JP3555515B2 - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱電材料の製造方法に関し、特に、結晶粒が小さく低抵抗方位に配向が揃った高性能な熱電材料を効率良く製造することができる熱電材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、結晶粒が小さく、低抵抗配向の良い高性能な熱電材料をなるべく効率良く製造したいという要求がある。熱電材料は液体急冷法等により薄膜又は粉末にし、これを固化成形する焼結工程を経て製造される。この熱電材料の製造工程における焼結工程において、熱電材料の加熱方式には熱電材料の周囲に配置されたヒータにより加熱するヒータ加熱方式、熱電材料を誘導加熱する誘導加熱方式又は熱電材料に通電して加熱する通電加熱方式等が使用されている。図6は固化成形後の熱電材料の温度測定位置を示す模式図である。表1は各加熱方式により、直径が50mmの熱電材料を500℃まで加熱したときの熱電材料10の中心部7と端部8との温度差を測定し、この測定結果による均熱性の評価を示す。なお、表1中で昇温速度の欄の括弧内は熱電材料が500℃に達するまでの昇温時間を示し、均熱性の欄の括弧内は直径が50mmの熱電材料10の中心部と端部との温度差を示す。
【0003】
【表1】
Figure 0003555515
【0004】
表1に示すように、ヒータ加熱方式では、均熱性は良いものの、昇温速度が遅いため、焼結が進み過ぎ結晶粒の粗大化を招く。また、通電加熱方式又は誘導加熱方式では、昇温速度は速いが均熱性が悪いため、例えば、直径が50mm以上の大きな材料については、焼結不可能である。
【0005】
工業的に効率良く生産するためには、昇温速度が速く、均熱性が高いことが要求されているが、上記表1に示すように、従来の加熱方法では満足するものがなかった。更に、熱電材料からどの部分を切り出して素子とするかによっては、性能のバラツキが生じ、歩留まりが悪いという問題があった。
【0006】
そこで、従来、上述の問題点の一部を解決すべく、種々の技術が提案されている(特開平9−214007号公報等)。
【0007】
特開平9−214007号公報には、ホットプレスによる結晶化可能な温度で3分以内の短い時間内でホットプレスによる焼結を行い、プレス後直ちに焼結品を少なくとも結晶化の進まない温度まで強制冷却する熱電材料の製造方法が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のホットプレスによる熱電材料の製造方法(特開平9−214007号公報)においては、結晶化可能な温度に昇温するときの昇温時間の短縮が困難であるという問題点がある。特に、熱電材料が大型化するほど昇温時間の短縮の困難さが顕著になる。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、結晶粒が小さく低抵抗方位の配向の良い高性能な熱電材料を効率良く製造することができる熱電材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る熱電材料の製造方法は、熱電原料を液体急冷法により薄膜又は粉末にする工程と、これにより得られた薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程とを有することを特徴とする。
【0011】
この場合、前記熱電原料を液体急冷法により薄膜又は粉末にする工程の後工程として、前記薄膜又は粉末を粉砕する工程を有することが好ましい。
【0012】
また、前記熱電原料はBi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有することが好ましい。
【0013】
更に、前記熱電原料は更にI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有させて、キャリア密度の制御が可能である。
【0014】
更にまた、前記薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程は、温度をT(℃)、圧力をP(kgf/cm)、昇温時間をt(分)とするとき、前記Tが200≦T≦400のとき、前記Pは−(39/20)×T+790≦Pであり、前記Tが400<T≦600のとき、前記Pは10≦Pであり、前記Tが200≦T≦600のとき、前記tは1≦t≦−(30/200)×T+180である条件で前記薄膜又は粉末を固化成形するものであることが好ましい。
