JP3554921B2 - 燃料蒸発器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムにおける液体原燃料の燃料蒸発器に関するものであり、特に触媒燃焼器が付設された燃料蒸発器に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システム(FCS)は、水素を燃料ガスとして燃料電池の水素極(陰極)に供給するとともに、酸素を含有する酸化ガスを燃料電池の酸素極(陽極)に供給して発電を行う燃料電池を中核とした発電システムである。この燃料電池システムは、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換するものであり、高い発電効率を有することや有害物質の排出量が極めて少ないこと等から最近注目されている。
【0003】
このようなシステムにおいて、一般にメタノールと水の混合液などからなる液体原燃料を、原燃料噴射装置を介して燃料蒸発器内に噴射し、液体原燃料を蒸発させて原燃料ガスを得、次いで、この原燃料ガスを改質器で改質すると共に一酸化炭素を除去して水素リッチな燃料ガスにし、そして、この燃料ガスを燃料電池に供給して発電を行っている。
このような燃料電池システムが負荷変動の極端に大きい条件で使用される場合、例えば、燃料電池電気自動車に搭載されて使用される場合、出力アップの要求に応じて液体原燃料を急激に燃料蒸発器内に噴射すると、熱量が不足して液体原燃料のすべてを蒸発させることができず、燃料蒸発器内に液体原燃料の液溜まり(以下「液溜まり」という)を生じることがある。また、燃料電池システムを起動する際など、燃料蒸発器が充分に温まっていない場合にも液溜まりを生じやすい。
【0004】
燃料蒸発器内に液溜まりが生じた場合、液体原燃料の噴射を停止した後も液溜まりが蒸発して、原燃料ガスを発生することになり、燃料蒸発器の応答性を悪くするので好ましくない。また、液体原燃料が混合物の場合は、生じた液溜まりは、蒸発しやすい成分から先に蒸発するため、原燃料ガスの組成にバラツキが生じ、改質器が充分に性能を発揮しない場合や、一酸化炭素が充分に除去できずに燃料電池の性能が低下する場合がある。
【0005】
このため、液溜まりの発生を有効に防止して燃料蒸発器の応答性を良くすると共に、燃料蒸発器の暖機を速やかに行うことができるように、特願平11−125666号(未公開)には、図9に示すような燃料蒸発器100が提案されている。この燃料蒸発器100は、蒸発器本体110と、この蒸発器本体110の後段側に過熱器130、蒸発器本体110の上部に原燃料ガス噴射装置140を備える。
この燃料ガス蒸発器100には、図示しない触媒燃焼器により、図示しない燃料電池で発生するオフガス(水素を含むガス)を触媒燃焼させた燃焼ガスHGが、熱源(熱媒ガス)として供給される。燃焼ガスHGは、入口部112inから蒸発器本体110内の蒸発室111に多数配設されたU字型の熱媒チューブ112の内側を通り、出口部112outに達する。次いで、燃焼ガスHGは、蒸発室本体110の下部に設けられた燃焼ガス通路113を通って、蒸発器本体110の下流側に取り付けられた過熱器130に導かれる。メタノールと水の混合液などからなる液体原燃料FLは、燃料噴射装置140から霧状に噴射され、熱媒チューブ112で熱せられて蒸発し、原燃料ガスFGになる。蒸発した愿燃料ガスFGはそのまま後段の改質器に導入してもよい。さらに原燃料ガスFGの温度調整を目的として、この原燃料ガスFGは、過熱部130の蒸気チューブ131内を通って過熱され、過熱部130後段の図示しない改質器に導かれる。
【0006】
この燃料蒸発器100は、蒸発器本体110における蒸発室111の底面111bが燃焼ガス通路113の上面113tを兼ねるものである。従って、蒸発室111の底面111bからも熱が供給されるため、液溜まりの発生が防止され、また液溜まりが生じた場合も速やかに蒸発する。従って、燃料蒸発器100の応答性が良くなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料蒸発器では、底面111bに与えられる熱量がさほど大きくないことから、燃料蒸発器100の蒸発室103の液溜まり発生防止効果が充分ではなく、また発生した液溜まりを効率よく加熱・蒸発させることができない。さらに触媒燃焼器からの熱を有効利用したいという要望もある。
