JP3553756B2 - 回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各種産業機器に使用される誘導電動機などの回転電機の固定子鉄心のためのインシュレータに関し、特に分割形連結鉄心により構成された円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、誘導電動機などの回転電機の小型高性能化のために、固定子の巻線の高密度化の必要性が高まっていることに鑑み、分割形連結鉄心のように固定子鉄心を分割し、固定子鉄心のスロット間の磁極片部に巻線を直巻で整列状に巻込むことで、高密度な巻線を得るようにした構造のものが多く用いられている。
【0003】
図24〜図27は分割形連結鉄心を使用した固定子の従来例を示している。分割形連結鉄心1は、周方向(円環状の閉じ状態で)に等間隔をおいて複数個の磁極片部5毎に設けられた複数個の各スロット2毎に、外周側に薄肉ジョイント部3を残して径方向に延在する切り込み4により略扇状に分割され、平面状などの展開状態で、背中合わせに隣接する二つのコの字形状のスロット2を通して磁極片部5の外周囲に巻線6を巻線ノズルNによって巻かれ、円環状に閉じられて両端を溶接等で接続されることで、円環状の回転電機用固定子鉄心をなす。
【0004】
スロット2には、鉄心1と巻線6との電気絶縁のために、電気絶縁性プラスチックによるボビンのようなインシュレータ7が設けられ、このインシュレータ7の外側に巻線6が巻かれる。
【0005】
インシュレータ7は、磁極片部5の一方の端部より磁極片部5を跨ぐようにして磁極片部5の外周囲に嵌合し、磁極片部5の両側に背中合わせにある二つのスロット2の壁面をそれぞれ電気的に絶縁被覆するコの字形状をなしている。インシュレータ7がスロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する外側片部7aは、鉄心1を円環状に閉じた時に、この外側片部7aの先端が鉄心1の分割面1a(コアバック当接面間)に噛み込まないよう、壁面2aの寸法より寸法xだけ短くなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のインシュレータ7では、外側片部7aは壁面2aの寸法より寸法xだけ短く、このことにより壁面2aの分割面1aの側が絶縁被覆されないため、また鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lを確保するため、図示されているように、分割面1a近くでは巻線6の巻数を少なくする必要が生じ、スロット2内に大きい無駄空間部Sが生じることになる。
【0007】
また、上述のような従来のインシュレータ7では、隣接する巻線6の相間絶縁を行っていないため、相間距離の十分な確保の必要性からも巻数を減らさざるを得なかった。
【0008】
以上の理由から、スロット2の有効断面積をフル活用できず、結果的に鉄心1の積幅を大きくする必要が生じ、回転電機の小型化設計を阻害すると云う問題点を生じることになる。
【0009】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、鉄心と巻線との間の絶縁を的確に行うことで、スロットにおける巻線の占積率を向上させ、鉄心の小型化により回転電機の小型化を図ることができ、さらには隣接する巻線間における相間絶縁も適切に行い、このことによってもスロットにおける巻線の占積率を向上させ、鉄心の小型化により回転電機の小型化を、さらに進めることができる回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータを得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在するコの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、前記スロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端に、前記分割形連結鉄心の分割部の前記スロット側の端部に形成された段差部に係合するようスロットの径方向外側に一段高くなった段差片部と、この段差片部先端からスロットの径方向内側に折り曲がるくびれ先端片部とを有しているものである。
【0022】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合し、当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなすインシュレータ本体と、展開状態ではV形をなし、その両端をそれぞれ隣接する磁極片部に装着された前記インシュレータ本体の外側片部の先端と鉄心との間に挟み込まれることにより係止され、分割形連結鉄心が円環状に閉じられることによって前記スロットの径方向内側へ、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁シートとを有しているものである。
【0024】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合し、当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなすインシュレータ本体と、前記インシュレータ本体が前記スロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端と鉄心との間に一端を挟み込まれることにより係止され、他端を前記インシュレータ本体が前記スロットの径方向内側の壁面を被覆する内側片部の先端と鉄心との間に他端を挟み込まれることにより係止され、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁を行う相間絶縁シートとを有しているものである。
【0026】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、隣接する磁極片部のスロットの径方向外側の壁面をそれぞれ被覆する両側の外側片部の先端のそれぞれに、展開状態では両側の外側片部からそれぞれほぼ一直線状に延在し、その基端部がスロットの径方向内側へ折曲可能であり、かつその先端部が隣接する磁極片部のもの同士で折曲可能に連結されている相間絶縁片が設けられ、かつ前記相間絶縁片は、分割形連結鉄心が円環状に閉じられることによって前記スロットの径方向内側へ延在することを特徴とする。
【0029】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、上述の発明によるインシュレータにおいて、前記相間絶縁片は前記外側片部より薄肉であることを特徴としている。
