JP3555303B2 - レドックス電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レドックスフロー型二次電池(略して、「レドックス電池」と呼ぶことがある)に関するものであり、特に該電池に使用する液透過性多孔質電極の改良に関するものである。
【0002】
[発明の背景]
現在、化石燃料の大量使用による大気中炭酸ガス濃度の増加が著しく、地球の温暖化が大きな問題となっている。このために、クリーンなエネルギー源である太陽電池の開発が活発に行われているが、太陽電池は、夜間や雨天時は発電できないため太陽電池と組み合わせる高性能な2次電池の開発が待たれている。
一方、従来の発電設備に於いても夜と昼等で電力需要の差が大きく、需要のピークにあわせて発電能力を備えねばならないため、発電設備の負荷率は低下している。そのため大型の電力貯蔵電池により夜間電力を貯蔵し、昼間活用することで運転負荷の平滑化を図り、発電設備の負荷率を上げて効率的な運転を行うことが必要になってきており、大型の電力貯蔵電池の開発が待たれている。
さらには、電気自動車等の移動体電源に適した出力密度の大きい二次電池の開発も待たれている。
レドックス電池はタッピングによって太陽電池の出力電圧に合わせて充電できることや、構造が比較的シンプルで大型化しやすい等の特徴を持つために、上記の用途に適した新型の二次電池として有望である。
【0003】
【従来の技術】
レドックスフロー型二次電池とは、電池活物質が液状であり、正極及び負極の電池活物質を液透過型の電解槽に流通せしめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものであり、従来の二次電池と比べレドックスフロー型二次電池は次の利点を有する。
(1) 蓄電容量を大きくするためには、貯蔵容器の容量を大きくし、活物質量を増加させるだけでよく、出力を大きくしない限り、電解槽自体はそのままでよい。
(2) 正、負極活物質は容器に完全に分離して貯蔵できるので、活物質が電極に接しているような電池と異なり、自己放電の可能性が小さい。
(3) 本電池で使用する液透過型炭素多孔質電極においては、活物質イオンの充放電反応(電極反応)は、単に、電極表面で電子の交換を行うのみで、亜鉛−臭素電池における、亜鉛イオンのように電極に析出することはないので、電池の反応が単純である。
【0004】
しかし、レドックスフロー型二次電池でも従来開発が行われてきた鉄−クロム系電池は、エネルギー密度が小さく、イオン交換膜を介して鉄とクロムが混合するなどの欠点があるために実用化に至っていない。
そのため全バナジウムレドックスフロー型電池(J.Electrochem.Soc., 133
1057(1986)、特公昭62−186473号公報)が提案されており、この電池は、鉄−クロム系電池電池に比して起電力が高く、容量密度が大きく、また電解液が一元素系であるために、隔膜を介して正極液及び負極液が相互に混合しても充電によって簡単に再生することができ、電池容量が低下せず、電解液を完全にクローズド化できる等の利点を持っている。
【0005】
しかしながら、この全バナジウムレドックスフロー型電池でも、セル抵抗率を小さくし、比較的高い電流密度においても高い電力効率を維持し、かつ電解液を透過させるためのポンプ動力を小さくしてエネルギー効率を高くする必要があるが、従来の全バナジウムレドックスフロー型電池では不十分であった。
正極室及び負極室のセル厚を薄くして電池セルの内部抵抗を低減すると、電解液を透過させるためのポンプ動力が大きくなり、エネルギー効率は低下する。逆に、正極室及び負極室のセル厚を厚くして電解液を透過させるためのポンプ動力を小さくすると、電池セルの抵抗が大きくなり電力効率が低下する。
例えば、従来はセルの内部抵抗を低減するために液透過性多孔質電極を過剰に押圧し、セルの厚さを薄くする方法、反応性液透過性多孔質電極の炭素繊維を高密度に充填し、単位体積あたりの酸化還元反応の活性化点の総数を増加させる方法、電解液の酸濃度を上げ電解液の電導度を上げる方法等が試みられていた。
一方、シャント電流損失を低減するためには、電解液導入口のスリットの長さを長くし、断面積を小さくする方法が用いられた。
【0006】
しかし、液透過性多孔質電極を過剰に押圧し、セルの厚さを薄くする方法、高密度に充填し単位体積あたりの活性点を増加させる方法、電解液の酸濃度を上げる方法および電解液導入口のスリットの長さを長くして断面積を小さくする方法等は、すなわちポンプ動力損失を増大することであり、上記方法によって充放電の効率を向上してもポンプ動力損失によって全体のエネルギー効率は、減少してしまう結果になっていた。