また、燃料電池システム全体の構成も複雑であり、よりコンパクトにシステム全体を設計することも望まれていた。
従って、本発明の課題は、比較的簡単な構成で蒸発器内の液溜まりをより効率的に加熱・蒸発させることが可能であり、燃料電池システム全体をコンパクトに設計することが可能となり、かつ触媒燃焼器からの熱を有効利用することが可能な燃料蒸発器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
なわち、本発明は、 原燃料噴射装置から噴射される液体原燃料を高温熱媒体により蒸発させる蒸発室と、
前記蒸発室に隣接して設けられた触媒燃焼器とを備えた燃料蒸発器において、
前記蒸発室は、前記触媒燃焼器から供給される前記高温熱媒体が通過する熱媒チューブを有し、
前記触媒燃焼器は、前記高温熱媒体の通過方向における上流側に配置されていることを特徴とするものである。
このように構成することによって、従来技術の燃料蒸発器のように別に燃焼器を設ける場合に比較して、蒸発室の壁面に液滴として付着した液体原燃料や液溜まりとして存在する液体原燃料により多くの熱をより速やかに付与することが可能となる。また、触媒燃焼器を隣接して設けたので、よりシステム全体をコンパクトに設計することが可能となる。
【0009】
また本発明の燃料蒸発器において、前記熱媒チューブは、前記高温熱媒体を前記蒸発室の高温側から低温側に通過させる熱媒チューブであり、前記触媒燃焼器は、前記熱媒チューブの高温側に隣接又は密着していることが好ましい。
このように構成することによって、触媒燃焼器と密着した部分における液滴として付着した液体原燃料や液体原燃料の液溜まりに更に多くの熱をより速やかに付与することが可能となる。
前記態様において、前記触媒燃焼器は前記蒸発室に密着しており、前記触媒燃焼器と前記蒸発室との密着面は、前記蒸発室の高温側壁面を形成し、該高温側壁面は、前記蒸発室内に設けられ前記高温熱媒体が通る熱媒チューブのうち最も前記高温側壁面に近く配された前記熱媒チューブの外形に沿う形状を備えているのが好ましい。
このように構成することによって、蒸発室下方の液溜まり空間を減少させることが可能となる。
【0010】
また、本発明の燃料蒸発器において、前記触媒燃焼器は、その上部を他の周囲部よりも厚く形成することができる。このように構成することにより、上方に熱マスが備えられる。
逆に、本発明の燃料蒸発器において、前記触媒燃焼器は、その下部を他の周囲部よりも厚く形成することができる。このように構成することにより、下方に熱マスが備えられる。
【0011】
本発明の燃料蒸発器において、前記触媒燃焼器が前記蒸発室に密着した密着面は、前記蒸発室の底面を形成し、該底面が前記蒸発室内に設けられ前記高温媒体が通る熱媒チューブのうち最も前記底面に近く配された前記熱媒チューブの外形に沿う形状を備えている態様では、前記触媒燃焼器の前記底面が周縁部から中央部に向けて窪んだ形状を有するように構成してもよい。このように構成することによって、触媒燃焼器の中央付近の熱量が外周近傍よりも高くなり、より多くの貯溜液を蒸発させることが可能となる。
また、本発明の燃料蒸発器において、蒸発室の周面の少なくとも一面に隣接あるいは密着して設けられた高温熱媒体発生手段を蒸発室と分割可能に形成してもよい。
このように構成することによって、触媒燃焼器の点検・交換時に触媒燃焼器を脱着して行える。
【0012】
また、本発明の燃料蒸発器において、触媒燃焼器を長さ方向に長い略長方形に形成することができる。このように構成することによって、触媒燃焼器を略円形に形成した場合に比較して、蒸発室と密着する上面が広く形成される。
また、本発明の燃料蒸発器において、触媒燃焼器を、その断面が下弦の略円形になるように形成してもよい。
このように構成することによって、熱伝達可能な面積が増加して、蒸発室に熱を効率よく伝えることが可能となることに加えて、上面以外の表面積が減るので熱逃げが少なくなる