【0031】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータは、周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、隣接する磁極片部のスロットのうちの一方のスロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端にのみ、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁片が外側片部の先端に対しスロットの径方向内側へ折曲可能に設けられているものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明に係る回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータの実施の形態を詳細に説明する。なお、以下に説明するこの発明の実施の形態において、上述の従来例と同一構成の部分は、上述の従来例に付した符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
(実施の形態1)
図1〜図4はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態1を示している。
【0035】
インシュレータ10は、従来のものと同様に、磁極片部5の一方の端部より磁極片部5を跨ぐようにして磁極片部5の外周囲に嵌合し、磁極片部5の両側にあるスロット2の壁面をそれぞれ電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、各磁極片部5毎に鉄心1に装着される。
【0036】
インシュレータ10は一つの磁極片部5の両側にあるスロット2の径方向外側の壁面(コアバック当接面側の壁面)2aのそれぞれを被覆する外側片部10aを両側に有しており、この外側片部10aのそれぞれの先端にはスロット2の径方向内側に折り曲がるくびれ先端片部11が設けられている。このインシュレータ10は、液晶ポリエステルなど、電気絶縁性と弾性が高い合成樹脂により全体を一体成形されている。
【0037】
各外側片部10aに設けられているくびれ先端片部11は、スロット2の径方向内側に折り曲り易い形状の薄肉ヒンジ12によって外側片部10aの先端と接続され、図1、図2(a)に示されている自由状態(鉄心1の展開状態)においては、外側片部10aに対してスロット2の径方向内側に傾斜角θをもって折曲しており、インシュレータ10が鉄心1に装着された状態で、図3に示されているように、鉄心1が円環状に閉じられることにより、薄肉ヒンジ12を折り曲げ線としてスロット2の径方向内側に折り曲がり、隣接するインシュレータ10のものどうしで背中合わせに重なり合う。
【0038】
ここで、スロット2の径方向内側に折り曲り易い形状の薄肉ヒンジ12とは、図2に示されているように、スロット2の径方向内側への折曲内側面に設けられた半円状溝による薄肉ヒンジである。
【0039】
展開状態で、鉄心1に装着されたインシュレータ10の内側に巻線ノズルNによって巻き線する時、図2(b)に示されているように、くびれ先端片部11が、スロット2の径方向内側に出張っても、巻線ノズルNによって引き回される巻線6の張力によって外側に押され、薄肉ヒンジ12を支点として復元可能に弾性変形する。これによりくびれ先端片部11が巻線工程の妨げにはならず、正常な巻線設置が行われる。
【0040】
図3は巻線が完了した鉄心1を円環状に折り曲げて閉じた状態を示している。くびれ先端片部11は予め角度θでスロット2の径方向内側に曲がっているため、このくびれ先端片部11は、鉄心1を円環状に折り曲げる際には、分割面1a間に噛み込むことなく、必ず隣接するインシュレータ10のものどうしで重なり合ってスロット2の径方向内側に、巻線6に沿って折り曲がり、巻線6を囲う形となる。
【0041】
これにより、外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、外側片部10aが分割面1a間、すなわちコアバック当接面間に噛み込むことがなく、また、くびれ先端片部11が鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lを確保するバリアの役割を果たすことになり、各スロット2における巻線6の巻数を増やし、各スロット2における巻線6の占積率を向上させて鉄心1を小型化することが可能になり、回転電機の小型化を図ることができるようになる。
【0042】
(実施の形態2)
図5、図6はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態2を示している。なお、図5、図6に於いて、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0043】
この実施の形態では、各外側片部10aに設けられているくびれ先端片部11は、外側片部10aよりスロット2の径方向外側に一段高くなった後に、実施の形態1における場合と同様に、自由状態(鉄心1の展開状態)においては、外側片部10aに対してスロット2の径方向内側に傾斜角θをもって折曲している。これにより、くびれ先端片部11の先端縁は、自由状態において、インシュレータ10の外側片部10aの径方向位置に等しいか、あるいはそれより径方向外側に位置する。
【0044】
これにより、展開状態で、鉄心1に装着されたインシュレータ10の内側に巻線ノズルによって巻き線する時に、くびれ先端片部11と巻線ノズルによって引き回される巻線6とが干渉することがなく、くびれ先端片部11の存在に拘らず正常な巻線設置が的確に行われる。
【0045】
なお、このインシュレータが使用される鉄心1の分割面1aにはスロット2との境界部に段差部1bが設けられ、この段差部1bにくびれ先端片部11の段差部11aが収容される。
【0046】
この実施の形態でも、実施の形態1における場合と同様に、インシュレータ10が鉄心1に装着された状態で、鉄心1が円環状に閉じられると、くびれ先端片部11は、図6に示されているように、スロット2の径方向内側に折り曲がり、隣接するインシュレータ10のものどうしで重なり合う。
【0047】
上述のように、くびれ先端片部11が予め角度θでスロット2の径方向内側に曲がっているため、このくびれ先端片部11は、図6に示されているように、鉄心1を円環状に折り曲げる際には、分割面1a間に噛み込むことなく隣接するインシュレータ10のものどうしで重なり合ってスロット2の径方向内側に、巻線6に沿って折り曲がり、巻線6を囲う形となる。
