は変更すれば、常に負圧導入時の吸気管圧力との差圧に応じた適正な判定条件でリーク診断を精度良く行うことができ、リーク診断の信頼性を更に高めることができる。尚、吸気管圧力の変化と比べて燃料タンク内圧の変化は少ないため、前述の請求項では、燃料タンク内圧が一定圧力(例えば大気圧)と仮定して、負圧導入時の吸気管圧力に基づいて判定条件を補正又は変更するものである。
【0016】
また、前記請求項のように、定常運転中又はアイドル運転中にリーク診断を行う場合は、アイドル運転時と定常運転時とで、吸気管負圧が異なることを考慮して、請求項のように、定常運転時とアイドル運転時とで判定条件を変更又は補正するようにしても良い。このようにしても、負圧導入時の吸気管圧力の影響を少なくすることができ、リーク診断の信頼性を高めることができる。
【0017】
また、前記請求項では、負圧導入時の吸気管圧力等に基づいて判定条件を補正又は変更するようにしたが、請求項のように、負圧導入時の吸気管圧力に基づいて負圧導入速度の計測値を補正したり、或は、請求項のように、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧とに基づいて負圧導入速度の計測値を補正するようにしても良い。このようにすれば、吸気管負圧(と燃料タンク内圧)の変化の影響を排除した標準的な圧力条件下における負圧導入速度の計測値を求めることができるため、予め設定した標準的な判定条件を用いてリーク診断を精度良く行うことができる。要するに、負圧導入時の吸気管負圧(と燃料タンク内圧)に基づいて判定条件と負圧導入速度の計測値のいずれか一方を補正すれば、吸気管負圧(と燃料タンク内圧)の変化の影響を受けない安定したリーク診断を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施形態(1)]
以下、本発明の実施形態(1)を図1乃至図6に基づいて説明する。まず、図1に基づいてシステム全体の概略構成を説明する。エンジン11の吸気管12の上流側にはエアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13を通過した空気がスロットルバルブ14を通してエンジン11の各気筒に吸入される。スロットルバルブ14の開度は、アクセルペダル15の踏込み量によって調節される。また、吸気管12には、各気筒毎に燃料噴射弁16が設けられている。各燃料噴射弁16には、燃料タンク17内の燃料(ガソリン)が燃料ポンプ18により燃料配管19を介して送られてくる。燃料タンク17には、燃料タンク17内の圧力を検出する半導体圧力センサ等の圧力センサ20と、燃料残量を検出するフューエルセンサ54(燃料残量検出手段)が設けられている。
【0019】
次に、パージ系21の構成を説明する。燃料タンク17には、連通管22を介してキャニスタ23が接続されている。このキャニスタ23内には、燃料蒸発ガスを吸着する活性炭等の吸着体24が収容されている。また、キャニスタ23の底面部には、大気に連通する大気連通管25が設けられ、この大気連通管25にはキャニスタ閉塞弁26が取り付けられている。
【0020】
このキャニスタ閉塞弁26は、電磁弁により構成され、オフ状態では、スプリング(図示せず)により開弁状態に維持され、キャニスタ23の大気連通管25が大気に開放された状態に保たれる。そして、このキャニスタ閉塞弁26に所定電圧が印加されると、キャニスタ閉塞弁26が閉弁状態に切り換わり、大気連通管25が閉塞された状態になる。
【0021】
一方、キャニスタ23と吸気管12との間には、吸着体24に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気管12にパージ(放出)するためのパージ通路30a,30bが設けられ、このパージ通路30a,30b間に、パージ流量を調整するパージ制御弁31が設けられている。このパージ制御弁31は、電磁弁により構成されている。
【0022】
このパージ制御弁31のソレノイドコイル(図示せず)には、パルス信号にて電圧が印加され、このパルス信号の周期に対するパルス幅の比率(デューティ比)を調整することによって、パージ制御弁31の開閉周期に対する開弁時間の比率を調整して、キャニスタ23から吸気管12への燃料蒸発ガスのパージ流量を制御するようになっている。
【0023】
また、燃料タンク17の給油口17aには、リリーフ弁付きのフィラーキャップ38が装着され、燃料タンク内圧が−40mmHg〜150mmHg(リリーフ圧)を越える内圧となった場合にリリーフ弁が開放して圧抜きすようになっている。従って、燃料タンク17からキャニスタ23までの区間は、常にこのリリーフ圧範囲内の圧力に抑えられている。
【0024】
次に、制御系の構成を説明する。制御回路39は、CPU40、ROM41、RAM42、入出力回路43等をコモンバス44を介して相互に接続して構成されている。また、入出力回路43には、スロットルセンサ45、アイドルスイッチ46、車速センサ47、大気圧センサ48、吸気管圧力センサ49、冷却水温センサ50、吸気温センサ51等、エンジン運転状態を検出する各種のセンサが接続され、これら各種センサから入出力回路43を介して入力される信号及びROM41やRAM42内に記憶されたプログラムやデータ等に基づいて、燃料噴射制御、点火制御、燃料蒸発ガスパージ制御、燃料蒸発ガスパージシステム21の異常診断等を実行し、燃料噴射弁16、点火プラグ52、キャニスタ閉塞弁26、パージ制御弁31等に入出力回路43を介して駆動信号を出力すると共に、パージ系21の異常を検出した時には警告ランプ53を点灯して運転者に知らせる。
【0025】