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照してより具体的に説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
(燃料電池システム全体の説明)
図1は、本発明に係る燃料電池システムの全体系統図である。図1に示すように、燃料電池システムは、液体原燃料を蒸発させるための燃料蒸発器1と、燃料蒸発器1で前記液体原燃料を蒸発させた原燃料ガスを固体触媒上で反応させて燃料ガスにする改質器2と、改質器2で生成される前記燃料ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去器3と、前記CO除去器3から供給される燃料ガス中の水素と酸化剤供給手段である空気圧縮機4により圧縮された空気中の酸素とを反応させて発電を行う燃料電池5と、燃料電池5の水素極のオフガスから水分を分離・除去する気液分離装置6と、気液分離装置6から供給されるオフガスを燃焼して燃料蒸発器1の加熱源となるガスを発生する補助燃料(例えばメタノール)の供給ラインを有する燃焼バーナ7と、から主として構成される。
【0014】
原燃料ガスを得る場合には、液体原燃料(例えばメタノールと水の混合燃料)が、ポンプにより、所定量液体原燃料貯蔵タンクTから燃料蒸発器1に供給される。燃料蒸発器1の蒸発室11に供給された液体原燃料は、原燃料噴射装置40により噴射されて原燃料ガスとして蒸発される。蒸発室11の加熱源としては、運転時は、燃料電池の水素極のオフガスを触媒燃焼器20で触媒燃焼することで発生する高温ガスを使用するが、起動時等で加熱源がない場合は、燃焼バーナ7で補助燃料(例えばメタノール)を燃焼して必要熱量を確保できるようになっている。
【0015】
前記蒸発室11で発生した原燃料ガスは、改質器2に導入され、固体触媒(例えばCu−Zn系の触媒)上で反応させられて水素リッチな燃料ガスを製造する。さらに、改質器2で生成された水素リッチな燃料ガスは、ガス中の一酸化炭素をCO除去器3で除去された後、前記CO除去器3から供給される燃料ガス中の水素と酸化剤供給手段である空気圧縮機4により圧縮された空気中の酸素とを反応させて発電を行う燃料電池5に導入される。燃料電池5で反応した後の水素極のオフガスは、気液分離装置6で水分を分離・除去された後、触媒燃焼器20で燃焼され蒸発室11の加熱源となる。
【0016】
本発明は、かかる燃料電池システムにおける燃料蒸発器1に関し、触媒燃焼器20を特定の位置に隣接して設けたことを特徴とする。以下、本発明の燃料蒸発器1を、図2〜図5に基づいて説明する。
図2は、本実施形態の燃料蒸発器の一部破断平面図であり、図3は、図2のA−A’線断面図であり、図4は、図2のB−B’線断面図であり、そして図5は図2のB−B’であり、本発明の別の実施形態を示す。
燃料蒸発器1は、蒸発室11から構成される蒸発器本体10と、蒸発室11と隣接,特に密着して設けられた触媒燃焼器20と、前記蒸発室11の周囲に設けた高温熱媒体通路である燃焼ガス通路12とから主として構成され、蒸発室11で蒸発した原燃料ガスを過熱部30で燃焼ガス通路を経由した燃焼ガスにより過熱する。
(蒸発室)
蒸発室11は、並列して多数配置されるU字形をした熱媒チューブ12と、前記熱媒チューブ12の両端部を保持するチューブ保持板12aと、これらを囲繞した部屋の上部に設けられ、前記熱媒チューブ12の外側に液体原燃料を熱媒チューブ12の入口側の方向に噴射するようにした原燃料噴射装置40とから主として構成される。
この熱媒チューブ12は、前記触媒燃焼器20で発生した液体原燃料を蒸発可能な高温熱媒体である燃焼ガスHGを底部12in(熱媒チューブ下方)から上部12out(熱媒チューブ上方)側へと通過させて燃料ガス流路13へと流すためのチューブであり、SUS316等の耐熱性および耐食性に優れたステンレス等の金属から構成されている。
【0017】