【0048】
これにより、この実施の形態でも、外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、外側片部10aが分割面1a間に噛み込むことがなく、また、くびれ先端片部11が鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lを確保するバリアの役割を果たすことになり、スロット2における巻線6の占積率を向上させて鉄心1の小型化により、回転電機の小型化を図ることができるようになる。
【0049】
なお、くびれ先端片部11の先端縁を、自由状態において、インシュレータ10の外側片部10aの径方向位置に等しいか、あるいはそれより径方向外側位置に位置させることは、くびれ先端片部11に段差部11aを設けた形状以外に、くびれ先端片部11を円弧状などの他の適当な形状に設定することによっても可能であり、この場合も、実施の形態2における場合と同等の効果が得られる。
【0050】
(実施の形態3)
図7、図8はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態3を示している。なお、図7、図8に於いて、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0051】
この実施の形態では、スロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する両側の外側片部10aのそれぞれの先端にスロット2の径方向内側に折り曲がる薄肉絶縁シート片13が溶着されている。
【0052】
薄肉絶縁シート片13は、ポリエステルフィルムなどにより構成され、自由状態において、図7(b)に示めされているように、R形状をもってスロット2の径方向内側に湾曲している。
【0053】
なお、このインシュレータが使用される鉄心1の分割面1aにはスロット2との境界部に段差部1cが設けられ、段差部1cに薄肉絶縁シート片13の溶着部を含む外側片部10aの先端部が収容される。
【0054】
実施の形態3では、くびれ先端片部11としてインシュレータ10とは別体の薄肉絶縁シート片13を使用しているから、樹脂成形ではむずかしい先端部の薄肉化と弾力性を得ることが可能になり、実施の形態1における場合と同様に、展開状態で、鉄心1に装着されたインシュレータ10の内側に巻線ノズルによって巻き線する時、薄肉絶縁シート片13は、スロット2の径方向内側に出張っても、巻線ノズルによって引き回される巻線6の張力によって押され、復元可能に弾性変形するため、巻線工程の妨げにはならず、正常な巻線設置が行われる。
【0055】
薄肉絶縁シート片13は、予めスロット2の径方向内側に予め曲率Rで曲げられているため、図8に示されているように、鉄心1を円環状に折り曲げる際には、分割面1a間に噛み込むことなく隣接するインシュレータ10のものどうしで重なり合ってスロット2の径方向内側に、巻線6に沿って折り曲がり、巻線6を囲う形となる。
【0056】
これにより、外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部まで延ばさずにすむため、外側片部10aが分割面1a間に噛み込むことがなく、また、薄肉絶縁シート片13が鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lを確保するバリアの役割を果たすことになり、スロット2における巻線6の占積率を向上させて鉄心1の小型化が可能になり、回転電機の小型化を図ることができるようになる。
【0057】
(実施の形態4)
図9、図10はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態4を示している。なお、図9、図10に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0058】
この実施の形態では、スロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する両側の外側片部10aのそれぞれの先端よりスロット2の径方向外側に折曲延在する延長片部14がインシュレータ10と一体成形されている。延長片部14は、鉄心1の分割面1aに設けられた段差部1dに受け入れられ、鉄心1を円環状に閉じる時に寸法干渉を起こさないようになっている。
【0059】
各外側片部10aの延長片部14は、鉄心1が円環状に閉じられた場合には、図10に示されているように、隣接するインシュレータ10のものどうしで、鉄心1の分割面1a間で重合し、その重合面部には互い凹凸係合する凹凸部15が形成されている。
【0060】
この実施の形態では、外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また、延長片部14によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lが確保されるから、上述の実施の形態における場合と同様に、スロット2における巻線6の占積率を向上させて鉄心1を小型化することが可能になり、回転電機の小型化を図ることができるようになる。
【0061】
(実施の形態5)
図11、図12はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態5を示している。なお、図11、図12に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0062】
この実施の形態では、一方の側のスロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する外側片部10aには突出片部17が設けられ、他方の側のスロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する外側片部10aには隣接配置の他のインシュレータ10の突出片部17を受け入れる突出片受け入れ段差部18が設けられている。
【0063】
このインシュレータでは、鉄心1が、図12に示されているように、円環状に閉じられると、隣接するインシュレータ10どうしで、突出片部17と突出片受け入れ段差部18とが重合係合する。
【0064】
この実施の形態では、外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また、突出片部17と突出片受け入れ段差部18との重合係合部によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離Lが確保されるから、上述の実施の形態における場合と同様に、スロット2における巻線6の占積率を向上させて鉄心1を小型化することが可能になり、回転電機の小型化を図ることができるようになる。