また、特開平2−148659号公報では、集電炭素板に電解液の流通方向に沿って通液溝を形成し、特開平2−148658号公報では、多孔質電極材と隔膜の間に液流通性の高い多孔質絶縁材を配置してポンプ動力損失を低減している。しかし、この時のセル抵抗は、1.8Ωcm2程度と高く、高い電流密度で用いることができず、また電力効率が低く、全体のエネルギー効率も低いものであった。
従って、電池セルの抵抗を低減でき、電力効率が高く、電解液を透過させるためのポンプ動力が小さく、エネルギー効率の大きなレドックスフロー型電池の開発が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明者等は、電池セルの抵抗を低減でき、電力効率が高く、電解液を透過させるためのポンプ動力が小さく、エネルギー効率の大きなレドックスフロー型電池の開発について鋭意検討した結果、本発明に到達したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明によれば、隔膜によって分離され且つ液透過性多孔質電極が配設された正極室と負極室に、正極液と負極液を通液して酸化還元反応を行い充放電する液循環式型のレドックス電池において、該液透過性多孔質電極が下記のA層およびB層の少なくとも二層からなり、該B層が隔膜側に配置されることを特徴とするレドックス電池が提供される。
A層:水素/炭素の原子比が0.3以下であり、嵩密度が0.01〜1.60g/ccであり且つその表面に電解液が流れる溝が形成されているシート状の炭素成形体層
B層:X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37〜3.80Åであり、繊維径が0.5〜35μmであり且つ表面積が0.5〜3000m2/gである炭素繊維層
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のレドックス電池においては、正極室および負極室の液透過性多孔質電極が上記A層およびB層の少なくとも二層から成るものである。
A層を構成する炭素は、水素/炭素の原子比が0.30以下である。好ましくは水素/炭素の原子比が0.20以下、さらに好ましくは0.15以下、特に好ましくは0.10以下、最も好ましくは0.08以下である。
水素/炭素の原子比が0.30を越えると、A層の導電性が低くなり電池セルの抵抗が高くなる。
【0010】
A層は、嵩密度が0 . 12〜1 . 40g/ccの炭素からなる。嵩密度は、好ましくは0.15〜1.20g/cc、さらに好ましくは0.16〜1.10g/cc、特に好ましくは0.18〜1.00g/cc、最も好ましくは0.20〜0.08g/ccである。
嵩密度が0.12g/cc未満であると機械的強度が小さくなり、また電極と集電体との接触抵抗が大きくなる。嵩密度が1.40g/ccを越えると電極を流れる電解液の圧力損失が大きくなったり、電圧効率や電力効率が低下する。
【0011】
A層は、下記式で定義される空隙率が10〜90%、好ましくは20〜80%、より好ましくは25〜75%、さらに好ましくは30〜70%、特に好ましくは35〜65%、最も好ましくは40〜60%である。
空隙率(%)=[1−(嵩密度/真密度)]×100
空隙率が10%未満であると機械的強度が小さくなり、また電極と集電体との接触抵抗が大きくなる。空隙率が90%を越えると電極を流れる電解液の圧力損失が大きくなったり、電圧効率や電力効率が低下する。
【0012】
A層は、シート状成形体であって、該シート状成形体の表面に電解液が流れる方向に溝が形成されている。該溝は、A層の表面に、一方の端部から他方の端部ヘ、複数個が、好ましくは互いに平行に形成される。また、溝はA層の片面又は両面に形成することができる。
電解液は、A層のシート状成形体の表面に形成された溝を優先的に伝わって、一方の端から反対の端に向かって流れる。A層の表面に良好な電解液の流れを形成させるには、A層の溝がその開口部をB層の側に向くように設置することが好ましい。
溝の形状は、溝の長さ方向に垂直な断面の形状が正方形、長方形、三角形、台形などの形状を有することができる。
【0013】
A層表面における溝の全表面積(S1)と炭素成形体層(A層)の全表面積(S0)の割合(S1/S0)は、好ましくは0.2〜0.5、より好ましくは0.03〜0.35、さらに好ましくは0.04〜0.30、特に好ましくは0.05〜0.25、最も好ましくは0.06〜0.20である。S1/S0の値が0.02未満であると、電極を流れる電解液の流動圧損が大きくなり、0.50を越えると電池のセル抵抗が増大する。