また、原燃料噴射装置40は、1流体ノズルの噴射装置、例えばインジェクターであり、液体原燃料FLを噴射(噴霧)して微小な液滴にするためのものである。蒸発室11上部に取り付けられ、高温の燃焼ガスHGの保有熱量を有効に利用するため、噴射方向は熱媒チューブ12に沿う方向(熱媒チューブ保持板12aに向かう方向)となっている。噴射量はノズルの背圧(噴射量は背圧の平方根に比例)で制御される。
蒸発室11の周りには、蒸発室11の保温と加熱を兼ねて、蒸発室11から出た燃焼ガスを流通させる燃焼ガス通路13が設けられている。そして、前記燃焼ガス通路13を通ってきた燃焼ガスを胴側に通過させて、管側に蒸発室11で蒸発した原燃料ガスを流して、原燃料ガスが凝縮しないように原燃料ガスの飽和温度以上に加熱するためのシェル&チューブ式の熱交換器である過熱部30に接続されている。
【0018】
(触媒燃焼器)
触媒燃焼器20は、オフガスOGを触媒燃焼して高温の燃焼ガスHGを発生させる燃焼器であり、オフガスOGの入口流路21、触媒層22、出口流路23から主として構成されており、その周囲は、前記熱媒チューブと同様にSUS316等の耐熱性および耐食性に優れたステンレス等の金属から構成された上面板20t、底面板20b、側面板20s、20s’で覆われている(後記の図6〜図8参照)。なお、本発明の好ましい態様において、前記上面板20tは、蒸発器11の底部を兼ねている。すなわち、前記触媒燃焼器20の上面が前記蒸発器11の下面に直付けされているのが好ましい。
触媒層22の断面形状は蒸発室11との伝熱面積を広くとるため蒸発室11の下面11bの幅に応じた幅に形成された略長方形であることが好ましく、その中にはハニカム形状の触媒が充填されている。触媒の材質としてはPt系の触媒が用いられる。担体としてはシリカ系やアルミナ系の担体が多く用いられている。触媒層22の前後には被燃焼体を触媒燃焼器20に導入するための入口流路21と、触媒層22で発生した高温の燃焼ガスが下流側に流れるときに、ガスの流れ方向を180度変えられるように燃焼ガス通路13内を区画した隔壁板24からなる出口流路23(図の例においては、断面が半円状)とを備えており、被燃焼体である燃料電池5の水素極のオフガスOG、すなわち水素と酸素の混合ガスを入口流路21から導入して触媒層22で触媒燃焼して高温の燃焼ガスHG(代表的には650〜700℃)とし、このようにして加熱した燃焼ガスHGを出口流路23から蒸発室11へと導く。
【0019】
本発明においては、触媒燃焼器20は、蒸発室11に隣接して設けることが必須であり、図2〜図4では触媒燃焼器の上面板20tが蒸発室11の下に特に密着した態様を示しているが、触媒燃焼器20の側面20sまたは20s’を蒸発室11の側面と隣接して構成してもよい。
このように構成することによって、触媒燃焼により高温になっている触媒燃焼器20の熱が、輻射または蒸発室11の触媒燃焼器20と隣接した部分に伝えられる。また、従来触媒燃焼器20と別体に設けられた場合と比較すると、触媒燃焼器20と蒸発器本体10とを配管で結ぶ必要がなくなり構成が簡単になるばかりか、よりコンパクトに設計可能となる。
また、図5に示す様に、触媒燃焼器20と蒸発室11との間に薄型ヒータH等を改装させても良い。
この場合、触媒燃焼器20が立ち上がらない場合でも蒸発室11にヒータHから熱を与え、蒸発を促すことが可能である。
従って、本発明において使用される用語「隣接する」とは、触媒燃焼器20からの熱を蒸発室11に有効に伝熱する位置に触媒燃焼器20を配置することを意味する。
このようにして蒸発器本体10に伝えられた熱により、蒸発室11の壁面に液滴として存在する液体原燃料FLや液溜まりがすみやかに蒸発して原料ガスFGとなる。
【0020】
なお、この際に触媒燃焼器20を設ける位置は、前記の通り蒸発室11に熱を伝えて蒸発器11内に液体として存在する液体原燃料を蒸発させることが可能であれば特に制限されるものではないが、図2〜図4に示すように触媒燃焼器20の上面20tと蒸発室11の下面とを密着させるのが好ましく、特に直付けするのが好ましい。また、より多くの熱を蒸発室11に伝えるため、触媒燃焼器20の断面形状は、蒸発室11の下面11bの幅に応じた幅の長さ方向に長い略長方形であることが好ましい。
このように構成すると、蒸発室11全体、特に液溜まりが生じやすい下面11bに熱が効率よく伝えることが可能となる。