以下、制御回路39が実行するパージ系21の異常診断プログラムについて図2及び図3のフローチャートを用いて説明する。この異常診断プログラムは、イグニッションスイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定時間毎(例えば256msec毎)に繰り返し実行され、特許請求の範囲でいうリーク診断手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、図2のステップ101で、アイドル運転中又は定常運転中であるか否かを判定し、もし、アイドル運転、定常運転のいずれでもない場合、つまり吸気管負圧が比較的大きく変化する過渡運転状態である場合には、誤診断を防止するために、異常診断を禁止し、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0026】
一方、上記ステップ101で、アイドル運転状態と判定されれば、ステップ102〜104に進み、現在の処理がどの段階まで進んでいるか否かを判定しつつ種々のステップへ分岐する。処理は第1〜第4段階の4つであり、第1〜第3の各フラグF1〜F3の設定状態から処理段階を判断できるようになっている。全てのフラグF1〜F3が「0」に設定されているとき、即ちステップ102〜104が全て「No」のときが第1段階であり、ステップ105に進む。
【0027】
第1段階では、まずステップ105で、パージ制御弁31を全閉にした後、ステップ106で、キャニスタ閉塞弁26を全閉にして燃料タンク17から吸気管12までのパージ系21を密閉状態にする。即ち、図4に示すように、まずキャニスタ閉塞弁26が開放状態のときに時刻T1でパージ制御弁31を全閉にすることで、燃料タンク17からパージ制御弁31までのパージ経路を大気連通管25を介して大気圧と同じ圧力に保ち、やや遅れて時刻T2でキャニスタ閉塞弁26を全閉にすることで、大気圧に保たれた密閉パージ経路を形成する。
【0028】
そして、次のステップ107で、図4の時刻T2での燃料タンク内圧P1aを読み込み、タイマTをリセットスタートさせた後、ステップ108に進み、タイマTのカウント値が例えば10秒以上になったか否かを判定する。10秒経過前であれば、ステップ109に進み、第1フラグF1を「1」にセットして本プログラムを終了する。
【0029】
これ以後、第2段階の処理となる。この第2段階では、ステップ102で「Yes」と判定されるようになり、ステップ101→ステップ102→ステップ108→……と処理を繰り返す。この間、圧力センサ20の検出値は、図4の時刻T2から時刻T3の間において、燃料タンク17内での燃料蒸発ガスの発生量と燃料残量に応じてP1a(0mmHg)から上昇する。
【0030】
その後、時刻T2(P1aの検出時点)から10秒が経過すると、ステップ110に進み、圧力センサ20の出力信号を読み込んで、このときの燃料タンク内圧P1bを記憶し、続くステップ111で、1回目の圧力測定区間(T2〜T3)中の圧力変化量ΔP1 を次式により算出する。
ΔP1 =P1b−P1a
この後、ステップ112で、第1フラグF1をリセットする。これによって第2段階の処理が終了し、第3段階ヘ移る。
【0031】
この第3段階では、まず図3のステップ121で、パージ制御弁31を全閉から全開状態に切り換えて吸気管負圧導入制御を開始すると同時に、ステップ122で、タイマTをリセットスタートする。ここで、パージ制御弁31が全開されることにより、それ以前の大気圧下のパージ系21内に吸気管負圧を導入し始める(図4の時刻T3)。従って、パージ系21にリーク等による異常がなければ、圧力センサ20の検出値は下降し始める。
【0032】
次のステップ123では、圧力センサ20からの入力信号に基づいて燃料タンク内圧PTが例えば−20mmHg以下になったか否かを判定し、−20mmHg以下になっていなければ、ステップ136に進み、パージ制御弁31の全開後、例えば5秒が経過したか否かを判定する。5秒経過前であれば、ステップ142に進み、第2のフラグF2を「1」にセットして本プログラムを終了する。
【0033】
このように、第2のフラグF2が「1」にセットされることで、次回以降の本プログラム実行時には、ステップ102で「No」、ステップ103で「Yes」と判定されるようになり、ステップ101〜103→ステップ123→……と処理を繰り返す。この状態は、ステップ123又はステップ136が「Yes」となると終了する。ステップ136の方が先に「Yes」となった場合には、パージ系21に吸気管負圧を十分に導入できない状態となっており、パージ系21のどこかが詰っているものと考えられる。この場合には、ステップ137に進み、パージ系詰りフラグFclose をパージ系21の詰りを意味する「1」にセットし、次のステップ138で、警告ランプ53を点灯して運転者にパージ系21の異常を警告し、本プログラムを終了する。
【0034】
一方、ステップ123の方が先に「Yes」となった場合には、ステップ124に進み、吸気管負圧導入制御を開始してから燃料タンク内圧PTが−20mmHgに低下するまでに要した負圧導入時間Tx(タイマTのカウント値)を読み込んで記憶する。上記ステップ121〜124の処理が特許請求の範囲でいう負圧導入速度計測手段としての役割を果たす。この負圧導入時間Txは負圧導入時の燃料蒸発ガス発生量が多くなるほど長くなるため(図5参照)、負圧導入時間Txは負圧導入時の燃料蒸発ガス発生量を反映したパラメータとなる。
【0035】
この後、ステップ125に進み、第2のフラグF2をリセットし、続くステップ126で、パージ制御弁31を再び全閉にした後、ステップ127で、圧力センサ20からの入力信号を読み込んで、パージ系21を密閉状態にした直後の燃料タンク内圧P2aを記憶すると共に、タイマTをリセットスタートする。これにより、第3段階から第4段階に移行する。
【0036】