【0065】
(実施の形態6)
図13、図14はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態6を示している。なお、図13、図14に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0066】
この実施の形態では、インシュレータ(インシュレータ本体)10の両側の外側片部10aのそれぞれの先端に段差が設けられ、鉄心1に対する装着状態で、スロット2の径方向外側壁面2aとの間に、相間絶縁シート20の先端部21を差し込まれる間隙19が画定されている。
【0067】
相間絶縁シート20は、絶縁性の弾性の高い合成樹脂シートにより構成され、自由状態、換言すれば、鉄心1の展開状態では、図13に示されているように、V形をなし、両側の先端部21を、隣接する磁極片部5に取り付けられているインシュレータ10の外側片部10aの先端と鉄心1との間に挟み込まれ、すなわち鉄心分割部を挟んだ一対の間隙19に差し込まれ、鉄心1に取り付けられている。
【0068】
相間絶縁シート20の先端部21は間隙19に差し込まれる時に、鉄心分割面1aにはみ出さない寸法となっている。
【0069】
相間絶縁紙20は巻線作業が干渉がなく行われるよう、巻線完了後に、図13に示されている展開状態で、上述のように鉄心1に取り付けられ、図14に示されているように、鉄心1の円環形状への折り曲げと共にV形挟み角が狭まり、スロット2の径方向内側へ確実に延在して隣接する磁極片部5の巻線6間に存在するようになる。
【0070】
これにより、インシュレータ10の外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部まで延ばさずにすむため、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また相間絶縁シート20によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離を確保できると共に巻線6の相間絶縁も行われ、スロットにおける巻線の占積率を向上できる。
【0071】
(実施の形態7)
図15、図16はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態7を示している。なお、図15、図16に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0072】
この実施の形態では、インシュレータ(インシュレータ本体)10の一方の外側片部10の先端に、実施の形態6における場合と同等で、相間絶縁シート22の一方の折曲先端部23が差し込まれる間隙19が画定され、またインシュレータ10の一方の内側片部10bの先端に段差が設けられ、鉄心1に対する装着状態で、スロット2の径方向内側の壁面(ティース先端側の壁面)2bとの間に、相間絶縁シート22の他方の折曲先端部23を差し込まれる間隙24が画定されている。
【0073】
相間絶縁シート22は、両端に折曲先端部23を有してコの字形をしており、、巻線完了後に、図15に示されている展開状態で、両端の折曲先端部22を間隙19、24に差し込まれることにより、一方の折曲先端部22を外側片部10aの先端と鉄心1との間、他方の折曲先端部22を内側片部2bの先端と鉄心1との間に挟み込まれ、鉄心1に係止されてスロット2を2分割し、図16に示されているように、鉄心1が円環形状に閉じられることにより、隣接する磁極片部5の巻線6間に存在するようになる。
【0074】
なお、相間絶縁シート22の折曲先端部23はそれぞれ隙間19、24に収納したときに鉄心分割面1a及びスロット開口部にはみ出さない寸法となっている。
【0075】
これにより、インシュレータ10の外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部まで延ばさずにすむため、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また相間絶縁シート22によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離を確保できると共に巻線6の相間絶縁も行われ、スロットにおける巻線の占積率を向上できる。
【0076】
(実施の形態8)
図17、図18はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態8を示している。なお、図17、図18に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0077】
この実施の形態では、両側のスロット2の径方向外側の壁面2aをそれぞれ被覆する両側の外側片部10aの先端のそれぞれに、薄肉ヒンジ26によって相間絶縁片25がスロット2の径方向内側へ折曲可能に設けられ、図17に示されているように、展開状態では隣接する磁極片部5のものどうしで、相間絶縁片25の先端が切り離し可能な薄肉ヒンジ27によって互いに連結され、連結された二つの相間絶縁片25はV形をなしている。
【0078】
薄肉ヒンジ26はスロット2の径方向内側の面に設けられたV形溝により構成されて相間絶縁片25の径方向内側への折曲のみを許し、薄肉ヒンジ27はスロット2の径方向外側の面に設けられたV形溝により構成され、連結された二つの相間絶縁片25によるV形挟み角が狭まることにより引張破断する。
【0079】
この実施の形態で使用されるインシュレータ10は絶縁性の剛性が高い合成樹脂により全体を成形される。
【0080】
この実施の形態では、図17に示されているように、隣接する磁極片部5が互いに90度の角度を取るように鉄心1が展開された状態では、相間絶縁片25は外側片部10aの一直線状に延在する。これにより相間絶縁片25と干渉することなくスロット2に対する巻線作業が行われる。
【0081】
展開状態では、相間絶縁片が外側片部の同一直線上に延在し、隣接する相間絶縁片の先端が切り離し可能に互いに連結されているから、巻線時に巻線ノズルが干渉しないため巻線作業の邪魔になることがない。また、一つの鉄心1において、インシュレータ部材は一つの部品として取り扱われ、部品管理性、組み付け性などが改善される。
【0082】