【0015】
また、前記薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程は、押圧方向に長軸が延びた結晶粒からなる結晶組織を形成し、この結晶粒の長軸の平均結晶粒径Dと短軸の平均結晶粒径dとの比であるアスペクト比D/dが1.5以上であり、長軸の平均結晶粒径Dが30μm以下となる条件で前記薄膜又は粉末を固化成形するものであることが好ましい。
【0016】
本発明においては、熱電原料を通電加熱により直接加熱する方法と間接的に加熱する方法とを併用して加熱し、固化成形しているため、元来、結晶粒径の小さい液体急冷法による薄膜又は粉末を短時間で結晶粒を増大させることなく昇温することができると共に、均一に加熱することができるので、結晶粒径が小さく低抵抗方位の配向の良い熱電材料を効率良く製造することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例に係る熱電材料の製造方法について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の熱電材料を製造する装置を示す模式図である。
【0018】
図1に示すように、チャンバ1内に中空円筒状の第1のダイス2がその軸方向を垂直にして配置されている。この第1のダイス2の上下開口端に1対の中実円柱状の第2のダイス3が摺動可能に嵌合されている。この第1のダイス2の内部の第2のダイス3により囲まれる焼結空間5に熱電材料が充填される。各第2のダイス3には第2のダイス3を移動させ熱電材料を加圧すると共に、焼結空間5内に収納された熱電材料に通電して熱電材料を直接加熱する電極4が設けられている。この電極4には上下端に油圧装置(図示せず)が接続されている。また、第1のダイス2の周囲には熱電材料を間接加熱する抵抗加熱体6(ヒータ)が配置されている。なお、本実施例においては、通電加熱とは、上下の電極4を介して熱電材料に電流を流し、第1のダイス2、第2のダイス3及び熱電材料のジュール熱の発生により加熱するものである。また、間接加熱とは、熱電材料並びに第1のダイス2及び第2のダイス3を取り囲むように配置された抵抗加熱体6に電流を流し、発熱した抵抗加熱体6をヒータとして熱電材料並びに第1のダイス2及び第2のダイス3を加熱するものである。
【0019】
次に、本実施例に係る熱電材料の製造方法について説明する。
【0020】
先ず、例えば、Bi0.5Sb0.5Te0.5からなる熱電材料を溶解し、液体急冷法により薄膜又は粉末にし、必要に応じて更に得られた薄膜又は粉末を粉砕し、この薄膜又は粉末を第1のダイス2と第2のダイス3とにより形成される焼結空間5に充填する。次に、電極4に電流I、一方の抵抗加熱体6に電流I及び他方の抵抗加熱体6に電流Iを通電し、ダイス3により熱電材料を加圧しながら、より結晶粒が粗大化しない所定の温度まで熱電材料を加熱して焼結する。
【0021】
このように、本実施例においては、電極4への通電による直接加熱と、第1のダイス2の周囲に形成された抵抗加熱体6による間接加熱とを併用して所定の温度まで短時間で加熱することにより、液体急冷法により低抵抗方位に配向されて焼結空間5に充填された熱電原料の結晶粒径を粗大化させず、結晶粒径が小さいままで配向を崩さずに熱伝導率が小さくなるように焼結を行うことができるため、性能が優れた熱電材料10を製造することができる。これにより、熱電材料10の性能指数が向上し高性能化を図ることができる。
【0022】
また、本実施例においては、第1のダイス2及び第2のダイス3は、例えば、超硬合金又はグラファイトで形成される。また、焼結空間5の大きさ、即ち、焼結される熱電材料10の大きさは、例えば、直径が50乃至100mmで厚さが50mmである。温度は500℃、圧力は0.5乃至6tonf/cmであり、チャンバ1内の雰囲気は、例えば、1×10−2torrの真空とするか、又はアルゴンガスによりパージしたものとする。
【0023】
図2は横軸に時間をとり、縦軸に温度をとって、本発明の実施例に係る焼結方法による昇温変化と、従来の通電加熱方式による焼結方法による昇温変化を示すグラフ図である。なお、図中、実線は本実施例、破線は従来例を示す。
【0024】