上記ステップ125〜127の処理が実行されることにより、図4に示すように、時刻T4でパージ系21は−20mmHgの負圧状態で密閉された状態となる。これ以後、圧力センサ20の検出値は、時刻T4から時刻T5の間で燃料タンク17内での燃料蒸発ガス発生量と燃料残量に応じた変化率で−20mmHgから上昇していくことになる。
【0037】
そして、次のステップ128で、密閉直後の燃料タンク内圧P2aの読み込みから例えば10秒が経過したか否かを判定し、10秒経過前は、ステップ139に進み、第3のフラグF3を「1」に設定して本プログラムを終了する。これにより、次回以降の本プログラム実行時には、ステップ102,103で「No」、ステップ104で「Yes」と判定されるようになり、ステップ101〜104→ステップ128→……と処理を繰り返す。
【0038】
この後、密閉直後の燃料タンク内圧P2aの読み込みから10秒が経過すると、ステップ129に進み、圧力センサ20からの入力信号を読み込んで、時刻T5での燃料タンク内圧P2bを記憶し、続くステップ130で、2回目の圧力測定区間(T4〜T5)中の圧力変化量ΔP2 を次式により算出する。
ΔP2 =P2b−P2a
【0039】
この後、ステップ131に進み、フューエルセンサ54の出力信号を読み込んで燃料タンク17内の燃料残量Fuを検出し、次のステップ132で、図6に示す負圧導入時間Txと燃料残量Fuとをパラメータとするリーク判定条件の補正係数γのマップを検索して、負圧導入時間Txと燃料残量Fuに応じた補正係数γを求める。
【0040】
ここで、図6の補正係数γのマップ特性は、後述するリーク判定条件を燃料蒸発ガス発生量と燃料残量に応じて適正化するために、負圧導入時間Txが長く(燃料蒸発ガス発生量が多く)なるほど、補正係数γが大きくなり、また、燃料残量Fuが多く(燃料タンク17の空間容積が小さく)なるほど、補正係数γが大きくなるように設定されている。尚、図6のマップに代えて、負圧導入時間Txと燃料残量Fuとをパラメータとする関数式を予め実験又はシミュレーションにより設定しておき、この関数式に負圧導入時間Txと燃料残量Fuを代入して補正係数γを算出するようにしても良い。
【0041】
補正係数γの算出後、ステップ133に進み、次式で示されたリーク判定条件に基づいてリークが有るか否かを判定する。
ΔP2 >α・ΔP1 +β+γ ……(1)
ここで、αは大気圧と負圧の違いによる燃料蒸発ガス発生量の差を補正する係数であり、βは圧力センサ20の検出精度、キャニスタ閉塞弁26のリーク等を補正する係数である。
【0042】
上記(1)式のリーク判定条件を満たせば、「リーク有り」と判定される。つまり、燃料タンク17からパージ制御弁31までのパージ系21の密閉区間にリーク原因があれば、正圧下では密閉区間から大気中への流出が起こり、反対に、負圧下では大気中から密閉区間への空気の流入が起こる。従って、「(大気圧下の圧力変化量ΔP1 )=(燃料タンク17からの燃料蒸発ガスの発生量)−(密閉区間から大気中への流出量)」よりも「(負圧下の圧力変化量ΔP2 )=(燃料タンク17からの燃料蒸発ガスの発生量)+(大気中から密閉区間への流入量)」の方が大きくなる。この関係から、上記(1)式のリーク判定条件が導き出されたものである。
【0043】
上記(1)式のリーク判定条件を満たさない場合には、リーク無しと判定され、ステップ134に進み、第1〜第3の各フラグF1〜F3を強制的にリセットした後、ステップ135に進み、図4の時刻T5でキャニスタ閉塞弁26を全開して、パージ制御弁31を通常の制御状態に戻し、本プログラムを終了する。
【0044】
一方、上記(1)式のリーク判定条件を満たす場合には、燃料タンク17からパージ制御弁31までのパージ系21の密閉区間のどこかにリーク原因となる孔があることを意味し、リーク有りと判定される。この場合には、ステップ140に進み、リークフラグFleakをリーク有りを意味する「1」にセットし、次のステップ141で、警告ランプ53を点灯して運転者にパージ系21のリークを警告し、本プログラムを終了する。
【0045】
以上説明した実施形態(1)によれば、リーク判定条件(ΔP2 >α・ΔP1 +β+γ)における補正係数γを負圧導入時間Tx(燃料蒸発ガス発生量)と燃料残量Fuに応じて設定するようにしたので、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量と燃料残量に応じた適正なリーク判定条件でリーク診断を精度良く行うことができる。これにより、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量や燃料残量の違いによってリークの有無を誤診断することを防止でき、リーク診断の信頼性を高めることができる。
【0046】
しかも、燃料蒸発ガス発生量の代用情報として負圧導入時間Txを用いるので、燃料蒸発ガス発生量を検出するための燃料温度センサを設ける必要がなく、低コスト化できると共に、揮発性の異なる燃料を用いても、その影響を受けずに、リーク診断時の燃料蒸発ガス発生量をリーク判定条件に精度良く反映させることができる。
【0047】
また、本実施形態(1)では、アイドル運転中や定常運転中は、吸気管負圧がほぼ一定又は変化が少ないという点に着目して、アイドル運転中又は定常運転中にリーク診断を実行するようにしているので、吸気管負圧の変化の影響を受けずに、負圧導入時間Txを精度良く測定することができる。
【0048】
尚、アイドル運転中のみに、リーク診断を実行するようにしても良い。アイドル運転中であれば、リーク診断時の燃料揺れに伴う検出精度ヘの悪影響を受けずに済む利点がある。
【0049】
[実施形態(2)]
図7に示すように、同じ燃料蒸発ガス発生量、同じ燃料残量の状態でも、負圧導入開始指令を出力してから実際にパージ制御弁31が開弁して燃料タンク内圧が下がり始めるまでの応答遅れ時間がパージ制御弁31の固体差によって異なることがある。従って、負圧導入開始指令を出力した時点から直ちに負圧導入時間Txの計測を開始すると、パージ制御弁31の個体差による応答遅れ時間の違いによって負圧導入時間Txの計測値が変化してしまう。