図18に示されているように、鉄心1が円環形状に閉じられることにより、相間絶縁片25は、薄肉ヒンジ26を折曲げ線として内側に折り曲がりつつ薄肉ヒンジ27を中心として連結された二つの相間絶縁片25によるV形挟み角を狭めつつ隣接する磁極片部5の巻線6間に存在するようになる。
【0083】
これにより、インシュレータ10の外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また相間絶縁片25によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離を確保できると共に巻線6の相間絶縁も行われ、スロットにおける巻線の占積率を向上できる。
【0084】
なお、鉄心1が円環形状に閉じられるまでは、隣接する二つの相間絶縁片25はV形連結状態でスロット2の分割空間に存在しているから、鉄心1の円環形状への折曲げにより、隣接する磁極片部5の巻線6間に確実に存在するようになり、図18に示されているように、鉄心1が円環形状に閉じられると、相間絶縁片25がスロット2の径方向内側へ折曲されることによって薄肉ヒンジ27に作用する引張力により、薄肉ヒンジ27が引張破断し、隣接する磁極片部5のものの相間絶縁片25が切り離される。これにより相間絶縁片25を含むインシュレータ10に曲げ応力が作用し続けることが回避され、インシュレータ10の疲労が軽減される。
【0085】
(実施の形態9)
図19、図20はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態9を示している。なお、図19、図20に於いても、図17、図18に対応する部分は図17、図18に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0086】
この実施の形態は、実施の形態8の変形例であり、相間絶縁片25が外側片部10aより薄肉に構成されている。
【0087】
相間絶縁片25と外側片部10aとを接続する薄肉ヒンジ26は、肉厚変化による段落を有し、鉄心内径側に設けられた丸形溝により薄肉ヒンジを構成している。なお、相間絶縁片25どうしを連結する薄肉ヒンジ27は実施の形態8における場合と同様に、鉄心外径側に設けられたV形溝により構成されている。
【0088】
この実施の形態では、相間絶縁片25が外側片部10aより薄肉であることにより、分割形連結鉄心1が円環状に閉じられた時に相間絶縁片25がスロット2の径方向内側へ折曲することが、外側片部10aに大きい荷重を与えることなく円滑、かつ確実に行われようになる。
【0089】
この実施の形態でも、インシュレータ10の外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また相間絶縁片25によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離を確保できると共に巻線6の相間絶縁も行われ、スロットにおける巻線の占積率を向上できる。
【0090】
(実施の形態10)
図21〜図23はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態10を示している。なお、図21〜図23に於いても、図1、図3に対応する部分は図1、図3に付した符号と同一の符号を付けてその説明を省略する。
【0091】
この実施の形態では、インシュレータ10が一方のスロット2の径方向外側の壁面2aを被覆する外側片部10aの先端に、相間絶縁片28が薄肉ヒンジ29によってスロット2の径方向内側へ折曲可能に設けられている。このインシュレータ10にあっては、絶縁性の剛性が高い合成樹脂により全体を成形される薄肉ヒンジ29がスロット2の径方向内側の面に設けられたV形溝により構成されて相間絶縁片28の径方向内側への折曲のみを許している。
【0092】
図21に示されている状態から、巻線ノズルNにより巻線を開始する際、磁極片部(ティース部)5bあるいは5cより巻始めると、巻線が左隣の磁極片部に嵌合したインシュレータ10と干渉する。しかし、最初に磁極片部5aに巻線を施すと、インシュレータ10に巻線が干渉しない。その後に、図22に示されているように、磁極片部5aの鉄心分割部位置にあるインシュレータ10の相間絶縁片28を鉄心内径側に折り曲げ、つぎに磁極片部5bの巻線を行うと、巻線のインシュレータ10への干渉が解消できる。
【0093】
図23に示されているように、鉄心1が円環形状に閉じられた状態では、相間絶縁片28は、薄肉ヒンジ29を折曲げ線として内側に折り曲げられ、各磁極片部5a、5b、5cの巻線6間に存在するようになる。
【0094】
これにより、インシュレータ10の外側片部10aがスロット2と鉄心1の分割面1aとの境界部にまで延びていても、これが分割面1a間に噛み込むことがなく、また相間絶縁片28によって鉄心1と巻線6との間の絶縁距離を確保できると共に巻線6の相間絶縁も行われ、スロットにおける巻線の占積率を向上できる。
【0095】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、スロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端に、分割形連結鉄心の分割部のスロット側の端部に形成された段差部に係合するようスロットの径方向外側に一段高くなった段差片部と、この段差片部先端からスロットの径方向内側に折り曲がるくびれ先端片部とを設けるようにしたので、くびれ先端片部によって鉄心と巻線との間の絶縁距離を確保できるとともに、巻線ノズルによる巻線時に巻線とくびれ先端片部とが干渉することが回避され、くびれ先端片部の存在に拘らず正常な巻線設置が的確に行われる。
【0101】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、展開状態ではV形をなして両端を係止され、かつ分割形連結鉄心が円環状に閉じられた時ることによって前記スロットの径方向内側へ隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁シートを設けるようにしたので、隣接する磁極片部の巻線間の絶縁すなわち相間絶縁が確実に行われる。
【0102】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、インシュレータ本体と鉄心との間に両端を係止されて隣接する磁極片部の巻線間に存在する相間絶縁シートが設けられていることにより、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が確実に行われる。