図2に示すように、本実施例では、500℃まで5分で到達し、均熱性は10℃と良好であった。一方、従来例では500℃まで30分かかり、温度が下がる時間も本実施例より長い。
【0025】
以下、本発明に係る熱電材料の製造方法の数値限定理由について説明する。
【0026】
固化形成条件
温度をT(℃)、圧力をP(kgf/cm)、昇温時間をt(分)とするとき、固化成形条件は下記数式1乃至数式3のように示すことができる。図3は縦軸に圧力、横軸に温度をとり、本発明の実施例に係る熱電材料の固化成形条件の範囲を示すグラフ図である。図4は縦軸に昇温時間、横軸に温度をとり、本発明の実施例に係る熱電材料の固化成形条件の範囲を示すグラフ図である。
【0027】
【数1】
−(39/20)×T+790≦P
但し、200≦T≦400
【0028】
【数2】
10≦P
但し、400<T≦600
【0029】
【数3】
1≦t≦−(30/200)×T+180
但し、200≦T≦600
【0030】
図3に示すように、温度が200乃至400℃である領域Dでは、圧力が低く焼結が不十分となり、比抵抗が高くなり、性能指数が低下するため、温度が200乃至400℃である場合、圧力が−(39/20)×T+790kgf/cm以上であることが好ましい。
【0031】
また、圧力が低く焼結が不十分となり、比抵抗が高くなると共に性能指数が低下するため、温度が400℃を超え600℃以下では、圧力が10kgf/cm以上であることが好ましい。
【0032】
更に、図4に示すように、温度が200乃至600℃である場合、生産的に時間がかかり過ぎ、効率が悪く結晶粒が粗大化してしまうので、昇温時間は−(30/200)×T+180分以下であることが好ましい。また、熱電原料の温度分布を均一にするのが困難であるため、昇温時間は1分以上であることが好ましい。
【0033】
結晶粒:アスペクト比D/dが1.5以上であり、長軸の平均結晶粒径Dが30μm以下
結晶粒のアスペクト比が1.5以上の場合に、加圧方向に平行の方向の比抵抗ρが大きく低下する。この比抵抗ρが低下するということは、性能指数が向上することを意味する。また、性能指数は、長軸の平均結晶粒径が30μm以下の場合に、極めて高くなる。このため、結晶粒径はアスペクト比D/dが1.5以上であり、長軸の平均結晶粒径Dが30μm以下とすることが好ましい。なお、短軸の平均結晶粒径dが10μm以下の場合には、比抵抗ρと熱伝導率κとの積ρ×κが低くなる。このため、性能指数が極めて高くなる。従って、短軸の平均結晶粒径dは10μm以下とすることが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下、本実施例方法により製造された熱電材料の実施例について、その特性を比較例と比較して具体的に説明する。
【0035】
第1実施例
各熱電材料の固化形成方法により、2.1tonf/cmの圧力で、温度を350℃まで昇温させて直径が50mmの熱電材料を形成した。このときの熱電材料の中心部及び端部の相対密度の変化を測定した。図5は縦軸に相対密度、横軸に昇温時間をとり、熱電材料の中心部及び端部の相対密度の変化を示すグラフ図である。なお、図5中、6本の棒グラフのうち、一番左側は実施例における中心部の相対密度を示し、左から2番目は実施例の端部の相対密度を示し、左から3番目は通電による中心部の相対密度を示し、左から4番目は通電による端部の相対密度を示し、左から5番目はヒータによる中心部の相対密度を示し、一番右側はヒータによる端部の相対密度を示す。
【0036】
相対密度は昇温時間が、1分、5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8との相対密度及び相対密度差(相対密度のバラツキ)を測定した。これらの結果を表2及び図5に示す。
【0037】
【表2】
Figure 0003555515
【0038】
上記表2及び図5に示すように、実施例1では短時間で中心部と端部とでばらつくことなく相対密度を向上させることができた。一方、ヒータ加熱による方式及び通電加熱による方式では、短時間でばらつくことなく相対密度を向上させることができず、相対密度差Δが大きくなった。ヒータ加熱による方式ではヒータに近い端部から温度が上昇するため、端部の方が相対密度が高くなり、相対密度にバラツキが生じた。また、通電加熱による方式では、中心部から温度が上昇するため、中心部の相対密度が高くなり、相対密度にバラツキが生じた。
【0039】
第2実施例