【0014】
前記炭素成形体層の表面に形成された溝の断面が長方形である場合、溝幅(W1)及び2つの溝間隔(W0)の和と該層の長さ(L)の比率[(W1+W0)/L]は、好ましくは0.002〜0.20、より好ましくは0.005〜0.12、さらに好ましくは0.008〜0.10、特に好ましくは0.010〜0.05、最も好ましくは0.012〜0.03である。該比率が0.002未満であると、電極表面への溝の付設、形成が複雑となりコスト高となる。該比率が0.20を越えると、電解液の流れの分布が不均一となる。
【0015】
前記炭素成形体層の表面に形成された溝幅(W1)と2つの溝間隔(W0)の比率[W1/W0]は、好ましくは0.01〜0.40、より好ましくは0.03〜0.35、さらに好ましくは0.04〜0.30、特に好ましくは0.05〜0.25、最も好ましくは0.06〜0.20である。
【0016】
A層は、シート状成形体の端部から端部へ貫通する複数の直方体の溝を有する場合、溝の深さ(H1)とA層の厚み(H0)の比(H1/H0)は、好ましくは0.05〜0.95、より好ましくは0.10〜0.90、さらに好ましくは0.15〜0.80、特に好ましくは0.20〜0.70、最も好ましくは0.25〜0.60である。
【0017】
A層の溝の長さ方向に垂直な断面での溝の断面積(S1)とA層の断面積(S0)との比(S1/S0)は、好ましくは0.008〜0.20であり、より好ましくは0.010〜0.18であり、さらに好ましくは0.012〜0.10、特に好ましくは0.010〜0.08、最も好ましくは0.008〜0.05である。
【0018】
さらに、A層は、好ましくはシート状炭素成形体からなる集電体と一体化されていることである。この場合、集電体のシート状炭素成形体は、グラッシーカーボン等からなり、導電性の高い炭素成形体である。A層と集電体のシート状炭素成形体を、例えばピッチ、フェノール樹脂等のバインダーで接着した後バインダーを炭素化することで、A層と集電体のシート状炭素成形体を一体化することができる。
また同様にしてA層とB層を一体化することもできる。
【0019】
A層に相当するシート状炭素成形体層において、それを構成する炭素は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が好ましくは3.35〜3.75Åであり、より好ましくは3.36〜3.70Å、さらに好ましくは3.37〜3.65Å、特に好ましくは3.38〜3.63Å、最も好ましくは3.40〜3.62Åである。(002)面の面間隔(d002)が3.75Åを越えると、導電性が低く電池セルの抵抗を低減することができない。
また、A層を構成する炭素は、X線広角回折法によるC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が、好ましくは8〜1000Åであり、より好ましくは10〜700Å、さらに好ましくは11〜500Å、さらにより好ましくは12〜400Å、特に好ましくは13〜300Å、最も好ましくは14〜200Åである。過度にC軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が小さいと導電性が低く、電池セルの抵抗が高くなるので好ましくない。
【0020】
A層は、厚みが好ましくは0.5〜20mm、より好ましくは1.0〜10mm、さらに好ましくは1.2〜5mm、特に好ましくは1.4〜3mm、最も好ましくは1.5〜2.5mmである。
A層の厚みが過度に小さいと電極の機械的強度が小さくなり、。厚みが過度に大きいと電極反応の速度が遅くなり、セル抵抗率が大きくなる。
【0021】
A層は上記したような特性を有することから、電気伝導性に優れ、電解液を透過させるためのポンプ動力が低減され、セル抵抗率を小さくする機能を有する。
【0022】
A層は、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、セルロース、アクリル樹脂、ピッチ等から多孔質又は発泡状のシートを成形し、得られた成形体を不活性ガス中で、500〜3000℃の温度で加熱処理することにより得られる。
加熱処理は、先ず成形体を500〜1200℃、好ましくは600〜1100℃の温度に加熱して炭素化した後、1200〜3000℃、殊に2000〜3000℃の温度で処理して黒鉛化を行うことが好ましい。