【0050】
このような事情を考慮して、本発明の実施形態(2)では、図7に示すように負圧導入開始後に燃料タンク内圧が負圧導入開始当初の圧力P1bから所定圧力αだけ低下した時点から負圧導入時間Txの計測を開始するようにしている。
【0051】
この場合、実際にパージ制御弁31が開弁してから負圧導入時間Txの計測を開始するので、パージ制御弁31の個体差によって応答遅れ時間に違いがあったとしても、その影響を受けずに、同じ基準で負圧導入時間Txを計測することができ、リーク診断精度を更に向上することができる。
【0052】
[実施形態(3)]
図8に示す本発明の実施形態(3)では、負圧導入開始後に燃料タンク内圧が所定の計測開始圧力Pata まで低下した時点から負圧導入時間Txの計測を開始する。この実施形態(3)も、前記実施形態(2)と同じく、実際にパージ制御弁31が開弁してから負圧導入時間Txの計測を開始するので、パージ制御弁31の応答遅れ時間の影響を受けずに、同じ基準で負圧導入時間Txを計測することができる。
【0053】
[実施形態(4)]
上記各実施形態では、燃料タンク17に設けたフューエルセンサ54の出力により燃料タンク17内の燃料残量Fuを検出するようにしたが、図9に示す本発明の実施形態(4)では、負圧下のパージ系21内に大気圧を導入する時の圧力上昇勾配が燃料タンク17内の空間容積にほぼ比例する点に着目して、大気圧導入時の圧力上昇勾配から燃料残量Fuを推定するようにしている。
【0054】
具体的には、図9に示すように、2回目の圧力測定区間(T4〜T5)中の圧力変化量ΔP2 を算出した後、時刻T5で、パージ制御弁31を再度、全開状態に切り換えて負圧を導入する。その後、時刻T6で、パージ制御弁31を全閉状態に戻した後、時刻T7で、キャニスタ閉塞弁26を全開状態に切り換えてパージ系21内に大気圧を導入し、この時の圧力上昇勾配(例えばPc /Tc )から燃料残量Fuを推定する。この圧力上昇勾配から燃料残量Fuを推定する機能が特許請求の範囲でいう燃料残量検出手段に相当する役割を果たす。
【0055】
このようにすれば、フューエルセンサ54の出力を用いなくても、燃料残量を比較的精度良く検出することができ、リーク診断を実施することができる。しかも、この燃料残量Fuの検出方法は、フューエルセンサ54と比べて、車両の傾きによる検出誤差が少ないという利点もある。
【0056】
[実施形態(5)]
前記実施形態(1)では、負圧導入時の吸気管圧力の変化がリーク診断に及ぼす影響を少なくするために、吸気管圧力がほぼ一定又は変化が少ない運転状態であるアイドル運転中又は定常運転中にリーク診断を実行するようにしたが、一般に、アイドル運転中と定常運転中とでは、吸気管圧力が異なるため、他の条件が同じでも、負圧導入時間Txの計測値が異なってくる(図11参照)。
【0057】
この点を考慮して、本発明の実施形態(5)では、図10に示す異常診断プログラムのステップ131a,132,132aの処理によって、アイドル運転時と定常運転時とで、リーク判定条件の補正係数γ算出マップを切り換えるこで、リーク判定条件を補正するようにしている。尚、図10は、異常診断プログラムの後半部の処理を示し、同プログラムの前半部の処理は図2と同じである。
【0058】
本実施形態(5)では、前記実施形態(1)と同様の処理により、圧力変化量ΔP1 ,ΔP2 と燃料残量Fuを検出した後に、図10のステップ131aに進み、アイドル運転中か否かを判定し、アイドル運転中であれば、ステップ132に進み、アイドル運転用の補正係数γ算出マップf(Tx,Fu)を検索して、負圧導入時間Txと燃料残量Fuに応じた補正係数γを求める。一方、アイドル運転中でない場合(定常運転中)には、ステップ132aに進み、定常運転用の補正係数γ算出マップf’(Tx,Fu)を検索して、負圧導入時間Txと燃料残量Fuに応じた補正係数γを求める。その他の処理は、前記実施形態(1)と同じである。
【0059】
以上説明した実施形態(5)では、アイドル運転時と定常運転時とで、吸気管圧力が異なることを考慮して、アイドル運転時と定常運転時とで、リーク判定条件の補正係数γ算出マップを切り換えるようにしたので、負圧導入時の吸気管圧力の変化によって負圧導入時間Txの計測値が変化するのに対応して、リーク判定条件を補正することができ、常に負圧導入時の吸気管圧力に応じた適正なリーク判定条件でリーク診断を精度良く行うことができる。これにより、負圧導入時の吸気管圧力の変化によるリークの誤診断を防止することができて、リーク診断の信頼性を高めることができる。
【0060】
尚、上記実施形態(5)では、アイドル運転時と定常運転時とで、リーク判定条件の補正係数γ算出マップを切り換えるようにしたが、予め、吸気管圧力に応じてリーク判定条件の補正係数γ算出マップ(又は関数式)を2個以上設定しておき、負圧導入時の吸気管圧力に応じてリーク判定条件の補正係数γ算出マップ(又は関数式)を切り換えるようにしても良い。
【0061】
或は、図3のステップ132で、負圧導入時間Txと燃料残量Fuに応じて算出したリーク判定条件の補正係数γを、負圧導入時の吸気管圧力に応じた補正係数F1で補正するようにしても良い。
γ=f(Tx,Fu)×F1
この場合、負圧導入時の吸気管圧力が高くなるほど、吸気管圧力に応じた補正係数F1が小さくなる(補正係数γが小さくなる)ように設定れば良い。
【0062】
また、リーク判定条件の補正係数γを、下記の式に示すように、負圧導入時間Txと燃料残量Fuの他に、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧も考慮してマップ又は関数式により算出するようにしても良い。
γ=f(Tx,Fu,燃料タンク内圧−吸気管圧力)