各熱電材料の固化形成方法により、設定温度を510℃とし、圧力を1.5tonf/cmの圧力でアルゴン雰囲気中で昇温させて直径が50mmの熱電材料を形成した。このときの熱電材料の中心部及び端部の粒径及び熱伝導率の変化を測定した。
【0040】
粒径は昇温時間が、5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8とについて測定した。
【0041】
熱伝導率は昇温時間が、5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8とについて真空理工社製のレーザフラッシュを使用して測定した。また、中心部と端部との熱伝導率の差を測定した。これらの結果を表3に示す。なお、表3中のδは中心部と端部との熱伝導率の差を示す。
【0042】
【表3】
Figure 0003555515
【0043】
上記表3に示すように、実施例2は中心部と端部との温度差が小さく、粒成長も同等になり、このため、熱伝導率のバラツキが小さくすることができた。一方、ヒータ加熱ではヒータに近い端部から温度が上昇するため、外側の端部の方が粒成長しやすく、粒径にバラツキが生じたため、熱伝導率にバラツキが生じた。また、昇温時間が5分では温度が十分に上がらないため、未焼結になり、端部の熱伝達率は低くなった。通電加熱では、中心部から温度が上昇するため、中心部の粒成長しやすく、端部との粒径にバラツキが生じたため、熱伝導率にバラツキが生じた。
【0044】
第3実施例
本実施例方法により表4に示す温度及び圧力の条件で熱電材料を形成した。第1実施例と同様に、このときの熱電材料の中心部及び端部の相対密度及び相対密度差の変化を測定した。
【0045】
相対密度は昇温時間が、第1実施例と同様に1分、5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8との相対密度及び相対密度差を測定した。これらの結果を表4に示す。
【0046】
なお、実施例3の組成はBi1.85Sb0.1Te2.85Se0.15+0.1重量%SbIであり、実施例4の組成はBiTe2.55Se0.15+0.1重量%HgBrであり、比較例7の組成はBiTe2.65Se0.35+0.1重量%SbIであり、比較例8の組成はBiTe2.65Se0.35+0.1重量%HgBrである。
【0047】
【表4】
Figure 0003555515
【0048】
上記表4に示すように、本発明の範囲に入る実施例3及び4は相対密度が昇温開始まもなくから、相対密度差Δが小さく、熱電材料の相対密度を上昇させることができた。
【0049】
一方、比較例7は本発明の請求項1は満足するものの、圧力が請求項5の範囲を超えているので、相対密度にバラツキが生じ、相対密度差が実施例3及び4に比べて大きかった。
【0050】
比較例8は請求項1は満足するものの、圧力が請求項5の範囲未満であるため、相対密度が十分に上がることがないと共に、相対密度にバラツキが生じ、相対密度差が実施例3及び4に比べて大きかった。
【0051】
第4実施例
本実施例方法により表5に示す温度及び圧力の条件で熱電材料を形成した。このときの熱電材料の中心部及び端部の粒径及び熱伝導率の変化を測定した。
【0052】
粒径については昇温時間が、第2実施例と同様に5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8とについて粒径を測定した。
【0053】
熱伝導率については昇温時間が、5分、10分及び15分後の各時間において図6に示すように、熱電材料10の中心部7と端部8とについて真空理工社製のレーザフラッシュを使用して熱伝導率を測定した。また、中心部と端部との熱伝導率の差を測定した。これらの結果を表5に示す。なお、表3中のδは中心部と端部との熱伝導率の差を示す。
【0054】
なお、実施例5の組成はBi1.9Sb0.1Te2.85Se0.15+0.1重量%SbIであり、実施例6の組成はBiTe2.65Se0.35+0.1重量%SbIであり、比較例9の組成はBiTe2.65Se0.35+0.1重量%HgBrであり、比較例10の組成はBi1.8Sb0.2Te2.85Se0.15+0.1重量%SbIである。
【0055】
【表5】
Figure 0003555515
【0056】
上記表5に示すように、本発明の請求項1乃至5を満足する実施例5及び6は平均粒径が小さく、熱伝導率が高いと共に、熱伝導率のバラツキを小さくすることができた。