【0023】
本発明の液透過性多孔質電極を構成する、B層に相当する炭素繊維層は、X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37〜3.80Åのものである。(002)面の面間隔(d002)は、好ましくは3.40〜3.78Å、より好ましくは3.43〜3.76Å、さらに好ましくは3.45〜3.75Å、特に好ましくは3.48〜3.73Å、最も好ましくは3.50〜3.70Åである。B層の(002)面の面間隔(d002)が3.37Å未満であると該層の電極反応性が小さくなり、3.80を越えると炭素の導電性が低下し、電池のセル抵抗を増大させる。
【0024】
B層を構成する炭素は、C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が、好ましくは5〜180Å、より好ましくは6〜150Å以下、さらに好ましくは7〜100Å以下、特に好ましくは8〜70Å、さらに特に好ましくは8〜50Å、最も好ましくは9〜35Åである。C軸方向の結晶子の大きさ(Lc)が180Åを越えると、該層の電極反応性が小さくなり、5Å未満では炭素の導電性が低下し、電池のセル抵抗を増大させる。
【0025】
B層を構成する炭素は、繊維径0.5〜35μmの炭素繊維からなる。該繊維径は好ましくは0.7〜30μm以下であり、より好ましくは1〜25μm、さらに好ましくは2〜20μm、特に好ましくは3〜15μm、最も好ましくは5〜12μmである。繊維径が過度に小さいと機械的強度が劣り、過度に大きいと繊維としての柔軟性がなくなる。
【0026】
B層の表面積(BET法)が0.5〜3000m2 /g以上、好ましくは1〜2000m2/g以上、より好ましくは3〜2000m2/g、さらに好ましくは5〜1000m2/g、特に好ましくは7〜500m2/g、最も好ましくは10〜100m2/gである。表面積が過度に小さいと、電極反応速度が遅くなって高電流密度での充放電がしづらくなる。表面積が過度に大きいと、電極の機械的強度が小さくなる。
【0027】
B層の嵩密度は、好ましくは0.04〜0.50g/cc、より好ましくは0.05〜0.45g/cc、さらに好ましくは0.06〜0.40g/cc、特に好ましくは0.08〜0.35g/cc、最も好ましくは0.09〜0.32g/ccである。
【0028】
B層は、真密度が好ましくは0.90〜2.10g/cc、より好ましくは0.95〜2.05g/cc、さらに好ましくは1.00〜2.00g/cc、特に好ましくは1.10〜1.95g/cc、最も好ましくは1.15〜1.90g/ccである。真密度が過度に大きいと、電極表面での反応性が小さくなる。真密度が過度に小さいと、電極の電気伝導性が悪くなり高電流密度での充放電がしづらくなる。
【0029】
さらに、B層はその表面の酸素原子と炭素原子の原子比(O/C)が0.02〜0.40であることが好ましい。炭素繊維表面の酸素原子と炭素原子の原子比(O/C)は、より好ましくは0.03〜0.35、特に好ましくは0.05〜0.30、最も好ましくは0.06〜0.20である。原子比が0.20未満であると電極の反応活性が低下し、0.40を越えると炭素の電気抵抗及び電池のセル抵抗が増大する。なお、O/C比は、X線光電子分光法(ESCA)により測定されるものをいう。
【0030】
また、B層は、好ましくは水素/炭素の原子比が0.06〜0.50より好ましくは0.08〜0.45、さらに好ましくは0.10〜0.40、特に好ましくは0.11〜0.35、最も好ましくは0.12〜0.30である。
水素/炭素の原子比が過度に小さいと、電極の反応性が小さくなり、好ましくない。
【0031】
B層は、各種形状であることができるが、フェルト状、スダレ編み状、メリアス編み状等の形態であることが好ましい。
B層の厚みは、好ましくは0.3〜10mm、より好ましくは0.5〜8mm、さらに好ましくは0.7〜5mm、特に好ましくは0.8〜3mm以下、最も好ましくは1.0〜2.5mm以下である。B層の厚みが過度に小さいと、電極反応速度が不十分となり、セル抵抗率を小さくすることが困難となる。厚みが過度に大きいと、電解液を透過させるためのポンプ動力が小さくできない。
B層は上記したような特性を有することから、高い電極反応性を有する。
【0032】