【0103】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、両側の外側片部の先端のそれぞれに、展開状態では両側の外側片部からそれぞれほぼ一直線状に延在し、その先端部が隣接する磁極片部のもの同士で折曲可能に連結されている相間絶縁片を設けるようにしているので、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が確実に行われるとともに、巻線工程時に相間絶縁片が揺れ動いて巻線作業の邪魔になることがなく、一つの鉄心において、インシュレータ部材は一つの部品として取り扱われ、部品管理性、組み付け性などが改善される。
【0105】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、相間絶縁片が外側片部より薄肉であることにより、分割形連結鉄心が円環状に閉じられた時に相間絶縁片がスロットの径方向内側へ折曲することが、外側片部に大きい荷重を与えることなく円滑、かつ確実に行われようになる。
【0106】
つぎの発明による回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータによれば、一方のスロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端にのみ、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁片を設けるようにしたので、隣接する巻線間の相間絶縁が確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態1を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図2】(a)は実施の形態1のインシュレータの要部の拡大図、(b)はインシュレータとくびれ先端片部と巻線ノズルとの関係を示す要部の拡大図である。
【図3】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態1を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図4】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態1を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図5】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態2を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図6】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態2を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図7】(a)はこの発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態3を鉄心展開状態について示す断面図、(b)は要部の拡大図である。
【図8】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態3を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図9】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態4を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図10】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態4を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図11】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態5を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図12】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態5を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図13】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態6を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図14】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態6を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図15】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態7を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図16】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態7を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図17】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態8を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図18】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態8を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図19】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態9を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図20】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態9を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図21】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態10を巻線設置前の鉄心展開状態について示す断面図である。