【0057】
一方、比較例9は本発明の請求項1は満足するものの、圧力が請求項5の範囲を超えているので、熱伝導率が実施例5及び6に比べて僅かに低かった。
【0058】
比較例10は請求項1は満足するものの、圧力が請求項5の範囲未満であるため、熱伝導率のバラツキが実施例5及び6に比べて僅かに大きかった。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明においては、熱電原料を通電加熱方法及び間接加熱方法を併用して加熱し、固化成形しているため、元来、結晶粒径の小さい液体急冷法による薄膜又は粉末を短時間で均一に昇温することができるので、結晶粒径の増大を防止し、結晶粒径が小さく低抵抗方位の配向の良い熱電材料を効率良く製造することができる。
【0060】
また、結晶粒を粗大化せずに焼結できるため、熱伝導率が小さく液体急冷法により低抵抗方位に配向された熱電原料の配向を崩さずに焼結できるため、抵抗が小さくなる。これにより、熱電材料の性能指数が向上し高性能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱電材料を製造する装置を示す模式図である。
【図2】横軸に時間をとり、縦軸に温度をとって、本発明の実施例に係る焼結方法による昇温変化と、従来の通電加熱方式による焼結方法による昇温変化を示すグラフ図である。
【図3】縦軸に圧力、横軸に温度をとり、本発明の実施例に係る熱電材料の固化成形条件の範囲を示すグラフ図である。
【図4】縦軸に昇温時間、横軸に温度をとり、本発明の実施例に係る熱電材料の固化成形条件の範囲を示すグラフ図である。
【図5】縦軸に相対密度、横軸に昇温時間をとり、熱電材料の中心部及び端部の相対密度の変化を示すグラフ図である。
【図6】固化成形後の熱電材料の温度測定位置を示す模式図である。
【符号の説明】
1;チャンバ、 2;第1のダイス、 3;第2のダイス、 4;電極、 5;焼結空間、 6;抵抗加熱体、 7;中心部、 8;端部、 10;熱電材料、D;領域

Claims (6)

  1. 熱電原料を液体急冷法により薄膜又は粉末にする工程と、これにより得られた薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程とを有することを特徴とする熱電材料の製造方法。
  2. 前記熱電原料を液体急冷法により薄膜又は粉末にする工程の後工程として、前記薄膜又は粉末を粉砕する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電材料の製造方法。
  3. 前記熱電原料はBi及びSbからなる群から選択された少なくとも1種の元素と、Te及びSeからなる群から選択された少なくとも1種の元素とを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電材料の製造方法。
  4. 前記熱電原料は更にI、Cl、Hg、Br、Ag及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
  5. 前記薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程は、温度をT(℃)、圧力をP(kgf/cm)、昇温時間をt(分)とするとき、前記Tが200≦T≦400のとき、前記Pは−(39/20)×T+790≦Pであり、前記Tが400<T≦600のとき、前記Pは10≦Pであり、前記Tが200≦T≦600のとき、前記tは1≦t≦−(30/200)×T+180である条件で前記薄膜又は粉末を固化成形するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
  6. 前記薄膜又は粉末を通電加熱方法と間接加熱方法とを併用して加熱し固化成形する工程は、押圧方向に長軸が延びた結晶粒からなる結晶組織を形成し、この結晶粒の長軸の平均結晶粒径Dと短軸の平均結晶粒径dとの比であるアスペクト比D/dが1.5以上であり、長軸の平均結晶粒径Dが30μm以下となる条件で前記薄膜又は粉末を固化成形するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱電材料の製造方法。
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