【0021】
以下、本発明における触媒燃焼器20の上面20tを蒸発器11の下面11bに付設した場合の好ましい態様を、図6〜図8に基づいて説明する。なお、これらの図において、触媒燃焼器20の上面20tが蒸発器11の下面11bを兼ねる態様として示しているが、触媒燃焼器20の上面20tと蒸発器11の下面11bをそれぞれ別体として設けることも本発明の一部である。
図6〜図8は、各々本発明の実施形態を示す図2のB、B'線略式断面図であり、本発明の触媒燃焼器と蒸発室との密着関係を模式的に示している。
図6(a)に示す通り、蒸発室11の下面11bには断面が略円形の熱媒チューブ12が敷設されている。この熱媒チューブ12のうち、最も触媒燃焼器20近くに配された最下面12inの断面形状に沿うように触媒燃焼器20の上面板20tが波型の形状をしている。このように構成すると、図6(b)に示すように触媒燃焼器20の上面20tをフラットに形成した場合に比較して、蒸発室11の下方の液溜まりが発生しやすい液溜まり空間Rを減少させることが可能となる。
【0022】
また、図7(a)に示すように、触媒燃焼器20の上面20tを他の周囲部20b、20s、20s’よりも厚く形成すると、肉厚に形成された触媒燃焼器20の上方に熱マスが備えられるので、過渡応答レスポンスが向上し、触媒燃焼後も、貯溜した液体原燃料を蒸発させることが可能となる。
逆に、図7(b)に示すように、触媒燃焼器20の下面20bを他の周囲部20t、20s’よりも厚く形成することも可能である。このように構成すると、触媒燃焼器20の下方に熱マスが蓄えられ、蒸発室11との伝熱効率が向上し、放射面積が拡大することにより、急な蒸発原燃料の要求にも速やかに触媒燃焼器20が機能して燃料蒸発器1を暖め立ち上げ、原燃料ガスFGを得ることが可能となる。
【0023】
さらに、図8に示すように触媒燃焼器20の上面20tが周縁部から中央部にむかって窪んだ形状に構成してもよく、また特に触媒燃焼器20の断面が下弦の略半円形に形成するのが好ましい。このように最も液溜まりが存在し易い位置である蒸発室11の最下部を最も熱量の多い触媒燃焼器20の中心付近に配置することによって、触媒燃焼器20の中央付近の熱量が外周近傍よりも高くなり、より多くの液溜まりを蒸発させることが可能となって、熱量が無駄なく利用されて速やかに蒸発が行われる。また、触媒燃焼器20の断面が下弦の略半円形に形成すると、上面板20t以外の表面積を減らせるので、熱ロスが少なくなるという効果も奏する。
【0024】
また、本発明の燃料蒸発器1において、蒸発室11に隣接または密着して設けられた触媒燃焼器20を着脱自在に設けることも可能である。この際に触媒燃焼器20全体を着脱自在に設けることも可能であるが、触媒層22の部分を着脱自在に設けるのが一般的である。このように構成することによって、触媒燃焼器20の点検・交換時に触媒燃焼器、特に点検・交換を要する触媒層22を脱着して行えるので、点検が容易となり、また交換部品としてのコスト低減が可能となる。加えて、触媒燃焼器20と蒸発室11との間に、熱伝導率が高い薄形の部材を挟持させてもよい。この場合、触媒燃焼器20と蒸発室11の温度差に起因する熱応力での歪を回避し、振動入力に対する強度が向上する。
【0025】
【発明の効果】
このように、蒸発室に触媒燃焼器を隣接して設けてなる本発明の燃料蒸発器は、従来技術の燃料蒸発器のように別に燃焼器を設ける場合に比較して、蒸発室の壁面に液滴として付着した液体原燃料や蒸発室の液溜まりにより多くの熱をより速やかに付与することが可能となり、これらの液滴や液溜まりを容易に蒸発させることが可能となる。また、触媒燃焼器と蒸発器本体とを配管で結ぶ必要がなく、よりコンパクトに設計可能である。
また、触媒燃焼器を蒸発室に密着して設けると、伝熱効果が増加する。
さらに、触媒燃焼器が蒸発室に密着した密着面は、蒸発室の底面を形成し、底面が蒸発室内に設けられ高温媒体が通る熱媒チューブのうち最も蒸発器の底面に近く配された熱媒チューブの外形に沿う形状を備えていると蒸発室下方の液溜まり空間を減少させることが可能となり、これによって液溜まりの量が減少して速やかな液蒸発が可能となる。