【図22】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態10を鉄心展開状態について示す断面図である。
【図23】この発明によるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の実施の形態10を鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図24】従来におけるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の鉄心展開状態について示す断面図である。
【図25】従来におけるインシュレータおよびこれを組み込まれた回転電機用固定子鉄心の鉄心閉じ状態について示す断面図である。
【図26】図25に示した線A−Aによる断面図である。
【図27】従来におけるインシュレータを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 分割形連結鉄心、2 スロット、5 磁極片部、6 巻線、2a スロットの径方向外側の壁面、1a 鉄心の分割面、10 インシュレータ、10a 外側片部、11 くびれ先端片部、12 薄肉ヒンジ、13 薄肉絶縁シート片、14 延長片部、17 突出片部、18 突出片受け入れ段差部、20、22相間絶縁シート、25 相間絶縁片、26、27 薄肉ヒンジ、28 相間絶縁片、29 薄肉ヒンジ。
Claims (6)
- 周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在するコの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、
前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、前記スロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端に、前記分割形連結鉄心の分割部の前記スロット側の端部に形成された段差部に係合するようスロットの径方向外側に一段高くなった段差片部と、この段差片部先端からスロットの径方向内側に折り曲がるくびれ先端片部とを有していることを特徴とする回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。 - 周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、
前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合し、当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなすインシュレータ本体と、
展開状態ではV形をなし、その両端をそれぞれ隣接する磁極片部に装着された前記インシュレータ本体の外側片部の先端と鉄心との間に挟み込まれることにより係止され、分割形連結鉄心が円環状に閉じられることによって前記スロットの径方向内側へ、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁シートと、
を有していることを特徴とする回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。 - 周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、
前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合し、当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなすインシュレータ本体と、
前記インシュレータ本体が前記スロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端と鉄心との間に一端を挟み込まれることにより係止され、他端を前記インシュレータ本体が前記スロットの径方向内側の壁面を被覆する内側片部の先端と鉄心との間に他端を挟み込まれることにより係止され、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁を行う相間絶縁シートと、
を有していることを特徴とする回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。 - 周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、
前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、隣接する磁極片部のスロットの径方向外側の壁面をそれぞれ被覆する両側の外側片部の先端のそれぞれに、展開状態では両側の外側片部からそれぞれほぼ一直線状に延在し、その基端部がスロットの径方向内側へ折曲可能であり、かつその先端部が隣接する磁極片部のも の同士で折曲可能に連結されている相間絶縁片が設けられ、
かつ前記相間絶縁片は、分割形連結鉄心が円環状に閉じられることによって前記スロットの径方向内側へ延在することを特徴とする回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。 - 前記相間絶縁片は前記外側片部より薄肉であることを特徴とする請求項4に記載の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。
- 周方向に等間隔をおいて複数個の磁極片部毎に設けられた各スロット毎に、外周側に薄肉ジョイント部を残して径方向に延在する切り込みによって略扇状に分割され、展開状態で各磁極片部の両側に背中合わせで存在する略コの字形状のスロットに巻線を通して前記磁極片部の周りに巻線を巻かれる分割形連結鉄心による円環状の回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータにおいて、
前記磁極片部の一方の端部より当該磁極片部を跨ぐようにして磁極片部の外周囲に嵌合して当該磁極片部の両側のスロットの壁面を電気的に絶縁被覆するコの字形状をなし、隣接する磁極片部のスロットのうちの一方のスロットの径方向外側の壁面を被覆する外側片部の先端にのみ、隣接する磁極片部の巻線間の相間絶縁が行われる程度延在する相間絶縁片が外側片部の先端に対しスロットの径方向内側へ折曲可能に設けられていることを特徴とする回転電機用固定子鉄心のためのインシュレータ。
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