B層に相当する炭素繊維層は、フェノール樹脂、セルロース、アクリル樹脂、ピッチ等からなる繊維を不活性ガス中で、500〜2000℃の温度で加熱処理することにより得られる。加熱温度は、好ましくは600〜1500℃、さらに好ましくは700℃〜1300℃、特に好ましくは700℃〜1200℃、最も好ましくは800℃〜1100℃以下である。
酸素を含む雰囲気中、炭酸ガス中又は水蒸気中で加熱する賦活処理を行うこともできる。
【0033】
本発明の液透過性多孔質電極は、そのA層が集電体側に、B層が隔膜側に設置することにより、電極反応を特に効率的に行うことができる。
液透過性多孔質電極全体の厚みは0.5〜5.0mm、好ましくは1.5〜3.5mmであり、その際、A層とB層の厚みの比は、好ましくは0.2〜10:1、より好ましくは0.3〜6:1、さらに好ましくは0.4〜5:1、特に好ましくは0.5〜4:1、最も好ましくは0.8〜3:1である。
【0034】
本発明の液透過性多孔質電極は、A層とB層の少なくとも二層から成るが、該二層のみからなる電極はもとより、必要に応じて該二層に他の層、例えば嵩密度が0.60〜1.0g/ccのシート状の炭素成形体層をさらに集電体側に積層させて三層以上として用いることもできる。
【0035】
本発明のレドックス電池で用いる隔膜は、有機高分子からなるイオン交換膜を用いるのが好ましく、カチオン交換膜、アニオン交換膜いずれのイオン交換膜も用いることができる。また、カチオン交換膜の表面にアニオン交換膜を薄くコーティングしたイオン交換膜、アニオン交換膜の表面にカチオン交換膜を薄くコーティングしたイオン交換膜を用いることができる。
【0036】
カチオン交換膜としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体をスルホン化して得られるカチオン交換膜、テトラフルオロエチレンとハ゜ーフルオロ・スルホニル・エトキシビニルエーテルの共重合体をベースにスルホン酸基を導入したカチオン交換膜、テトラフルオロエチレンとカルボキシル基を側鎖に持つハ゜ーフルオロビニルエーテルとの共重合体からなるカチオン交換膜、芳香族ポリスルホン共重合体をベースにスルホン酸基を導入したカチオン交換膜などを用いることができる。
アニオン交換膜としては、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体をベースにクロロメチル基を導入し、アミノ化したアニオン交換膜、ビニルピリジン−ジビニルベンゼン共重合体を4級ピリジウム化したアニオン交換膜、芳香族ポリスルホン共重合体をベースにクロロメチル基を導入し、アミノ化したアニオン交換膜などを用いることができる。
【0037】
本発明の電池で用いるイオン交換膜のイオン交換容量は、好ましくは1.0〜3.0ミリ当量/g、より好ましくは2.0〜2.5ミリ当量/gである。
イオン交換膜の厚みは、好ましくは30〜250μm、より好ましくは55〜180μmである。
【0038】
本発明の電池に用いる電解液は、例えば、鉄−クロム系では鉄及びクロム各々の塩化物の溶液が用いられ、全バナジウム系電池では、バナジウムの硫酸溶液が用いられる。バナジウム系電池の電解液におけるバナジウムの濃度は、好ましくは0.5〜8.0モル/リットル、より好ましくは0.8〜6.0モル/リットル、さらに好ましくは1.0〜5.0モル/リットル、特に好ましくは1.2〜4.0モル/リットル、最も好ましくは1.5〜3.5モル/リットルである。バナジウム濃度が0.5モル/リットル未満であると、電池のエネルギー密度が低くなり、8.0モル/リットルを越えると、電解液の粘度が高くなり、電池のセル抵抗が増大する。
【0039】
バナジウム系電池の電解液における硫酸根の濃度は、好ましくは0.5〜9.0モル/リットル、より好ましくは0.8〜8.5モル/リットル、さらに好ましくは1.0〜8.0モル/リットル、特に好ましくは1.2〜7.5、最も好ましくは01.5〜7.0モル/リットルである。硫酸根の濃度が0.5モル/リットル未満であると、正極電解液におけるバナジウムの析出が起こりやすくなり、9.0モル/リットルを越えると、負極電解液におけるバナジウムの析出が起こりやすくなる。
【0040】
本発明のレドックス電極の一例として、全バナジウムレドックスフロー型電池について以下に説明する。