【0063】
或は、図3のステップ132で、負圧導入時間Txと燃料残量Fuに応じて算出したリーク判定条件の補正係数γを、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧に応じた補正係数F2で補正するようにしても良い。
γ=f(Tx,Fu)×F2
【0064】
この場合、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧(燃料タンク内圧−吸気管圧力)が大きくなるほど、その差圧に応じた補正係数F2が大きくなる(補正係数γが大きくなる)ように設定すれば良い。つまり、吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧が大きくなるほど、負圧導入時にパージ制御弁31を通過する空気流量が増加するため、図11に示すように、吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧が大きくなるほど、負圧導入時間Txが短くなる。従って、負圧導入時間Txと燃料残量Fuの他に、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧も考慮してリーク判定条件の補正係数γを設定すれば、常に負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧に応じた適正なリーク判定条件でリーク診断を精度良く行うことができ、リーク診断の信頼性を更に高めることができる。
【0065】
[実施形態(6)]
上記実施形態(5)では、負圧導入時の吸気管圧力等に基づいてリーク判定条件を補正するようにしたが、本発明の実施形態(6)では、図12に示す異常診断プログラムのステップ123aの処理によって、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧(燃料タンク内圧−吸気管圧力)の平均値を算出し、負圧導入時間Txの計測値を吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧の平均値に応じた補正係数K3で補正する(ステップ124a)。
補正後の負圧導入時間Tx=補正前の負圧導入時間Tx×K3
【0066】
図11に示すように、吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧が大きくなるほど、負圧導入時間Txが短くなるため、燃料タンク内圧と吸気管圧力との差圧が大きくなるほど、負圧導入時間Txに対する補正係数K3が大きくなるように設定する。これにより、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧が異なっても、その差圧の影響を排除した標準的な圧力条件下における負圧導入時間Txを求めることができる。
【0067】
尚、ステップ123aで、負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧の平均値を算出する処理は、次の▲1▼〜▲3▼のいずれかの方法で行えば良い。
▲1▼負圧導入中(負圧導入時間Txの測定中)に、所定のサンプリング周期で、差圧δPiを測定し、負圧導入時間Txの測定終了後に、負圧導入中に測定された差圧δPiの平均値を次式により算出する。
差圧の平均値=Σ(δPi)/N
i=1〜N
N=サンプリング回数
【0068】
▲2▼負圧導入時間Txの測定開始時の差圧と測定終了時の差圧との中間値を平均値とする。
差圧の平均値=(測定開始時の差圧+測定終了時の差圧)/2
【0069】
▲3▼負圧導入中(負圧導入時間Txの測定中)に所定のサンプリング周期で測定した吸気管圧力の平均値を算出すると共に、燃料タンク内圧の平均値を算出し、後者から前者を引き算して差圧の平均値を求める。
差圧の平均値=燃料タンク内圧の平均値−吸気管圧力の平均値
尚、上記ステップ123a,124a以外の処理は、前記実施形態(1)と同じである。
【0070】
以上説明した実施形態(6)では、負圧導入時間Txを吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧の平均値で補正するようにしたので、吸気管圧力と燃料タンク内圧の変化の影響を排除した標準的な圧力条件下における負圧導入時間Txの計測値を求めることができるため、予め設定した標準的なリーク判定条件を用いてリーク診断を精度良く行うことができる。
【0071】
尚、負圧導入時間Txの補正に用いる“差圧の平均値”は、負圧導入中(負圧導入時間Txの測定中)の中間時期に測定した差圧で代用しても良い。例えば、負圧導入中に燃料タンク内圧が最終導入負圧の半分の負圧まで低下した時に測定した燃料タンク内圧と吸気管圧力との差圧を“差圧の平均値”として代用しても良い。
【0072】
或は、差圧の平均値の代わりに、負圧導入時間Txの測定中の所定時期(例えば測定開始時、測定終了時、或は、測定開始から所定時間経過後等)に測定した差圧を用いて負圧導入時間Txを補正するようにしても良い。
【0073】
尚、燃料タンク内圧の変化量は吸気管圧力との差圧と比べて非常に小さく、且つ、燃料タンク内圧は大気圧に近い状態であるので、負圧導入時の吸気管圧力、又は吸気管圧力と大気圧との差圧に基づいて負圧導入時間Txを補正するようにしても良い。
【0074】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、負圧導入時の負圧導入速度(圧力変化率)を評価するために、負圧導入時間Txを計測するようにしたが、これに代えて、例えば、負圧導入開始から所定時間経過後のパージ系21内の圧力(燃料タンク内圧)を検出して、その時の検出圧力(又は負圧導入開始から所定時間経過するまでの圧力低下量)を用いるようにしても良く、要は、負圧導入時の負圧導入速度に関連するパラメータを計測するようにすれば良い。