また、触媒燃焼器の上部を他の周囲部よりも厚く形成すると、上方に熱マスが備えられるので、触媒燃焼後も液溜まりを蒸発さることが可能となり、利用率を上昇させることが可能となる。逆に触媒燃焼器の下部を他の周囲部よりも厚く形成すると、下方に熱マスが備えられるので、急な蒸発原燃料の要求にも速やかに触媒蒸発器が機能して蒸発器を暖め立ち上げられる。
さらに、触媒燃焼器の上面が周縁部から中央部にむかって窪んだ形状に構成すると、触媒燃焼器の中央付近の熱量が外周近傍よりも高くなり、より多くの液溜まりを蒸発させることが可能となり、熱量が無駄なく利用されて速やかに蒸発が行われる。
また、蒸発室に隣接または密着して設けられた触媒燃焼器を蒸発室と分割可能に形成すると、触媒燃焼器の点検・交換時に触媒燃焼器を脱着して行えるので、点検が容易となり、また交換部品としてのコスト低減が可能となる。
加えて、触媒燃焼器を長さ方向に長い略長方形に形成すると、触媒燃焼器を略円形に形成した場合に比較して、燃料蒸発器と隣接または密着する上面が広く形成されるので、熱伝達可能な面積が増加する。そのため、蒸発室に熱を効率よく伝えることが可能となる。
また、触媒燃焼器の断面が下弦の略円形になるように形成すると、熱伝達可能な面積が増加して、蒸発室に熱を効率よく伝えることが可能となることに加え、上面以外の表面積が減るので熱逃げが少なくなり、より効率的に蒸発室に熱を伝えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の燃料蒸発器が使用される燃料電池システムの構成図である。
【図2】本実施形態の燃料蒸発器の一部破断平面図である。
【図3】図2のA−A’線断面図である。
【図4】図2のB−B’線断面図である。
【図5】図2のB−B’であり、本発明の別の実施形態を示す。
【図6】図6(a)、(b)は各々、本発明の別の実施形態を示す図2のB−B’線断面図である。
【図7】図7(a)、(b)は各々、本発明の別の実施形態を示す図2のB−B’線断面図である。
【図8】本発明の更に別の実施形態を示す図2のB−B’線断面図である。
【図9】従来の燃料蒸発器を示す断面図である。
【符号の説明】
FG 原燃料ガス
FL 液体原燃料
OG オフガス
HG 燃焼ガス
H ヒーター
1 燃料蒸発器
2 改質器
3 CO除去器
10 蒸発器本体
11 蒸発室
12 熱媒チューブ
12a 熱媒チューブ下方
12b 熱媒チューブ上方
13 燃焼ガス通路
20 触媒燃焼器
20t 触媒燃焼器上面
20b 触媒燃焼器下面
20s、20S’ 触媒燃焼器側面
21 入口流路
22 触媒層
23 出口流路
30 過熱部
40 原燃料噴射装置

Claims (4)

  1. 原燃料噴射装置から噴射される液体原燃料を高温熱媒体により蒸発させる蒸発室と、
    前記蒸発室に隣接して設けられた触媒燃焼器とを備えた燃料蒸発器において、
    前記蒸発室は、前記触媒燃焼器から供給される前記高温熱媒体が通過する熱媒チューブを有し、
    前記触媒燃焼器は、前記高温熱媒体の通過方向における上流側に配置されていることを特徴とする燃料蒸発器。
  2. 前記熱媒チューブは、前記高温熱媒体を前記蒸発室の高温側から低温側に通過させる熱媒チューブであり、前記触媒燃焼器は、前記熱媒チューブの高温側に隣接又は密着していることを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発器。
  3. 前記触媒燃焼器は前記蒸発室に密着しており、前記触媒燃焼器と前記蒸発室との密着面は、前記蒸発室の高温側壁面を形成し、該高温側壁面は、前記蒸発室内に設けられ前記高温熱媒体が通る熱媒チューブのうち最も前記高温側壁面に近く配された前記熱媒チューブの外形に沿う形状を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料蒸発器。
  4. 前記蒸発器の前記高温側壁面は、周縁部から中央部に向けて窪んだ形状を有していることを特徴とする請求項3に記載の燃料蒸発器。
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