電池セルの単セル構造は、図2に示すように、隔膜▲4▼の両側に▲3▼及び▲2▼からなる液透過性多孔質電極を配置し、これらの部材を二枚の集電体▲1▼と▲1▼’によってサンドイッチ状態に押圧し、隔膜で仕切られた室の一方を正極室、他方を負極室とし、その室の厚さは適当なスペーサー▲5▼によって確保される。この各室、すなわち正極室にV4+/V5+から成る正極電解液を、負極室にV3+/V2+から成る負極電解液を流通させることによりレドックス電池が構成される。レドックスフロー型電池の場合、充電時には正極室では、電子を放出しV4+がV5+に酸化される。放出された電子は、外部回路を通して負極室に供給される。負極室では、供給された電子によってV3+がV2+に還元される。この酸化還元反応に伴って正極室では、水素イオンH+が過剰になる。一方、負極室では、水素イオンH+が不足する。隔膜は、正極室の過剰な水素イオンH+を選択的に負極室へ移動させ電気的中性が保たれる。放電時には、この逆の反応が進む。
上述の電池反応では、エネルギ−効率は、式−1で示される。
【0041】
【数1】
【0042】
この式中の充放電電力量は、電池セルの内部抵抗と隔膜のイオン選択性およびシャント電流損失等に依存している。内部抵抗の減少は、電圧効率を向上させる。イオン選択性の向上およびシャント電流損失の低減は、電流効率を向上させる。また、ポンプ電力量は、電池セル内に最適な量の電解液を流通させるための電力量であり、その電力量は、特に電池の正極室及び負極室の厚さ(セル厚さ)、液透過性多孔質電極構造および電解液導入口のスリットの長さと断面積の影響が大きい。
【0043】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
[測定装置および測定条件]
a)充放電実験
実施例及び比較例に用いたレドックスフロー電池セル構造は図2に示す単セル型電池であり、電極面積10cm2、隔膜としてポリスルフォン系アニオン交換膜、電解液として全バナジウム濃度が2モル/リットルで、全硫酸根濃度が4モル/リットルの電解液を用いた。
b)圧力損失測定
液透過性多孔質電極の圧力損失は、実験に用いた電池セルの負極側の電解液の入り口と出口における圧力の差により求めた。
【0044】
実施例1
図2に示すようなレドックス電池セルを用い正極室および負極室の厚さを3mmとし、下記のシート状炭素成形体層(A層)および炭素繊維層(B層)からなる液透過性多孔質電極を配置した。なお、A層の表面に設けられた溝はB層表面と接するようにし且つB層を隔膜側にし、該溝の長辺は電解液の流れ方向と同一にした。
シート状炭素成形体層(A層):
調製:
発泡ポリウレタンにフェノール樹脂を含浸してなるシート状成形体を、電気加熱炉において窒素気流中25℃/分の速度で1000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、炭素化した。この炭素質物質を別の電気加熱炉にセットし、窒素気流中25℃/分の速度で2100℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、シート状炭素成形体層を得た。
このようにして得られた厚さ1.7mmのシート状炭素成形体を幅10mm、長さ100mmの大きさに切り出した後、一方の表面に 本の溝[溝幅(W1):1.0mm,溝間隔(W0):3.0mm,溝深さ(H):1.0]を付設した。特性:
X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002) 3.62Å
C軸方向の結晶子の大きさ(Lc) 18Å
嵩密度 0.85g/cc
真密度 1.48g/cc
表面積 1.2m2/g
水素/炭素原子比 0.04
【0045】
炭素繊維層(B層)
調製:
セルロース繊維からなるフェルトを、電気加熱炉において窒素気流中25℃/分の速度で1000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、炭素化した。この炭素質物質を別の電気加熱炉にセットし、窒素気流中25℃/分の速度で1500℃まで昇温し、この温度で1時間保持した。このようにして得られた炭素質物質を酸素分圧200torrの窒素ガス中で850℃の温度で15分間活性化処理を行い、炭素繊維層フェルトを得た。このフェルトを圧縮して、厚さ1.3mmの炭素繊維層(B層)とした。
特性:
X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002) 3.51Å
平均繊維径 12μm
窒素によるBET表面積 17.8m2/g
酸素/炭素原子比 0.105
水素/炭素原子比 0.06
嵩密度 0.098g/cc
厚さ 1.3mm
【0046】
上記したA層及びB層からなる電極を用いて充放電実験を実施した。その結果を表−1に示す。
【0047】
実施例2