【0075】
また、リーク判定条件は、前記実施形態(1)で説明した次の条件
ΔP2 >α・ΔP1 +β+γ
に限定されず、適宜変更しても良い。例えば、ΔP2 とα・ΔP1 との差圧を所定の判定値と比較して、ΔP2 −α・ΔP1 >判定値であるか否かでリークの有無を診断するようにしても良い。この場合においても、負圧導入速度と燃料残量に応じて、差圧(ΔP2 −α・ΔP1 )又は判定値を補正するようにすれば良い。また、負圧導入時の吸気管圧力又は負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧に基づいて、ΔP2 −α・ΔP1 又は判定値を更に補正するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)を示すシステム全体の概略構成図
【図2】異常診断プログラムの前半部の処理の流れを示すフローチャート
【図3】異常診断プログラムの後半部の処理の流れを示すフローチャート
【図4】異常診断時のパージ制御弁、キャニスタ閉塞弁、燃料タンク内圧の挙動を説明するタイムチャート
【図5】燃料蒸発ガス発生量と負圧導入時間Txとの関係を示すタイムチャート
【図6】負圧導入時間Txと燃料残量とからリーク判定条件の補正係数γを算出するマップの一例を概念的に示す図
【図7】本発明の実施形態(2)における負圧導入時間Txの計測方法を説明するタイムチャート
【図8】本発明の実施形態(3)における負圧導入時間Txの計測方法を説明するタイムチャート
【図9】本発明の実施形態(4)における燃料残量の検出方法を説明するタイムチャート
【図10】本発明の実施形態(5)で用いる異常診断プログラムの後半部の処理の流れを示すフローチャート
【図11】負圧導入時の吸気管圧力と燃料タンク内圧との差圧と負圧導入時間Tx(補正係数K3)との関係を概略的に示す図
【図12】本発明の実施形態(6)で用いる異常診断プログラムの後半部の処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…スロットルバルブ、16…燃料噴射弁、17…燃料タンク、18…燃料ポンプ、20…圧力センサ、21…パージ系、22…連通管、23…キャニスタ、24…吸着体、26…キャニスタ閉塞弁、30a,30b…パージ通路、31…パージ制御弁、39…制御回路(リーク診断手段,負圧導入速度計測手段)、53…警告ランプ、54…フューエルセンサ(燃料残量検出手段)。

Claims (8)

  1. 燃料タンクと内燃機関の吸気管とを連通する通路に、前記燃料タンク内の燃料が蒸発して生じた燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、このキャニスタから前記吸気管への燃料蒸発ガスのパージを制御するパージ制御弁とを設け、リーク診断時に少なくとも前記燃料タンクと前記キャニスタとを含むパージ系内に所定の圧力を導入して密閉した時の該パージ系の圧力又はその後の圧力変化量を検出してその検出値に基づいて前記パージ系のリークの有無を診断するリーク診断手段を備えた燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置において、
    前記パージ系内に所定の負圧を導入するのに要する負圧導入時間又は負圧導入時の所定時間当たりの圧力変化量又は圧力変化率(以下これらを「負圧導入速度」という)を計測する負圧導入速度計測手段と、
    前記燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量検出手段とを備え、
    前記負圧導入速度計測手段は、負圧導入開始後に前記パージ系の圧力が負圧導入開始当初の圧力から所定圧力だけ低下した時点から前記負圧導入速度の計測を開始し、
    前記リーク診断手段は、前記パージ系のリークの有無を診断する際の判定条件を、前記負圧導入速度と前記燃料残量とに基づいて補正することを特徴とする燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  2. 燃料タンクと内燃機関の吸気管とを連通する通路に、前記燃料タンク内の燃料が蒸発して生じた燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、このキャニスタから前記吸気管への燃料蒸発ガスのパージを制御するパージ制御弁とを設け、リーク診断時に少なくとも前記燃料タンクと前記キャニスタとを含むパージ系内に所定の圧力を導入して密閉した時の該パージ系の圧力又はその後の圧力変化量を検出してその検出値に基づいて前記パージ系のリークの有無を診断するリーク診断手段を備えた燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置において、
    前記パージ系内に所定の負圧を導入するのに要する負圧導入時間又は負圧導入時の所定時間当たりの圧力変化量又は圧力変化率(以下これらを「負圧導入速度」という)を計測する負圧導入速度計測手段と、
    前記燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量検出手段とを備え、
    前記負圧導入速度計測手段は、負圧導入開始後に前記パージ系の圧力が所定の計測開始圧力まで低下した時点から前記負圧導入速度の計測を開始し、
    前記リーク診断手段は、前記パージ系のリークの有無を診断する際の判定条件を、前記負圧導入速度と前記燃料残量とに基づいて補正することを特徴とする燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  3. 前記負圧導入速度計測手段は、前記内燃機関の定常運転中又はアイドル運転中に前記負圧導入速度を計測することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  4. 前記リーク診断手段は、負圧導入時の吸気管圧力に基づいて前記判定条件を補正又は変更する手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  5. 前記リーク診断手段は、負圧導入時の吸気管圧力と前記燃料タンクの内圧とに基づいて前記判定条件を補正又は変更する手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  6. 前記リーク診断手段は、定常運転時とアイドル運転時とで前記判定条件を変更又は補正する手段を有することを特徴とする請求項に記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  7. 前記リーク診断手段は、負圧導入時の吸気管圧力に基づいて前記負圧導入速度の計測値を補正する手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
  8. 前記リーク診断手段は、負圧導入時の吸気管圧力と前記燃料タンクの内圧とに基づいて前記負圧導入速度の計測値を補正する手段を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置。
JP2000055981A 1999-05-21 2000-02-28 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置 Expired - Fee Related JP3555678B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000055981A JP3555678B2 (ja) 1999-05-21 2000-02-28 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置
US09/576,224 US6289880B1 (en) 1999-05-21 2000-05-22 Apparatus for detecting leakage of vapor purge system

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14094299 1999-05-21
JP11-140942 1999-05-21
JP2000055981A JP3555678B2 (ja) 1999-05-21 2000-02-28 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001041116A JP2001041116A (ja) 2001-02-13
JP3555678B2 true JP3555678B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=26473305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000055981A Expired - Fee Related JP3555678B2 (ja) 1999-05-21 2000-02-28 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6289880B1 (ja)
JP (1) JP3555678B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6564780B2 (en) * 2000-06-23 2003-05-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Diagnostic apparatus and method for fuel vapor purge system
JP2003074421A (ja) 2001-09-04 2003-03-12 Denso Corp エバポガスパージシステムのリーク診断装置
KR100482555B1 (ko) * 2002-04-26 2005-04-14 현대자동차주식회사 차량의 연료라인의 연료누출 진단 시스템 및 그 방법
JP4389013B2 (ja) 2003-08-28 2009-12-24 富士重工業株式会社 蒸発燃料処理システムの診断装置および診断方法
JP2005076469A (ja) 2003-08-28 2005-03-24 Fuji Heavy Ind Ltd 蒸発燃料処理システムの診断装置および診断方法
JP4481054B2 (ja) 2004-03-26 2010-06-16 富士重工業株式会社 蒸発燃料処理システムの診断装置
KR100633897B1 (ko) 2004-06-14 2006-10-16 현대자동차주식회사 흡기 시스템에서 피씨에스브이 호스의 리크 및 탈거 감지시스템 및 감지 방법
JP4526901B2 (ja) 2004-08-11 2010-08-18 富士重工業株式会社 蒸発燃料処理システムの診断装置
JP2006104986A (ja) * 2004-10-01 2006-04-20 Fuji Heavy Ind Ltd 過給機付きエンジンの蒸発燃料パージシステム
US9367972B2 (en) * 2014-04-21 2016-06-14 Ford Global Technologies, Llc Method to adjust fuel economy readings for stored energy