短繊維の炭素繊維とフェノール樹脂バインダーからなるシート状成形体を、電気加熱炉において窒素気流中20℃/分の速度で1000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、炭素化した。この炭素質物質を別の電気加熱炉にセットし、窒素気流中40℃/分の速度で2000℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、シート状炭素成形体層を得た。
このようにして得られた厚さ1.7mmのシート状炭素成形体を幅10mm、長さ100mmの大きさに切り出した後、一方の表面に 本の溝[溝幅(W1):1.0mm,溝間隔(W0):3.0mm,溝深さ(H):1.0]を付設した。
特性:
X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002) 3.59Å
C軸方向の結晶子の大きさ(Lc) 20Å
嵩密度 0.60g/cc
空隙率 57.7
表面積 2.8m2/g
水素/炭素原子比 0.05
【0048】
炭素繊維層(B層)
実施例1と同様にB層を調製した。
上記シート状炭素成形体層を用いた以外は、実施例1と同様にして充放電実験を実施した。結果を表−1に示す。
【0049】
比較例1
シート状成形体層として、発泡ポリウレタンにフェノール樹脂を含浸してなるシート状成形体を、電気加熱炉において窒素気流中25℃/分の速度で520℃まで昇温し、この温度で1時間保持し、炭素化した。
このようにして得られた厚さ1.7mmのシート状炭素成形体を幅10mm、長さ100mmの大きさに切り出し、シート状炭素成形体層を得た。
特性:
X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002) 4.0Å以上
C軸方向の結晶子の大きさ(Lc) 5Å未満
嵩密度 0.60g/cc
真密度 1.17g/cc
表面積 3.5m2/g
水素/炭素原子比 0.40
上記シート状炭素成形体層を用いた以外は、実施例1と同様にして充放電実験を実施した。結果を表−1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
本発明のレドックスフロー型電池は、セル抵抗が小さく、高い電力効率を有し、かつ電池の充放電に必要な電解液量を低いポンプ動力で流通させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池に使用される、溝が付設されたシート炭素成形体からなる電極の一例を示す概略説明図である。
【図2】本発明のレドックス電池を構成する単一セルの概略説明図である。
Claims (8)
- 隔膜によって分離され且つ液透過性多孔質電極が配設された正極室と負極室に、正極液と負極液を通液して酸化還元反応を行い充放電する液循環式型のレドックス電池において、該液透過性多孔質電極が下記のA層およびB層の少なくとも二層からなり、該B層が隔膜側に配置されることを特徴とするレドックス電池。
A層:水素/炭素の原子比が0.3以下であり、嵩密度が0 . 12〜1 . 40g/ccであり且つその表面に電解液が流れる溝が形成されているシート状の炭素成形体層
B層:X線広角回折法による(002)面の面間隔(d002)が3.37〜3.80Åであり、繊維径が0.5〜35μmであり且つ表面積が0.5〜3000m2/gである炭素繊維層 - 前記溝が、電解液の流れ方向と同一方向に、前記炭素成形体層の一方の端部から他方の端部まで、複数個形成されている請求項1記載の電池。
- 前記溝の全表面積(S1)と炭素成形体層の全表面積(S0)の割合(S1/S0)が0.2〜0.5である請求項1記載の電池。
- 前記炭素成形体層の表面に形成された溝幅(W1)及び2つの溝間隔(W0)の和と該層の長さ(L)の比率[(W1+W0)/L]が、0.002〜0.20である請求項1記載の電池。
- 前記炭素成形体層の表面に形成された溝幅(W1)と2つの溝間隔(W0)の比率[W1/W0]が、0.01〜0.40である請求項1記載の電池。
- 前記正極液が5価/4価バナジウムからなり、前記負極液が2価/3価からなる請求項1記載の電池。
- 前記正極液および負極液が、0.5〜8モル/リットルのバナジウム濃度且つ0.3〜9モル/リットルの硫酸根濃度を有する水溶液である請求項1記載の電池。
- 前記A層の空隙率が10〜90%である請求項1記載の電池。
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