CN113931769B (zh) * 2021-10-13 2023-03-24 亚普汽车部件股份有限公司 燃油***的集成式电控组件及燃油***控制方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2254318B (en) 1991-04-02 1995-08-09 Nippon Denso Co Abnormality detecting apparatus for use in fuel transpiration preventing system
US5425344A (en) 1992-01-21 1995-06-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Diagnostic apparatus for evaporative fuel purge system
JP3337271B2 (ja) 1993-06-21 2002-10-21 本田技研工業株式会社 内燃エンジンの蒸発燃料処理装置
JP3322119B2 (ja) * 1996-03-04 2002-09-09 三菱電機株式会社 燃料蒸散防止装置の故障診断装置
US6082337A (en) * 1997-07-11 2000-07-04 Denso Corporation Abnormality detection apparatus for preventing fuel gas emission

Also Published As

Publication number Publication date
US6289880B1 (en) 2001-09-18
JP2001041116A (ja) 2001-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE37895E1 (en) Evaporative fuel-processing system for internal combustion engines
US7717095B2 (en) Evaporative emissions purge control
JP2688674B2 (ja) 燃料タンク内圧センサの故障検出装置及び故障補償装置
US6363921B1 (en) Vacuum leak verification system and method
US5245973A (en) Failure detection device for evaporative fuel purge system
JP3317121B2 (ja) エバポシステムおよびその診断方法
JP4607770B2 (ja) 蒸発燃料処理装置
JP2759908B2 (ja) 内燃エンジンの蒸発燃料処理装置
US20080092858A1 (en) Fuel vapor treatment system
US5355863A (en) Evaporative fuel-processing system for internal combustion engines
US6536261B1 (en) Vacuum leak verification system and method
US6983739B2 (en) Evaporative fuel control system for internal combustion engine
US5398662A (en) Evaporative fuel-processing system for internal combustion engines for vehicles
US7165447B2 (en) Failure diagnostic apparatus for fuel vapor purge system and fuel vapor purge apparatus and combustion engine having failure diagnostic apparatus
JP3555678B2 (ja) 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置
US10927794B2 (en) Active canister purge system and diagnostic method thereof
US6223732B1 (en) Evaporated fuel treatment apparatus for internal combustion engine
US6925855B2 (en) Fuel filling detection
JP3703015B2 (ja) 燃料蒸散防止装置の異常検出装置
JP2007009891A (ja) 車両の燃料系リーク診断装置
JP4186258B2 (ja) 燃料タンクに配置されるセンサの異常診断装置
JP4103185B2 (ja) 圧力センサの異常診断装置
JP3948002B2 (ja) エバポガスパージシステムの異常診断装置
US6862516B2 (en) Fuel gas purge system having failure diagnostic function in internal combustion engine
JPH11344411A (ja) 燃料蒸発ガスパージシステムのリーク診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040505

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110521

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120521

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120521

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees